JPH0826160A - 自動二輪車の後部車体構造 - Google Patents

自動二輪車の後部車体構造

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JPH0826160A
JPH0826160A JP6164294A JP16429494A JPH0826160A JP H0826160 A JPH0826160 A JP H0826160A JP 6164294 A JP6164294 A JP 6164294A JP 16429494 A JP16429494 A JP 16429494A JP H0826160 A JPH0826160 A JP H0826160A
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JP
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rear fender
fender
motorcycle
held
battery
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JP6164294A
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Inventor
Kazunori Shinohara
和典 篠原
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】リヤフェンダ上に設けられた物入れ空間内への
異物の侵入を阻止するとともに、リヤフェンダやテール
ランプ周りの部品点数削減と組立性の向上を図り、さら
にリヤフェンダ上の物入れ空間の内部容量を広く確保す
る。 【構成】リヤフェンダ26と、車体フレーム2の後部に設
けられるスタンドグリップ47とを、同一の締結部材(ボ
ルト48)によって車体フレーム2に共締めした。また、
リヤフェンダ26を合成樹脂の型成型品とし、このリヤフ
ェンダ26にテールランプのハウジング60を一体成型し
た。そして、リヤフェンダ26にバッテリ保持部65を形成
し、このバッテリ保持部65に保持されたバッテリ22を押
圧するとともに車載工具75を保持する工具ホルダ72をリ
ヤフェンダ26に着脱可能に設け、さらに工具ホルダ72に
保持された車載工具75を着座シート下面に設けられたク
ッション部材によって押圧保持した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車の後部車体
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、自動二輪車の後部車体構造を示
す左側面図であり、図13は図12のXIII-XIII 線に沿う縦
断面図である。この自動二輪車において、車体フレーム
100 の後部には着座シート101 が載置されており、この
着座シート101 の下部および後部周囲が後部フレームカ
バー102 によって覆われている。
【0003】また、車体フレーム100 の後部には後輪を
覆うリヤフェンダ103 が固定されており、このリヤフェ
ンダ103 が上記後部フレームカバー102 の下部に合わせ
られることにより、後部フレームカバー102 とリヤフェ
ンダ103 との間に物入れ空間104 が設けられ、同時に自
動二輪車後部の美的外観の向上が図られている。
【0004】車体フレーム100 の後部両側には台座105,
106 が設けられており、ここにスタンドグリップ107 が
ボルト108 によって締結されている。このスタンドグリ
ップ107 は、センタースタンドを用いて自動二輪車を駐
車させる際に、車体の後部を手で引き上げ易くするため
のものである。
【0005】図13に示すように、リヤフェンダ103 の下
面には孔109 が穿設されており、この孔109 から上記ス
タンドグリップ107 が下方に延びている。一方、車体の
最後部には、テールランプ111 が後部フレームカバー10
2 とリヤフェンダ103 とに挟まれて設置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如く車体フレーム100 に固定されたスタンドグリップ10
7 がリヤフェンダ103 の下面に設けられた孔109 を通っ
て下方に延びているため、自動二輪車の雨天走行時等に
後輪が跳ね上げる水や泥が孔109 から物入れ空間104 内
に侵入し、ここに設置されているリレー等の電装部品に
