JP2011139719A - 粘着式清掃具、粘着ロール、及び、粘着テープ - Google Patents

粘着式清掃具、粘着ロール、及び、粘着テープ Download PDF

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Abstract

【解決手段】 外周表面に粘着面を有する粘着ロールを軸を中心に回転自在に装着したロール状粘着式清掃具において、粘着面がミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)
であることを特徴とするロール状粘着式清掃具。
【効果】 従来の技術における「使い捨て」タイプのロール状粘着式清掃具の粘着ロールが採用していた、『ワンウェイ』又は『ディスポーザブル』の使用形態を打開し、『リターナブル』の使用形態という新境地を開拓して、もって、生活廃棄物を減らし、二酸化炭素排気量を減らし、地球温暖化の抑制と環境保全を図ることができる。
【選択図】 図16

Description


本願発明は、粘着式清掃具用粘着テープ及び粘着式清掃具に関する。
本願発明は、ミクロ吸盤による吸着力を利用して、床(絨毯、フローリング、畳等)や衣類(コート、スーツ、セーター等)に付着したり絡み付いている微細なゴミ(ハウスダスト、人間やペットの毛髪・体毛、食べこぼし等)を簡便且つ迅速に清掃できる粘着式清掃具用粘着テープ及び粘着式清掃具に関する。
本願発明は、再生可能な粘着面を具備したミクロ吸盤を含んで構成される粘着テープを利用した粘着式清掃具用粘着テープ及び粘着式清掃具に関する。

本願発明は、ロール状粘着式清掃具用粘着ロール及びロール状粘着式清掃具に関する。
本願発明は、ミクロ吸盤による吸着力を利用して、床(絨毯、フローリング、畳等)や衣類(コート、スーツ、セーター等)に付着したり絡み付いている微細なゴミ(ハウスダスト、人間やペットの毛髪・体毛、食べこぼし等)を簡便且つ迅速に清掃できるロール状粘着式清掃具用粘着ロール及びロール状粘着式清掃具に関する。
本願発明は、再生可能な粘着面を具備したミクロ吸盤を含んで構成される粘着ロールを利用したロール状粘着式清掃具用粘着ロール及びロール状粘着式清掃具に関する。
[ロール状粘着式清掃具]
ロール状粘着式清掃具は、粘着テープを回転させながら微細ゴミを粘着面で除去する清掃具であって、ロール状粘着式清掃具清掃具とも称され、一般家庭において広く使用されている。
カーペット用、畳用、フローリング用、壁用、ペット用、洋服用と多岐に亘るロール状粘着式清掃具が市場に氾濫している。
ロール状粘着式清掃具は、特許電子図書館(IPDL)のパテントマップガイダンス(PMGS)においては、FI(ファイルインデックス)として『A47L25/00』又は『A47L25/00@A』が付与されている。
FI(ファイルインデックス)の『A47L25/00』は、『〔説明〕このサブクラスの他のグループに分類されない家庭用清掃装置(眼鏡を清浄するもの G02C13/00),〔補足説明〕他に分類されない家庭用雑清掃装置・道具(例:黒板拭きの清掃装置,物干し竿拭くき具等)』と定義付けられている。
FI(ファイルインデックス)の『A47L25/00@A』は、『〔説明〕ロール状の粘着式清掃具』と定義付けられている。
ロール状粘着式清掃具の種類は、カーペット用、畳用、フローリング用、壁用、ペット用、洋服用と多岐に亘り、商品の目的に応じて、適宜、最適の強度の粘着力に設定して、商品のニーズに応えている。
清掃目的に対応した清掃具としてロール状粘着式清掃具が市場に氾濫している。
[粘着式清掃具]
粘着式清掃具は、粘着テープの粘着面で微細ゴミを除去する清掃具であって、粘着式清掃具清掃具とも称される。
[従来技術における所謂「使い捨て」タイプのロール状粘着式清掃具の問題点]
然るに、従来の技術におけるロール状粘着式清掃具は、微細ゴミが粘着ロールの全面に付着してしまうと、粘着ロールの粘着力が顕著に減殺されてしまって、繰り返しの使用に耐えないという問題点があった。
市販されているロール状粘着式清掃具は、殆どのものは、所謂「使い捨て」タイプのものである。
所謂「使い捨て」タイプのロール状粘着式清掃具は、粘着ロールの粘着力が顕著に減殺されてしまった場合に、粘着テープの最外層の外周一周分の一巻きを剥ぎ取って、破り捨てることにより、最外層に新たに顔を出した新鮮な粘着力を具備した粘着剤面を露出させて使用するスタイルを採用している。
従来の技術においては、ロール状粘着式清掃具の粘着ロールの表面(粘着面)に一旦付着してしまった微細ゴミを、粘着ロールの表面(粘着面)から脱離して、粘着ロールの表面(粘着面)の粘着力を再生させることが困難である。
即ち、従来の技術におけるロール状粘着式清掃具の粘着ロールには、『ワンウェイ』又は『ディスポーザブル』の使用形態を採用しており、『リターナブル』の使用形態を採用して、生活廃棄物を減らし、二酸化炭素排気量を減らし、地球温暖化の抑制と環境保全を図ろうとする時代の潮流に即したものではないという問題点が存在する。
[従来技術における所謂「粘着性ゴムロール」タイプのロール状粘着式清掃具の問題点]
従来技術における所謂「使い捨て」タイプのロール状粘着式清掃具の問題点を解決すべく、所謂「粘着性ゴムロール」タイプのロール状粘着式清掃具が開発されてきた。
所謂「粘着性ゴムロール」タイプのロール状粘着式清掃具は、一旦、粘着ロールの表面(粘着面)に付着した微細ゴミを、粘着ロールの表面(粘着面)から脱離して、粘着ロールの表面(粘着面)の粘着力を再生させて再利用するスタイルを採用している。
表面に粘着性を帯びた粘着性ゴムロールは、家庭用の「ロール状粘着式清掃具」に応用する以前から、工業用において、微細ゴミを粘着除去する清掃用ロールとして使用されてきた。
粘着性ゴムロールは、例えば、薄鋼板メッキライン工場、ブリキ印刷・塗装工場、アルミシート加工工場、ステンレス鋼板スキンパスライン工場、グラビヤ印刷工場、加工紙スリッター・カッター工場のラインにゴミ取りロールとして組み込まれている。
粘着性ゴムロールは、ゴムの硬度が非常に柔らかく設計されていて、微細なゴミを粘着した除去することができる。
粘着性ゴムロールの全面に微細ゴミが粘着ロールの全面に付着して、粘着ロールの粘着力が顕著に減殺されてしまって場合には、ゴムロールの表面を溶剤で洗浄して、付着した微細ゴミを離脱せしめることにより、ゴムロールの表面(粘着面)の粘着性の回復を図ることができる。
然るに、従来の技術では、ゴムロールの表面に付着した微細ゴミを離脱せしめるために使用する洗浄液としては、溶剤を採用しており、水を使用することができず、有害な揮発物質の大気中への放出量を減らし、オゾン層破壊を抑制したり、赤外線を吸収するガスの排気量を減らし、有害紫外線被曝の抑制、地球温暖化の抑制、環境保全を図ろうとする時代の潮流に即したものではないという問題点が存在する。
清掃具ロール状粘着式清掃具に関連する文献は以下のとおりである。
特許2698900号公報 特許4378573号公報 実開平05−074468号公報
[特許文献1] 特許2698900号公報
特許2698900号公報(特開平08−000532号公報)には、片面に粘着層を設けた粘着テープを、粘着層を表面にして巻回して成るロール状粘着式清掃具用粘着ロールにおいて、粘着テープの表面に、巻回方向に連続する蛇行線を設けたことを特徴とするロール状粘着式清掃具用粘着ロールが開示されている。
粘着テープ(1)は、片面に粘着層(2)を設けて、その粘着層(2)を外側にして芯材(10)に巻回してある。
粘着テープ(1)の表面には、2本の蛇行線(3・3)を平行に設けると共に、その間に「このラインのとぎれたところが次にめくる尺度です」という表示(4・・・4)を間隔を置いて連続して設けてある。
粘着テープ(1)の粘着層(2)は、両側部に非粘着部(7・8)を残してその間に設けてあり、一方の非粘着部(7)側には、矢印の標識(5・・・5)を設けると共に「めくり側」という表示(6・・・6)を設け、他方の非粘着部(8)側には、切目(9)を設けてある。
吊掛具を容易に離脱できると共に、使用時には容易に外れない。
[特許文献2] 特許4378573号公報
特許4378573号公報(該当する公開公報なし。)には、ロール紙(2)の無粘着部(4)中央巻き方向にロール本体(1)と同じ長さの剥離帯(6)を貼着し、ロール紙(2)を切り取るための切り目部(5)と剥がすための爪である剥離爪部(7)をも同時加工形成し、ロール状に巻く事でロール本体(1)を構成され使用後の汚れた粘着紙を剥離爪部(7)をもって摘み上げることで同基材の延長である剥離帯(6)が引き上げられ無使用粘着面より確実に剥離出来るため従来のように切れ目部(5)が途中で破けたりすることもなく又、剥離爪部(7)を設けることで切れ目が判らずイライラしたり手を汚したりすることのない切り取りロール状粘着式清掃具が開示されている。
切り取りロール状粘着式清掃具は、無粘着部(4)巾中央よりロール本体(1)と同じ長さ、若しくは一定巾で剥離帯(6)をもって貼着し、ロール紙(2)の巻き方向に一定間隔でなる切り目部(5)と同じく剥離帯(6)に一定間隔で切断部(10)を繰り返し設けることにより、で剥離爪部(7)を形成しロール状に巻かれることでロール本体(1)としての機能を発揮する。
そして、ロール本体(1)をもって使用し汚れた粘着紙を剥離爪部(7)を摘み引き上げることにより、同基材でなる剥離帯(6)が引き上げられ次の未使用粘着面より剥がれ、切り目部(5)が途中で破けたり、手、指等を汚さずスムーズに切り取ることができる。
[特許文献3] 実開平05−074468号公報
実開平05−074468号公報には、ロール芯の表面に粘着剤を付け、剥離紙に企業広告を載せた粘着ロール芯式掃除機が開示されている。
剥離紙を巻いたロール芯は適当な長さに手で折れるようにする。
専用器具の柄は筆記用具と合体させて、掃除機と筆記用具との二役機能とする。
洋服、カーペット、玄関マット、布張りの天井や壁などに付いたほこり、ごみ、糸屑取り、ペットの抜毛とり、ガラス破片取り、と用途は非常に広範囲である。
特に一時も汚したままにしていたくない場所(後から後から汚れ散らかる場所)、それからトイレの中や車の中といった常に心がけたい狭い場所では、特に抜群の小回りの効果を発揮する。
企業広告掲載については一般企業から募集するが、実用性及び話題性から売上げが増大するので、増大する分だけ広告効果も出る。
専用器具(筆記用具と柄が合体)を、玄関口付近と車内等に一つずつ常備すると便利なので、多機能となると筆記用具機能(図面ではノック式の筆記用具)を組み込んだ。
ペン先は極端に丸く太くして本来の柄の機能(握り具合)に問題が出ないように工夫し、下向きキャップを無くして迅速に使用できるように工夫した。

本願発明が解決しようとする課題は、微細ゴミを粘着して粘着力を失った粘着テープの表面を水洗により洗浄して、粘着テープに付着した微細ゴミを洗い流して離脱せしめて、粘着テープを繰り返して何回も使用することを可能とする、粘着力を再生することが可能な粘着式清掃具、及び、前記清掃具用粘着テープを提供することである。

本願発明が解決しようとする課題は、微細ゴミを粘着して粘着力を失った粘着ローラーの表面を水洗により洗浄して、粘着ローラーに付着した微細ゴミを洗い流して離脱せしめて、粘着ローラーを繰り返して何回も使用することを可能とする、粘着力を再生することが可能なロール状粘着式清掃具、及び、前記清掃具用粘着ロールを提供することである。
[発明が解決しようとする第1の課題]
本願発明が解決しようとする第1の課題は、従来の技術における「使い捨て」タイプのロール状粘着式清掃具の粘着ロールが採用していた、『ワンウェイ』又は『ディスポーザブル』の使用形態を打開し、『リターナブル』の使用形態という新境地を開拓して、もって、生活廃棄物を減らし、二酸化炭素(炭酸ガス、CO2)排気量を減らし、地球温暖化の抑制と環境保全を図ろうとするものである。
[発明が解決しようとする第2の課題]
本願発明が解決しようとする第2の課題は、従来の技術における「粘着性ゴムロール」タイプのロール状粘着式清掃具のゴムロールの表面の粘着力を再生させるために使用する洗浄液において溶剤を使用するという使用形態を打開し、洗浄液として水を使用する使用形態という新境地を開拓して、もって、有害な揮発物質の大気中への放出量を減らし、オゾン層破壊を抑制したり、赤外線を吸収するガスの排気量を減らし、有害紫外線被曝の抑制、地球温暖化の抑制、環境保全を図ろうとするものである。

本出願において、課題を解決するための手段は、「特許請求の範囲」に記載した「請求項1」乃至「請求項6」に記載した事項により特定される。

請求項1に記載した本願発明の理解を支援する参考図は、図13、図12、図15、図16である。

請求項2に記載した本願発明の理解を支援する参考図は、図15である。


請求項3及び請求項4に記載した本願発明の理解を支援する参考図は、図12である。

請求項5及び請求項6に記載した本願発明の理解を支援する参考図は、図17である。

[請求項1]

外周表面に粘着面を有するロール状粘着式清掃具用の粘着ロールにおいて、

粘着面がミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)

であることを特徴とするロール状粘着式清掃具用の粘着ロール。



[請求項2]

粘着剤を含有してなる粘着層の粘着面(97a)を表側に向けて、
外周表面に巻回してなる
ロール状粘着式清掃具用の粘着ロール(98)の
粘着面(97a)の外周表面上に、

ミクロ吸盤テープ(9)を、
粘着面(2a)を表側に向けて、
巻回してなる

ロール状粘着式清掃具用の粘着ロール。



[請求項3]

請求項1又は2に記載した粘着ロールを、
回転軸(101)を中心として、
回転自在に装着したロール状粘着式清掃具。



[請求項4]

外周表面に粘着面を有する粘着ロールを軸を中心に回転自在に装着したロール状粘着式清掃具において、

粘着面がミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)

であることを特徴とするロール状粘着式清掃具。



[請求項5]

表面に粘着面を有する粘着式清掃具用の粘着テープの粘着面が

ミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)

