JP2019147927A - 共重合ポリエステル樹脂組成物、ならびにそれを有する可染性ポリオレフィン樹脂組成物および可染性ポリオレフィン樹脂組成物を配する繊維 - Google Patents

共重合ポリエステル樹脂組成物、ならびにそれを有する可染性ポリオレフィン樹脂組成物および可染性ポリオレフィン樹脂組成物を配する繊維 Download PDF

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Abstract

【課題】発色性に優れ、かつ長期連続紡糸性に優れた可染性ポリオレフィン樹脂組成物および繊維を提供すること。【解決手段】ポリオレフィン(A)が海成分、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)が島成分である海島構造からなるポリマーアロイ組成物であって、相溶化剤(C)を含有する可染性ポリオレフィン組成物。共重合ポリエステル樹脂組成物(B)は、テレフタル酸およびシクロヘキサンジカルボン酸からなるジカルボン酸成分と、エチレングリコールを共重合してなり、下記(I)〜(III)の全てを満足することを特徴とする。(I)末端カルボン酸量が、35〜70eq/トンである。(II)融解熱量ΔHmが、0.1〜30J/gである。(III)固有粘度IVが、0.60〜0.70である。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の末端カルボン酸量を持つ共重合ポリエステル樹脂組成物およびそれを用いてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物および繊維に関するものである。
ポリオレフィン系繊維の一種であるポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維は、軽量性や耐薬品性に優れるものの、極性官能基を有さないため染色することが困難であるという欠点を有している。そのため、衣料用途には適さず、現状ではタイルカーペット、家庭用敷物、自動車用マットなどのインテリア用途や、ロープ、養生ネット、ろ過布、細幅テープ、組紐、椅子張りなどの資材用途などの限られた用途において利用されている。
このような状況の中、ポリオレフィン系繊維の簡便な染色方法として、染色性の低いポリオレフィンに対して、染色可能なポリマーを複合化する技術が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。具体的には、特許文献1ではシクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステル、特許文献2ではイソフタル酸とシクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステルを染色可能な非晶性ポリマーとして、ポリオレフィンへブレンドした可染性ポリオレフィン繊維が提案されている。
さらに、特許文献3では、染色可能なポリマーとして、シクロヘキサンジカルボン酸を共重合したポリエステルを用いてなる可染性ポリオレフィン繊維が提案されている。本文献では、ポリオレフィンへブレンドした、共重合ポリエステルの分散径を特定範囲に制御することで、より高い発色性を示す可染性ポリオレフィン繊維が得られることが報告されている。
特表2008−533315号公報 特表2001−522947号公報 WO2017/154665
上記特許文献1、2記載の方法では、染色可能なポリマーを非晶性にすることにより、発色性は向上するものの、鮮やかさや深みは未だ不十分であった。
また、特許文献3記載の方法では、発色性が向上している点で優れているものの、長期に亘って連続して紡糸した際に、ブレンドした共重合ポリエステル樹脂組成物がポリオレフィン樹脂組成物から剥がれ落ち、延伸工程等のホットローラー表面へ堆積してしまい、長期連続紡糸が困難となり、生産性が悪化するという課題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、発色性に優れ、かつ長期連続紡糸性に優れた可染性ポリオレフィン樹脂組成物を提供することにある。
ポリオレフィン樹脂組成物にブレンドする共重合ポリエステル樹脂組成物として、以下の条件を満たす樹脂組成物を用いることにより、紡糸時のホットローラーへの堆積量が著しく低減し、上記目的が達成される。
すなわち、テレフタル酸およびシクロヘキサンジカルボン酸からなるジカルボン酸成分と、エチレングリコールを共重合してなり、下記(I)〜(III)の全てを満足することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂組成物。
(I)末端カルボン酸量が、35〜70eq/トンである。
(II)融解熱量ΔHmが、0.1〜30J/gである。
(III)固有粘度IVが、0.60〜0.70である。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物がブレンドされたポリオレフィン樹脂組成物を用いることで、紡糸時にホットローラーへの共重合ポリエステル樹脂組成物堆積量が少なくなり、連続紡糸が可能となり、高い生産性で可染性ポリオレフィン繊維を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)は、テレフタル酸および/またはテレフタル酸ジメチル、シクロヘキサンジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体、エチレングリコールを主たる原料とする共重合ポリエステル樹脂組成物である。
本発明において、シクロヘキサンジカルボン酸としては、例えば1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチルが挙げられ、これらのいずれか1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は、耐熱性および機械的特性の観点より好適に採用できる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)は、末端カルボン酸量が35eq/トン以上、70eq/トン以下である。末端カルボン酸量を35eq/トン以上とすることにより、可染性ポリオレフィン樹脂組成物の構成成分とした際に、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)と相溶化剤(C)がより多く反応すると考えられる。その結果、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)とポリオレフィン(A)の界面親和性が向上し、紡糸時にホットローラーへ共重合ポリエステル樹脂組成物が堆積する量を低減させることができる。ここで、末端カルボン酸量は、共重合ポリエステル樹脂組成物をo−クレゾールに溶解させ、25℃で0.02N規定の水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。末端カルボン酸量は37eq/トン以上であることがより好ましく、40eq/トン以上であることが特に好ましい。また、末端カルボン酸量を70eq/トン以下とすることで、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の色調悪化を抑制し、可染性ポリオレフィン樹脂組成物の優れた発色性を得ることができる。末端カルボン酸量は67eq/トン以下であることがより好ましく、65eq/トン以下であることが特に好ましい。
