JPH08260096A - ゴム製品補強用高強度スチールワイヤおよびスチールコード並びに高強度スチールの製造方法 - Google Patents

ゴム製品補強用高強度スチールワイヤおよびスチールコード並びに高強度スチールの製造方法

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JPH08260096A
JPH08260096A JP7084568A JP8456895A JPH08260096A JP H08260096 A JPH08260096 A JP H08260096A JP 7084568 A JP7084568 A JP 7084568A JP 8456895 A JP8456895 A JP 8456895A JP H08260096 A JPH08260096 A JP H08260096A
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wire
die
dies
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    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2205/00Rope or cable materials
    • D07B2205/30Inorganic materials
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    • D07B2205/3046Steel characterised by the carbon content
    • D07B2205/3053Steel characterised by the carbon content having a medium carbon content, e.g. greater than 0,5 percent and lower than 0.8 percent respectively HT wires

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Abstract

(57)【要約】 【目的】0.80重量%以上の高炭素鋼に比べて材料コ
ストの安い炭素鋼線材を用いてながら、高強度でしかも
靭性と耐疲労性に富み、ゴム製品の適切な軽量化と耐疲
労性向上を図ることができるゴム製品補強用のスチール
ワイヤ及びスチールコードを提供する。 【構成】炭素を0.70〜0.75重量%含有する炭素
鋼線材を使用して得られる直径が0.10〜0.40m
mのスチールワイヤであって、該スチールワイヤが、−
1960d+3580N/mm2の引張強さを有し、しかも1方
向ねじり後逆方向ねじりを行う捻回−トルク試験におけ
るトルク低下率が7%以下の特性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用タイヤや油圧式高
圧ホース等の各種ゴム製品の補強材として用いられる高
強度スチールワイヤとその製造方法および前記スチール
ワイヤを用いた高強度スチールコードに関する。
【0002】
【従来の技術およびその技術的課題】タイヤや高圧ホー
ス等のゴム製品補強用コードや単線は、一般にゴムと加
硫接着させるために真鍮めっきを施した直径が0.10
〜0.40mmのスチールワイヤが使われており、ま
た、製品の軽量化を図ることを主目的として、直径が
0.25mmで3090N/mm2以上、直径が0.3
5mmで2890N/mm2以上の高強度スチールワイ
ヤが用いられている。かかる高強度スチールワイヤは、
従来では一般に、原料鋼線材として0.80重量%以上
の炭素を含有する高炭素鋼線材を使用し、伸線加工する
ことによって作られていた。すなわちたとえば、公称
0.82C%炭素鋼で前記の高強度スチールワイヤを製
造する場合は減面率(加工度)を96.0〜97.0%
程度にとった伸線加工によって製造されていた。
【0003】このように高炭素鋼材を使用する理由は次
のとおりである。炭素含有量がこれより少ない炭素鋼を
用いると、加工前の材料の強度自体が低いため、最終熱
処理を施した後の強度はC含有量の高いものに比べて当
然低くなり、したがって高炭素鋼材と同等の強度のスチ
ールワイヤとするには、その後の伸線加工において特別
に高い減面率(加工度)をとらなければならない。しか
し、そのような高加工度をとると加工硬化によりスチー
ルワイヤ強度は高くなるが、反面、スチールワイヤ内部
に欠陥を生じて靭性が劣化したり、逆に引張り強度が低
下してしまうこともある。この結果、伸線工程で断線が
生じて所定の加工ができなくなったり、たとえ目的強度
のスチールワイヤが得られても、その後のコードに撚る
工程で断線が多発してコードにすることができなくなっ
