JP7332369B2 - ゴムホース補強用アラミド繊維コードおよび繊維補強ゴムホース - Google Patents

ゴムホース補強用アラミド繊維コードおよび繊維補強ゴムホース Download PDF

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Description

本発明はゴムホース補強用アラミド繊維コードに関する。
アラミド繊維は、高耐熱、高強度、高ヤング率および低収縮率といった優れた特性を有することから、ゴムホース補強用繊維コードとして使用されている。アラミド繊維から構成される補強層を有する繊維補強ゴムホースでは、最内層に配された内面ゴム層の上にアラミド繊維からなる補強層が配設され、この補強層の上に層間ゴム層が配設され、この層間ゴム層の上にアラミド繊維からなる補強層が配設され、さらにこの補強層の上に外面ゴム層が配設されている。一般的に、内面ゴム層および外側ゴム層はエチレンプロピレンゴムで構成される。補強層に使用されるアラミド繊維はポリパラフェニレンテレフタラミドまたはコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミドからなり、これらのアラミド繊維がブレード構造またはスパイラル構造をなして補強層を構成する。
ゴムホースの用途の一つである車両用ホースは、ブレーキシステムの鋭敏な動作を確保するために低温から高温までの広範な温度領域で体積膨張量が小さいこと、すなわち耐膨張性が良好であること(低膨張性を有すること)が不可欠である。車両用ホースとして用いるために低膨張性を有するホースの開発が行われており、弾性率の高い繊維コードをホースの補強層に適用することが行われている。
特許第4456825号公報 特開2005-54304号公報
繊維コードの編組時における繊維コード表層の処理剤スカムが脱落する問題があり、スカムの堆積が著しい場合にはスカムが剥がれて繊維コード中に混入することになり、得られる繊維補強ゴムホースの品質が低下する。
本発明の目的は、車両用ホースとして好適な低膨張性の繊維補強ゴムホースの補強繊維として使用することができ、ゴムマトリクスとの良好な接着性を備ながら、繊維補強ゴムホースの製造工程での編組機ガイドに繊維コードが擦過される編組工程において、繊維コード表層の処理剤スカムの脱落が防止されたゴムホース補強用アラミド繊維コードを提供することにある。
すなわち本発明は、内層ゴム層と外層ゴム層との間に繊維補強層を有する繊維補強ゴムホースの繊維補強層として用いられるゴムホース補強用アラミド繊維コードであって、撚糸を行ったアラミド繊維を、先ずポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物を含む第一の処理剤で処理し、次にレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)、ブロックドポリイソシアネート化合物およびクロロフェノール化合物を含む第二の処理剤で処理することで製造されたことを特徴とする、ゴムホース補強用アラミド繊維コードである。
本発明はまた、内層ゴム層と外層ゴム層との間に繊維補強層を有する繊維補強ゴムホースの繊維補強層として用いられるゴムホース補強用アラミド繊維コードの製造方法であって、撚糸を行ったアラミド繊維コードを、先ずポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物を含む第一の処理剤で処理し、次にレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス、ブロックドポリイソシアネート化合物およびクロロフェノール化合物を含む第二の処理剤で処理することを特徴とする、ゴムホース補強用アラミド繊維コードの製造方法である。
本発明によれば、車両用ホースとして好適な低膨張性の繊維補強ゴムホースの補強繊維として使用することができ、ゴムマトリクスとの良好な接着性を備ながら、繊維補強ゴムホースの製造工程での編組機ガイドに繊維コードが擦過される編組工程において、繊維コード表層の処理剤スカムの脱落が防止されたゴムホース補強用アラミド繊維コードを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[アラミド繊維コード]
アラミド繊維コードのアラミドにはパラ系芳香族ポリアミドを用い、好ましくはポリパラフェニレンテレフタルアミドまたはコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタルアミドを用いる。アラミド繊維コードとして、アラミドの繊維、例えばフィラメント糸やスパン糸を撚糸したものを用いることができる。