共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の末端カルボン酸量を35〜70eq/トンに制御する手法としては、特に限定されないが、例えば、重縮合終了後、吐出前に重合缶内で共重合ポリエステル樹脂組成物を滞留させる方法、重縮合開始時に酸性添加物を添加する方法、重縮合終了直前に酸性添加物を添加する方法、重縮合温度を上昇させる方法などが挙げられる。その中でも、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の色調悪化を抑制し、可染性ポリオレフィン樹脂組成物を用いた繊維の発色性低下を抑制できることより、重縮合終了後、吐出前に重合缶内で共重合ポリエステル樹脂組成物を重合温度、常圧、窒素雰囲気下にて滞留させる方法がより好ましい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)は、融点(Tm)が150℃以上、180℃以下であることが好ましい。Tmを150℃以上とすることで、可染性ポリオレフィン樹脂組成物を用いた繊維からなる衣服を乾燥機で乾燥させた際に、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)が軟化、溶融することを防ぐことができる。155℃以上がさらに好ましい。また、Tmを180℃以下とすることで、ポリオレフィン(A)のTmにより近づくため、紡糸温度を低減させることができ、省エネルギー化することができる。175℃以下がさらに好ましい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)は、融解熱量(ΔHm)が0.1J/g以上、30J/g以下である。ΔHmを0.1J/g以上とすることで、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)に結晶性が付与され、紡糸時に可染性ポリオレフィン樹脂組成物から剥がれ落ち難くなり、ホットローラーへの共重合ポリエステル樹脂組成物の堆積量を低減させることができる。ΔHmは1J/g以上であることがより好ましく、3J/g以上が特に好ましい。また、ΔHmを30J/g以下とすることで、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の屈折率が低下し、ポリオレフィン(A)の屈折率に近づくため、可染性ポリオレフィン樹脂組成物を用いた繊維の発色性を向上させることができる。染料吸塵率が高くなり、発色性が良好となるため、29J/g以下であることがより好ましく、28J/g以下であることが特に好ましい。
なお、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)のTmおよびΔHmは以下の方法で測定することができる。樹脂組成物ペレットを、130℃の真空乾燥機中で12時間真空乾燥させる。真空乾燥後のポリマー約5mgを秤量し、TAインスツルメント製示差走査熱量計(DSC)Q2000型を用いて、0℃から280℃まで昇温速度16℃/分で昇温後、280℃で5分間保持するプログラムでDSC測定を行う。昇温過程中に観測された融解ピークより融点(Tm)および融解熱量(ΔHm)を算出する。なお、融解ピークが複数観測された場合には、最も高温側の融解ピークトップからTmを算出することとし、Tmを含む一続きの融解熱量の合計をΔHmとする。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)のTmおよびΔHmを前記範囲にする手法としては、特に限定されないが、例えば、原料であるテレフタル酸100重量部に対してシクロヘキサンジカルボン酸の配合量を35重量部以上90重両部以下に調整する方法が挙げられる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)は、固有粘度(IV)が0.60以上、0.70以下である。IVを0.60以上とすることで、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の自由体積が減少し、ガラス転移温度が高まるため、可染性ポリオレフィン樹脂組成物の構成成分として、繊維を製造する際にはホットローラーへの共重合ポリエステル樹脂組成物の堆積量を減少させることができる。IVは0.61以上がより好ましく、0.62以上であることが特に好ましい。また、IVを0.70以下とすることで、末端カルボン酸量を好ましい範囲に制御し易くすることができる。また、非晶部の存在割合が高まるため、染料を吸収し易くなり、可染性ポリオレフィン樹脂組成物を用いた繊維の発色性を高めることができる。IVは0.69以下であることが好ましく、0.68以下であることが特に好ましい。
次に本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の製造方法を以下に示す。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)は通常、次の(1)〜(3)いずれかのプロセスで製造される。
すなわち、(1)テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸およびエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリエステル樹脂組成物を得るプロセス。(2)テレフタル酸ジメチル、シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルおよびエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によってポリエチレンテレフタレート低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリエステル樹脂組成物を得るプロセス。(3)テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によってポリエチレンテレフタレート低重合体を得る。続いて、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸およびエチレングリコールを添加し、エステル化反応によって低重合体を得、その後の重縮合反応によって高分子量ポリエステル樹脂組成物を得るプロセスである。
(1)のプロセスの直接エステル化反応の際、ジエチレングリコールの副生を抑制するため反応温度を250℃以下、圧力を1.2×100,000Pa以上とするのが好ましい。さらに続く重縮合反応では、反応温度を290℃以下、圧力は減圧にすればするほど重合時間が短くなり好ましい。
(2)および(3)のプロセスのエステル交換反応の際、反応温度を230℃以下、圧力を大気圧以上とするのが好ましい。エステル化反応に続く重縮合反応では、反応温度を290℃以下、圧力は減圧にすればするほど重合時間が短くなり好ましい。
また、これら両プロセスにおいて、エステル化反応は無触媒でも反応は進行するが、エステル交換触媒と同様にマグネシウム、マンガン、カルシウム、コバルト、リチウム、チタン等の化合物を触媒として用いてもよい。また重縮合の際に用いられる触媒としては、チタン化合物、アルミニウム化合物、スズ化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物などが用いられる。
