JPH08258056A - ポリウレタン成形フォームにおけるピンチ変形および輪郭線の軽減方法 - Google Patents

ポリウレタン成形フォームにおけるピンチ変形および輪郭線の軽減方法

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JPH08258056A
JPH08258056A JP8037099A JP3709996A JPH08258056A JP H08258056 A JPH08258056 A JP H08258056A JP 8037099 A JP8037099 A JP 8037099A JP 3709996 A JP3709996 A JP 3709996A JP H08258056 A JPH08258056 A JP H08258056A
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pressure
polyurethane
clamping force
reduced
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JP8037099A
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Keith D Cavender
ダグラス ケイベンダー ケイス
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Arco Chemical Technology LP
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/34Auxiliary operations
    • B29C44/58Moulds
    • B29C44/588Moulds with means for venting, e.g. releasing foaming gas
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/34Auxiliary operations
    • B29C44/3438Bursting the cell walls by a sudden pressure release
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2105/00Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
    • B29K2105/04Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped cellular or porous
    • B29K2105/045Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped cellular or porous with open cells

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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリウレタン成形フォームの製造におけるピ
ンチ変形および輪郭線の形成を軽減または実質的に排除
する、時限圧力解放を用いる気泡連通化方法を提供す
る。 【解決手段】 ガスをモールドから放散させるが、モー
ルドがわずかな量だけ分割線に沿って離れるように制御
された方法で、硬化しつつある気泡ポリウレタンフォー
ム成形品のモールド内圧を解放することによる、時限部
分的圧力解放(TPPR)を用いて気泡ポリウレタン成
形品の気泡連通化を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン成形
フォームにおけるピンチングおよび輪郭線を軽減させる
方法に関する。より詳細には、本発明は、気泡の連通化
技術として時限圧力解放を利用して、ポリウレタン成形
フォームにおけるピンチおよび輪郭線を軽減させる方法
に関する。この方法では、型締圧が低下するが解放はさ
れず、従って、モールド自体の移動を最小にしつつ気泡
の連通化効果を達成できる。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンフォームの商業的カテゴリ
ーは成形ポリウレタンフォームとスラブストックポリウ
レタンフォームの2つに大別される。後者では、ポリウ
レタンフォーム形成用の反応物を可動コンベヤーの上に
配置し、そして最大限に膨張させる。得られるフォーム
は、その処方ならびに無拘束状態で膨張するフォームの
能力のために、比較的連続した気泡のフォームをもたら
し、これはその後座席用クッション、マットレス、カー
ペットの下敷き、その他の用途に適した形状に裁断され
る。
【0003】しかし、成形フォームの場合は、フォーム
が無拘束状態で膨張するのではなく、モールドの輪郭い
っぱいに膨張するにすぎない。このような条件下では、
連続気泡フォームが形成されるよりも、主に独立気泡の
フォームが形成される。成形フォームは、それを裂くこ
となくモールドから取り出して取り扱える程度にまで、
モールド内で硬化される。十分な硬化を得るためには、
成形フォームを、適度な高温に維持した炉の中に、フォ
ームを硬化させるのに十分な時間通過させるか、また
は、より長い時間をかけて周囲温度で後硬化させる。
【0004】こうしたフォームが製造されるときに発生
する反応熱のために、成形フォームの気泡は最初は高温
のガスを含んでいる。成形フォーム製品が冷やされる
と、温度の低下ゆえに気泡内のガスの圧力低下がフォー
ムを収縮させ、一般に使用不能な製品を生じさせる。こ
のような収縮を防ぐため、従来の技術では、モールドか
ら取り出した直後にフォームをローラーか、手か、ある
いは他の機械的手段によって圧縮(クラッシング)する
必要があった。ポリマー系が十分に架橋されていないこ
の段階での圧縮は非常に多数の気泡壁を破裂させ、その
結果として、独立気泡と多数の連続気泡を両方とも含む
フォームが形成される。連続気泡はそれ以上の収縮を防
止することに加えて、連続気泡の数がフォームのレジリ
エンスに寄与する。
【0005】しかし、フォームの手動圧縮またはローラ
ー圧縮はいくつかの点で満足のゆくものではない。手動
圧縮は時間と労力を要し、フォーム全体を均一に圧縮す
ることができないため不均一な構造組織の製品をもたら
す。ローラー圧縮は、フォーム圧縮に要する時間の短縮
ならびにフォームの均一性の改善を提供するが、例えば
自動車の座席用クッションの場合にしばしばそうである
ように、フレーム部材やフォームに成形された他の硬質
部品を含む多くの成形物品に適用することができない。
【0006】米国特許第4,579,700号(参考と
してここに組み入れる)には、手動またはローラー圧縮
の使用を実質的に回避する気泡連通化技術が開示されて
いる。上記の特許に記載された方法では、気泡の連通化
が、ポリウレタン系の硬化中の特定の時期にモールドの
圧力を解放するという単純ではあるが素晴らしい方法に
よって達成される。この時期のポリウレタンは圧潰を避
けるのに十分な強度を示しているが、モールドの圧力を
解放する際の気泡壁の破裂を避けるに足る強度は持ち合
わせていない。「時限圧力解放(Timed Pres
sure Release)」または「TPR」と名づ
けられたこの技術は、例えばモールドを固定しているク
ランプをゆるめることによる、狭い操作ウインドーの間
でのモールドからの圧力の全解放を含むものである。通
常は「TPRウインドー」と呼ばれているこの操作ウイ
ンドーは、それぞれの特定ポリウレタン系およびモール
ドの温度や圧力といった操作パラメーターにより変化す
る。しかし、所定のポリウレタン系および操作パラメー
ターに関しては、ポリウレタン反応物の導入後にさまざ
まな時点でモールドを開くことにより生じたフォームの
収縮をモニターすることによってTPRウインドーが決
定される。
【0007】米国特許第4,717,518号には、成
形圧の解放と従来の圧縮との併用が記載されており、こ
の方法では必要な気泡の連通化を起こすのに要する圧縮
力の全体量を低下させることができる。この特許におい
ては、TPRウインドーの間にモールドを開くのではな
く、TPRウインドーの直後であるが、ポリウレタンフ
ォームが圧力解放による気泡連通化に完全に抵抗するの
に十分な強度を呈する前のある時期にモールドを開く。
これらの条件下では、ほんのわずかな量の気泡連通化が
起こり、必要とされる残りの気泡連通化は圧縮によって
行われる。この方法により20〜80%の圧縮力の低下
