JP4217895B2 - ポリウレタン発泡成形体の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン発泡成形体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4217895B2
JP4217895B2 JP2003401059A JP2003401059A JP4217895B2 JP 4217895 B2 JP4217895 B2 JP 4217895B2 JP 2003401059 A JP2003401059 A JP 2003401059A JP 2003401059 A JP2003401059 A JP 2003401059A JP 4217895 B2 JP4217895 B2 JP 4217895B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane foam
stock solution
cavity
mmhg
supplying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003401059A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005161589A (ja
Inventor
直人 杉山
高志 新美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2003401059A priority Critical patent/JP4217895B2/ja
Publication of JP2005161589A publication Critical patent/JP2005161589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4217895B2 publication Critical patent/JP4217895B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、軽量性に優れるポリウレタン発泡成形体の製造方法に関する。
ポリウレタン発泡成形体には用途ごとに種々の特性が要求されるが、中でも軽量性に優れる(低密度である)ことは重要な特性の一つである。
ポリウレタン発泡成形体を軽量化する方法としては、例えば、金型内に形成されたキャビティ空間内に発泡成形体用材料を供給し、減圧下で上記発泡成形体用材料を発泡させて成形する方法(特許文献1:実開昭58−60418号公報参照)がある。この方法は、同一組成のポリウレタン発泡成形体用材料用いてもキャビティ内の減圧度を変えることにより得られる発泡成形体の密度を変えることができ、上述のような軽量化のための密度の低減に適した方法である。
また、本出願人は先に、ポリウレタン発泡成形体を軽量化する方法として、金型内に形成されたキャビティ空間内にポリウレタン発泡原料を大気圧下に供給し、金型を閉じた後でポリウレタン発泡原料が充満する前に、上記圧力調整装置を作動させることによりキャビティ空間内を減圧にすると共に、上記ポリウレタン発泡原料がゲル化した後、脱型前に上記圧力調整装置を作動させてキャビティ空間内を大気圧に戻すことによって、軽量性に優れるポリウレタン発泡成形体を得る方法を提案している(特許文献2:特開平11−226973号公報参照)。
しかしながら、さらに低密度なポリウレタン発泡成形体を使用したいという要望が産業界から寄せられており、低密度化に寄与し得る新たなポリウレタン発泡成形体の製造方法の開発が望まれていた。
実開昭58−60418号公報 特開平11−226973号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、軽量性に優れるポリウレタン発泡成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討の結果、金型内に形成されたキャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給し、その後キャビティ内を減圧することにより、所定の圧力条件下でポリウレタン発泡原液を発泡させて成形体を得るポリウレタン発泡成形体の製造方法(以下、「減圧工法」と略記することがある。)において、前記キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給する際のキャビティ内圧力(mmHg)と前記所定の圧力条件(mmHg)との圧力差である減圧度a(mmHg)値を、キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給した後に減圧を開始してから前記所定の圧力条件に達するまでの減圧到達時間t(sec)値で除した平均減圧速度a/t(mmHg/sec)値を指標として、減圧工法におけるポリウレタン発泡原液の発泡環境を設定することにより、得られるポリウレタン発泡成形体の密度を自在に制御することが可能となるのみならず、非常に軽量性に優れるポリウレタン発泡成形体を実現し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、以下のポリウレタン発泡成形体の製造方法を提供する。
請求項1:
金型内に形成されたキャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給し、その後前記キャビティ内を減圧することにより、所定の圧力条件下で前記ポリウレタン発泡原液を発泡させて成形体を得るポリウレタン発泡成形体の製造方法において、前記キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給する際のキャビティ内圧力条件(mmHg)と前記所定の圧力条件(mmHg)との圧力差である減圧度a(mmHg)値を、キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給した後に減圧を開始してから前記所定の圧力条件に達するまでの減圧到達時間t(sec)値で除した平均減圧速度a/t(mmHg/sec)値が、10mmHg/sec以上であることを特徴とするポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項2:
前記キャビティ内に前記ポリウレタン発泡原液を供給し終えた直後に、前記キャビティ内の減圧を開始する請求項1記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項3:
前記ポリウレタン発泡原液が、(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートと、(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールとを含み、かつ前記(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールの粘度が、液温25℃において2400mPa・s以下である請求項1又は2記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項4:
