JP2010260928A - シートパッド用ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】乗り心地感が良好であり、かつぐらつきの問題のないシートパッド用ポリウレタンフォームを提供すること。
【解決手段】(A)ポリオール成分、(B)ポリイソシアネート成分、(C)水、及び(D)触媒を含有する発泡原液を発泡成形してなるポリウレタンフォームであって、(A)ポリオール成分として、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの開環重合により得られ、エチレンオキシドとプロピレンオキシドに由来する繰り返し単位のモル比が10/90〜25/75であり、数平均分子量が3,000〜7,000のポリエーテルポリオールを含み、かつ水の配合量が(A)成分100質量部に対して、2.5質量部以上であるシートパッド用ポリウレタンフォームである。
【選択図】なし

Description

本発明は、シートパッド用ポリウレタンフォームに関し、特に車両用シートパッドに最適なシートパッド用ポリウレタンフォームに関する。
ポリウレタンフォームは、用途に応じて、機械的特性、断熱性及び振動吸収特性等の様々な特性が求められているが、とりわけ車両用のシートパッド等においては反発力や座り心地感等の快適性が求められている。このような快適性の向上を目指し、一般に人体の内臓の共振点といわれる6Hz付近(約4〜8Hz)の振動吸収特性を高めるため、ポリウレタン発泡原料の主成分の構造や充填材等の副原料について見直しが図られ、得られるポリウレタンフォームの共振周波数及び共振倍率を下げる試みがなされてきた。共振周波数及び共振倍率を下げるためには、密度を大きくし、重量を増加させることが効果的であった。
一方、近年の環境負荷軽減に対する意識の高まりから、車両においては燃費向上が求められ、その一環として構成部品に対する軽量化が図られてきた。軽量化に対する試みは車両の外装や内装等のあらゆる構成部品に及び、シートパッド等についても例外ではない。しかし、軽量化の観点から発泡材の低密度化を実現しようとすると、快適性に影響する振動吸収特性が低下するという問題があり、低密度化と振動吸収特性の両立が困難であった。そのため、乗り心地感、燃費向上などのニーズから軽量かつ適度な反発力及び振動吸収特性を有するシートやクッション材が求められていた。
このような要求に対し、出願人は、ポリオール成分とイソシアネート成分とを主成分とするポリウレタン発泡原液を発泡成形してなるポリウレタンフォームにおいて、前記ポリオールとして分子量が3,000〜12,000、不飽和度が0.03ミリ当量/g以下であり、かつ分子量/官能基数が1,000〜3,000であるポリエーテルポリオールを用いると共に、有機化処理された無機充填材を配合することを特徴とするポリウレタンフォームを提案した(特許文献1参照)。ここで提案されたポリウレタンフォームは、軽量かつ振動吸収特性に優れたものである。
特開2008−127514号公報
特許文献1に開示されるポリウレタンフォームは、共震周波数4Hz以下、共振倍率3倍以下という優れた振動特性を持っているが、その反面、車両用シートパッドとして使用した場合には、コーナリング時にシートパッドがぐらつく場合があった。ぐらつき感が大きいと、コーナリング時に遠心加速度がかかった際、体の傾きが大きくなることが想定される。
そこで、本発明の課題は、乗り心地感が良好であり、かつぐらつきの問題のないシートパッド用ポリウレタンフォームを提供することにある。
本発明者は、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、水、及び触媒を含有する発泡原液を発泡成形してなるポリウレタンフォームにおいて、特定のポリオールを用い、水の配合量を特定することで、さらには、成形方法として、時限圧力解放(Timed Pressure Release、以下「TPR」と記載することがある。)を用いることで、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1](A)ポリオール成分、(B)ポリイソシアネート成分、(C)水、及び(D)触媒を含有する発泡原液を発泡成形してなるポリウレタンフォームであって、(A)ポリオール成分として、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの開環重合により得られ、エチレンオキシドとプロピレンオキシドに由来する繰り返し単位のモル比が10/90〜25/75であり、数平均分子量が3,000〜7,000のポリエーテルポリオールを含み、かつ水の配合量が(A)成分100質量部に対して、2.5質量部以上であるシートパッド用ポリウレタンフォーム、
