JPH08260359A - アラミド繊維の処理方法 - Google Patents

アラミド繊維の処理方法

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JPH08260359A
JPH08260359A JP6412595A JP6412595A JPH08260359A JP H08260359 A JPH08260359 A JP H08260359A JP 6412595 A JP6412595 A JP 6412595A JP 6412595 A JP6412595 A JP 6412595A JP H08260359 A JPH08260359 A JP H08260359A
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JP
Japan
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compound
treating
group
polyglycidyl ether
aramid fibers
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Pending
Application number
JP6412595A
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English (en)
Inventor
Yukiko Abe
有紀子 安部
Tadahiko Takada
忠彦 高田
Mitsukuni Mori
充邦 毛利
Satoru Fujii
悟 藤井
Hiroyuki Iwasaki
浩之 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Kasei Kogyo KK
Teijin Ltd
Original Assignee
Nagase Kasei Kogyo KK
Teijin Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08260359A publication Critical patent/JPH08260359A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的はアラミド繊維とゴム類との接
着におけるエポキシ化合物に懸念される毒性の問題やイ
ソシアネートの作業性の問題を解消し、かつ処理された
アラミド繊維が従来並み、あるいはそれ以上の接着性能
及び強力、疲労性などの力学的性能を発揮できるアラミ
ド繊維の処理方法を提供することにある。 【構成】 アラミド繊維を第一処理剤で処理し、次いで
レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)を
含む第二処理剤で処理する処理方法において、第一処理
剤が分子内に水酸基とエポキシ基を含む化合物を、有機
溶剤中、適当な触媒を用いて、分子内に2個以上のイソ
シアネート基を持つポリイソシアネート化合物と反応さ
せた後、残存するエポキシ基を加ハロゲン化水素分解さ
せる事により得られる、分子構造中にウレタン結合、水
酸基及びハロゲン基を有する化合物を含むことを特徴と
するアラミド繊維の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴムとの接着性を向上
せしめたアラミド繊維の処理方法であって、本発明の方
法で処理されたアラミド繊維は、ゴム複合体に利用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】アラミド繊維は、その強度、ヤング率等
が大きく、伸度、クリープが小さく、かつ疲労性に優れ
ている等の物理的特性を有しており、ゴム補強複合体等
の用途に汎用的に適用されている。しかしながらアラミ
ド繊維は、ナイロン6、ナイロン6・6等の脂肪族ポリ
アミド繊維と比較すると、通常、ゴムと繊維の接着に広
く用いられているレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテッ
クス(RFL)で処理してもゴム類との接着性が不良
で、アラミド繊維の優れた力学的な特性を十分に発揮さ
せることが出来ない。これはアラミド繊維表面が不活性
であり、RFLとの親和性、反応性に乏しいことが主因
と考えられている。この為、アラミド繊維の表面を化学
的及び物理的に改質し、繊維表面に水酸基などの官能基
を導入し、RFLとの反応性を付与したり、RFLとの
反応性を有し、アラミド繊維とも親和性を有するエポキ
シ化合物、イソシアネート化合物等反応性の強い物質で
処理し接着性を付与する方法等が実用に供されている。
【0003】しかし、最近、エポキシ化合物は健康に与
える影響が懸念され初めている。また、イソシアネート
化合物は溶剤系で使用しなければならないし、水系で使