この場合に用いるマグネシウム化合物としては、具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
マンガン化合物としては、具体的には、塩化マンガン、臭化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン、マンガンアセチルアセトネート、酢酸マンガン等が挙げられる。
カルシウム化合物としては、具体的には、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルコキシド、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
コバルト化合物としては、具体的には、塩化コバルト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト等が挙げられる。
リチウム化合物としては、具体的には、酸化リチウム、水酸化リチウム、リチウムアルコキシド、酢酸リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。
チタン化合物としては、チタン錯体、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマーなどのチタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物、チタンアセチルアセトナートなどが挙げられる。中でも多価カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸および/または多価アルコールをキレート剤とするチタン錯体であることが、ポリマーの熱安定性、色調および口金まわりの堆積物の少なさの観点から好ましい。チタン化合物のキレート剤としては、乳酸、クエン酸、マンニトール、トリペンタエリスリトール等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、カルボン酸アルミニウム、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート化合物、塩基性アルミニウム化合物などが挙げられ、具体的には酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、塩基性酢酸アルミニウムなどが挙げられる。
スズ化合物としてはモノブチルスズオキシド、酢酸スズ、オクチル酸スズやスズアルコキシドなどが挙げられる。
アンチモン化合物としてはアンチモンアルコキシド、アンチモングリコラートや三酸化アンチモンが挙げられる。
ゲルマニウム化合物としては、ゲルマニウムアルコキシドや酸化ゲルマニウム等が挙げられる。
これら金属化合物は、水和物であってもよい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)は、安定剤としてリン化合物が添加されることが好ましい。具体的にはリン酸、リン酸トリメチル、ジエチルホスホノ酢酸エチル等が好ましく、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン(PEP−36:旭電化社製)やテトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト(GSY−P101:大崎工業社製)などの3価リン化合物が色調や耐熱性改善の面からより好ましい。
さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、可塑剤もしくは消泡剤又はその他の添加剤等を必要に応じて配合してもよい。
本発明にて得られる共重合ポリエステル樹脂組成物(B)はバッチ重合、半連続重合、連続重合で生産することができる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン(A)が海成分、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)が島成分である海島構造からなるポリマーアロイ組成物である。
ポリオレフィン(A)中に、本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)を染色可能なポリマーとして島に配置することで、ポリオレフィン(A)に発色性を付与することができる。また、染色可能なポリマーを芯鞘複合繊維の芯に配置した場合や、海島複合繊維の島に配置した場合と異なり、ポリマーアロイ組成物では、島成分の染色可能なポリマーが表面に露出するため、より高い発色性を発現し得ることができ、さらには、島成分へ透過した光による発色効率が向上し、鮮やかで深みのある発色を実現することができる。
本発明におけるポリマーアロイ組成物とは、島成分が不連続に分散して存在することである。ここで、島成分が不連続とは、例えばポリマーアロイ組成物からなる繊維の場合、繊維軸方向に島成分が適度な長さを有しており、繊維軸に対して垂直な断面、すなわち繊維横断面における海島構造の形状が異なる状態である。島成分が不連続に分散して存在する場合、島成分は紡錘形であるため、島成分へ透過した光による発色効率が向上し、鮮明性が向上し、深みのある発色が得られる。以上より、本発明におけるポリマーアロイ組成物からなる繊維は、1つの島が繊維軸方向に連続かつ同一形状に形成される芯鞘複合繊維や、複数の島が繊維軸方向に連続かつ同一形状に形成される海島複合繊維とは本質的に異なる。かかるポリマーアロイ組成物は、例えば、ポリオレフィン(A)と、本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)および相溶化剤(C)を溶融混練することで得ることができる。
前記ポリオレフィン(A)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテンなどが挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、ポリプロピレンは成形加工性が良好であり、機械的特性に優れるため好ましく、ポリメチルペンテンは融点が高く、耐熱性に優れるとともに、ポリオレフィンの中で最も低比重であり、軽量性に優れるため好ましい。衣料用途においては、ポリプロピレンが特に好適に採用できる。
ポリオレフィン(A)は、単独重合体であっても、他のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。他のα−オレフィン(以下、単にα−オレフィンと称する場合もある)は、1種または2種以上を共重合してもよい。
α−オレフィンの炭素数は2〜20であることが好ましく、α−オレフィンの分子鎖は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。α−オレフィンの具体例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ヘキセンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
α−オレフィンの共重合率は20mol%以下であることが好ましい。α−オレフィンの共重合率が20mol%以下であれば、機械的特性や耐熱性が良好な可染性ポリオレフィン組成物が得られるため好ましい。α−オレフィンの共重合率は15mol%以下であることがより好ましく、10mol%以下であることが更に好ましい。
