JPH08260726A - 防水パン構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】身障者などの入浴時、浴槽周囲の任意の位置か
ら介添えする。 【構成】車椅子が出入り可能な出入口となる一辺１１Ａ
を除いた周縁に壁パネル立設部１１１を形成した洗い場
１１の略中央部に、浴槽を嵌合載置する開口１２１ａお
よびこの開口１２１ａの周囲に周壁１２１ｂを浴槽設置
部１２１と、この浴槽設置部１２１の周縁から洗い場１
１にかけて垂設された立ち上がり壁１２２からなる浴槽
受け部材１２を形成し、この浴槽受け部材１２の周囲の
洗い場１１を介添え者が通行できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、防水パン構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、図３に示すような浴室ユニット
が知られている。この浴室ユニット１は、浴槽２と、こ
の浴槽２が嵌合載置される浴槽受け部材３と、この浴槽
受け部材３と連結可能な隣接床パン４と、浴槽受け部材
３の、隣接床パン４に面する一辺を除く他辺の周縁およ
び隣接床パン４の、浴槽受け部材３に面する一辺を除く
他辺の周縁に立設された壁パネル（図示せず）と、これ
らの壁パネルによって形成される上方開口部を被う天井
パネル（図示せず）から構成されている。

【０００３】そして、前述した浴槽受け部材３は、浴槽
２が嵌合載置される開口３１ａを形成した略平坦な浴槽
設置部３１と、この浴槽設置部３１の一辺に垂設された
エプロン３２と、浴槽設置部３１の、エプロン３２が垂
設された一辺を除く他辺の周縁に形成された壁パネル立
設部３３を一体に成形したもので、前述した開口３１ａ
の周縁には、浴槽２の周囲フランジ２１の裏面が図示し
ないシール部材を介して載置可能な周壁３１ｂが上方に
突出するように形成されている。また、隣接床パン４
は、排水勾配を形成した洗い場４１と、この洗い場４１
の周縁に立設された腰壁４２と、この腰壁４２の上縁に
形成された壁パネル立設部４３を一体に成形したもので
ある。（例えば、実開平４─１０１４６８号公報参
照）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した浴
室ユニットにおいて、浴槽は、浴室ユニットを形成する
一の壁パネルに沿って配設されていることから、介添え
者を必要とする身障者や老齢者の入浴時においては、エ
プロン側の一面側からしか介添え、あるいは、身体を洗
うことができず、不自然な姿勢を強いられるとともに、
介添えなどがやりにくいという問題があった。

【０００５】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、身障者などの入浴時、浴槽周囲の任意の位
置から介添えなどを行うことのできる防水パン構造を提
供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、車椅子が出入
り可能な出入口となる一辺を除く周縁に壁パネル立設部
を形成した洗い場と、この洗い場の略中央に形成された
浴槽受け部材からなり、この浴槽受け部材は、浴槽を嵌
合載置する開口およびこの開口の周囲に周壁を形成した
浴槽設置部と、この浴槽設置部の周縁から洗い場にかけ
て垂設された立ち上がり壁から構成され、浴槽受け部材
の周囲の洗い場を介添え者が通行可能に形成したことを
特徴とするものである。

【０００７】

【作用】浴槽の周囲には、介添え者が通行できる洗い場
が形成されていることから、身障者などの入浴に際し、
浴槽周囲の任意の位置に回り込んで自然な姿勢で介添え
し、あるいは、身体を洗うことができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【０００９】図１および図２には、本発明の防水パン１
０が記載されており、この防水パン１０は、一辺１１Ａ
を除く周縁に壁パネル立設部１１１を形成した方形状の
洗い場１１と、この洗い場１１の略中央に形成された浴
槽受け部材１２とを一体に成形して構成されており、こ
の浴槽受け部材１２の周囲の洗い場１１には、介添え者
の通行を妨げることのないように十分なスペースが確保
されている。そして、洗い場１１の一辺１１Ａは、その
ほぼ全幅にわたって車椅子が段差なく出入り可能な出入
り口に形成されており、詳細には図示しないが、スライ
ド式のドアを取り付けることができるようになってい
る。

【００１０】なお、洗い場１１の周縁に形成された壁パ
ネル立設部１１１は、洗い場１１の周縁から立ち上げら
れた立ち上げ片１１１ａ、この立ち上げ片１１１ａの上
端から外方に延出された壁設置片１１１ｂおよび壁設置
片１１１ｂの先端から立ち上げられた水返し片１１１ｃ
から構成され、洗い場１１から外部への漏水が防止され
ている。

【００１１】一方、浴槽受け部材１２は、浴槽（図示せ
ず）を嵌合載置可能な開口１２１ａを形成した略平坦な
浴槽設置部１２１と、この浴槽設置部１２１の周縁から
洗い場１１にかけて垂設された立ち上がり壁１２２から
構成されており、前述した開口１２１ａの周縁には、浴
槽の周囲フランジの裏面が載置可能な周壁１２１ｂが上
方に突出するように形成されている。

【００１２】また、浴槽受け部材１２を構成する対向す
る一対の立ち上がり壁１２２近傍の洗い場１１には、そ
れぞれ排水口１１ｘが開口されており、洗い場１１に
は、この排水口１１ｘに向けて排水勾配が形成されてい
る。この排水口１１ｘには、図示しない排水管が接続で
きるようになっている。

【００１３】したがって、このような防水パン１を採用
して浴室ユニットを組み立てた場合、身障者などの入浴
時において、出入口である洗い場１１の一辺１１Ａ側か
ら車椅子に乗ったまま浴室に入り、介添え者の介添えに
よって入浴することができる。この際、介添え者は、浴
槽の周囲を回って任意の位置に達することができ、自然
な姿勢で身障者などを介添えし、あるいは、身体を洗う
ことが可能となる。

【００１４】なお、洗い場１１から湯水が出入口となる
一辺１１Ａを通して外部に流れることを防止するため、
洗い場１１の一辺１１Ａ側にもその長さに相当する幅の
排水口を形成することが好ましい。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、車椅子が
出入り可能な出入口となる一辺を除く周縁に壁パネル立
設部を形成した洗い場と、この洗い場の略中央に形成さ
れた浴槽受け部材からなり、この浴槽受け部材は、浴槽
を嵌合載置する開口およびこの開口の周囲に周壁を形成
した浴槽設置部と、この浴槽設置部の周縁から洗い場に
かけて垂設された立ち上がり壁から構成され、浴槽受け
部材の周囲の洗い場を介添え者が通行可能に形成したこ
とにより、浴槽の周囲を回って任意の位置において、自
然な姿勢で身障者などを介添えし、あるいは、身体を洗
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の防水パン構造を示す斜視図である。

【図２】本発明の防水パン構造の断面図である。

【図３】従来の浴室ユニットを示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ 防水パン １１ 洗い場 １１Ａ 出入口側一辺 １１１ 壁パネル立設部 １２ 浴槽受け部材 １２１ 浴槽設置部 １２１ａ 開口 １２１ｂ 周壁 １２２ 立ち上がり壁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車椅子が出入り可能な出入口となる一辺
   を除く周縁に壁パネル立設部を形成した洗い場と、この
   洗い場の略中央に形成された浴槽受け部材からなり、こ
   の浴槽受け部材は、浴槽を嵌合載置する開口およびこの
   開口の周囲に周壁を形成した浴槽設置部と、この浴槽設
   置部の周縁から洗い場にかけて垂設された立ち上がり壁
   から構成され、浴槽受け部材の周囲の洗い場を介添え者
   が通行可能に形成したことを特徴とする防水パン構造。