が達成される。しかし、上述したごとく、この方法は依
然として手動圧縮、ローラー圧縮または他の圧縮手段を
必要とするものである。
【0008】上記の米国特許第4,717,518号に
記載される系は、迅速なデモールド(成形品の取り出
し)系、すなわち注入時間後すぐに(例えば、3.5分
くらい)モールドから取り出されるもの、に特に有用で
ある。こうした短いデモールドフォームの場合はTPR
ウインドーが実に狭く、従って、通常の系および操作パ
ラメーターの変動が未改良TPR技術による気泡の連通
化を多少疑わしいものにする。さらに、TPRウインド
ー後の圧力解放はいくらかの気泡連通化効果をもたらす
ので、手動またはローラー法によるフォームの更なる圧
縮は、手動圧縮またはローラー圧縮だけを使用する場合
よりも均一なフォームを形成する。上記の米国特許第
4,579,700号と第4,717,518号の特許
はどちらも広範に認可されており、世界中で利用され
る。
【0009】しかし、上記2つの特許において開示され
た方法は制限や欠点がないわけではない。特に、ポリウ
レタンフォームが不十分な強度を達成しているにすぎな
いTPR技術では、型締圧の突然の解放が、発泡ポリウ
レタン系から発生した内部圧と結びついて、そのモール
ドを封止面で離れさせる。ポリウレタン系は部分的に硬
化されているだけなので、「未硬化の」または最適には
硬化されていないフォームがモールド分割線のところに
生じた開口部へ膨張すると、「ピンチ(pinch)」
が圧力解放時にしばしば生じる。さらに、「輪郭線(c
ontourline)」と呼ばれる別の歪みが成形品
の表面に沿って生じることがあり、これらの輪郭線はキ
ャビティとモールド蓋からの成形品の示差的離型に原因
している。輪郭線は、成形品の一部がモールド蓋に付着
したままでキャビティから離れ、一方、他の部分がキャ
ビティに付着したままで蓋から離れるときに形成される
と考えられる。この歪みは通常、スクラップ品を生じさ
せるピンチ変形ほどには結果的にひどくない。両方の場
合とも、モールドの蓋とキャビティの極端なまたは制御
されない分離が原因しており、両方の場合とも、生じる
変形は圧力解放時とデモールド時の間に起こるその後の
硬化によって成形品に永久に残ってしまう。
【0010】これら歪みの問題の修正にねらいを定めた
画期的なアプローチは部分的な成功を収めたにすぎな
い。エアバッグ締付手段に関しては、シムを用いた停止
装置または調整可能な停止装置による拘束されたキャビ
ティの降下が多少の成功を奏した。しかし、上述した歪
みを避けるためにキャビティの降下を適度に制限する場
合は、蓋とキャビティの干渉問題が型締めまたは取り出
し前の型開きのいずれかに起こる可能性がある。
【0011】別の技術が採用されたが、なおさら成功し
なかった。この技術はエアバッグのガス抜き/再ガス導
入の間隔を制御するもので、つまりキャビティが歪みの
問題を起こすほど遠くに降下する前に再ガス導入を開始
するものであった。この方法は制御することが極めて難
しく、かつ装置ごとにバラツキのあることが判明した。
蓋の機械的拘束を採用したり、離型剤を非常に限定的に
適用したりするアプローチも採用されて、限られた成功
を収めたが、この場合もプラント環境における実際のラ
イン条件下での制御が非常に困難でありうる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、時限
圧力解放を用いてポリウレタン成形フォームの製造にお
けるピンチ変形を実質的に軽減または排除することにあ
る。
【0013】本発明のもう一つの目的は、時限圧力解放
を用いてポリウレタン成形フォームの製造中の輪郭線を
軽減させるかまたは実質的に排除することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】発明の概要 本発明は、気泡連通化のための時限圧力解放を用いるこ
とにより、ポリウレタン成形フォームの製造においてピ
ンチおよび輪郭線を軽減させたり、実質的に排除する方
法に関するもので、この方法では、型締圧が解放されな
いで単に低下するだけであり、その結果、ポリウレタン
成形フォームに対する圧力を解放して気泡の連通化を起
こさせるのに十分であるが、未硬化のフォームを分割線
の間の領域に流出させたり、モールドキャビティの十分
な移動を生じさせてキャビティまたはモールド表面への
示差的付着(differential adhesi
on)を引き起こしたりするには不十分である、わずか
な量だけモールドが分割線に沿って離れるようになる。
【0015】本方法においては、ガスの放出により生じ
るモールド内の圧力低下が、外部手段を借りて型締力を
増加させなくとも、モールドを再封止するのに十分なも
のである。
【0016】好ましい実施態様の説明 本発明の方法は、従来技術によって実施されたTPR法
と区別するために時限部分的圧力解放(Timed P
artial Pressure Release)ま
たはTPPRと呼ぶことができる。
【0017】ポリウレタン成形フォームは、反応性のポ
リウレタン形成成分をクローズドモールドまたはオープ
ンモールド(その後密閉する)に導入することによって
製造される。ポリウレタン用の成分としては、一般的
に、1種以上のポリイソシアネート、1種以上のポリイ
ソシアネート反応性成分、反応性発泡剤、非反応性発泡
剤、または反応性発泡剤と非反応性発泡剤の組合せ、ウ
レタン反応促進触媒、それに適当な界面活性剤が挙げら
れる。反応性のポリウレタン形成成分は十分に混合して
からモールドに入れ、反応させてポリウレタンをその場
で生成させる。非反応性の発泡剤を用いる場合は、発熱
ポリウレタン反応により発生した熱で発泡剤が気化し、
これによりモールドいっぱいに膨張するフォームが形成
される。水のような反応性発泡剤の場合は、水がイソシ
アネートと反応して二酸化炭素を放出させ、かつ有機ア
ミンを形成させる。放出された二酸化炭素は反応するポ
リウレタン系を発泡させ、一方、アミンは追加のイソシ
アネートと反応して尿素結合を形成させる。こうして、
完成したフォームはポリウレタン基とポリ尿素基の両方
を含むこととなる。
【0018】レジリエンス、密度、ILD、その他の物
理的パラメーターといったフォーム特性は、反応性成分
の性質を変えるだけでなく、モールドに注入される発泡
剤の量および反応性ポリウレタン系の量を変えることに
よっても調整される。
【0019】一例として、発泡可能な反応混合物は、ポ
リイソシアネートを除く全成分のプレブレンドを混ぜ合
わせ、次にこのプレブレンドとポリイソシアネートを混
合し、生じた混合物をすぐにモールドの中に導入するこ
とにより調製することが好都合である。プレブレンドは
一般に、ポリマー改質ポリオールまたはポリオールとポ
リマー改質ポリオールの混合物からなるポリオール、
水、1種以上の触媒、1種以上の界面活性剤、さらに顔
料、連鎖延長剤、架橋剤または特殊な作用の添加剤のご
とき他の添加剤を含んでいる。プレブレンド中のこれら
の成分はどれも相互に反応しないので、ポリイソシアネ
ートとの混合に十分先んじて調製することができる。し
かし、水を含むポリオールブレンドがひとたびポリイソ
シアネートと接触すると、ポリウレタン形成反応とCO
2 形成反応が開始される。フルオロカーボン、ヒドロフ
ルオロカーボン、パーフルオロカーボン、アルカン、シ
クロアルカンまたは他の揮発性発泡剤を用いる場合は、
これらをミックスヘッド(mixhead)に添加する
か、またはイソシアネートもしくはポリオール混合物中
に溶解させることができる。
【0020】上述したように、成形ポリウレタンフォー
ムは、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分
との反応により製造される。イソシアネート反応性成分
は一般に2より大きい平均官能価を有する。この用語は
当業者によく理解されているように、ポリウレタン製品
の製造には非常に多くの反応性官能価を使用することが
できる。反応性官能価の例としては、ヒドロキシル、チ
オール、アミノおよびエポキシが挙げられる。これらの
うち、ヒドロキシルおよびアミノ官能性化合物が好まし
く、前者はウレタン結合を生じさせ、後者は尿素結合を
生じさせる。イソシアネート反応性成分は、好ましく
は、主にヒドロキシル官能性であり、一般的にはポリオ
ールと呼ばれている。好適なポリオールはポリオキシア
ルキレンポリエーテルポリオールおよびポリエステルポ
リオールである。
【0021】ポリエステルポリオールはヒドロキシル官
能性ポリエステルである。かかるポリエステルは通常の
方法によって、例えばジ−もしくはポリ−カルボン酸ま
たはこれらの混合物とジ−もしくはポリ−ヒドロキシル
