JPH08269850A - 建築資材用ネットおよびメッシュ - Google Patents

建築資材用ネットおよびメッシュ

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JPH08269850A
JPH08269850A JP7285395A JP7285395A JPH08269850A JP H08269850 A JPH08269850 A JP H08269850A JP 7285395 A JP7285395 A JP 7285395A JP 7285395 A JP7285395 A JP 7285395A JP H08269850 A JPH08269850 A JP H08269850A
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JP
Japan
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carbon atoms
group
hydrogen atom
mesh
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JP7285395A
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Takahiro Okubo
隆弘 大久保
Masataka Aoyama
正孝 青山
Naoji Ikeda
直司 池田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 寸法安定性、耐候性、加工性、作業性およ
び強力などのすぐれた特性を維持すると共に、耐久性の
すぐれた防炎性能を有し、しかも変退色性の少ない建築
資材用ネットおよびメッシュを提供する。 【構成】 本発明の建築資材用ネットおよびメッシュ
は、特定の二官能基性リン化合物を、リン元素量として
0.3〜1.5重量%共重合すると共に、紫外線吸収剤
および顔料を含有する共重合ポリエステル組成物からな
る原着ポリエステル繊維を用いて編網または製織された
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築資材用の建築資材
用ネットおよびメッシュに関するものであり、さらに詳
しくは防炎性、変退色性および耐久性を向上した建築資
材用のネットおよびメッシュに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築資材用ネットおよびメッシュ
は、安全および環境美観などを目的として、建築現場な
どのタテ張りとして使用されており、これら建築資材用
ネットおよびメッシュに対する要求性能としては、寸法
安定性、耐候性、作業性および強力などが挙げられる。
【0003】そして、建築資材用ネットおよびメッシュ
は、建築資材が外部へ落下し飛び出すのを防ぐことおよ
び作業場の美観を維持することを元来の目的として、建
築現場において使用されている。
【0004】しかし、近年では、建築資材用ネットおよ
びメッシュに対し、上記要求特性の他に、防炎性の付与
が要求されるようになってきており、建築用資材として
使用されている養生メッシュおよび養生シート類はすで
に防炎性が規格されており、また安全ネットにも防炎性
を規格化する動きがある。
【0005】これら建築用資材として使用されている養
生メッシュ、養生シート類および安全ネットなどに防炎
性を付与するための従来法としては、例えば特開平3−
36367号公報に見られるように、メッシュ、シー
ト、ネットなどの表面に、ポリ塩化ビニル樹脂をコート
やトッピングなどの手段の方法によって付与する方法が
知られており、この方法では塩化ビニル樹脂の着色しや
すい性質を利用して、防炎性付与と同時に、着色の付与
が行われているのである。
【0006】しかしながら、上記従来の防炎化手段によ
れば、確かにポリ塩化ビニル樹脂を付与することによっ
て、初期の防炎性は満足するものの、耐久防炎性が劣る
ため、1年に1度程度はポリ塩化ビニル樹脂を再付与す
る必要が生じるため、きわめて煩わしいという問題を包
含していたばかりか、当然のことであるが、防炎性の低
下と共に変退色にも好ましくない影響を生じるという問
題があった。
【0007】また、ポリ塩化ビニル樹脂を用いて防炎性
を付与する場合には、ポリ塩化ビニル樹脂の付与量がか
なり多くなり、メッシュやしシートの重量が増加するこ
とから、建築現場においてこれらのメッシュやシートを