たりするからである。さらに、高圧ホースの補強にこの
ようなスチールワイヤを用いると、その成形工程でのス
パイラル状のくけ付け加工やブレードに編み込み時に断
線を生じて大きなトラブルとなるなどの不具合が発生し
てしまうからである。スチールワイヤの靭性の劣化があ
る限度を越すと、前記のような加工上の不具合が発生す
るうえ、耐疲労性も急激に低下するため実際上大きな問
題となる。そこで従来では製造したスチールワイヤの靭
性を一般に破断に達するまでの捻回値をもって評価して
いる。しかしながら、実際には捻回値がほぼ同一であっ
ても、前記のようなコードに撚るなどの加工において良
否両方がでてしまうことがあって靭性限界の判定が困難
であった。また、これに代えてその他の特性、即ち破断
時伸びや絞り値などを評価することによっても靭性の判
定は困難であった。このようなことから、公称0.72
C%材では、図1に示すような0.82C%以上の材料
で得られる実用的な高強度スチールワイヤを製造するこ
とができなかった。そこで、従来ではコストの上昇をや
むなきことととして0.80重量%以上の炭素を含有す
る高炭素鋼線材を使用して高強度スチールワイヤとして
いたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような問
題点を解消するために研究して創案されたもので、その
第1の目的は、0.80重量%以上の高炭素鋼に比べて
材料コストの安い0.70〜0.75C%の炭素鋼線材
を用いてながら、高強度でしかも靭性と耐疲労性に富
み、ゴム製品の適切な軽量化と耐疲労性向上を図ること
ができるゴム製品補強用のスチールワイヤ及びスチール
コードを提供することにある。また本発明の第2の目的
は、上記特性の高強度スチールワイヤを容易に安定して
製造できる方法を提供することにある。
【0005】上記第1の目的を達成するため本発明は、
炭素を0.70〜0.75重量%含有する炭素鋼線材を
使用し、これに熱処理とめっきを施した後、伸線して得
られる直径が0.10〜0.40mmのスチールワイヤ
であって、該スチールワイヤが、下記式を満足する引張
強さを有し、しかも1方向ねじり後逆方向ねじりを行う
捻回−トルク試験におけるトルク低下率が7%以下の特
性を有している構成としたものである。 Y≧−1960d+3580[Y:引張り強さ(N/mm2)、
d:直径(mm)]
【0006】また本発明は第2の目的を達成するため、
本発明は、炭素を0.70〜0.75重量%含有する炭
素鋼線材を使用し、これに熱処理とめっきを施した後、
下記の条件にて湿式伸線を行う構成としたものである。 引抜き用ダイスとして、アプローチ角度2αが8〜1
0°、ベアリング長さが0.25〜0.35d1(d1
ダイス孔径)のものをを用いる 仕上げ引抜きは2個の引抜きダイスを直列に配したダ
ブルダイスを使用し、出口側のダイスにおける減面率を
1.2〜3.9%としたスキンパス伸線を行なう。 ダブルダイスおよびこれより上流の数枚の引抜きダイ
スに焼結ダイヤモンドニブを用いる。 最終ダイス通過直後のスチールワイヤ温度を150℃
以下に制御する。
【0007】
【作用】本発明は現在、通常使われている炭素含有量が
0.70〜0.75重量%の炭素鋼線材を用いるため、
この面でコストが安価である。また引っ張り強さがY≧
−1960d+3580N/mm2の高強度を有するた
め、少ない本数で良好な補強効果を実現することができ
る。なお、スチールワイヤの強度レベルの上限について
は、炭素含有量の関係から、−1960d+3920N
/mm2程度まで可能である。しかも、本発明は伸線加
工や撚り合わせ、ホース成形工程における加工性、耐疲
労性の良否を決定付ける靭性限界を判定する手段として
一方向ねじり−逆方向ねじりによる捻り試験を採用し、
この試験でのトルク低下率が0〜7%の範囲にある前記
方法により製作したスチールワイヤを用いる。このた
め、スチールワイヤは高強度と靭性を兼ね備え、撚り効
率が良好で耐疲労性も良好なゴム補強用の超高強度スチ
ールワイヤとなり、これを複数本撚り合わせたスチール
コードは高強度、高靭性および耐疲労性にすぐれ、ゴム
製品の補強材として使用することによりコスト低減や軽
量化を実現することができる。
【0008】詳述すると、単純に一方向に捻って捻回−
トルク曲線を測定した場合、トルクが連続して右上がり
となる正常な曲線を描いて破断に到るものと、破断に到
る間でトルクが著しく不安定になってトルク低下が生ず
るものとが現われる。かかるトルクの低下は捻回中にス
チールワイヤ内部に微細な割れが入ることにより起こる
ものと考えられ、またこれは加工限界を超えて伸線され
ていることをも意味している。スチールワイヤの靭性が
とくに劣化しているケースでは、この試験ですでにトル
ク低下が発生する。しかしながら、この試験でトルク低
下(トルク不安定部)が見られないスチールワイヤを実