化合物またはこれらの混合物との反応により製造され
る。一般に、ポリエステルポリオールは2〜3、たいて
いは2の官能価を有し、すなわち二官能性であることが
好ましい。こうしたポリエステルを製造するには、ジカ
ルボン酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸のハロゲ
ン化物またはジカルボン酸のエステルをジオールと反応
させる。ジオールはアルキレンジオールまたは芳香族ジ
オールでありうる。
【0022】好適なジオールはエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,2−およびヒドロキノン、シ
クロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、オリゴマーポリエチレングリコ
ール、オリゴマーポリプロピレングリコールなどであ
る。
【0023】好適なジカルボン酸およびジカルボン酸誘
導体(酸塩化物、酸無水物、メチルエステルなど)はグ
ルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フ
マル酸、コハク酸、1,10−デカン二酸、1,12−
ドデカン二酸、フタル酸、テレフタル酸、ナフタリン二
酸のごときジカルボン酸から誘導される。ジカルボン酸
の混合物、特にアジピン酸製造の副生成物として得られ
る低級C4 −C6 アルキレンジカルボン酸の混合物も有
用である。また、スクラップのポリエステルボトルをグ
リコールで蒸解することにより製造されるポリエチレン
テレフタレートジオールも適している。
【0024】しかし、最も好ましいものはポリオキシア
ルキレンポリエーテルポリオールである。このようなポ
リオールは一般に約2〜8の個々の官能価を有してお
り、活性水素含有開始剤分子をアルキレンオキシドでオ
キシアルキル化することにより製造される。適当なアル
キレンオキシドはエチレンオキシド(オキシラン)、プ
ロピレンオキシド(メチルオキシラン)、1,2−およ
び2,3−ブチレンオキシド、高級C8 −C20アルキレ
ンオキシド、スチレンオキシド、オキセタンおよびテト
ラヒドロフランである。最も好ましいものはエチレンオ
キシド、プロピレンオキシドまたはそれらの混合物であ
る。
【0025】ポリオキシアルキレンポリオールを製造す
るにあたっては、一般に、適当な開始剤分子を強塩基性
触媒(例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ア
ルコキシド)の存在下で、または複金属シアン化物触媒
の存在下でオキシアルキル化する。所望の分子量が達成
されるまでアルキレンオキシドを適度の圧力下で反応さ
せる。アルキレンオキシドの混合物を用いて不均一(h
eteric)なポリオキシアルキレンポリエーテルを
製造したり、また、異なるアルキレンオキシドの逐次付
加を用いてブロックポリオキシアルキレンポリエーテル
を製造したりすることができる。多重ブロック、ブロッ
ク不均一などの他の変型も有用である。反応の最後にエ
チレンオキシドを用いてオキシアルキル化すると、高度
の第一級ヒドロキシル基を有するポリオキシアルキレン
ポリエーテルポリオールが得られ、一方、反応の最後に
プロピレンオキシドを用いてオキシアルキル化すると、
高度の第二級ヒドロキシル基を有するポリオールが得ら
れる。概して、第一級ヒドロキシル基は第二級ヒドロキ
シル基よりもイソシアネートに対して高い反応性を示
す。
【0026】開始剤分子は、アルキレンオキシドとの反
応に有用な活性水素原子を1個以上、好ましくは2〜8
個含まねばならない。多くの活性水素含有官能基が適し
ているが、最も好ましいものはヒドロキシル基とアミノ
基である。適当なヒドロキシル官能性開始剤分子は、例
えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、オリゴ
−およびポリエチレングリコール、オリゴ−およびポリ
プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコー
ル、ペンタエリトリトール、N,N,N’,N’−テト
ラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、
N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロ
ピル)エチレンジアミン、ソルビトール、スクロース、
α−メチルグルコシド、ジヒドロキシシクロヘキサン、
シクロヘキシルジメタノール、ヒドロキノン、レゾルシ
ノールなどである。さらに、ホルムアルデヒドと尿素、
フェノール、レゾルシノール、メラミンなどとの反応に
より生じるメチロール化された尿素、フェノール、レゾ
ルシノール、メラミンなども適している。開始剤分子の
混合物も使用でき、前もって部分的にオキシアルキル化
された開始剤分子も同様に使用できる。
【0027】適当なアミノ官能性開始剤としては、アル
キルアミン、例えばメチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミ
ンなど;アルキレンジアミン、例えばエチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ヘキシレンジアミン;ポリア
ルキレンポリアミン、例えばジエチレントリアミン、ジ
プロピレントリアミンなど;芳香族アミンおよびジアミ
ン、例えばアニリン、トルイジン、トルエンジアミン、
メチレンジアニリンなど;を挙げることができる。アミ
ノ官能性開始剤の混合物も使用でき、また、アミノ官能
性とヒドロキシルまたは他の官能性開始剤との混合物も
使用できる。
【0028】リン酸およびポリリン酸のアルキレンオキ
シド付加物はポリオールのもう1つの有用なクラスであ
る。エチレンオキシド、1,2−エポキシプロパン、エ
ポキシブタン、3−クロロ−1,2−エポキシプロパン
などが好適なアルキレンオキシドである。リン酸、ポリ
リン酸、例えばトリポリリン酸、ポリメタリン酸などが
この目的に使用するのに適している。
【0029】用いるポリオールは広範囲にわたって変化
するヒドロキシル価をもつことができ、ポリイソシアネ
ートとの反応により可撓性または半可撓性ポリウレタン
フォームを形成するのに適している。一般に、本発明で
用いるポリオールのヒドロキシル価は約20(またはそ
れ以下)から約150(またはそれ以上)の範囲であり
うる。用いる正確なポリオールは製造しようとするポリ
ウレタン製品の最終用途によって決まる。ポリオールが
ポリウレタンに変換されるとき可撓性または半可撓性フ
ォームをもたらすように、その分子量またはヒドロキシ
ル価が適宜選択される。半可撓性フォームに関してはポ
リオールが約50〜150のヒドロキシル価をもつこと
が好ましく、可撓性フォームに関しては約30〜70の
ヒドロキシル価をもつことが好ましいが、20くらいに
低くてもよい。こうした範囲は制限を意図するのではな
く、上記のポリオール共反応物の多数の可能な組合せの
単なる例示にすぎない。
【0030】本発明で用いるのに最も適したポリオール
としては、ポリオキシプロピレングリコール、トリオー
ルおよびより高い官能価のポリオールがある。これらの
ポリオールにはポリオキシプロピレンポリオキシエチレ
ンポリオールも含まれるが、望ましくはオキシエチレン
含量は全体の80%未満とすべきであり、60%未満が
好ましいものである。エチレンオキシドを使用する場合
は、それをポリマー鎖に沿って任意の様式で、例えば内
部ブロックまたは末端ブロックとして組み込むことがで
き、また、それをポリマー鎖に沿ってランダムに分布さ
せることもできる。最も好ましくは、エチレンオキシド
は、使用するのであれば、末端ブロックとして、すなわ
ちキャップされたポリオールとして組み込まれる。
【0031】ポリマー改質ポリオールは、本発明で用い
る発泡可能な配合物のポリオール要件の一部または全部
として使用することができる。ポリマー改質ポリオール
は公知であり、基本特許として、Stamberger
の特許である米国特許第3,304,273号、第3,
383,351号、米国特許第Re.28,715号
(米国特許第3,383,351号の再発行)および米
国特許第3,523,093号がある。その後のポリマ
ーポリオールの開示としては、ScharfらおよびK
urylaのカナダ特許第735,010号および第7
85,835号、Pizziniらの米国特許第3,8
23,201号、1974年1月7日出願のRamlo
wらの米国特許出願第431,080号、Ramlow
らの米国特許第3,953,393号、DeWaldの
米国特許第3,655,553号およびShahの米国
