JPH10273877A - ゴム補強用繊維の製造方法 - Google Patents

ゴム補強用繊維の製造方法

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JPH10273877A
JPH10273877A JP9079346A JP7934697A JPH10273877A JP H10273877 A JPH10273877 A JP H10273877A JP 9079346 A JP9079346 A JP 9079346A JP 7934697 A JP7934697 A JP 7934697A JP H10273877 A JPH10273877 A JP H10273877A
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compound
fiber
rubber
residue
treatment liquid
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JP9079346A
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English (en)
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Yasumi Kanda
やすみ 神田
Hiromitsu Shoji
宏光 東海林
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムと繊維との接着剤組成物において、毒
性や処理時の悪臭の点から好ましくないエチレンイミン
化合物を含有させなくてもエチレンイミン化合物含有接
着剤と同等以上の接着性、耐熱性および耐疲労性などを
有するゴム補強用繊維を製造する方法を提供する。 【解決手段】 繊維を、ポリエポキシド化合物、ブロ
ックドポリイソシアネート化合物、ゴムラテックス及び
ケイ酸塩化合物を含む第1処理液で処理し、次に、レゾ
ルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックス(RFL)
と下記一般式(I)で表される水溶性ウレタン化合物と
を含む第2処理液で処理することによりゴム補強用繊維
を製造する。 【化1】 (Aは芳香族ポリイソシアネート残基、Xはポリオール
残基、Yはブロック剤残基、Zは親水性残基であり、
(l+m)は2〜4、l,mは1以上、nは1〜4であ
る整数をそれぞれ表わす)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴムと繊維との接着
剤組成物において、毒性や処理時の悪臭の点から好まし
くないエチレンイミン化合物を含有しなくても優れた接
着性、耐熱性および耐疲労性などを有するゴム補強用繊
維を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タイヤ、ベルトおよびホースなどのゴム
構造物の補強材としては、ナイロン6繊維やナイロン6
6繊維に代表されるポリアミド繊維、ポリエチレンテレ
フタレート繊維に代表されるポリエステル繊維、芳香族
ポリアミド繊維などの合成繊維が用いられている。
【0003】ポリエステル繊維や芳香族ポリアミド繊維
は、高い比強度や比弾性率および寸法安定性などの特性
を有するのでゴム補強用繊維として広く用いられている
が、これらの繊維は繊維自身の表面が不活性なことか
ら、ナイロン繊維に比較してゴムとの接着性に乏しいと
いう問題を有している。
【0004】これまでに知られているゴムとの接着性改
良技術としては、例えば、特開平5−148761号公
報に記載のように、ポリエステル繊維をレゾルシン・ホ
ルムアルデヒド・ゴムラテックスの混合物、トリアジン
化合物、ポリエポキシド化合物およびエチレンイミン化
合物からなる第1処理液にて処理し、引き続いてレゾル
シン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックスの混合物から
なる第2処理液によって処理する方法がある。
【0005】また、特開平5−148760号公報に記
載のように、芳香族ポリアミド繊維をレゾルシン・ホル
ムアルデヒド・ゴムラテックスの混合物、エチレンイミ