前記(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートと前記(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールとを配合した直後に、これら(A)成分及び(B)成分を含む前記ポリウレタン発泡原液を前記キャビティ内に供給する請求項3記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項5:
前記ポリウレタン発泡原液が、更に(C)架橋剤と(D)触媒と(E)水とを含む請求項3又は4記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
請求項6:
前記ポリウレタン発泡原液のうち、前記(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートを除いた他の各成分からなるポリオール混合物の粘度が、液温25℃において2400mPa・s以下である請求項5記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
本発明によれば、得られるポリウレタン発泡成形体の密度を自在に制御することが可能となるのみならず、非常に軽量性に優れたポリウレタン発泡成形体を実現し得る、ポリウレタン発泡成形体の製造方法が提供される。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明のポリウレタン発泡成形体の製造方法は、金型内に形成されたキャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給し、その後キャビティ内を減圧することにより、所定の圧力条件下でポリウレタン発泡原液を発泡させて成形体を得るポリウレタン発泡成形体の製造方法において、キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給する際のキャビティ内圧力条件(mmHg)と前記所定の圧力条件(mmHg)との圧力差である減圧度a(mmHg)値を、キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給した後に減圧を開始してから前記所定の圧力条件に達するまでの減圧到達時間t(sec)値で除した平均減圧速度a/t(mmHg/sec)値が、10mmHg/sec以上であることを特徴とするポリウレタン発泡成形体の製造方法である。
ポリウレタン発泡原液を発泡させる際の条件として設定した、前記所定の圧力条件(mmHg)としては、低い圧力条件であればある程良いが、通常100mmHg以上、好ましくは120mmHg以上、より好ましくは160mmHg以上、上限として通常760mmHg未満、好ましくは560mmHg以下、より好ましくは360mmHg以下である。前記所定の圧力条件が760mmHg以上であると減圧工法の効果が十分に得られない場合があり、一方、100mmHg未満であると、特別な減圧装置を必要とする場合があり、生産コストに劣ると共に、量産に適さない場合がある。
また、キャビティ内に前記ポリウレタン発泡原液を供給する際のキャビティ内圧力条件(mmHg)としては、通常、大気圧でも良いが、大気圧(760mmHg)以下、好ましくは560mmHg以下、より好ましくは360mmHg以下である。キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給する際のキャビティ内圧力が大気圧を超えると、注入液が金型外へ逆流する場合がある。
一方、キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給した後に減圧を開始してから前記所定の圧力条件に達するまでの減圧到達時間t(sec)値としては、速ければ速いほど良く、上限としては通常45sec以下、好ましくは30sec以下、より好ましくは15sec以下である。前記減圧到達時間t値が45secを超えると、減圧工法の効果が十分に得られず、成形不良になる場合がある。
本発明において、平均減圧速度a/t(mmHg/sec)値とは、前記減圧度a(mmHg)値を、前記減圧到達時間t(sec)値で除した値であって、単位時間当たりにどの程度減圧が迅速に進むのかについての指標となるものである。
従来、減圧工法において、ポリウレタン発泡原液を発泡させる際の圧力条件が、得られるポリウレタン発泡成形体の密度に影響を及ぼすことは知られていたが、驚くべきことに、前記減圧度a値を前記減圧到達時間t値で除した値、即ち平均減圧速度a/t値を指標として減圧工法のプロセスを設定することによっても、得られるポリウレタン発泡成形体の密度を調節することが可能となるばかりか、非常に軽量性に優れたポリウレタン発泡成形体を実現し得ることを本発明者は見出した。
本発明において、このような平均減圧速度a/t(mmHg/sec)値としては、大きければ大きいほど良いが、10mmHg/sec以上、好ましくは20mmHg/sec以上である。平均減圧速度a/t(mmHg/sec)値が4mmHg/sec未満であると、減圧工法の効果が十分に得られず成形不良となると共に、本発明の目的を達成し得ない。
本発明において用いられる上記ポリウレタン発泡原液としては、(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートと、(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールとを含み、かつ前記(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールの粘度が、液温25℃において2400mPa・s以下であるポリウレタン発泡原液であることが好ましい。なお、本発明において「粘度」とは、JIS Z 8803−1991に準拠し、液温25℃において、毛細管粘度計を用いて測定した粘度を意味する。
本発明における上記(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートとしては、成形密度領域の観点から、トリレンジイソシアネート(TDI)及び/又はジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含むことが好適である。
ここで、上記TDIとしては、特に限定されるものではないが、2,4−TDIと2,6−TDIとの配合比が80/20〜65/35(質量比)の混合物であることが好ましく、80/20〜50/50(質量比)の混合物であることが特に好ましい。
一方、MDIとしても特に限定されるものではなく、その分子量分布の広狭を問わず用いることができ、例えば、純(ピュア)MDI(4,4’−MDI)、ポリメリックMDI、粗(クルード)MDIなどを好適に用いることができる。
このようなTDI、MDIとしては市販品を使用することができ、TDIとしては、例えばTDI−80(住友バイエルウレタン(株)製)、MDIとしては、例えば44V20(住友バイエルウレタン(株)製 クルードMDI)を用いることができる。
上記TDIとMDIとを併用する場合、両者の配合比としては、TDI/MDI(質量比)の値として通常20/80〜80/20(質量比)、好ましくは50/50〜80/20(質量比)である。