特許第4,119,586号がある。これらのポリマー
ポリオールおよび他の適当なポリマーポリオールをここ
で用いることができる。好適なポリマー改質ポリオール
は、1種以上の重合可能なエチレン性不飽和モノマー
を、一般的にはキャリアーポリオールと呼ばれる連続ポ
リマー相においてその場で、重合することにより生成さ
れる。ポリマー改質ポリオール中のポリマーの割合は、
ポリマー改質ポリオールの全重量に基づいて約4〜60
重量%、好ましくは約15〜35重量%の範囲でありう
る。
【0032】本発明で用いるポリマーポリオールを製造
するのに用いられる重合可能なエチレン性不飽和モノマ
ーは通常の重合性ビニルモノマーである。モノマーはホ
モポリマーポリオールまたはコポリマーポリオール反応
性組成物を製造するために単独でまたは組合せで使用さ
れる。適当なモノマーの例として、スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチ
ルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレ
ン、ベンジルスチレンなど;アクリルおよび置換アクリ
ルモノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸フェニル、N,N−ジメチルアク
リルアミドなど;ビニルエステル、ビニルエーテル、ビ
ニルケトンなど、例えば酢酸ビニル、酪酸ビニル、アク
リル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、N−ビニルピロリ
ドンなど;ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化ビニリデ
ン、例えば塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン
など;メタクリル酸t−ブチルアミノエチル、グリシジ
ルアクリレート、アリルアルコール、ビニルピリジンな
どが挙げられる。
【0033】ポリマー改質ポリオールのポリマーは一般
的には、通常のビニル重合開始剤、例えばアゾアルキル
ニトリル、有機過酸化物、ヒドロペルオキシド、ペルオ
キシケトン、ペルオキシエステルなどの遊離基開始剤の
使用により重合される。
【0034】ポリマー改質ポリオールを製造するには連
鎖移動剤が有用である。既知の重合性モノマーはどれも
使用することができ、上に列挙した化合物は例示であっ
て、本発明で使用するのに適したモノマーを限定するも
のではない。所望により、既知の連鎖移動剤のどれが存
在してもよい。好適なポリマーポリオールのポリマーの
製造に用いられる好適なモノマーはアクリロニトリル単
独(ホモポリマーとして)またはアクリロニトリルとス
チレンまたはメタクリル酸メチルとの組合せ(コポリマ
ーとして)である。アクリロニトリル対スチレンの相対
重量比は例えば約20:80から約100:0、好まし
くは約25:75から100:0の範囲であり、より好
ましくは、低分子量(例えば、約2000以下)のポリ
オールを用いるときには、その重量比を約60:40か
ら約85:15とすべきである。エチレン性不飽和モノ
マーの重合は「ベース」ポリオールまたは「キャリア
ー」ポリオールと呼ばれることがあるポリエーテルまた
はポリエステルポリオール中でその場で行うことが好ま
しい。
【0035】本発明にしたがって可撓性気泡成形ポリウ
レタンを製造するのに有用な触媒としては、(a)第三
級アミン、例えばビス(ジメチルアミノエチル)エーテ
ル、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチル
モルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチル
ベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、
N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジ
アミン、トリエチレンジアミン、トリエタノールアミ
ン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、
ピリジンオキシドなど;(b)第三級ホスフィン、例え
ばトリアルキルホスフィン、ジアルキルベンジルホスフ
ィンなど;(c)強塩基、例えばアルカリ金属およびア
ルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシドおよびフェノ
キシド;(d)強酸の酸性金属塩、例えば塩化第二鉄、
塩化第二スズ、塩化第一スズ、三塩化アンチモン、硝酸
ビスマス、塩化ビスマスなど;(e)各種金属のキレー
ト、例えばアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ト
リフルオロアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、サリ
チルアルデヒド、シクロペンタノン−2−カルボキシレ
ート、アセチルアセトンイミン、ビスアセチルアセトン
−アルキレンジイミン、サリチルアルデヒドイミンなど
とBe、Mg、Zn、Cd、Pb、Ti、Zr、Sn、
As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Niのよ
うな金属またはMoO2 ++、UO2 ++のようなイオンか
ら得られるもの;(f)各種金属のアルコラートおよび
フェノラート、例えばTi(OR)4 、Sn(O
R)4 、Sn(OR)2 、Al(OR)3 (ここで、R
はアルキルまたはアリール)など、およびアルコラート
とカルボン酸、β−ジケトンおよび2−(N,N−ジア
ルキルアミノ)アルカノールとの反応生成物、例えば公
知のチタンキレート;(g)有機酸と各種金属(例えば
アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Pb、
Mn、Co、Ni、Cu)との塩、例えば酢酸ナトリウ
ム、ラウリン酸カリウム、ヘキサン酸カルシウム、酢酸
第一スズ、オクタン酸第一スズ、オレイン酸第一スズ、
オクタン酸鉛、金属ドライヤー(例えばナフテン酸マン
ガンおよび鉛)など;および(h)四価のスズ、三価と
五価のAs、SbおよびBiの有機金属誘導体、ならび
に鉄およびコバルトの金属カルボニル;を挙げることが
できる。
【0036】特に言及するに足る有機スズ化合物は、な
かでも、カルボン酸のジアルキルスズ塩、例えばジ酢酸
ジブチルスズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、マレイン酸
ジブチルスズ、ジ酢酸ジラウリルスズ、ジ酢酸ジオクチ
ルスズ、ジブチルスズ−ビス(4−メチルアミノベンゾ
エート)、ジブチルスズ−ビス(6−メチルアミノカプ
ロエート)などである。同様に、水酸化トリアルキルス
ズ、酸化ジアルキルスズ、ジアルキルスズジアルコキシ
ドまたは二塩化ジアルキルスズを使用することができ
る。これらの化合物の例として、水酸化トリメチルス
ズ、水酸化トリブチルスズ、水酸化トリオクチルスズ、
酸化ジブチルスズ、酸化ジオクチルスズ、酸化ジラウリ
ルスズ、ジブチルスズ−ビス(イソプロポキシド)、ジ
ブチルスズ−ビス(2−ジメチルアミノペンチレー
ト)、二塩化ジブチルスズ、二塩化ジオクチルスズなど
が挙げられる。
【0037】第三級アミンは反応性水素/イソシアネー
ト反応を促進するための第一の触媒として、あるいは上
記の金属触媒の1種以上と組み合わせて第二の触媒とし
て使用することができる。アミンを使用しないで、金属
触媒または金属触媒の組合せを促進剤として使用しても
よい。触媒は少量、例えば反応混合物の重量に基づいて
それぞれ約0.001〜5%の量で使用される。
【0038】また、シリコーンフォーム安定剤を少量、
例えば全反応混合物に基づいて約0.01〜5.0重量
%用いることも本発明の範囲内である。このようなシリ
コーンフォーム安定剤はポリウレタンフォームの業界で
公知である。有用なシリコーン界面活性剤は上述したポ
リオール1種以上とシリコーン(例えばアリール改質ジ
メチルシリコーン油またはポリフェニルエチルシロキサ
ンコポリマー)とのブレンドを含む。その他の有用なシ
リコーン界面活性剤は「加水分解性の」ポリシロキサン
−ポリオキシアルキレンブロックコポリマー、例えば米
国特許第2,834,748号および第2,917,4
80号に記載されるブロックコポリマーである。別の有
用なフォーム安定剤のクラスは非加水分解性のポリシロ
キサン−ポリオキシアルキレンブロックコポリマー、例
えば米国特許第3,505,377号および英国特許第