際に使用しこれを撚合してスチールコードを作ってみて
も、断線が発生したり、疲労特性が不十分なものが多数
現われた。したがって、この試験によるトルク低下判断
では靭性可否の判別は不十分かつ不正確である。
【0009】そこで、本発明は、所定のつかみ間隔とし
てスチールワイヤ軸線方向に軽く張力をかけて直線状を
維持ながら一定速度で一定方向(たとえば時計方向)に
所定回数ねじった後、一旦ねじりを止め、続いてスチー
ルワイヤが破断するまで逆方向(たとえば反時計方向)
にねじり返す過酷な捻回−トルク試験を行うものであ
る。そして、かかる一方向−逆方向捻り方式において、
図2(a)のように、一方向の捻回−トルク時だけでな
く、(b)のように一方向ねじり後の続く逆方向の捻回
−トルク時においてもトルク低下率が7%以下のスチー
ルワイヤのみを靭性良好とするのであり、かかるスチー
ルワイヤはそれ自体強度も高く、耐疲労性も良好であ
る。また、複数本のスチールワイヤを撚り合わせて作ら
れるスチールコードの強力は、スチールワイヤの集合強
度より当然低下するが、上記靭性良好スチールワイヤは
強力の低下が少なく、スチールワイヤの強度を効率よく
利用することができ、また耐疲労性も良好である。これ
に対して一方向のねじり段階ではトルク低下が生じなか
ったが、逆方向ねじり段階でトルク低下率が8%以上の
ものは、実質的に靭性不良であり、強度も相対的に劣
り、耐疲労性も相対的に劣る。
【0010】なお、前記したトルク低下率は直径や材質
を異にする多数のスチールワイヤについて一方向−逆方
向ねじり方式による捻回−トルク試験を行い、捻回−ト
ルクの低下率を測定してみた結果に基づくもので、いか
なる場合でもトルク低下率が8%以上では前記した良好
な特性が得られなかったからである。トルク低下率と
は、図2(b)の捻回−トルク曲線において、最初の一
方向ねじりでのねじり弾性限すなわち図における右上が
り直線部分の上限でのトルク値をTとし、逆方向捻りで
の低下部トルク値の最小値をtとすると、トルク低下率
△Tは、次式で表されるものである。但し、トルク低下
のない場合はt=Tとする。 △T=[(T−|t|)/T]×100(%) このトルク低下率△Tが8%以上では前記した不具合が
生じ、そこで本発明は、トルク低下率△Tが7%以内の
特性を示すスチールワイヤのみを靭性が良好とするパラ
メータを採用したのである。しかもかかる本発明のパラ
メータは、1×n構造のスチールコード、さらには2+
2で代表されるn+m構造のスチールコード製造で代表
される一定方向に撚られ次いで撚りが戻されるような状
況をよくシミュレートできるため、得られるスチールコ
ードも適切なものとなる。
【0011】次に本発明は上記スチールワイヤを製造す
る方法として、Cの含有量が0.70〜0.75重量%
を有する炭素鋼線を使用する。これは具体的には、JI
SG 3506で示される硬鋼線材(SWRH)またはJI
S G 3502で示されるピアノ線材(SWRS)相当品を
使用することが好ましいが、合金元素としてCrやNi
を所要量添加してもよい。かかる炭素鋼線材を常法に従
って中間径スチールワイヤとし、熱処理とめっきを施し
た後、湿式伸線により目的径のスチールワイヤに仕上げ
るが、この湿式伸線工程において本発明は特定の条件を
採用するものである。まず、最終の伸線は潤滑液中(湿
式)で行なうが、伸線終了直後のスチールワイヤ温度を
150℃以下に保つ。これにより時効による脆化を抑制
することができる。そのために潤滑液の温度を抑制する
とともに、最終引抜きダイスを2枚重ねたダブルダイス
でのスキンパスを行なう。しかもこの時のスキンパス減
面比を1.2〜3.9%とするもので、スキンパス減面
率が4.0%を越えると残留応力の緩和作用が少なくな
るため不可であり、逆にスキンパス減面率が1.1%以
下と小さくても残留応力の緩和作用が小さくなるため不
可である。上記スキンパス減面率により通常のパスに比
べて、スチールワイヤ温度を25〜40℃下げることが
できる。
【0012】次に引抜きダイスとしてアプローチ角度で
8〜10°とする。従来では伸線での引抜き力は12°
程度が最も低いことからこれを採用しているが、本発明
はこれよりもアプローチ角度を小さくする。これは加工
硬化度を大きくするとともに伸線加工限界を高め、かつ
表面残留応力を低くして耐疲労性を向上させるためであ
る。加工硬化度を高くする理由は、低C%材で高強度を
出すためには加工度を非常に高くとらなければならず、
そのままでは加工限界を越えてしまうからであり、そこ
で8〜10°の低アプローチ角度ダイスを用いて伸線加
工限界を高め、しかも1パス毎の加工硬化度を高くして
相対的に総加工度を低く抑えるものである。しかし、そ
の角度が8°より小さくなるとスチールワイヤの引抜き
抵抗が高すぎてしまうので不適当である。また、ダイス
のベアリング長さ1は孔径d1に対して0.25〜0.