であることを特徴とする粘着式清掃具用の粘着テープ。



[請求項6]

表面に粘着面を有する粘着式清掃具において、

粘着面がミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)

であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載した粘着ロール。



[請求項7]

ミクロ吸盤層(2)が、全重量を基準として、
可塑剤を4〜40重量パーセント含むものであることを特徴とする
請求項1に記載した粘着ロール。



[請求項8]

ミクロ吸盤テープ(9)が、
ミクロ吸盤層(2)に
ミクロ吸盤層(2)の全重量を基準として、
可塑剤を4〜40重量パーセント含むものであることを特徴とする
請求項2に記載した粘着ロール。



[請求項9]

請求項7又は8に記載した粘着ロールを、
回転軸(101)を中心として、
回転自在に装着したロール状粘着式清掃具。



[請求項10]

外周表面に粘着面を有する粘着ロールを軸を中心に回転自在に装着したロール状粘着式清掃具において、

粘着面がミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)であり、

ミクロ吸盤層(2)に
ミクロ吸盤層(2)の全重量を基準として、
可塑剤を4〜40重量パーセント含むもの

であることを特徴とするロール状粘着式清掃具。



[請求項11]

表面に粘着面を有する粘着式清掃具用の粘着テープの粘着面が

ミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)であり、

ミクロ吸盤層(2)に
ミクロ吸盤層(2)の全重量を基準として、
可塑剤を4〜40重量パーセント含むもの

であることを特徴とする粘着式清掃具用の粘着テープ。



[請求項12]

表面に粘着面を有する粘着式清掃具において、

粘着面がミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)であり、

ミクロ吸盤層(2)に
ミクロ吸盤層(2)の全重量を基準として、
可塑剤を4〜40重量パーセント含むもの

であることを特徴とする、
請求項1又は2に記載した粘着ロール。


粘着ロールを回転させながら微細ゴミを除去するロール状粘着式清掃具が、一般家庭に広く普及している。
一般家庭に広く普及しているロール状粘着式清掃具は、床(絨毯、フローリング、畳等)や衣類(コート、スーツ、セーター等)に付着したり絡み付いている微細なゴミ(ハウスダスト、人間やペットの毛髪・体毛、食べこぼし等)を簡便且つ迅速に清掃できるので、とても便利な器具である。
一般家庭に広く普及しているロール状粘着式清掃具の粘着ローラーの殆どは、片面に粘着剤を含んでなる粘着層を設けた粘着テープを、粘着層を表面にして巻回してなり、粘着ローラーの粘着面への微細ゴミの付着量が増えて、粘着ローラーの粘着面の粘着力が低下すると、その外周一巻きを破って捨てるという所謂使い捨てタイプである。
即ち、ロール状粘着式清掃具の一般的な粘着ローラーの粘着面は、粘着テープの粘着剤を含んでなる粘着層である。
本願発明は、ロール状粘着式清掃具の粘着ローラーの粘着面に、粘着テープの粘着剤を含んでなる粘着層を設けるのではなく、粘着テープの粘着層の代わりに、ミクロ吸盤層(2)を使用することにより、微細ゴミを粘着して粘着力を失った粘着ローラーの表面を水洗により洗浄して、粘着ローラーに付着した微細ゴミを洗い流して離脱せしめて、粘着ローラーを繰り返して何回も使用することを可能とし、粘着力を再生することを可能とする。

本願発明に係るロール状粘着式清掃具の粘着ローラーの粘着面の繰り返し(リサイクル)使用における使用サイクルは、

〔工程1〕粘着ローラーの粘着面(ミクロ吸盤)で微細ゴミを吸着する工程、

〔工程2〕微細ゴミの吸着量が増加したために粘着能力が低下してしまった粘着ローラーの粘着面(ミクロ吸盤)を水洗して、吸着している微細ゴミを容易に離脱せしめる工程、

〔工程3〕ミクロ吸盤に内包された水分を脱水せしめて、粘着ローラーの粘着面(ミクロ吸盤)の粘着能力(ゴミ吸着能力)を回復せしめる工程、

という工程から構成され、このサイクルを繰り返すことにより、何回でもゴミ吸着能力を再生することができる。
[第1の発明の効果]
第1の発明の効果は、従来の技術における「使い捨て」タイプのロール状粘着式清掃具の粘着ロールが採用していた、『ワンウェイ』又は『ディスポーザブル』の使用形態を打開し、『リターナブル』の使用形態という新境地を開拓して、もって、生活廃棄物を減らし、二酸化炭素排気量を減らし、地球温暖化の抑制と環境保全を図ることができるという効果である。
[第2の発明の効果]
第2の発明の効果は、従来の技術における「粘着性ゴムロール」タイプのロール状粘着式清掃具のゴムロールの表面の粘着力を再生させるために使用する洗浄液において溶剤を使用するという使用形態を打開し、洗浄液として水を使用する使用形態という新境地を開拓して、もって、有害な揮発物質の大気中への放出量を減らし、オゾン層破壊を抑制したり、赤外線を吸収するガスの排気量を減らし、有害紫外線被曝の抑制、地球温暖化の抑制、環境保全を図ることができるという効果である。
[第3の発明の効果]
表面が平滑面な床面のゴミは、もちろん、畳面、カーペット面の凹凸面のゴミをも吸着して、粘着ローラーの粘着面(ミクロ吸盤)を水洗すると、容易にゴミは離脱され、乾燥、脱水すると繰り返し何回も使える。
再生式粘着力を再生することが可能なロール状粘着式清掃具用粘着ロールは、利便性に富み、皮膚にベトつきなく生理的違和性のない、地球にやさしい清掃具である。


《《 発明を実施するための形態 A部 》》
《《 ミクロ吸盤の調製とその性能評価 》》

「発明を実施するための形態 A部 ミクロ吸盤の調製とその性能評価」において、本願発明に係る「ロール状粘着式清掃具用粘着ロール」及び「ロール状粘着式清掃具」に適用する「ミクロ吸盤」の調製の好ましい形態と、性能評価の好ましい形態について開示する。
[ミクロ吸盤の背景技術]
従来、この種のミクロ吸盤ラベルは、

(1)特開2000−52465号公報、
(2)特開平9−109361号公報、
(3)実開平5−013732号公報、
(4)特開平1−259043号公報、
(5)特開2004−174918号公報、
(6)特許第3327736号公報、
(7)特開平9−267547号公報、
(8)特開2002−348548号公報、
(9)特開2001−356724号公報、
(10)特開2004−38119号公報、
(11)特開2003−330373号公報

