JPH10287932A - ゴム製品補強用鋼線及びその製造方法並びにスチールコード及び空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

ゴム製品補強用鋼線及びその製造方法並びにスチールコード及び空気入りラジアルタイヤ

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JPH10287932A
JPH10287932A JP9100630A JP10063097A JPH10287932A JP H10287932 A JPH10287932 A JP H10287932A JP 9100630 A JP9100630 A JP 9100630A JP 10063097 A JP10063097 A JP 10063097A JP H10287932 A JPH10287932 A JP H10287932A
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JP
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steel
wire
carbon
solution
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JP9100630A
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Yoshiaki Abe
義昭 阿部
Toshiyuki Kobayashi
敏行 小林
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Bridgestone Metalpha Corp
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Bridgestone Metalpha Corp
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/066Reinforcing cords for rubber or plastic articles the wires being made from special alloy or special steel composition
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2205/00Rope or cable materials
    • D07B2205/30Inorganic materials
    • D07B2205/3021Metals
    • D07B2205/3025Steel
    • D07B2205/3035Pearlite

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  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度かつ実用上の耐疲労性に優れた鋼線お
よびその製造方法並びにこの鋼線を用いたスチールコー
ドおよび空気入りラジアルタイヤの提供。 【解決手段】 炭素を0.78〜0.86重量%含有
し、鋼線表層部に微細パーライト組織を有し、鋼線の直
径が0.10〜0.40mmの炭素鋼線であって、該鋼
線の引っ張り強さTSがTS≧2350−1450×l
og dであり、{ここで、TS:引っ張り強さ(N/
mm2 )、d:鋼線の直径(mm)}、予め定めた回数
で捻り次いで前記回数で捻り戻し亀裂が入るまでの延べ
捻り回数が20(回/100d)以上であるゴム製品補
強用鋼線である。この鋼線は、炭素を0.78〜0.8
6重量%含有する炭素鋼線の溶体化前に線材を予め黒体
化処理し、パーライト変態前に異常組織が発生しない程
度に急冷することによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム製品補強用に
用いられる鋼線及びこの鋼線を製造する方法並びに前記
鋼線を用いたスチールコード及びこのスチールコードを
用いた空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にゴム製品の補強材としての細線
は、熱間圧延線材から冷間伸線・パテンティング・冷間
伸線を繰り返し、最終的には0.1〜0.4mmの線径
