JPH08259789A - ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを用いた自動車外装部材 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを用いた自動車外装部材

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JPH08259789A
JPH08259789A JP6020895A JP6020895A JPH08259789A JP H08259789 A JPH08259789 A JP H08259789A JP 6020895 A JP6020895 A JP 6020895A JP 6020895 A JP6020895 A JP 6020895A JP H08259789 A JPH08259789 A JP H08259789A
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Takashi Umeda
尚 梅田
Teruhiko Nakazato
照彦 中里
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル樹脂及
び微細繊維からなる樹脂組成物使用成形品のウェルド部
の強度の低下防止、高剛性、良好な外観の付与、特に自
動車外装部材などの材料として好適なポリカーボネート
樹脂組成物を提供することを目的とする。 【構成】(A)ポリカーボネート系樹脂30〜89重量
%、(B)芳香族ポリエステル樹脂10〜50重量%、
(C)ゴム状弾性体0〜50重量%及び(D)シラン系
化合物表面処理微細繊維1〜50重量%とからなるポリ
カーボネート樹脂組成物及びその組成物を用いて成形し
てなる自動車外装部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネート樹脂
組成物及びそれを用いた自動車外装部材に関し、さらに
詳しくは、高いウェルド強度、剛性、衝撃強度、良好な
外観を有する成形品を安定的に与えることができ、特に
自動車外装部材などの材料として好適なポリカーボネー
ト樹脂組成物、及びそれを用いて成形してなる自動車外
装部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリカーボネート系樹脂はその耐
衝撃特性や引張強度などの機械的物性、電気特性、透明
性などに優れ、エンジニアリングプラスチックとして、
自動車、電気・電子分野、OA機器分野などのいろいろ
な分野において幅広く使用されている。更に、自動車の
内装材や外装材にポリカーボネート系樹脂を用いる場
合、一般にポリエステル樹脂やゴム状弾性体を配合する
ことによって、耐溶剤性や耐衝撃性などの改良が行われ
ている。ところで、最近、自動車分野などにおいては、
剛性や長期実用特性などを向上させるために、上記配合
物にさらにチタン酸カリウムウイスカーなどの微細な無
機質繊維を配合することが行われている(例えば特開昭
63−17955号公報,特開平2−86650公
報)。しかしながら、これらの無機質微細繊維の添加は
成形品のウェルド部、即ち射出成形、中空成形等熱成形
において生成するウェルドライン部とか成形部材間の接
合部等の各種強度の低下を来し、最終製品の実用的強度
を損なう恐れがあり、大きい問題とされてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、無機質微細繊維の添加をしたポリカーボネー
ト系樹脂又はこれに芳香族ポリエステル樹脂を加えた熱
成形品のウェルド部の強度の低下を防止し、高い剛性と
良好な外観を有する成形品を安定的に与えることがで
き、特に自動車外装部材などの材料として好適なポリカ
ーボネート樹脂組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有するポリカーボネート樹脂組成物を開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート系樹
脂、芳香族ポリエステル樹脂、場合により用いられるゴ
ム状弾性体及びエポキシシランという特定の表面処理剤
で表面処理されたチタン酸カリウムウィスカー等の微細
繊維、特に無機質微細繊維を配合することにより、或い
はこれに更にホスファイト系抗酸化剤をそれぞれ所定の
割合で配合することにより、上記諸目的を達成しうるこ
とを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の要旨は
次の通りである。 (第1)(A)ポリカーボネート系樹脂30〜89重量
%、(B)芳香族ポリエステル樹脂10〜50重量%、
(C)ゴム状弾性体0〜50重量%及び(D)シラン系
化合物表面処理微細繊維1〜50重量%とからなるポリ
カーボネート樹脂組成物。 (第2)上記第1記載の(A)成分、(B)成分、
(C)成分及び(D)並びに(E)ホスファイト系抗酸
化剤からなるポリカーボネート樹脂組成物であり、
(A)〜(D)の各成分の合計100重量%中、(A)
成分が30〜89重量%、(B)成分が10〜50重量
%、(C)成分が0〜50重量%、(D)成分が1〜5
0重量%であり、(A)〜(D)の各成分の合計100
重量部に対して(E)成分が0.01〜5重量部であるポ
リカーボネート樹脂組成物。 (第3)(D)成分の微細繊維の径が0.1〜2μmであ