等に示されたものが知られており、通常、支持体(1)、ミクロ吸盤層(2)、及び、剥離剤が塗布された剥離体(3)からなる3層構造体をなしている(図2(A)、図3、図5参照)。
ミクロ吸盤ラベルの構成は、粘着剤を用いた粘着ラベルの構成と類似しているが、ミクロ吸盤層は、粘着剤の代わりに被着体への吸着力を発生させることができ、粘着剤と異なり、被着体が平滑面である必要があるという制約はあるものの、繰り返し貼り付け、剥離が可能な再剥離性を有し、剥がしても被着体に糊が残ることがない、という利点を有している。
[技術用語「ミクロ吸盤層」の定義と具体的態様]
本願発明において、技術用語「ミクロ吸盤層」とは、単位面積当たり1千[個/cm2]以上、より好ましくは、単位面積当たり1万[個/cm2]以上の凹状陥没穴を表面に有し、柔軟性及び/又は可撓性を具備し、被着物に対して吸着性を有する発泡層であって、凹状陥没穴は、0μm超、且つ、300μm以下の直径を有し、発泡層は、0μm超、且つ、300μm以下の厚みを有する発泡層を意味する。
[技術用語「低弾性」と「復元割合」の意義]
本願発明において、ミクロ吸盤層は、好ましい態様において、低弾性を示す。
「低弾性」とは、より具体的には、例えば、弾性による復元割合が圧力解放10分後に70%〜95%を示す物性を意味する。
ここで、「復元割合」とは、ミクロ吸盤層に垂直に圧力をかけて初期の厚みの60%以下になるまで圧縮し、圧力解放後の初期の厚みに対する復元した厚みの割合を意味する。
即ち、「復元割合」は、ミクロ吸盤層の弾性的復元力の低下を評価する尺度であって、図8に示す如く、ミクロ吸盤層に垂直に圧力をかけて初期の厚みの60%以下になるまで圧縮し、圧力解放10分後の圧力印加前の厚みd0に対する復元した厚みdの割合(d/d0)と定義する。
復元割合は、従来の技術による一般的なミクロ吸盤層では95%より大きい値を示すが、本願発明においては、70〜95%、好ましくは70〜90%以下、より好ましくは70〜80%の復元割合を示すミクロ吸盤層を使用する。
ミクロ吸盤層を低弾性のものとすることにより、被着体が凹凸のものであっても、その凹凸にミクロ吸盤層がならうことができるために、被着体との密着性がよく、その結果、吸着力が高まるという特徴を発揮する。
ミクロ吸盤層を低弾性材料で構成すると、ミクロ吸盤層の弾性的復元力は低下することになり、従来期待されているミクロ吸盤層を被着体に押し付けたときに弾性的復元力によって発生する吸盤作用が低下すると考えられるが、この吸盤作用の低下よりも、被着体との密着性の方が、全体の吸着力に寄与する度合いが大きいと考えられる。
このように、従来と逆転の発想でミクロ吸盤層を低弾性とすることにより、新規なミクロ吸盤ラベルを提供することができる。
低弾性のミクロ吸盤層は、支持体に対する吸着力も高まるために、ミクロ吸盤層を形成した後に、支持体を被覆することで、支持体との一体化を図ることができ、ミクロ吸盤層を被着体に被着する際に、支持体から剥離するおそれを低減することができる。
本願発明において、ミクロ吸盤層は、好ましい態様において、可塑剤を含有してなり、ミクロ吸盤層全重量を基準として、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜45重量%、さらに好ましくは4〜40重量%含有してなる。
[可塑剤]
可塑剤は、特に制限されるものではないが、一般的には、水溶性可塑剤が好ましく、具体的には、トリアセチン、リン酸トリプトキシエテル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジノルマルアルキル、アジピン酸ジアルキル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポシキ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、ポリエステル系、塩素化パラフィンを例示することができる。
[技術用語「凹状陥没穴」の具体的態様]
本願発明において、技術用語「凹状陥没穴」とは、ミクロ吸盤層表面に高密度で存在する微細な凹状陥没穴を意味し、ミクロ吸盤層内部に存在する空隙(気泡)に連通し、該内部の空隙(気泡)は他の空隙(気泡)と、毛細管により相互に連通した構造を有する(図4〜図6参照)。
ミクロ吸盤層面上の凹状陥没穴は、必ずしも真円である必要はない。
凹状陥没穴(2b)が真円に近似される場合には、好ましい態様においては、平均直径は、300μm以下(主として100μm以下)で、平均的には5〜50μmの凹状陥没穴(2b)が個数で95%を占める。
凹状陥没穴(2b)が楕円に近似される場合には、好ましい態様においては、平均長径は、300μm以下(主として100μm以下)で、平均的には5〜50μmの凹状陥没穴(2b)が個数で95%を占める。
凹状陥没穴(2b)の表面存在密度は、製造工程における発泡倍率に依存し、特に限定されるものではないが、好ましくは、単位面積当たり1千〜9万[個/cm2]、より好ましくは、単位面積当たり1〜9万[個/cm2]が形成される。
[発泡倍率]
本願発明において、技術用語「発泡倍率」とは、発泡性液体を機械的発泡機を通して、加圧空気を送り込んで発泡せしめ、発泡前の発泡性液体の単位容積当たりの重量を、発泡後の単位容積当たりの重量で除した数値をいう。
例えば、「発泡倍率」とは、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン液等のを機械的発泡機「オークスミキサー」を通して、加圧空気を送り込んで発泡せしめ、発泡前のエマルジョン液単位容積当たりの重量を、発泡後の単位容積当たりの重量で除した数値をいう。
[ミクロ吸盤層が発揮する吸着力の発現メカニズム]
ミクロ吸盤層の吸着力は、この微細で柔軟な凹状陥没穴(2b)により発生するもので、凹状陥没穴(2b)が通気性のない被着体表面に圧着されると、凹状陥没穴(2b)と被着体表面によって形成される密閉空間が減圧状態となることにより発生する吸引力である(図4〜図6参照)。
特開平1−259043号公報によると、発泡シート(ミクロ吸盤層)の平滑面に対する密着力の発現機構は基材の親和性や化学的結合によるものではなく、また粘着性によるものでもないとしており、特開2000−52465号公報、特開平9−109361号公報、特開2003−330373号公報等によると発泡合成樹脂層(即ち、ミクロ吸盤層)を被着体に押し付けると、この押し付けによって発泡合成樹脂層が弾性圧縮状態となり、これが弾性的に復元しようとするときに、凹状陥没穴(2b)による吸盤作用が働くとされている。
このため、ミクロ吸盤層が吸着力を具備するためには、弾性を有すべきことが必要不可欠であると考えられている。
また、上記の吸盤作用を発揮させるためには、被着体が平滑面である必要があり、そのため従来のミクロ吸盤ラベルでは、凹凸表面を有する被着体に対する吸着力は弱いという欠点がある。
図5に、本願発明において使用するミクロ吸盤層の内部構造と、ミクロ吸盤ラベルの積層構造を示す側面から見た模式断面図を示した。
図5は、凹状陥没穴(2b)の直径は、現実には、肉眼で観察するのは困難であるが、説明の便宜上、光学顕微鏡的に拡大したミクロ吸盤ラベルの構造を示す模式断面図である。
例えば、特開2006−276280号公報に示されているが如く、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン液に一定量の可塑剤を添加することにより、ミクロ吸盤層(2)は柔軟な低弾性体となり、表面に1〜9万[個/cm2]の微細な凹状陥没穴(2b)が形成される。
凹状陥没穴(2b)は、ミクロ吸盤層(2)内部の空隙(気泡)(2c)に連通し、ミクロ吸盤層(2)内部の空隙(気泡)(2c)は、他の空隙(気泡)(2c)と連通管(毛細管)(2d)にて連通した構造を有する。
好ましい形態において、平均的には、直径5〜300μmの凹状陥没穴(2b)が、個数で95%を占め、単位面積あたり1〜9万[個/cm2]が形成されている。
連通管(毛細管)(2d)は、1つの凹状陥没穴(2b)と他の凹状陥没穴(2b)を連通するのであるから、連通管(毛細管)(2d)の直径は、凹状陥没穴(2b)の直径と同等かそれ以下である。
この微細で柔軟な凹状陥没穴(2b)が、陰圧吸着力を発揮する。
吸着力とは、凹状陥没穴(2b)の上に被着体が圧着されると、凹状陥没穴(2b)と被着体によって形成される密閉空間が減圧状態となることにより発生する吸着力である。
凹状陥没穴(2b)は、他の空隙(気泡)(2c)と連通管(毛細管)(2d)にて連通した構造を有しており、減圧状態が解除されたり、凹状陥没穴(2b)に水が浸入したりすると、吸着力は消失する特性を有する。
図6に、本願発明において使用するミクロ吸盤層の表面に存在する開口部の内部構造を示す側面から見た模式断面図を示した。
図6は、凹状陥没穴(2b)の直径は、現実には、肉眼で観察するのは困難であるが、説明の便宜上、光学顕微鏡的に拡大したミクロ吸盤ラベルの構造を示す模式断面図である。
ミクロ吸盤の減圧効果は、ミクロ吸盤層の表面に存在する凹状陥没穴(2b)の変形のみならず、連通管(毛細管)(2d)を通じたミクロ吸盤層(2)内部の空隙(気泡)(2c)の変形にも起因すると考えられる。
[技術用語「ミクロ吸盤ラベル」の定義と具体的態様]
本願発明において、技術用語「ミクロ吸盤ラベル」とは、支持体(1)と、ミクロ吸盤層(2)と、ミクロ吸盤層の表面を保護する剥離体(3)を含んで構成される(図5参照)。
一般的には、「ミクロ吸盤ラベル」とは、支持体層(1)と、ミクロ吸盤層(2)と、ミクロ吸盤層の表面を保護する剥離体層(3)の3層構造である。
但し、支持体層(1)が、支持体(1)としての機能のみならず、剥離体(3)としての機能を併せ有する場合には、「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造である(図7参照)。
即ち、「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造においては、支持体(1)の2面のうちの1面は、支持体(1)としての機能を発揮する支持面(1a)であって、ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する面であり、他の1面は、剥離体(2)としての機能を発揮する剥離面(1b)であって、ミクロ吸盤を粘着せしめるが、使用時には、容易に剥離することができる面である(図2(B)、図7参照)。
[技術用語「ミクロ吸盤テープ」の定義と具体的態様]
本願発明において、技術用語「ミクロ吸盤テープ」とは、支持体(1)と、ミクロ吸盤層(2)と、を含んで構成される(図5参照)。
支持体(1)の2面のうち、少なくとも1面は、ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する支持面(1a)である。
支持体(1)の2面のうち、両面とも、ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する支持面(1a)であってもよい。
この場合は、2面の支持面(1a)のうちの少なくとも1面でミクロ吸盤層(2)を支持することができる。
2面共にミクロ吸盤層(2)を支持する支持面(1a)である場合には、2つのミクロ吸盤層で、1つの支持体をサンドイッチすることも可能である。
支持体(1)の2面のうち、少なくとも1面が、ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する支持面(1a)であり、他の1面が、剥離体(2)としての機能を発揮する剥離面(1b)であって、ミクロ吸盤を粘着せしめるが、使用時には、容易に剥離することができる場合には、「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造のタイプの「ミクロ吸盤ラベル」と捉えることもできるが、同時に、「ミクロ吸盤テープ」と理解することもできる(図2(B)、図7参照)。
[支持体]
支持体(1)は、2面のうち、少なくとも1面が、ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する支持面(1a)を有する。
支持体(1)の2面のうち、両面とも、ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する支持面(1a)であってもよい。
この場合は、2面の支持面(1a)のうちの少なくとも1面でミクロ吸盤層(2)を支持することができる。
2面共にミクロ吸盤層(2)を支持する支持面(1a)である場合には、2つのミクロ吸盤層で、1つの支持体をサンドイッチすることも可能である。
支持体(1)の2面のうち、少なくとも1面が、ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する支持面(1a)であり、他の1面が、剥離体(2)としての機能を発揮する剥離面(1b)であって、ミクロ吸盤を粘着せしめるが、使用時には、容易に剥離することができるものであってもよい(図7参照)。
ミクロ吸盤ラベルの製造方法の好ましい態様においては、一般的には、支持体(1)は、非耐熱性、及び/又は、非耐水性の材料を含んで構成される。
後述する、ミクロ吸盤ラベルを粘着式清掃具に適用する場合には、ミクロ吸盤の粘着力再生するために、即ち、ミクロ吸盤の粘着面に付着したゴミを除去するために、ミクロ吸盤を水洗するので、支持体(1)には、水洗に耐える耐水性と、乾燥に耐える耐熱性が要求される。
ミクロ吸盤ラベルの製造方法の好ましい態様においては、支持体(1)は、0μm超、30μm以下の厚みを有する。
[可塑剤]
支持体(1)は、好ましくは、可塑剤を含有してなる。
可塑剤は、特に制限されるものではないが、一般的には、水溶性可塑剤が好ましく、具体的には、トリアセチン、リン酸トリプトキシエテル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジノルマルアルキル、アジピン酸ジアルキル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポシキ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、ポリエステル系、塩素化パラフィンを例示することができる。
[支持体の具備すべき3要素]
後述する、ミクロ吸盤ラベルを粘着式清掃具に適用する場合には、支持体(1)は、好ましくは、〔1〕耐水性、〔2〕)耐熱性、及び/又は、〔3〕エマルジョン液(アクリル酸エステル共重合体エマルジョン液等)との密着性の3要素に優れているべきである。
上記3要素を充足する素材は、特に限定されるものではないが、上記3要素の全て充足する好ましい素材としては、ポリエステルフィルムを挙げることができる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく使用される。
ポリエステルフィルム以外の材料を含んで構成される支持体(1)、例えば、紙類などを支持体として採用した場合、泡沫エマルジョン液を塗工することが困難な場合が多い。
例えば、支持体として紙類を採用して、支持体に直接エマルジョン液を塗工することが可能であっても、エマルジョン液の水分によって、紙に暴れやシワが発生して、工業的生産に耐えない場合多いのが現状である。
従って、支持体(1)として紙類を使用する場合には、例えば、牛乳や茶類等の液体用紙カートン容器に使用されるような耐水性を具備した合成樹脂ラミネート紙や、紅茶ティーバッグに使用されるような耐熱性を具備した合成樹脂パルプを製紙した合成樹脂パルプ紙等が好ましく使用される。
[剥離体]
ミクロ吸盤ラベルの製造方法の好ましい態様においては、剥離体(3)は、表面に予め剥離剤を塗布してある。
剥離体(3)の剥離剤塗布面の表面上にミクロ吸盤層を形成する(図2(A)参照)。
剥離体(3)には予めその表面に剥離剤が塗布されており、該剥離剤が塗布された面上にミクロ吸盤層を形成するとよく、これによって、剥離体(3)上にミクロ吸盤層が形成されたミクロ吸盤ラベルを被着体に使用する際に、ミクロ吸盤層から簡単に剥離体(3)を剥がすことができる。
[ミクロ吸盤ラベルの製造方法]
本願発明において、ミクロ吸盤層の製造方法の好ましい態様としては、例えば、アクリル酸共重合体エマルジョン液に、整泡剤、増粘剤、起泡剤、硬化剤、顔料を一定の割合に混合して、機械的発泡機「オークスミキサー」を通して、加圧空気を送り込み、発泡倍率(発泡前の単位容積当たりの重量を発泡後の単位容積当たりの重量で除した数値)1.2倍〜3倍にして単位面積当たり1千[個/cm2]以上、より好ましくは、単位面積当たり1万[個/cm2]以上の微細気泡を物理的に発生させた泡沫状エマルジョン液(樹脂の固形分含有量は40から55重量%)をコンマコーターにて表面平滑な支持体としてのポリエステルフィルム上に塗工、乾燥して形成する製造方法を挙げることができる(図9参照)。
ミクロ吸盤ラベルの製造方法の好ましい態様としては、例えば、剥離体の上に、合成樹脂エマルジョン液と可塑剤とを含有してなる水溶性泡沫エマルジョン液を塗工した後、乾燥させてミクロ吸盤層を形成する工程と、剥離体の上にミクロ吸盤層を形成した後、前記剥離体がある面と反対側のミクロ吸盤層の面上に、支持体を被覆する工程とを有するミクロ吸盤ラベルの製造方法を挙げることができる。
ミクロ吸盤ラベルの製造方法の好ましい態様としては、例えば、剥離体(3)の上に、合成樹脂エマルジョン液を含有してなる水溶性泡沫エマルジョン液を塗工した後、乾燥させてミクロ吸盤層を形成する工程と、
前記剥離体(3)がある面と反対側のミクロ吸盤層の面上に、可塑剤を含有する支持体を被覆する工程と、
支持体を被覆した工程の後、支持体内の可塑剤をミクロ吸盤層に移行させる工程と、
を含んで構成される(図2(A)参照)。
[ミクロ吸盤ラベルの製造方法〜「転写法」]
ミクロ吸盤ラベルの技術分野とは異なる粘着ラベルの技術分野においては、従来から、剥離処理された(剥離剤の塗布された)剥離体(3)上に、粘着剤を直接塗工し、粘着剤に含まれる溶剤又は水分を乾燥炉で乾燥した後、乾燥炉を出たところで、厚さ20μm〜35μmの粘着剤を支持体と貼り合わせて、ロール状に巻き取って、毎葉に裁断して、粘着ラベルが製造されてきた。
粘着剤は、剥離剤の塗布された剥離体(3)には接着しないことから、支持体と貼り合わされた時点で支持体に転写接着して、剥離体(3)を剥がしても、粘着剤は支持体に接着した状態を維持していることから、この方法は「転写法」と呼ばれる。
この粘着ラベルの技術分野において採用されてきた「転写法」の技術を、ミクロ吸盤ラベルの技術分野に転用して、ミクロ吸盤ラベルの製造に応用しようとした場合に、泡沫状エマルジョン液を、剥離体(3)上に直接塗工し、乾燥した後、支持体と貼り合わせても、剥離体(3)上に形成されたミクロ吸盤は、支持体に転写されないという問題点があった。
このような問題点を解決すべく、特開2002−348548号公報では、ポリエステルフィルム等からなる両面剥離工程紙上にアクリル酸エステル共重合体エマルジョン液を塗工、乾燥して成膜されるミクロ吸盤シートに、その背面に両面剥離工程紙をつけたまま印刷シートを粘着剤を介して積層接着する製造方法を提案している。
しかしながら、特開2002−348548号公報において開示されている製造方法においては、粘着剤を使用しなければならないため、このようにして製造されたミクロ吸盤ラベルを、製造後に印刷するべくコピー機、レーザプリンタ機に使用した場合、機械内の高熱で粘着剤が軟化してはみ出し、定着ロールや感光ドラムを汚染するという問題があった。
また、転写法で製造されたミクロ吸盤ラベルは、被着体が平滑面であればどんなものでも良く吸着するものの、凹凸のある被着体では吸着性が悪いという問題があった。
[ミクロ吸盤ラベルの製造方法〜「直接法」]
本願発明者等は、「転写法」における問題を鑑みて、「転写法」における技術上の課題を解決すべく、ミクロ吸盤ラベルの製造方法として、泡沫状エマルジョン液をコンマコーターにて表面平滑な支持体に直接塗工した後、100℃〜140℃にて水分を蒸発乾燥して形成することにより、厚さ50〜300μmの発泡シートを製造する方法を実用化した。
この製造方法は、図9に示す如く、支持体に泡沫状エマルジョン液を直接塗工することから、「直接法」と呼ばれる。
「直接法」の好ましい態様は、図9に示す如く、支持体に泡沫状エマルジョン液を直接塗工し、支持体の表面上に塗工された泡沫状エマルジョン液を乾燥炉で乾燥し、乾燥炉を出たところで、ミクロ吸盤面上に剥離体(3)で被覆してミクロ吸盤ラベルを形成し、形成したミクロ吸盤ラベルをロール状に巻き取るという製品工程を含んで構成される。
[「直接法」と「転写法」の対比]
上述のとおり、従来の技術においては、転写法で製造したミクロ吸盤ラベルを、製造後に印刷するべくコピー機、レーザプリンタ機に使用した場合、機械内の高熱で粘着剤が軟化してはみ出し、定着ロールや感光ドラムを汚染するという問題がある。
そのために、優れた品質を有するミクロ吸盤ラベルは、支持体に直接塗工するという直接法によってのみ生産されるのが現状であった。
上述のとおり、従来の技術においては、粘着ラベルの技術分野において採用されてきた「転写法」の技術を、ミクロ吸盤ラベルの技術分野に転用して、ミクロ吸盤ラベルの製造に応用しようとした場合に、泡沫状エマルジョン液を、剥離体(3)上に直接塗工し乾燥した後、支持体と貼り合わせても、剥離体(3)上に形成されたミクロ吸盤は、支持体に転写されないという問題点があった。
然るに、ミクロ吸盤層を低弾性のものとすることにより、支持体との密着性を高めることが可能となり、従来の技術における「転写法」によるミクロ吸盤ラベルの製造において、不可能であった、剥離体(3)上に形成されたミクロ吸盤の支持体へのに転写を可能とすることを実現できる。
直接法において、支持体は、好ましくは、(1)耐水性、(2)耐熱性、及び/又は、(3)エマルジョン液(アクリル酸エステル共重合体エマルジョン液等)との密着性の3要素に優れているべきである。
直接法において、上記3要素を充足する素材は、特に限定されるものではないが、上記3要素の全て充足する好ましい素材としては、ポリエステルフィルムを挙げることができる。
転写法によってミクロ吸盤ラベルを製造することが実現できたことにより、直接法の場合における支持体の材料の選択についての制限が殆どなくなる。
即ち、転写法の場合は、直接法の場合とは異なり、非耐熱性、又は、非耐水性の材料を支持体として採用することができる。
支持体の材質については、例えば、従来では不可能であった印刷媒体、上質紙、コート紙、インクジェット紙、カラーレーザ用紙、クラフト紙等の非耐熱性及び非耐水性の紙類、塩化ビニルフィルム、ウレタンフィルム等の非耐熱性の樹脂フィルムを支持体とすることができるようになる。
支持体の厚みについては、例えば、厚さ30μm以下の薄い支持体を使用することができるようになる。
[ミクロ吸盤層を低弾性にする手段]
本願発明においては、70〜95%、好ましくは70〜90%以下、より好ましくは70〜80%の復元割合を示す低弾性のミクロ吸盤層を使用する。
上述のとおり、「復元割合」とは、ミクロ吸盤層に垂直に圧力をかけて初期の厚みの60%以下になるまで圧縮し、圧力解放後の初期の厚みに対する復元した厚みの割合を意味する。
即ち、「復元割合」は、ミクロ吸盤層の弾性的復元力の低下を評価する尺度であって、図8に示す如く、ミクロ吸盤層に垂直に圧力をかけて初期の厚みの60%以下になるまで圧縮し、圧力解放10分後の圧力印加前の厚みd0に対する復元した厚みdの割合(d/d0)と定義する。
本願発明において、低弾性のミクロ吸盤層を使用することにより、ガラス面のような円滑な被着体のみならず、任意の凹凸表面を有する被着体にも吸着することが可能となる。
[ミクロ吸盤層に低弾性を付与する手段〜好ましい態様1]
ミクロ吸盤層を低弾性にする手段としては、特に限定されるものではなく、任意の手段を適用可能である。
ミクロ吸盤層を低弾性にする手段のうち、一つの好ましい態様として、可塑剤をミクロ吸盤層中に添加する手段を挙げることができる。
可塑剤の含有量としては、従来のミクロ吸盤層を構成する材料に微量に含有されている含有量よりも顕著に多く配合する。
具体的には、乾燥されたミクロ吸盤層の乾燥重量を基準として、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜45重量%、さらに好ましくは4〜40重量%含有(乾燥前の湿潤状態においては、2重量%〜20重量%含有に相当)せしめる。
〈好ましい態様1における可塑剤〉
好ましい態様1における可塑剤は、特に制限されるものではないが、一般的には、水溶性可塑剤が好ましく、具体的には、トリアセチン、リン酸トリプトキシエテル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジノルマルアルキル、アジピン酸ジアルキル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポシキ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、ポリエステル系、塩素化パラフィンを例示することができる。
[ミクロ吸盤層に低弾性を付与する手段〜好ましい態様2]
ミクロ吸盤層を低弾性にする手段のうち、他の好ましい態様として、可塑剤を支持体に含ませる手段を挙げることができる。
可塑剤は、時間の経過と共に支持体からミクロ吸盤層へと移行を行なうために、結果としてミクロ吸盤層に可塑剤が含有されることとなる。
この場合、可塑剤は低分子可塑剤とするとミクロ吸盤層への良好な移行性が得られる。
ミクロ吸盤層の製造工程において、可塑剤を含む支持体を使用する場合、この支持体をミクロ吸盤層の面上に被覆した後に、可塑剤を移行させる工程を含めせしめることができる。
支持体に含まれる可塑剤の含有割合としては、支持体全重量を基準として、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜45重量%、さらに好ましくは4〜40重量%であり、低分子可塑剤であると優れた移行性を発揮する。
ここで、低分子とは、所謂高分子(ポリマー)ではなく、モノマー(単量体)、ダイマー(2量体)、トリマー(3量体)、オリゴマーを包含する。
〈好ましい態様2における可塑剤〉
好ましい態様2における可塑剤は、特に制限されるものではないが、一般的には、水溶性可塑剤が好ましく、具体的には、トリアセチン、リン酸トリプトキシエテル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジノルマルアルキル、アジピン酸ジアルキル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポシキ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、ポリエステル系、塩素化パラフィンを例示することができる。
[ミクロ吸盤層に低弾性を付与する手段〜好ましい態様3]
ミクロ吸盤層を低弾性にする手段のうち、他の好ましい態様として、水溶性泡沫エマルジョン液に可塑剤を含有せしめる手段を挙げることができる。
水溶性泡沫エマルジョン液中に含有せしめる可塑剤の組成比は、好ましくは、水溶性泡沫エマルジョン液と可塑剤の合計重量を基準として、可塑剤を2〜20重量%含有させる。
〈好ましい態様3における可塑剤〉
好ましい態様3における可塑剤は、特に制限されるものではないが、一般的には、水溶性可塑剤が好ましく、具体的には、トリアセチン、リン酸トリプトキシエテル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジノルマルアルキル、アジピン酸ジアルキル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポシキ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、ポリエステル系、塩素化パラフィンを例示することができる。
[ミクロ吸盤の効果]
ミクロ吸盤は、凹凸のある被着体においても、その凹凸の複雑で不規則な表面形状に、柔軟なミクロ吸盤層がならうことができるために、凹凸のある被着体に対する吸着性につき、顕著に優れた効果を発揮することができる。
ミクロ吸盤ラベルを、転写法によって製造する場合には、支持体の素材の選択に大きな自由度を発揮できる。
[ミクロ吸盤ラベルの実施の好ましい形態]
ミクロ吸盤ラベルの実施の好ましい形態について、以下に図面を用いて説明する。
[図1 ミクロ吸盤ラベルの拡大断面図]
図1は、本願発明に係るミクロ吸盤ラベル(「支持体層/ミクロ吸盤層/剥離体層」の3層構造のタイプ)の拡大断面図である。
図1において、ミクロ吸盤ラベル(10)は、支持体(1)と、直径300μm以下の凹状陥没穴を高密度で有する厚さ300μm以下の柔軟なミクロ吸盤層(2)と、ミクロ吸盤層(2)の表面を保護する剥離体(3)と、を有する。
このミクロ吸盤層(2)は低弾性材料からなっており、低弾性を呈する。
場合により、剥離体(3)のミクロ吸盤層(2)と対向する面に剥離剤が塗布されている。
[図2 ミクロ吸盤ラベルの製造方法の概要説明図]
図2は、ミクロ吸盤ラベルの製造方法の概要説明図である。
図2(A)に、「支持体層/ミクロ吸盤層/剥離層」3層構造タイプの製造方法の好ましい態様を示した。
図2(B)に、「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」2層構造タイプの製造方法の好ましい態様を示した。
上述のとおり、ミクロ吸盤ラベルは、一般的には、支持体(1)と、ミクロ吸盤層(2)と、ミクロ吸盤層の表面を保護する剥離体(3)を含んで構成される(図5参照)。
但し、支持体層(1)が、支持体(1)としての機能のみならず、剥離体(3)としての機能を併せ有する場合には、「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造である(図7参照)。
即ち、「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造においては、支持体(1)の2面のうちの1面は、支持体(1)としての機能を発揮する支持面(1a)であって、ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する面であり、他の1面は、剥離体(2)としての機能を発揮する剥離面(1b)であって、ミクロ吸盤を粘着せしめるが、使用時には、容易に剥離することができる面である(図2(B)、図7参照)。