に加工され、その後撚り加工機で各種のスチールコード
に撚られる。
【0003】スチールコードの製造においては、線材が
極細線に加工されるため、最終伸線や撚り加工での断線
トラブル等が生じやすい。また、スチールコードの使用
者側からみれば、自動車メーカーの場合、自動車の燃費
低減のためタイヤの軽量化が強く要望され、タイヤを補
強するスチールコードとしては、高強力化と共に耐疲労
性のさらなる改善が要求されている。
【0004】従来の特開平8−226085号公報で
は、炭素を0.80〜0.89重量%含有する炭素鋼線
材から作られ引っ張り強さY(kgf/mm2 )がY≧
−200d+400(dは素線直径)、しかも一方向捻
り後、逆方向捻りを与える捻回−トルク試験でのトルク
低下率が7%以内の範囲にある素線を使用するスチール
コードが提案されている。このスチールコードの効果と
して素線の撚り線性に優れスチールコードの耐疲労性が
優れることが記載されている。
【0005】また、前記した公報では、上記のような高
強度で延性に優れた素線を得る方法として、湿式伸線に
おける引き抜きダイスのアプローチ角を8〜10度、ベ
アリング長さを0.3d’(d’は引き抜き孔径)、更
に最終引き抜きはダブルダイスとし、最終引き抜きを含
めた近傍は焼結ダイヤモンドニブを用い、最終引き抜き
ダイス通過後のワイヤの温度が150℃以下となるよう
潤滑液温度を低く保持する等の提案がなされている。し
かしパテンティング処理に関してはベイナイト等の異常
組織を含まない均一なパーライト組織にするとしか述べ
られていない。
【0006】特開昭63−161124号公報では、溶
体化させる際の加熱速度を100〜200℃/秒とする
ことにより、オーステナイト結晶粒度番号を10以上と
して延性に優れた高炭素鋼線の製法が提案されている。
しかし急速加熱するための補助設備を必要とし経済的に
生産できない。
【0007】延性に優れた高強度鋼線を得るために、オ
ーステナイト化した後、A1 変態温度以下の温度で変態
開始前或いは変態中の鋼線に加工を施しつつ最終パテン
ティング処理を行う鋼線の製造方法が、特開平5−30
2120号公報で提案されている。しかし、この製法で
はオーステナイト化炉とパーライト変態浴との間に鋼線
を加工する設備が配置されることになり設置面積や設備
投資が必要となる。
【0008】特開平5−78754号公報では、1%以
下のCrを含有し直径3mm以下の高炭素鋼線をパテン
ティング処理するにあたり、加熱炉と流動層炉の接合部
に堆積した流動層用砂温度を100〜250℃とするこ
とにより鉛浴並の高強度と高延性が得られる流動層パテ
ンティング処理法が提案されている。この方法では堆積
した砂と加熱状態にある鋼線とが直接接触するために鋼
線の表面に傷が付きやすく鋼線の品質低下を招く。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のパテンティング処理設備を変更することなく、最終伸
線での引き抜きによる発熱を抑制して高強度かつ実用上
の耐疲労性に優れたゴム製品補強用鋼線及びその鋼線の
製造方法並びに鋼線を撚線する際に断線がなく生産性が
良くかつ耐疲労性に優れたスチールコード及びこのスチ
ールコードを用いた空気入りラジアルタイヤを提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のゴム製品補強用
鋼線は、炭素を0.78〜0.86重量%含有し、鋼線
表層部に微細パーライト組織を有し、鋼線の直径が0.
10〜0.40mmの炭素鋼線であって、該鋼線の引っ
張り強さTSがTS≧2350−1450×log d
であり、{ここで、TS:引っ張り強さ(N/m
2 )、d:鋼線の直径(mm)}、予め定めた回数で
捻り次いで前記回数で捻り戻し亀裂が入るまでの延べ捻
り回数が20(回/100d)以上であることを特徴と
する。
【0011】また、本発明のゴム製品補強用鋼線の製造
方法は、炭素を0.78〜0.86重量%含有する炭素
鋼線の溶体化前に線材を予め黒体化処理し、パーライト
変態前に異常組織が発生しない程度に急冷することを特
徴とする。上記したゴム製品補強用鋼線の製造方法にお
いて、溶体化は加熱速度を45℃/秒以上で昇温し92
0〜980℃の温度範囲で保持時間が3.5〜5.0秒
であることが望ましく、さらに線材を溶体化からパーラ
イト変態までの遷移温度500℃以下で急冷し、次いで
急冷温度よりも30℃以上高い温度でパーライト変態さ