張設する場合の作業性が大幅に低下するという欠点があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術が有する問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0009】したがって、本発明の目的は、寸法安定
性、耐候性、加工性、作業性および強力などのすぐれた
特性を維持すると共に、耐久性のすぐれた防炎性能を有
し、しかも変退色性の少ない建築資材用ネットおよびメ
ッシュを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の建築資材用ネットおよびメッシュは、下記
一般式(I)〜(III)で示される二官能基性リン化
合物の少なくとも1種を、リン元素量として0.3〜
1.5重量%共重合すると共に、紫外線吸収剤および顔
料を含有する共重合ポリエステル組成物からなる原着ポ
リエステル繊維を用いて編網または製織されたことを特
徴とする。
【化7】 (ただし、式(I)中R1 は炭素数1〜18の炭化水素
基、R2 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素
基、R3 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基
を示す)
【化8】 (ただし、式(II)中R1 は炭素数1〜18の炭化水
素基、R2 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素
基、R4 はカルボキシル基またはそのエステル、A1 は
二価の有機基を示す)
【化9】 (ただし、式(III)中R1 は炭素数1〜18の炭化
水素基、R2 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水
素基、R5 はカルボキシル基またはそのエステルあるい
は互いに−CO−CO−で示される基を介してA2 と環
を形成可能な二価のエステル形成性官能基、A2 は三価
の有機基を示す)。
【0011】また、上記紫外線吸収剤はベンゾフェノン
系またはトリアゾール系の紫外線吸収剤であり、これら
は0.1〜2.3重量%含有されることを特徴とする。
【0012】本発明の建築資材用ネットおよびメッシュ
を構成する原着ポリエステル繊維の出発原料である共重
合ポリエステルは、ポリエステルの繰り返し単位の80
%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95
%以上がエチレンテレフタレートからなり、本発明の構
成要件および目的を損なわない範囲で、従来公知の酸性
分、グリコール成分を含むポリエステルを主体とする共
重合ポリエステルである。
【0013】ここで、上記酸性分としては、例えばイソ
フタル酸およびアジピン酸などが挙げられ、また上記グ
リコール成分としては、テトラメチレングリコール、
1,4シクロヘキサンジメタノールおよびポリエチレン
グリコールなどが挙げられる。
【0014】ただし、本発明で使用する共重合ポリエス
テルは、上記酸成分およびグリコール成分からなるポリ
エステルに対し、さらに上記一般式(I)〜(III)
で示される二官能基性リン化合物の少なくとも1種を、
リン元素量として0.3〜1.5重量%、とくに0.5
〜1.2重量%の割合で共重合することによって、防炎
制が付与されていることを必須とする。
【0015】さらに、本発明で使用するポリエステル繊
維は、上記共重合ポリエステルに対して、紫外線吸収剤
および顔料を添加した共重合ポリエステル組成物を溶融
紡糸した原着ポリエステル繊維であることを必須とす
る。
【0016】前記の式(1)で示される二官能性リン化
合物における好ましい具体例としては、フェニルホスホ
ン酸ジフェニルなどが挙げられる。
【0017】上記一般式(I)で表される二官能性リン
化合物における好ましい具体例としては、(2−カルボ
キシルエチル)メチルホスフィン酸、(2−カルボキシ
ルエチル)フェニルホスフィン酸、(2−メトキシカル
ボキシルエチル)フェニルホスフィン酸メチル、(4−
メトキシカルボキシルエチル)フェニルホスフィン酸メ
チル、および(2−(β−ヒドロキシエトキシカルボニ
ル)エチル)メチルホスフィン酸のエチレングリコール
エステルなどが挙げられる。
【0018】上記一般式(II)で表される二官能性リ
ン化合物の好ましい具体例としては、(1、2−ジカル
ボキシルエチル)ホスフィンオキシド、(2、3−ジメ
トキシカルボキシルプロピル)ジメチルホスフィンオキ
シド、(2、3−ジメトキシカルボニルエチル)ジメチ
ルホスフィンオキシド、および(1、2−ジ(β−ヒド
ロキシエトキシカルボニル)ジメチルホスフィンオキシ
