JP2002348777A - ポリエステル繊維の接着処理方法および繊維補強ゴム複合体 - Google Patents

ポリエステル繊維の接着処理方法および繊維補強ゴム複合体

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JP2002348777A
JP2002348777A JP2001158398A JP2001158398A JP2002348777A JP 2002348777 A JP2002348777 A JP 2002348777A JP 2001158398 A JP2001158398 A JP 2001158398A JP 2001158398 A JP2001158398 A JP 2001158398A JP 2002348777 A JP2002348777 A JP 2002348777A
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polyester fiber
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Teru Toki
輝 土岐
Hirosuke Watanabe
博佐 渡邊
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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  • Ropes Or Cables (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤付着状態が均一であり、特にホースの
補強用繊維として該ゴムマトリックスとの接着性が改良
されたポリエステル繊維を得るための接着処理方法を提
供すること。 【解決手段】 ポリエステル繊維を特殊クロロフェノー
ル化合物を含有したレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテ
ックス(RFL)系接着剤で処理するに際し、該特殊ク
ロロフェノール化合物がパラクロロフェノール及びレゾ
ルシンをホルムアルデヒドと共縮合した化合物であり、
8核体以上の多核縮合物が該化合物重量の60重量%以
上を占め、かつ該化合物の20重量%水溶液の粘度が3
mPa・s以上20mPa・s以下であることを特徴と
する。また、繊維補強ゴム複合体は、上記の接着処理方
法により処理されたポリエステル繊維とゴムからなるこ
とを特徴とし、さらに該ゴムがエチレンプロピレン系ゴ
ムであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムとの接着性を
向上させるポリエステル繊維の接着処理方法およびその
接着処理方法によって得られた繊維によって得られた繊
維補強ゴム複合体に関する。さらに詳しくは、ゴムホー
ス等の圧力流体の流路に適した補強ポリエステル繊維用
の接着処理方法および繊維補強ゴム複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、高強度、高ヤング
率を有しており、それを活かしタイヤ、ホース、ベルト
等のゴム補強用繊維としてきわめて有用である。そして
ゴム補強用繊維用の接着処理剤としてレゾルシン・ホル
マリン・ゴムラテックス(RFL)接着剤を主成分とす
るRFL系接着剤が、古くから知られている。例えば、
RFL接着剤にブロックドイソシアネート化合物と芳香
族ポリエポキシ化合物を添加した処理液1浴による処理
法(特開平10−46475号公報)等がポリエステル
繊維に対しての1浴処理法として知られている。また、
1段目で脂肪族エポキシ化合物、ブロックドイソシアネ
ート化合物を含む第一処理液で繊維を処理し接着性を付
与した後に、2段目でRFL接着剤を第二処理液として
処理する方法(特開昭54―73994号公報)、2段
目の第二処理液が2〜4核体の特殊クロロフェノールを
配合したRFL系接着剤である方法(特開平3−408
75号公報)等が2浴処理法として知られている。
【0003】一方、そのポリエステル繊維で補強するゴ
ムは、近年ますます繊維に接着しにくいものが用いられ
るようになってきた。例えばホース分野においては、自
動車のエンジンルームの温度が高くなるにつれゴム材質
の面からも高温特性に優れたものが要求され、それに対
応するものの一つとして、エチレンプロピレン系ゴムが
用いられている。しかし、これら高機能ゴムは、化学構