本発明では、海成分であるポリオレフィン(A)に対する、島成分である共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の界面接着性の向上および、それに伴う、紡糸時のホットローラーへの共重合ポリエステル樹脂組成物堆積量低減を目的として、相溶化剤(C)を添加する。
本発明における相溶化剤(C)は、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)のシクロヘキサンジカルボン酸の共重合率、海成分のポリオレフィン(A)と島成分の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)との複合比率などに応じて適宜選択することができる。なお、相溶化剤(C)は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における相溶化剤(C)は、疎水性が高い海成分のポリオレフィン(A)と親和性の高い疎水性成分と、島成分の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の末端カルボン酸と親和性の高い官能基とが、両方とも単一分子内に含まれている化合物が好ましい。または、疎水性が高い海成分のポリオレフィン(A)と親和性の高い疎水性成分と、島成分の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)と反応しうる官能基とが、両方とも単一分子内に含まれている化合物を相溶化剤(C)として好適に採用できる。
相溶化剤(C)を構成する疎水性成分の具体例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、プロピレン−ブチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体などの共役ジエン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。
相溶化剤(C)を構成する、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の末端カルボン酸と親和性の高い官能基、または共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の末端カルボン酸と反応しうる官能基の具体例として、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基およびイミノ基などが挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、アミノ基、イミノ基は、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の末端カルボン酸との反応性が高いため好ましい。
相溶化剤(C)の具体例として、マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリメチルペンテン、エポキシ変性ポリプロピレン、エポキシ変性ポリスチレン、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、アミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、イミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明における相溶化剤(C)は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基およびイミノ基から選択される少なくとも1種の官能基を含有する、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂および共役ジエン系樹脂から選択される1種以上の化合物であることが好ましい。なかでも、アミノ基およびイミノ基から選択される少なくとも1種の官能基を含有する、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体は、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の末端カルボン酸との反応性が高く、ポリオレフィン(A)と共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の界面接着性を向上させる効果が高いため、紡糸時にホットローラーへの共重合ポリエステル樹脂組成物堆積量を低減させることができるため好ましい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物および繊維は、ブレンド時に酸化防止剤を添加することが好ましい。ポリオレフィンは光や熱によって容易に酸化分解するため、酸化防止剤を含有することにより、長期保管やタンブラー乾燥によるポリオレフィンの酸化分解を抑制するだけではなく、機械的特性などの耐久性が向上するため好ましい。一方で、酸化防止剤の種類、組み合わせ、含有量によっては、長期保管時における窒素酸化物ガスやフェノール性化合物に起因するポリオレフィン組成物の黄変を引き起こすため、ポリオレフィン組成物の酸化分解の抑制と、黄変の抑制を両立可能な酸化防止剤の種類、組み合わせ、含有量を選択することが好ましい。ここで、フェノール性黄変とは、ビニール袋などの梱包剤に酸化防止剤として含有されているフェノール性化合物のBHT(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン)(以下、単にBHTと称する場合もある)に起因するポリオレフィン組成物の黄変である。従来のポリオレフィン組成物は、染料による染色が困難であるため、顔料を用いた染色が行われる。顔料による染色は、一般に濃色のため、ポリオレフィン組成物自身の黄変が、染色後の色調へ与える影響は小さい。これに対し、本発明の可染性ポリオレフィン組成物は、染料による染色が可能である。染料による染色は、淡色から濃色まで幅広く、特に淡色の場合にはポリオレフィン組成物自身の黄変が、染色後の色調へ与える影響が大きいため、酸化防止剤によって引き起こされるポリオレフィン組成物の黄変が抑制されていることが好ましい。
本発明における酸化防止剤は、フェノール系化合物、リン系化合物、ヒンダードアミン系化合物のいずれかであることが好ましい。これらの酸化防止剤は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤であるフェノール系化合物は、フェノール構造を有したラジカル連鎖反応禁止剤であり、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート)(例えば、BASF製Irganox1010)、2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)メシチレン(例えば、ADEKA製アデカスタブAO−330)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン(例えば、住友化学製スミライザーGA−80、ADEKA製アデカスタブAO−80)、1,3,5−トリス[[4−(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(例えば、東京化成工業製THANOX1790、CYTEC製CYANOX1790)は、酸化分解抑制効果が高いため、好適に採用できる。なかでも、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン(例えば、住友化学製スミライザーGA−80、ADEKA製アデカスタブAO−80)、1,3,5−トリス[[4−(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(例えば、東京化成工業製THANOX1790、CYTEC製CYANOX1790)は、窒素酸化物ガスに暴露された場合に、フェノール系化合物自身が、黄変の原因物質であるキノン系化合物に変化しにくいため、長期保管時における窒素酸化物ガスに起因する組成物の黄変を抑制することができ、特に好適に採用できる。