[2](A)ポリオール成分中のポリエーテルポリオールが、40〜85質量%である上記[1]に記載のシートパッド用ポリウレタンフォーム、及び
[3]前記発泡成形が、前記発泡原液を、金型内に形成されたキャビティ内に供給する工程、及びゲルタイムより20〜50秒経過した後に金型内の圧力を、0.15〜0.25MPa低下させる工程を有する上記[1]又は[2]に記載のシートパッド用ポリウレタンフォーム、
を提供するものである。
本発明によれば、乗り心地感が良好であり、かつぐらつきの問題のないシートパッド用ポリウレタンフォームを提供することができる。
本発明のシートパッド用ポリウレタンフォーム(以下、単に「ウレタンフォーム」と記載することがある。)は、(A)ポリオール成分、(B)、ポリイソシアネート成分(C)水、及び(D)触媒を含有する発泡原液を発泡成形してなる。以下、成分ごとに詳細に説明する。
((A)ポリオール成分)
ポリオール成分としては、エチレンオキシド(以下「EO」と記載する。)及びプロピレンオキシド(以下「PO」と記載する。)の開環重合により得られ、EOとPOに由来する繰り返し単位のモル比が10/90〜25/75(EO/PO)であり、かつ数平均分子量が3,000〜7,000のポリエーテルポリオールを含むことを特徴とする。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
EOとPOの比については、上述のように、10/90〜25/75であることが必須であり、好ましくは16/84〜25/75、さらに好ましくは20/80〜25/75である。
また、数平均分子量については、3,000〜7,000の範囲であることを必須とする。ポリエーテルポリオールの数平均分子量が3,000未満であると反発弾性が低下し、7,000を超えるとぐらつきを解消し得ない。以上の観点から、数平均分子量は3,500〜5,500の範囲が好ましい。なお、本発明において数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によりポリスチレン換算値として算出した値である。
本発明において好適に用いられる上記ポリエーテルポリオールの一分子中に含まれるヒドロキシル基の数としては、通常2〜4個、特に3個であることが好ましい。ヒドロキシル基の数が多すぎると原料粘度が上昇する場合があり、少なすぎると物性が低下する場合がある。
上記ポリエーテルポリオールとしては、不飽和度の小さなものを用いることが好ましい。より具体的には、不飽和度として通常0.03ミリ当量/g以下であることが好ましい。ポリエーテルポリオール中の不飽和度が0.03ミリ当量/g以下であると、本発明のポリウレタンフォームの耐久性や硬度が損なわれない。なお、本発明において「不飽和度」とは、JIS K 1557-1970に準拠し、試料中の不飽和度結合に酢酸第二水銀を作用させて遊離する酢酸を水酸化カリウムで滴定する方法にて測定した、総不飽和度(ミリ当量/g)を意味するものである。
本発明における上記(A)成分として、必要に応じて上記ポリエーテルポリオールとポリマーポリオールを併用しても良い。ポリマーポリオールとしては、ポリウレタン発泡成形体用として汎用のポリマーポリオールを用いることが可能である。より具体的には、例えば、ポリアルキレンオキシドからなる好ましくは平均分子量が3,000〜8,000、より好ましくは4,000〜7,000のポリエーテルポリオールにポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のポリマー成分をグラフト共重合させたポリマーポリオール等が挙げられる。ポリアルキレンオキシドの原料となるアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシドを含むことが好ましく、プロピレンオキシド単独のもの、又はプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを共に含むものであることが特に好ましい。また、上記ポリマーポリオール中に占める上記のようなポリマー成分の割合としては、通常25〜50質量%である。
上記(A)成分としてポリエーテルポリオールとポリマーポリオールとの混合物を用いる場合、その両者の配合比としては、ポリエーテルポリオール/ポリマーポリオール(質量比)として通常30/70〜100/0、好ましくは40/60〜80/20である。両者の配合比が上記範囲を逸脱すると、物性が低下したり、反応不具合を生じたりする場合がある。