上記(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネート(2種以上のイソシアネートを併用する場合には、その総量)が、上記ポリウレタン発泡原液中に占める割合としては、特に限定されるものではないが、その目安としてのイソシアネート当量(上記ポリウレタン発泡原液中の活性水素量(モル)を100とした時の、上記ポリウレタン発泡原液中のイソシアネ−ト基の当量(モル)比)値として通常80以上、好ましくは95以上、上限として通常120以下、好ましくは115以下である。イソシアネート当量が80未満であると、攪拌不良が起こる場合があり、一方120を超えると、フォームダウンする場合がある。
本発明における上記(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、又はポリエーテルポリオールとポリマーポリオールとの混合物が好適に用いられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、反応性の観点から、アルキレンオキシドの開環重合により得られるポリエーテルポリオールが好適である。このようなアルキレンオキシドとしてはプロピレンオキシド(PO)、エチレンオキシド(EO)等が挙げられ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
中でも、上記ポリエーテルポリオールとしては、原料活性の観点から、上記PO及びEOを併用して得たポリエーテルポリオールが好適に用いられる。POとEOとの配合比としては、特に限定されるものではないが、EO/PO(モル比)として通常8/92〜18/82(モル比)、好ましくは13/87〜15/85(モル比)である。EO/PO(モル比)が上記範囲を逸脱すると、ポリエーテルポリオールの生成が困難になる場合がある。
本発明において好適に用いられる上記ポリエーテルポリオールの一分子中に含まれるヒドロキシル基の数としては、通常2〜4個、特に3個であることが好ましい。ヒドロキシル基の数が多すぎると原料粘度が上昇する場合があり、少なすぎると物性が低下する場合がある。
上記ポリエーテルポリオールとしては、不飽和度の小さなものを用いることが好ましい。より具体的には、不飽和度として通常0.04ミリ当量/g以下であるポリエーテルポリオールが通常用いられる。ポリエーテルポリオール中の不飽和度が0.04ミリ当量/gを超えると、本発明のポリウレタン発泡成形体の耐久性や硬度が損なわれる場合がある。なお、本発明において「不飽和度」とは、JIS K 1557−1970に準拠し、試料中の不飽和結合に酢酸第二水銀を作用させて遊離する酢酸を水酸化カリウムで滴定する方法にて測定した、総不飽和度(ミリ当量/g)を意味するものである。
また、上記ポリエーテルポリオールの数平均分子量としては、通常8000未満、好ましくは6000以下、下限として通常3000以上、好ましくは4000以上である。ポリエーテルポリオールの数平均分子量が8000以上であると、上記(B)成分の粘度が大きくなりすぎてポリウレタン発泡原液の攪拌効率が劣る場合がある。一方、ポリエーテルポリオールの数平均分子量が3000未満であると、反発弾性が大きく低下する場合がある。なお、本発明において数平均分子量とは、GPC法によりポリスチレン換算値として算出した値である。
一方、本発明における上記(B)成分として、上記ポリエーテルポリオールと併用されることがあるポリマーポリオールとしては、ポリウレタン発泡成形体用として汎用のポリマーポリオールを用いることが可能である。より具体的には、例えば、ポリアルキレンオキシドからなる好ましくは平均分子量が3000以上8000以下、より好ましくは4000以上7000以下のポリエーテルポリオールにポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のポリマー成分をグラフト共重合させたポリマーポリオール等が挙げられる。ポリアルキレンオキシドの原料となるアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシドを含むことが好ましく、プロピレンオキシド単独のもの、又はプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを共に含むものであることが特に好ましい。また、上記ポリマーポリオール中に占める上記のようなポリマー成分の割合としては、通常25〜50質量%である。
本発明における上記(B)成分としてポリエーテルポリオール、又はポリエーテルポリオールとポリマーポリオールとの混合物を用いる場合、その両者の配合比としては、(ポリエーテルポリオール)/(ポリマーポリオール)(質量比)として通常30/70〜100/0、好ましくは40/60〜80/20である。両者の配合比が上記範囲を逸脱すると、物性が低下したり、反応不具合を生じたりする場合がある。
本発明において上記(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールとしては、粘度((B)成分として複数種のポリオールを混合して使用する場合には、その混合したポリオール全体の粘度)が液温25℃において2400mPa・s以下、特に1800mPa・s以下であるポリオールが使用されることが好適である。このような特定の粘度を有するポリオールを用いることにより、ポリウレタン発泡原液の増粘速度を抑制することが可能となって攪拌効率が上昇し、イソシアネート基とヒドロキシル基とがより均一に反応することが可能となるため、従来に比べて発生ガスの発生効率が増加するのみならず、その発生ガスの発生箇所としても、ポリウレタン発泡原液内で均一に発生することとなり、軽量かつ均質なポリウレタン発泡成形体を得ることが可能となる。
上記(B)成分にポリマーポリオールを配合して用いる場合、得られるポリウレタン発泡成形体の物性をできるだけ向上させる観点から、当該ポリマーポリオールの配合量をなるべく低減することが好ましい。本発明においては(C)架橋剤を配合することにより、当該ポリマーポリオールの配合量を低減することが可能である。
このような架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、開始剤に対してエチレンオキシドだけを付加重合させた架橋剤を挙げることができ、市販品を用いることも可能である。
本発明における上記ポリウレタン発泡原液中の、上記(C)成分の配合量としては、上記(B)成分のポリオール100質量部に対して通常1質量部以上、上限として通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下である。(C)成分の配合量が上記(B)成分のポリオール100質量部に対して10質量部を超えると、上述した(C)成分の添加効果がそれ以上見込めなくなる場合があり、一方、1質量部未満であると(C)成分の添加効果が認められない場合がある。
上記(A)〜(C)の各成分の配合比としては、(A)成分として用いられるイソシアネートの種類やイソシアネート中の各成分の割合、またはポリウレタン発泡原液中の(B)成分のポリオール及び(C)成分の架橋剤の種類や量などを鑑みて適宜設定することができるが、上記(B)成分のポリオール及び(C)成分の架橋剤の総量に対して(A)成分のイソシアネートの量を、通常1/5〜4/5倍(質量)、特に1/4〜3/4倍(質量)程度の量で配合すればよい。
本発明における上記ポリウレタン発泡原液は、発泡成形の際の反応性の観点から(D)触媒を含むことが好ましい。(D)触媒としては、ポリウレタン発泡成形体用として汎用のものを用いることができ、例えば、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン等のアミン触媒を挙げることができる。なお、ポリウレタン発泡原液中の(D)触媒の配合量としては、上記(B)成分のポリオール100質量部に対して通常0.3〜2質量部である。