酸化防止剤であるリン系化合物は、ラジカルを発生させずに過酸化物を還元し、自身が酸化されるリン系酸化防止剤であり、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、亜リン酸トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)(例えば、BASF製Irgafos168)、3,9−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン(例えば、ADEKA製アデカスタブPEP−36)は、酸化分解抑制効果が高いため、好適に採用できる。
酸化防止剤であるヒンダードアミン系化合物は、紫外線や熱により生成したラジカルの捕捉や、酸化防止剤として機能して失活したフェノール系酸化防止剤を再生する効果があるヒンダードアミン系酸化防止剤であり、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、アミノエーテル型ヒンダードアミン系化合物、もしくは分子量1000以上の高分子量型ヒンダードアミン系化合物を好適に採用できる。ヒンダードアミン系化合物の中でも、アミノエーテル型ヒンダードアミン系化合物は、塩基性が低い。本発明者らは、窒素酸化物ガスやフェノール性化合物に起因するポリオレフィン組成物の黄変について鋭意検討した結果、ヒンダードアミン系化合物の塩基性が低いほど、酸化防止剤であるフェノール系化合物や、梱包剤に含有されているフェノール性化合物が、黄変の原因物質であるキノン系化合物に変化するのを抑制することを見出した。すなわち、アミノエーテル型ヒンダードアミン系化合物は、長期保管時における窒素酸化物ガスやフェノール性化合物に起因するポリオレフィン組成物の黄変を抑制できるため好ましい。アミノエーテル型ヒンダードアミン系化合物の具体例として、ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)カーボネート(例えば、ADEKA製アデカスタブLA−81)、デカン二酸ビス[2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)ピペリジン−4−イル](例えば、BASF製TinuvinPA123)などが挙げられるが、これらに限定されない。アミノエーテル型ヒンダードアミン系化合物の他に、塩基性が低いヒンダードアミン系化合物の具体例として、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールと3,5,5−トリメチルヘキサン酸のエステル(例えば、BASF製Tinuvin249)などが挙げられるが、これに限定されない。分子量1000以上の高分子量型ヒンダードアミン系化合物は、洗濯や有機溶剤を使用したクリーニングによるポリオレフィン組成物内部からの溶出を抑制でき、酸化分解抑制効果の耐久性に優れるため好ましい。分子量1000以上の高分子量型ヒンダードアミン系化合物の具体例として、N−N’−N’’−N’’’−テトラキス(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン)(例えば、SABO製SABOSTAB UV119)、ポリ((6−((1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ)−1,6−ヘキサンジイル(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ))(例えば、BASF製CHIMASSORB944)、ジブチルアミン−1,3,5−トリアジン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物(例えば、BASF製CHIMASSORB2020)などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物および繊維は、副次的添加物を加えて種々の改質が行われたものであってもよい。副次的添加剤の具体例として、可塑剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、離型剤、抗菌剤、核形成剤、熱安定剤、帯電防止剤、着色防止剤、調整剤、艶消し剤、消泡剤、防腐剤、ゲル化剤、ラテックス、フィラー、インク、着色料、染料、顔料、香料などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの副次的添加物は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維について説明する。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維の伸度は、特に制限がなく、用途や要求特性に応じて適宜選択することができるが、耐久性の観点から10〜60%であることが好ましい。伸度は、実施例記載の方法で測定される値を指す。繊維の伸度が10%以上であれば、繊維ならびに繊維構造体の耐摩耗性が良好となり、使用時に毛羽の発生が少なく、耐久性が良好となるため好ましい。繊維の伸度は15%以上であることがより好ましく、20%以上であることが更に好ましい。一方、繊維の伸度が60%以下であれば、繊維ならびに繊維構造体の寸法安定性が良好となるため好ましい。繊維の伸度は55%以下であることがより好ましく、50%以下であることが更に好ましい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維は、繊維の断面形状に関して特に制限がなく、用途や要求特性に応じて適宜選択することができ、真円状の円形断面であってもよく、非円形断面であってもよい。非円形断面の具体例として、多葉形、多角形、扁平形、楕円形、C字形、H字形、S字形、T字形、W字形、X字形、Y字形、田字形、井桁形、中空形などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維は、繊維の形態に関して特に制限がなく、モノフィラメント、マルチフィラメント、ステープルなどのいずれの形態であってもよい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維は、一般の繊維と同様に仮撚や撚糸などの加工が可能であり、製織や製編についても一般の繊維と同様に扱うことができる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維からなる繊維構造体の形態は、特に制限がなく、公知の方法に従い、織物、編物、パイル布帛、不織布や紡績糸、詰め綿などにすることができる。また、本発明の可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維からなる繊維構造体は、いかなる織組織または編組織であってもよく、平織、綾織、朱子織あるいはこれらの変化織や、経編、緯編、丸編、レース編あるいはこれらの変化編などが好適に採用できる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維は、繊維構造体にする際に交織や交編などによって他の繊維と組み合わせてもよいし、他の繊維との混繊糸とした後に繊維構造体としてもよい。