35d1に設定する。その理由は、従来のように0.5
1程度のベアリング長さとすると引き抜き抵抗が大き
くなるため発熱が著しくなる。そこでスチールワイヤと
の接触面積を小さくしてスチールワイヤの発熱を少なく
抑えるべく、ベアリング長さを短くしたのであり、これ
と前記アプローチ角度とのバランスにより伸線加工限界
を高めつつ引き抜き抵抗を減ずることができる。
【0013】さらに、本発明は、少なくとも上がりから
数枚(ダブルダイスの2枚を含めて4枚程度以上)に焼
結ダイヤモンドニブのダイス(以下ダイヤモンドダイス
と略称する)を使用する。この理由は高C材の加工に比
べてダイス1枚当りの加工硬化度が大きくなることによ
るダイス寿命の低下問題があるからである。即ち、従来
のタングステンカーバイドの焼結合金ニブのダイス(以
下合金ダイスと略称する)ではその表面が粗くて引抜き
抵抗が大きいうえ、スチールワイヤの表面も粗くなり、
耐疲労性にも悪影響を与える。これに対して、焼結ダイ
ヤモンドニブは焼結合金ニブに比べてその表面が平滑で
あるため、これで伸線すると引抜き抵抗も低くまたスチ
ールワイヤの表面も平滑にすることができる。また、ダ
イヤモンドダイスはそれ自体の価格はかなり高いが、引
き抜きによる孔径の太りが殆ど起こらず、寿命も非常に
長く、交換の手間と時間や生産停止時間が節減できるた
め、総合的には安価となる。したがって、全ダイスにダ
イヤモンドダイスを使用してもよいが、場合によって
は、最終ダイスから数枚だけダイヤモンドダイスを使用
し、その前は従来の合金ダイスを使用してもよい。
【0014】最終パスは前記のごとくダブルダイスによ
るスキンパス伸線とする。これにより、前記のようにス
チールワイヤの発熱を低く抑えるとともに、伸線したス
チールワイヤの表面残留応力を低減し、靭性の回復を図
ることができるのである。以上の湿式伸線条件を採用す
ることで1パス当りの加工硬化度を高くし、また、伸線
総加工度も大きくとることができ、JIS G 3506
又は、JIS G3502に相当するCが0.72重量
%程度の線材を用いて、しかも従来の0.82重量%C
線材による高強度スチールワイヤやコードと同等以上の
強度、靭性をもち、コードの耐疲労性においては、むし
ろ、従来品より優れたものが得られる。
【0015】本発明は前記スチールワイヤを複数本撚合
したスチールコードを含むものであり、該スチールコー
ドの構造は1×n構造さらにはこれの外周に複数本のス
チールワイヤを配して撚り合われたものや、2+2,3
+3を始めとするn+m構造のものなど任意である。こ
のスチールコードも、前記した特殊な靭性限界判定法に
おける規定トルク低下率をクリアーするスチールワイヤ
のを採用しているため高強度で耐疲労性に優れた特性を
発揮できる。
【0016】以下本発明を添付図面に基いて説明する。
図3は本発明による高強度スチールワイヤ製造の工程の
フローチャートを示しており、原料としてJIS G 3
506又はJIS G 3502に規定される硬鋼線材ま
たはピアノ線材に相当する炭素鋼で、そのC含有量が
0.70〜0.75重量%の線材を使用する。C含有量
の下限を0.70%としたのは、これを下回る炭素量で
は本発明で規定する最終伸線条件を採用しても、引張り
強さT≧−1960d+3580N/mm2が得られないからで
ある。上限を0.75%としたのは、これを上回る炭素
量ではCが0.80%以上の従来の鋼線材と実質的にコ
ストが変りなくなってしまうなどの問題があるからであ
る。前記原料線材としては直径が4.0〜5.5mm程
度のものが使用される。この原料線材を所定の中間径ま
で乾式伸線(原料伸線)して、熱処理とめっきを行な
う。そして、このめっきした中間径の鋼線を湿式伸線し
て目的のスチールワイヤを得るものである。
【0017】原料伸線工程では、原料の線材を酸洗し、
コーティングを行い、乾式伸線(粉体潤滑剤使用)で中
間径まで減面し、中間径スチールワイヤを得る。次い
で、熱処理とめっき、めっき拡散工程に移る。この熱処
理は、例えばガス直火式などの加熱炉を用いて行い、こ
こで中間径スチールワイヤは900〜960℃程度に所
定時間加熱し、オーステナイト化される。次いで、中間
径スチールワイヤは加熱流動砂又は溶融鉛で冷却するパ
テンティング炉中に送入され、ここで500〜560℃
程度に焼き入れされ、パーライト変態される。最終熱処
理(パテンテイング処理)においては、ベイナイト組織
等の異組織を含まない均一な微細パーライト組織とす
る。この時の線の強度は1100〜1200N/mm2
程度にすることが好ましい。
【0018】次いでこの中間径スチールワイヤはめっき
前処理槽内で電解酸洗され、スチールワイヤ表面の酸化
皮膜を除去する。そして次に電気めっき槽に通され、所
定量の銅めっきと亜鉛めっきが順次施され、2層めっき