造に二重結合が少なく、反応性に乏しく、従来の方法で
は、補強繊維を接着させることが極めて難しく、上記技
術をもってしてもエチレン・プロピレン系共重合体など
の高機能ゴム組成物に対するポリエステル繊維の接着性
は未だ十分な水準に達していないというのが現状であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情を
背景としてなされたものであり、本発明の目的とすると
ころは接着剤付着状態が均一であり、特にホースの補強
用繊維として該ゴムマトリックスとの接着性が改良され
たポリエステル繊維を得るための接着処理方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル繊
維の接着処理方法は、ポリエステル繊維を特殊クロロフ
ェノール化合物を含有したレゾルシン・ホルマリン・ゴ
ムラテックス(RFL)系接着剤で処理するに際し、該
特殊クロロフェノール化合物がパラクロロフェノール及
びレゾルシンをホルムアルデヒドと共縮合した化合物で
あり、8核体以上の多核縮合物が該化合物重量の60重
量%以上を占め、かつ該化合物の20重量%水溶液の粘
度が3mPa・s以上20mPa・s以下であることを
特徴とする。さらに該RFL系接着剤処理液がブロック
ドイソシアネートを含有していることが好ましい。
【0006】また、もう一つの本発明の繊維補強ゴム複
合体は、上記の接着処理方法により処理されたポリエス
テル繊維とゴムからなることを特徴とする。さらに該ゴ
ムがエチレンプロピレン系ゴムであることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる繊維としてはいか
なるポリエステル繊維を用いることもできるが、特にテ
レフタル酸又はナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分
とし、エチレングリコール又はテトラメチレングリコー
ルを主たるグリコール成分とするポリエステルからなる
繊維が好ましく用いられる。ポリエステル繊維のデニー
ル、フィラメント数、断面形状、繊維物性、微細構造
や、ポリマー性状(末喘カルボキシル基濃度、分子量
等)、ポリマー中の添加剤の有無等には、なんら限定を
受けるものではない。また、本発明でいうポリエステル
繊維は、ヤーン、コード、不織布、織編物等種々の繊維
集合形態を含むものであるが、ゴムホース等のゴム繊維
複合体に用いる繊維としては、撚糸されたコードである
ことが特に好ましい。
【0008】該ポリエステル繊維はそのままでも用いら
れるが、RFL系接着剤で処理する前に、ポリエポキシ
ド化合物をあらかじめ付与した繊維を用いても良い。例
えばポリエポキシド化合物が付与された繊維は、接着剤
マトリックス成分としてポリエポキシド化合物を含有す
る処理剤であらかじめ繊維を処理することで得られる。
また、この処理剤にはブロックドイソシアネート化合物
が含まれていることが好ましい。さらに加えて処理剤に
ゴムラテックスを含有させると被着体であるゴムとの共
加硫がおこり、剥離テスト時に高いゴム付きが実現され
るため好ましい。
【0009】本発明で用いられるレゾルシン・ホルマリ
ン・ゴムラテックス系接着剤は通常RFL接着剤と呼ば
れているものであり、レゾルシンとホルムアルデヒドと
のモル比が1:0.8〜1:5、好ましくは1:1.0
〜1:3の範囲で用いられる。本発明でのRFL系接着
剤においては、レゾルシンとホルマリンをあらかじめ縮
合された物を用いるか、あるいはレゾルシンもしくは、
あらかじめレゾルシンとホルマリンを縮合した初期縮合
物とホルマリンを、他の成分を添加する前に更に縮合を
行うことが好ましい。このRFL接着剤を調製する際に
は、適宜接着剤の混合順や熟成時間を変えることも出来
る。
【0010】RFL処理剤においてホルマリンの添加量
が少なすぎると、レゾルシン・ホルマリンの縮合物の架
橋密度が低下すると共に分子量の低下を招くため、接着
剤層の凝集力が低下することにより接着性が低下する。
ホルマリンが多すぎると架橋密度上昇によりレゾルシン
・ホルマリン縮合物が硬くなり、被着体ゴムとの共加硫
時にRFLとゴムとの相容化が阻害され、接着性が低下
すると共に処理後の繊維材料が著しく硬くなり、強力並
びに疲労性が低下するという欠点を生じる傾向にある。
【0011】RFL接着剤に使用するゴムラテックスと
しては、例えば天然ゴムラテックス、スチレン・ブタジ
エン・コポリマーラテックス、ビニルピリジン・スチレ
ン・ブタジエンターボリマーラテックス、ポリブタジエ