次に、本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維の製造方法を以下に示す。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維の製造方法として、公知の溶融紡糸方法、延伸方法を採用することができる。
ポリマーアロイ型紡糸を行う場合、紡糸口金から吐出して繊維糸条とする方法として、以下に示す例が挙げられるが、これらに限定されない。第一の例として、海成分と島成分をエクストルーダーなどで事前に溶融混練して複合化したチップを必要に応じて乾燥した後、溶融紡糸機へチップを供給して溶融し、計量ポンプで計量する。その後、紡糸ブロックにおいて加温した紡糸パックへ導入して、紡糸パック内で溶融ポリマーを濾過した後、紡糸口金から吐出して繊維糸条とする方法が挙げられる。第二の例として、必要に応じてチップを乾燥し、チップの状態で海成分と島成分を混合した後、溶融紡糸機へ混合したチップを供給して溶融し、計量ポンプで計量する。その後、紡糸ブロックにおいて加温した紡糸パックへ導入して、紡糸パック内で溶融ポリマーを濾過した後、紡糸口金から吐出して繊維糸条とする方法が挙げられる。
紡糸口金から吐出された繊維糸条は、冷却装置によって冷却固化し、第1ゴデットローラーで引き取り、第2ゴデットローラーを介してワインダーで巻き取り、巻取糸とする。なお、製糸操業性、生産性、繊維の機械的特性を向上させるために、必要に応じて紡糸口金下部に2〜20cmの長さの加熱筒や保温筒を設置してもよい。また、給油装置を用いて繊維糸条へ給油してもよく、交絡装置を用いて繊維糸条へ交絡を付与してもよい。
溶融紡糸における紡糸温度は、ポリオレフィン(A)、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)、相溶化剤(C)の融点や耐熱性などに応じて適宜選択することができるが、220〜320℃であることが好ましい。紡糸温度が220℃以上であれば、紡糸口金より吐出された繊維糸条の伸長粘度が十分に低下するため吐出が安定し、さらには、紡糸張力が過度に高くならず、糸切れを抑制することができるため好ましい。一方、紡糸温度が320℃以下であれば、紡糸時の熱分解を抑制することができ、得られる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維の機械的特性の低下や着色を抑制できるため好ましい。
溶融紡糸における紡糸速度は、ポリオレフィン(A)と共重合ポリエステル樹脂組成物(B)との複合比率、紡糸温度などに応じて適宜選択することができるが、500〜6000m/分であることが好ましい。紡糸速度が500m/分以上であれば、走行糸条が安定し、糸切れを抑制することができるため好ましい。一方、紡糸速度が6000m/分以下であれば、紡糸張力の抑制により糸切れなく、安定した紡糸を行うことができるため好ましい。
一工程法または二工程法により延伸を行う場合には、一段延伸法または二段以上の多段延伸法のいずれの方法によってもよい。延伸における加熱方法としては、走行糸条を直接的あるいは間接的に加熱できる装置であれば、特に限定されない。加熱方法の具体例として、ホットローラー、熱ピン、熱板、温水、熱水などの液体浴、熱空、スチームなどの気体浴、レーザーなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの加熱方法は単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。加熱方法としては、加熱温度の制御、走行糸条への均一な加熱、装置が複雑にならない観点から、ホットローラーとの接触、熱ピンとの接触、熱板との接触、液体浴への浸漬を好適に採用できる。
延伸を行う場合の延伸温度は、ポリオレフィン(A)、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)、相溶化剤(C)の融点や、延伸後の繊維の強度、伸度などに応じて適宜選択することができるが、50〜150℃であることが好ましい。
延伸を行う場合の延伸倍率は、延伸前の繊維の伸度や、延伸後の繊維の強度や伸度などに応じて適宜選択することができるが、1.02〜7.0倍であることが好ましい。
延伸を行う場合の延伸速度は、延伸方法が一工程法または二工程法のいずれであるかなどに応じて適宜選択することができる。一工程法の場合には、上記紡糸速度の高速ローラーの速度が延伸速度に相当する。二工程法により延伸を行う場合の延伸速度は、30〜1000m/分であることが好ましい。延伸速度が30m/分以上であれば、走行糸条が安定し、糸切れが抑制できるため好ましい。一方、延伸速度が1000m/分以下であれば、延伸時の糸切れが抑制され、安定した延伸を行うことができるため好ましい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維では、必要に応じて、繊維または繊維構造体のいずれの状態において染色してもよい。本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維では、染料として分散染料を好適に採用することができる。繊維を構成する海成分のポリオレフィン(A)はほとんど染色されることはないが、島成分のシクロヘキサンジカルボン酸を共重合した共重合ポリエステル樹脂組成物(B)が染色されることによって、鮮やかで深みのある発色性を有する繊維ならびに繊維構造体を得ることが可能となる。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維の染色方法は、特に制限がなく、公知の方法に従い、チーズ染色機、液流染色機、ドラム染色機、ビーム染色機、ジッガー、高圧ジッガーなどを好適に採用することができる。
また染料濃度や染色温度に関して特に制限がなく、公知の方法を好適に採用できる。また、必要に応じて、染色加工前に精練を行ってもよく、染色加工後に還元洗浄を行ってもよい。
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)をブレンドしてなる可染性ポリオレフィン樹脂組成物からなる繊維、およびそれからなる繊維構造体は、軽量性に優れるポリオレフィン繊維へ鮮やかで深みのある発色性を付与することができる。そのため、従来のポリオレフィン系繊維が使用されている用途に加えて、衣料用途ならびに軽量性や発色性が要求される用途への展開が可能である。従来のポリオレフィン系繊維が使用されている用途として、タイルカーペット、家庭用敷物、自動車用マットなどのインテリア用途、ふとん用詰め綿、枕の充填材などの寝具、ロープ、養生ネット、ろ過布、細幅テープ、組紐、椅子張りなどの資材用途などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本発明によって拡張される用途として、婦人服、紳士服、裏地、下着、ダウン、ベスト、インナー、アウターなどの一般衣料、ウインドブレーカー、アウトドアウェア、スキーウェア、ゴルフウェア、水着などのスポーツ衣料、ふとん用側地、ふとんカバー、毛布、毛布用側地、毛布カバー、枕カバー、シーツなどの寝具、テーブルクロス、カーテンなどのインテリア、ベルト、かばん、縫糸、寝袋、テントなどの資材などの用途が挙げられるが、これらに限定されない。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。用いた原料は以下のとおりである。