となる。次に、このスチールワイヤは加熱流動砂を使っ
た拡散炉中に通すか、又はスチールワイヤに直接通電し
て加熱し、めっきの銅と亜鉛を相互に拡散させて真鍮に
する。その後、冷却されて最終原料スチールワイヤとな
る。この拡散処理においては約600℃程度で所定時間
加熱を行なうが、β真鍮が多いとその後の伸線加工性が
悪くなるため、スチールワイヤの強度が低下しない限度
でα真鍮ができるだけ多くなるような加熱時間や温度な
どの条件を設定することが好ましい。
【0019】このようにして製造されためっき付きの最
終原料スチールワイヤは液体潤滑剤を使用して湿式伸線
機により目的径まで伸線される。この湿式伸線工程にお
いて、本発明は次の条件を採用する。 (1)冷却機を用いて潤滑液の温度を一定値以下に抑え
るとともに最終引抜きダイスをダブルダイスにしてスキ
ンパス伸線を行い、伸線上がり直後のスチールワイヤ温
度を150℃以下に保つ。 (2)伸線ダイスアプローチ角度は8〜10°、ベアリ
ングの長さは孔径(引抜き径)をd1とすると0.25
d〜0.35dとする。 (3)最終のダブルダイスのスキンパス減面比は1.2
〜3.9%とする。 (4)上がりから最終のダブルダイスを含めて数枚以上
は焼結ダイヤモンドニブを用いる。
【0020】詳しく説明すると、図4は湿式伸線工程を
模式的に示しており、10は潤滑液槽であり、通常のス
チールコード用潤滑剤を水に濃度10〜30%溶解した
潤滑液11が収容されている。そして潤滑液槽10の上
流にはペイオフリール13が装備され、潤滑液槽10の
下流側には最終製品としてのスチールワイヤの巻取りリ
ール14がトラバーサ140を介して装備されている。
前記潤滑液槽10内には、それぞれ潤滑液11に浸漬さ
れるように平行状に一対のキャプスタン12,12’が
回転自在に横架され、下流側のキャプスタン12’は図
示しない可変速モータにより駆動されるようになってい
る。そして一対のキャプスタン12,12’の間には複
数個の引抜き用ダイスDが配置され、キャプスタン1
2,12’の溝に掛けられたスチールワイヤが順次引抜
き用ダイスを通ることにより引き抜かれるようになって
いる。前記潤滑液槽11aの槽外には循環ポンプ15と
冷却機16が設けられ、潤滑液を槽から強制的に抜きこ
れを冷却して槽に戻す循環系とすることにより潤滑液を
操業中40℃以下好適には30〜35℃程度に温度制御
するようになっている。そして湿式伸線での線速は50
0m/min以上とするが、潤滑液温度制御と上がりス
キンパス伸線の効果とによって上がりスチールワイヤ温
度を150℃以下にすることができる。
【0021】図5は上記引抜き用ダイスDを示してお
り、1はダイス本体、2はダイス本体1に内蔵されたニ
ブであり、該ニブ2はアプローチ部20の角度2αが8
〜10°となっており、また、べアリング部21の長さ
lが0.25〜0.35d1となっている。アプローチ
角度を限定したのは、前述のように8°未満では引抜抵
抗力が高くなり、10°以上ではスチールワイヤの靭性
が劣化するためであり、ベアリング寸法を限定したのは
ベアリングが長いとスチールワイヤとの接触面積が大き
くなり、スチールワイヤの発熱が高くなるからである。
図6は仕上げないし最終の引抜きダイスD’を示してお
り、ケーシング4,4にノーマルダイス5aとスキンパ
ス用ダイス5bを近接して直列状に配置し、所定減面率
を2分割して得るようにしたダブルダイスからなってい
る。ノーマルダイス5aとスキンパス用ダイス5bはそ
れぞれ焼結ダイヤモンド製のニブ2a,2bを内蔵して
おり、各ニブ2a,2bはアプローチ部20の角度(2
α)が8〜10°、ベアリング部21の寸法は0.25
〜0.35d1となっている。
【0022】本発明で上記のようにダイヤモンドダイス
を使用するのは、引抜き力を減じ、またスチールワイヤ
の表面も平滑となり、耐疲労性向上に効果があること、
摩耗によるダイス径の変化とこれによる減面率の変化を
抑制できるためであり、この理由から、少なくとも上記
ダブルダイスの2枚とこれより上流の2枚の計4枚程度
のものにこのダイヤモンドダイスを使用するものであ
る。他は合金ダイスでもよい。
【0023】本発明は上記したダイス群により総減面率
が96.5〜98.2%程度となるように引き回数を設
定して湿式伸線する。その理由は、総減面率が96.5
%未満ではスチールワイヤの引張り強さが不足し、ま
た、98.2%以上では加工度が多くなりすぎてスチー
ルワイヤの靭性が劣化するからである。引抜き回数は一
般に20〜25回から選定する。引抜きダイスによる毎
回の減面率は後段ほど低い減面率になるようにするのが
好ましく、かつ仕上げとして前記ダブルダイスを用い、
スチールワイヤの表面部の引っ張りの残留応力を開放し
ほぼゼロとするものであり、仕上げ減面率でのスキンパ
ス用ダイス5bによるスキンバス減面率は、これが4.