用するにはブロック化が必要であり、煩雑であるなどの
欠点が指摘されている。
【0004】
【発明の目的】本発明は以上の事情を背景としてなされ
たものであり、本発明の目的はアラミド繊維とゴム類と
の接着において、エポキシ化合物やイソシアネートなど
の懸念される毒性を排除し、かつ、従来並みあるいはそ
れ以上の接着性能、強力、疲労性などを維持しうる処理
方法を提供することにある。
【0005】
【発明の構成】すなわち本発明は「(請求項1) アラ
ミド繊維を、第一処理剤で処理し、次いでレゾルシン・
ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)を含む第二処理
剤で処理する処理方法において、第一処理剤が、分子内
に水酸基とエポキシ基をそれぞれ1個以上含む化合物
(A)と、分子内に2個以上のイソシアネート基を持つ
ポリイソシアネート化合物(B)を反応させた後、残存
するエポキシ基を加ハロゲン化水素分解させる事により
得られる、分子構造中にウレタン結合、水酸基及びハロ
ゲン基を有する化合物(C)を含むことを特徴とするア
ラミド繊維の処理方法。 (請求項2) 化合物(A)が、炭素数2〜10の直鎖
あるいは分岐状の脂肪族炭化水素化合物であって、1個
以上の主鎖あるいは分岐上炭素に少なくとも1個のヒド
ロキシル基が結合しており、かつ1個以上の主鎖あるい
は分岐上炭素に少なくとも1個のグリシジルエーテル基
が結合している化合物(A1)である請求項1のアラミ
ド繊維の処理方法。 (請求項3) 化合物(A1)が、グリセロールポリグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシ
ジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、
ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリト
ールポリグリシジルエーテルからなる群から選ばれた1
種以上の化合物である請求項2のアラミド繊維の処理方
法。 (請求項4) 化合物(A)が、下記一般式(化2)で
表される未反応水酸基を含有するポリグリセリンのポリ
グリシジルエーテル(A2)である請求項1のアラミド
繊維の処理方法。
【0006】
【化2】
【0007】(請求項5) 化合物(A2)が、ポリグ
リセロールポリグリシジルエーテルである請求項4のア
ラミド繊維の処理方法。 (請求項6) 上記第一処理剤が、ブロックドポリイソ
シアネート化合物(D)及びゴムラテックス(E)を含
む請求項1〜5のいずれかに記載のアラミド繊維の処理
方法。 (請求項7) 上記第二処理剤が、ブロックドポリイソ
シアネート及びエチレン尿素からなる群から選ばれた化
合物を含む請求項1〜6のいずれかに記載のアラミド繊
維の処理方法。」である。
【0008】本発明におけるアラミド繊維とは、下記一
般式(化3)で表される繰り返し単位のうちの1種又は
2種以上からなる重合体、または、共重合体からなる繊
維である。
【0009】
【化3】
【0010】ここで、R1 、R2 、は同一でも相異なっ
てもよく、水素原子、炭素数5以下のアルキル基から選
ばれる。炭素数5以下のアルキル基としてはメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げ
られるが、好ましくは水素原子である。また、Arとし
ては下記一般式(化4)を例示することが出来る。
【0011】
【化4】
【0012】芳香族基としては例えば1,4−フェニレ
ン基、1,3−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン
基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、
2,5−ピリジレン基等であるが、好ましくは1,4−
フェニレン基が選ばれる。
【0013】芳香族基は、例えばハロゲン基(例えば塩
素、臭素、フッ素)、低級アルキル基(メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、n−プロピル基)、低級アルコ
キシ基(メトキシ基、エトキシ基)、シアノ基、アセチ
ル基、ニトロ基などを置換基として含んでいても良い。
【0014】これらの重合体、または、共重合体からな
る繊維の代表例として、ポリパラアミノベンズアミド、
ポリパラフェニレンテレフタラミド、ポリパラアミノベ
ンズヒドラジドテレフタルアミド、ポリテレフタル酸ヒ
ドラジド、ポリメタフェニレンイソフタラミド等、もし
くはこれらの共重合体からなる繊維を挙げることができ
る。本発明は、パラ型アラミド繊維のいかなるものにも
適用できる。該繊維の分子量、単糸繊度、フィラメント
数、断面形状、繊維物性、微細構造、添加剤含有の有
無、ポリマー性状(末端カルボキシル基濃度等)等はな
んら限定されない。 本発明の第一処理剤に使用する分
子構造中にウレタン結合、水酸基及びハロゲン基を有す