ン化合物およびポリエポキシド化合物なる第1処理液に
て処理し、引き続いてレゾルシン・ホルムアルデヒド・
ゴムラテックスの混合物およびフェノール系化合物から
なる第2処理液によって処理する方法がある。
【0006】しかし、これらの方法では接着力は向上す
るものの、エチレンイミン化合物は皮膚への吸収により
赤ハンや頭痛や吐き気などの症状を呈する危険性があ
り、さらに処理時に悪臭が発生するので、その取扱い及
び処理時の排気には万全の対策を講じる必要があり、工
業的実施において使用するには好ましいものではなかっ
た。
【0007】一方、特開平8−100165号公報に記
載のように、ポリエステル繊維や芳香族ポリアミド繊維
をケイ酸塩化合物、ポリエポキシ化合物、ブロックイソ
シアネート化合物およびゴムラテックスからなる第1処
理液により処理し、引き続いてレゾルシン・ホルムアル
デヒド・ゴムラテックスの混合物からなる第2処理液に
よって処理する方法がある。
【0008】しかし、この方法では繊維への接着剤付着
量を減少しても優れた接着力が得られるという利点があ
るが、接着剤付着量が少ないために耐熱接着性の点が不
満足であるという問題を有していた。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点を解消し、ゴムと繊維との接着剤
組成物において、毒性や処理時の悪臭の点から好ましく
ないエチレンイミン化合物を含有させなくてもエチレン
イミン化合物含有接着剤と同等以上の接着性、耐熱性お
よび耐疲労性などを有するゴム補強用繊維を製造する方
法を提供することを主な目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のゴム補強用繊維の製造方法は、繊維を、ポ
リエポキシド化合物、ブロックドポリイソシアネート化
合物、ゴムラテックス及びケイ酸塩化合物を含む第1処
理液で処理し、次に、レゾルシン・ホルムアルデヒド・
ゴムラテックス(RFL)と下記一般式(I)で表され
る水溶性ウレタン化合物とを含む第2処理液で処理する
ことを特徴とする。
【化4】 (Aは芳香族ポリイソシアネート残基、Xはポリオール
残基、Yはブロック剤残基、Zは親水性残基であり、
(l+m)は2〜4、l,mは1以上、nは1〜4であ
る整数をそれぞれ表わす)
【0011】さらに、第2処理液には、下記一般式(I
I)又は(III)で表される化合物が含まれることが好ま
しい。
【化5】 (nは0または1〜15の整数を表わす)
【化6】 (xは1〜8の整数、nは0または1〜15の整数を表
わす)
【0012】そして、一般式(I)化合物中のブロック
剤残基(Y)の解離温度が130〜200℃であること
が好ましく、また、第2処理液におけるRFLと水溶性
ウレタン化合物との配合割合(重量比)が100/5〜
100/30であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において接着剤処理液で処
理する際の繊維は、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミ
ド繊維などの合成繊維を素材としてなるフィラメント
糸、コード、織物および編組物などの形態であればよ
く、それら接着剤処理液(第1処理液、第2処理液)の
有効成分によって繊維の表面が被覆される。
【0014】そのポリエステル繊維としては、ポリエチ
レンテレフタレートまたは主としてエチレンテレフタレ
ート単位からなる高分子量の線状ポリエステルを素材と
するものが好ましく使用される。
【0015】また、芳香族ポリアミド繊維としては、ポ
リ−P−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−P−フェ
ニレン・3−4′ジフェニルエーテルテレフタルアミド
およびこれらを主体とする共重合体などを素材とするも
のが好ましく使用される。
【0016】次に、本発明において使用する接着処理液
の組成について説明する。
【0017】まず、第1処理液に含まれるポリエポキシ
ド化合物は、多価アルコールのポリグリシジルエーテル
化合物で、1分子中に2個以上のエポキシ基を含有する
化合物であり、具体的にはグリセロール、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、エチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコールおよびポリプ
ロピレングリコール等の多価アルコール類とエピクロル
ヒドリンのようなハロゲン含有エポキシド類との反応生
成物、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジ
メチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レ
ゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類
と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応性生物、ビス
−(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシクロヘキシル
メチル)アジベート、3,4−エポキシシクロヘキセン
エポキシド等の不飽和結合部分を酸化して得られるポリ
エポキシド化合物をいう。好ましくは多価アルコール類
とエピクロルヒドリンの反応生成物(多価アルコールの
ポリグリシジルエーテル化合物)が挙げられる。
【0018】次に、ブロックドポリイソシアネート化合
物は、熱によりブロック剤が遊離して活性なイソシアネ
ート化合物を生じる化合物であり、具体的にはトリレン
ジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、
ジフェニールメタンジイソシアネート、ヘキサメチリン
ジイソシアネートおよびトリフェニールメタントリイソ
シアネートなどのポリイソシアネート化合物と、フェノ
ール、クレゾール、レゾルシンなどのフェノール類、ε
−カプロラクタム、バレロラクタムなどのラクタム類、
アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘ
キサンオキシムなどのオキシム類およびエチレンイミン
などから選ばれたブロック化剤との反応生成物などが挙
げられる。
【0019】これらのブロックドポリイソシアネート化
合物のなかでも、特にε−カプロラクタムでブロックさ
れた芳香族ポリイソシアネート化合物およびジフェニル
メタンジイソシアネートの芳香族化合物の使用が良好な
結果を与える。
【0020】そして、ゴムラテックスとしては、天然ゴ
ムラテックス、スチレン・ブタジエンゴムラテックス、
アクリロニトリル・ブタジエンゴムラテックス、クロロ
プレンゴムラテックスおよびビニルピリジン・スチレン
・ブタジエンゴムラテックスなどのゴムラテックスが挙
げられ、これらを単独または混合して使用することがで
きる。
【0021】さらに、ケイ酸塩化合物は、合成された親
水性のケイ酸塩化合物であることが好ましく、合成され
た親水性ケイ酸塩化合物の水溶液は見かけ粘度が上昇す
るので液の沈降分離が起こりにくく、粒子が微細である
ので低濃度スラリーでも水と固形粒子との均一性分散性
が大きく、接着剤成分を繊維表面に均一に付着すること
ができる。また、ケイ酸塩化合物は接着剤被膜の凝集力
を高めるので接着力を向上させ、一方ではコードの柔軟
化をはかるので耐疲労性を向上させ、ゴム補強用繊維の
特性を大幅に改良することができる。
【0022】第2処理液には、レゾルシン−ホルムアル
デヒド初期縮合物とゴムラテックスとの混合物(RF
L)と水溶性ウレタン化合物とが含まれる。
【0023】水溶性ウレタン化合物とは、前記一般式
(I)で表される熱反応型水溶性ウレタン樹脂であり、
官能数3〜5の芳香族ポリイソシアネート残基A、2〜
4個の活性水素原子を有するX(ポリオール残基)、熱
処理によってイソシアネート基を遊離するブロック剤残
基Y、1個以上の活性水素原子かアニオン形成性基を有
する親水性残基Zを有する化合物である。
【0024】この水溶性ウレタン化合物は、処理時にY
部分のブロック剤が解離し、独特の臭気を発生するので
ブロック剤の解離温度は130℃以上が好ましく、ま
た、接着性の点からは200℃以下であることが好まし
い。このブロック剤の解離温度は、示差熱分析装置(T
DA)と熱重量測定装置とを組合せた測定装置(島津製
作所製)を用い、測定温度20〜400℃、昇温速度1
0℃/分、測定雰囲気N2 ガスの条件で測定して得られ
る値である。