る上記第1又は2記載のポリカーボネート樹脂組成物。 (第4)(D)成分の微細繊維がチタン酸カリウムウィ
スカー、ホウ酸アルミニウムウイスカーの少なくとも1
種である上記第1又は2記載のポリカーボネート樹脂組
成物。 (第5)上記第1〜4のいずれかに記載のポリカーボネ
ート樹脂組成物を用いて成形してなる自動車外装部材。
【0005】本発明の樹脂組成物を構成する(A)成分
のポリカーボネート系樹脂としては様々なものがあり、
好ましくは一般式(I)
【0006】
【化1】
【0007】〔式中、R1 及びR2 は、それぞれ水素原
子,ハロゲン原子(塩素,臭素,フッ素,ヨウ素)又は
炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基,エチル
基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,
イソブチル基,アミル基,イソアミル基,ヘキシル基な
ど)であり、それらはたがいに同一でも異なっていても
よい。またR1 が複数ある場合は複数のR1 は同一でも
異なっていてもよく、R 2 が複数ある場合は複数のR2
は同一でも異なっていてもよい。m及びnは、それぞれ
1〜4の整数である。そして、Yは、単結合,炭素数1
〜8のアルキレン基又は炭素数2〜8のアルキリデン基
(例えば、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブ
チレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,エチリデン
基,イソプロピリデン基など),炭素数5〜15のシク
ロアルキレン基又は炭素数5〜15のシクロアルキリデ
ン基(例えば、シクロペンチレン基,シクロヘキシレン
基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリデン基な
ど),又は−S−,−SO−,−SO2 −,−O−,−
CO−結合若しくは式(II) あるいは(II')
【0008】
【化2】
【0009】で表される結合を示す。〕で表される構造
単位を含む重合体を挙げることができる。このポリカー
ボネート系樹脂は、一般式(III)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 ,R2 ,Y,m及びnは前記
と同じである。)で表される二価フェノールとホスゲン
又は炭酸ジエステル化合物とを反応させることによって
容易に製造することができるものである。すなわち、例
えば、塩化メチレンなどの溶媒中において、公知の酸受
容体や分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲ
ンのようなカーボネート前駆体との反応により、あるい
は二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカ
ーボネート前駆体とのエステル交換反応などによって製
造される。ここで、前記一般式(III)で表わされる二価
フェノールとしては、様々なものがあるが、特に、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称:
ビスフェノールA〕が好適である。ビスフェノールA以
外の二価フェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フェニルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ナフチルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
(4−イソプロピルフェニル)メタン;ビス(3,5−
ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;
1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1−エ
チル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン;1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ペンタン;4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ペンタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ノナン;1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)デカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロプロパンなどのジヒドロキシジアリ
ールアルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのジ
ヒドロキシジアリールシクロアルカン類、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3−クロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロ
キシジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリール
エーテル類、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒド
ロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケ
トン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィ
ド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドな
どのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’
−ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル
類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ンなどのジヒドロキシアリールフルオレン類などが挙げ
られる。また、該一般式(III)で表される二価フェノー
ル類以外に、ヒドロキノン,レゾルシノール,メチルヒ
ドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1,5−ジ
ヒドロキシナフタレン;2,6−ジヒドロキシナフタレ
ンなどのジヒドロキシナフタレン類などが挙げられる。
これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよ
く、二種以上を組合わせて用いてもよい。
【0012】また、炭酸ジエステル化合物としては、ジ
フェニルカーボネートなどのジアリールカーボネートや
ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネートなどのジ
アルキルカーボネートが挙げられる。そして、分子量調
節剤としては、通常、ポリカーボネートの重合に用いら
れるものでよく、各種のものを用いることができる。具
体的には、一価フェノールとして、例えば、フェノー
ル,p−クレゾール,p−tret−ブチルフェノール,p
−tret−オクチルフェノール,p−クミルフェノール,
ブロモフェノール,トリブロモフェノール,ノニルフェ
ノールなどが挙げられる。また、場合によっては、
(A)成分のポリカーボネート系樹脂としては、前記一
般式(I)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1 ,R2 ,Y,m及びnは前記
と同じである。)で表される構造の繰り返し単位を有す
るポリカーボネート部と、一般式(IV)
【0015】
【化5】
【0016】〔式中、R3 ,R4 及びR5 は、それぞれ
水素原子,炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル
基,エチル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル
基,アミル基,イソアミル基,ヘキシル基など)又はフ
ェニル基であり、それらはたがいに同一であっても異な
っていてもよい。また、p及びqは、それぞれ0又は1
以上の整数であるが両方が共に0ではない。〕で表され
る構造の繰返し単位を有するポリオルガノシロキサン部
とからなるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン
共重合体を用いてもよい。このポリオルガノシロキサン
部の重合度は5以上が好ましい。
【0017】更に本発明においては必要に応じて、
(A)成分のポリカーボネート系樹脂には分岐ポリカー
ボネートを含有させることができる。上記分岐ポリカー
ボネートを得るために用いられる分岐剤としては、例え
ば、フロログルシン,メリト酸,トリメリト酸,トリメ
リト酸クロリド,無水トリメリト酸,没食子酸,没食子
酸n−プロピル,プロトカテク酸,ピロメリト酸,ピロ
メリト酸二無水物,α−レゾルシン酸,β−レゾルシン
酸,レゾルシンアルデヒド,トリメチルクロリド,イサ
チンビス(o−クレゾール),トリメチルトリクロリ
ド,4−クロロホルミルフタル酸無水物,ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸;2,4,4’−トリヒドロキシベ
ンゾフェノン;2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン;2,4,4’−トリヒドロキシフェニ
ルエーテル;2,2’,4,4’−テトラヒドロキシフ
ェニルエーテル;2,4,4’−トリヒドロキシジフェ
ニル−2−プロパン;2,2’−ビス(2,4−ジヒド
ロキシ)プロパン;2,2’,4,4’−テトラヒドロ
キシジフェニルメタン;2,4,4’−トリヒドロキシ
ジフェニルメタン;1−〔α−メチル−α−(4’−ジ
ヒドロキシフェニル)エチル〕−3−〔α’,α’−ビ
ス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;1
−〔α−メチル−α−(4’−ジヒドロキシフェニル)
エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシ
フェニル)エチル〕ベンゼン;α,α’,α”−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン;2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5’