る化合物(C)は、分子内に水酸基とエポキシ基とをそ
れぞれ1個以上含む化合物(A)を、有機溶剤中、適当
な触媒を用いて、分子内に2個以上のイソシアネート基
を持つポリイソシアネート化合物(B)と反応させた
後、残存するエポキシ基を加ハロゲン化水素分解させる
事により得られる。ここで、エポキシ含量は0.1%以
下、加水分解性ハロゲン含量は1%以上、全ハロゲン含
量は4%以上のものがよい。
【0015】分子内に水酸基とエポキシ基とをそれぞれ
1個以上含む化合物(A)とは、炭素数2〜10の直鎖
あるいは分岐状の脂肪族炭化水素化合物であって、1個
以上の主鎖あるいは分岐上炭素に少なくとも1個のヒド
ロキシル基が結合しており、かつ1個以上の主鎖あるい
は分岐上炭素に少なくとも1個のグリシジルエーテル基
が結合している化合物(A1)、および下記一般式(化
5)で表される未反応水酸基を含有するポリグリセリン
のポリグリシジルエーテル(A2)から選ばれる1種以
上の化合物があげられる。
【0016】
【化5】
【0017】具体的には、グリセロールポリグリシジル
エーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、
トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソル
ビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジル
エーテル等である。
【0018】分子内に2個以上のイソシアネート基を持
つポリイソシアネート化合物(B)とは、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、o
−トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合
物等である。
【0019】このときの反応触媒としては、ジブチルチ
ンジアセテート、ジブチルチンジマレエート等の有機金
属触媒、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の
アミン触媒等を用いることが出来る。
【0020】化合物(C)は通常乳化液として使用する
のがよい。乳化液又は溶液にするには、化合物(C)を
そのままあるいは必要に応じて少量の溶媒に溶解したも
のを、公知の乳化剤、例えばアルキルベンゼンスルホン
酸ソーダ、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム
塩、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物等を用
いて乳化又は溶解する。
【0021】化合物(C)を水分散物として用いる際の
分散剤、すなわち界面活性剤の量は、固形分に対し、2
5重量%以下、更に好ましくは15重量%以下であり、
上記範囲を越えると接着性が若干低下する傾向にある。
【0022】第一処理剤の化合物(C)を含む全固形分
濃度は、0.1〜30重量%、更に好ましくは0.3〜
20重量%である。濃度が低すぎると接着性能が不十分
になるし、逆に高すぎると、粘度も高くなり、付着量の
コントロールが難しくなる。
【0023】第一処理剤に主として化合物(C)が含ま
れる場合の全固形分濃度は、0.1〜15重量%、更に
好ましくは0.3〜10重量%である。この際の第二処
理剤中には後述するブロックドポリイソシアネート化合
物、エチレン尿素等を含むものを用いるのが好ましい。
【0024】第一処理剤が、化合物(C)、ブロックド
ポリイソシアネート化合物(D)およびゴムラテックス
(E)を含む場合の全固形分濃度は1〜30重量%、更
に好ましくは3〜20重量%である。
【0025】本発明の第一処理剤に使用するブロックド
ポリイソシアネート化合物(D)はポリイソシアネート
化合物とブロック化剤との付加化合物であり、加熱によ
りブロック成分が遊離して活性なポリイソシアネート化
合物を生ぜしめるものである。 ポリイソシアネート化
合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、メタ
フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネート、トリフェニル
メタントリイソシアネート等のポリイソシアネート、あ
るいはこれらポリイソシアネートと活性水素原子を2個
以上有する化合物例えばトリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール等とをイソシアネート基(−NCO)
とヒドロキシル基(−OH)の比が1を越えるモル比で
反応させて得られる末端イソシアネート基含有のポリア
ルキレングリコールアダクトポリイソシアネートなどが
挙げられる。特にトリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニル
イソシアネートの如き芳香族ポリイソシアネートが優れ