【0025】さらに、上記の水溶性ウレタン化合物は水
溶性であるので、接着剤成分の水溶液に添加した時の液
安定性がよく、繊維表面に対する接着剤成分の均一付着
化を助ける。
【0026】また、接着向上剤として、さらに、前記一
般式(II)又は(III)で示される化合物を配合すること
も好ましい。
【0027】前記一般式(II)の化合物としては、2,
6−ビス(2′,4′−ジヒドロキシ−フェニールメチ
ル)−4−クロロフェノール(商品名:バルカボンド
E,デナボンド)が挙げられ、前記一般式(III)の化合
物としては、ハロゲン化フェノール、ホルムアルデヒド
およびフェノール誘導体または多価フェノール類と塩化
硫黄とから導かれた化合物(商品名:スミカノール75
0)が用いられる。
【0028】次に、本発明の第1処理液の組成割合につ
いて説明する。本発明のポリエポキシド化合物/ブロッ
クドポリイソシアネート化合物/ゴムラテックスの配合
比は10〜25重量%/20〜35重量%/0〜70重
量%、特に、10〜20重量%/20〜30重量%/0
〜70重量%の割合が好ましく、ポリエポキシド化合物
/ブロックドポリイソシアネート化合物の配合量が少な
過ぎると初期接着力を満足させることが困難となる。
【0029】合成ケイ酸塩化合物は前記ポリエポキシド
化合物/ブロックドポリイソシアネート化合物/ゴムラ
テックスの混合物100重量%に対し1〜15重量%で
あればよく、3〜10重量%の範囲が特に好ましい。合
成ケイ酸塩化合物が1重量%未満ではコードが硬くな
り、15重量%を超えると接着剤付着斑がおこって接着
力が低下し易いので好ましくない。
【0030】第1処理液の総固形分濃度は3〜15%で
使用され、好ましくは4〜10%で使用するのが最適で
ある。固形分濃度が高くなり過ぎると、液の安定性に問
題が生じてくる。
【0031】本発明の第2処理液のレゾルシン−ホルム
アルデヒド初期縮合物とゴムラテックスの混合物は通常
RFLと呼ばれているもので、レゾルシンとホルムアル
デヒドとの初期縮合物はアルカリ触媒下で得られたもの
でレゾルシンとホルムアルデヒドのモル比1:0.3〜
1:5、好ましくは1:0.75〜1:2.0の範囲で
ある。このレゾルシンとホルムアルデヒドのノボラック
型縮合物を使用に際して、アルカリ触媒水溶液に溶解
後、ホルムアルデヒドを添加し、レゾルシンとホルムア
ルデヒド初期縮合物と同様のモル比にするのが好まし
い。レゾルシンホルムアルデヒド初期縮合物とゴムラテ
ックス(L)の配合比率は、固形分重量比で1:3〜
1:12、好ましくは、1:5〜1:9の範囲で使用さ
れる。なお、そのゴムラテックスとしては前記した同様
の物が用いればよい。
【0032】このRFLに接着性向上のために前記一般
式(I)で示された水溶性ウレタン化合物を前記第2処
理液のRFL100重量%に対し5〜30重量%、好ま
しくは10〜25重量%添加するのがよい。5重量%未
満では接着力および耐熱性の向上の程度が小さく、30
重量%を超えると接着力向上が飽和状態に達し、コード
硬化などのマイナス効果が発生する。
【0033】このRFLと水溶性ウレタン化合物の混合
液に接着性向上のために前記一般式(II)又は(III)で
示される化合物を添加する場合には、前記第2処理液の
RFL100重量%に対し10〜35重量%、好ましく
は15〜30重量%添加するのがよい。10重量%未満
では接着力の向上が望まれなく、35重量%以上では接
着力向上が飽和になり効果が見られない。
【0034】第2処理液の総固形分濃度は5〜20%で
使用され、好ましくは7〜15%で使用するのが最適で
ある。固形分濃度が高くなると、液の安定性に問題が生
じてくる。第1処理液および第2処理液を繊維に付着さ
せるには、浸漬、ノズル噴霧、ローラーによる塗布など
の任意の方法を採用ればよい。
【0035】ポリエステル繊維への接着剤組成物の付着
率(第1処理と第2処理との計)は、乾燥重量比でポリ
エステル繊維に対し1.5〜4.5重量%で、そのなか
でも2.0〜3.5重量%が最適である。1.5重量%
を下まわると接着力が低下し好ましくない。また、4.
5重量%を超えると耐疲労性および耐熱性が低下する。
【0036】芳香族ポリアミド繊維への接着剤組成物の
付着率は、乾燥重量比で芳香族ポリアミド繊維繊維に対
し3.0〜6.0重量%で、そのなかでも3.5〜5.