図2(A)に示すとおり、「支持体層/ミクロ吸盤層/剥離層」3層構造タイプミクロ吸盤ラベルの製造方法の好ましい態様においては、剥離体ロール(22)、発泡機(24)、コンマコーター(26)、乾燥炉(28)、支持体ロール(30)、貼り合せロール(32)、ミクロ吸盤ラベルロール(34)等を使用する。
発泡機(24)において、ミクロ吸盤層のための低弾性材料を構成する混合物が発泡されて泡沫状エマルジョン液となり、これがコンマコーター(26)で、剥離体ロール(22)から送り出されるシート状の剥離体(3)上に塗工される。
次いで、これが乾燥炉(28)にて所定時間乾燥されると、剥離体(3)にミクロ吸盤層(2)が形成される。
この形成されたミクロ吸盤層(2)に、貼り合せロール(32)によって支持体ロール(30)から送り出される支持体(1)が被覆されて、ミクロ吸盤ラベルロール(34)に巻き取られる。
図2(B)に示すとおり、「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」2層構造タイプミクロ吸盤ラベルの製造方法の好ましい態様においては、発泡機(24)、コンマコーター(26)、乾燥炉(28)、支持体ロール(30)、貼り合せロール(32)、ミクロ吸盤ラベルロール(34)等を使用する。
発泡機(24)において、ミクロ吸盤層のための低弾性材料を構成する混合物が発泡されて泡沫状エマルジョン液となり、これがコンマコーター(26)で、支持体ロール(22)から送り出されるシート状の支持体(1)の支持面(1a)上に塗工される。
次いで、これが乾燥炉(28)にて所定時間乾燥されると、支持体(1)の支持面(1a)上にミクロ吸盤層(2)が形成される。
この形成されたミクロ吸盤層(2)に、貼り合せロール(32)によって支持体(1)の支持面(1a)とミクロ吸盤層(2)との密着性を高め、ミクロ吸盤層(2a)の粘着面(2a)を外側に向けた状態でミクロ吸盤ラベルロール(34)に巻き取られる。
[図3 ミクロ吸盤層の支持体への転写前後の状態]
図3は、ミクロ吸盤層を支持体に爾後的に転写するミクロ吸盤ラベルの製造工程を採用した場合における、ミクロ吸盤層を支持体に転写する過程の転写前と転写後の状態を示す拡大断面図である。
図3(A)は、ミクロ吸盤ラベルの製造工程におけるミクロ吸盤層が支持体に転写される過程の転写前の状態を示す拡大断面図である。
図3(B)は、ミクロ吸盤ラベルの製造工程におけるミクロ吸盤層が支持体に転写される過程の転写後の状態を示す拡大断面図である。
図3に示すように、ミクロ吸盤ラベルの製造工程において、ミクロ吸盤層(2)は支持体(1)に転写される。
図3の(A)及び(B)に示すように、凹凸面、マット調面を有する支持体(1)に対して貼り合せロール(32)によってミクロ吸盤層(2)が支持体(1)の凹凸面に食い込むようにして吸着転写される。
ミクロ吸盤層(2)は、低弾性材料から構成されているために、図1に示す密着状態を維持することができる。
ミクロ吸盤層(2)は、支持体(1)との十分な接触面積を確保して、その接触面積における吸着力によって支持体(1)とミクロ吸盤層(2)との一体性を保持することができる。
勿論、支持体(1)が平滑な場合にも、良好な密着性を持つことができる。
一方、ミクロ吸盤層が高弾性材料から構成されている場合には、ミクロ吸盤層は、その復元力によって図3(A)に示すような状態に戻り、支持体との接触面積が減少してしまうために、支持体には吸着しないか、吸着しても吸着力が低く剥離脱落しやすくなる。
[図4 ミクロ吸盤ラベルの構造]
図4に、本願発明において使用するミクロ吸盤ラベルの構造を拡大模式斜視図で示した。
凹状陥没穴(2b)の直径は、上述のとおり、肉眼で観察するのは困難であるが、説明の便宜上、光学顕微鏡的に拡大したミクロ吸盤層の構造を示す模式斜視図である。
[図5 ミクロ吸盤層の内部構造とミクロ吸盤ラベルの積層構造]
図5に、本願発明において使用するミクロ吸盤層の内部構造と、ミクロ吸盤ラベルの積層構造を示す側面から見た模式断面図を示した。
凹状陥没穴(2b)の直径は、上述のとおり、肉眼で観察するのは困難であるが、説明の便宜上、光学顕微鏡的に拡大したミクロ吸盤ラベルの構造を示す模式断面図である。
例えば、特開2006−276280号公報に示されているが如く、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン液に一定量の可塑剤を添加することにより、ミクロ吸盤層(2)は柔軟な低弾性体となり、表面に1〜9[個/cm2]の微細な凹状陥没穴(2b)が形成される。
凹状陥没穴(2b)は、ミクロ吸盤層(2)内部の空隙(気泡)(2c)に連通し、ミクロ吸盤層(2)内部の空隙(気泡)(2c)は、他の空隙(気泡)(2c)と連通管(毛細管)(2d)にて連通した構造を有する。
平均的には、直径5〜300μmの凹状陥没穴(2b)が、個数で95%を占め、単位面積あたり1〜9万[個/cm2]が形成されている。
連通管(毛細管)(2d)の直径は、凹状陥没穴(2b)の直径と同等かそれ以下である。
この微細で柔軟な凹状陥没穴(2b)が陰圧吸着力を発揮し、微細ゴミを良く吸着する。
吸着力とは、凹状陥没穴(2b)の上に家庭の畳やフローリングや布地の微細ゴミが圧着されると、凹状陥没穴(2b)とゴミによって形成される密閉空間が減圧状態となることにより発生するゴミ吸着力である。
凹状陥没穴(2b)は、他の空隙(気泡)(2c)と連通管(毛細管)(2d)にて連通した構造を有しており、減圧状態が解除されたり、水が凹状陥没穴に浸入したりするとゴミ吸着力は消失する特性を有する。
[図6 ミクロ吸盤層の表面に存在する開口部の内部構造]
図6に、本願発明において使用するミクロ吸盤層の表面に存在する開口部の内部構造を示す側面から見た模式断面図を示した。
凹状陥没穴(2b)の直径は、上述のとおり、肉眼で観察するのは困難であるが、説明の便宜上、光学顕微鏡的に拡大したミクロ吸盤ラベルの構造を示す模式断面図である。
ミクロ吸盤の減圧効果は、ミクロ吸盤層の表面に存在する凹状陥没穴(2b)の変形のみならず、連通管(毛細管)(2d)を通じたミクロ吸盤層(2)内部の空隙(気泡)(2c)の変形にも起因すると考えられる。
[図7 ミクロ吸盤ラベルの拡大断面図]
図7は、本願発明に係るミクロ吸盤ラベル(「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造のタイプ)の拡大断面図である。
図7において、ミクロ吸盤ラベル(10’)は、支持体(1)と、直径300μm以下の凹状陥没穴を高密度で有する厚さ300μm以下の柔軟なミクロ吸盤層(2)と、を有する。
3層構造のタイプの場合と同様に、ミクロ吸盤層(2)は低弾性材料からなっており、低弾性を呈する。
「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造のタイプの場合は、支持体(1)の2面のうちの1面は、支持面(1a)であって、ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する面であり、他の1面は、剥離面(1b)であって、ミクロ吸盤を粘着せしめるが、使用時には、容易に剥離することができる面である。
[ミクロ吸盤ラベルの使用方法]
ミクロ吸盤ラベル(10)を使用する場合には、まず、剥離体(3)を剥がして、ミクロ吸盤層(2)を被着体に押し付ける。
被着体の表面が、凹凸状、又は、マット調である場合であっても、ミクロ吸盤層(2)が被着体に対してその凹凸の表面に食い込むようにして吸着されて、食い込んだ状態を維持するために、十分な接触面積を確保して、高い吸着力を発揮することができる。
[低弾性材料を含んで構成されるミクロ吸盤層の製造方法]
低弾性材料を含んで構成されるミクロ吸盤層の製造方法の態様を以下に開示する。
[低弾性材料を含んで構成されるミクロ吸盤層の製造方法の第1の好ましい態様]
低弾性材料を含んで構成されるミクロ吸盤層の製造方法の第1の好ましい態様は、可塑剤をエマルジョン液に混合する方法である。
<ミクロ吸盤層の製造方法>
アクリル酸エステル共重合体DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)の商品名)MFP−20を1000g、製泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−20を40g、整泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−40を40g、増粘剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)MXを10g、架橋剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)GXを20gからなるアクリル酸エステル共重合体エマルジョン液中、水溶性可塑剤トリアセチン(大八化学製)及び水溶性可塑剤TEPをそれぞれ0重量%、5%、10%、20%混合して発泡倍率2倍に調整した泡沫アクリルエマルジョンを使って、厚さ150μのミクロ吸盤層を作成した。
<ミクロ吸盤層の物性評価〜ΔE、復元割合、吸着力>
得られたミクロ吸盤層について、物性を評価した。
得られたミクロ吸盤層に、一定の圧力をかけ90μmの厚さになるまで加圧し、圧力を解放して、10分経過後の戻った厚みΔEを弾性戻り量とし、該弾性戻り量を測定した。
ΔEの値の小さいほど弾性が消失されていることを示す。
そして、初期厚み150μmに対する復元割合を求めた。
併せて、吸着力を測定した。
吸着力は、微細な凹凸面を有するスリガラスに対する吸着力を、貼付直後と貼付2ヶ月後とでそれぞれ測定した。
その測定結果を[表1]に示す。
<ミクロ吸盤ラベルの製造方法>
厚さ75μmのポリエステルフィルムに100μmのミクロ吸盤層を形成し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを剥離体(3)としたミクロ吸盤ラベルを製造した。
<ミクロ吸盤ラベルの支持体候補への密着性評価〜吸着力>
得られたミクロ吸盤ラベルについて、様々な支持体となり得る材料に対するミクロ吸盤層の密着度を調べた。
支持体の候補としては、平滑性がなく通気性のある上質紙(ベック平滑度100秒)、通気性がなく微細凹凸面のマット調コート紙PODマットコート紙(同80秒、王子製紙製)、平滑性の高いPODグロスコート紙(同500秒、王子製紙)、アルミ箔、ウレタンフィルム、ポリエチレンフィルムとし、それぞれに対するトリアセチン無添加、トリアセチン5%添加としたミクロ吸盤層の吸着力を測定した。
その測定結果を[表2]に示す。
表2に示す測定結果から明らかなように、ミクロ吸盤に可塑剤を添加することにより、低弾性材料を含んで構成されるミクロ吸盤層を製造され、得られるミクロ吸盤の吸着力が増大していることがわかる。
吸着力が増大するメカニズムは、図1に示す如く、ミクロ吸盤層(2)の支持体(1)に対する接触面積の大小によるものと考えられる。
[低弾性材料を含んで構成されるミクロ吸盤層の製造方法の第2の好ましい態様]
低弾性材料を含んで構成されるミクロ吸盤層の製造方法の第2の好ましい態様は、ミクロ吸盤層(2)が転写される支持体(1)に予め可塑剤を含有させておく方法、又は、可塑剤を予め含有している支持体を使用する方法である。
支持体(1)に含まれる可塑剤をミクロ吸盤層(2)内に経時的に移行させることにより、第1の方法と同様の効果を得ることができる。
軟質塩化ビニルフィルムに可塑剤として広く使われるフタル酸エステルの場合、可塑剤の移行は比較的早期に進み、1ヶ月以内で完了するが、高分子可塑剤の場合、移行速度は遅くなる。
従って、低分子可塑剤を用いることが好ましい。
ここで、低分子とは、所謂高分子(ポリマー)ではなく、モノマー(単量体)、ダイマー(2量体)、トリマー(3量体)、オリゴマーを包含する。
<ミクロ吸盤層の製造方法>
アクリル酸エステル共重合体DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)の商品名)MFP−20を1000g、製泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−20を40g、整泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−40を40g、増粘剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)MXを10g、架橋剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)GXを20gからなるアクリル酸エステル共重合体エマルジョン液を混合して発泡倍率2倍に調整した泡沫アクリルエマルジョンを使って、厚さ75μmのポリエステルフィルム上に、厚さ75μのミクロ吸盤層を形成させた。
<ミクロ吸盤ラベルの製造方法>
厚さ75μmのミクロ吸盤層に、低分子可塑剤であるフタル酸エステルを35重量%含有する厚さ0.39mmのテント地ターポリン塩化ビニルシート(平岡繊維株式会社製)を貼り合わせた。
<ミクロ吸盤ラベルの剥離強度>
ミクロ吸盤層をフタル酸エステル含有テント地ターポリン塩化ビニルシートに貼り合わせた直後(初期)、及び、貼り合わせた後1ヶ月において、テント地ターポリン塩化ビニルシートからミクロ吸盤層を剥離する際の剥離強度を測定した結果を、[表3]に示す。
[表3]から明らかなように、1ヶ月後にはテント地ターポリン塩化ビニルシートの可塑剤がミクロ吸盤層に移行して、ミクロ吸盤層とテント地ターポリン塩化ビニルシートとの吸着性が増加したことがわかる。
<ミクロ吸盤ラベルの弾性戻り量ΔE>
弾性戻り量ΔEとは、上述のとおり、ミクロ吸盤層に、一定の圧力をかけ特定の厚さになるまで加圧し、圧力を解放して、10分経過後の戻った厚みである。
ΔEの値の小さいほど弾性が消失されていることを示す。
そして、初期厚みに対する復元割合を求めた。
支持体としてのテント地ターポリン塩化ビニルシート(平岡繊維株式会社製)をミクロ吸盤層に被覆したミクロ吸盤ラベルを、剥離体(3)を剥離した状態で、厚み計の測定部分に挟み、厚みを測定した結果、465μmであった。
これに対して、ミクロ吸盤ラベルを挟んだまま厚み計に一定の圧力をかけて432μmの厚みになるまで加圧した。
そして圧力を解放して、10分経過後のミクロ吸盤層の弾性によって戻った厚みを測定し、この厚みと432μmとの差ΔEを弾性戻り量とした。
ΔEの値が小さいほど弾性が低減されていることを示す。
また、支持体は100%の復元割合であり圧力印加前後でほとんど厚みは変化しないものとし、支持体を除いたミクロ吸盤層についての初期厚み75μmに対する復元割合を求めた。
その測定結果を[表4]に示す。
<ミクロ吸盤ラベルの吸着力>
ミクロ吸盤ラベルの微細な凹凸面を有するスリガラスに対する吸着力を測定した。
その測定結果を[表5]に示す。
[表5]から明らかなように、可塑剤移行の効果により、弾性が低減されて吸着力が増大することがわかる。