ンゴムラテックス、EPDMゴムラテックス、ニトリル
ゴムラテックス、クロロブレンゴムラテックス等があ
り、これらを単独または併用して使用する。
【0012】本発明の処理方法では、ポリエステル繊維
を処理する上記RFL接着剤は特殊クロロフェノール化
合物を含有している。本発明で用いる特殊クロロフェノ
ール化合物とは、パラクロロフェノール及びレゾルシン
をホルムアルデヒドと共縮合した化合物であり、ベンゼ
ン核8核体以上の多核縮合物が該化合物重量の60重量
%以上を占め、かつ該化合物の20重量%水溶液の粘度
が3mPa・s以上20mPa・s以下のものである。
【0013】該特殊クロロフェノールに占める多核縮合
物は、8核体以上のものであるが、好ましくは8核体以
上20核体以下、さらには8核体以上16核体以下であ
ることが好ましい。またその含有する割合は、8核体以
上の多核縮合物が60重量%以上90重量%以下である
ことが好ましく、もっとも好ましくは65重量%以上8
0重量%以下であることがさらに好ましい。また、この
特殊クロロフェノール化合物中の多核縮合物の割合は、
GPCのピーク面積比より算出することができる。ピー
クが明確でない場合には分子量1000以上の分子の割
合から算出しても良い。
【0014】また該化合物の20重量%水溶液の20℃
における粘度は3mPa・s以上20mPa・s以下の
ものであるが、さらには6mPa・s以上15mPa・
s以下のものが好ましい。
【0015】パラクロロフェノール及びレゾルシンをホ
ルムアルデヒドと共縮合した特殊クロルフェノール化合
物は、加硫時に被着体ゴムと相容化し、強く界面層を補
強する働きを有する。本発明で用いる特殊クロロフェノ
ール化合物は、8核体以上の多核縮合物が該化合物重量
の50重量%以上を占め、従来品対比高分子量の成分が
多いため、より高い接着性をもたらすことが可能であ
る。また本発明特殊クロルフェノール化合物は、20重
量%水溶液の粘度が3mPa・s以上20mPa・s以
下と低粘度であるために、繊維表面への剤の拡散により
強固に界面を補強し、高い接着性をもたらす。
【0016】さらに、本願発明のRFL系接着剤にはブ
ロックドイソシアネートを含有することが好ましい。ブ
ロックドポリイソシアネート化合物としては、例えばト
リレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、ポリメチレンポリフエニルイソ
シアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等
のポリイソシアネート、あるいはこれらポリイソシアネ
ートと活性水素原子を2個以上有する化合物、例えばト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等とをイ
ソシアネート基(−NCO)とヒドロキシル基(−O
H)の比が1を超えるモル比で反応させて得られる末端
イソシアネート基含有のポリオールアダクトポリイソシ
アネート等が挙げられる。特にトリレンジイソシアネー
ト、ジフエニルメタンジイソシアネート、ポリメチレン
ポリフエニルイソシアネートの如き芳香族ポリイソシア
ネートが優れた性能を発現するので好ましい。
【0017】ブロック化剤としては、例えばフェノー
ル,チオフェノール,クレゾール,レゾルシノール等の
フェノール類。ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香
族第2級アミン類,フタル酸イミド類、カプロラクタ
ム,バレロラクタム等のラクタム類、アセトキシム、メ
チルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム等
のオキシム類及び酸性亜硫酸ソーダ等がある。
【0018】かかるブロックドポリイソシアネート化合
物は通常乳化液、分散液又は水溶液として使用される。
乳化液又は分散液にするには、例えばかかるブロックド
ポリイソシアネートを、そのままあるいは必要に応じて
少量の溶媒に溶解した後、公知の乳化剤、例えばアルキ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ、ジオクチルスルホサクシ
ネートナトリウム塩、ノニルフェノールエチレンオキサ
イド付加物等を用いて乳化又は分散すればよい。
【0019】本願で用いるRFL系接着剤におけるレゾ
ルシン・ホルマリンとゴムラテックスとの配合比率は、
前述のブロックドイソシアネート化合物の添加有無によ
っても変化するが、固形分量比で前者:後者は1:1〜