ポリパラフェニレンテレフタルアミドの繊維は、例えば帝人(株)製トワロン(登録商標)として市場で入手することができ、また、コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタルアミドの繊維は、例えば帝人(株)製テクノーラ(登録商標)として市場で入手することができる。
[第一の処理剤による処理]
本発明では、上記のアラミド繊維コードを、まず、第一の処理剤で処理する。この処理は、アラミド繊維コードに第一の処理剤の固形分成分を付着させる処理である。これは、アラミド繊維コードに第一の処理剤を浸漬または塗布することで行うことができる。塗布は例えばローラーにより行ってもよく、吹き付けにより行ってもよい。
第一の処理剤は、ポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物を含む水分散液である。この処理剤においては、加熱によりブロックドポリイソシアネート化合物のブロック成分が遊離して活性なポリイソシアネート化合物を生ぜしめる。
第一の処理剤である水分散液におけるポリエポキシド化合物の濃度は例えば10重量%以下、好ましくは0.5~8重量%である。この範囲とすることが取扱い性の点で好ましい。
第一の処理剤である水分散液におけるブロクッドポリイソシアネート化合物の濃度は、例えば10~60重量%、好ましくは20~50重量%である。この範囲とすることが接着力の点で好ましい。
第一の処理剤におけるポリエポキシド化合物とブロックドポリイソシアネート化合物との配合比率は、接着性と取り扱い性の観点から、ポリエポキシド化合物1重量部に対してブロックドポリイソシアネート化合物が、例えば1~10重量部、好ましくは2~9重量部とするとよい。
[第二の処理剤による処理]
第二の処理剤による処理は、第二の処理剤の固形分成分をアラミド繊維コードに付着させる処理である。これは、第一の処理剤による処理をした後、すなわち、第一の処理剤の固形分成分部をアラミド繊維コードに付着させる処理をした後、一旦乾燥および熱処理したアラミド繊維コードに対して行う。この処理は、アラミド繊維コードに第二の処理剤を浸漬または塗布することで行うことができる。塗布は例えばローラーにより行ってもよく、吹き付けにより行ってもよい。
第二の処理剤は、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)、ブロックドポリイソシアネート化合物およびクロロフェノール化合物を固形分成分として含有する水分散液である。第二の処理剤である水分散液の固形分の合計の濃度は、例えば1.4~40重量%、好ましくは3~25重量%である。1.4重量%未満であると接着力が発現せず、40重量%を超えると処理剤がゲル化をおこし、処理工程で処理できなくなる。
第二の処理剤である水分散液におけるレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスの含有量は、例えば1~15重量%、好ましくは2~12重量%である。1重量%未満であると十分なゴム接着力が得られず、12重量%を超えるとコード編組時のスカム脱落が著しい。
第二の処理剤である水分散液におけるブロックドポリイソシアネート化合物の含有量は、例えば0.2~20重量%、好ましくは0.5~10重量%である。0.2重量%未満であると接着力が不足しやすく、20重量%を超えるとスカムが発生しやすい。
第二の処理剤である水分散液におけるクロロフェノール化合物の含有量は、例えば0.2~20重量%、好ましくは0.5~10重量%である。0.2重量%未満であると接着力が不足しやすく、20重量%を超えるとコストアップとなる。
[第一の処理剤におけるポリエポキシド化合物]
本発明において第一の処理剤に含有されるポリエポキシド化合物は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を該化合物の100g当たり0.2g当量以上含有する化合物である。このポリエポキシド化合物は、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類とエビクロルヒドリンといったハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、レゾルシン・ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、過酢酸または過酸化水素等で不飽和化合物を酸化して得られるポリエポキシド化合物などである。
このようなポリエポキシド化合物の具体例としては、3,4-エポキシシクロヘキセンエポキシド、3,4-エポキシシクロへキセンメチル、3,4-エポキシシクロヘキセンカルポキシレート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルーシクロへキシルメチル)アジペートなどが挙げられる。特に多価アルコールとエビクロロヒドリンの反応生成物、すなわち、多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物が優れた性能を発現するので好ましい。
ポリエポキシド化合物は、水分散液(乳化液)または溶液として使用する。水分散液または溶液にするためには、ポリエポキシド化合物をそのままか、必要に応じて少量の溶媒に溶解したものを乳化剤とともに用いる。乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩、ノニルフエノールエチレンオキサイド付加物を挙げることができる。
[第一の処理剤におけるブロックドポリイソシアネート化合物]
ブロックドポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とブロック化剤との付加物である。これは、加熱によりブロック成分が遊離して活性なポリイソシアネート化合物を生ぜしめる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリイソシアネート、あるいはこれらポリイソシアネートと活性水素原子を2個以上有する化合物、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリアルキレングリコール等とをイソシアネート基(-NCO)とヒドロキシル基(-OH)の比が1を越えるモル比で反応させて得られる末端イソシアネート基含有の多価アルコールアダクトポリイソシアネートを挙げることができる。特に、トリレジンイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートといった芳香族ポリイソシアネートが優れた性能を発現するので好ましい。
ブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、クレゾール、レゾルシノール等のフェノール、ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香族第2級アミン、フタル酸イミド、カプロラクタム、バレロラクタムといったラクタム、アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシムおよび酸性亜硫酸ソーダを挙げることができる。
[第二の処理剤におけるレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス]
レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスは、一般的にRFLと呼ばれるものであり、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとを混合熟成したものである。このレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスにおけるレゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は、例えば1:0.1~1:8、好ましくは1:0.5~1:5である。ゴムラテックとして、好ましくはスチレンブタジエンビニルピリジンラテックス(VPラテックス)およびクロロプレンラテックスのブレンドを用いる。
[第二の処理剤におけるブロックドポリイソシアネート化合物]
ブロックドポリイソシアネート化合物としては、第一の処理剤として説明したものを用いることができる。第一の処理剤として用いたものと同じものを用いてもよく、異なるものを用いてもよい。
[第二の処理剤におけるクロロフェノール化合物]
クロロフェノール化合物としては、パラクロルフェノールとレゾルシンとホルムアルデヒドとを共縮合した化合物であることが好ましい。クロロフェノール化合物として具体的には、下記の構造式で表される3核体((I)の化合物)、5核体((II)の化合物)または7核体((III)の化合物)を用いることが好ましい。クロロフェノール化合物は、これらの混合物であってもよい。
これらのクロロフェノール化合物において、パラクロロフェノールとレゾルシン・ホルマリンとの比率は、パラクロロフェノール/レゾルシン・ホルマリンが20/80~80/20(重量比)とすることが、ゴム接着の観点から好ましい。
Figure 0007332369000001
Figure 0007332369000002
Figure 0007332369000003
[繊維コードへの付着量]
最終的にアラミド繊維コードに付着する第一の処理剤と第二の処理剤に由来する固形分(ポリエポキシド化合物、ブロクッドポリイソシアネート化合物、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス、ブロックドポリイソシアネート化合物およびクロロフェノール化合物)の合計量は、付着前の繊維コードの重量100重量%に対して、好ましくは1~6重量%、さらに好ましくは2~5重量%である。1重量%未満であると接着力が不足しやすく好ましくなく、6重量%を超えるとスカムが発生しやすく好ましくない。
〔製造方法〕
本発明のゴムホース補強用アラミド繊維コードは、撚糸を行ったアラミド繊維コードを、先ずポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物を含む第一の処理剤で処理し、次にレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス、ブロックドポリイソシアネート化合物およびクロロフェノール化合物を含む第二の処理剤で処理することによって製造することができる。
詳しくは、撚糸行ったアラミド繊維コードを第一の処理剤に浸漬したあと130~180℃の温度で2~5分間、好ましくは1~3分間乾燥し、ついで180~260℃、好ましくは220~250℃の温度で、0.5~5.0分間、好ましくは1~3分間熱処理をする。この熱処理後のアラミド繊維コードに対して、第二の処理剤をローラーによって接触させて塗布するか、ノズルからの噴霧によって塗布することで第二の処理剤による処理を行い、その後130~250℃の温度で0.5~5分間、好ましくは1~3分間乾燥し、次いで150~260℃、好ましくは220~250℃の温度で0.5~5.0分間、好ましくは1~3分間熱処理する。乾燥および熱処理の温度がこれらより低いとゴムとの接着が不十分となりやすく、他方、乾燥および熱処理の温度がこれらより高いと接着剤自体の硬化が起こり、繊維を硬くしたり、強力劣化を起こしたりして実用に供し難くなる。
アラミド繊維コードに対する処理剤の固形分の付着量を制御するためには、圧接ローラーによる絞り、スクレバー等によるかき落とし、空気吹きつけによる吹き飛ばし、吸引、ビーターによる叩き等の手段を用いることができる。他方、付着量を多くするためには複数回付着させればよい。
〔繊維補強ゴムホース〕
本発明のゴムホース補強用アラミド繊維コードは、公知の方法で筒状に編組してその内層と外層にゴム層を設けることで、繊維補強層を有する繊維補強ゴムホースとすることができる。この場合、内層と外層のゴム層は、いずれもエチレンプロピレンから構成されることが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例における特性の評価は下記の方法に従った。
(1)コード引抜接着力
コード引抜接着力は、アラミド繊維コードとゴムとの引抜接着力を示すものである。接着処理された繊維コードを1cm幅のEPDM系未加硫ゴムに埋め込み、150℃の温度で30分間蒸気加硫行うことでテストピースを作成した。このテストピースにおいて繊維コードをゴムから引き抜くときに要した力(N)をコード引抜接着力とした。コード引抜接着力の評価に使用したゴムの配合比率は以下のとおりである。なお、EPDMはエチレンプロピレンジエンゴムを意味し、JSR(株)製EPを用いた。HAF-カーボンブラックとして旭カーボン(株)製#70を用いた。
EPDM 100重量部
HAF-カーボンブラック 120重量部
プロセスオイル(パラフィン系) 90重量部
亜鉛華 5重量部
ステアリン酸 3重量部
加硫剤 3.5重量部
加硫促進剤 2.5重量部
(2)編組時スカム脱落
接着処理された繊維コードを、ブレーダーを使用して編組した。このときのガイド付近に発生するディップカスの様子を目視で確認した。スカムがほとんど発生することなく良好な工程通過性を示した場合は○、スカムが発生しブレーダー装置に付着した場合は×として評価した。
(3)ホース膨張量
編組した繊維コード繊維補強層として用い、内層ゴム層と外層ゴム層との間に繊維補強層を有する繊維補強ゴムホースを作成した。この繊維補強ゴムホースのホース膨張量を、JIS D2601「自動車部品-非鉱油系液圧ブレーキホースアセンブリ」に準じて測定した。
〔実施例1〕
第一の処理剤として、ポリエポキシド化合物(商品名:デナコールEX611;ナガセ化成(株)製、ソルビトールグリシジルエーテル)とブロックドポリイソシアネート化合物(商品名:エラストロンE-37;第一工業製薬(株)製)をポリエポキシド化合物とブロックドポリイソシアネート化合物との重量比率で20:80に混合したものを、これらの成分の合計が5重量%の濃度となる水分散液に調製した。
次いで第二の処理剤を以下のとおりに調製した。まず、苛性ソーダ水溶液、アンモニア水溶液を加えた水に、酸性触媒で反応せしめたレゾルシン・ホルマリン初期縮合物:スミカノール700S(住友化学(株)製、65重量%水溶液)を添加して十分に攪拌し分散させた。これにホルマリンを、R/F(レゾルシン/ホルマリン)比が1:2(モル比)となるように添加して均一に混合し、温度20℃で2時間熟成させた。
次に、ニッポール2518FS(日本ゼオン(株)製、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマー水乳化物)とLT-50(電気化学工業(株)製、クロロプレンゴムラテックス:50重量%乳化物)を混合したもの(L)を、前記レゾルシン・ホルマリン初期縮合物(RF)分散液と、固形分比率(RF/L比)で1:9(重量比)となるように、また、エラストロンBN-69(第一工業製薬(株)製、ジフェニルメタンジイソシアネートメチルエチルケトンオキシムブロック化合物 33重量%水分散物)をRFLと固形分比率で6:1(重量比)となるよう加えて、さらに温度20℃で24時間熟成させた。
使用直前にデナボンド(ナガセ化成工業(株)製、特殊クロロフェノール化合物20重量%溶液)をRFLと固形分比率(デナボンド/RFL比)で2:1(重量比)となるよう添加し、十分攪拌して処理剤の調整を行った。なお、処理剤の粘度、付着量のコントロールは処理剤への水の添加希釈により調節した。
他方で、アラミド繊維コードとして、帝人(株)製テクノーラ繊維1000デニールのマルチフィラメントを2本合撚糸により10T/10cmの撚りをかけアラミド繊維コードを用意した。
このアラミド繊維コードを、コンピュートリーター処理機(CAリツラー(株)製)を用いて第一の処理剤に浸漬した後、150℃の温度で2分間乾燥し、続いて235℃の温度で1分間熱処理し、次いで第二の処理剤に浸漬したのち、210℃の温度で1分間熱処理した。熱処理後のアラミド繊維コードには、処理剤の固形分が5重量%付着していた。なお、処理剤の固形分は、第一の処理剤と第二の処理剤に由来する。得られたアラミド繊維コードの評価結果を表1示す。
Figure 0007332369000004
〔比較例1〕
第一の処理剤による処理を行わないほかは実施例1と同様に実施した。熱処理後のアラミド繊維コードには処理剤の固形分が5重量%付着していた。評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
第一の処理剤にポリブロックドイソシアネート化合物を含有させないほかは実施例1と同様に実施した。熱処理後のアラミド繊維コードには処理剤の固形分が5重量%付着していた。評価結果を表1に示す。
本発明のアラミド繊維コードは、内層ゴム層と外層ゴム層との間に繊維補強層を有する繊維補強ゴムホースの繊維補強層の構成部材として好適に用いることができる。本発明のゴムホース補強用アラミド繊維コードを用いた繊維補強ゴムホースは、自動車の横滑り防止装置のブレーキホースとして好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 内層ゴム層と外層ゴム層との間に繊維補強層を有する繊維補強ゴムホースの繊維補強層として用いられるゴムホース補強用アラミド繊維コードであって、撚糸を行ったアラミド繊維を、先ずポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物を含む第一の処理剤で処理し、次にレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス、ブロックドポリイソシアネート化合物およびクロロフェノール化合物を含む第二の処理剤で処理することで製造され、第一の処理剤におけるポリエポキシド化合物とブロックドポリイソシアネート化合物との配合比率は、ポリエポキシド化合物1重量部に対してブロックドポリイソシアネート化合物が2~9重量部であることを特徴とする、自動車のブレーキホースとして用いられるゴムホース補強用アラミド繊維コード。
  2. 請求項1記載のゴムホース補強用アラミド繊維コードを含む補強層、その一方の面に設けられた第一のゴム層および該繊維コード補強層の他方の面に設けられた第二のゴム層を含み、かつ第一のゴム層および第二のゴム層がエチレンプロピレン系ゴムからなる、自動車のブレーキホースとして用いられる繊維補強ゴムホース。
  3. 内層ゴム層と外層ゴム層との間に繊維補強層を有する繊維補強ゴムホースの繊維補強層として用いられるゴムホース補強用アラミド繊維コードの製造方法であって、撚糸を行ったアラミド繊維コードを、先ずポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物を含む第一の処理剤で処理し、次にレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス、ブロックドポリイソシアネート化合物およびクロロフェノール化合物を含む第二の処理剤で処理し、第一の処理剤におけるポリエポキシド化合物とブロックドポリイソシアネート化合物との配合比率は、ポリエポキシド化合物1重量部に対してブロックドポリイソシアネート化合物が2~9重量部であることを特徴とする、自動車のブレーキホースとして用いられるゴムホース補強用アラミド繊維コードの製造方法。
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