JPH08266460A - 塵埃吸着シート、塵埃吸着ロール及び塵埃吸着マット - Google Patents

塵埃吸着シート、塵埃吸着ロール及び塵埃吸着マット

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JPH08266460A
JPH08266460A JP8013933A JP1393396A JPH08266460A JP H08266460 A JPH08266460 A JP H08266460A JP 8013933 A JP8013933 A JP 8013933A JP 1393396 A JP1393396 A JP 1393396A JP H08266460 A JPH08266460 A JP H08266460A
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synthetic resin
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elastic foam
dust adsorbing
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淳一 山根
Katsumi Oishi
勝己 大石
Yoshihiro Taniguchi
良弘 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸を有する被清掃物にも十分なじむことが
でき、且つ塵や埃を吸着する吸着層の樹脂が被清掃物に
移行しない塵埃吸着シート、塵埃吸着ロール及び塵埃吸
着マットを提供する。 【解決手段】 塵埃吸着シートでは、一方の面が平滑性
を有するシート状基材の他方の面に、機械発泡された合
成樹脂組成物を塗布及び乾燥することにより形成される
連続気泡を有する合成樹脂弾性発泡体層を形成した。ま
た、前記合成樹脂弾性発泡体層の圧縮率が8乃至30%
の範囲内であり、且つ、圧縮弾性率が50%以上であ
る。そして、前記合成樹脂弾性発泡体層が、該合成樹脂
弾性発泡体層の30重量%以下の粘着剤を含有する。塵
埃吸着ロールでは、前記塵埃吸着シートを、前記合成樹
脂弾性発泡体層が外側になるように巻装してなる。塵埃
吸着マットでは、前記塵埃吸着シートを、前記合成樹脂
弾性発泡体層が上側になるように複数枚積み重ねてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塵や埃を吸盤効果
によって吸着する塵埃吸着シート、及び床、カーペッ
ト、畳、壁面や天井等に押し付けて塵や埃を吸着する塵
埃吸着ロール、更には靴の裏等に付着した塵や埃を吸着
する塵埃吸着マットに関する。詳しくは、被清掃面に凹
凸がある場合でも、吸着層が弾性を有するためにその凹
凸に応じて変形可能であると共に、被清掃面に樹脂の移
行を起こさない塵埃吸着シート、塵埃吸着ロール及び塵
埃吸着マットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、床、カーペット、畳、壁面や
天井等、及び靴の裏に付着した塵や埃を除去するものと
しては、例えば、テープ基材に、気体を内包した球状の
熱膨張性マイクロカプセルを混在させた粘着剤、あるい
は水分を20から70%含有するエマルジョン型粘着剤
を塗布し、加熱によるマイクロカプセルの膨張、あるい
は水分の突沸によって粘着剤層を発泡させた粘着テープ
(特公平5−71246号公報、実開平5−63462
号公報)や、あるいは感圧性接着剤を少なくとも片面に
塗布したシートを積み重ねたゴミ吸着マット(特開昭4
8−36934号公報)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
粘着テープにおいては、気体を内包した球状の熱膨張性