1:15、特に1:2〜1:10の範囲が適当である。
ゴムラテックスの比率が少なすぎると処理されたポリエ
ステル繊維材料が硬くなって耐疲労性が低下しやすくな
るとともに被着体であるゴムとの共加硫が不十分とな
り、接着性が低くなり、逆に多すぎると接着剤皮膜とし
て充分な強度得ることが出来ないため、満足すべき接着
力、ゴム付着率が得難くなる。
【0020】また、本発明で適用するRFL接着剤は、
レゾルシン・ホルマリンをアルカリまたは酸性触媒下で
反応させて得られる初期縮合物(RF)とパラクロロフ
ェノール及びレゾルシンをホルムアルデヒドと共縮合し
た特殊クロロフェノール化合物とゴムラテックスの混合
物である。前述のRFと特殊クロロフェノール化合物の
配合割合は50:50〜80:20(重量比)が好まし
く使用される。被着ゴムの配合によっても、これらの配
合比率は微妙に変化する。
【0021】本願で用いる特殊クロロフェノール化合物
を含有するRFL系接着剤は、総固形分濃度が5〜30
重量%、好ましくは10〜20重量%となるようにして
使用する。接着剤濃度がこの範囲より低すぎると接着剤
付着量低下を招き、接着性が低下し、一方接着剤濃度が
高すぎると固形分付着量が多くなりすぎるため硬くなり
耐疲労性が低下しやすい。
【0022】本発明における処理剤組成物を水分散物と
して用いる際の分散剤、即ち界面活性剤の適当な量は、
処理剤の全固型分に対し、0〜15wt%、好ましくは
10wt%以下であり、上記範囲を超えると接着性が若
干低下する傾向にある。
【0023】表面張力を下げ、接着を抑制しないために
アルキレングリコール、シリコーンならびにその誘導体
の添加も有効であり、これの添加により界面活性剤が低
濃度での処理を可能とする。
【0024】本発明における接着剤の繊維に対する固形
分付着量は、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜
7重量%付着せしめるのが適当である。該繊維に対する
固形分付着量を制御するためには、圧接ローラーによる
絞り、スクレバー等によるかき落とし、空気吹きつけに
よる吹き飛ばし、吸引、ビーターによる叩き等の手段を
採用してもよい。また付着量を多くするために複数回付
着させてもよい。
【0025】本発明においては、該繊維を接着剤で処理
後、50℃以上で該処理繊維の融点よリ10℃以上低い
温度、好ましくは220〜250℃の温度で0.5〜
5.0分間、好ましくは1〜3分間乾燥、熱処理する。
乾燥、熱処理温度が低すぎるとゴム類との接着が不十分
となりやすく、一方温度が高すぎると処理繊維が溶融、
融着などの熱的なポリマー劣化により、著しい強力低下
を起こしたりして実用に供し得なくなる。
【0026】本願発明の処理方法によるポリエステル繊
維は、繊維とゴムとの接着力が強いものである。またさ
らに繊維として撚糸コードを用い処理した場合には、R
FL系接着剤処理液の粘度が低く接着剤成分がコード内
部に含浸しやすいため、ゴムホース等の圧力流体の流路
に用いる補強ポリエステル繊維として最適である。
【0027】またもう一つ本発明の繊維補強ゴム複合体
は、上記の接着処理方法によって処理されたポリエステ
ル繊維をエチレンプロピレン系ゴムと接着したものであ
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明は、この実施例に限定されるものでははない。ま
た、文中で用いられる部数は重量部である。尚、実施例
中の物性は下記の方法により測定した。
【0029】(1)剥離接着力 処理コードとゴムとの接着力を示すものである。ポリエ
ステル繊維処理コードを、2.54cm(1インチ)間
に25本並べ、エチレンプロピレン系未加硫ゴムに埋め
込み500N/cm2のプレス圧力下で150℃30分
間加硫し、ゴムシートから200mm/分の速度でコー
ドとゴムとを剥離するに要した力をN/2.54cmで
示したものである。
【0030】(2)引抜接着力 処理コードとゴムとの努断接着力を示すものである。ポ
リエステル繊維処理コードをエチレンプロピレン系未加
硫ゴムブロック中に1cm埋め込み、500N/cm2
のプレス圧力下で150℃30分間加硫し、次いでゴム
ブロックから200mm/分の速度で引き抜き、引き抜
きに要した力をN/cmで表示した。
【0031】(3)20%水溶液の粘度 特殊クロロフェノール化合物の含有固形分濃度を20重
量%としたときの粘度を測定し、20%水溶液の粘度と
した。なお、粘度は25℃の溶液をB型粘度計にNo.