悪影響が及ぼされる恐れがあった。
【0007】また、リヤフェンダ103 とスタンドグリッ
プ107 とを別々のボルトやビスを用いて車体フレーム10
0 に固定する必要があるため、車体フレーム100 に設け
る締結用の台座や、ボルト、ビス等の部品点数が多く、
製造性および組立性が悪かった。
【0008】一方、テールランプ111 が後部フレームカ
バー102 やリヤフェンダ103 に対して個別のアッセンブ
リ状態で組み込まれているため、取付用のビス類を含ん
だ部品点数が多く、しかもテールランプ109 が物入れ空
間104 側に大きく張り出しているため、物入れ空間104
の容量が犠牲になっていた。
【0009】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、リヤフェンダ上に設けられた物入れ空間
内への異物の侵入を阻止するとともに、リヤフェンダや
テールランプ周りの部品点数削減と組立性の向上を図
り、さらにリヤフェンダ上の物入れ空間の内部容量を広
く確保することのできる自動二輪車の後部車体構造を提
供することを目的とする。
【0010】また、本発明のもう一つの目的は、リヤフ
ェンダ上の物入れ空間内に配置されている電装部品の配
線処理を行い易くするとともに、物入れ空間内の排水性
を向上させて電装品類を保護することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る自動二輪車の後部車体構造は、請求項
1に記載したように、後輪を覆うリヤフェンダと、車体
フレームの後部に設けられるスタンドグリップとを、同
一の締結部材によって車体フレームに共締めした。
【0012】また、請求項2に記載したように、リヤフ
ェンダを合成樹脂の型成型品とし、このリヤフェンダに
テールランプのハウジングを一体成型した。
【0013】さらに、請求項3に記載したように、リヤ
フェンダにバッテリ保持部を形成し、このバッテリ保持
部に保持されたバッテリを押圧するとともに車載工具を
保持する工具ホルダをリヤフェンダに着脱可能に設け、
さらに上記工具ホルダに保持された車載工具を着座シー
ト下面に設けられたクッション部材によって押圧保持し
た。
【0014】そして、請求項4に記載したように、後輪
を覆うリヤフェンダの背面に溝を形成し、この溝内に電
装部品のワイヤーハーネスを配設するとともに、上記溝
には上記ワイヤーハーネスを保持する保持手段と、排水
手段とを設けた。
【0015】また、請求項5に記載したように、リヤフ
ェンダの背面両側に、前後方向に延びるつい立状のリブ
壁を一定区間のみに亘って立設し、このリブ壁とリヤフ
ェンダの側壁との間に電装部品等の内蔵部品を配置し
た。
【0016】
【作用】自動二輪車の後部車体構造を請求項1に記載し
たように構成した場合、リヤフェンダの下面にスタンド
グリップを通す大きな孔を穿設する必要がなくなるた
め、雨天走行時に水や泥が物入れ空間内に侵入すること
が阻止される。しかも、同一の締結部材によってリヤフ
ェンダとスタンドグリップが車体フレームに固定される
ので、締結用の台座や締結部材の数量が削減され、製造
性および組立性が向上する。
【0017】また、請求項2に記載したように構成すれ
ば、リヤフェンダにテールランプが一体的に設けられる
ので取付用のビス類を含む部品点数が少なくなるととも
に、テールランプ全体の位置を後方にずらすことができ
るので物入れ空間内の容量が増大する。
【0018】さらに、請求項3に記載したように構成す
ると、リヤフェンダに保持されたバッテリが工具ホルダ
によって押さえられ、工具ホルダに保持された車載工具
が着座シート下面に設けられたクッション部材によって
押さえられるため、バッテリの保持部材および車載工具
の保持部材が不要になり、部品点数の削減と組立性の向
上とに貢献できる。
【0019】そして、請求項4に記載したように構成し
た場合、リヤフェンダの背面に形成された溝に設けられ
た保持手段によって電装部品のワイヤーハーネスが溝内
に保持され、配線処理が非常に行い易くなるとともに、
万一物入れ空間内に水が侵入しても、その水は直ちに溝
に流れ、溝に設けられた排水手段を経て外部に排出され
るので、物入れ空間内の排水性が向上する。
【0020】また、請求項5に記載したように構成すれ
ば、リヤフェンダの背面両側に立設されたつい立状のリ
ブ壁によって電装部品等の内蔵部品が隔離されるので、
物入れ空間内に収納した物品が上記内蔵部品に干渉せ
ず、内蔵部品が保護される。このリブ壁は前後方向に一
定区間のみに亘って設けられているので、リブ壁が無い