ドなどが挙げられる。
【0019】上記一般式(III)で表される二官能性
リン化合物における好ましい具体例としては、1.2、
ジカルボキシエチルホスフィンオキシド(2.3−ジカ
ルボキシプロピル)ジメチルホスフィンオキシド、
(2.3−ドメトキシカルボニルエチル)ジメチルホス
フィンオキシド、(1.2−ジ(β−ヒドロキシエトキ
シカルボニル)ジメチルホスフィンオキシドなどが挙げ
られる。
【0020】上記一般式(I)、(II)および(II
I)で表される二官能性リン化合物の中でも、とくに上
記一般式(II)で表される二官能性リン化合物が、ポ
リエステルとの共重合反応性が良く、重縮合反応時の飛
散が少ないことから、好ましく用いられる。
【0021】これら二官能性リン化合物のポリエステル
に対する共重合量が、リン元素量として,0.3重量%
未満では、防炎性を十分に向上することができず、また
1.5重量%を越えると、ポリエステル繊維の強度およ
び伸度が低下し、さらには耐光性を向上することができ
ないため好ましくない。
【0022】本発明で使用する原着ポリエステル繊維に
含有される紫外線吸収剤は、例えばビス−[2−メトキ
シベンゾフェノール]メタンなどのベンゾフェノン系紫
外線吸収剤および/または例えば2−[2−ヒドロキシ
−3.5−ビスゅ(α、α−ジメチルベンゼン)フェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール系
紫外線吸収剤であり、これを含有することによって、耐
光性を向上させることができる。
【0023】これら紫外線吸収剤の含有量は、0.1〜
2.3重量%、とくに0.3〜2.0が好ましく0.1
重量%未満では、十分な耐光性が得られず、また2.3
重量%を越えると、製糸時の単糸切れが多くなるため好
ましくない。
【0024】また、本発明で使用する原着ポリエステル
繊維に含有される顔料としては、シアニン系、スチレン
系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリノン
系、イソインドリノン系、キノフタロン系、およびキノ
クリドン系などの有機顔料や無機顔料であり、これらを
着色剤として使用することにより、共重合ポリエステル
繊維の耐光性をも併せて向上することができる。
【0025】これらの顔料は、上記共重合ポリエステル
に対し、重合時添加法または原着マスターバッチ法によ
り混合され、またこれら顔料の含有量は、共重合ポリエ
ステルに対し0.005〜5.0重量%、とくに0.0
1〜1.0重量%の割合が好ましい。
【0026】これら顔料の含有量が0.005重量%未
満では着色による色彩効果が乏しく、また5.0重量%
を越えると原糸粘度の低下が著しく、原糸強伸度の低下
が発現するため好ましくない。
【0027】次に、本発明の建築資材用ネットおよびメ
ッシュの製造方法の一例について説明する。
【0028】まず、ポリエチレンテレフタレートの重縮
合工程で、二官能性リン化合物を全ポリマーに対して、
リン元素量として0.3〜1.5重量%、好ましくは
0.5〜1.0重量%含有するように添加し、二官能性
リン化合物を共重合した固有粘度0.7〜0.85の共
重合ポリエステルチップを得る。
【0029】次いで、上記共重合ポリエステルチップ
を、180〜225℃、0.5mmHg以下の高温、高
減圧下で固相重合し、固有粘度0.9〜1.2のベース
ポリエステルチップを得る。
【0030】一方、着色剤として、シアニン系、スチレ
ン系、フタロシアニン系、アンスラキノン系、ペリノン
系,イソインドリノン系、キノフタロン系、キノクリド
ン系、およびチオインディゴ系などの有機系顔料と無機
系顔料のうち、1種または2種以上を、上記固相重合す
る前のポリエステルチップを溶融したものにブレンド混
合して着色ポリエステルチップを得る。
【0031】この着色ポリエステルチップを、100〜
200℃の高温ドライエアーまたは0.5mmHg以下
の高減圧下で乾燥し、着色マスターポリエステルチップ
を得る。
【0032】チップ中の顔料濃度は、10〜30重量%
の範囲が好ましく、顔料濃度が10重量%以下では目的
とする着色ができず、一方30重量%より多いと製糸性
が悪化すると共に、原糸の強力が低下するため好ましく
ない。
【0033】次いで、ベースポリエステルチップと着色
マスターポリエステルチップとを、10:1ないし6
0:1の割合で混合し、さらに必要量の紫外線吸収剤を
混合して、この組成物を通常の溶融押出紡糸機に導く。
【0034】溶融紡糸は、250〜330℃の温度で行
い、紡出糸条を次いで190〜240℃の温度で、4.