2ローターを付け、60rpmで回転させて測定した値
を用いた。
【0032】[実施例1]ポリエポキシド化合物(デナ
コールEx−314、ナガセ化成株式会社製、ポリグリ
シジルエーテル)50gをネオコールSW−30(ジオ
クチルスルホサクシネートナトリウム塩、第1工業製薬
株式会社製)5g(固形分濃度、30重量%)を用いて
水815gに分散させ、次いで固形分濃度40%ビニル
ピリジン・スチレン・ブタジエン3元共重合ラテックス
125gを混合、撹拌し、第1処理液とした。
【0033】ポリエチレンテレフタレート繊維(帝人株
式会社製、固有粘度0.90)1500デニール/25
0フィラメントからなるマルチフィラメントに10cm
あたり8回の撚をかけ、コードとしたポリエステル繊維
コードを第1処理液に浸漬した後、100〜150℃で
1〜3分間乾燥させた後、130〜200℃で1〜3分
の熱処理を行った。第1処理液の剤固形分付着量は、コ
ード重量に対して3.5重量%であった。
【0034】次いで、RFL系接着剤である第2処理液
を調製した。まず、水26.9重量部に水酸化ナトリウ
ム0.1重量部、28%アンモニア水2.2重量部を加
えた。このアルカリ水溶液にレゾルシン:ホルマリン=
1:0.6のモル比で予め酸性条件下で縮合させた縮合
物の65%水溶液を3.2重量部と37%ホルマリン水
溶液2.2重量部を加えて、20℃条件下で6時間熟成
を行った。
【0035】次にこの混合液を、水120部にビニルピ
リジン・ブタジエン・スチレンの3元共重合ラテックス
(3成分の組成モル比、15:70:15、固形分濃度
40.5%)を20重量部、ポリブタジエンラテックス
(固形分濃度55%)33重量部の混合液に添加した後
に、40%メチルエチルケトオキシムブロックドジフェ
ニルメタンジイソシアネート水分散体を14重量部添加
し、24時間熟成させRFL原液とした。
【0036】使用直前に、上記RFL原液100重量部
に対し、パラクロロフェノール及びレゾルシンをホルム
アルデヒドと共縮合した特殊クロロフェノール化合物を
固形分で40重量部添加し、よく攪拌してRFL系接着
剤である第2処理液とした。処理液の粘度コントロール
は該処理液への水の添加希釈により調節した。該特殊ク
ロロフェノール化合物をGPCで測定したところ、パラ
クロロフェノール及びレゾルシンをホルムアルデヒドと
共縮合した8核体以上の多核縮合物が混合物が68重量
%を占めていた(ナガセ化成工業製 デナボンドA
L)。また、この特殊クロロフェノール化合物の20重
量%濃度の粘度は12mPa・sであった。
【0037】第1処理液で処理したコードを、上記の第
2処理剤液に浸漬した後、130〜170℃で1〜3分
間乾燥させ、次いで180〜240℃で1〜3分間熱処
理を行った。第2処理液の剤固形分の付着量は、コード
重量に対して3重量%であった。なお、第1処理液及び
第2処理液の剤固形分付着量のコントロールは、該処理
液への水の添加又は処理液ディップ処理後に液を吹き飛
ばす空気の圧力により調整した。
【0038】得られた接着処理コードについて下表に示
す配合組成のエチレンプロピレン系未加硫ゴム中に埋め
込み、150℃で30分間のプレス加硫を行い剥離接着
力及び引き抜き接着力を測定した。結果を表1に示す。
評価に用いたゴムの配合組成は以下のとおりである。 EPDM 100部 HAF−カーボンブラック 120部 プロセスオイル(ポラフィン系) 90部 亜鉛華 5部 ステアリン酸 3部 加硫剤 3.5部 加硫促進剤 2.5部
【0039】[比較例1]実施例1の特殊クロロフェノ
ール化合物のかわりに、パラクロロフェノール及びレゾ
ルシンをフォルムアルデヒドと共縮合した下記構造式
(化1)で表される3核体(I)、5核体(II)、7
核体(III)の7核体以下の多核縮合物の割合が52
重量%(ナガセ化成工業製、デナボンド)のクロロフェ
ノール化合物を用いた以外は、実施例1と同様に行っ
た。また、このクロロフェノール化合物の20重量%濃
度の粘度は54mPa・sであった。結果を表1に併せ
てしめす。
【0040】
【化1】
【0041】[実施例2]延伸工程で、予めポリエポキ
シド化合物を繊維重量に対し、0.4%付与したポリエ
チレンテレフタレート繊維(帝人株式会社製、固有粘度