(A)成分中のポリエーテルポリオールの含有量は、40〜85質量%の範囲が好ましい。40質量%以上であると、良好な物性を得ることができ、85質量%以下であると、脱型時の初期硬度が発現するために変形しにくい。
本発明において上記(A)成分としては、粘度((A)成分として複数種のポリオールを混合して使用する場合には、その混合したポリオール全体の粘度)が液温25℃において3,000mPa・s以下、特に1,800mPa・s以下となる粘度範囲が好ましい。このような粘度範囲のポリマーポリオールを用いることにより、ポリウレタン発泡原液の増粘速度を抑制することが可能となって攪拌効率が上昇し、イソシアネート基とヒドロキシル基とがより均一に反応することが可能となるため、従来に比べて発生ガスの発生効率が増加するのみならず、その発生ガスの発生箇所としても、ポリウレタン発泡原液内で均一に発生することとなり、軽量かつ均質なポリウレタン発泡成形体を得ることが可能となる。なお、本発明において「粘度」とは、JIS Z 8803−1991に準拠し、液温25℃において、毛細管粘度計を用いて測定した粘度を意味する。
((B)ポリイソシアネート成分)
ポリイソシアネート成分としては、公知の各種多官能性の脂肪族、脂環族および芳香族のイソシアネートを用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等を挙げることができ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用して用いても良い。
本発明においては、成形密度領域の観点から、トリレンジイソシアネート(TDI)及び/又はジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含むことが好ましい。
上記(B)成分のポリイソシアネート(2種以上のイソシアネートを併用する場合には、その総量)が、上記ポリウレタン発泡原液中に占める割合としては、特に制限されるものではないが、その目安としてのイソシアネート当量(上記ポリウレタン発泡原液中の活性水素量(モル)を100とした時の、イソシアネート基の当量(モル)比)値として通常60以上、好ましくは70以上、上限として通常120以下、好ましくは115以下である。イソシアネート当量が60未満であると、攪拌不良が起こる場合があり、120を超えるとフォームダウンする場合がある。
((C)水)
本発明においては、発泡剤として水を用いる。水はポリイソシアネートと反応して炭酸ガスを発生させることから、本発明において発泡剤として用いることができる。
水の配合量は、(A)ポリオール成分100質量部に対して、2.5質量部以上であることが必要である。水の配合量が2.5質量部未満であると、ぐらつきを抑制する十分な効果が得られない。一方、上限値については、本発明の効果を奏する範囲であれば、特に限定されず、例えば、ポリオール成分100質量部に対して、15質量部程度配合することができる。
((D)触媒)
本発明における上記ポリウレタン発泡原液は、発泡成形の際の反応性の観点から触媒を含むことが好ましい。(D)成分の触媒としては、ポリウレタンフォームの製造において汎用のものを用いることができ、用途や要求に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。具体的には、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス−(ジメチルアミノエチル)エーテル、テトラメチルプロピレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン等のアミン触媒や、スタナスオクテート、ジブチルチンジラウレート等の錫系触媒を挙げることができる。上記(D)成分の触媒としては市販品を用いることができ、例えばトリエチレンジアミン(TEDA−L33:東ソー(株)製)、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT−ET:東ソー(株)製)等を好適に用いることができる。
なお、ポリウレタン発泡原液中の(D)成分の配合量としては、上記(A)成分のポリオール100質量部に対して通常0.1〜5質量部であり、より好ましくは0.2〜1質量部である。
(E)整泡剤
更に、本発明における上記ポリウレタン発泡原液には整泡剤を配合してもよい。整泡剤としては、ポリウレタン発泡成形体用のものとして汎用のものを用いることができ、例えば、各種シロキサン−ポリエーテルブロック共重合体等のシリコーン系整泡剤を用いることができる。