た性能を発現するので好ましい。
【0026】ブロック化剤としては、例えばフェノー
ル、チオフェノール、クレゾール、レゾルシノール等の
フェノール類、ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香
族第二級アミン類、フタル酸イミド類、カプロラクタ
ム、バレロラクタム等のラクタム類、アセトキシム、メ
チルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム等
のオキシム類および酸性亜硫酸ソーダなどを用いる。
【0027】ゴムラテックス(E)としては、例えば天
然ゴムラテックス、スチレン・ブタジエン・コポリマー
ラテックス、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン・
ターポリマーラテックス、ニトリルゴムラテックス、ク
ロロプレンゴムラテックス等であり、これらを単独又は
併用して使用する。これらの中ではビニルピリジン・ス
チレン・ブタジエン・ターポリマーラテックスを単独使
用又は1/2量以上使用した場合が優れた性能を示す。
【0028】第一処理剤が、化合物(C)、ブロックド
ポリイソシアネート化合物(D)およびゴムラテックス
(E)を含む場合、(C)、(D)、(E)各成分の配
合重量比は、(C)/〔(C)+(D)〕は0.05〜
0.9、(E)/〔(C)+(D)〕は0.5〜15と
するのが望ましい。特に(C)/〔(C)+(D)〕が
0.1〜0.5、(E)/〔(C)+(D)〕が1〜1
0の範囲が好ましい。
【0029】ここで(C)/〔(C)+(D)〕が上記
範囲を外れると、アラミド繊維へのゴム付着率が悪くな
り、接着性が低下する傾向があり、又、(E)/
〔(C)+(D)〕が上記範囲より小さくなると処理し
たアラミド繊維が硬くなり、耐疲労性の低下を招くおそ
れがあり、一方上記範囲より大きくなると接着性が低下
してくる。
【0030】第二処理剤は、レゾルシン・ホルマリン・
ゴムラテックスを含む組成物であるが、ここに使用する
レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスは通常RFL
と呼ばれているものであり、レゾルシンとホルムアルデ
ヒドのモル比が1:0.1〜1:8、更に好ましくは
1:0.5〜1:5、特に好ましくは1:1〜1:4の
範囲で用いられる。
【0031】ゴムラテックスとしては、例えば天然ゴム
ラテックス、スチレン・ブタジエン・コポリマーラテッ
クス、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリ
マーラテックス、ニトリルゴムラテックス、クロロプレ
ンゴムラテックス等があり、これらを単独又は併用して
使用する。ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンター
ポリマーラテックスを単独使用又は併用使用するのが好
ましい。併用使用の場合には全ラテックス重量の1/2
量以上使用した場合が優れた性能を示す。
【0032】レゾルシン・ホルマリンとゴムラテックス
との配合比率は、後述の添加剤(F)の添加割合にもよ
るが、固形分量比で1:1〜1:15、更に好ましくは
1:3〜1:12の範囲が望ましい。ゴムラテックスの
比率が少なすぎると処理されたアラミド繊維材料が硬く
なり耐疲労性が悪くなる。逆に多すぎると満足すべき接
着力、ゴム付着率が得られない。
【0033】第二処理剤のRFLにブロックドポリイソ
シアネート、エチレン尿素等の添加剤を添加してもよ
い。ブロックドポリイソシアネートは脂肪族、脂環族も
しくは芳香族ポリイソシアネートとオキシム、フェノー
ル、カプロラクタム等と反応させて得られるが、下記一
般式で表される水溶性ブロックドイソシアネートが好ま
しい。
【0034】
【化6】
【0035】(式中、Aはポリアロマッティックポリイ
ソシアネート(PAPI)、Xはブロック剤残基、Yは
親水化剤残基、Bはジオール成分) エチレン尿素は、特公昭57−21587号報に示され
るような一般式
【0036】
【化7】
【0037】(式中R’は芳香族もしくは脂肪族の炭化
水素残基、nは0,1または2)で表されるエチレン尿
素化合物が好ましい。これらの添加剤は通常乳化剤を使
用して水分散系で使用される。
【0038】ブロックドポリイソシアネートやエチレン
尿素化合物は単独あるいは併用で添加することができ
る。添加率は上記RFLに対し、0.5〜30重量%、
更に好ましくは1.0〜20重量%である。この添加量
が少なすぎると良好な接着力、ゴム付着率が得られな
い。一方、添加量が多すぎると処理剤の粘度が著しく上
昇して繊維材料の処理操作が困難となる。そのうえ、接
着力、ゴム付着率が飽和値に達してこの添加量を増やし
ただけの効果が上がらず、コストが上昇するだけであ
り、処理後の繊維材料は著しく硬くなり、強力が低下し
てくるという欠点が生ずる。第二処理剤は通常、全固形
分を10〜25重量%含有するように調整される。
【0039】第一処理剤および第二処理剤をアラミド繊
維材料へ付着せしめるには、ローラーによる塗布、ノズ
ルからの噴霧、浸漬などの任意の方法を採用することが
できる。アラミド繊維に対する固形分付着量は第一処理
剤組成物として0.1〜10重量%、更に好ましくは
0.5〜5重量%、第二処理剤組成物としては0.5〜
10重量%,更に好ましくは1〜5重量%付着せしめる
のが好適である。該繊維に対する固形分付着量を制御す
る為に圧接ローラーによる絞り、スクレイパー等による
かき落とし、空気吹き付けによる吹き飛ばし、吸引、ビ
ーターによる叩き等の手段を用いてもよい。
【0040】アラミド繊維を第一処理剤で処理した後1
00〜180℃で0.5〜5分間、更に好ましくは1〜
3分間乾燥し、ついで180℃〜260℃、更に好まし
くは220〜250℃の温度で0.5〜5.0分間、更
に好ましくは1〜3分間、熱処理し、更に、第二処理剤
のRFLを含む処理剤で処理後、180〜250℃で
0.5〜5分間、更に好ましくは1〜3分間乾燥し、つ
いで150〜260℃、更に好ましくは220〜250
℃で0.5〜5.0分間、更に好ましくは1〜3分間、
熱処理する。熱処理温度が低すぎるとゴム類との接着が
不十分となり、温度が高すぎると接着剤自身の硬化が起
こり、繊維を硬くしたり、強力劣化を起こしたりして実
用に供し得なくなる。
【0041】
【発明の作用効果】本発明の第一処理剤に含まれる化合
物(C)は塩素基や臭素基などのハロゲン基がアラミド
繊維との親和性を有し、処理剤中の水酸基とブロックド
イソシアネートとが反応し、接着剤の凝集力を高めると
共に、ウレタン結合及び水酸基がRFLとの親和性を発
揮して接着性を発現するものと推察される。また本発明
の方法により処理したアラミド繊維は従来法並みの接着
性能を有する。
【0042】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。なお、実施例においてコード剥離接着力、引抜
接着力、プライ間剥離力は次のようにして求めた値であ
る。 〈コード剥離接着力〉処理コードとゴムとの接着力を示
すものである。天然ゴムを主成分とするカーカス配合の
未加硫ゴムシート表層近くに7本のコードを埋め、15
0℃、30分間、50kg/cm2 のプレス圧力(初期
値)又は180℃、60分間、50kg/cm2 のプレ
ス圧力(耐熱値)で加硫し、次いで、両端のコードを残
し5本のコードをゴムシート面に対し90度の方向へ2
00mm/分の速度で剥離するのに要した力をkg/5
本で示したものである。 〈コード引抜接着力〉処理コードとゴムとの剪断接着力
を示すものである。コードを天然ゴムを主成分とするカ
ーカス配合の未加硫ゴムブロック中に埋め込み、150
℃、30分間(初期値)又は180℃、60分間(耐熱
値)加硫し、次いでコードをゴムブロックから200m
m/分の速度で引き抜き、引き抜きに要した力をkg/
cmで表示したものである。 〈プライ間剥離力〉処理コードとゴムとの接着力を示す
ものである。処理コードをコード密度27本/インチで
並べ、0.4mmの未加硫ゴム2枚に挟み、得られた成
形シート2枚を90度の角度をなすようにクロスプライ
として、天然ゴムを主成分とするカーカス配合の未加硫
ゴム中に埋め込み150℃、30分間、50kg/cm
2 のプレス圧力(初期値)又は180℃、60分間、5
0kg/cm2 のプレス圧力(耐熱値)で加硫した後、
両プライを200mm/分の引張り速度で剥離させるの
に要した力をkg/inchで表示したものである。 〈ゴム付着率〉繊維に対するゴムの接着性を示す尺度で
ある。上記のプライ間剥離力測定の際にゴムから剥離さ
れたコードを肉眼で観察し、目視判定でコード表面のう
ちゴムが付着している部分を百分率で表示したものであ
る。
【0043】
【合成実施例1〜2】メチルエチルケトン208gに、
グリセロールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業株
式会社製、デナコールEX−314)275gを加え、
内温60〜65℃に保ち、次にヘキサメチレンジイソシ
アネート42.3gをメチルエチルケトン52gに溶か
し、これにゆっくり滴下した。更にジブチルチンジアセ
テートの1%メチルエチルケトン溶液を6ml加え内温
60〜65℃で2時間攪拌した後、減圧下で溶剤を留去
し、更に水126g、濃塩酸6.3g、5%硫酸63g
を加え内温60〜65℃で2時間攪拌して目的とする生
成物(C1)を得た。(濃度63.8%、エポキシ含量
0.07%、加水分解性塩素含量1.2%、全塩素含量
9.4%) 合成例1のヘキサメチレンジイソシアネート42.3g
に代えて、トリレンジイソシアネート43.8gを用い
る以外は実施例1と同様に実施して目的とする生成物
(C2)を得た(濃度67.8%、エポキシ含量0.0
3%、加水分解性塩素含量1.3%、全塩素含量10.