1,220,471号に記載されるブロックコポリマー
である。後者のクラスのコポリマーは、ポリシロキサン
部分がポリオキシアルキレン部分に炭素−酸素−ケイ素
結合により結合されているという点で上記のポリシロキ
サン−ポリオキシアルキレンブロックコポリマーと相違
している。これら種々のポリシロキサン−ポリオキシア
ルキレンブロックコポリマーは好ましくは5〜50重量
%のポリシロキサンポリマーを含み、残りがポリオキシ
アルキレンポリマーである。その他のどのような適当な
界面活性剤または安定剤も使用できる。
【0039】適合性の顔料はどれも本発明で用いる発泡
性混合物において使用しうる。カーボンブラックはポリ
ウレタン製品の顔料として広く用いられている。その他
の有用な顔料として、プルシアンブルー、マンガンバイ
オレット、マンガンブルー、エメラルドグリーン、コバ
ルトブルー、コバルトバイオレット、マヤンブルー、赤
色酸化鉄、赤色クロム、赤色硫化水銀、ウルトラマリン
ブルー、ウルトラマリンバイオレット、フタロシアニン
グリーンおよびブリリアントレッドが含まれる。顔料の
使用量は狭い範囲に限られるものではなく、主に中位か
ら暗い色までの希望する濃淡の度合いに依存する。例え
ば、その範囲はポリウレタン製品の重量に基づいて約
0.1〜4重量%、好ましくは約0.3〜2重量%の顔
料である。これより多量の顔料を使用することもできる
が、粘度が増加するために、多量の顔料を混合しかつ取
扱うことに伴う困難性が生じる。顔料はポリオール中に
加えても、ポリイソシアネート組成物中に加えても、そ
の両方に配合してもよい。
【0040】発泡性の反応混合物中には、水のようなポ
リウレタン発泡剤が少量使用され、例えばポリオール組
成物の全量に対して約0.1〜5重量%の水が用いられ
たり、反応の発熱により気化される発泡剤が使用された
り、これら2つの方法が併用される。ポリウレタン発泡
剤の例として、ハロゲン化炭化水素、例えばトリクロロ
モノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジク
ロロモノフルオロメタン、ジクロロメタン、トリクロロ
メタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,
1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタ
ン、ヘキサフルオロシクロブタン、オクタフルオロシク
ロブタンなどが挙げられる。他のクラスの発泡剤には、
加熱した際にガスを放出する熱不安定性化合物、例えば
N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタル
アミドなどがある。ヒドロクロロフルオロカーボン(H
CFC)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)およびパ
ーフルオロカーボン(PFC)も使用できる。低沸点の
アルカンおよびシクロアルカンも適しており、例えばペ
ンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンな
どがある。しかし、唯一の発泡剤としての水、あるいは
ハロゲン化炭化水素またはアルカンもしくはシクロアル
カン発泡剤〔最も好ましくは、低オゾン減少能(OD
P)および低地球温暖化能(GWP)を有するもの〕と
組み合わせた水が好ましいものである。最も好ましく
は、水が唯一の発泡剤として用いられる。発泡剤の使用
量は、希望する発泡製品の密度のごとき諸要因により変
化するだろう。
【0041】本発明に従って可撓性成形ポリウレタン発
泡製品を製造するのに有用な有機ポリイソシアネート
は、少なくとも2個のイソシアネート基を含む有機化合
物であって、ポリオールと過剰のポリイソシアネートと
の反応により製造されるプレポリマーのようなポリマー
性およびモノマー性の有機ポリイソシアネートを含む。
こうした材料の加工容易性が望まれる場合には、過剰の
トルエンジイソシアネートと短鎖ポリオキシプロピレン
ジオールまたはトリオールとの反応生成物のごとき準プ
レポリマー(quasi−prepolymer)が好
適である。ポリイソシアネートは当業界で公知である。
適当な有機ポリイソシアネートには炭化水素ジイソシア
ネート(例:アルキレンジイソシアネートおよびアリー
レンジイソシアネート)ならびに公知のトリイソシアネ
ートが含まれる。適当なポリイソシアネートの例とし
て、1,2−ジイソシアナトエタン、1,3−ジイソシ
アナトプロパン、1,2−ジイソシアナトプロパン、
1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナ
トペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、ビス
(3−イソシアナトプロピル)エーテル、ビス(3−イ
ソシアナトプロピル)スルフィド、1,7−ジイソシア
ナトヘプタン、1,5−ジイソシアナト−2,2−ジメ
チルペンタン、1,6−ジイソシアナト−3−メトキシ
ヘキサン、1,8−ジイソシアナトオクタン、1,5−
ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルペンタン、
1,9−ジイソシアナトノナン、1,4−ブチレングリ
コールの1,10−ジイソシアナトプロピルエーテル、
1,11−ジイソシアナトウンデカン、1,12−ジイ
ソシアナトドデカン、ビス(イソシアナトヘキシル)ス
ルフィド、1,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−
ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトル
エンおよびこれらの混合物、1,3−ジイソシアナト−
o−キシレン、1,3−ジイソシアナト−m−キシレ
ン、1,3−ジイソシアナト−p−キシレン、2,4−
ジイソシアナト−1−クロロベンゼン、2,4−ジイソ
シアナト−1−ニトロベンゼンおよび2,5−ジイソシ
アナト−1−ニトロベンゼン、4,4’−ジフェニルメ
チレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメチレンジイ
ソシアネート、2,4’−ジフェニルメチレンジイソシ
アネート、液化するためにカルボジイミドまたは低分子
量のグリコールまたはポリオキシアルキレンジオールも
しくはトリオールで改質されたジフェニルメチレンジイ
ソシアネート、1.5〜5(好ましくは2〜3)の平均
官能価を有するポリメチレンポリ(フェニレンイソシア
ネート)およびこれらの混合物を挙げることができる。
好ましいポリイソシアネート混合物は80重量%の2,
4−トルエンジイソシアネートと20重量%の2,6−
トルエンジイソシアネートを含むものである。
【0042】本明細書中で用いる「TPRウインドー」
という用語は実質的に米国特許第4,579,700号
に記載されるとおりであり、当業者にはもう公知の用語
である。TPRウインドーは、硬化しつつあるポリウレ
タンフォームの気泡壁が成形フォームの形を支持しかつ
大気圧に曝されたときに崩潰を回避するのに十分な強さ
であるが、気泡内の高温膨張ガスの内部圧によって破裂
されるほどの弱さであり、それゆえに大気圧に曝された
際に気泡の連通化が生じる、クローズドモールド内の可
撓性ポリウレタンフォームの発泡および硬化中のその時
間のことである。この注目すべき現象は、研究されたす
べての成形可能で、発泡性の、可撓性ポリウレタン配合
物に起こることが見いだされたが、異なる配合物の硬化
中の異なる時期に起こり得る。この現象が見られる短い
期間をここではTPRウインドーと呼び、それは大体2
5または30秒くらいにわたり、一般に成形フォームを
大気圧に曝すのに十分な時間である。硬化しつつある成
形フォーム生成物をTPRウインドーの間に大気圧に曝
すと、実質的な割合の気泡(比較的薄い成形フォーム生
成物の場合には、全部の気泡)の破裂または連通化が起
こり、収縮を防止するためにモールドから取り出した後
に急いで圧縮したり、他の方法で気泡を連通化する必要
性がなくなる。
【0043】成形フォームの実験室製造では、機械的な
型締力を用いて固定するモールドを使うことが普通であ
る。しかし、ポリウレタン成形フォームの商業的製造に
おいては、モールドを分割線で封止するのに必要な型締
圧を供給するために他の手段が利用される。いくつかの
成形品(特に比較的簡単な形状をしたもの)の場合や限
定された量だけの連続製造が意図されている製造の場合
は、手動型締が依然として利用されている。より複雑な
成形品の場合や長時間の連続製造の場合には、液圧また
は空気圧による型締手段を利用するのが常である。空気