区間は物入れ空間の横幅が広く保たれ、より多くの物品
を収納することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明に係る後部車体構造が適用され
た自動二輪車の左側面図である。
【0022】この自動二輪車1は、例えば鋼管製の車体
フレーム2を備えており、この車体フレーム2の前頭部
に、前輪3を軸支するフロントフォーク4が、ハンドル
バー5やフロントフェンダ6とともに左右回動自在に設
けられている。一方、車体フレーム2の中央部に架設さ
れたピボット軸7には、後方に延びて後輪8を軸支する
スイングアーム9が上下回動自在に支持されており、こ
のスイングアーム9はその基端部に設けられたサスペン
ション機構11によって緩衝懸架されている。
【0023】車体フレーム2の前方下部にはエンジン12
が懸架されており、このエンジン12の動力はチェーン13
によって前記後輪8に伝達される。なお、エンジン12の
後部にはキャブレタ14とエアクリーナ15が順に連結さ
れ、エンジン12の前部には後方に延びる排気マフラ16が
接続されている。
【0024】エンジン12の前方にはラジエータ17が設け
られており、このラジエータ17はエンジン12の側部に設
けられた冷却水ポンプ18に冷却水ホース19で接続されて
いる。さらに、ラジエータ17の冷却水を貯蔵するリザー
バタンク21が前記エアクリーナ15の後下方に設けられ、
リザーバタンク21の後部には電源用のバッテリ22が搭載
されている。
【0025】エンジン12の上部には燃料タンク23が設置
され、この燃料タンク23の後部に着座シート24が着脱可
能に載置されている。この着座シート24の下部および後
部周囲は、合成樹脂の型成型品である後部フレームカバ
ー25によって覆われている。
【0026】図2,図3にも示すように、上記後部フレ
ームカバー25の下側には後輪8を覆うリヤフェンダ26が
固定されている。このリヤフェンダ26も後部フレームカ
バー25と同様に合成樹脂の型成型品であり、後部フレー
ムカバー25とリヤフェンダ26の最後部にはテールランプ
28が設けられている。なお、図4は前記後部フレームカ
バー25単体の斜視図である。
【0027】車体フレーム2の後部はシートレール29お
よびシートステー30をブリッジ部材31,32,33によって連
結した構造となっており、ブリッジ部材32にはシートロ
ック機構34が固定されている。また、上記シートロック
機構34を施錠、解錠するためのキーシリンダ35が例えば
左側のシートレール29後部に設けられている。さらに、
リレー37〜39等の電装部品が両側のシートレール29に設
けられている。
【0028】後部フレームカバー25には例えば4カ所に
締付片40が形成されており、これらの締付片40が、図5
に示すようにシートレール29あるいはブリッジ部材33に
設けられたナット41にビス42で固定され、上記ビス42に
共締めされるゴムブッシュ43上に前記着座シート24が載
置されるようになっている。
【0029】一方、左右のシートレール29およびシート
ステー30には下方に突出する台座45,46 が溶着されてお
り、これらの台座45,46 にリヤフェンダ26とスタンドグ
リップ47が同一の締結部材、例えばボルト48によって締
結されている。
【0030】つまり、リヤフェンダ26には台座45,46 の
位置に合わせて座面49,50 が形成されており、この座面
49,50 には孔が穿設されている。そして、上記ボルト48
は下方から座面49,50 の孔とスタンドグリップ47の締付
片47aとを貫通して台座45,46に締め込まれ、これによ
ってリヤフェンダ26とスタンドグリップ47とが台座45,4
6 に共締めされる。なお、ボルト48には段部48aが設け
られており、ボルト48の締付力が直接リヤフェンダ26に
加わらないようにされ、樹脂製のリヤフェンダ26の破損
が防止されている。
【0031】リヤフェンダ26の前部は図6に示すように
車体フレーム2のブリッジ部材31にビス等52で固定さ
れ、さらにその先端には泥除け53がビス54等で固定され
ている。一方、リヤフェンダ26の後部には直立する左右
一対の締付片55が設けられており、この締付片55が車体
フレーム2最後部の固定ナット56にビス57等で固定され
る。
【0032】図4,5に示すように、後部フレームカバ
ー25の下縁部にはリブ58が複数設けられており、これら
のリブ58がリヤフェンダ26の側壁26a上縁部に嵌合され