マイクロカプセルを含有する粘着剤、あるいは水分を含
有するエマルジョン型粘着剤を基材に塗布した後、加熱
することによって粘着剤層を発泡させているので、粘着
剤への熱の伝わり方や、塗布された粘着剤層の厚みによ
って、発生する気泡の大きさや数が異なる等、発泡現象
を制御することは困難であった。そのため、均一な厚み
を有する発泡層を得ることが困難であり、凹凸を有する
被清掃物に付着している塵や埃を粘着する能力にムラが
あった。また、巻芯に巻装する等の物理的外力が加わる
と、気泡が潰れて復元しないこともあった。更に、粘着
剤層中に比較的大きな気泡が発生して粘着剤層の強度が
弱くなるため、ガラス面等の平滑面を有するものを清掃
した場合には、粘着剤層の強度よりも粘着力の方が大き
くなるために気泡部分で粘着剤層が破壊され、粘着剤が
被清掃物に移行する、いわゆる糊残り現象が発生するこ
ともあった。
【0004】また、上記のゴミ吸着マットにおいては、
シートに塗布した感圧性接着剤の弾性が小さくて硬いた
め、靴の裏等の被清掃物が凹凸を有する場合では、その
凹凸に追従してなじむことができず、十分な清掃を行う
ことができなかった。
【0005】本発明は、上記のような事情や問題点に鑑
みてなされたものであって、凹凸を有する被清掃物にも
十分なじむことができ、且つ塵や埃を吸着する吸着層の
樹脂が被清掃物に移行しない塵埃吸着シート、塵埃吸着
ロール及び塵埃吸着マットを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の塵埃吸着シートの手段とするところは、第
1に、一方の面が平滑性を有するシート状基材の他方の
面に、機械発泡された合成樹脂組成物を塗布及び乾燥す
ることにより形成される連続気泡を有する合成樹脂弾性
発泡体層を形成したことにある。第2に、前記合成樹脂
弾性発泡体層の圧縮率が8乃至30%の範囲内であり、
且つ、圧縮弾性率が50%以上であることにある。第3
に、前記合成樹脂弾性発泡体層が、該合成樹脂弾性発泡
体層の30重量%以下の粘着剤を含有することにある。
【0007】また、塵埃吸着ロールの手段とするところ
は、前記合成樹脂弾性発泡体層が外側になるように巻装
してなることにある。そして、塵埃吸着マットの手段と
するところは、前記合成樹脂弾性発泡体層が上側になる
ように複数枚積み重ねてなることにある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。この実施形態に係る塵埃吸着シートは、一
方の面が平滑性を有するシート状基材の他方の面に、機
械発泡された合成樹脂組成物を塗布及び乾燥することに
より形成される連続気泡を有する合成樹脂弾性発泡体層
を形成したものである。
【0009】前記シート状基材としては、例えば紙、あ
るいはナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ビニロ
ン等の不織布や織布、あるいはセロファン、あるいはポ
リエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の合成樹
脂製フィルム等を挙げることができる。また、その厚さ
としては、5〜2000μm、好ましくは20〜100
0μmの範囲を挙げることができる。シート状基材の厚
さが5μm以下であると、シート状基材面に一定の厚み
を有する合成樹脂弾性発泡体層を形成することが製造上
困難である。また、2000μm以上であると、塵埃吸
着シートの厚さが大きくなってロール状に巻きにくくな
ると共に、重量も大きくなって使いにくい。なお、シー
ト状基材と合成樹脂弾性発泡体層の層間剥離強度を向上
させるために、シート状基材に例えばプライマー加工用
樹脂の塗布やコロナ放電等の処理を施してもよい。
【0010】前記シート状基材の一方の面に平滑性を付
与する方法としては、シート状基材が例えば紙、不織
布、織布等の平滑性を有しない場合には、シート状基材