−メチルベンジル)−4−メチルフェノール;4,6−
ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフェ
ニル)−2−ヘプテン;4,6−ジメチル−2,4,6
−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプタ
ン;1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)
ベンゼン;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン;2,2−ビス〔4,4−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキシル〕プロパン;2,6−
ビス(2’−ヒドロキシ−5’−イソプロピルベンジ
ル)−4−イソプロピルフェノール;ビス〔2−ヒドロ
キシ−3−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジ
ル)−5−メチルフェニル〕メタン;ビス〔2−ヒドロ
キシ−3−(2’−ヒドロキシ−5’−イソプロピルベ
ンジル)−5−メチルフェニル〕メタン;テトラキス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン;トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)フェニルメタン;2’,4’,7−ト
リヒドロキシフラバン;2,4,4−トリメチル−
2’,4’,7−トリヒドロキシフラバン;1,3−ビ
ス(2’,4’−ジヒドロキシフェニルイソプロピル)
ベンゼン;トリス(4’−ヒドロキシフェニル)−アミ
ル−s−トリアジンなどが挙げられる。この他、(A)
成分のポリカーボネート系樹脂としては、例えば、アジ
ピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバ
シン酸,デカンジカルボン酸などの直鎖状脂肪族二価カ
ルボン酸を共重合モノマーとする共重合体を用いること
もできる。
【0018】本発明において使用される(A)成分のポ
リカーボネート系樹脂は一種用いてもよく、二種以上を
組み合わせて用いてもよい。また、該ポリカーボネート
系樹脂は、機械的強度及び成形性の点から、その粘度平
均分子量が10,000〜100,000のものが好ま
しく、特に15,000〜40,000のものが好適で
ある。
【0019】次に、(B)成分の芳香族ポリエステル樹
脂としては、様々なものを用いることできる。例えば、
特に二官能性カルボン酸とアルキレングリコールを重合
して得られるポリエステル樹脂が好適である。ここで、
二官能性カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸,
イソテレフタル酸,ナフタレンジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸が挙げられる。これらの中では、テレフ
タル酸が好ましく、また本発明の効果を損なわない範囲
で他の二官能性カルボン酸を併用することもできる。こ
こにいう他の二官能性カルボン酸としては例えば、シュ
ウ酸,マロン酸,アジピン酸,スベリン酸,アゼライン
酸,セバシン酸,デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体が挙げられ
るが、これらの二官能性カルボン酸の配合割合は全二官
能性カルボン酸に対して一般に20モル%以内が好まし
い。次に、アルキレングリコールとしては、特に制限は
ないが、例えば、エチレングリコール;プロピレン−
1,2−グリコール;プロピレン−1,3−グリコー
ル;ブチレン−1,4−グリコール;ブチレン−2,3
−グリコール;ヘキサン−1,6−ジオール;オクタン
−1,8−ジオール;ネオペンチルグリコール,デカン
−1,10−ジオールなどの炭素数2〜15の脂肪族ジ
オール,ポリエチレングリコールなどを用いることがで
きる。また、二種以上のグリコール成分を組み合わせて
用いてもよい。このような二官能性カルボン酸とアルキ
レングリコールを重合して得られるポリエステル樹脂と
しては、特にポリエチレンテレフタレート及びポリブチ
レンテレフタレートが好適である。
【0020】この(B)成分の芳香族ポリエステル樹脂
は、チタン,ゲルマニウム,アンチモンなどを含有する
重縮合触媒の存在下又は不存在下で、通常の方法で製造
することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレー
トは、通常テレフタル酸とエチレングリコールとをエス
テル化反応させるか、又はジメチルテレフタレートのよ
うなテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレング
リコールとをエステル交換反応させ、テレフタル酸のグ
リコールエステル及び/又はその低重合体を製造する第
1段階の反応と、次いで、該グリコールエステル及び/
又はその低重合体をさらに重合させて重合度の高いポリ
マーとする第2段階反応、いわゆる重合反応とによって
製造される。この(B)成分の芳香族ポリエステル樹脂
は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0021】また、(C)成分のゴム状弾性体として
は、様々なものを用いることができる。好適な例として