ポリウレタン発泡原液中の整泡剤の配合量としては、上記(A)成分のポリオール100質量部に対して通常0.5〜5質量部、特に0.5〜3質量部とすることが好ましい。5質量部を超えても特に性能的に問題ないがコストが上がり、0.5質量部未満であるとポリオール成分とイソシアネート成分の攪拌性が低下し、狙い通りのウレタンフォームが得られないおそれがあり好ましくない。
(F)架橋剤
本発明における上記ポリウレタン発泡原液には架橋剤を配合してもよい。架橋剤としては、ポリウレタン発泡成形体用のものとして汎用のものを用いることができる。
ポリウレタン発泡原液中の架橋剤の配合量としては、上記(A)成分のポリオール100質量部に対して通常0.5〜10質量部の範囲が好ましい。0.5質量部以上であると、架橋剤の効果が十分に得られ、一方、10質量部以下であると独立気泡性が適度であり、成形性が確保できるとともに、フォームダウンすることがない。
更に、本発明における発泡原液には対しては、必要に応じて各種添加剤を配合することができ、例えば、顔料等の着色剤、鎖延長剤、炭酸カルシウム等の充填材、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、カーボンブラック等の導電性物質、抗菌剤などを配合することができる。この場合、配合量は、通常使用される範囲で差し支えない。
本発明における発泡原液の配合方法としては、特に限定されるものではないが、前記(B)成分を除いた残りの各成分からなる混合物(以下、「ポリオール混合物」と略記することがある。)を調製し、その後(B)成分と混合する。
該ポリオール混合物の調製は、水と触媒とをなるべく接触させないとの観点から、上記(A)ポリオール成分に対して、上記(D)触媒を配合し、次いで上記(E)整泡剤、(F)架橋剤などその他の成分を配合し、最後に発泡成分である上記(C)水を配合することが好適である。
本発明において、ポリオール混合物の液温25℃における粘度としては、2,400mPa・s以下が好ましい。該ポリウレタン発泡原液の攪拌効率を良好とし、発泡が均一かつ十分となって所望のポリウレタン発泡成形体が得られるためである。以上の観点から、ポリオール混合物の液温25℃における粘度は、1,800mPa・s以下が好ましい。
ポリウレタンフォームを発泡成形する方法としては、金型内に形成されたキャビティ内にポリウレタン発泡原液を注入し、発泡成形する従来公知の方法を採用し得るが、時限圧力解放(TPR;Timed Pressure Release)を併用することが好ましい。
本発明におけるTPRは、金型内の圧力を低下させ、気泡の連通化を生じさせるものである。より具体的には、発泡原液を、金型内に形成されたキャビティ内に供給する工程の後に、ゲルタイムより20〜50秒経過した後に金型内の圧力を、0.15〜0.25MPa低下させる工程を有する。
ここでゲルタイムとは、ポリオールとイソシアネートが混合され、増粘が起こってゲル強度が出始める時間をいう。
ポリウレタン発泡原液の各成分の分離を防止する観点から、金型キャビティ内に上記ポリウレタン発泡原液を注入する直前に、上述の各成分を混合してポリウレタン発泡原液を調製することが好ましい。この時、上記原液の液温は通常10〜50℃、好ましくは20〜40℃、更に好ましくは25〜35℃である。ここで、各成分の配合順序に特に制限はないが、ポリウレタン発泡原液を調製する前に不必要な粘度の上昇を抑制する観点から、少なくとも前記(A)成分のポリオールと、前記(B)成分のイソシアネートとが、最後に混合されることが好ましい。次いで、上記原液の調製直後にこれをキャビティ内の減圧が可能な金型のキャビティに大気圧下にて注入し、注入し終えた直後に減圧を開始する。その後、金型内にて発泡・硬化させ、脱型し、本発明品とする。型温は通常40〜80℃、好ましくは50〜70℃、更に好ましくは60〜65℃である。
本発明のウレタンフォームは、その特性として、車酔いを低減し、座り心地を良くする観点から、共振周波数が4Hz以下であることが好ましく、特に低ければ低いほど好ましい。4Hzを超えると、車酔いに影響する6Hz時の伝達率(倍率)が高くなり、車酔いし易くなるおそれがある。共振倍率は通常3以下であり、特に低ければ低いほど好ましい。3を超えると、シートに座った体の上下の揺れが大きくなり、座り心地が悪くなるおそれがある。また、ヒステリシスロスとしては、ウレタンフォームの弾性性能保持の観点から通常25%以下、好ましくは22%以下、より好ましくは18%以下であり、ヒステリシスロスが高いと、変形した際に復元するのが遅いフォームとなってしまうおそれがある。
また、本発明のウレタンフォームは、ぐらつき感を抑制することができ、車両用のシートパッドとして用いた際に、コーナリング時のシートの傾きを抑えることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(評価方法)