に合成樹脂のフィルムをラミネートする方法、あるいは
これら紙等に合成樹脂を含浸した後、乾燥しながらプレ
スして平滑性を付与する方法等を挙げることができる。
なお、シート状基材として合成樹脂製フィルムを使用す
る場合には、フィルム自体が平滑性を有するので、その
まま使用できる。
【0011】前記シート状基材の他方の面に連続気泡を
有する合成樹脂弾性発泡体層を形成する方法としては、
例えばウレタン系エマルジョン(例えば、大日本インキ
化学工業社製,DICFOAM F−280)、アクリ
ル系エマルジョン(例えば、大日本インキ化学工業社
製,ボンコート 350)、合成ゴム系ラテックス(例
えば、大日本インキ化学工業社製,ラックスター DS
−615)、NBR系ラテックス(例えば、日本ゼオン
社製,Nipol LX531)、SBR系ラテックス
(例えば、日本ゼオン社製,Nipol 4850
A)、アクリレート系ラテックス(例えば、日本ゼオン
社製,Nipol LX820)等の合成樹脂組成物
を、発泡機又はミキサー等により、撹拌しながら空気又
は不活性ガスを吸収又は圧入することにより機械発泡さ
せた後、シート状基材に一定の厚さで塗布し、次いで揮
発成分を加熱乾燥等の方法で除去すると共に架橋するこ
とによって形成する方法を挙げることができる。すなわ
ち、機械発泡により発泡させた合成樹脂組成物を加熱乾
燥等することによって、これら合成樹脂組成物に存在す
る無数の微細な気泡が隣接する気泡と連続し、吸盤効果
を示す多数の連続気泡が形成される。また、これら合成
樹脂組成物には、増粘剤、架橋剤、起泡剤、反撥回復性
付与剤等の添加剤を添加することができる。
【0012】前記合成樹脂組成物に含まれる不揮発成分
の割合としては、30乃至80重量/容量%の範囲を挙
げることができる。不揮発成分の割合が30%以下であ
ると、形成された合成樹脂弾性発泡体層の強度が弱く、
また80%以上であると機械発泡が困難である。
【0013】前記合成樹脂組成物を発泡させる際の発泡
倍率としては、発泡前の体積の1.5乃至5倍、好まし
くは2乃至4倍の範囲を挙げることができる。発泡倍率
が1.5倍以下であると、塵や埃の吸着力が弱く、また
5倍以上であると、吸着力は十分であるが、形成された
合成樹脂弾性発泡体層の強度が低下し、被清掃物へ樹脂
が移行する可能性がある。そして、シート状基材に塗布
する機械発泡させた合成樹脂組成物の厚さとしては、2
5乃至3000μm、好ましくは100乃至1500μ
mの範囲を挙げることができる。
【0014】ここで、前記合成樹脂弾性発泡体層の圧縮
率と圧縮弾性率(JIS L1096 6.18)とし
ては、圧縮率が8乃至30%、好ましくは10乃至25
%の範囲内であり、且つ、圧縮弾性率が50%以上、好
ましくは60%以上であることが望ましい。圧縮率が8
%以下であると、合成樹脂弾性発泡体層の柔軟性が低下
するため、凹凸に追従できない場合がある。また、圧縮
率が30%以上であると、凹凸に対する追従性は十分で
あるが、合成樹脂弾性発泡体層の強度が弱く、使用中に
合成樹脂弾性発泡体層が破損する場合がある。更に、圧
縮弾性率が50%以下であると、合成樹脂弾性発泡体層
の復元力が弱いために、ロール状に巻装した際にこの合
成樹脂弾性発泡体層が潰れたり、凹凸を有する面への追
従性が低いために清掃が十分に行えない場合があると共
に、合成樹脂弾性発泡体層が有する吸盤効果が低下する
ために吸着力が低下する。
【0015】なお、これら圧縮率と圧縮弾性率は、前記
塵埃吸着シートとシート状基材を5×5cmの大きさに
カットしてそれぞれ3枚ずつ重ね、圧縮弾性試験器を使
用して、これら3枚ずつ重ねられた塵埃吸着シートとシ
ート状基材の初荷重50g/cm2 を負荷した時の厚さ
(T01、T02)、初荷重から荷重を240g/cm2
変更して1分間保持した後の厚さ(T11、T12)、及び