は、ゴム状重合体の存在下に、ビニル系単量体の一種又
は二種以上を重合させることによって得られる共重合体
である。ここで、ゴム状弾性体としては、アルキルアク
リレートやアルキルメタクリレートを主体とするアクリ
ル系重合体やメタクリル系重合体、ブタジエンやイソプ
レンなどの共役ジエンを主体とするジエン系重合体、ポ
リオルガノシロキサンを主体とするシリコーン系重合体
の一種又は二種以上の共重合体であり、MAS樹脂,M
BS樹脂,MABS樹脂と通常称されるものである。
【0022】また、ビニル系単量体としては、例えば、
スチレン,α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合
物、アクリル酸メチル,アクリル酸エチルなどのアクリ
ル酸エステル、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチ
ルなどのメタクリル酸エステル、アクリロニトリルなど
のシアン化ビニル化合物などが挙げられる。上記ゴム状
弾性体は、例えば、特公昭48−29308号公報(M
AS樹脂)、特公昭55−9435号公報(MBS樹
脂)、特開昭64−6051号公報(MAIS樹脂)、
特開昭64−79257号公報などに開示されている公
知のものを用いることができる。これらのゴム状弾性体
は、例えば、パラロイドKM330〔ローム&ハース社
製,MAS樹脂〕、メタブレンC−223〔三菱レイヨ
ン(株)社製,MBS樹脂〕、メタブレンS−2001
〔三菱レイヨン(株)社製,MAS樹脂〕などを市場か
ら容易に入手することができる。
【0023】上記以外のゴム状弾性体としては、例え
ば、ブタジエンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴ
ム(SBR),イソブチレン−イソプレンゴム(II
R),エチレン−プロピレンゴム(EPR),エチレン
−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),アクリロニト
リル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエ
ン−スチレンゴム(SBS),スチレン−ブタジエンゴ
ムの水素化物(SEBS),スチレン−イソプレン−ス
チレンゴム(SIS),スチレン−イソプレンゴムの水
素化物(SEPS)などを用いてもよい。この(C)成
分のゴム状弾性体は一種用いてもよく、二種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0024】本発明の樹脂組成物においては、(D)成
分として表面処理された微細繊維が用いられる。ここ
で、微細繊維の長さ、径は特に限定されるものではない
が、平均径は0.1〜2μm程度の繊維のものが好まし
い。本発明の場合は繊維長が添加効果に表れやすく、繊
維長10〜400μmが好ましい。平均径が2μmを超
えると後述の表面処理をしてもウェルド強度の低下が表
れ始め、しかも剛性、衝撃強度向上にもそれ程効果的で
ない。逆に、0.1μm未満では製造が困難になるわりに
は、成形体の剛性、衝撃強度の向上は小さい。
【0025】表面処理をした微細繊維の添加量は、1重
量%未満ではウェルド部強度への影響はないが、成形体
の剛性向上、各種強度向上、寸法精度向上(成形収縮率
の低減)等の改良効果が小さく、本発明の目的達成のた
めには好ましくない。一方、50重量%を超えると、成
形品の肌荒れ等外観が悪化するとともに、硬度の高い繊
維の場合は混練押出用シリンダーとか、成形用金型内面
の摩耗が激しくなり、装置の経済的維持、管理ができず
好ましくない。更には、樹脂組成物の劣化の大きくなる
傾向を有する。
【0026】本発明において使用される微細繊維の種類
は特に限定されるものではないが、本発明の目的の達成
の容易性、生産性、材料の入手、供給の安定、容易性な
どの諸点から通常ウィスカーとよばれる微細繊維であ
る、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカ
ー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、窒化ホウ素ウィス
カー、ボロン繊維、微細ガラス繊維、黒鉛ウィスカー等
が挙げられる。これらの中で、性能,コストの面からチ
タン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィス
カーが好ましい。
【0027】これら微細繊維の表面処理はシラン系化合
物を用いて行われアミノシラン系,エポキシシラン系,
アクリルシラン系,ビニルシラン系,メルカプトシラン
系,ハロゲノシラン系などがあるが、これらの中でエポ
キシシラン系が好ましい。エポキシシラン系表面処理剤
としては各種のものがあり、一般式(V) (D)−Si−(E) ・・・(V) で表される二官能性シランが好ましく用いられる。ここ
で、上記一般式(V)においてDは微細繊維との反応性
基を示し、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の
アルコキシ基、塩素、臭素等のハライド基などが挙げら
れる。また、Eはエポキシ基を示し、m及びnはそれぞ
れ1〜3の整数であり、m+n=4である。
【0028】一般式(V)で表されるエポキシシラン系
の表面処理剤の具体例としては、3−グリシドキシプロ