上記(D)成分の触媒としては市販品を用いることができ、例えばトリエチレンジアミン(花王(株)製)、ジエタノールアミン(日本触媒製)等を挙げることができる。
また、本発明におけるポリウレタン発泡原液としては、環境問題とコストの観点から(E)水を含むことが好ましい。水はポリイソシアナートと反応して炭酸ガスを発生させることから、本発明において発泡剤として用いることができる。
ポリウレタン発泡原液中の(E)水の配合量としては、上記(B)成分のポリオール100質量部に対して通常1〜7質量部、好ましくは2〜5質量部である。(E)成分の配合量が上記範囲を逸脱すると、得られるポリウレタン発泡成形体の熱圧縮残留歪み特性に劣る場合がある。
さらに、本発明における上記ポリウレタン発泡原液には整泡剤を配合してもよい。整泡剤としては、ポリウレタン発泡成形体用のものとして汎用のものを用いることができ、例えば、各種シロキサン−ポリエーテルブロック共重合体等のシリコーン系整泡剤を用いることができる。このような整泡剤としては市販品を用いることができ、例えば、L 5309(日本ユニカー(株)製)、SRX 274C(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)等を用いることができる。なお、上記ポリウレタン発泡原液中の整泡剤の配合量としては、上記(B)成分のポリオール100質量部に対して通常0.3〜2質量部である。
本発明において、前記(A)成分を除いた残りの各成分からなる混合物(以下、「ポリオール混合物」と略記することがある。)の液温25℃における粘度としては、通常2400mPa・s以下、好ましくは1800mPa・s以下である。ポリオール混合物の粘度が大きすぎると、該ポリウレタン発泡原液の攪拌効率が低下して発泡が不均一かつ不十分となって所望のポリウレタン発泡成形体が得られない場合がある。
本発明のポリウレタン発泡成形体の製造方法においては、ポリウレタン発泡原液の各成分の分離を防止する観点から、金型キャビティ内に上記ポリウレタン発泡原液を注入する直前に、上述の各成分を混合してポリウレタン発泡原液を調製することが好ましい。ここで、各成分の配合順序に特に制限はないが、ポリウレタン発泡原液を調製する前に不必要な粘度の上昇を抑制する観点から、少なくとも前記(A)成分のイソシアネートと、前記(B)成分のポリオールとが、最後に混合されることが好ましい。
上記ポリウレタン発泡原液を構成するその他の各成分((A)成分及び(B)成分以外の各成分)については、個々に予め(A)成分又は(B)成分に配合しておくことが通常行われる。その配合の組合せに特に制限はなく、混合する際に使用する装置の仕様や、得られるポリウレタン発泡成形体の物性等を鑑みて配合の組み合わせが適宜設定されるが、イソシアネート基の失活を最小限に抑制する観点から、(A)成分と(B)成分とを除いた残りの各成分については、全て(B)成分に予め配合しておくことが好適である。
本発明のポリウレタン発泡成形体の製造方法は、上述した各成分を配合したポリウレタン発泡原液を金型内に形成されたキャビティ内に供給し、上記キャビティ内を減圧しながら上記ポリウレタン発泡原液を発泡硬化させて成形する、いわゆる減圧工法によって製造するものである。
このような減圧工法としては、ポリウレタン発泡原液を金型のキャビティ内に充填し、これを発泡、成形する際にキャビティ内を減圧する方法であれば特に制限されず、公知の方法が適用できる。即ち、例えば下型と、この下型の開放部を覆うことにより下型との間に密閉キャビティ空間を形成する上型とを具備し、これら上下型が互いに脱着可能に配設された金型本体の上記キャビティ空間内にポリウレタン発泡原液を供給してこれを発泡、成形する方法が挙げられる。
中でも、本発明において好適に用いられる上記減圧工法としては、上記キャビティ空間内の圧力を制御する圧力調整装置を配設して、上記キャビティ空間内にポリウレタン発泡原液を大気圧下に供給し、金型を閉じた後でポリウレタン発泡原液が充満する前に上記圧力調整装置を作動させてキャビティ空間内を減圧にすると共に、上記ポリウレタン発泡原液がゲル化した後であって脱型前に、上記圧力調整装置を作動させることによりキャビティ空間内を大気圧に戻すことによって、ポリウレタン発泡成形体を製造する方法が挙げられる。
キャビティ空間内の減圧を開始するタイミングとしては、金型と減圧装置の構造、注入方法等の観点から、キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給し終えた直後(より具体的には10秒以内、好ましくは5秒以内)に減圧を開始することが好適である。
また、前記ポリウレタン発泡原液は前記キャビティ内に速やかに供給されることが好ましく、当該供給に要する時間としては通常10秒以内、好ましくは5秒以内である。前記ポリウレタン発泡原液を前記キャビティ内に供給し始めてから供給し終えるまでに要する時間が10秒を超えると、注入した液が金型からあふれる場合や、ポリウレタン発泡原液の発泡が不十分となって軽量化の効果が小さくなる場合がある。
なお、本発明のポリウレタン発泡成形体の製造方法において、発泡成形時の金型温度としては通常50〜70℃である。また、上記キャビティ内に上記ポリウレタン発泡原液を注入する際のポリウレタン発泡原液の温度としては、常温程度とすることができる。
上述した様な、本発明の製造方法により得られるポリウレタン発泡成形体の密度としては、通常45kg/m3未満、好ましくは35kg/m3以下、より好ましくは30kg/m3以下、更に好ましくは25kg/m3以下である。このような低密度のポリウレタン発泡成形体を実現することにより、省エネルギータイプの自動車の軽量化に寄与し得ることから好適に用いることが可能であり、また、圧縮することにより大幅な低容化を図ることが可能であることから、リサイクル性に優れた低密度ポリウレタン発泡成形体を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜3及び比較例2,3]
表1に示すイソシアネート及びポリオール混合物を各々予め攪拌混合し、次いで両成分を混合してポリウレタン発泡原液(液温25℃)を調製し、調製直後にこれをキャビティ内の減圧が可能な金型(型温60℃)のキャビティに大気圧下にて注入し、注入し終えた直後に減圧を開始した。当該注入に要した時間は5秒であった。
下表2に示す減圧条件(mmHg)、減圧度(mmHg)、及び減圧到達時間(sec)条件の下で上記ポリウレタン発泡原液を発泡硬化させてポリウレタン発泡成形体を得た。得られたポリウレタン発泡成形体の成形下限密度(kg/m3)を測定し、軽量化度を算出した。結果を表2に併記した。
[比較例1]
キャビティ内を減圧しない方法でポリウレタン発泡原液を発泡させてポリウレタン発泡成形体を得たこと以外は、実施例1〜5と同様にしてポリウレタン発泡成形体を得た。得られたポリウレタン発泡成形体の成形下限密度(kg/m3)を測定した。結果を表2に併記した。
TDI
TDI−80(住友バイエルウレタン(株)製)。
MDI
44V20(住友バイエルウレタン(株)製 クルードMDI)。
イソシアネート当量
上記配合原料中のイソシアネート成分の配合量(質量部)、ポリオール成分の配合量(質量部)、及び水の配合量(質量部)から、下記式により算出した。