圧型締手段は液圧システムで利用されるものに似ている
が、作動流体として空気を用いる空気圧シリンダーを使
用するものであり、より最近では、モールドの下面を支
持し、膨張可能な袋を使って加圧するエアバッグ技法が
用いられる。以前に実施されたTPR法では、型締力、
液圧または空気圧の完全な放出によりモールド表面が分
割線に沿って離れ、未硬化ポリウレタンフォームが分割
線の間の隙間にはみ出て、許容できない成形品(一般に
はスクラップにされる)を生じさせる結果となる。スク
ラップの割合は、TPRの間の圧力解放がTPRウイン
ドーの開始時に接近している場合に劇的に増加し、そし
て短いデモールド時間(この場合にはTPRウインドー
が比較的狭い)を有する系ではさらに悪化する。
【0044】本発明の方法では、発泡するポリウレタン
系の圧力に対抗してモールドを封止するのに使用した型
締圧が、モールドの封止面のわずかな分割を引き起こす
程度にだけ解放され、その時には、一般に放散ガスの
「シューシューという音」が聞きとれる。しかし、内部
圧が解放され、この圧力解放によって気泡の連通化が生
じた後に、モールドの内部圧よりも今や高い残留型締圧
のためにモールドの封止面が再封止される。成形型の下
部と上部の移動がほんのわずかな量であるという事実の
ために、たとえ未硬化のウレタンフォームのレジリエン
スおよび引張強さでさえも、モールド表面からのポリウ
レタン系の示差的分離により生じる輪郭線が完全にまた
は実質的に排除されるほどである。さらに、封止面の隙
間はガスを放散させるが、ごく小さい隙間のままであ
り、また、内部圧の解放後すぐにモールドが再封止され
るという事実から見て、未硬化ポリウレタン系は押し出
される明確なスペースも、そうする時間も持ち合わせて
いない。結果的に、「ピンチ」変形が事実上排除され
る。
【0045】初期の型締圧は、モールドの分割(封止)
面間の隙間への硬化性液体反応物または部分硬化フォー
ムの放出を防ぐために、発泡性反応混合物の圧力に対抗
してモールドを封止するのに十分なものとされる。その
圧力は、フォームがそれ自体をTPRしないような圧
力、言い換えれば、希望する時期(すなわち、TPRウ
インドーの間)に型締圧を故意に低下させることなくし
てはガス放散も気泡連通化も起こらないような十分な圧
力とすべきである。
【0046】図1はポリウレタン成形型の横断面図であ
る。成形型の上部を1で示し、その下部を2で示す。型
の上部1と下部2の間の封止面を3で示す。フォームの
独立気泡内のガス圧のため圧力Pのもとにある、モール
ドいっぱいに膨張したポリウレタンフォームを7で示
す。モールドは閉じられているので、圧力はあらゆる方
向に均一にかかっている。
【0047】図2では、型の上部1と下部2の間の型締
圧が完全に解放された状態にある。未硬化ポリウレタン
フォームの圧力は上部1と下部2を互いから引き離し、
こうして封止面3に沿った領域が開放される。ポリウレ
タンフォームがモールド表面から離れた領域を9で示し
てあるが、周囲のポリウレタンフォームは離れていな
い。この時期に、輪郭線が形成されるだろう。フォーム
によって加えられた圧力はフォームを分割封止面の低圧
領域の方へ押しやる。部分的に硬化しただけの未硬化ポ
リウレタンフォームを11で示してあり、これは加圧下
でモールドキャビティから2つの型部分の封止面間の領
域へはみ出している。このピンチ変形は通常相当に重大
な欠陥と見なされ、ポリウレタン成形品のスクラップ化
を招く。
【0048】図3では、成形型の上部および下部、封止
面およびポリウレタンフォームに図1および図2と同じ
番号が付けてある。ライン15を通って流れる制御空気
により膨張し、かつモールドの自由浮動下部と位置固定
されたモールドの上部の間に圧力を加えるために圧力計
17で監視されるエアバッグを13で示す。モールドの
内部圧を監視する圧力変換器を19で、その圧力を表示
する圧力計を21で示す。モールドが確実に封止される
ためには、エアバッグによって加えられる圧力P2が、
圧力P1(ポリウレタンフォーム形成成分の内部圧)お
よび成形型の下部の重さによってモールド表面に対して
加えられる力よりも大きくなければならない。P2がこ
れらの圧力の合計に等しいかまたはそれより小さい場
合、ポリウレタン反応混合物が発泡するときに発生した
圧力はモールドを封止面に沿って分割させ、非常に流動
性の発泡性混合物が封止面を越えて流れるか、またはフ
ォームがそれ自体をTPRして、一般にフォームの崩潰
を生じさせたり、密度および連続気泡含量にバラツキが
あって商業的に受け入れられないフォームの製造をもた
らすだろう。
【0049】従来のTPR法では、TPRウインドー期
間中に、エアバッグに制御空気の圧力をかけることを停
止し、エアバッグを大気へガス抜きすると、成形型の下
部が重力により降下して、図2に示す状態(ポリウレタ
ンフォームの内部圧のためにモールド分割線がかなり離
れる)を示す。
【0050】本発明のTPPRシステムは図4に示され
る。図4では、制御空気の供給を停止し、エアバッグの
ガス抜きを、モールドの封止面でごくわずかな分割が起
こる程度に圧力を低下させるだけに抑えると、この時点
で内部圧の解放、気泡壁の破裂および封止面からのガス
23の放散が生じる。上部と下部の間の隙間は空気の放
散を可能とするのに十分であるが、ポリウレタン材料の
認めうる程度の放出を可能とするものではない。さら
に、ポリウレタンフォームの圧力が再度大気圧に近づい
た時点で、残っているエアバッグの圧力(成形型の重量
より大きく維持される)が封止面で成形型を再封止し、
未硬化ポリウレタンフォームのいかなる放出をも防止す
る。
【0051】フォームからのガスの放出と、それによっ
て起こる気泡連通化の後、今や再封止されたモールドを
封止位置のままにしておき、その間にフォームが取り扱
いやすくなるまでフォームを硬化させる。その後フォー
ムをモールドから取り出す。所望するのであれば、モー
ルドから取り出した後で、かつ必要とされる後硬化の前
に、フォームをさらに手動、ローラー圧縮または真空圧
縮により圧縮してもよい。しかし、これは一般に必要で
はない。なんとなれば、TPPR法による気泡連通化効
果はそれ以上の圧縮を行わなくとも十分であり、追加的
な気泡連通化は最初の2,3回の使用期間中に起こるか
らである。
【0052】初期の型締圧は常用されている圧力、すな
わちモールド封止面が膨張性硬化性反応混合物により発
生した圧力によって分割されないようにする量である。
例えば、24×24インチ(61cm×61cm)の上
面を有するフォーム成形品において、4psigの内部
圧によって加えられる力は2300ポンドを越える。従
って、初期型締圧は一般にこの圧力に容易に耐えられる
数字に設定される。モールドの構造は総じて非常に強固
であるので、それらは相当の型締圧にも持ちこたえるこ
とができる。
【0053】減少される型締圧は、一般に、所定の配合
物および充填レベルのそれぞれのモールドに関して決定
されねばならない。底部支持式成形型の場合には、例え
ば、減少型締力は単にその型を支持するのに要する力以
上のものとなろう。型締力(すなわち、エアバッグ圧、
液圧、機械圧)が成形型を支持するにすぎないようなも
のである場合は、膨張性フォームによって発生した大き
な力がわずかではすまされない封止面の分割を引き起こ
すこととなろう。こうした条件下では輪郭線が形成され
やすい。さらに、生じた移動は元に戻らず、型締圧が成
形型の重さより大きくないので、その型は分割した状態
のままだろう。これらの状況のもとでは、まだ未硬化の
フォームにはモールドキャビティからはみ出る時間がか
なりあるので、ピンチ変形を起こしやすい。
【0054】下部が固定されていて上部が移動式の成形
型の場合には、気泡破裂が起こってガスが放散してしま
ったときでさえ、生成するフォーム形成品は完全には気
泡連通化されておらず、加圧下でガスを含む独立気泡を
多数含んでいるという事実ゆえに、若干の型締力がまだ
必要である。その上、連続気泡であろうと独立気泡であ
ろうと、気泡壁を構成するポリウレタンポリマーはある
種の天然レジリエンスを有する。ガス圧とレジリエンス
の合計がたったの1psigであるとしても、これは上
述したモールドの場合には570ポンドを越える力に変
換される。この力は、大半ではないにしても多くの場合
に、成形型の上部の全重量を支えるのに十分である。加
えて、この圧力はモールドの封止および再封止を遅ら
せ、かくしてピンチ変形を助長するだろう。
【0055】いずれの場合にも、減少型締力はモールド
の分割面に沿ってわずかではすまされない成形型の移動
を起こさないように十分なものとする必要がある。先に
記載したサイズの移動式上部を有しかつ約2cm(0.