《《 発明を実施するための形態 B部 》》
《《 ロール状粘着式清掃具用粘着ロールの調製とその性能評価 》》

「発明を実施するための形態 B部 ロール状粘着式清掃具用粘着ロールの調製とその性能評価」において、本願発明に係る「ロール状粘着式清掃具用粘着ロール」及び「ロール状粘着式清掃具」の調製の好ましい形態と、性能評価の好ましい形態について開示する。
本願発明に係るロール状粘着式清掃具用粘着ロール及びロール状粘着式清掃具は、再生可能な粘着面を具備したミクロ吸盤を含んで構成される。
[ロール状粘着式清掃具用粘着ロールの対比]
従来の技術における一般的なロール状粘着式清掃具用粘着ロールの粘着面には、図11に示すが如く、粘着体として粘着剤を使用している。
特開2006−75502号公報、特開2005−027945号公報、特開2006−075502号公報には、発泡剤を含んだ粘着剤を塗布し、熱で発泡させて発泡粘着剤層を形成して、発泡粘着剤層を外側に向けてロール状に巻いたロール状粘着式清掃具を開示している。
然るに、このような発泡粘着剤層は、ゴミを粘着はするけれども、水洗してもゴミを離脱することはできない。
市場に普く出回っているロール状粘着式清掃具に使用されている粘着剤は、一般的には、溶剤系合成ゴム粘着剤、溶剤系アクリル樹脂粘着剤等の所謂溶剤系粘着剤である。
粘着剤層の厚さは、一般的には、25〜30μmと薄い。
粘着剤層の粘着力は、必要以上に強過ぎて、粘着面に一旦ゴミを粘着すると、水洗しても簡単にはゴミは離脱しない。
逆に、粘着剤層の粘着力が必要以上に強過ぎるがために、床や壁の表面を剥がし取って傷付けてしまったり、床や壁の表面に粘着剤が転写されてしまうという問題を生ずることもある。
粘着剤層の粘着力が必要以上に強過ぎるがために、粘着面に指で触れると、指にベト付いて、不快感を覚える。
一方、本願発明に係るロール状粘着式清掃具用粘着ロールの粘着面には、図13に示すが如く、粘着体としてミクロ吸盤層を使用している。
そのために、ミクロ吸盤層の吸着力が必要以上に強過ぎるという問題が生じにくい。
ミクロ吸盤層(2)と粘着剤との相違は、特開2006−276280号公報に開示されている。
[ロール状粘着式清掃具用粘着ロールにミクロ吸盤層を利用するアドバンテージ]
特開2006−276280号公報には、本願発明において使用し得る、可塑剤を含有する低弾性のミクロ吸盤層(2)の特徴が開示されている。
特開2006−276280号公報には、アクリル酸エステル共重合体エマルジョンを乾燥して形成されたミクロ吸盤層(2)が開示されている。
本願発明においては、表面が親水性であって、