ピルメトキシシラン;3−グリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン;エポキシエチルトリエトキシシラ
ン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;グ
リシドキシエチルトリエトキシシラン;1,2−エポキ
シブチルトリエトキシシラン;1,2−エポキシブトキ
シプロピルトリエトキシシラン;β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙
げられる。
【0029】これらの表面処理剤で微細繊維を処理する
方法については、特に制限はないが、従来慣用されてい
る方法、例えば、水溶液法、有機溶液法等表面処理剤の
溶液に微細繊維を浸漬後乾燥する方法、表面処理剤の有
機分散液を微細繊維にスプレーし乾燥する方法など、通
常、繊維類の表面処理に用いられる方法が適用できる。
微細繊維の表面処理量は特に限定されるものではない
が、通常、微細繊維に対し、0.1〜5重量%の割合での
使用が好適である。0.1重量%未満では樹脂の機械的物
性向上やウェルド強度向上効果が充分とはいえず、また
5重量%を超えるとその量の割には効果の向上が認めら
れず、むしろ樹脂等との混練時のフィードが不安定にな
る。
【0030】前記(A),(B),(C)及び(D)成
分からなる本発明の樹脂組成物においては、前記
(A),(B),(C)及び(D)成分の合計100重
量%に対し、(A)成分のポリカーボネート樹脂30〜
89重量%、(B)成分の芳香族ポリエステル樹脂10
〜50重量%、(C)成分のゴム状弾性体0〜50重量
%及び(D)成分の表面処理微細繊維1〜50重量%の
割合で配合することが必要である。ここで(A)成分の
含有量が30重量%未満ではポリカーボネート系樹脂本
来の特性が失われるし、89重量%を超えると他の成分
の配合量が少なくなり、所望の改良された物性を有する
組成物が得られない。(B)成分の含有量が10重量%
未満では耐溶剤性の向上効果が充分に発揮されず、50
重量%を超えるとポリカーボネート系樹脂本来の特性が
充分に発揮されない。また、(C)成分の添加は衝撃強
度向上のために加えられるが、その含有量が50重量%
を超えるとポリカーボネート系樹脂本来の特性が充分に
発揮されない。更に、(D)成分の含有量が1重量%未
満では剛性の向上効果が充分に発揮されず、50重量%
を超えると比重が大きくなり、かつ耐衝撃性及び外観が
低下する傾向がみられる。本発明の樹脂組成物の成分比
は、ポリカーボネート系樹脂本来の特性,耐溶剤性,剛
性,耐衝撃性,外観性などの点から、(A)成分を50
〜85重量%、(B)成分を15〜40重量%、(C)
成分を1〜30重量%及び(D)成分を2〜20重量%
の割合で含有するのが好ましく、特に(A)成分を55
〜80重量%、(B)成分を15〜35重量%、(C)
成分を3〜20重量%及び(D)成分を2〜15重量%
の割合で含有する場合が一層好ましい。
【0031】本発明は、上記(A)〜(D)の各成分の
他、(E)成分としてホスファイト系抗酸化剤を用いる
組成物をも提供する。このホスファイト系抗酸化剤とし
ては様々なものがあり、例えば一般式(VI) (R6 0)3 P ・・・(VI) (式中、R6 は水素原子,炭素数1〜20のアルキル
基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜30のア
ルキルアリール基又は炭素数7〜30のアリールアルキ
ル基を示し、これらの炭化水素基には、ハロゲン原子,
炭素数1〜30のアルキルチオ基又はヒドロキシル基が
導入されていてもよい。3個のR6 はたがいに同一でも
異なっていてもよいが、3個が共に水素原子ではな
い。)で表される化合物、あるいは一般式(VII)
【0032】
【化6】
【0033】(式中、R7 及びR8 はそれぞれ水素原
子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のア
リール基,炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭
素数7〜20のアリールアルキル基を示し、これらの炭
化水素基には、ハロゲン原子,炭素数1〜30のアルキ
ルチオ基又はヒドロキシル基が導入されていてもよい。
7 及びR8 はたがいに同一でも異なっていてもよい
が、共に水素原子ではない。Zはエーテル結合を含む又
は含まない炭素数1〜20の4価の炭化水素残基を示
す。)で表される化合物を挙げることができる。上記一
般式(VII)で表されるホスファイト化合物の中では、Z
が式
【0034】
【化7】
【0035】で表されるものであるペンタエリスリトー
ル型のホスファイト化合物が好適である。上記一般式
(VI)で表されるホスファイト化合物としては、例えば
トリス(ミックスドモノ及びジ−ノニルフェニル)ホス
ファイト,トリスノニルフェニルホスファイト,トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト,ト
リフェニルホスファイト,ジフェニルモノ(2−エチル
ヘキシル)ホスファイトなどが挙げられ、一般式(VII
)で表されるホスファイト化合物としては、例えばビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト,ビス(2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト,ジステアリルペンタエリスリトールジホスファ