て後部フレームカバー25とリヤフェンダ26とが合わせら
れ、内部に物入れ空間59が形成される。
【0033】この物入れ空間59内には、着座シート24を
取り外すことによって外部から物品を出し入れすること
ができる。また、前述したシートロック機構34やキーシ
リンダ35、リレー37〜39等の部品も物入れ空間59内に位
置し、風雨や塵埃等から保護されている。
【0034】図3および図7に示すように、リヤフェン
ダ26の後部には前記テールランプ28のハウジング60が一
体成型されている。このハウジング60は後方に向かって
開口する形状を持ち、尾灯および制動灯用のバルブ61,6
2 が取り付けられて後方からレンズ部分63が嵌め込まれ
るようになっている。
【0035】また、リヤフェンダ26の前部には、前記バ
ッテリ22を保持するためのバッテリ保持部65が形成され
ている、このバッテリ保持部65は、リヤフェンダ26の前
端部に形成された段部66と、その両側に形成された縦壁
67,68 と、前記リザーバタンク21の上部に一体に設けら
れた棚部69とによって構成されており、バッテリ22は上
方からバッテリ保持部65に挿入され、後傾した形で保持
される。なお、上記段部66および棚部69にはクッション
材70が貼着されている。
【0036】このように構成されたバッテリ保持部65の
上部には、工具ホルダ72が設けられる。この工具ホルダ
72は、例えば2本のビス73によってリヤフェンダ26のボ
ス74に着脱可能に固定されるもので、パッケージングさ
れた車載工具75を保持可能なポケット状に形成されてい
る。
【0037】工具ホルダ72がリヤフェンダ26に固定され
ると、工具ホルダ72の底部が前記バッテリ保持部65に保
持されたバッテリ22の上面を押圧するため、バッテリ22
はバッテリ保持部65から抜け出ることなく保持される。
【0038】また、着座シート24の下面には台座76が形
成されており、ここにクッション部材77が設けられてい
る。このクッション部材77は、前記工具ホルダ72に保持
された車載工具75の上部に当接し、車載工具75を押圧し
て保持する。
【0039】したがって、着座シート24を車体から取り
外せば車載工具75を取り出すことができ、さらに工具ホ
ルダ72を取り外すとバッテリ22が取り出し可能になる。
【0040】ところで、図3および図8に示すように、
リヤフェンダ26の背面には、前後方向に延びる溝80が左
右両側に形成されている。これらの溝80には、前記テー
ルランプ28のバルブ61,62 や、リレー37〜39等の電装部
品のワイヤーハーネス81が配設される。
【0041】上記溝80の内部には、上記ワイヤーハーネ
ス81を保持する保持手段としてリブ82が複数形成されて
おり、ワイヤーハーネス81は上記リブ82間に挟まれて溝
80内に保持される。なお、保持手段としては上記リブ82
のみに限らず、例えば溝80を少し蛇行させて形成するこ
とでワイヤーハーネス81の抜脱を阻止する等してもよ
い。また、溝80には排水手段として排水口83が設けられ
ている。
【0042】さらに、リヤフェンダ26の背面両側には、
前後方向に延びるつい立状のリブ壁84,85 が一定区間に
亘って立設されている。例えば上記リブ壁84,85 は、リ
ヤフェンダ26の中間部の区間のみに設けられている。そ
して、このリブ壁84,85 とリヤフェンダ26の側壁26aと
の間に、キーシリンダ35や電装部品(前記リレー37〜3
9)等の内蔵部品が配置されている。
【0043】以上のような後部車体構造としたことによ
り、以下に述べるような効果がもたらされる。
【0044】まず、リヤフェンダ26とスタンドグリップ
47とを、同一の締結部材(ボルト48)によって車体フレ
ーム2(台座45,46 )に共締めするようにしたことで、
リヤフェンダ26の下面にスタンドグリップ47を通す大き
な孔を穿設する必要がなくなる。このため、雨天走行時
に水や泥が物入れ空間59内に侵入することが阻止され
る。
【0045】しかも、同一の締結部材によってリヤフェ
ンダ26とスタンドグリップ47が車体フレーム2に固定さ
れるので、締結用の台座や締結部材の数量が削減され、
自動二輪車1の製造性および組立性が大幅に向上する。
なお、リヤフェンダ26とともに車体フレーム2に固定す
るのはスタンドグリップ47のみに限らず、他の部品であ
ってもよい。
【0046】さらに、リヤフェンダ26にテールランプ28
のハウジング60を一体成型したことによって、テールラ
ンプ28取付用のビス類を含む部品点数が少なくなるとと