0〜6.0倍に熱延伸し、引き続いて1〜10%弛緩し
た後巻き取ることにより、500デニール以上、30〜
400フィラメントの範囲からなる原着ポリエステル繊
維が得られる。
【0035】そして、本発明の建築資材用ネットは、上
記原着ポリエステル繊維を、例えばラッセル編み機のフ
ロントとバックに使用し、実質的にタテ編みされたネッ
トを編網することなどの方法により得ることができる。
【0036】また、本発明の建築資材用メッシュは、上
記原着ポリエステル繊維を、例えばレピア織機を用いて
製織することなどの方法により得ることができる。
【0037】かくして得られる本発明の建築資材用ネッ
トおよびメッシュは、使用するポリエステル原糸自体が
防炎性を有しているため、後加工による防炎加工が不要
となり、しかも耐久性のある防炎性を有している。
【0038】また、塩化ビニル樹脂による後加工防炎ネ
ットに比較して軽量性がすぐれているため、工事現場に
おける張設などの作業性が良好である。
【0039】さらに、原糸自体を原着により着色してい
ることから、後加工における生産性を大幅に向上するこ
とができ、また従来の後染め加工品に比較して変褪色性
がきわめてすぐれている。
【0040】したがって、本発明の建築資材用ネットお
よびメッシュは、寸法安定性、耐候性、加工性、作業性
および強力などのすぐれた特性を維持すると共に、耐久
性のすぐれた防炎性能を有し、しかも変退色性が少ない
という特性を具備するものであり、例えば建築現場にお
ける安全保護および美観維持を目的としたタテ張りなど
として有効に利用することができる。
【0041】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明の構成およ
び効果についてさらに具体的に説明する。
【0042】なお、以下の実施例および比較例における
各物性の評価は、次の方法にしたがって行った。
【0043】[防炎性]JIS−L1091のD−2法
に準じて測定した。
【0044】[洗濯後防炎性]建築資材用ネットをJI
S−L0217の103法により洗濯した後、上記防炎
性の評価と同様に測定した。
【0045】[変退色性]フィードメーターで63℃、
200時間処理後の変退色を測定した。
【0046】[実施例1〜8]テレフタル酸とエチレン
グリコールを直接エステル化して得たビス−β−ヒドロ
キシテレフタレート、およびその低重合体100部に、
二官能性リン化合物として[2−(ヒドロキシエトキシ
カルボニル)エチル]メチルホスフィン酸を表1に示し
たリン元素量添加し、0.03部の三酸化アンチモンを
加え、さらに、0.1部の二酸化チタンを加えて、30
分で250℃から285℃に昇温すると共に、反応系を
0.5mmHgに減圧した。その後、固有粘度が0.8
に達するまでこの温度および減圧度を維持して反応を行
った。
【0047】得られた共重合ポリエステルポリマを、
2.0mmHg下で10時間乾燥した後、次いで200
℃で0.4mmHg下で18時間固相重合を行い、固有
粘度1.0のベースポリエステルチップを得た。
【0048】一方、上記固相重合前の固有粘度0.8の
ポリマの溶融物に対し、スチレン系イエローとシアニン
系ブルーとカーボンを1:1.5:0.1の重量比の割
合で混合した着色剤を、ポリマに対して20重量%添加
したポリエステルマスターチップを、150℃、3.0
mmHg下で8時間乾燥することにより、グリーンマス
ターポリエステルチップを得た。
【0049】上記固相重合後のベースポリエステルチッ
プとグリーンマスターポリエステルチップを40:1の
割合で混合すると共に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤
および/またはトリアゾール系紫外線吸収剤を表1に示
した割合で添加して成形用のチップを調製した。
【0050】次に、上記成形用チップを溶融押出紡糸機
に導き、300℃で溶融して円形の吐出孔から押し出
し、引き続き250℃の温度で5.6倍に延伸熱処理し
た後、5%の弛緩率でリラックス処理し、巻き取ること
により、1000デニール、192フィラメントからな
る原着ポリエステルフィラメントヤーンを得た。
【0051】得られた原着ポリエステルフィラメントヤ
ーンをラッセル編み機のフロントとバックに使用し、編
み目1.5mmのネットを編網した後、150℃で熱セ
ットして建築資材用ネットを得た。