各実施例及び比較例にて製造されたウレタンフォームについて、以下の方法にて評価した。
(1)共振周波数(Hz)及び共振倍率
JASO B 407に準拠して測定した。測定は、ウレタンフォームの硬さが25%硬度で226N(23kgf)になるように調整したサンプルで行った。サンプルに41kgの加圧板を載せ、周波数を1〜10Hzまで加振させた。最大の伝達率を示した時の周波数を共振周波数(Hz)、共振周波数の時の伝達率を共振倍率とした。なお、25%硬度とは、ウレタンフォームを25%圧縮するのに要する荷重をいう。
(2)ぐらつきの評価
各実施例及び比較例で作製したシートパッドの上に治具を載せ、横方向に60Nの荷重をかけた際の治具の傾き角度で評価した。なお、この測定においては、ウレタンフォームの硬さが25%硬度で、第1表に記載される値となるように調整したサンプルで行った。
(3)微小変位バネ定数(kgf/mm)
長さ100mmのテストピースを30mm圧縮したときの応力と変位を測定し、応力を変位で除した微小変位バネ定数にて評価した。この数値が大きいほど、変形しにくく、ぐらつきが少ないことを意味する。
実施例1、2及び比較例1〜3
第1表に示した配合処方に従って、発泡原液を調製した。調製に際しては、(B)ポリイソシアネート成分以外の各成分からなるポリオール混合物を調製し、その後(B)ポリイソシアネート成分を配合することで行った。ポリオール組成物は、まず、(A)ポリオール成分と、(D)触媒を混合し、次いで整泡剤、架橋剤を配合して、最後に(C)水を混合して調製した。その時、ポリウレタン発泡原液の液温は30℃とした。次いで、上記原液の調製直後にこれを、設定温度60℃のキャビティ内の減圧が可能な金型のキャビティに大気圧下にて注入し、注入し終えた直後に減圧を開始した。その後、金型内にて発泡・硬化させ、ゲルタイムより30秒経過した時に、金型内の圧力を、0.2MPa低下させた。その後、脱型し、本発明品を得た。得られたウレタンフォームを上記方法にて評価した。評価結果を第1表に示す。
実施例3
実施例2と同様の配合組成の発泡原液を用い、TPRを行ったこと以外は実施例2と同様にしてウレタンフォームを得た。TPRにおいて、ゲルタイムからの経過時間30秒後に、金型内の圧力を0.2MPa降下させた。
Figure 2010260928
*1 ポリエーテルポリオールA;EO/PO比16/84、官能基数3、数平均分子量5,000
*2 ポリエーテルポリオールB;EO/PO比20/80、官能基数3、数平均分子量5,000
*3 ポリエーテルポリオールC;EO/PO比13/87、官能基数3、数平均分子量3,000
*4 ポリエーテルポリオールD;EO/PO比16/84、官能基数3、数平均分子量3,000
*5 ポリマーポリオール;EO/PO比15/85、官能基数3、数平均分子量5,000
*6 架橋剤;ポリエーテルポリオール(EO/PO比100/0、官能基数4、数平均分子量400)
*7 触媒;トリエチレンジアミン(東ソー(株)製)
*8 整泡剤;シリコーン系整泡剤(東レ・ダウコーニング(株)製「SZ1325B」)
本発明のウレタンフォームは、優れた振動特性を持ち、かつぐらつき感を抑制することができる。したがって、優れた振動吸特性と、コーナリング時にシートパッドがぐらつくことがなく、コーナリング時に遠心加速度がかかった際、体の傾きを抑制することができ、車両用シートパッドとして好適である。

Claims (3)

  1. (A)ポリオール成分、(B)ポリイソシアネート成分、(C)水、及び(D)触媒を含有する発泡原液を発泡成形してなるポリウレタンフォームであって、(A)ポリオール成分として、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの開環重合により得られ、エチレンオキシドとプロピレンオキシドに由来する繰り返し単位のモル比が10/90〜25/75であり、数平均分子量が3,000〜7,000のポリエーテルポリオールを含み、かつ水の配合量が(A)成分100質量部に対して、2.5質量部以上であるシートパッド用ポリウレタンフォーム。
  2. (A)ポリオール成分中のポリエーテルポリオールが、40〜85質量%である請求項1に記載のシートパッド用ポリウレタンフォーム。
  3. 前記発泡成形が、前記発泡原液を、金型内に形成されたキャビティ内に供給する工程、及びゲルタイムより20〜50秒経過した後に金型内の圧力を、0.15〜0.25MPa低下させる工程を有する請求項1又は2に記載のシートパッド用ポリウレタンフォーム。
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