0%以上とあまり大きすぎては残留応力の緩和作用が少
なく、逆に1.1%以下とあまり小さくても、加工量が
小さすぎて残留応力の緩和作用が少ない。
【0024】
【実施例】次に本発明の具体例を示す。 (具体例1) 1)原料線材として、JIS G 3502に規定される
ピアノ線材を用いた。その成分は重量でC:0.72
%、Si:0.21%、Mn:0.52%で残部Feお
よび不可避的不純物である。該原料線材を酸洗、コーテ
ィングの前処理を施した後、乾式伸線して直径1.65
mmの中間スチールワイヤとした。 2)この中間径線をまず直火式ガス加熱炉で約950℃
に加熱し、続いて約520℃の流動床式パテンティング
炉で焼入れし、パーライト変態終了後、直ちに水冷し
た。この時のスチールワイヤの引張り強さは1160N
/mm2であった。次いで電解酸洗後、電気銅めっき槽
と電気亜鉛めっき槽通して銅及び亜鉛の2層めっきを施
した。続いて流動床式拡散炉においてスチールワイヤを
約500℃に加熱してめっき拡散処理を行なった後、徐
冷して中間原料線とした。 3)次いで湿式連続伸線機で伸線し、仕上げ直径0.2
5mmのスチールワイヤを得た。この時の潤滑液は濃度
約10%の通常の湿式潤滑液を使用し、循環させて冷却
機を通して液温度を低く保持して上りダイス通過直後の
ワイヤ温度を150℃以下に維持した。
【0025】〔実施例1〜3,比較例1〜3および従来
例1について〕上記湿式伸線での条件を変えてワイヤを
製作し、それぞれ実施例と比較例とした。なお、従来の
公称C:0.82の高強度ワイヤを従来例とした。
【0026】以上の伸線条件とそれにより得られたスチ
ールワイヤ特性を表1に示す。表1にさらに後述する表
3,表5および表6おいて、捻回試験は、図7に示すよ
うに固定側の掴み具6と可動側の掴み具7の掴み間隔L
を300d(dはスチールワイヤ直径)とし、固定側の掴
み具6から延出したスチールワイヤ軸方向に軽く張力を
掛けながら、可動側の掴み具7を可変速モータ9により
捻り速度=30rpmで、ワイヤが破断するまでの一方
向のみねじりを行う場合と、一方向に10回ねじった
後、スチールワイヤが破断するまで逆方向に前記ねじり
速度でねじり返しを行ってそれぞれ捻回−トルク曲線を
とって判定した。表1さらに後述する表3,表5および
表6において、「一方向捻回試験結果」および「一方向
−逆方向捻回試験結果」の○はトルク低下率△Tが0〜
7%のもの(良好)を指し、×はトルク低下率△Tが8
%以上のもの(不良)を示す。
【0027】
【表1】
【0028】この表1から実施例1,2,3は高い強度
を有し、また良好な靭性を有していることがわかる。こ
れに対して、比較例1はダイスアプローチ角を大きくと
っているため残留応力が大きく、この影響で靭性が不良
となっており、疲労限が劣っているとともにワイヤの引
張り強さも低くなっている。比較例2はスキンパス減面
率が大きすぎるため残留応力が大きく、疲労限が劣って
いる。比較例3はスキンパスを用いていないため残留応
力が高く、また上り温度も高くなってしまって靭性が不
足し、疲労限も著しく劣っている。
【0029】〔実施例1b、2b、3bについて〕実施
例1、2、3のそれぞれのスチールワイヤを用いてバン
チャー式撚り線機で撚って、2+2構造のタイヤ用スチ
ールコードを製作した。 〔比較例2b,3bおよび従来例1bについて〕比較例
2,3および従来例1のスチールワイヤを用いて同様に
バンチャー式撚り線機で2+2構造のスチールコードを
製作した。以上各コードについて、コード製作時の撚り
線性(断線等のトラブル有無)、強度、耐疲労性を検討
した結果を表2に示す。表2および後述する表4、表7
において、「耐疲労性」は、所定の径をもつ回転自在の
3ヶのロールを千鳥状に配して、これに沿わせてコード
をその破断荷重の10%の負荷の下に張り渡し、このロ
ールを左右に繰り返し移動させてコードに繰り返し曲げ
を与えるもので、コードが破断するまでの回数を測定す
る。表中の数値は従来例を100としたものである。ま
た、「撚り線性」の○は問題なし、△は断線あり、×は
断線多数を示している。
【0030】
【表2】
【0031】この表2から各実施例は従来の0.82重
量%C線材によるスチールコードと同等以上の強度、靭
性をもち、耐疲労性において従来品に劣らないことがわ
かる。一方、比較例においては撚り線による強度低下が
大きく、耐疲労性も劣る。