せることが望ましい。
【0012】また、本発明のスチールコードは、複数本
の鋼線を撚り合わせてなり、そのうちの少なくとも1本
は、上記のゴム製品補強用鋼線からなることを特徴とす
る。さらに本発明の空気入りラジアルタイヤは、ベルト
層、カーカス層又はビード回り補強層の少なくとも1つ
の層に上記のスチールコードを用いることを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、ゴム製品補強用
鋼線は、炭素含有量が0.78〜0.86重量%の炭素
鋼線材を用いて製造される。このスチールコード用炭素
鋼線材は、CrやNiなどの合金元素を添加することな
く、したがって強度高延性を図る低合金鋼線材よりも安
価に製造することができる。
【0014】本発明における炭素鋼線材の炭素含有量
が、0.78重量%よりも少ないと、引っ張り強さTS
がTS≧2350−1450×log d{ここで、T
S:引っ張り強さ(N/mm2 )、d:鋼線の直径(m
m)}の充分な引っ張り強さが得られない。また、本発
明における炭素鋼線材の炭素含有量が、0.86重量%
よりも多いと、そのコストが高く、熱処理が困難となり
やすく、伸線工程において高強度のダイスを用いて引き
抜くため、引き抜き力が高くなり、ダイスの消耗が激し
くなったり、断線が生じやすくなる。
【0015】本発明の炭素鋼線材の具体的な化学成分組
成としては、C:0.78〜0.86重量%、好ましく
は0.80〜0.83重量%、Si:0.12〜0.3
2重量%、Mn:0.30〜0.50重量%、残部鉄及
び不可避不純物からなる。
【0016】鋼線の直径は0.10mm未満では伸線工
程が複雑となり作業性が低下するし、また鋼線1本当た
りの引っ張り強さが小さくなってコードを構成する鋼線
の本数を多数本必要とする場合があり経済的ではない。
0.40mmを超えると鋼線の耐疲労性がいちじるしく
低下するし、曲げ剛性が大きくなってゴム製品の成型作
業性を低下させるので好ましくない。
【0017】最終伸線工程にはいる前の鋼線の直径は同
じにしたほうが上流工程の作業性が向上するので好まし
く、鋼線の直径は最終伸線での加工度合いで決められる
ことが多いので鋼線の直径が細いほど強度は高くなる。
また、太径の鋼線を伸線加工すると不均一加工をうけや
すく伸線加工歪みを大きくとれず強度が得にくいことが
知られており、そのため鋼線の強度TSを、TS≧23
50−1450×Iog dとして鋼線の直径の関数と
した理由である。強度TSがこの値未満では従来用いら
れている鋼線と比ベゴム製品の軽量化効果が乏しい。
【0018】鋼線の延性を繰り返し捻回試験で評価する
理由は、鋼線表層部のミクロ不均一性やミクロ亀裂を評
価するために表層部に僅かの塑性変形を与えるためであ
り、時計方向、或いは反時計方向に一定回数、例えば3
回捻り次いで同じ回数で反転させこれを繰り返し、亀裂
が人るまでの延べ捻り回数は20回以上であれば鋼線の
強度を大きくしても撚線時の断線やスチールコードの耐
疲労性に間題を生じないことによる。
【0019】上記のような強度及び繰り返し捻回数を有
する鋼線を製造するには、パテンテイング処理におい
て、溶体化に至る温度にまで鋼線を急速に加熱する必要
があり、直火炉では鋼線の熱伝達係数を増加させる表面
黒化処理、或いは熱容量の大きい溶融塩浴等を採用する
ことができる。作業環境の点から直火炉の方が望まし
い。パテンテイング処理において、溶体化に至る温度に
まで鋼線を急速に加熱する場合、加熱速度としては、4
5℃/sec以上が望ましく、より望ましくは50〜8
0℃/secである。
【0020】更に溶体化の温度は920〜980℃と
し、溶体化の保持時間を3.5〜5.0秒とすることに
より鋼線のオーステナイト粒を微細化できる。溶体化の
温度が920℃未満ではオーステナイト粒の微細化はで
きるものの溶体化が十分でない場合があり、980℃を
越えると、オーステナイト粒の粗大化が起こるので好ま
しくない。
【0021】更に、溶体化からパーライト変態の遷移温
度、すなわち鋼線を溶体化炉から流動床による変態浴に
移行する温度500℃以下で急冷し、次いでこの急冷温
度よりも30以上高い温度で変態させることによりマル
テンサイトやベイナイトのような異常組織を生成するこ
となく鋼線表層部のパーライトブロック粒を微細化でき
る。鋼線を溶体化炉から流動床による変態浴に移行する
温度は、望ましくは、430〜460℃であり、次いで