80インチ)の厚さを有する成形型では、その重さが約
150ポンドとなろう。たった4psigの圧力を発生
するフォームの場合、蓋にかかる無拘束力は2150ポ
ンド程度、つまり大型の家庭用乗用車のほぼ半分の重量
である。この異常に大きな力は、十分な減少型締力によ
って制限されないのであれば、型蓋の即座の大きな移動
を引き起こす。減少型締力が適切に選択される場合は、
一般的に型の移動が肉眼では見えないほどである。実際
の移動は0.001〜約0.02インチ(0.0025
cm〜0.05cm)またはそれ以下が好ましいもので
ある。また、減少型締力はその型が速やかに再封止され
るように十分なものとすべきである。封止面でのモール
ドの移動がかなりの量、すなわち上述したわずかな量よ
り著しく大きい場合は、輪郭線およびピンチ変形の排除
または軽減に関しての本発明の期待される効果は実現さ
れないだろう。最大内部圧の約10〜20%、好ましく
は10%の内部モールド圧のモールドを再封止できる減
少型締力が供給されうる。
【0056】空気圧または液圧型締式の成形型の場合に
は、液体供給源を低圧または他の同様の手段の1つに切
り換えることにより減少型締力を達成できる。機械的型
締式の成形型の場合には、レバー作動式カムまたは偏心
器により型締圧を供給することが有利である。カムまた
は偏心器の最大偏心はTPPRの前に必要な型締力を供
給するようなものであるべきであり、その際カムまたは
偏心器の一部は減少された型締力を供給する減少偏心を
有する。好ましくは、カムまたは偏心器をその位置で回
転させるレバーアームは、再現性または減少型締力を達
成しうるように所望の減少型締力の位置に正のもどり止
めを備えている。
【0057】
【発明の実施の形態】本発明について一般的に説明して
きたが、いくつかの実施例を参照することにより更なる
理解が得られるであろう。ここに提供される実施例は特
にことわらない限り単なる例示であって、制限を意味す
るものではない。
【0058】実施例1 本発明の利点を示すために通常のポリウレタンフォーム
配合物を用いた。この配合物のポリオール(樹脂)サイ
ドは、呼称分子量5000およびヒドロキシル価34〜
35を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
グリセリン開始ポリエーテルポリオール(キャップとし
て19重量%のポリオキシエチレン成分を含む)を7
7.1重量部;ヒドロキシル価22を有し、上記したポ
リオールに類似したベースポリオール中に38重量%の
重合したアクリロニトリルおよびスチレンを含む、AR
CO Chemical社から入手できるポリマーポリ
オールのARCOL E−688を22.9重量部;ジ
プロピレングリコール中に溶解したトリエチレンジアミ
ンの33重量%溶液を0.23重量部;ジプロピレング
リコール中に溶解したビス(2−ジメチルアミノエチ
ル)エーテルの70重量%溶液を0.20重量部;およ
びOSi Specialities社から入手できる
シリコーンポリエーテルコポリマー界面活性剤のY−1
0,515を1.0重量部;含むものであった。上記の
成分は十分に混合してプレブレンドとして調製し、約5
秒間の強力混合により指数100のトルエンジイソシア
ネートと反応させた。
【0059】38×38×12.7cmの長方形の金属
製モールドにワックス離型剤を塗って準備した。型締め
には圧力変換器と直径1/16インチ(0.16cm)
のベント(ガス抜き)を取り付けた。モールドキャビテ
ィを含むモールドの底部は型締めの下、エアバッグの上
に配置した。エアバッグは2つの制御された調整可能な
空気供給装置のうちの一方に2位置バルブによって接続
した。型締めに押しつけてモールドの底部を支えるには
約2psigの圧力が必要である。モールドを150°
F(66℃)に加熱し、その後、周囲に等しい温度つま
り72°F(22℃)を有する上記の発泡性ポリウレタ
ン系約725gをモールドに注入し、エアバッグを25
psigに加圧してモールドを閉じた。ベントからのフ
ォームの押出しは40秒で観察された。90秒で(この
時点でモールドの内部圧は4.30psigであっ
た)、エアバッグの圧力を2psigの供給に切り換え
た。モールド内の圧力降下は130秒まで観察された。
2分後フォームを取り出し、後硬化を250°F(12
1℃)で30分間行った。収縮が全く見られない良好な
成形品が得られた。
【0060】比較例1 ポリウレタン成形品を実施例1のごとく製造したが、エ
アバッグの圧力を5psigに設定し、ずっとこの圧力
に維持した。ベントからのフォームの押出しは41秒で
観察された。最大内部圧は3.40psigに達した。
このフォーム成形品は相当の収縮を示した。TPRは全
然観察されなかった。
【0061】比較例2 ポリウレタン成形品を比較例1のごとく製造したが、エ
アバッグの圧力を4psigに設定した。モールドから
の漏れが75秒に観察された。バリのある成形品が得ら
れた。
【0062】比較例3 成形品を実施例1のごとく製造したが、エアバッグの圧
力を早くも15秒後に5psigに低下させた。内部圧
は2.30psigに達しただけだった。この成形品に
はバリが見られた。
【0063】比較例4 比較例2を繰り返したが、エアバッグの圧力を6.5p
sigに設定した。TPRが79秒で観察された。しか
し、このフォーム成形品は収縮を示した。
【0064】実施例2 実施例1を繰り返した。41秒にベントからフォームが
押し出された。90秒での内部圧は前と同様に4.3p
sigであった。収縮を全く示さない良好な品質の成形
品が得られた。
【0065】実施例3 実施例1を繰り返した。ただし、1つの空気供給装置を
使用し、調製器の設定を90秒で4.5psigに低下
させた。この時点での内部圧は4.3psigであっ
た。最大内部圧は4.6psigに上昇し、調整器設定
の変更後は1.8psigに下がった。TPRは90秒
で観察された。収縮を全く示さない良好なフォーム成形
品が得られた。
【0066】上述した例で用いたモールドのサイズおよ
び装填量に関しては、複雑なモールド内での均一な密度
の完全なモールド充填を確実にするのに4psigを越
える内部圧が必要である。比較例1および2は、モール
ドを封止するのに必要な最小圧力が4psigと5ps
igの間にあることを示している。4psigではモー
ルドからの漏れが生じ、一方、5psigではバリが無
いかまたはほとんど無い成形品を得ることができた。し
かし、5psigは発泡工程の間の封止を維持するには
不十分であり、比較例1のより低い圧力が示したのと同
様に、このフォーム成形品も収縮を示した。
【0067】比較例4では、エアバッグの圧力を6.5
psigに高めた。しかし、フォーム成形品は、良好な
外観をもつものの、収縮を示した。内部モールド圧はた
った3.1psigに達したにすぎない。不十分な型締
圧が早期の圧力解放を招いた。
【0068】比較例3では、型締圧が一部だけ解放され
たが、TPRウインドーのはるか前であった。低い内部
圧が達成され、成形品には相当のバリが付いていた。
【0069】実施例1、2、3は本発明の方法を例示す
るものである。すべての実施例において、モールドから
の漏れが起こらないように十分な初期型締圧が採用さ
れ、内部圧はTPRウインドーに至るまで保たれた。内
部圧は複雑なモールドへの完全なモールド充填をもたら
すようなものであった。その後、TPRウインドーの間
に、モールドをわずかな量だけ分割させるのに十分であ
るが、モールドの重量を支えるのにまだ十分な量に圧力
を低下させた。これらの条件のもとでは、内部圧が解放
されて気泡壁が破裂し、収縮の無い、良好な品質のフォ
ーム成形品をもたらす。モールドの実際の移動が限られ
るため、バリやピンチ変形が排除される。
【0070】これらの結果を表1にまとめてある。
【0071】
【表1】
【0072】本発明について詳しく説明してきたので、
当業者には、ここに記載した本発明の精神または範囲を
逸脱することなく、本発明に対して多くの変更ならびに
修正をなし得ることが明らかだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つ割りモールドで製造されるポリウレタン成
形品の横断面図である。
【図2】モールド表面が分割線で相当に離れるTPR法
において生じるピンチ変形の形成、ならびにモールド表
面へのポリウレタン成形品の示差的付着により生じる輪
郭線の形成を示す横断面図である。
【図3】本発明によるTPPR法での圧力解放前の制御
空気の圧力およびモールド内部圧を示す概略図である。
【図4】本発明によるTPPR法での圧力解放時および
圧力解放後の圧力の関係を示す概略図である。
【符号の説明】
1 成形型の上部 2 成形型の下部 3 封止面 7 ポリウレタンフォーム 9 輪郭線を生じさせる分離領域 11 ピンチ変形を招く封止面からはみ出た未硬化ポリ
ウレタンフォーム 13 エアバッグ 15 制御空気ライン 17 圧力計 19 圧力変換器 21 圧力計 23 放散ガス

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形ポリウレタンフォームのモールド内
    気泡連通化方法であって、次の工程: (a)モールドに液状の発泡性ポリウレタン予備反応混
    合物を導入すること、ここで該モールドは封止面を有
    し、かつその封止面を越えてポリウレタンが流出するの
    を実質的に防止するように封止面に沿ってモールドを封
    止するのに十分な型締力によって密閉され得るものであ
    ること; (b)型締力を加えることによって該モールドを封止す
    ること; (c)該予備反応混合物を反応させかつ内部モールド表
    面に接触した状態へと膨張させて、硬化しつつあるポリ
    ウレタン気泡生成物の気泡内に加圧膨張ガスを含む硬化
    しつつあるポリウレタン気泡生成物を形成させること; (d)硬化しつつあるポリウレタン気泡生成物のTPR
    ウインドーの間に上記型締力を減少型締力へと部分的に
    減少させて、硬化しつつあるポリウレタン気泡生成物に
    より生じた内部圧が該減少型締力を越えるようにし、こ