0重量%が最適である。3.0重量%を下まわると接着
力が低下し好ましくない。また、6.0重量%を超える
と耐疲労性および耐熱性が低下する。
【0037】前記第1処理液の混合液を繊維に付与し、
70〜150℃で乾燥した後、200〜245℃で熱処
理を施し、引き続き前記第2処理液を付与し、第1処理
液同様70〜150℃で乾燥し、200〜255℃で熱
処理を施す。
【0038】
【実施例】次に、実施例により、本発明を具体的に説明
する。各測定値は次の方法により求めたものである。
【0039】(1)T−初期接着力およびT−耐熱接着
力 JIS L−1017(1983年)の接着力−A法に
準じて下記条件で処理コードを未加硫ゴムに埋め込み、
加圧下で初期接着力は150℃、30分、耐熱接着力は
170℃、16時間プレス加硫をおこない、放冷後コー
ドをゴムブロックから30cm/minの速度で引き抜
き、その引き抜き加重をKg/cmで表示した。未加硫
ゴムは一般的な自動車タイヤ用カーカス配合ゴムを用い
た。
【0040】(2)剥離接着力および熱中剥離接着力 一般的な自動車タイヤ用カーカス配合ゴムに処理コード
を26本/インチの密度で埋め込んだトッピングシート
2枚を、処理コードが平行になるように貼り合せ、15
0℃、30分間プレス加硫おこない、放冷後コードを、
通常の剥離テストは20℃、熱中剥離テストは70℃の
環境下で5cm/minの速度で剥離し、その剥離荷重
をKg/2cmで表示した。
【0041】(3)コード強力 “テンシロン”を使用してJIS L−1017(19
83年)に準じて測定した。
【0042】(4)耐疲労性(グッドリッチ法ディスク
疲労) JIS L−1017(1983年)に準じ、ポリエス
テル繊維を埋めたゴムブロックを伸長率5%,圧縮率2
0%になるように傾けた2枚のディスクの周囲に取り付
け、1705rpmで48時間繰り返し疲労を与えた後
の強力残存率を100分率で示した。芳香族ポリアミド
繊維の場合は、伸長率0%,圧縮率12%、1705r
pmで6時間疲労後の強力残存率を100分率で示し
た。使用したゴムコンパウンドは前記接着用に使用した
同一コンパウンドである。
【0043】(5)処理時の臭気 繊維を第2処理液で熱処理したときに発生する臭いを人
間の嗅覚で判断し、臭くない場合を○、悪臭の場合を×
で表したものである。
【0044】[実施例1〜5]第1浴処理液として、ポ
リグリセロールポリグリシジルエーテル(ポリエポキシ
ド化合物)に水を加えてホモジナイザーを用いて乳化し
た物と、ε−カプロラクタムでブロックされた芳香族ポ
リイソシアネート化合物(ブロックドポリイソシアネー
ト化合物)と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン
ラテックスと、合成ケイ酸塩化合物の1%水分散液とを
表1に記載の所定の比率で混合し、液固形分濃度5.5
%の第1浴処理液を得た。
【0045】第2浴処理液として、苛性ソーダの存在下
でレゾルシン1モルに対しホルムアルデヒドを2.0モ
ル反応させて得られた初期縮合物とビニルピリジン−ス
チレン−ブタジエンラテックスとを表1に記載の所定の
比率で混合し、24時間熟成させた。本処理液に下記の
水溶性ウレタン化合物、及び、必要に応じて、前記一般
式(II)(III)の化合物(下記)を混合し、液固形分濃
度10%の第2処理液を得た。
【0046】水溶性ウレタン化合物: 前記した一般式
(I)において、A=ポリメチレンポリフェニルポリイ
ソシアネート、X=ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド2モル付加物、Y=解離温度が180℃のブロック
剤、Z=タウリンソーダ、n=2〜4、l+m=2〜4
である化合物 前記一般式(II)の化合物:“デナボンド”(ナガセ化
成工業(株)製) 前記一般式(III)の化合物:“スミカノール750”
(住友化学工業(株)製)
【0047】固有粘度0.95のポリエチレンテレフタ
レートを溶融紡糸、延伸して得られた1500デニール
のマルチフィラメント糸2本を下撚40回/10cm,
上撚40回/10cmの撚数で撚糸して生コードとし
た。次いで、生コードをコンピュートリータ処理機(リ
ッツラー社製)を用いて、前記第1処理液に浸漬後、1
30℃で150秒乾燥し、続いて240℃で60秒間熱
処理した。次いで前記第2処理液に浸漬後、100℃で
150秒乾燥し、続いて230℃で60秒間熱処理し
た。得られた処理コードの第1浴処理液の付着量は1.