0.90)1500デニール/250フィラメントから
なるマルチフィラメントに10cmあたり8回の撚をか
け、コードとした後、コード処理装置を用い、実施例1
で用いたものと同じRFL系接着剤である処理液を用い
てディップ処理を行った。
【0042】ディップ処理としては、RFL系接着剤で
ある処理液中で繊維コードの浸漬処理を行い、130〜
160℃で1〜3分間乾燥後、180〜235℃で1〜
2分間熱処理を行った。得られた接着処理コードを実施
例1で用いたものと同じ配合組成のエチレンプロピレン
系未加硫ゴム中に埋め込み、150℃で30分間のプレ
ス加硫を行い剥離接着力及び引き抜き接着力を測定し
た。結果を表1に示す。
【0043】[比較例2]実施例2の特殊クロロフェノ
ール化合物のかわりに、パラクロロフェノール及びレゾ
ルシンをフォルムアルデヒドと共縮合した3核体
(I)、5核体(II)、7核体(III)の7核体以
下の多核縮合物の割合が52重量%(ナガセ化成工業
製、デナボンド)のクロロフェノール化合物を用いた以
外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に併せてし
めす。
【0044】[比較例3]RFL原液に特殊クロロフェ
ノール化合物を添加しなかった以外は実施例2と同様に
処理を行った。結果を表1に併せて示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、接着剤付着
状態が均一であり、特にホースの補強用繊維として該ゴ
ムマトリックスとの接着性が改良されたポリエステル繊
維が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/00 D06M 15/41 15/41 15/55 15/55 15/693 15/693 D07B 1/02 D07B 1/02 1/16 1/16 D06M 101:32 // D06M 101:32 15/72 Fターム(参考) 3B153 AA02 AA45 BB01 CC21 CC25 CC26 CC27 CC29 CC31 EE02 EE15 FF11 FF15 GG13 4L033 AA07 AB03 AB09 AC11 AC15 BA13 BA69 CA34 CA49 CA68 CA70 4L036 MA05 MA24 MA33 MA37 PA26 PA40 RA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維を特殊クロロフェノー
    ル化合物を含有したレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテ
    ックス(RFL)系接着剤で処理する接着処理方法にお
    いて、該特殊クロロフェノール化合物がパラクロロフェ
    ノール及びレゾルシンをホルムアルデヒドと共縮合した
    化合物であり、8核体以上の多核縮合物が該化合物重量
    の60重量%以上を占め、かつ該化合物の20重量%水
    溶液の粘度が3mPa・s以上20mPa・s以下であ
    ることを特徴とするポリエステル繊維の接着処理方法。
  2. 【請求項2】 該ポリエステル繊維がポリエポキシド化
    合物をあらかじめ付与したものである請求項1記載のポ
    リエステル繊維の接着処理方法。
  3. 【請求項3】 該ポリエステル繊維が撚糸コードである
    請求項1または請求項2記載のポリエステル繊維の接着
    処理方法。
  4. 【請求項4】 該RFL系接着剤がブロックドイソシア
    ネートを含有している請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のポリエステル繊維の接着処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載され
    た方法により接着処理されたポリエステル繊維とゴムか
    らなることを特徴とする繊維補強ゴム複合体。
  6. 【請求項6】 該ゴムがエチレンプロピレン系ゴムであ
    る請求項5記載の繊維補強ゴム複合体。
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