【0052】得られた各養生用ネットの防炎性、洗濯後
防炎性および変退色性の評価結果を表1に併せて示す。
【0053】
【表1】 [実施例9〜12]テレフタル酸とエチレングリコール
を直接エステル化して得たビス−β−ヒドロキシテレフ
タレート、およびその低重合体100部に、二官能性リ
ン化合物として[2−(ヒドロキシエトキシカルボニ
ル)エチル]メチルホスフィン酸を表1に示したリン元
素量添加し、0.03部の三酸化アンチモンを加え、さ
らに、0.1部の二酸化チタンを加えて、30分で25
0℃から285℃に昇温すると共に、反応系を0.5m
mHgに減圧した。その後、固有粘度が0.8に達する
までこの温度および減圧度を維持し、反応を行った。
【0054】得られたポリマを2.0mmHg下で10
時間乾燥した後、次いで200℃で0.4mmHg下で
18時間固相重合を行い、固有粘度1.0のベースポリ
エステルチップを得た。
【0055】一方、上記固相重合前の固有粘度0.8の
ポリマを溶融し、スチレン系イエローとシアニン系ブル
ーとカーボンを1:1.5:0.1の重量比の割合で混
合した着色剤をポリマに対して20重量%添加したポリ
エステルマスターチップを、150℃、3.0mmHg
下で8時間乾燥することにより、グリーンマスターポリ
エステルチップを得た。
【0056】上記固相重合後のベースポリエステルチッ
プとグリーンマスターポリエステルチップを40:1の
割合で混合すると共に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤
および/またはトリアゾール系紫外線吸収剤を表2に示
した割合で添加して成形用のチップを調製した。
【0057】次に、上記成形用チップを溶融押出紡糸機
に導き、300℃で溶融して、円形の吐出孔から押し出
し、引き続き250℃の温度で5.6倍に延伸熱処理し
た後、5%の弛緩率でリラックス処理し、巻き取ること
により、1000デニール、192フィラメントからな
る原着ポリエステルフィラメントヤーンを得た。
【0058】得られた原着ポリエステルヤーンを、80
T/mで片撚りを付与し、次いで整経した後、レピア織
機を用いて製織した。そして、この生機反にヒートセッ
ト(220℃)をかけて、養生メッシュ用布帛とした。
【0059】得られた建築資材用メッシュの防炎性、洗
濯後防炎性および変退色性の評価結果を、表2に併せて
示した。
【0060】
【表2】 [比較例1〜3]リン化合物として、フェニルホスフィ
ン酸ジフェニルをリン元素量として1.0重量%添加し
た以外は、実施例1と同様の方法で建築資材用ネットを
得た(比較例1)。
【0061】また、リン化合物および着色マスターチッ
プを無添加としたポリエステル繊維を編網した後、グリ
ーンに着色した塩化ビニル樹脂を、ネット重量に対し4
0重量%ディップ加工で付与し建築資材用ネットを得た
(比較例2)。
【0062】さらに、リン化合物と着色マスターチップ
を無添加とし、メッシュ繊織後に染色した以外は、実施
例1と同様の方法で建築資材用メッシュを得た(比較例
3)。
【0063】これら3種類のネットおよびメッシュの防
炎性、洗濯後防炎性および変退色性の評価結果を表3に
示した。
【0064】
【表3】 表1〜表3の結果から明らかなように、本発明の建築資
材用ネットおよびメッシュおよびメッシュ(実施例1〜
12)は、建築資材用ネットおよびメッシュとして具備
すべき一般特性を満足すると共に、きわめて良好な防炎
性を有し、しかも耐久性をも十分満足するものである。
【0065】一方、比較例1は防炎性が不良であり、比
較例2は初期の防炎性は満足するものの耐久防炎性が不
良で、しかも変退色性が劣っており、さらに比較例3は
防炎性が不良である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の建築資材
用ネットおよびメッシュは、使用するポリエステル原糸
自体が防炎性を有しているため、後加工による防炎加工
が不要となり、しかも耐久性のある防炎性を有してい
る。
【0067】また、塩化ビニル樹脂による後加工防炎ネ
ットに比較して軽量性がすぐれているため、工事現場に
おける張設などの作業性が良好である。
【0068】さらに、原糸自体を原着により着色してい
ることから、後加工における生産性を大幅に向上するこ
とができ、また従来の後染め加工品に比較して変褪色性