もに、テールランプ28全体の位置を後方にずらすことが
できるので物入れ空間59内の容量が増大する。
【0047】また、リヤフェンダ26にバッテリ保持部65
を形成し、このバッテリ保持部65に保持されたバッテリ
22を工具ホルダ72で保持し、さらに工具ホルダ72に保持
された車載工具75を着座シート24の下面に設けられたク
ッション部材77によって押圧保持する構造としたため、
従来より設けられていたバッテリ22の保持部材および車
載工具75の保持部材が不要になり、部品点数の削減と組
立性の向上とに貢献することができる。
【0048】そして、リヤフェンダ26の背面に溝80を形
成し、この溝80内に電装部品のワイヤーハーネス81を配
設するとともに、上記溝80にワイヤーハーネス81を保持
する保持手段(リブ82)と、排水手段(排水口83)とを
設けたため、上記保持手段(リブ82)によって電装部品
のワイヤーハーネス81が溝80内に保持され、配線処理が
非常に行い易くなるとともに、万一物入れ空間59内に水
が侵入しても、その水は直ちに溝80に流れ込み、溝80に
設けられた排水手段(排水口83)を経て外部に排出され
るので、物入れ空間59内の排水性が大きく向上する。
【0049】また、リヤフェンダ26の背面両側に、前後
方向に延びるつい立状のリブ壁84,85を一定区間のみに
亘って立設し、このリブ壁84,85 とリヤフェンダ26の側
壁26aとの間に電装部品等の内蔵部品(リレー37〜39や
キーシリンダ35)を配置したので、リブ壁84,85 によっ
て上記内蔵部品が隔離され、物入れ空間59内に収納した
物品が内蔵部品に干渉せず、内蔵部品が保護される。し
かも、このリブ壁84,85は前後方向に一定区間のみに亘
って設けられているので、リブ壁84,85 が無い区間は物
入れ空間59の横幅が広く保たれ、より多くの物品を収納
することができる。
【0050】ところで、図9はリヤフェンダの変形例を
示す分解斜視図である。このリヤフェンダ26Aは、その
前中間部分26Bに対し、テールランプのハウジング60を
含む後部部分26Cが別体に形成されており、この前中間
部分26Bと後部部分26Cとが接合されて完成するように
なっている。
【0051】図10は、上記前中間部分26Bと後部部分26
Cとが接合された状態を車幅方向に切断して示す縦断面
図である。例えば後部部分26Cの外周には、前中間部分
26Bの内周に内側から重なって接合される段付フランジ
87が形成されている。その接合位置は、外部から見えに
くいように、後部部分26CのR部の上方とされている。
【0052】図11(A) および(B) は、図10のXI部の拡大
図であり、前中間部分26Bと後部部分26Cとの接合構造
を示している。図11(A) では、前中間部分26B側に形成
された突起88を後部部分26Cの段付フランジ87に穿設さ
れた穴89に挿通し、この突起88を88aの形に熱変形させ
ることによって後部部分26Cを前中間部分26Bに接合し
ている。また、図11(B) では、前中間部分26B側に形成
したボス90に、段付フランジ87に形成した座面91を重ね
てビス92で締結することにより、後部部分26Cを前中間
部分26Bに接合している。
【0053】このようにリヤフェンダ26Aを分割して構
成すれば、樹脂成型用の金型を大幅に簡略化することが
でき、コストダウンに多大に貢献することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
二輪車の後部車体構造は、後輪を覆うリヤフェンダと、
車体フレームの後部に設けられるスタンドグリップと
を、同一の締結部材によって車体フレームに共締めした
ので、リヤフェンダの下面に孔を穿設してスタンドグリ
ップを通す必要がなくなり、雨天走行時に水や泥が物入
れ空間内に侵入することが阻止されるとともに、同一の
締結部材によってリヤフェンダとスタンドグリップが車
体フレームに固定されるので、締結用の台座や締結部材
の数量が削減され、自動二輪車の製造性および組立性が
大幅に向上する。
【0055】また、上記リヤフェンダを合成樹脂の型成
型品とし、このリヤフェンダにテールランプのハウジン
グを一体成型したので、テールランプおよび取付用のビ
ス類を含む部品点数が少なくなるとともに、テールラン
プ全体の位置を後方にずらすことができ、物入れ空間内
の容量が増大する。
【0056】さらに、リヤフェンダにバッテリ保持部を
形成し、このバッテリ保持部に保持されたバッテリを押
圧するとともに車載工具を保持する工具ホルダをリヤフ