ポリエーテルポリオール
三洋化成製。数平均分子量8,000、官能基(OH基)数4、EO15%,PO85%(仕込みモル)。不飽和度0.065ミリ当量/g。粘度1300mPa・s(液温25℃)。
ポリマーポリオール
三洋化成製。ベースポリオール平均分子量5,000、ベースポリオール官能基数3、EO13%、PO87%。
架橋剤
旭硝子製。数平均分子量400、官能基数4、EO100%(仕込みモル)。
触媒A
トリエチレンジアミン(花王(株)製)。
触媒B
ジエタノールアミン((株)日本触媒製)。
整泡剤
L5309(日本ユニカー(株)製)。

減圧の有無
有:減圧工法を用いた。
無:減圧工法を用いなかった(減圧せずに成形した)。
減圧条件(mmHg)
発泡成形時のキャビティ内圧力として設定した、キャビティ内の実際の圧力(mmHg)。
減圧度(mmHg)
キャビティ内にポリウレタン発泡原液を投入した際のキャビティ内圧力(上記実施例においては大気圧(760mmHg)である)と、上記減圧条件(mmHg)との圧力差(mmHg)。
減圧到達時間(sec)
キャビティ内の減圧を開始してから上記減圧条件に達するまでに要した時間(sec)。
平均減圧速度(mmHg/sec)
減圧度(mmHg)の値を減圧到達時間(sec)の値で除した値(mmHg/sec)。
成形下限密度(kg/m 3
フォームが金型内を充填するために必要な最低限の密度。
軽量化度(%)
減圧工法を用いない場合に得られる発泡成形体の成形下限密度(kg/m3)を基準として、所定の減圧工法により得られる発泡成形体の成形下限密度(kg/m3)がどの程度低下したのかを示す指標。具体的には、[100×(所定の減圧工法により得られる発泡成形体の成形下限密度、即ち、各実施例の成形下限密度)/(減圧工法を用いない場合に得られる発泡成形体の成形下限密度、即ち、比較例1の成形下限密度)]の値である。