3重量%、第2処理液の付着量1.5重量%であった。
【0048】該処理コードについてT−接着力、剥離接
着力、コード強力、処理時の臭いを測定した結果を表1
に示した。
【0049】[比較例1〜2]比較例1は実施例のケイ
酸塩化合物を添加していないもの、比較例2は実施例の
水溶性ウレタン化合物をエチレンイミン化合物に変更
し、表1記載の所定の比率で混合し、それ以外は実施例
1〜5と同一条件で処理し、結果を表1に示した。 表
1のように本発明によって処理されたゴム補強用ポリエ
ステル繊維は、従来並みのあるいはそれ以上の接着性、
耐熱性および耐疲労性を有し、従来のエチレンイミン化
合物特有の処理時の悪臭を排除できた。
【0050】
【表1】
【0051】[実施例6〜8]表示繊度1500デニー
ル、フィラメント数1000本の芳香族ポリアミド繊維
のマルチフィラメント糸(デュポン社製“ケブラー”)
の2本を下撚35回/10cm,上撚35回/10cm
の撚数で撚糸して生コードとした。上記生コードをコン
ピュートリータ処理機(リッツラー社製)を用いて、表
2記載の配合で混合した第1処理液に浸漬後、130℃
で150秒乾燥し、続いて240℃で60秒間熱処理し
た。次いで表2記載の配合で混合した第2処理液に浸漬
後、100℃で150秒乾燥し、続いて230℃で60
秒間熱処理した。得られた処理コードの第1浴処理液の
付着量は2.5重量%、第2処理液の付着量2.0重量
%であった。
【0052】該処理コードについてT−接着力、コード
強力、耐疲労性、処理時の臭いを測定した結果を表2に
示した。
【0053】[比較例3〜4]比較例3は実施例のケイ
酸塩化合物を添加していないもの、比較例4は実施例の
水溶性ウレタン化合物をエチレンイミン化合物に変更
し、表1記載の所定の比率で混合し、それ以外は実施例
1〜5と同一条件で処理し、結果を表2に示した。 表
2のように本発明によって処理されたゴム補強用芳香族
ポリアミド繊維は、従来並みのあるいはそれ以上の接着
性、耐熱性および耐疲労性を有し、従来のエチレンイミ
ン化合物特有の処理時の悪臭を排除できた。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の方法により処理されて得られる
ゴム補強用繊維は、従来のエチレンイミン化合物の毒性
や処理時の悪臭の問題がなく、しかも、エチレンイミン
化合物含有接着剤と同等以上の接着性、耐熱性および耐
疲労性などを有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維を、ポリエポキシド化合物、ブロ
    ックドポリイソシアネート化合物、ゴムラテックス及び
    ケイ酸塩化合物を含む第1処理液で処理し、次に、レゾ
    ルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックス(RFL)
    と下記一般式(I)で表される水溶性ウレタン化合物と
    を含む第2処理液で処理することを特徴とするゴム補強
    用繊維の製造方法。 【化1】 (Aは芳香族ポリイソシアネート残基、Xはポリオール
    残基、Yはブロック剤残基、Zは親水性残基であり、
    (l+m)は2〜4、l,mは1以上、nは1〜4であ
    る整数をそれぞれ表わす)
  2. 【請求項2】 第2処理液に、下記一般式(II)又は
    (III)で表される化合物がさらに含まれることを特徴と
    する請求項1記載のゴム補強用繊維の製造方法。 【化2】 (nは0または1〜15の整数を表わす) 【化3】 (xは1〜8の整数、nは0または1〜15の整数を表
    わす)
  3. 【請求項3】 第2処理液におけるRFLと水溶性ウレ
    タン化合物との配合割合(重量比)が100/5〜10
    0/30であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    ゴム補強用繊維の製造方法
  4. 【請求項4】 一般式(I)中のブロック剤残基
    (Y)の解離温度が130〜200℃であることを特徴
    とする請求項1、2又は3記載のゴム補強用繊維の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 ゴム補強繊維がポリエステル繊維又は
    芳香族ポリアミド繊維であることを特徴とする請求項
    1、2、3又は4記載のゴム補強用繊維の製造方法。
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