4%)。ただし、以下の実施例においては上記合成例の
化合物(C1)を用いた。
【0044】
【実施例1〜7、比較例1】分子構造中にウレタン結合
並びに塩素基を有する下記一般式(化8)の−R−がヘ
キサメチレンである上記合成例1の化合物(C1)(ナ
ガセ化成工業株式会社製、試作品、濃度63.8%)1
0gに界面活性剤として、ネオコールSW−30(第一
工業製薬株式会社製、ジオクチルスルフォサクシネート
ナトリウム30%水溶液)5gを加え均一に溶解した。
これに水985gに撹拌しながら加え、均一に溶解し
た。得られた配合液を第一処理剤とした。
【0045】
【化8】
【0046】また、10%苛性ソーダ水溶液4.4g,
28%アンモニア水溶液12.8gを水314.6gに
加え、よく撹拌して得られた水溶液中に、酸性触媒で反
応せしめたレゾルシン・ホルマリン初期縮合物アドハー
RF(保土ヶ谷化学株式会社製、43%アセトン溶液)
26.7gを添加して十分に撹拌し分散させた。次にニ
ッポール2518FS(日本ゼオン株式会社製、ビニル
ピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマー水乳化
液)263gおよびニッポールLX−112(日本ゼオ
ン株式会社製、スチレン・ブタジエンコポリマー41%
水乳化液)112.8gを水343.7gで希釈した。
この希釈液の中に上記レゾルシン・ホルマリン初期縮合
分散液をゆっくりかきませながら加えてゆき、更にホル
マリン(37%水溶液)11.1gを添加して均一に混
合し、次にこの混合液中にエラストロンBN−04(第
一工業製薬株式会社製、水溶性ブロックドポリイソシア
ネート33%水溶液)90.9gを加えて混合し、得ら
れた配合液を第二処理剤(20%濃度)とした。
【0047】アラミド繊維(帝人株式会社製、商品名テ
クノーラ)1500デニール/1000フィラメントか
らなるマルチフィラメントを2本合わせ、下撚、上撚を
それぞれ逆方向に32回/10cmかけて3000デニ
ールの双撚りコードを得た。
【0048】これらのコードをコンピュートリーター処
理機(CAリツラー株式会社製、タイヤコード処理機)
を用いて、前記第一処理剤中に浸漬した後、130℃で
2分間乾燥し、引き続き230℃で1分間熱処理した。
【0049】次いで、第二処理剤に浸漬した後、170
℃で2分間乾燥し、続いて230℃で1分間熱処理し
た。
【0050】得られた処理コードを天然ゴムを主成分と
するカーカス配合の未加硫ゴム中に埋め込み、プレス圧
力50kg/cm2 でそれぞれ150℃,30分間(初
期値)および180℃,60分間(耐熱値)加硫した。
【0051】第一処理剤の配合条件を表1に示す如く種
々変更して繰り返した。実験結果を表1に示す。比較例
として、化合物(C)の代わりにデナコールEX−31
4(ナガセ化成工業株式会社製、グリセリンジグリシジ
ルエーテル)(比較例1)を用いた以外は実施例1と同
様に実施して処理コードを作成し、接着性を評価した。
結果を併せて表1に示した。表1から明らかなように、
本発明の接着レベルはエポキシ化合物の場合と同等並
み、又はそれ以上の値を示した。
【0052】
【表1】
【0053】
【実施例8〜11、比較例2〜5】実施例1の化合物
(C)(ナガセ化成工業株式会社製、試作品、濃度6
3.8%)4.6gに界面活性剤として、ネオコールS
W−30(第一工業製薬株式会社製、ジオクチルスルフ
ォサクシネートナトリウム30%水溶液)2.5gを加
え均一に溶解した。これを水734gに撹拌しながら加
え、各剤をそれぞれ水に均一に溶解した。ついでS−3
(明成化学工業株式会社製、ε−カプロラクタムブロッ
クドイソシアネートの25重量%水乳化物)48gを加
えて更に撹拌し、ニッポール2518FS(日本ゼオン
株式会社製、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンタ
ーポリマーの41重量%水乳化物)212.5gを加え
均一に混合した。得られた配合液を第一処理剤とした。
【0054】また、第二処理剤は実施例1と同じものを
用い、実施例1と同様に処理した。
【0055】第一処理剤の配合条件を表2に示すとおり
種々変更して繰り返した。実験結果を表2に示す。
【0056】比較例として、実施例から第一浴剤中のブ
ロックドポリイソシアネートを除いたもの(比較例
2)、ゴムラテックスを除いたもの(比較例3)、ブロ
ックドポリイソシアネート及びゴムラテックスを除いた
もの(比較例4)、化合物(C)の代わりにデナコール
EX−611(ナガセ化成工業株式会社製、ソルビトー
ルポリグリシジルエーテル)を用いたもの(比較例5)