表2の結果から、軽量化度(%)を平均減圧速度(mmHg/sec)に対してプロットしたものを図1に示す。軽量化度と平均減圧速度とはよく相関し、平均減圧速度が大きいほど軽量化度が大きくなることが明らかである。
表2の結果から、軽量化度(%)を平均減圧速度(mmHg/sec)に対してプロットしたものである。

Claims (6)

  1. 金型内に形成されたキャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給し、その後前記キャビティ内を減圧することにより、所定の圧力条件下で前記ポリウレタン発泡原液を発泡させて成形体を得るポリウレタン発泡成形体の製造方法において、前記キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給する際のキャビティ内圧力条件(mmHg)と前記所定の圧力条件(mmHg)との圧力差である減圧度a(mmHg)値を、キャビティ内にポリウレタン発泡原液を供給した後に減圧を開始してから前記所定の圧力条件に達するまでの減圧到達時間t(sec)値で除した平均減圧速度a/t(mmHg/sec)値が、10mmHg/sec以上であることを特徴とするポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  2. 前記キャビティ内に前記ポリウレタン発泡原液を供給し終えた直後に、前記キャビティ内の減圧を開始する請求項1記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  3. 前記ポリウレタン発泡原液が、(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートと、(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールとを含み、かつ前記(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールの粘度が、液温25℃において2400mPa・s以下である請求項1又は2記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  4. 前記(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートと前記(B)ヒドロキシル基を供給するポリオールとを配合した直後に、これら(A)成分及び(B)成分を含む前記ポリウレタン発泡原液を前記キャビティ内に供給する請求項3記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  5. 前記ポリウレタン発泡原液が、更に(C)架橋剤と(D)触媒と(E)水とを含む請求項3又は4記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
  6. 前記ポリウレタン発泡原液のうち、前記(A)イソシアネート基を供給するポリイソシアネートを除いた他の各成分からなるポリオール混合物の粘度が、液温25℃において2400mPa・s以下である請求項5記載のポリウレタン発泡成形体の製造方法。
JP2003401059A 2003-12-01 2003-12-01 ポリウレタン発泡成形体の製造方法 Expired - Fee Related JP4217895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003401059A JP4217895B2 (ja) 2003-12-01 2003-12-01 ポリウレタン発泡成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003401059A JP4217895B2 (ja) 2003-12-01 2003-12-01 ポリウレタン発泡成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005161589A JP2005161589A (ja) 2005-06-23
JP4217895B2 true JP4217895B2 (ja) 2009-02-04