〔1〕水に良く濡れる機能、

〔2〕ゴミを良く吸着する機能、

〔3〕水洗すると水が凹状陥没穴(2b)に容易に浸入して、ミクロ吸盤層(2)からゴミが容易に離脱される機能、

〔4〕水洗によりゴミを離脱した後に、ミクロ吸盤層(2)に内包された水分を脱水するとゴミ吸着力が回復する機能

を併せ有するという、ミクロ吸盤層(2)の特性をアドバンテージとして活用している。
本願発明においては、好ましくは、上記した4つの機能に加え、5つ目の機能として、

〔5〕指で触れても、指にベト付く不快感がない機能

を併せ有するミクロ吸盤層(2)の特性をアドバンテージとして活用している。

例えば、荷造りテープ(ガムテープ)の粘着面に皮膚を押しつけた後や、患部に貼付した絆創膏やハップ剤を剥がすときには、皮膚にまとわりつく不快感や、「ピリッ」という軽い痛みを覚えることがある。
然るに、ミクロ吸盤の粘着面に皮膚を押しつけても、皮膚に荷造りテープ(ガムテープ)、絆創膏、ハップ剤等の粘着剤を貼り付けたときのような不快感や痛みを生じにくい。
本発明はミクロ吸盤層(2)を、従来の使い捨て清掃具、例えば、在来型のロール状粘着式清掃具(99)の粘着ラベルロール(98)の粘着面(97a)を、ミクロ吸盤ラベルロール(34)の粘着面(2a)に代替することにより、粘着面をリサイクル可能とし、地球にやさしい清掃具の実現を可能とする。
[本願発明に係る粘着式清掃具の形態]
本願発明に係る粘着式清掃具の好ましい形態は、粘着式清掃具である。
本願発明に係る粘着式清掃具のより好ましい形態は、ロール状粘着式清掃具である。
本願発明に係る粘着式清掃具の形態は、粘着式清掃具一般であって、ロール状粘着式清掃具に限定されるものではない。
本願発明に係る粘着式清掃具の他の好ましい形態としては、例えば、図17に示すが如く、ミクロ吸盤ラベルを切り取ったシール(10’’)をシート状で使用する形態を挙げることができる。
ここで、ミクロ吸盤ラベルは、「支持体層/ミクロ吸盤層/剥離体層」の3層構造タイプであっても、「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造タイプであっても構わない。
シート状で使用する形態の場合、例えば、背広、ドレス、セーター等の衣類に付着した微細ゴミ、毛髪、毛玉等を除去するためには、むしろシート状の方が携行性に優れ、持ち歩きに好都合である。
ミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)をパタパタと微細ゴミにあてがうことにより、微細ゴミを粘着して除去することができる。
[図9 従来の技術における一般的なミクロ吸盤ラベルの製造方法の概要説明図]
図9に、従来の技術における一般的なミクロ吸盤ラベルの製造方法の概要説明図を示した。
図9に示すとおり、ミクロ吸盤ラベルの製造方法において、剥離体ロール(22)、発泡機(24)、コンマコーター(26)、乾燥炉(28)、支持体ロール(30)、貼り合せロール(32)、ミクロ吸盤ラベルロール(34)等を使用する。
発泡機(24)において、ミクロ吸盤層のための低弾性材料を構成する混合物が発泡されて泡沫状エマルジョン液となり、これがコンマコーター(26)で、剥離体ロール(22)から送り出されるシート状の剥離体(3)上に塗工される。
次いで、これが乾燥炉(28)にて所定時間乾燥されると、剥離体(3)にミクロ吸盤層(2)が形成される。
この形成されたミクロ吸盤層(2)に、貼り合せロール(32)によって支持体ロール(30)から送り出される支持体(1)が被覆されて、ミクロ吸盤ラベルロール(34)に巻き取られる。
[図10 従来の技術におけるロール状粘着式清掃具の構造と部品の名称]
図10に、粘着体として粘着剤を使用した従来の技術における一般的な市販されている使い捨てタイプの粘着ラベルロールを使用した、従来の技術における一般的なロール状粘着式清掃具の構造と部品の名称を示した。
従来技術によるロール状粘着式清掃具(99)は、スポンジ等の弾性材料又はクッション性材料で製作された円柱部(102)に、粘着ラベルロール(98)の芯管(94)の円柱部嵌合孔(95)を、カセット式に挿入嵌合してできあがる。
弾性を有する円柱部(102)を、芯管(94)の円柱部嵌合孔(95)に嵌入することにより、円柱部(102)が、芯管(94)の円柱部嵌合孔(95)の内壁を押圧することにより、しっかりと、円柱部(102)と芯管(94)が嵌合する。
粘着ラベルロール(98)は、カセット式に着脱自在なので、簡便に取り替え可能である。
従来技術によるロール状粘着式清掃具(99)の粘着ラベルロール(98)の粘着面の外周に、ミクロ吸盤ラベル(10)を1回乃至複数回巻き付けた清掃具は、粘着力を再生することが可能なロール状粘着式清掃具用粘着ラベルロール(34)としての機能を発揮できると同時に、場合によっては、ミクロ吸盤ラベル(10)の部分を剥がして、取り外すことによって、再度、従来技術によるロール状粘着式清掃具(99)としても使える利便性を備える。
[図11 粘着体として粘着剤を使用した従来の技術における粘着ラベルロール]
図11に、粘着体として粘着剤を使用した従来の技術における一般的な市販されている使い捨てタイプの粘着ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)の構造及び部材の名称を示した。
[図12 本願発明に係るロール状粘着式清掃具の構造及び部材の名称]
図12に、本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)を使用したロール状粘着式清掃具の構造及び部材の名称を示した。
[図13 本願発明に係るミクロ吸盤ラベルロールの構造及び部材の名称]
図13に、本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)の構造及び部材の名称を示した。
[図14 2層構造タイプミクロ吸盤ラベルロールの拡大断面図]
図14に、図12及び図13に示すミクロ吸盤ラベル(「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造のタイプ)の概念を説明するための拡大断面図を示した。
[図15 従来の技術における粘着ラベルロールへの本願発明に係るミクロ吸盤ラベルロールの装着方法]
図15に、粘着体として粘着剤を使用した従来の技術における一般的な市販されている使い捨てタイプの粘着ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)に、本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)を装着する方法を示した。
従来技術によるロール状粘着式清掃具(99)に代わって、繰り返し何回も使用することが可能な、即ち、粘着力を再生することが可能な、ミクロ吸盤ラベルロール(ロール状粘着式清掃具用粘着ラベルロール)(34)を製造する方法は、ミクロ吸盤テープ(9)を従来のロール状粘着式清掃具(100)の外周に1回乃至複数回巻き付ける方法である。
ミクロ吸盤ラベルロール(34)は、ロール状粘着式清掃具(99)の粘着面(97a)の外周に、ミクロ吸盤ラベル(10)の支持体(1)を複数回巻き付けることによって、製造することができる。
このようにして、粘着力を再生することが可能なロール状粘着式清掃具用ミクロ吸盤ラベルロール(34)としての機能を発揮できるようになる。
[図16 本願発明に係るミクロ吸盤ラベルロールの円柱部への装着方法]
図16に、本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)を、円柱部に装着する方法を示した。
ミクロ吸盤ラベルロール(34)は、紙製又は樹脂製の芯管(35)に、直接、ミクロ吸盤ラベル(10)を複数回(例えば、50回)巻くことによって、製造することができる。
[図17] 本願発明に係る叩き(ハタキ)状、又は、箒(ホウキ)状粘着式清掃具の構造及び部材の名称]
図17に、本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)を使用した、叩き(ハタキ)状、又は、箒(ホウキ)状粘着式清掃具の構造及び部材の名称を示した。
[支持体(1)の材質]
水洗して、粘着面(2a)からゴミを離脱する工程において、支持体(1)からミクロ吸盤層(2)が膨潤して分離、剥離する可能性があるために、支持体(1)とミクロ吸盤層(2)との吸着力は高接着に設計されている必要がある。
例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムのようなポリエステルフィルム、アクリルフィルム、ポリウレタンフィルム、塩ビ(ポリ塩化ビニール、PVC)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、ABSフィルムはミクロ吸盤層(2)とは高接着性であり且つ耐水性にも優れる。
ミクロ吸盤層(2)に対して接着性が低く、剥離性が高い樹脂フィルム、例えば、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルムについては、表面をコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、プライマー処理等を施すことによって、接着性を改善し得る。
支持体(1)のクッション性を付与した好ましい態様としては、発泡ポリオレフィンのフィルム又はシート、より具体的には、発泡ポリエチレン(PE)フィルム、発泡ポリエチレン(PE)シート、発泡ポリプロピレン(PP)フィルム、発泡ポリプロピレン(PP)シートを挙げることができる。
プライマー処理剤としては、塩素化ポリプロピレン(スーパークロン882 日本製紙ケミカル(株))が好ましく使用される。
ミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)を水洗してゴミを離脱する工程においては、支持体(1)からミクロ吸盤層(2)を剥離させないために、支持体(1)は、耐水性を具備した樹脂フィルムが好ましい。
支持体(1)が樹脂フィルムにあっては、厚さ18〜100μmのアクリルフィルム、ウレタンフィルム、ポリエステルフィルム、塩ビフィルムが好ましい。
支持体(1)のクッション性を付与した好ましい態様においては、厚さ100μm〜5mmが好ましく、一般的には、1〜2mmが好ましい。
耐水性を備えれば、布地、不織布、紙類であっても構わない。
ポリエステルフィルにあっては、ミクロ吸盤層(2)と密着性の高い易接着性ポリエステルフィルム(東洋紡A4300)が好ましい。
塩ビフィルムにあっては、全重量部を基準として、可塑剤を8重量部から35重量部含有する厚さ50μmから150μmの軟質フィルム(バンドー化学WY02018 可塑剤18重量部を含有する。)が好ましい。
不織布にあってはポリエステル不織布、レーヨン不織布、アクリル不織布が好ましい。
紙類にあっては、厚さ80μmから150μmのコート紙、あるいはクラフト紙、あるいは片面ポリラミされた上質紙、クレープ紙であっても良い。
紙は、一見、水に弱い印象があるが、一旦巻き状に硬く巻かれたロールの耐水性は本発明には十分使える素材である。
支特体のミクロ吸盤層(2)が形成されている側の反対面はシリコーン樹脂等にて剥離処理されていれば、更に好ましい。
ロール状粘着式清掃具に複数回巻かれたミクロ吸盤テープを容易を解巻きして取り外すことができるからである。
剥離処理していない支持体(1)であっても、使用することができる。
塩ビフィルムを支持体として使用する場合には、8〜35重量部程度の可塑剤を含有したものが好ましく使用される。
可塑剤が、経時的に、ミクロ吸盤層(2)内に移行して、ミクロ吸盤層(2)をより可塑化して低弾性にするからである。
ミクロ吸盤層(2)を低弾性に維持することにより、凹凸面に対するゴミ吸着力が長期的に高まり、畳等の凹凸面に食い込んだゴミを吸着する。
ミクロ吸盤層(2)の中に可塑剤を一定量含有させる効果は、特開平9−109361号公報等に開示されている。
本発明は、水溶性可塑剤を含有するミクロ吸盤層(2)のゴミ吸着力、水洗してゴミ離脱できるゴミ離脱力、脱水して吸着力を再生できる再生力を清掃具に応用するものである。
可塑剤としては水溶性可塑剤と非水溶性可塑剤が使えるが、ミクロ吸盤層(2)の主剤であるアリル酸エステル共重合体エマルジョン(DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)MFP20 DIC(旧・大日本インキ化学工業)製品)に良く溶ける水溶性可塑剤が好ましい。
例えば水溶性可塑剤トリアセチン(大八化学(株))、TBEP(燐酸トリブトシエチル),TBXP(大八化学(株))がある。
[剥離体(3)の材質]
剥離体(3)の具体例としては、例えば、グラシン紙、ポリラミ紙はもちろん、樹脂フィルムの表面にそれぞれ剥離処理されたものを挙げることができる。
剥離体(3)の好ましい形態としては、粘着ラベルの剥離紙に使われているシリコーン樹脂剥離剤が塗布された剥離紙、又は、シリコーン樹脂剥離剤が塗布された剥離フィルムを挙げることができる。
剥離処理されていなくても、剥離性を有する性質の樹脂フィルムであっても良い。
剥離処理されていない樹脂フィルムの具体例としては、例えば、厚さ25μm〜80μmのポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムを挙げることができる。
[支持面(1a)と剥離面(1b)を有する支持体(1)]
図14に示すが如く、支持面(1a)と剥離面(1b)を有する支持体(1)の剥離面(1b)は、粗面であって、ミクロ吸盤層(2)が吸着しがたい面であっても良い。
ミクロ吸盤ラベル(10)にあっては図1の如く剥離体(3)が剥がされてミクロ吸盤テープ(9)となる。
[芯管(35)の材質]
粘着力を再生することが可能なロール状粘着式清掃具用粘着ラベルロール(34)はゴミを吸着させた後、水道の蛇口の下で水洗いするか上水の入ったバケツの中でゴミを洗い落とすかした後、ミクロ吸盤層(2)内に内包された水分を脱水して、ゴミ吸着力を回復させることができる。
脱水の方法は乾いた布で拭き取ったり、ティッシュペーパーにて拭き取ることで容易に目的は達せられる。
支持体(1)は、水洗時に水でふやけたり破けたりしないものが好ましい。
例えば、ミクロ吸盤層(2)を有するミクロ吸盤テープ(9)の支持体(1)はアクリルフィルム、ウレタンフィルム、塩ビフィルム、ポリエステルフィルム、ABSフィルム等の耐水性に優れ、ミクロ吸盤層(2)との密着性の良い樹脂フィルムが良い。
芯管(35)も、支持体(1)と同様に、耐水性を具備しているものが好ましい。
従って、一般的には、紙製芯管より耐水性に優れる樹脂製芯管の方が好ましい。