1.テレフタル酸ジメチル:SKケミカル社製
2.テレフタル酸:三井化学社製高純度テレフタル酸
3.1,4−シクロヘキサンジカルボン酸:新日本理化株式会社製
4.エチレングリコール:三菱化学社製
なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
A.末端カルボン酸量([COOH])
得られたペレット0.5gを、o−クレゾール溶媒に溶解し、25℃で0.02規定の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、自動滴定装置(平沼産業社製)にて滴定して求めた。
B.固有粘度(IV)
得られた共重合ポリエステル樹脂組成物(B)を、o−クロロフェノール溶媒に溶解し、0.5g/dL、0.2g/dL、0.1g/dLの濃度の溶液を調整した。その後、得られた濃度Cの溶液の25℃における相対粘度(ηr)を、ウベローデ粘度計により測定し、(ηr−1)/CをCに対してプロットした。得られた結果を濃度0に外挿することにより、固有粘度を求めた。
C.色調
色差計(スガ試験機社製、SMカラーコンピュータ型式SM−T45)を用いて、ハンター値(b値)として測定した。
D.融点(Tm)および融解熱量(ΔHm)
共重合ポリエステル樹脂組成物(B)を130℃の真空乾燥機中で12時間真空乾燥させ、真空乾燥後のポリマー約5mgを秤量し、TAインスツルメント製示差走査熱量計(DSC)Q2000型を用いて、0℃から280℃まで昇温速度16℃/分で昇温後、280℃で5分間保持してDSC測定を行った。昇温過程中に観測された融解ピークより融点(Tm)および融解熱量(ΔHm)を算出した。測定は1試料につき3回行い、その平均値を融点および融解熱量とした。なお、融解ピークが複数観測された場合には、最も高温側の融解ピークトップをTmとし、Tmを含む一続きの融解熱量の合計をΔHmとした。
E.繊度
温度20℃、湿度65%RHの環境下において、INTEC製電動検尺機を用いて、実施例によって得られた繊維100mをかせ取りした。得られたかせの重量を測定し、下記式を用いて繊度(dtex)を算出した。なお、測定は1試料につき5回行い、その平均値を繊度とした。
繊度(dtex)=繊維100mの重量(g)×100 。
F.伸度
伸度は、実施例および比較例によって得られた繊維を試料とし、JIS L1013:2010(化学繊維フィラメント糸試験方法)8.5.1に準じて算出した。温度20℃、湿度65%RHの環境下において、オリエンテック社製テンシロンUTM−III−100型を用いて、初期試料長20cm、引張速度20cm/分の条件で引張試験を行った。最大荷重を示す点の伸び(L1)と初期試料長(L0)を用いて下記式によって伸度(%)を算出した。なお、測定は1試料につき10回行い、その平均値を強度および伸度とした。
伸度(%)={(L1−L0)/L0}×100
G.ホットローラーへの樹脂組成物堆積量
実施例または比較例において、未延伸糸を延伸後、第1および第2ホットローラーに付着した樹脂組成物を剃刀にて剥離、回収し、重量を測定した。
H.長期連続紡糸性
上記Gにて測定した樹脂組成物堆積量を長期連続紡糸性の指標として、S、A、Bの3段階で評価した。評価は、Sが最も良く、A、Bの順に悪くなることを示す。ホットローラーへの樹脂組成物堆積量がSとAを合格とした。
S;「45mg/kg−繊維未満」
A;「45mg/kg−繊維以上、55mg/kg−繊維未満」
B;「55mg/kg−繊維以上」。
I.染色後の繊維色調(L*値)
実施例または比較例によって得られた繊維を試料とし、英光産業製丸編機NCR−BL(釜径3インチ半(8.9cm)、27ゲージ)を用いて筒編み約2gを作製した後、炭酸ナトリウム1.5g/L、明成化学工業製界面活性剤グランアップUS−20 0.5g/Lを含む水溶液中、80℃で20分間精練後、流水で30分水洗し、60℃の熱風乾燥機内で60分間乾燥した。精練後の筒編みを135℃で1分間乾熱セットし、乾熱セット後の筒編みに対して、分散染料として日本化薬製Kayalon Polyester Blue UT−YAを1.3重量%加え、pHを5.0に調整した染色液中、浴比1:100、130℃で45分間染色後、流水で30分水洗し、60℃の熱風乾燥機内で60分間乾燥した。染色後の筒編みを、水酸化ナトリウム2g/L、亜ジチオン酸ナトリウム2g/L、明成化学工業製界面活性剤グランアップUS−20 0.5g/Lを含む水溶液中、浴比1:100、80℃で20分間還元洗浄後、流水で30分水洗し、60℃の熱風乾燥機内で60分間乾燥した。還元洗浄後の筒編みを135℃で1分間乾熱セットし、仕上げセットを行った。仕上げセット後の筒編みを試料とし、ミノルタ製分光測色計CM−3700d型を用いてD65光源、視野角度10°、光学条件をSCE(正反射光除去法)としてL*値を測定した。なお、測定は1試料につき3回行い、その平均値をL*値とした。
J.発色性
上記Iで測定したL*値を発色性の指標として、S、A、Bの3段階で評価した。L*値は数値が小さいほど、発色性に優れる。評価は、Sが最も良く、A、Bの順に悪くなることを示す。L*値がSとAを合格とした。
S;「30未満」
A;「30以上35未満」
B;「35以上」。
K.均染性
上記Iで作製した仕上げセット後の筒編みについて、5年以上の品位判定の経験を有する検査員5名の合議によってS、A、Bの3段階で評価した。評価は、Sが最も良く、A、Bの順に悪くなることを示す。SとAを合格とした。
S;「非常に均一に染色されており、全く染め斑が認められない」
A;「ほぼ均一に染色されており、ほとんど染め斑が認められない」
B;「ほとんど均一に染色されておらず、うっすらと染め斑が認められる」。
L.品位
上記Iで作製した仕上げセット後の筒編みについて、5年以上の品位判定の経験を有する検査員5名の合議によって、S、A、Bの3段階で評価した。評価は、Sが最も良く、A、Bの順に悪くなることを示す。SとAを合格とした。
S;「鮮やかで深みのある発色が十分であり、品位に極めて優れる」
A;「鮮やかで深みのある発色が概ね十分であり、品位に優れる」
B;「鮮やかで深みのある発色がほとんどなく、品位に劣る」。
実施例1
得られるポリマーに対してマグネシウム原子換算で600ppm相当の酢酸マグネシウムとテレフタル酸ジメチル100kgとエチレングリコール56kgを、150℃、窒素雰囲気下で溶融後、攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応をおこない、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートを得た。
続いて、温度250℃、圧力1.2×100,000Paに保持されたエステル化反応槽に、テレフタル酸31kg、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸57kgおよびエチレングリコール38kgのスラリーを4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、得られたエステル化反応生成物101.5kgを重縮合槽に移送した。
移送後、エステル化反応生成物に、得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で300ppm相当の三酸化アンチモン、リン原子換算で40ppm相当のリン酸をエチレングリコール溶液として添加した。その後、30rpmで撹拌しながら反応系を減圧して反応を開始した。反応器内を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を110Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクに到達した後、反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、30分間吐出前滞留を実施した。吐出前滞留実施後、ストランド状に吐出して冷却し、直ちにカッティングして共重合ポリエステル樹脂組成物(B)のペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は2時間00分であった。得られたポリマーは、色調、耐熱性ともに良好であった。ポリマー特性を表1にまとめた。
続いて、ポリプロピレン(PP)(日本ポリプロ製ノバテックMA2)を87.5重量%、共重合ポリエステル樹脂組成物(B)を10重量%、相溶化剤(C)としてアミン変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(JSR製ダイナロン8660P)を2重量%用い、酸化防止剤として、フェノール系化合物である1,3,5−トリス[[4−(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル]メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(CYTEC製CYANOX1790)を0.05重量部添加して、二軸エクストルーダーを用いて混練温度230℃で混練を行った。二軸エクストルーダーより吐出されたストランドを水冷した後、ペレタイザーにて5mm長程度にカットして、ペレットを得た。得られたペレットを95℃で12時間真空乾燥した後、エクストルーダー型溶融紡糸機へ供給して溶融させ、紡糸温度250℃、吐出量31.5g/分で紡糸口金(吐出孔径0.18mm、吐出孔長0.23mm、孔数36、丸孔)から吐出させて紡出糸条を得た。この紡出糸条を風温20℃、風速25m/分の冷却風で冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、3000m/分で回転する第1ゴデットローラーで引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して、ワインダーで巻き取って105dtex−36fの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を第1ホットローラー温度90℃、第2ホットローラー温度130℃、延伸倍率2.1倍、延伸速度500m/分の条件で延伸し、50dtex−36fの可染ポリオレフィン繊維を得た。
得られた可染ポリオレフィン繊維の繊維特性、布帛特性および延伸時に第1および第2ホットローラーに付着、堆積した樹脂組成物堆積量を表1に示す。
Figure 2019147927
実施例2、3
相溶化剤(C)として、実施例2では無水マレイン酸変性ポリプロピレン(addivant製POLYBOND3200)、実施例3では無水マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(旭化成ケミカルズ製タフテックM1913)を用いた以外は、実施例1と同様にして可染性ポリオレフィン繊維を得た。得られた可染ポリオレフィン繊維の繊維特性、布帛特性および延伸時に第1および第2ホットローラーに付着、堆積した樹脂組成物堆積量を表1に示す。
実施例4〜14、比較例1〜6
共重合ポリエステル樹脂組成物(B)の原料および、重縮合反応停止後の吐出前滞留時間を表1、2のように変更して末端カルボン酸量を変更した以外は、実施例1と同様にして可染性ポリオレフィン繊維を得た。得られた可染ポリオレフィン繊維の繊維特性、布帛特性および延伸時に第1および第2ホットローラーに付着、堆積した樹脂組成物堆積量を表1、2に示す。
表1、2の結果より、本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)を用いた可染ポリオレフィン繊維は、発色性に優れ、かつ長期連続紡糸性に優れることがわかる。
Figure 2019147927
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を用いた可染ポリオレフィン組成物は、長期連続紡糸性に優れ、かつ鮮やかで深みのある発色性が付与されたものであり、繊維および繊維構造体として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. テレフタル酸およびシクロヘキサンジカルボン酸からなるジカルボン酸成分と、エチレングリコールを共重合してなり、下記(I)〜(III)の全てを満足することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂組成物。
    (I)末端カルボン酸量が、35〜70eq/トンである。
    (II)融解熱量ΔHmが、0.1〜30J/gである。
    (III)固有粘度IVが、0.60〜0.70である。
  2. ポリオレフィン(A)が海成分、請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂組成物(B)が島成分である海島構造からなるポリマーアロイ組成物であって、相溶化剤(C)を含有する可染性ポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 相溶化剤(C)が、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基およびイミノ基から選択される少なくとも1種の官能基を含有する、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂および共役ジエン系樹脂から選択される1種以上の化合物であることを特徴とする請求項2記載の可染性ポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 相溶化剤(C)が、アミノ基およびイミノ基から選択される少なくとも1種の官能基を含有する、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体であることを特徴とする請求項2または3記載の可染性ポリオレフィン樹脂組成物。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項記載の可染性ポリオレフィン樹脂組成物を配する繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113638071A (zh) * 2021-08-19 2021-11-12 江苏尚科聚合新材料有限公司 一种聚烯烃复合纤维的制备方法

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