【0032】(具体例2) 〔実施例4〜6について〕具体例1と同一線材を使っ
て、直径1.80mm(引張強さ=1150N/m
2)の中間原料線を得た。次いで湿式連続伸線機で伸
線し、直径0.30mmのスチールワイヤを製作した。
潤滑液濃度は実施例1と同じであり、ダイスアプローチ
角度は10°、ダイヤモンドダイスは上がりから4枚使
用した。スキンパス減面率は実施例4では2.5%、実
施例5では3.5%、実施例6では3.0%とした。 〔比較例4について〕スキンパス減面率を4.5%とす
るほかは実施例4〜6と同条件でスチールワイヤを製作
した。 〔比較例5について〕スキンパスを行わないほかは実施
例4〜6と同条件でスチールワイヤを製作した。 〔実施例7について〕実施例1と同一線材を使って直径
1.88mm(引張強さ=1140N/mm2)の中間
原料を得た。ダイス他の条件は実施例6に準じて伸線
し、同じく直径0.30mmのスチールワイヤを製作し
た。 〔実施例8について〕実施例1と同一線材を使って直径
1.98mm(引張強さ=1120N/mm2)の中間
原料を得た。ダイス他の条件は実施例6に準じて伸線
し、同じく直径0.30mmのスチールワイヤを製作し
た。 〔従来例2について〕従来の公称0.82重量%C線材
で製作した高強度スチールワイヤを示す。以上について
の伸線条件とスチールワイヤ特性等を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】この表3から明らかなように、実施例4〜
8は引張り強さも靭性も良好である。これに対して比較
例4と比較例5は強度は良好であるが靭性が実質的に不
良であり、疲労限も劣る。
【0035】〔実施例6b、8bについて〕実施例6及
び8のスチールワイヤを用いて、バンチャー式撚り線機
で撚って、1×2構造のスチールコードを製作した。 〔比較例4b、5bにおよび従来例2bついて〕比較例
4,5のおよび従来例2スチールワイヤを用いて、同様
に1×2構造のタイヤ用スチールコードを製作した。以
上のスチールコードについて特性等を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】この表4から実施例6bと8bは0.82
重量%C線材による従来例2bのスチールコードと同等
以上の強度、靭性をもち、耐疲労性において従来品に劣
らないことがわかる。引張り強さも靭性も良好である。
これに対して比較例4bと比較例5bは靭性が不足する
ため撚り工程で断線が発生あるいは多発した。また、強
度も劣り、耐疲労性も不良である。
【0038】(具体例3) 〔実施例9および従来例3について〕実施例1と同一線
材を使って、直径1.40mm(引張強さ=1180N
/mm2)の中間原料線を得た。次いで湿式伸線機で伸
線し、直径0.20mmのスチールワイヤを製作した。
潤滑液は濃度約10%の通常の湿式潤滑剤を用いた。そ
の他は実施例3に準じて伸線し、直径0.20mmのス
チールワイヤを製作した。表5に公称0.82重量%C
線材で製作した高強度スチールワイヤ(従来例3)とと
もに特性などを示す。 〔実施例10について〕実施例8と同一中間原料線を用
いて実施例3の条件に準じて直径0.35mmのスチー
ルワイヤを製作した。 〔比較例6、7について〕比較例6はベアリング長さと
スキンパス減面率の条件を変え、比較例7はスキンパス
をしないほかは実施例10と同じ条件で伸線して、同じ
く直径0.35mmのスチールワイヤを製作した。以上
についての伸線条件とスチールワイヤ特性などを従来例
4とともに表6に示す。なお、従来例4は、公称0.8
2重量%C線材で製作した高強度スチールワイヤであ
る。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】この表6から、潤滑液温度と仕上がりスチ
ールワイヤ温度の影響も大きく、比較例6,7は強度は
良好であるものの靭性が劣り、疲労限も従来例に比べて
大きく劣っていることがわかる。
【0042】〔実施例11について〕実施例9のスチー
ルワイヤを芯ストランド(1×3)に使用し、実施例1
0のスチールワイヤを側ストランド(+6)に用いて、
バンチャー式撚り線機で撚って1×3+6構造のタイヤ
用スチールコードを製作した。 〔比較例6bおよび比較例7bについて〕実施例9のス
チールワイヤを芯ストランド(1×3)に使用し、比較
例6および比較例7のスチールワイヤをそれぞれ側スト