《《 実施例 A部 》》
《《 ミクロ吸盤層とミクロ吸盤ラベルの調製 》》

[実施例A−1 可塑剤転写法]
アクリル酸エステル共重合体DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)の商品名)MFP−20を100kg、製泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−20を4kg、整泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−40を4kg、増粘剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)MXを1kg、架橋剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)GXを2kg、水溶性可塑剤トリアセチン(大八化学製)を5kg、を混合し、25%アンモニア水にて粘度を5000cpsに調整する。
これに連続発泡機オークスミキサー(ストーク社製)を使用して空気を混入させて発泡し、発泡倍率2.0倍の泡沫アクリルエマルジョンを調薬する。
次いで、剥離体(3)である50μm厚の片面に静電防止処理したポリエステルフィルム(アイム株式会社製品表面電気抵抗値1×1012Ω)であって、その反対面に1μm厚の剥離剤であるシリコーン樹脂(トーレシリコーン製品SRX357)が予め塗工されてシリコーン処理されたポリエステルフィルムのシリコーン樹脂面上に上記泡沫アクリルエマルジョン280g/m2をコンマコーターにて塗工して、乾燥炉で110℃〜140℃で7分間乾燥して、約140g/m2の水を飛ばし、生成された厚さ200μmのミクロ吸盤層面に乾燥炉の出口で、支持体であるカラーレーザ用コート紙POD100グロスコート(100g/m2王子製紙製品、ベック平滑度700秒)を被覆させてミクロ吸盤層を転写したミクロ吸盤ラベルを3インチ紙管に巻いて1210mm幅×300mを生産した。
その後、製品をA4に裁断し、A4サイズ2000枚のミクロ吸盤ラベルを得た。
A4に裁断されたミクロ吸盤ラベルはカールの発生、巻き皺の発生もなく、総厚さは210μmであり、拡大鏡にてミクロ吸盤層面を観察すると直径5〜100μmの微細凹状陥没穴(2b)が約7万[個/cm2]以上形成されていた。
[比較例A−1 無可塑剤転写法]
水溶性可塑剤トリアセチンを添加しない、アクリル酸エステル共重合体DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)の商品名)MFP−20を1000g、製泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−20を40g、整泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−40を40g、増粘剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)MXを10g、架橋剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)GXを20g、を混合し、25%アンモニア水にて粘度を5000cpsに調整する。
これに食品用攪拌機(Kitchien Aid社製KSM90WW)を使用して空気を混入させ、発泡倍率2.0倍の泡沫アクリルエマルジョンを調薬する。
次いで、剥離体(3)である50μm厚の片面に静電防止処理したポリエステルフィルム(アイム株式会社製品表面電気抵抗値1×1012Ω)であって、その反対面に1μm厚の剥離剤であるシリコーン樹脂(トーレシリコーン製品SRX357)が予め塗工されてシリコーン処理されたポリエステルフィルムのシリコーン樹脂面上に実験用コンマコーターにて上記泡沫アクリルエマルジョン250g/m2をウェットで手塗りにて塗工して、乾燥炉で140℃で7分間乾燥して、生成された厚さ200μmのミクロ吸盤層面に、支持体であるカラーレーザ用コート紙POD100グロスコート(100g/m2王子製紙製品ベック平滑度700秒)を被覆させてミクロ吸盤ラベルを作成した。
拡大鏡にてミクロ吸盤層面を観察すると直径10〜150μmの微細凹状陥没穴(2b)が観察された。
コート紙POD100グロスコート面とミクロ吸盤層との吸着力は弱く、簡単にミクロ吸盤層はコート紙POD100グロスコート面から剥がれてしまった。
[比較例A−2 無可塑剤直接法]
アクリル酸エステル共重合体DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)の商品名)MFP−20を1000g、製泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−20を40g、整泡剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M−40を40g、増粘剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)MXを10g、架橋剤DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)GXを20g、を混合し、25%アンモニア水にて粘度を5000cpsに調整する。
これに食品用攪拌機(Kitchien Aid社製KSM90WW)を使用して空気を混入させ、発泡倍率2.0倍の泡沫アクリルエマルジョンを調薬した。
次いで、支持体であるPOD100グロスコート(100g/m2王子製紙製品)に実験用コンマコーターにて上記泡沫アクリルエマルジョン250g/m2をウェットで塗工して、乾燥炉で140℃で7分間乾燥して、厚さ200μmのミクロ吸盤層を形成した。
乾燥後、ミクロ吸盤層の形成されたコート紙は大きな波うちと暴れの発生がひどかったが、1μm厚のシリコーン樹脂(トーレシリコーン製品SRX357)が予め塗工されてシリコーン処理された50μmのポリエステルフィルム(アイム株式会社製品 表面電気抵抗値1×1012Ω)をミクロ吸盤層に接するように被覆させてミクロ吸盤ラベルを作成した。
製品は、波打ち、皺、暴れがひどかったが、拡大鏡にてミクロ吸盤層面を観察すると直径10〜100μmの微細凹状陥没穴(2b)が約5万[個/cm2]以上形成されていた。
[吸着力測定1]
以上の実施例A−1、比較例A−1及び比較例A−2のそれぞれのミクロ吸盤層面に、凹凸面を有する被着体としてのカラーレーザ用コート紙(王子製紙製POD100マットコートベック平滑度700秒)を圧着して、吸着力を測定した。
測定条件は、マットコート面にミクロ吸盤を5kgローラで圧着10分後、180度の角度で速度300[mm/分]にて引き剥がし、そのときの引っ張り強度を吸着力とする。
その結果を[表6]に示す。
[表6]から明らかなように、実施例A−1は、比較例群と比較して、凹凸の被着体に対して高い密着力を示すことがわかった。
[吸着力測定2]
実施例A−1と比較例A−2について、平滑面、凹凸面を有する各種被着体に対する初期吸着力及び貼付7日後の吸着力(単位N/25mm)を、測定条件は180度の角度で速度300[mm/分]にて引き剥がしたときの力として、測定した。
その結果を[表7]に示す。
[表7]から明らかなように、実施例A−1は比較例A−2と比較して平滑面及び凹凸面の何れに対しても大きな吸着力を示した。
何れの場合にも、ミクロ吸盤層が被着体を汚染する所謂糊残りの発生もなかった。
[弾性テスト]
実施例A−1及び比較例A−2のそれぞれ200μmのミクロ吸盤層面に円柱状分銅(100g)を載せてミクロ吸盤層面を凹ませ、円柱状分銅を開放して弾性によって凹みが無くなり、元のミクロ吸盤層面に戻るまでの時間を測定し弾性値の尺度とした。
比較例A−2では、0.5分で元のミクロ吸盤層面に戻るのに対して実施例1は20分と長く、実施例A−1では弾性力が消失していることが確認された。
さらに、実施例A−1及び比較例A−2のミクロ吸盤層面を人差し指にて加圧して、指を離して解放するとミクロ吸盤層面には指紋の跡が残るが、その指紋が消えるまでの時間を測定した。
比較例A−2は0.5分であるのに対して、実施例A−1は2時間以上であった。
これらの現象も可塑剤の添加によるミクロ吸盤層の弾性の消失を示すものと考えられる。
[実施例A−2 可塑剤移行転写法]
支持体として可塑剤を28重量%含む厚さ50μmの塩化ビニルフィルム(バンドー化学製品WH28628)に変更し、可塑剤を含まない泡沫アクリルエマルジョンとした以外は実施例1と同じ手順でミクロ吸盤ラベルを作成した。
支持体である塩化ビニルフィルムに対するミクロ吸盤層の吸着性は高く、カール、巻き皴の発生もなく、総厚さ180μmのミクロ吸盤ラベルを3インチ紙管に巻いて1000mm幅×245mを製造できた。
拡大鏡にてミクロ吸盤面を観察すると、直径5〜100μmの微細凹状陥没穴(2b)が約10万[個/cm2]以上形成されていた。
[比較例A−3 直接法]
実施例A−1と同様の手順によって、支持体としての可塑剤を28重量%含む厚さ50μmの塩化ビニルフィルム(バンドー化学製品WH28628)に泡沫アクリルエマルジョン250g/m2を実験用コンマコーターにて幅300mm、長さ400mm、塗工して、100℃の乾燥炉に7分間入れると、厚さ50μmの塩化ビニルフィルムは、軟化収縮して、皺、暴れが発生して製品化できないことが明らかになった。
このように耐熱性のない支持体を使用した場合、直接法では製造することはできないことが分かった。
[支持体密着力測定]
実施例A−2及び比較例A−3のミクロ吸盤ラベルから剥離体(3)であるポリエステルフィルムを剥がして、支持体に対するミクロ吸盤層の吸着性を測定した。
吸着力は、粘着テープをミクロ吸盤層面に貼り付け、10分後に粘着テープを180度の角度で速度300[mm/分]にて引き剥がした剥離強度を吸着力とした。
その結果を[表8]に示す。
[表8]から明らかなように、比較例A−3のように直接支持体に泡沫エマルジョンを塗工する場合には、当然ながら支持体とミクロ吸盤層との間の密着性は高く、ミクロ吸盤層間に破壊が発生して測定不能であった。
しかしながら、実施例A−2における支持体吸着力は実用上問題のないラベルであった。
実用上は、3N/25mm以上あれば十分と考えられる。
[吸着力測定]
実施例A−2について、各種被着体に対する初期吸着力及び貼付7日後の吸着力(単位N/25mm)を、測定条件は180度の角度で速度300[mm/分]にて引き剥がしたときの力として、測定した。
その結果を[表9]に示す。
[実施例A−3]
実施例A−1で調薬した泡沫アクリルエマルジョンの中で、水溶性可塑剤トリアセチン(大八化学製)5kgの代わりに、水溶性可塑剤TEP(大八化学製)5kgとした泡沫アクリルエマルジョンを調薬した。
次いで、剥離体(3)である50μm厚の片面に静電防止処理したポリエステルフィルム(アイム株式会社製品表面電気抵抗値1×1012Ω)であって、その反対面に1μm厚の剥離剤であるシリコーン樹脂(トーレシリコーン製品SRX357)が予め塗工されてシリコーン処理されたポリエステルフィルムのシリコーン樹脂面上に泡沫アクリルエマルジョン200g/m2をウェットでコンマコーターにて塗工して、乾燥炉で乾燥して生成された厚さ100μmのミクロ吸盤層面に、乾燥炉の出口で、支持体である厚さ85μmのカラーレーザ用ポリエステルフィルム(日清紡製品SETY85)を被覆させてミクロ吸盤層を転写したミクロ吸盤ラベル(総厚230μm)を6インチ紙管に巻いて1000mm幅×244m生産した。
拡大鏡にてミクロ吸盤層面を観察すると直径50〜300μmの微細凹状陥没穴(2b)が約5万[個/cm2]以上形成されていた。
[比較例A−4]
水溶性可塑剤TEPを添加しない点を除き、実施例A−3と同様に実験用コンマコーターで塗工し、同一構成のミクロ吸盤ラベルを作成した。
[支持体密着力測定]
実施例A−3及び比較例A−4のそれぞれのミクロ吸盤ラベルから剥離体(3)であるポリエステルフィルムを剥がして、支持体であるポリエステルフィルムに対するミクロ吸盤層の吸着性を測定した。
吸着力は、粘着テープをミクロ吸盤層面に貼り付け、10分後に粘着テープを180度の角度にて速度300[mm/分]にて引き剥がした剥離強度を吸着力とした。
その結果を[表10]に示す。
実施例A−3は、比較例A−4と比較して高い吸着性を示した。
[吸着力測定]
実施例A−3と比較例A−4について、各種被着体に対する初期吸着力及び貼付7日後の吸着力(単位N/25mm)を、測定条件は180度の角度で速度300[mm/分]で引き剥がしたときの力として、測定した。
その結果を[表11]に示す。
実施例A−3は、比較例A−4と比較して平滑面及び凹凸面の何れに対しても大きな吸着力を示した。
[弾性テスト]
実施例A−3及び比較例A−4のそれぞれ100μmのミクロ吸盤層面に円柱状分銅(100g)を載せてミクロ吸盤層面を凹ませ、円柱状分銅を開放して弾性によって凹みが無くなり、元のミクロ吸盤層面に戻るまでの時間を測定し弾性値の尺度とした。
比較例A−4では、0.2分で元のミクロ吸盤層面に戻るのに対して、実施例A−3では、32分と長く、実施例A−3では弾性力が消失していることが確認された。
さらに、実施例A−3及び比較例A−4のミクロ吸盤層面を人差し指にて加圧して、指を離して解放するとミクロ吸盤層面には指紋の跡が残るが、その指紋が消えるまでの時間を測定した。
比較例A−4は0.4分であるのに対して、実施例A−3は2時間以上であった。
これらの現象も可塑剤の添加によってミクロ吸盤層の弾性の消失を示すものと考えられる。

《《 実施例 B部 》》
《《 ロール状粘着式清掃具用粘着ロールの調製 》》

[実施例B−1 ミクロ吸盤ラベルの調製]
次の(1)〜(6)に示す処方でアクリルエマルジョン組成物を調製した。
得られたアクリルエマルジョン組成物を、発泡倍率2倍で発泡せしめ、泡沫アクリルエマルジョンを調製した。

〈アクリルエマルジョン組成物の処方〉

(1)水溶性可塑剤TBEP
(リン酸トリプトキシエテル)(大八化学製品) 7重量部
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン

(2)DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)
MFP20 100重量部

(3)制泡剤DICNAL
(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M20 4重量部

(4)制泡剤DICNAL
(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M40 4重量部

(5)増粘剤DICNAL
(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)MX 1重量部

(6)架橋剤DICNAL
(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)GX 2重量部

図2に示すミクロ吸盤ラベルの製造方法により、調製した泡沫アクリルエマルジョンを、剥離体(3)に塗工乾燥して、厚さ130μmミクロ吸盤層(2)(発泡倍率2.0)を形成し、形成したミクロ吸盤層(2)を、支持体(1)に転写してミクロ吸盤ラベル(10)を製造した。
剥離体(3)として、厚さ120μm剥離紙〔リンテック製品KYP70E〕を使用した。
支持体(1)として、厚さ100μm白塩ビフィルム(バンドー化学製品WYO2018(DOP可塑剤18重量部を含有)を使用した。
このミクロ吸盤ラベル(10)は、(株)アクトの製品「MQO30」(商品名)に相当する。
[吸着力測定1]
比較例B−1のミクロ吸盤層面に、凹凸面を有する被着体としてのカラーレーザ用コート紙(王子製紙製POD100マットコート ベック平滑度700秒)を圧着して、吸着力を測定した。
測定条件は、マットコート面にミクロ吸盤を5kgローラで圧着10分後、180度の角度で速度300[mm/分]にて引き剥がし、そのときの引っ張り強度を吸着力とする。
その結果を[表12]に示す。
[表12]から明らかなように、実施例B−1は、実施例A−1と比較して、凹凸の被着体に対して、同等の高い密着力を示すことがわかった。

[吸着力測定2]
実施例B−1について、平滑面、凹凸面を有する各種被着体に対する初期吸着力及び貼付7日後の吸着力(単位N/25mm)を、測定条件は180度の角度で速度300[mm/分]にて引き剥がしたときの力として、測定した。
その結果を[表13]に示す。
[表13]から明らかなように、実施例B−1は、実施例A−1と比較して、平滑面及び凹凸面の何れについても、同等の大きな吸着力を示した。
ミクロ吸盤層が被着体を汚染する所謂糊残りの発生もなかった。
[比較例B−1 ミクロ吸盤ラベルの調製]
次の(1)〜(6)に示す処方でアクリルエマルジョン組成物を調製した。
即ち、可塑剤の含有量をゼロとした。
得られたアクリルエマルジョン組成物を、発泡倍率2倍で発泡せしめ、泡沫アクリルエマルジョンを調製した。

〈アクリルエマルジョン組成物の処方〉

(1)水溶性可塑剤TBEP
(リン酸トリプトキシエテル)(大八化学製品) 0重量部
アクリル酸エステル共重合体エマルジョン

(2)DICNAL(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)
MFP20 100重量部

(3)制泡剤DICNAL
(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M20 4重量部

(4)制泡剤DICNAL
(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)M40 4重量部

(5)増粘剤DICNAL
(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)MX 1重量部

(6)架橋剤DICNAL
(DIC(旧・大日本インキ化学工業)商品名)GX 2重量部

図2に示すミクロ吸盤ラベルの製造方法により、調製した泡沫アクリルエマルジョンを、剥離体(3)に塗工乾燥して、厚さ130μmミクロ吸盤層(2)(発泡倍率2.0)を形成し、形成したミクロ吸盤層(2)を、支持体(1)に転写してミクロ吸盤ラベル(10)を製造した。
剥離体(3)として、厚さ120μm剥離紙〔リンテック製品KYP70E〕を使用した。
支持体(1)として、厚さ100μmPETフィルム(可塑剤不含有)を使用した。
[吸着力測定1]
比較例B−1のミクロ吸盤層面に、凹凸面を有する被着体としてのカラーレーザ用コート紙(王子製紙製POD100マットコート ベック平滑度700秒)を圧着して、吸着力を測定した。
測定条件は、マットコート面にミクロ吸盤を5kgローラで圧着10分後、180度の角度で速度300[mm/分]にて引き剥がし、そのときの引っ張り強度を吸着力とする。
その結果を[表14]に示す。
[表14]から明らかなように、比較例B−1は、実施例A−1、実施例B−1と比較して、凹凸の被着体に対して、密着力が低くかった。