イトなどが挙げられる。これらのホスファイト化合物は
それぞれ単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて
用いてもよい。本発明の樹脂組成物においては、この
(E)成分のホスファイト系抗酸化剤は、前記した割合
の(A)成分,(B)成分,(C)成分及び(D)成分
の合計100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲
で配合される。この配合量が0.01重量部未満では樹脂
の酸化劣化抑制効果が充分に発揮されず、5重量部を超
えるとその量の割には効果の向上が認められず、むしろ
経済的に不利となる。樹脂の劣化抑制効果及び経済性の
面から、該ホスファイト系抗酸化剤の好ましい配合量は
0.05〜4重量部の範囲であり、特に0.1〜2重量部の
範囲が好適である。
【0036】本発明の樹脂組成物には、前記(A),
(B),(C),(D)及び(E)の各成分以外に必要
に応じて、本発明の目的が損なわれない範囲で各種添加
成分、例えば他の合成樹脂、ヒンダードフェノール系や
アミン系などの他の抗酸化剤、ベンゾトリアゾール系や
ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン系の光安定剤、脂肪族カルボン酸エステル系,パラフ
ィン系,シリコーンオイル,ポリエチレンワックスなど
の内部滑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、他の無機
充填剤や有機充填剤、離型剤、着色剤などを配合するこ
とができる。
【0037】本発明の提供する樹脂組成物は、前記の
(A),(B)(C)及び(D)成分又はこれら各成分
と更に(E)成分とからなるものであるが、更に必要な
他の各種添加成分を配合し、溶融混練することによって
調製することができる。該配合,混練には、通常用いら
れている装置及び方法、例えば、リボンブレンダー,ヘ
ンシェルミキサー,バンバリーミキサー,ドラムタンブ
ラー,単軸スクリュー押出機,二軸スクリュー押出機,
コニーダ,多軸スクリュー押出機などを用いる方法によ
り行うことができる。なお、混練に際しての加熱温度
は、通常240〜300℃の範囲で選ばれる。かくして
得られるポリカーボネート樹脂組成物は、既知の種々の
成形方法、例えば、射出成形,中空成形,押出成形,圧
縮成形,カレンダー成形,回転成形などを適用して自動
車外装部材をはじめとして、各種成形品を製造するのに
供することができる。
【0038】本発明はまた、前記ポリカーボネート樹脂
組成物を成形してなる自動車外装部材をも提供するもの
である。該自動車外装部材としては、例えばドアハンド
ル,サイドガーニッシュ,センターパネル,リアフィニ
ッシャー,バンパー,リアパネルなどを挙げることがで
きる。
【0039】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、ここに用いた各成分は次のとお
りである。なお、下記(A)〜(E)及び(a) 〜(f) な
る記号は、第1表に示した記号(A)〜(E)及び(a)
〜(f) と符号する。 (A)ポリカーボネート系樹脂:出光石油化学(株)製
ポリカーボネート(商品名「タフロンA3000」,粘
度平均分子量29,000) (B)芳香族ポリエステル樹脂: (a) ポリエチレンテレフタレート:三菱レイヨン(株)
製(商品名「ダイヤナイトMA−523V」) (b) ポリブチレンテレフタレート:三菱レイヨン(株)
製(商品名「タフペットN1000」) (C)ゴム状弾性体:三菱レイヨン(株)製MAS樹脂
(商品名「メタブレンS−2001」) (D)微細繊維: (c) エポキシシランで表面処理したチタン酸カリウムウ
ィスカー:チタン工業(株)製(グレード名HT−30
2,平均繊維径0.7μm) (d) エポキシシランで表面処理したチタン酸カリウムウ
ィスカー:大塚化学(株)製(グレード名N102,平
均繊維径0.7μm) (e) 表面無処理のチタン酸カリウムウィスカー:チタン
工業(株)製(グレード名HT−300,平均繊維径0.
7μm) (f) エポキシシランで表面処理したホウ酸アルミニウム
ウィスカー:四国化成(株)製(商品名アルボレックス
YS2,平均繊維径0.7μm) (g) 表面無処理の繊維状ウォラストナイト:NYCO社
製(商品名NYADSpecial G,平均繊維径10μm) (E)ホスファイト系抗酸化剤:ビス(2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト
【0040】実施例1〜3 第1表に示した配合比に従い、ポリカーボネート樹脂及
びポリエチレンテレフタレート樹脂を120℃で6時間
乾燥後、ゴム状弾性体、エポキシシラン表面処理チタン
酸カリウムウィスカーをドライブレンドしてベント付二
軸押出機にてシリンダー温度280℃で溶融混練し、ペ
レット化した。得られたペレットをシリンダー温度28
0℃で成形して試験片を作製し、機械的物性の評価を行
った。評価結果は第1表に示した。
【0041】実施例4 エポキシシラン表面処理チタン酸カリウムウィスカーの
種類を代え、ホスファイト系抗酸化剤を使用した以外は
実施例1と同様に成形し、評価した。評価結果は第1表
に示した。