ェンダに着脱可能に設け、さらに上記工具ホルダに保持
された車載工具を着座シート下面に設けられたクッショ
ン部材によって押圧保持したので、バッテリの保持部材
および車載工具の保持部材が不要になり、部品点数の削
減と組立性の向上とに貢献することができる。
【0057】そして、リヤフェンダの背面に溝を形成
し、この溝内に電装部品のワイヤーハーネスを配設する
とともに、上記溝には上記ワイヤーハーネスを保持する
保持手段と、排水手段とを設けたので、配線処理が非常
に行い易くなるとともに、万一物入れ空間内に水が侵入
しても、その水は直ちに溝に流れ、溝に設けられた排水
手段を経て外部に排出されるので、物入れ空間内の排水
性が向上する。
【0058】また、リヤフェンダの背面両側に、前後方
向に延びるつい立状のリブ壁を一定区間のみに亘って立
設し、このリブ壁とリヤフェンダの側壁との間に電装部
品等の内蔵部品を配置したので、上記リブ壁によって電
装部品等の内蔵部品が隔離され、物入れ空間内に収納し
た物品が上記内蔵部品に干渉せず、内蔵部品が保護され
る。このリブ壁は前後方向に一定区間のみに亘って設け
られているので、リブ壁が無い区間は物入れ空間の横幅
を広く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る後部車体構造が適用された自動二
輪車の左側面図。
【図2】自動二輪車の後部を拡大して示す左側面図。
【図3】本発明の一実施例を示す、自動二輪車の後部分
解斜視図。
【図4】後部フレームカバーの斜視図。
【図5】図2のV-V 線に沿う縦断面図。
【図6】リヤフェンダの前半部分と着座シートと工具ホ
ルダの中心線に沿う縦断面図。
【図7】リヤフェンダの後半部分とテールランプの中心
線に沿う縦断面図。
【図8】図3のVIII-VIII 線に沿う縦断面図。
【図9】リヤフェンダの変形例を示す分解斜視図。
【図10】図9に示すリヤフェンダの接合部における車
幅方向に沿う縦断面図。
【図11】(A) は図10のXI部拡大図、(B) は図10の
XI部の他の例を示す拡大図。
【図12】従来の技術を示す自動二輪車の後部を拡大し
た左側面図。
【図13】図12のXIII-XIII 線に沿う縦断面図。
【符号の説明】 1 自動二輪車 2 車体フレーム 8 後輪 21 リザーバタンク 22 バッテリ 24 着座シート 25 後部フレームカバー 26 リヤフェンダ 28 テールランプ 37〜39 リレー 47 スタンドグリップ 48 締結部材としてのボルト 59 物入れ空間 60 テールランプのハウジング 65 バッテリ保持部 72 工具ホルダ 75 車載工具 77 クッション部材 80 溝 81 ワイヤーハーネス 82 保持手段としてのリブ 83 排水手段としての排水口 84,85 リブ壁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪を覆うリヤフェンダと、車体フレー
    ムの後部に設けられるスタンドグリップとを、同一の締
    結部材によって車体フレームに共締めしたことを特徴と
    する自動二輪車の後部車体構造。
  2. 【請求項2】 後輪を覆うリヤフェンダを合成樹脂の型
    成型品とし、このリヤフェンダにテールランプのハウジ
    ングを一体成型したことを特徴とする自動二輪車の後部
    車体構造。
  3. 【請求項3】 後輪を覆うリヤフェンダにバッテリ保持
    部を形成し、このバッテリ保持部に保持されたバッテリ
    を押圧するとともに車載工具を保持する工具ホルダをリ
    ヤフェンダに着脱可能に設け、さらに上記工具ホルダに
    保持された車載工具を着座シート下面に設けられたクッ
    ション部材によって押圧保持したことを特徴とする自動
    二輪車の後部車体構造。
  4. 【請求項4】 後輪を覆うリヤフェンダの背面に溝を形
    成し、この溝内に電装部品のワイヤーハーネスを配設す
    るとともに、上記溝には上記ワイヤーハーネスを保持す
    る保持手段と、排水手段とを設けたことを特徴とする自
    動二輪車の後部車体構造。
  5. 【請求項5】 後輪を覆うリヤフェンダの背面両側に、
    前後方向に延びるつい立状のリブ壁を一定区間のみに亘
    って立設し、このリブ壁とリヤフェンダの側壁との間に
    電装部品等の内蔵部品を配置したことを特徴とする自動
    二輪車の後部車体構造。
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