この温度よりも50℃高い温度で変態させることが望ま
しい。
【0022】溶体化工程からパーライト変態工程に移行
する鋼線に変態開始温度まで急冷工程を加えることによ
って鋼線表層部のパーライト粒の微細化を図ることがで
きる。なお、変態浴としてはジルコンサンドなどを熱媒
体とした複数室を有する流動床炉を用いることにより作
業環境の改善が図れるし、鋼線を急冷するには流動床炉
の最初の一室を急冷室として使用できるので設備変更の
費用と設置面積が不要となる。
【0023】このようにしてパテンティング処理した鋼
線は通常のように酸洗、ブラスめっきを行い湿式伸線を
行って仕上げ線とする。湿式伸線では、ダイス引き抜き
後の鋼線温度をできるだけ低く保持することが好ましい
ので潤滑液温度は35〜45℃の範囲とすることが望ま
しい。この範囲未満では潤滑液の熟成が不十分となり潤
滑性が低下するし、この範囲を超えるとダイス通過後の
鋼線温度が高くなりかつ潤滑液の劣化が大きくなる。
【0024】用いるダイスのアプローチ角(2α)は8
〜10度、ベアリング長さは(0.3〜0.5)×d’
(d’:ダイス孔径)とし、鋼線の中心部から表層部に
まで均一な加工となるようなパススケジュールとする。
また、伸線加工の真歪みは4.0以上として仕上げ線の
高強度を図り、ダイスニブの材質は高価な焼結ダイヤモ
ンドを用いる必要はなく、タングステンカーバイトなど
の超硬合金を用いることができる。
【0025】更に、伸線直後或いは伸線後において、仕
上げ線の表層部における残留応力を張力下のもとで繰り
返し曲げをすることにより、中心部に対し相対的に圧縮
側にする。このような条件で最終パテンティング処理及
び湿式伸線を行うことによって高強度である仕上がり線
の表層組織は改善されて繰り返し捻回特性は大幅に向上
する。上記したゴム製品用補強鋼線は、タイヤ、工業用
ベルト、耐圧ホース等のゴム製品の補強用に用いられ
る。
【0026】また、本発明のスチールコードは、撚り合
わせ本数が複数本のスチールコードのうちの少なくとも
1本が上記のゴム製品用補強鋼線で構成される。スチー
ルコード中の上記のゴム製品用補強鋼線の本数は、スチ
ールコードが用いられる用途における特性、例えば、引
っ張り強度等を考慮して任意に選定される。
【0027】次に本発明の空気入りラジアルタイヤは、
ベルト層、カーカス層又はビード回り補強層の少なくと
も1つの層に上記したスチールコードが用いられる。ス
チールコード中の上記のゴム製品用補強鋼線の本数が多
い程、スチールコードの高強力化及び耐疲労性に優れ、
ラジアルタイヤの軽量化および耐久性を向上させること
ができる。
【0028】
【実施例】以下具体例で詳細に説明する。スチールコー
ド用炭素鋼線材の化学組成は、重量%で、C:0.82
%、Mn:0.50%、Si:0.21%、P:0.0
09%以下、S:0.009%以下その他不可避的不純
物を含む、非金属介在物が少ない線材を乾式伸線により
直径1.45mmとした後、最終のパテンティング処理
において、直火炉では鋼線表面を黒体化処理して鋼線の
溶体化温度に達するまでの昇温速度を早め、47℃/s
ecとした。
【0029】次いで線材の溶体化温度を930℃、保持
時間4秒とし、オーステナイ粒の微細化を図った。パテ
ンティング処理後の鋼線を従来のパテンティング処理し
た鋼線のパーライトブロックサイズを比較してみると、
従来の処理では中心部で8〜11個/100μm2 であ
ったのに対し、本実施例の処理では中心部で12.5〜
13.5個/100μm2 と小さくなっていた。更に、
溶体化からパーライト変態までの遷移温度475℃とし
た急冷をすることによって表層部では17〜20.5個
/100μm2 と表層部でより微細化していた。
【0030】パテンティング処理した鋼線は通常の方法
で酸洗、ブラスめっき処理した後、湿式伸線により仕上
げ線径0.19mmに縮径した。湿式伸線直後に千鳥状
に配置した小径ローラーで繰り返し曲げを与えて、鋼線
の残留応力分布を表層側で相対的に圧縮となるようにし
た。湿式伸線は、上述のように鋼線の表層部と中心部と
がなるべく均一加工となるようにダイスを選択し、最終
の伸線ダイスの減面率は3〜6%の範囲として線温が1
80℃以下となるようにした。
【0031】繰り返し捻回試験は、一方向に鋼線の直径
dの100倍当たりの長さに対して3回捻り次いで同様
に100当たり逆方向に3回捻り、これを1サイクルと