荷重を再び初荷重に戻して1分間保持した後の厚さ(T
21、T22)をそれぞれ測定し、これらの測定値から次の
式(1)及び(2)によりそれぞれ算出される。 初荷重(50g/cm2 )を負荷した時の厚さ,T01:塵埃吸着シート T02:シート状基材 荷重を240g/cm2 に変更して1分間保持した後の厚さ, T11:塵埃吸着シート T12:シート状基材 初荷重に戻して1分間保持した後の厚さ,T21:塵埃吸着シート T22:シート状基材
【0016】また、前記合成樹脂組成物に不揮発成分の
割合として30重量%以下の粘着剤を添加する等によっ
て、前記合成樹脂弾性発泡体層に、該合成樹脂弾性発泡
体層の30重量%以下の粘着剤を含有させた場合には、
合成樹脂弾性発泡体層が有する吸盤効果に加え、粘着効
果を付与することができる。そのため、塵や埃を吸着除
去する効果は向上するが、粘着剤を30重量%以上含有
させると、前記合成樹脂組成物を発泡させることが困難
になると共に、合成樹脂弾性発泡体層に付与される粘着
効果が大きくなり、当該塵埃吸着シートをロール状に巻
装した場合に、合成樹脂弾性発泡体層が潰れて復元しな
くなったり、被清掃面へ樹脂が移行する場合がある。
【0017】上記のように構成される塵埃吸着シート
は、前記合成樹脂弾性発泡体層が外側になるように巻芯
等に巻装することによって、床、カーペット、畳、壁面
や天井等に押し付けて塵や埃を吸着する回転式清掃用具
の塵埃吸着ロールとして、あるいは前記合成樹脂弾性発
泡体層が上側になるように複数枚積み重ねることによっ
て、靴の裏等に付着した塵や埃を吸着する塵埃吸着マッ
ト等として使用できる。しかも、既述したように、前記
シート状基材の一方の面は平滑性を有するので、塵埃吸
着シートをロール状に巻装したり、複数枚積み重ねたり
した場合には、シート状基材と合成樹脂弾性発泡体層が
適度な力で密着するために、巻装が解けたり、シート同
士がずれたりしないと共に、合成樹脂弾性発泡体層の樹
脂がシート状基材に移行することもない。
【0018】
【実施例】次に実施例により本発明を更に説明するが、
本発明は係る実施例に限定されるものではない。
【0019】実施例1 厚さ約50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(東洋紡積社製、品番E5101)のコロナ放電処理面
に水性ウレタン樹脂溶液(大日本インキ化学工業社製,
HYDRAN HW−350)を23g/m2 の割合で
塗布し、110℃で5分間加熱乾燥してプライマー加工
を行った。
【0020】一方、不揮発成分を約60%含有するアク
リル系エマルジョン(大日本インキ化学工業社製,ボン
コート 350)100部に起泡剤(大日本インキ化学
工業社製,F−1)7部、増粘剤(大日本インキ化学工
業社製,VONCOAT 3750)1部、及び4%カ
ルボキシメチルセルロース水溶液(第一工業製薬社製,
セロゲン WS−C)3部、架橋剤(大日本インキ化学
工業社製,CR−5L)2部、架橋促進剤(大日本イン
キ化学工業社製,CATALYST PA−20)1
部、反撥回復性付与剤(大日本インキ化学工業社製,V
ONDIC NBA−1)0.5部を添加し、十分に混
合して合成樹脂組成物を調製した後、連続発泡機(共栄
工業社製)で発泡前の体積の2.5倍に機械発泡させ
た。
【0021】次いで、この溶液を前記ポリエチレンテレ
フタレートフィルムのプライマー加工面に塗布し、間隙
550μmのスリットの間を通して一定の厚さを有する
発泡溶液層を形成した後、120℃で溶媒を蒸発除去す
ると共に架橋することにより、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムに合成樹脂弾性発泡体層を形成して、厚さ
350μmの本発明の塵埃吸着シートを製造した。
【0022】この塵埃吸着シートの圧縮率と圧縮弾性率