について実施した。その他は実施例1と同様に実施し
た。結果を併せて表1に示した。表1から明らかなよう
に、第一浴剤に化合物(C)、ブロックドポリイソシア
ネート(D)及びゴムラテックス(E)の3者が共存
し、かつ第二浴剤にブロックドポリイソシアネート
(F)を添加した場合が接着性が最も良好であることが
わかった。また、この接着レベルは従来と同等の水準を
示した。
【0057】
【表2】
【0058】
【実施例12〜19】実施例8において、化合物
(C)、ブロックドポリイソシアネート(D)及びゴム
ラテックス(E)の配合比率を表3のように変更し、そ
の他の条件は実施例8と同様に実施した。結果を表3に
示す。表3に示した結果から明らかなように、(C)/
〔(C)+(D)〕は0.05〜0.9、(E)/
〔C)+(D)〕は0.5〜15となるように配合する
のがよりレベルの高い接着性が得られることがわかっ
た。
【0059】
【表3】
フロントページの続き (72)発明者 毛利 充邦 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社播磨工場内 (72)発明者 藤井 悟 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社播磨工場内 (72)発明者 岩崎 浩之 兵庫県龍野市龍野町中井236番地 ナガセ 化成工業株式会社播磨工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラミド繊維を、第一処理剤で処理し、
    次いでレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RF
    L)を含む第二処理剤で処理する処理方法において、第
    一処理剤が、分子内に水酸基とエポキシ基をそれぞれ1
    個以上含む化合物(A)と、分子内に2個以上のイソシ
    アネート基を持つポリイソシアネート化合物(B)を反
    応させた後、残存するエポキシ基を加ハロゲン化水素分
    解させる事により得られる、分子構造中にウレタン結
    合、水酸基及びハロゲン基を有する化合物(C)を含む
    ことを特徴とするアラミド繊維の処理方法。
  2. 【請求項2】 化合物(A)が、炭素数2〜10の直鎖
    あるいは分岐状の脂肪族炭化水素化合物であって、1個
    以上の主鎖あるいは分岐上炭素に少なくとも1個のヒド
    ロキシル基が結合しており、かつ1個以上の主鎖あるい
    は分岐上炭素に少なくとも1個のグリシジルエーテル基
    が結合している化合物(A1)である請求項1のアラミ
    ド繊維の処理方法。
  3. 【請求項3】 化合物(A1)が、グリセロールポリグ
    リシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシ
    ジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、
    ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリト
    ールポリグリシジルエーテルからなる群から選ばれた1
    種以上の化合物である請求項2のアラミド繊維の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 化合物(A)が、下記一般式(化1)で
    表される未反応水酸基を含有するポリグリセリンのポリ
    グリシジルエーテル(A2)である請求項1のアラミド
    繊維の処理方法。 【化1】
  5. 【請求項5】 化合物(A2)が、ポリグリセロールポ
    リグリシジルエーテルである請求項4のアラミド繊維の
    処理方法。
  6. 【請求項6】 第一処理剤が、ブロックドポリイソシア
    ネート化合物D)及びゴムラテックス(E)を含む請求
    項1〜5のいずれかに記載のアラミド繊維の処理方法。
  7. 【請求項7】 第二処理剤が、ブロックドポリイソシア
    ネート及びエチレン尿素からなる群から選ばれた化合物
    を含む請求項1〜6のいずれかに記載のアラミド繊維の
    処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019178295A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 住友ゴム工業株式会社 有機繊維・ゴム組成物複合体及びタイヤ

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