して鋼線に亀裂が入るまでサイクルを繰り返した。評価
は鋼線に亀裂が入るまでの延べ捻り回数で行った。回数
が大きいほど撚り線時の断線が少なく、また、スチール
コードの耐疲労性が改善されタイヤの耐久寿命の向上が
図ることができる。
【0032】これらの結果を表1にまとめて示す。
【表1】
【0033】スチールコードは、従来例の鋼線による従
来コードと本発明の鋼線による発明コードとを作製し
た。コードの作製はそれぞれの鋼線の11本をチューブ
ラー撚線機により撚り合わせて3+8構造とした。撚線
時の断線を指数比較すると、従来の鋼線では100であ
るのに対し本発明の鋼線では30と大幅に低減し、極め
て大きな改善効果が認められた。
【0034】従来コードと発明コードをカーカス層に用
いて大型ラジアルタイヤを作製し、ドラムテストによる
一定距離を走行する耐久試験を行った。走行後のタイヤ
のカーカスよりコードを採取し、回転曲げ疲労試験で疲
労限を評価したところ、従来コードは指数表示で100
とすると、本発明コードの疲労限指数はll5であり、
耐疲労性に対しても改善効果が認められた。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明による鋼線は高強
度でありながら撚線時の断線を3分のl以下に低減でき
るので撚線の生産性が向上する。また、鋼線を作製する
のに特殊な線材や装置を必要としないので経済的に鋼線
を供給することができる。更に、この鋼線によるスチー
ルコードは高強度でありながら耐疲労性に優れており、
このスチールコードを用いた空気入りタイヤは軽量であ
りながら耐久性に優れているので環境間題に対しても貢
献することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素を0.78〜0.86重量%含有
    し、鋼線表層部に微細パーライト組織を有し、鋼線の直
    径が0.10〜0.40mmの炭素鋼線であって、該鋼
    線の引っ張り強さTSがTS≧2350−1450×l
    og dであり、{ここで、TS:引っ張り強さ(N/
    mm2 )、d:鋼線の直径(mm)}、予め定めた回数
    で捻り次いで前記回数で捻り戻し亀裂が入るまでの延べ
    捻り回数が20(回/100d)以上であることを特徴
    とするゴム製品補強用鋼線。
  2. 【請求項2】 炭素を0.78〜0.86重量%含有す
    る炭素鋼線の溶体化前に線材を予め黒体化処理し、パー
    ライト変態前に異常組織が発生しない程度に急冷するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のゴム製品補強用鋼線を
    製造するゴム製品補強用鋼線の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶体化は加熱速度を45℃/秒として9
    20〜980℃の温度範囲で保持時間が3.5〜5.0
    秒であることを特徴とする請求項2に記載のゴム製品補
    強用鋼線の製造方法。
  4. 【請求項4】 線材を溶体化からパーライト変態までの
    遷移温度500℃以下で急冷し、次いで急冷温度よりも
    30℃以上高い温度でパーライト変態させることを特徴
    とする請求項2に記載のゴム製品補強用鋼線の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 複数本の鋼線を撚り合わせてなり、その
    うちの少なくとも1本は、請求項1に記載のゴム製品補
    強用鋼線からなることを特徴とするスチールコード。
  6. 【請求項6】 ベルト層、カーカス層又はビード回り補
    強層の少なくとも1つの層に請求項5に記載のスチール
    コードを用いることを特徴とする空気入りラジアルタイ
    ヤ。
JP9100630A 1997-04-17 1997-04-17 ゴム製品補強用鋼線及びその製造方法並びにスチールコード及び空気入りラジアルタイヤ Pending JPH10287932A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009091625A (ja) * 2007-10-09 2009-04-30 Bridgestone Corp 炭素鋼線の製造方法
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