[吸着力測定2]
比較例B−1について、平滑面、凹凸面を有する各種被着体に対する初期吸着力及び貼付7日後の吸着力(単位N/25mm)を、測定条件は180度の角度で速度300[mm/分]にて引き剥がしたときの力として、測定した。
その結果を[表15]に示す。
[表15]から明らかなように、比較例B−1は、実施例B−1と比較して、平滑面及び凹凸面の何れについても、吸着力が低かった。
ミクロ吸盤層が被着体を汚染する所謂糊残りの発生はなかった。
[弾性テスト]
比較例B−1のミクロ吸盤層面に円柱状分銅(100g)を載せてミクロ吸盤層面を凹ませ、円柱状分銅を開放して弾性によって凹みが無くなり、元のミクロ吸盤層面に戻るまでの時間を測定し弾性値の尺度とした。
実施例B−1の場合は、この時間は20分と長く、実施例A−1の場合と同様に、弾性力が消失していることが確認された。
比較例B−1のミクロ吸盤層面を人差し指にて加圧して、指を離して解放するとミクロ吸盤層面には指紋の跡が残るが、その指紋が消えるまでの時間を測定した。
比較例B−1の場合は、この時間は0.5分であり、実施例B−1の2時間以上と比較して著しく短かった。
これらの現象は、可塑剤を添加しないことによるミクロ吸盤層の弾性の発現を示すものと考えられる。
[実施例B−2 ロール状粘着式清掃具の作成]
実施例B−1において得られたミクロ吸盤ラベル(10)を、200mm×160mmに裁断した。
図15に示す如く、市販されているロール状粘着式清掃具(99)の外周粘着剤面(97a)に、実施例B−1において得られたミクロ吸盤ラベル(10)を外周1周回分を巻き付けて貼り付け、その後、剥離体(3)を剥ぎ取ることにより、ミクロ吸盤層(2)面が顔を出して、図12に示すような本願発明に係るロール状粘着式清掃具(100)が完成した。
市販のロール状粘着式清掃具としては、ニトムズ(日東電工)製『コロコロ ハイグレード S』(商品名)(商品番号:0476937) を使用した。
市販されているロール状粘着式清掃具(99)は、一般的には、図10に示す構造を有している。
本願発明に係るロール状粘着式清掃具(100)は、一般的には、図12に示す構造を有している。
次に、本願発明に係るロール状粘着式清掃具(100)を、畳の上をコロコロと回転させると、ミクロ吸盤層(2)に多くのゴミ(糸くず、髪の毛、綿ホコリ)が吸着した。
多くのゴミを吸着した時点で、水道の蛇口にてミクロ吸盤層(2)に吸着したゴミを洗い流すと、5秒で容易にゴミは離脱された。
ミクロ吸盤層(2)面の水を乾いた布で拭き取ると、ミクロ吸盤層(2)は吸着力を回復した。
再度畳の上をコロコロと回転させながら、ゴミをミクロ吸盤層(2)に吸着させた。
再度、水道の蛇口にて水道水にてミクロ吸盤層(2)に吸着したゴミを洗い流すと、容易にゴミは水洗離脱された。
ミクロ吸盤層(2)の凹状陥没穴(2b)の中の水を、乾いた布で吸い取るとミクロ吸盤層(2)は再び吸着力を回復した。
この繰り返しを30回繰り返すと、ミクロ吸盤層(2)面は傷付き、ゴミ吸着力は半減したので、繰り返しテストを終了した。
[比較例B−2 ロール状粘着式清掃具の作成]
比較例B−1において得られたミクロ吸盤ラベル(10)を、200mm×160mmに裁断した。
図15に示す如く、市販されているロール状粘着式清掃具(99)の外周粘着剤面(97a)に、実施例B−1において得られたミクロ吸盤ラベル(10)を外周1周回分を巻き付けて貼り付け、その後、剥離体(3)を剥ぎ取ることにより、ミクロ吸盤層(2)面が顔を出して、図12に示すような本願発明に係るロール状粘着式清掃具(100)が完成した。
市販のロール状粘着式清掃具としては、ニトムズ(日東電工)製『コロコロ ハイグレード S』(商品名)(商品番号:0476937) を使用した。
市販されているロール状粘着式清掃具(99)は、一般的には、図10に示す構造を有している。
本願発明に係るロール状粘着式清掃具(100)は、一般的には、図12に示す構造を有している。
次に、本願発明に係るロール状粘着式清掃具(100)を、畳の上をコロコロと回転させると、ミクロ吸盤層(2)に多くのゴミ(糸くず、髪の毛、綿ホコリ)が吸着した。
多くのゴミを吸着した時点で、水道の蛇口にてミクロ吸盤層(2)に吸着したゴミを洗い流すと、5秒で容易にゴミは離脱された。
ミクロ吸盤層(2)面の水を乾いた布で拭き取ると、ミクロ吸盤層(2)は吸着力を回復した。
再度畳の上をコロコロと回転させながら、ゴミをミクロ吸盤層(2)に吸着させた。
再度、水道の蛇口にて水道水にてミクロ吸盤層(2)に吸着したゴミを洗い流すと、容易にゴミは水洗離脱された。
ミクロ吸盤層(2)の凹状陥没穴(2b)の中の水を、乾いた布で吸い取るとミクロ吸盤層(2)は再び吸着力を回復した。
この繰り返しを30回繰り返すと、ミクロ吸盤層(2)面は傷付き、ゴミ吸着力は半減した。
この時点で繰り返しテストは中止した。
[実施例3 実施例B−2と比較例B−2で作成したロール状粘着式清掃具の性能比較]
実施例B−2と比較例B−2で作成したロール状粘着式清掃具の性能を比較した。
比較テストとしては、200mm×200mmの畳の面積部分に砂を撒き、その上を、実施例B−2、又は、比較例B−2で作成したロール状粘着式清掃具をコロコロと転がして、砂を吸着し、その後、畳に残った砂の重さを計る方法を採用した。
[表16]から明らかなように、可塑剤を含有せしめることにより柔軟性と低弾性を付与せしめたミクロ吸盤層(2)を有する実施例B−2で作成したロール状粘着式清掃具は、可塑剤を含有せしめなかったが故に柔軟性と低弾性を付与させていないミクロ吸盤層(2)を有する比較例B−2で作成したロール状粘着式清掃具と比較して、清掃具としての性能が優れていた。
[表16]から明らかなように、可塑剤を含有せしめることにより柔軟性と低弾性を付与せしめたミクロ吸盤層(2)を有する実施例B−2で作成したロール状粘着式清掃具は、水洗することにより、ゴミが容易に離脱されることが明かである。
[実施例B−4 発泡倍率の検討]
実施例B−1で使用した泡沫アクリルエマルジョン組成物の発泡倍率は、2倍であった。
実施例B−1で使用した泡沫アクリルエマルジョン組成物につき、発泡倍率を変化させて、得られるミクロ吸盤ラベルをロール状粘着式清掃具に使用した際の掃除性能について検討した。
実施例B−1に示した発泡倍率2倍の条件で得られるミクロ吸盤ラベルの場合では、実施例B−2に示す如く、優れた掃除性能を発揮した。
発泡倍率を変えて、検討した結果、泡沫アクリルエマルジョンの発泡倍率と、得られるミクロ吸盤ラベルの表面摩擦耐久性と発泡倍率には相関性が高いことが明かとなった。
ロール状粘着式清掃具用粘着ラベルロール(34)をコロコロと畳の上を回転させてゴミ吸着させるにあたり、発泡倍率5倍を超えると、ミクロ吸盤層(2)の表面の摩擦破壊が起こりやすい。
例えば、発泡倍率5.2倍で調製したミクロ吸盤ラベルをロール状粘着式清掃具に使用すると、粘着面(2a)を畳の上で50回転させると、表面に摩擦破壊が起り、結果的に吸着力が極端に落ちてきた。
発泡倍率を1.5未満では、表面の摩擦破壊は起こりにくい。
例えば、発泡倍率1.4倍で調製したミクロ吸盤ラベルをロール状粘着式清掃具に使用すると、粘着面(2a)を畳の上で100回転させても、表面の摩擦破壊が起らなかった。
しかし、発泡倍率を1.5未満、例えば、発泡倍率1.4倍で調製したミクロ吸盤ラベルをロール状粘着式清掃具に使用すると、粘着面(2a)の弾性が顕著に低下して、畳の凹凸を有する表面の凹部の内部に充分に入り込むことができず、ゴミ吸着力が顕著に低下した。
このような検討の結果、実施例B−1で使用した泡沫アクリルエマルジョン組成物の発泡倍率は、1.5倍〜5倍が好ましいことが明かとなった。
[比較例B−3 ロール状粘着式清掃具の作成]
市販のロール状粘着式清掃具であるニトムズ(日東電工)製『コロコロ ハイグレード S』(商品名)(商品番号:0476937) を使って、畳の上をコロコロと回転させると、粘着剤面(10)には多くのゴミ(糸くず、髪の毛、綿ホコリ)が粘着した。
水道の蛇口にてロール状粘着式清掃具に粘着したゴミを水洗したが、粘着剤面(97a)にへばりついたゴミは、全く除去することができなかった。
[実施例B−5]
実施例B−1において得られたミクロ吸盤ラベル(10)を50mm×150mmにカットして、ホルダー兼取手(199)に装着して、図17に示すような携帯用粘着式清掃具を作成した。
使用しないときは、粘着面を保護カバー(図17には図示せず。)で保護しておいた。
背広の胸内ポケットに忍ばせて、使用するときは、保護カバーを外した粘着面(2a)で、適宜、背広に付着した微細ゴミ(糸くず、埃、頭髪、フケ等)をパタパタと叩いて、粘着面(2a)に吸着せしめて、1か月間使用した。
粘着面(2a)に吸着した微細ゴミを水洗除去するため、家庭用洗濯機にかけると、微細ゴミは完全に除去された。
水洗過程において、支持体層(1)とミクロ吸盤層(2)との間に、分離・剥離は発生しなかった。
屋外に陰干して、1時間乾燥させると、ミクロ吸盤層(2)の吸着面(2a)の吸着力は再生した。
微細ゴミの吸着→家庭用洗濯機による水洗除去→屋外乾燥→吸着力再生の工程を5回繰り返した。
5回繰り返しても、背広に付着した微細ゴミの吸着除去能力は落ちていなかった。

本願発明において使用するミクロ吸盤ラベル(「支持体層/ミクロ吸盤層/剥離体層」の3層構造のタイプ)の概念を示す拡大断面図である。 本願発明において使用するミクロ吸盤ラベルの製造方法の概念を示す概要説明図である。 本願発明において使用するミクロ吸盤ラベルの概念を示す拡大断面図である。 図3(A)は、図2に示すミクロ吸盤ラベルの製造方法において、ミクロ吸盤層が支持体に転写される前の状態を示す拡大断面図である。 図3(B)は、図2に示すミクロ吸盤ラベルの製造方法において、ミクロ吸盤層が支持体に転写された後の状態を示す拡大断面図である。 本願発明において使用するミクロ吸盤ラベルの構造を示す拡大模式斜視図である。 凹状陥没穴(2b)の直径は、上述のとおり、肉眼で観察するのは困難であるが、説明の便宜上、光学顕微鏡的に拡大したミクロ吸盤層の構造を示す模式斜視図である。 本願発明において使用するミクロ吸盤層の内部構造と、ミクロ吸盤ラベルの積層構造を示す側面から見た模式断面図である。 凹状陥没穴(2b)の直径は、上述のとおり、肉眼で観察するのは困難であるが、説明の便宜上、光学顕微鏡的に拡大したミクロ吸盤ラベルの構造を示す模式断面図である。 本願発明において使用するミクロ吸盤層の表面に存在する開口部の内部構造を示す側面から見た模式断面図である。 凹状陥没穴(2b)の直径は、上述のとおり、肉眼で観察するのは困難であるが、説明の便宜上、光学顕微鏡的に拡大したミクロ吸盤ラベルの構造を示す模式断面図である。 本願発明において使用するミクロ吸盤ラベル(「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造のタイプ)の概念を示す拡大断面図である。 復元割合の測定方法を示す説明図である。 従来の技術における一般的なミクロ吸盤ラベルの製造方法の概要説明図である。 粘着体として粘着剤を使用した従来の技術における一般的な市販されている使い捨てタイプの粘着ラベルロールを使用した、従来の技術における一般的なロール状粘着式清掃具の構造と部品の名称を示す説明図である。 粘着体として粘着剤を使用した従来の技術における一般的な市販されている使い捨てタイプの粘着ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)の構造及び部材の名称を示す説明図である。 本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)を使用したロール状粘着式清掃具の構造及び部材の名称を示す説明図である。 本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)の構造及び部材の名称を示す説明図である。 図12及び図13に示すミクロ吸盤ラベル(「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造のタイプ)の概念を示す拡大断面図である。 粘着体として粘着剤を使用した従来の技術における一般的な市販されている使い捨てタイプの粘着ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)に、本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)を装着する方法を示す説明図である。 本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)を、円柱部に装着する方法を示す説明図である。 本願発明に係る粘着体としてミクロ吸盤を利用した、使い捨てタイプではない、粘着面の再利用・再生が可能なミクロ吸盤ラベルロール(「支持体兼剥離体層/粘着体層」の2層構造のタイプ)を使用した、叩き(ハタキ)状、又は、箒(ホウキ)状粘着式清掃具の構造及び部材の名称を示す説明図である。
1 支持体
1a 支持面(支持体の2面のうちの1面であって、
ミクロ吸盤をしっかりと粘着せしめて支持する面)
1b 剥離面(支持体の2面のうちの他の1面であって、
ミクロ吸盤を粘着せしめるが、使用時には、
容易に剥離することができる面)
2 ミクロ吸盤層
2a 粘着面(ミクロ吸盤ラベルロール)
2b 凹状陥没穴
2c 空隙(気泡)
2d 連通管(毛細管)
3 剥離体
3a 剥離面
9 ミクロ吸盤テープ
10 ミクロ吸盤ラベル(「支持体層/ミクロ吸盤層/剥離体層」の3層構造
のタイプ)
10’ ミクロ吸盤ラベル(「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造
のタイプ)
10’’ミクロ吸盤ラベル(「支持体層/ミクロ吸盤層/剥離体層」の3層構造
のタイプ、又は、「支持体兼剥離体層/ミクロ吸盤層」の2層構造)
を切り取ったシール
22 剥離体ロール
24 発泡機
26 コンマコーター
28 乾燥炉
30 支持体ロール
32 貼り合せロール
34 ミクロ吸盤ラベルロール
(本願発明における「粘着ロール」)
35 芯管
94 芯管(市販の粘着ラベルロール)
36 円柱部嵌合孔
95 円柱部嵌合孔(市販の粘着ラベルロール)
96 支持体(市販の粘着ラベルロール)
96a 剥離面(市販の粘着ラベルロール)
97 粘着体(市販の粘着ラベルロールの粘着剤層)
97a 粘着面(市販の粘着ラベルロール)
98 粘着体として粘着剤を使用した従来の技術における一般的な市販されている
使い捨てタイプの粘着ラベルロール
(従来の技術における「粘着ロール」)
99 従来の技術における一般的なロール状粘着式清掃具
100 ロール状粘着式清掃具
101 回転軸
101a フランジ(円柱部脱落防止座金)
101b フランジ固定ねじ
101c フランジ固定ナット
102 円柱部
102a 回転軸貫通孔
(ミクロ吸盤ラベルロール(34)又は
市販の使い捨てタイプの粘着ラベルロール(98)
を自由回転させるための回転軸(101)が貫入する孔)
199 ホルダー兼取手
200 叩き(ハタキ)状、又は、箒(ホウキ)状粘着式清掃具

Claims (6)


  1. 外周表面に粘着面を有するロール状粘着式清掃具用の粘着ロールにおいて、

    粘着面がミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)

    であることを特徴とするロール状粘着式清掃具用の粘着ロール。



  2. 粘着剤を含有してなる粘着層の粘着面(97a)を表側に向けて、
    外周表面に巻回してなる
    ロール状粘着式清掃具用の粘着ロール(98)の
    粘着面(97a)の外周表面上に、

    ミクロ吸盤テープ(9)を、
    粘着面(2a)を表側に向けて、
    巻回してなる

    ロール状粘着式清掃具用の粘着ロール。



  3. 請求項1又は2に記載した粘着ロールを、
    回転軸(101)を中心として、
    回転自在に装着したロール状粘着式清掃具。



  4. 外周表面に粘着面を有する粘着ロールを軸を中心に回転自在に装着したロール状粘着式清掃具において、

    粘着面がミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)

    であることを特徴とするロール状粘着式清掃具。



  5. 表面に粘着面を有する粘着式清掃具用の粘着テープの粘着面が、

    ミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)

    であることを特徴とする粘着式清掃具用の粘着テープ。



  6. 表面に粘着面を有する粘着式清掃具において、

    粘着面がミクロ吸盤層(2)の粘着面(2a)

    であることを特徴とする粘着式清掃具。
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