ランド(+6)に用い、バンチャー式撚り線機で撚って
1×3+6構造のタイヤ用スチールコードを製作したも
のである。これらスチールコードについての特性等を表
7に示す。なお、公称0.82重量%C線材で製作した
高強度スチールコードを従来例5として示す。
【0043】
【表7】
【0044】この表7から、本発明によれば、0.72
重量%C級の線材を用いているにもかかわらず、0.8
2重量%C線材による従来コードに比べて同等以上の強
度と靭性をもち、コードの耐疲労性もすぐれたものが得
られていることがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によると
きには、炭素含有量が0.70〜0.75重量%の線材
を使用しているにもかかわらず、炭素含有量が公称0.
82重量%の高強度スチールワイヤに比べて同等以上の
高い強度を有ししかも靭性も良好で耐疲労性にすぐれた
理想的なゴム補強用スチールワイヤを提供できるという
すぐれた効果が得られる。また、請求項2によれば、上
記特性のスチールワイヤを用いるため、コム製品に対す
る補強効果が高くかつ安価なスチールコードを提供でき
るというすぐれた効果が得られる。請求項3によれば、
伸線加工において1パス当りの加工硬化度が従来より高
く、また伸線総加工度も大きくとることができ、請求項
1の特性を持つスチールワイヤをバラツキなく安定して
製造することができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用線材と実用スチールワイヤ強度の関係を示
す線図である。
【図2】スチールワイヤの捻回−トルク試験における捻
回−トルク曲線を示す線図であり、(a)は一方向捻回
−トルク試験における場合、(b)は本発明で用いる一
方向−逆方向捻回−トルク試験における場合を示してい
る。
【図3】本発明による高強度スチールワイヤの製造工程
を示すフローチャートである。
【図4】本発明における湿式伸線工程を模式的に示すも
ので、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図5】本発明に使用する引抜きダイスの断面図であ
る。
【図6】本発明で使用する最終引抜きダイス断面図であ
る。
【図7】スチールワイヤのねじり−トルク試験の概要を
示す説明図である。
【符号の説明】
Y 引張り強度 T ねじり弾性限でのトルク値 t 低下部でのトルク値の最小値 D’最終の引抜きダイス 2 ニブ 20 アプローチ部 21 ベアリング部 5a ノーマルダイス 5b スキンパス用ダイス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素を0.70〜0.75重量%含有する
    炭素鋼線材を使用し、これに熱処理とめっきを施した
    後、伸線して得られる直径が0.10〜0.40mmの
    スチールワイヤであって、該スチールワイヤが、下記式
    を満足する引張強さを有し、しかも1方向ねじり後逆方
    向ねじりを行う捻回−トルク試験におけるトルクの低下
    率が7%以下の特性を有していることを特徴とするゴム
    製品補強用高強度スチールワイヤ。 Y≧−1960d+3580[Y:引張り強さ(N/mm2)、
    d:直径(mm)]
  2. 【請求項2】請求項1に記載のスチールワイヤを複数本
    撚り合わせてなることを特徴とするゴム製品補強用高強
    度スチールコード。
  3. 【請求項3】炭素を0.70〜0.75重量%含有する
    炭素鋼線材を使用し、これに熱処理とめっきを施した
    後、下記の条件にて湿式伸線を行うことを特徴とするゴ
    ム製品補強用高強度スチールワイヤの製造方法。 引抜き用ダイスとして、アプローチ角度2αが8〜1
    0°、ベアリング長さが0.25〜0.35d1(d1
    ダイス孔径)のものをを用いる 仕上げ引抜きは2個の引抜きダイスを直列に配したダ
    ブルダイスを使用し、出口側のダイスにおける減面率を
    1.2〜3.9%としたスキンパス伸線を行なう。 ダブルダイスおよびこれより上流の数枚の引抜きダイ
    スに焼結ダイヤモンドニブを用いる。 最終ダイス通過直後のスチールワイヤ温度を150℃
    以下に制御する。
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