    れによって上記の封止を破壊し、大部分の気泡壁を破裂
    させかつ膨張ガスの一部をモールドから放散させるこ
    と、ただし上記の減少型締力はモールドの封止面の実質
    的な分離を防止するには十分なものであること; (e)モールドから取り出せるような十分な強度を示す
    まで、硬化しつつあるポリウレタン気泡生成物をモール
    ド内で硬化させること;および (f)気泡連通化ポリウレタン気泡生成物をモールドか
    ら取り出すこと;を含んでなる方法。
  2. 【請求項2】 硬化しつつあるポリウレタン気泡生成物
    によって生じたモールドの内部圧が前記ガスの放散によ
    り低下するので、前記の封止が減少型締力によって再度
    達成される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記のモールドが固定された上部とその
    上部に対して移動可能な下部を少なくとも有するマルチ
    コンポーネントモールドであり、前記の型締力が液圧ま
    たは空気圧型締手段により加えられ、前記の減少型締力
    がモールドの内部圧の不在下でモールドの下部の重量を
    支えるのに十分な力よりも大である、請求項1に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 前記の型締力が液圧または空気圧手段に
    より供給される、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記の型締力が液圧または空気圧手段に
    より供給される、請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 モールド内の圧力がTPRの不在下にお
    いてモールド内で発生した最大圧力の10〜20%であ
    るとき、前記の減少型締力はモールドを再封止するのに
    十分である、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 モールド内の圧力がTPRの不在下にお
    いてモールド内で発生した最大圧力の10〜20%であ
    るとき、前記の減少型締力はモールドを再封止するのに
    十分である、請求項2に記載の方法。
  8. 【請求項8】 モールド内の圧力がTPRの不在下にお
    いてモールド内で発生した最大圧力の10〜20%であ
    るとき、前記の減少型締力はモールドを再封止するのに
    十分である、請求項4に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記の減少型締力が0.02インチ未満
    の量だけモールド表面の分割を可能にするものである、
    請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記の減少型締力が0.02インチ未
    満の量だけモールド表面の分割を可能にするものであ
    る、請求項2に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記の型締力が第1の偏心の少なくと
    も1つの部分および第2の偏心の少なくとも1つの部分
    を有する回転可能なカムまたは偏心器によって提供さ
    れ、その際、第1の偏心が前記の型締力を提供し、そし
    て第2の偏心が前記の減少型締力を提供する、請求項1
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ピンチ変形および/または輪郭線の頻
    度が低減された気泡連通化ポリウレタン成形品の製造方
    法であって、次の工程: (a)第1の部分および第2の部分を少なくとも有する
    成形型を選択すること、該部分はそれらの間にモールド
    キャビティを取り囲み、かつ該部分間に封止面を有し、
    成形型の第1および第2の部分の少なくとも1つの部分
    が他の部分に対して移動可能であり、該相対移動は封止
    面に沿って該部分を封止または開封することができ、該
    封止がモールドキャビティからの加圧未硬化ポリウレタ
    ンの流出を防止するのに十分なものであること; (b)成形型を封止するのに効果的な型締力を加えるこ
    とができる型締手段を用意すること; (c)モールドキャビティに、このモールドキャビティ
    を実質的に満たしかつ内部圧を発生させる未硬化ポリウ
    レタン気泡生成物をもたらす量の硬化性、発泡性ポリウ
    レタン予備反応混合物を導入すること; (d)型締手段によってモールドを封止すること; (e)封止面間でシューシューという音のする加圧ガス
    の放出を生じさせるのに効果的であるが、モールドの前
    記部分間の実質的な相対移動を可能とするには不十分な
    量だけ前記の型締力を減少させること;を含んでなる方
    法。
  13. 【請求項13】 前記の減少された型締力がモールドキ
    ャビティの有意な内部圧の不在下で前記の封止を維持す
    るのに少なくとも十分なものである、請求項12に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 封止面間のモールドキャビティからの
    ガスの放散後には、減少された圧力はモールドを再封止
    するのに十分なものである、請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記の型締手段が加圧流体を含むもの
    である、請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記の型締力が第1の偏心の少なくと
    も1つの部分および第2の偏心の少なくとも1つの部分
    を有する回転可能なカムまたは偏心器によって提供さ
    れ、その際、第1の偏心が前記の型締力を提供し、そし
    て第2の偏心が前記の減少型締力を提供する、請求項1
    2に記載の方法。
  17. 【請求項17】 ピンチ変形および/または輪郭線の頻
    度が低減された気泡連通化ポリウレタン成形フォーム製
    品の製造方法であって、次の工程: (a)気泡ポリウレタン成形品の形状に一致するモール
    ドキャビティを有する2つの部分からなる成形型を選択
    すること、この成形型は上部と下部を有し、上部と下部
    はそれぞれの封止面を有し、上部は位置が固定されてい
    て、下部は上部に対して移動可能であること; (b)モールドの下部を上部に対して移動させるため
    の、また、硬化しつつある加圧ポリウレタンフォームの
    封止面間での流出を防止するのに必要な程度に封止面が
    しっかりとかみ合うように下部に十分な圧力を加えるた
    めの、加圧流体型締手段を用意すること; (c)硬化性、発泡性ポリウレタン予備反応混合物をモ
    ールドキャビティに導入し、硬化させて、多数の独立気
    泡を有する硬化しつつある加圧ポリウレタン気泡生成物
    を形成させること; (d)加圧流体型締手段の圧力を、成形型の下部の重量
    を支えるのに少なくとも十分であるが、封止面間の気密
    シールを維持するには不十分なレベルに低下させるこ
    と、その際、この圧力低下は、ポリウレタン予備反応混
    合物をモールドに導入した後の、上記の硬化しつつある
    ポリウレタンフォームが崩潰を回避するに足るだけ硬化
    した時期に行うこと; (e)上記の硬化しつつあるポリウレタンの多数の独立
    気泡が破裂するように封止面を越えてモールドキャビテ
    ィからガスを放散させること; (f)硬化しつつあるポリウレタンを、モールドから取
    り出すことができる程度に硬化させること;および (g)気泡連通化ポリウレタン成形フォーム製品をモー
    ルドから取り出すこと;を含んでなる方法。
  18. 【請求項18】 前記の加圧流体型締手段がモールド下
    部の下に配置されたエアバッグを含むものである、請求
    項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記の加圧流体型締手段が1つ以上の
    空気圧シリンダーを含むものである、請求項17に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記の加圧流体型締手段が1つ以上の
    液圧シリンダーを含むものである、請求項17に記載の
    方法。
  21. 【請求項21】 多量の連続気泡を有する成形ポリウレ
    タン気泡製品の製造方法であって、次の工程: (a)成形ポリウレタン気泡製品の形状に一致するキャ
    ビティを有し、かつ封止面を有する成形型を選択するこ
    と; (b)硬化性のポリウレタン予備反応混合物をキャビテ
    ィに導入すること、ここで該混合物は、反応させると、
    TPRウインドーを有しかつTPRウインドーの間にモ
    ールドに対して最大圧力P1 を加える、主に独立気泡を
    有する硬化しつつあるポリウレタンを形成させるもので
    あること; (c)硬化しつつあるポリウレタンおよび/またはガス
    がモールドキャビティから漏れるのを実質的に防止する
    ように、P1 より大きい封止圧P2 をかけてモールドを
    封止すること; (d)硬化しつつあるポリウレタン生成物の気泡壁が破
    裂するように、また、ガスがモールドから逃散してP1
    を減圧P1'へと低下させるように、TPRウインドーの
    間にP2 をP1 より低い圧力P2'へと部分的に低下さ
    せ、そして多量の連続気泡を生成させること、その際P
    2'は減圧P1'より高いためにモールドを再封止できるも
    のであること;および (e)モールドを開き、多量の連続気泡を含む成形ポリ
    ウレタン気泡製品をモールドから取り出すこと;を含ん
    でなる方法。
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