Family

ID=34725092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003401059A Expired - Fee Related JP4217895B2 (ja) 2003-12-01 2003-12-01 ポリウレタン発泡成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4217895B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5082829B2 (ja) * 2007-12-25 2012-11-28 株式会社ブリヂストン ポリウレタン発泡成形体及びその製造方法
DE102009053218A1 (de) 2009-11-06 2011-07-14 Bayer MaterialScience AG, 51373 Verfahren zur Herstellung eines Polyurethanschaums mittels über- oder nahekritischen Treibmittels
JP5680122B2 (ja) * 2013-02-13 2015-03-04 株式会社ブリヂストン 発泡成形体及びその製造方法、並びに金型

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005161589A (ja) 2005-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5838154B2 (ja) シートパッド用ポリウレタンフォーム
KR20060054066A (ko) 저 벌크 밀도 및 압축 강도를 갖는 가요성 발포체
US10631649B2 (en) Seat pad
CN110741026A (zh) 软质聚氨酯泡沫用组合物、软质聚氨酯泡沫和车辆用座垫
JP6010608B2 (ja) シートパッド用ポリウレタンフォーム
JP2010260928A (ja) シートパッド用ポリウレタンフォーム
JP4217895B2 (ja) ポリウレタン発泡成形体の製造方法
EP3392282A1 (en) Soft polyurethane foam and seat pad
JP2007023123A (ja) ポリウレタン発泡成形体及びその製造方法
JP2010280855A (ja) 車輌用シートクッション用軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法
JP2016023211A (ja) 軟質ポリウレタンフォームの製造方法及び軟質ポリウレタンフォーム
WO2017135289A1 (ja) 軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物
JP5717791B2 (ja) 車両用シートパッドの製造方法及び車両用シートパッド
JP2005042087A (ja) ポリウレタン発泡成形体及びその製造方法
CN113549193A (zh) 一种低温静刚度变化率低的wj-8a型高铁弹性垫板
JP5571905B2 (ja) ポリウレタン発泡成形体
JP5082829B2 (ja) ポリウレタン発泡成形体及びその製造方法
JP4200359B2 (ja) ポリウレタン発泡成形体
JP6631069B2 (ja) 軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物
JP6536001B2 (ja) 軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物
JP2018165292A (ja) 軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物
JP5703336B2 (ja) シートパッド用ポリウレタンフォーム
JP2016060896A (ja) 高耐久軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物
JP5932255B2 (ja) シートパッド用ポリウレタンフォーム
JP2023091890A (ja) 軟質ポリウレタンフォーム形成性組成物および軟質ポリウレタンフォーム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080604

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081015

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081028

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4217895

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131121

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees