JPH08269737A - 切断端面部の耐塗膜剥離性に優れた有機皮膜プレコート鋼板 - Google Patents

切断端面部の耐塗膜剥離性に優れた有機皮膜プレコート鋼板

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JPH08269737A
JPH08269737A JP7516195A JP7516195A JPH08269737A JP H08269737 A JPH08269737 A JP H08269737A JP 7516195 A JP7516195 A JP 7516195A JP 7516195 A JP7516195 A JP 7516195A JP H08269737 A JPH08269737 A JP H08269737A
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JP
Japan
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steel sheet
phase
coating film
phase strength
precoated steel
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Application number
JP7516195A
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English (en)
Inventor
Naoto Koga
直人 古賀
Hideo Ogishi
英夫 大岸
Yoshihiro Naruse
義弘 成瀬
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合金化亜鉛めっき鋼板を素材としたプレコー
ト鋼板の切断時の端面部での耐塗膜剥離性を向上させ
る。 【構成】 合金化亜鉛めっき鋼板のZn−Fe合金めっき層
のFe含有率を7〜11wt%とし、かつ合金めっき層を剥離
させたときのめっき側剥離面のX線回折によるΓ相強度
比={Γ相強度値/(Γ相強度値+δ1 相強度値+ζ相
強度値)}× 100(%)を 0〜20%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合金化亜鉛めっき鋼板
に有機皮膜を塗装してなる切断端面部の耐塗膜剥離性に
優れた有機皮膜プレコート鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にプレコート鋼板の素材としては亜
鉛系めっき鋼板が使用されている。亜鉛系めっき鋼板の
うち、特に合金化亜鉛めっき鋼板をプレコート鋼板の素
材として使用したものは、他の亜鉛系めっき鋼板のもの
より優れた耐食性を示すので、広く家電、建材等に使用
されている。
【0003】ところで、プレコート鋼板は切断され、曲
げプレス成型等の加工を施して使用されるが、プレコー
ト鋼板の素材に合金化亜鉛めっき鋼板を使用した場合、
切断時に切断端面部近傍でめっき層の剥離を含む塗膜剥
離現象(エナメルヘアー)が生じやすかった。このよう
な剥離現象は、プレコート鋼板を使用する際、プレス時
のエナメルヘアによる打痕(キズ)の発生の原因とな
り、また製品の美観を損ねる等、大きな問題となってい
た。
【0004】しかし、従来、剥離の原因や剥離の機構に
関して十分な解明はなされていなかった。めっき剥離に
関する耐フレーキング性および耐パウダリング性を改善
する技術に関しては、例えば特開平3−191045号公報
で、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関し、ζ相を10〜60wt
%にし、かつΓ相を 0.4μm 以下にする方法が提案され
ている。この方法によって、合金化亜鉛めっき鋼板その
ものをプレス成型した時のパウダリングおよびフレーキ
ングは抑制されるものの、これをプレコート鋼板素材と
して用いたときの、切断端面部付近のめっき剥離、塗膜
剥離は十分に防止されているとはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の情況
に鑑み、プレコート鋼板の素材として合金化亜鉛めっき
鋼板を用いたときの切断端面部での塗膜剥離を解消した
有機皮膜プレコート鋼板を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、合金化亜鉛め
っき鋼板を素地とする有機皮膜プレコート鋼板におい
て、Zn−Fe合金めっき層の平均Fe含有率が7〜11wt%
で、かつZn−Fe合金めっき層と鋼板との境界面のX線回
折で得られる下記(1) 式で定義されるΓ相強度比を20%
以下としたことを特徴とする切断端面部の耐塗膜剥離性
に優れた有機皮膜プレコート鋼板であり、また本発明
は、前記Γ相強度比が0%である切断端面部の耐塗膜剥
離性に優れた有機皮膜プレコート鋼板であり、また本発
明は、前記めっき層と接する有機皮膜がポリエステル系
樹脂であることが好ましい。
【0007】記 Γ相強度比={Γ相強度値/(Γ相強度値+δ1 相強度値+ζ相強度値)}× 100(%) ・・・・・・・・(1) Γ相強度値:前記境界面のX線回折のΓ相強度値 δ1 相強度値:前記境界面のX線回折のδ1 相強度値 ζ相強度値:前記境界面のX線回折のζ相強度値 なお、本発明におけるZn−Fe合金めっき層のX線回
折は、合金化Znめっき鋼板と冷延鋼板を接着剤で接着
し、引っ張り試験機にて、めっき面を剥離させ、冷延鋼
板側に剥離しためっき層のX線回折結果による。
【0008】なお、本発明における合金化亜鉛めっき鋼
板としては、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が好ましい。
【0009】
【作用】合金化亜鉛めっき鋼板のFe−Zn合金めっき層の
平均Fe含有率を7〜11wt%に規定したのは、7wt%未満
ではη相が残存して焼けむらが発生しやすく、11wt%超
ではΓ相の形成が多くなり、切断時の端面部めっき剥離
が大きくなるためである。
【0010】なお、本発明におけるめっき層の評価方法
として、合金化亜鉛めっき鋼板のFe−Zn合金めっき層に
冷延鋼板を接着剤で接着し、引っ張り試験機でめっき層
を剥離させるのは、剥離面のめっき層の組成を直接測定
するためである。本発明者らは、冷延鋼板側に付着した
めっき層の剥離面のX線回折法により得られたΓ相、δ
1 相、ζ相の各回折線強度値の合計に対するΓ相の回折
線強度値の比( 百分率) が 0〜20%であれば、切断時の
端面部めっき剥離が著しく抑制されることを見い出し
た。Γ相のピーク比が20%超だとΓ相が厚くなり切断時
の端面部のめっき剥離の幅が大きくなる。
【0011】プレコート鋼板の素材としての合金化亜鉛
めっき鋼板に塗装前処理として、リン酸亜鉛処理、クロ
メート処理等の化成処理を行い、さらに両面に有機皮膜
を1層ないし2層施す。ここで有機皮膜とは、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ変性、酸変性等の変
性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩
化ビニル樹脂等の有機化合物で形成される層をいう。
【0012】特に本発明においては、めっき層と接する
有機皮膜としては、ポリエステル系樹脂が好ましく、よ
り好ましくはエポキシ変性ポリエステル系樹脂が好まし
い。これは、ポリエステル系有機皮膜は硬さと延びのバ
ランスが良く、プレス等の高加工時も有機皮膜の剥離お
よび亀裂が発生しにくく、さらにエポキシ変性ポリエス
テル樹脂は鋼板との密着性が優れ、プレス等の高加工時
も有機皮膜が剥離しにくいためである。
【0013】すなわち、本発明においてはめっき層と接
する有機皮膜として、好ましくはポリエステル系樹脂、
さらに好ましくはエポキシ変性ポリエステル系樹脂を用
いることにより、高加工性で切断時の端面部の耐塗膜剥
離性に優れた有機皮膜プレコート鋼板が得られる。本発
明においては、前記のとおり、有機皮膜を1層ないし複
数層施すことができる。
【0014】Zn−Fe合金めっき層のめっき目付量は、鋼
板片面当り30〜70g/m2の範囲が好ましい。めっき層と
接する有機皮膜は通常防錆性を付与するためCr系等の防
錆顔料を含有することが好ましく、有機皮膜の乾燥膜厚
は1〜10μm が好ましい。さらにその上に美観等の目的
で着色顔料含有有機皮膜等の上塗りの有機皮膜を塗布す
る場合は、その乾燥膜厚は10〜25μm が好ましい。
【0015】なお、本発明のプレコート鋼板としては、
表裏面とも有機皮膜が一層の場合、表面、裏面のいずれ
かが一層で他の面が複数層、または表面、裏面共に複数
層の場合が含まれる。なお、本発明の有機皮膜プレコー
ト鋼板の素材として用いる合金化亜鉛めっき鋼板におい
て、Γ相強度比を 0〜20%とするには 450〜550 ℃、よ
り好ましくは480〜500 ℃の温度範囲内で合金化熱処理
することで得られる。また、合金化溶融亜鉛めっきの場
合は、めっき浴の浴温は 450〜550 ℃の範囲が好まし
い。
【0016】
【実施例】極低C−Ti−Nb系の極低炭素冷延鋼板を母材
に、連続溶融Znめっきラインでめっきし、合金化処理し
た。合金化処理後のめっき層のFe含有率、Γ相強度比等
を表1に示した。次にこれらを素材として、脱脂、表面
調整、リン酸亜鉛処理、クロメートシーリングを行い、
表裏面に焼付け乾燥型プライマー(エポキシ変性ポリエ
ステル樹脂)(大日本インキ化学工業(株)社製PB1
54P(商品名))を7μm 塗布し、焼付け乾燥後さら
にトップ塗料(ポリエステル樹脂)(大日本インキ化学
工業(株)社製RF200(商品名))を15μm 塗布し
焼付け乾燥を行った。
【0017】それら塗装鋼板(プレコート鋼板)に対し
てシャーリング機で切断を行い、切断時の端面部の最大
剥離巾をルーペで測定した結果を表1に示した。なお、
Fe含有率は溶解法にて測定し、Γ相強度比の測定は、合
金化Znめっき鋼板とコールド板をエポキシ系接着剤( サ
ンライズメイセイ(株)社製SRボンドE56)で接着
させ、引っ張り試験機にてめっき面を剥離させコールド
板側に剥離しためっき層をCoKαによるX線回折によ
り行い、前記(1) 式によりΓ相強度比を求めた。
【0018】
【表1】
【0019】表1から本発明によるプレコート鋼板は切
断時の端面部の耐塗膜剥離性が良いことがわかる。ま
た、本実施例のプレコート鋼板を切断後、冷蔵庫用にプ
レス加工し、塗膜の加工性を下記の方法により評価し
た。評価結果を表1に併せて示す。 〔塗膜の加工性の評価方法〕曲げ部を目視または10倍
のルーペで観察し、亀裂の個数から判定した。
【0020】◎:目視で亀裂なし ○:10倍のルーペで観察し、曲げ代1cm当たりの亀裂
の個数が1個以上5個以下 △:10倍のルーペで観察し、曲げ代1cm当たりの亀裂
の個数が5個超え、50個以下 ×:10倍のルーペで観察し、曲げ代1cm当たりの亀裂
の個数が50個超え 表1から、本発明の有機皮膜プレコート鋼板の塗膜の加
工性が良好であることが分かる。
【0021】
【発明の効果】本発明は、プレコート鋼板の素材として
合金化亜鉛めっき鋼板を使用する場合に発生する切断時
の端面部の塗膜剥離現象を防止したので、耐食性の良い
プレコート合金化亜鉛めっき鋼板の益々の需要拡大が期
待できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金化亜鉛めっき鋼板を素地とする有機
    皮膜プレコート鋼板において、Zn−Fe合金めっき層の平
    均Fe含有率が7〜11wt%で、かつZn−Fe合金めっき層と
    鋼板との境界面のX線回折で得られる下記(1) 式で定義
    されるΓ相強度比を20%以下としたことを特徴とする切
    断端面部の耐塗膜剥離性に優れた有機皮膜プレコート鋼
    板。 記 Γ相強度比={Γ相強度値/(Γ相強度値+δ1 相強度値+ζ相強度値)}× 100(%) ・・・・・・・・(1) Γ相強度値:前記境界面のX線回折のΓ相強度値 δ1 相強度値:前記境界面のX線回折のδ1 相強度値 ζ相強度値:前記境界面のX線回折のζ相強度値
  2. 【請求項2】 Γ相強度比が0%である請求項1記載の
    切断端面部の耐塗膜剥離性に優れた有機皮膜プレコート
    鋼板。
  3. 【請求項3】 めっき層と接する有機皮膜がポリエステ
    ル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載
    の切断端面部の耐塗膜剥離性に優れた有機皮膜プレコー
    ト鋼板。
JP7516195A 1995-03-31 1995-03-31 切断端面部の耐塗膜剥離性に優れた有機皮膜プレコート鋼板 Pending JPH08269737A (ja)

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