を大栄科学精器製作所製のTHICKNESS GAU
GE Model CR−10Aを使用して測定した結
果、それぞれ14.5%と73%であった。また、上記
発泡前の合成樹脂組成物を、発泡後の合成樹脂組成物と
同様にしてポリエチレンテレフタレートフィルムのプラ
イマー加工面に塗工及び加熱乾燥して未発泡合成樹脂層
を形成し、ABS板に対する垂直方向の引き剥がしに必
要な力を測定したところ、未発泡合成樹脂層が4g/5
cm巾であったのに対し、本発明の塵埃吸着シートでは
45g/5cm巾であった。
【0023】上記のようにして製造した塵埃吸着シート
を16×500cmのサイズでカットし、20cm間隔
ではぎ取り用のミシン目を入れ、直径5cmの塩化ビニ
ル製の円柱状巻芯に合成樹脂弾性発泡体層が外側を向く
ように巻装して塵埃吸着ロールを作製した。この塵埃吸
着ロールを回転自在にシャフトに装着し、畳の清掃に用
いたところ、畳の目の中に入り込んだ微細な塵や埃を良
好に吸着除去できると共に、畳への樹脂の移行も認めら
れず、また塵埃を吸着した最外層をミシン目の部分では
ぎ取ることにより、容易に新しい合成樹脂弾性発泡体層
を露出させることができ、良好に清掃が行えた。
【0024】また、上記により製造した塵埃吸着シート
を60×35cmのサイズでカットし、合成樹脂弾性発
泡体層が上側を向くように10枚積み重ね、クリーンル
ーム用靴の裏に付着した塵や埃を吸着させる塵埃吸着マ
ットとして使用した。その結果、靴の裏の溝に入り込ん
だ塵や埃も十分に吸着できると共に、靴の裏への樹脂の
移行も見られず、塵や埃を吸着した最上層のシートをは
ぎ取ることによって、容易に新しい合成樹脂弾性発泡体
層を露出させることができ、良好に使用できた。
【0025】実施例2 厚さ約350μmのポリエステル不織布(旭化成工業社
製,商品名:アイエルE−1050)の一方の面に、E
VA樹脂(三井・デュポンポリケミカル社製,商品名:
EVAFLEX P−1005−SS)を150μmの
厚さに成形したフィルムをラミネートした。
【0026】一方、不揮発成分を約50%含有するウレ
タン系エマルジョン(大日本インキ化学工業社製,DI
CFOAM F−280)100部に起泡剤(大日本イ
ンキ化学工業社製,F−1)7部、増粘剤(大日本イン
キ化学工業社製,VONCOAT 3750)1部、及
び4%カルボキシメチルセルロース水溶液(第一工業製
薬社製,セロゲン WS−C)3部、架橋剤(大日本イ
ンキ化学工業社製,CR−5L)2部、架橋促進剤(大
日本インキ化学工業社製,CATALYSTPA−2
0)1部、反撥回復性付与剤(大日本インキ化学工業社
製,VONDIC NBA−1)0.5部を添加し、十
分に混合した後、連続発泡機(共栄工業社製)で発泡前
の体積の2.8倍に機械発泡させた。
【0027】次いで、この溶液を前記ポリエステル不織
布の非ラミネート面に塗布し、間隙1300μmのスリ
ットの間を通して一定の厚さを有する発泡溶液層を形成
し、120℃で溶媒を蒸発除去すると共に架橋すること
によって、ポリエステル不織布に合成樹脂弾性発泡体層
を形成し、厚さ1100μmの本発明の塵埃吸着シート
を製造した。この塵埃吸着シートの圧縮率と圧縮弾性率
を上記実施例1と同様にして測定した結果、それぞれ1
5.2%と74%であった。また、ABS板に対する垂
直方向の引き剥がしに必要な力を測定したところ、35
g/5cm巾であった。
【0028】上記により製造した塵埃吸着シートを16
×1000cmのサイズでカットし、15cm間隔では
ぎ取り用のミシン目を入れ、直径5cmの塩化ビニル製
の円柱状巻芯に合成樹脂弾性発泡体層が外側を向くよう
に巻装して塵埃吸着ロールを作製した。この塵埃吸着ロ
ールを回転自在にシャフトに装着し、ガラス製テーブル
の清掃に用いたところ、微細な塵や埃のみならず、大き
な塵や埃も良好に吸着できると共に、ガラス面のような
平滑な面でも樹脂の移行等が認められなかった。また、
塵や埃を吸着した最外層をミシン目の部分ではぎ取るこ
とにより、容易に新しい合成樹脂弾性発泡体層を露出さ
せることができ、良好に使用できた。
【0029】実施例3 不揮発成分を約60%含有するアクリル系エマルジョン
(大日本インキ化学工業社製,ボンコート 350)9
0部に、不揮発成分を60%含有するアクリル系粘着剤
(大日本インキ化学工業社製,PS−226)10部
(不揮発分として10%添加)、起泡剤(大日本インキ
化学工業社製,F−1)7部、増粘剤(大日本インキ化
学工業社製,VONCOAT 3750)1部、及び4
%カルボキシメチルセルロース水溶液(第一工業製薬社
製,セロゲン WS−C)3部、架橋剤(大日本インキ
化学工業社製,CR−5L)2部、架橋促進剤(大日本
インキ化学工業社製,CATALYST PA−20)
1部、反撥回復性付与剤(大日本インキ化学工業社製,
VONDIC NBA−1)0.5部を添加し、十分に
混合して合成樹脂組成物を調製した後、連続発泡機(共
栄工業社製)で発泡前の体積の2.1倍に機械発泡させ
た。
【0030】次いで、この溶液を厚さ50μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム(東洋紡積社製,品番E
5101)のコロナ放電処理面に塗布し、間隙550μ
mのスリットの間を通して一定の厚さを有する発泡溶液
層を形成し、120℃で溶媒を蒸発除去すると共に架橋
することにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム
に合成樹脂弾性発泡体層を形成して、厚さ300μmの
本発明の塵埃吸着シートを製造した。この塵埃吸着シー
トの圧縮率と圧縮弾性率を上記実施例1と同様にして測
定した結果、それぞれ17.3%と76%であった。ま
た、ABS板に対する垂直方向の引き剥がしに必要な力
を測定したところ、40g/5cm巾であった。
【0031】上記により製造した塵埃吸着シートを16
×1500cmのサイズでカットし、1周毎に同一部位
で最外周をはぎ取れるようにミシン目を入れ、直径5c
mの塩化ビニル製の円柱状巻芯に合成樹脂弾性発泡体層
が外側を向くように巻装して塵埃吸着ロールを作製し
た。この塵埃吸着ロールを回転自在にシャフトに装着
し、クリーンルームの清掃に用いたところ、微細な塵や
埃を良好に吸着できると共に、長期間使用しても床面へ
の樹脂の移行も認められず、また塵埃を吸着した最外層
をミシン目の部分ではぎ取ることにより、容易に新しい
合成樹脂弾性発泡体層を露出させることができ、良好に
清掃が行えた。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の塵
埃吸着シートによれば、塵や埃を吸着する合成樹脂弾性
発泡体層は、機械発泡により物理的に気体を吸収又は圧
入して発泡させた合成樹脂組成物より形成されるので、
この合成樹脂弾性発泡体層に微細で大きさの揃った連続
気泡を形成することができる。また、粘着力により塵や
埃を除去するのではなく、機械発泡によって発泡させた
合成樹脂組成物より形成される、合成樹脂弾性発泡体層
中に存在する連続気泡が有する吸盤効果によって塵や埃
を吸着するので、被清掃物に樹脂を移行させることがな
い。しかも、この連続気泡は微細であるので、大きな塵
や埃のみならず、小さな塵や埃も吸着することができ
る。また、合成樹脂弾性発泡体層は、シート状基材に塗
布等を行う前に機械発泡処理が行われるため、シート状
基材上に均一な厚さに形成できると共に、発泡倍率を容
易に制御できるので、被清掃物の性状に応じて吸着力を
調整することができる。更に、機械発泡により生じる気
泡は、均一でしかも微細であるので、ムラなく十分な強
度を有する合成樹脂弾性発泡体層が形成できる。加え
て、シート状基材の一方の面が平滑性を有するので、当
該塵埃吸着シートをロール状に巻装したり、複数枚積み
重ねたりした場合には、シート状基材と合成樹脂弾性発
泡体層が適度な力で密着するために、巻装が解けたり、
シート同士がずれたりしないと共に、合成樹脂弾性発泡
体層の樹脂がシート状基材に移行することもない。
【0033】請求項2記載の塵埃吸着シートによれば、
前記合成樹脂弾性発泡体層の圧縮率を8乃至30%の範
囲内とし、且つ、圧縮弾性率を50%以上とすることに
よって、前記合成樹脂弾性発泡体層の弾性及び復元力を
向上できるので、ロール状に巻装する等の物理的圧力が
加わった場合でもこの合成樹脂弾性発泡体層の潰れを防
止でき、被清掃物の凹凸への追従性を向上できると共
に、連続気泡の吸盤効果も向上できる。
【0034】請求項3記載の塵埃吸着シートによれば、
前記合成樹脂弾性発泡体層に、該合成樹脂弾性発泡体層
の30重量%以下の粘着剤を含有させることによって、
微細な連続気泡の有する吸盤効果に加えて粘着効果も発
揮させることができるので、より強力に塵や埃を吸着除
去することができる。しかも、柔軟で十分な強度を有す
る合成樹脂弾性発泡体層と粘着剤が一体となっているた
めにこれらの分離が不可能なことから、粘着剤が被清掃
面に移行することがない。
【0035】請求項4記載の塵埃吸着ロールによれば、
上記請求項1、2又は3記載の塵埃吸着シートを用い、
弾性を有する合成樹脂弾性発泡体層が外側になるように
巻装しているので、凹凸を有する被清掃面にも十分追従
することができ、凹所に入り込んだ塵や埃も吸着除去す
ることができる。また、被清掃物に樹脂を移行させるこ
とがないので、種々の被清掃物に対して手軽に使用でき
る。
【0036】請求項5記載の塵埃吸着マットによれば、
上記請求項1、2又は3記載の塵埃吸着シートを用い、
弾性を有する合成樹脂弾性発泡体層が上側になるように
複数枚積み重ねているので、靴の裏等の凹凸を有する被
清掃物にも十分追従でき、靴の裏の溝等に入り込んだ塵
や埃も吸着することができる。そして、被清掃物に樹脂
を移行させることがなく、手軽に使用できると共に、最
上層の塵埃吸着シートをはぎ取れば、常に新しい合成樹
脂弾性発泡体層が露出するので、長期間の使用が可能で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面が平滑性を有するシート状基材
    の他方の面に、機械発泡された合成樹脂組成物を塗布及
    び乾燥することにより形成される連続気泡を有する合成
    樹脂弾性発泡体層を形成したことを特徴とする塵埃吸着
    シート。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂弾性発泡体層の圧縮率が8
    乃至30%の範囲内であり、且つ、圧縮弾性率が50%
    以上であることを特徴とする請求項1記載の塵埃吸着シ
    ート。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂弾性発泡体層が、該合成樹
    脂弾性発泡体層の30重量%以下の粘着剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の塵埃吸着シート。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の塵埃吸着シー
    トを、前記合成樹脂弾性発泡体層が外側になるように巻
    装してなることを特徴とする塵埃吸着ロール。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載の塵埃吸着シー
    トを、前記合成樹脂弾性発泡体層が上側になるように複
    数枚積み重ねてなることを特徴とする塵埃吸着マット。
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