【0042】実施例5 エポキシシラン表面処理チタン酸カリウムウィスカーに
代え、エポキシシラン表面処理ホウ酸アルミニウムウィ
スカーを使用した以外は実施例1と同様に成形し、評価
した。評価結果は第1表に示した。
【0043】実施例6 ポリエチレンテレフタレート樹脂に代え、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ホスファイト系抗酸化剤を使用
し、混練温度270℃,成形温度を260℃とした以外
は実施例1と同様に成形し、評価した。評価結果は第1
表に示した。
【0044】実施例7 実施例1で使用したポリカーボネート樹脂組成物を用
い、樹脂温度280℃で長さ約1.8mの自動車用バンパ
ーを中空成形法で成形し、厚さ3.5mmのウェルド部に
ついて実施例1同様の評価を行った。評価結果は第1表
に示した。
【0045】比較例1 エポキシシラン表面処理チタン酸カリウムウィスカーに
代え、表面無処理のチタン酸カリウムウィスカーを使用
した以外は実施例1と同様に成形し、評価した。評価結
果は第1表に示した。
【0046】比較例2 微細繊維を使用せず、他の成分の配合比を僅かに変え、
実施例1にほぼ準じて成形し、評価した。評価結果は第
1表に示した。
【0047】比較例3 エポキシシラン表面処理チタン酸カリウムウィスカーに
代え、表面無処理の繊維状ウォラストナイトを使用した
以外は実施例1と同様に成形し、評価した。評価結果は
第1表に示した。
【0048】比較例4 エポキシシラン表面処理チタン酸カリウムウィスカーに
代え、表面無処理のチタン酸カリウムウィスカーを使用
した以外は実施例7と同様に成形し、評価した。評価結
果は第1表に示した。
【0049】
【表1】
【0050】なお、実施例、比較例における評価条件等
は次の通りであった。 (1)アイゾット衝撃強さ(ウェルド有) 実施例7,比較例4以外はダンベル試験片成形用金型の
両サイドゲートから樹脂組成物を注入して対向のウェル
ドを作成し、実施例6及び比較例4はバンパーのウェル
ド部を切り取って試験片を作成し、JIS K−711
0 に準拠してアイゾット衝撃試験を行った。 (2)曲げ弾性率 JIS K−7203に準拠して行った。 (3)アイゾット衝撃強さ(ウェルドなし) JIS K−7110に準拠して行った。 (4)表面粗さ(Ra:中心線平均粗さ) 小坂研究所製表面粗さ測定器(商品名「サーフコーダ
SE−30D」)を使用し、Drive Speed 0.5 mm/sec.,
測定距離 8 mm で測定した。なお、測定場所は実施例7
及び比較例4以外は引張試験片反ゲート側とし、実施例
7及び比較例4はウェルド部から5cm離れた場所とし
た。このRaは値の低い方が成形品の平滑性に優れてい
る。
【0051】
【発明の効果】本発明に係るポリカーボネート樹脂組成
物は、微細繊維にシラン系化合物表面処理を行うことに
より、微細繊維に基づく成形物のウェルド強度の低下を
抑え、絶対強度を向上させることができた。このこと
は、アイゾット試験における破断面に塑性変形が見ら
れ、ウェルド強度が向上することからも明確である。更
に、剛性、衝撃強度に優れた成形物製造に適した組成物
であり、しかも成形体の外観に優れることから自動車外
装部材に下塗りをすることなく表面塗装が直接できる、
いわゆるプライマーレス塗装が可能になった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 LPE C08L 67/02 LPE

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリカーボネート系樹脂30〜89
    重量%、(B)芳香族ポリエステル樹脂10〜50重量
    %、(C)ゴム状弾性体0〜50重量%及び(D)シラ
    ン系化合物表面処理微細繊維1〜50重量%とからなる
    ことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の(A)成分、(B)成分、
    (C)成分及び(D)成分並びに(E)ホスファイト系
    抗酸化剤からなるポリカーボネート樹脂組成物であり、
    (A)〜(D)の各成分の合計100重量%中、(A)
    成分が30〜89重量%、(B)成分が10〜50重量
    %、(C)成分が0〜50重量%、(D)成分が1〜5
    0重量%であり、(A)〜(D)の各成分の合計100
    重量部に対して(E)成分が0.01〜5重量部であるこ
    とを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(D)成分の微細繊維の径が0.1〜2μm
    である請求項1又は2記載のポリカーボネート樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】(D)成分の微細繊維がチタン酸カリウム
    ウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカーの少なくと
    も1種である請求項1又は2記載のポリカーボネート樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のポリカー
    ボネート樹脂組成物を用いて成形してなる自動車外装部
    材。
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