がきわめてすぐれている。
【0069】したがって、本発明の建築資材用ネットお
よびメッシュは、寸法安定性、耐候性、加工性、作業性
および強力などのすぐれた特性を維持すると共に、耐久
性のすぐれた防炎性能を有し、しかも変退色性が少ない
という特性を具備するものであり、例えば建築現場にお
ける安全保護および美観維持を目的としたタテ張りなど
として有効に利用することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)〜(III)で示さ
    れる二官能基性リン化合物の少なくとも1種を、リン元
    素量として0.3〜1.5重量%共重合すると共に、紫
    外線吸収剤および顔料を含有する共重合ポリエステル組
    成物からなる原着ポリエステル繊維を用いて編網された
    ことを特徴とする建築資材用ネット。◎ 【化1】 (ただし、式(I)中R1 は炭素数1〜18の炭化水素
    基、R2 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素
    基、R3 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基
    を示す) 【化2】 (ただし、式(II)中R1 は炭素数1〜18の炭化水
    素基、R2 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素
    基、R4 はカルボキシル基またはそのエステル、A1 は
    二価の有機基を示す) 【化3】 (ただし、式(III)中R1 は炭素数1〜18の炭化
    水素基、R2 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水
    素基、R5 はカルボキシル基またはそのエステルあるい
    は互いに−CO−CO−で示される基を介してA2 と環
    を形成可能な二価のエステル形成性官能基、A2 は三価
    の有機基を示す)。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤を0.1〜2.3重量%
    含有することを特徴とする請求項1に記載の建築資材用
    ネット。
  3. 【請求項3】 紫外線吸収剤がベンゾフェノン系また
    はトリアゾール系の紫外線吸収剤であること特徴とする
    請求項1または2に記載の建築資材用ネット。
  4. 【請求項4】 下記一般式(I)〜(III)で示さ
    れる二官能基性リン化合物の少なくとも1種を、リン元
    素量として0.3〜1.5重量%共重合すると共に、紫
    外線吸収剤および顔料を含有する共重合ポリエステル組
    成物からなる原着ポリエステル繊維を用いて製織された
    ことを特徴とする建築資材用メッシュ。 【化4】 (ただし、式(I)中R1 は炭素数1〜18の炭化水素
    基、R2 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素
    基、R3 は水素原子まは炭素数1〜18の炭化水素基を
    示す) 【化5】 (ただし、式(II)中R1 は炭素数1〜18の炭化水
    素基、R2 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水素
    基、R4 はカルボキシル基またはそのエステル、A1 は
    二価の有機基を示す) 【化6】 (ただし、式(III)中R1 は炭素数1〜18の炭化
    水素基、R2 は水素原子または炭素数1〜18の炭化水
    素基、R5 はカルボキシル基またはそのエステルあるい
    は互いに−CO−CO−で示される基を介してA2 と環
    を形成可能な二価のエステル形成性官能基、A2 は三価
    の有機基を示す)。
  5. 【請求項5】 紫外線吸収剤を0.1〜2.3重量%
    含有することを特徴とする請求項4に記載の建築資材用
    メッシュ。
  6. 【請求項6】 紫外線吸収剤がベンゾフェノン系また
    はトリアゾール系の紫外線吸収剤であること特徴とする
    請求項4または5記載の建築資材用メッシュ。
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