JP6631069B2 - 軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォーム用イソシアネート組成物並びに同組成物からなる軟質ポリウレタンフォームに関する。特に本発明の軟質ポリウレタンフォームは、耐久性を要求される車両用シートクッションに適する。
古くより自動車のシートクッション用軟質ポリウレタンフォーム(以下、軟質フォーム)は、安全性の観点から長時間の乗車でも厚み減少による運転者の視点変化が少なくなるよう高い耐久性が要求されている。一方で、昨今のシートクッションでは、路面から伝わる振動を軽減するため、フォームの反発弾性率を低く抑え、また、コスト低減の観点からフォーム密度を可能な限り低くすることが求められている。しかしながら、これら低反発化、低密度化は、フォーム耐久性を著しく悪化させることが知られており、耐久性と乗り心地性、経済性を両立させる技術の確立が求められてきた。
これらを解決する手段として特開2001−137077号公報にはトリレンジイソシアネート(以下TDI)とポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(以下Poly−MDI)との混合物を使用した軟質フォームが提案されている。しかし、TDIを主原料とする軟質フォームは、MDIを主原料とする軟質フォームに比べ反発弾性率が高くなることが知られており、十分な振動吸収性能を達成するために低減すべき反発弾性率の幅が大きい。反発弾性率を下げる手段としては、樹脂の架橋密度低減やガラス転移温度上昇、フォームの通気度低減等が上げられるが、これらは全て軟質フォームの耐久性を悪化させることが知られており、結果としてTDIを主原料とする軟質フォームでは、低い反発弾性率による良好な振動吸収性と低いヒステリシスロス率による高い耐久性とを両立することが出来ない。さらに、TDIを使用したウレタンフォームでは、フォームのスキン層とコア層との密度差が大きく、同じ25%圧縮硬さ、ヒステリシスロス率のフォームであっても表面触感が固く、乗り心地性能に劣る。加えて、蒸気圧の高いTDIの使用は、軟質フォーム製造場所の作業環境が悪化することが知られている。
一方、TDI系軟質フォームに比較し、一般的に反発弾性率が低いMDI系軟質フォームは、高密度領域で振動吸収性と耐久性の両立が比較的容易である。しかし、TDIに比べ単位重量当りのイソシアネート基含有率(NCO含量)が低いMDI系イソシアネートでは、密度低減のために大量の水を配合する必要が有り、昨今シートクッションに要求される55kg/m3未満の低密度領域では、イソシアネートと水との反応により生成する剛直なウレア結合の増加で樹脂の変形からの復元性が減少し、耐久性が悪化すると共にMDI系フォームの特徴で有る良好な質感が失われる。これまで、上記密度領域で耐久性の指標となるヒステリシスロス率が28%を下回るMDI系軟質フォームは知られていない。
また、国際公開第2000/008083号には、ジフェニルメタンジイソシアネート含有率81〜100%、ジフェニルメタンジイソシアネート中の2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート40〜60%を含む変性されていないMDIと平均公称ヒドロキシル官能価2〜6、平均当量200〜600のオキシエチレン基を少なくとも60質量%含有するポリエーテルポリオールを含むポリオール組成物とを反応させる方法が開示されている。しかしながら、この方法では、水を含む他の活性水素基含有化合物と当該オキシエチレンユニットを有するポリオールが競合してイソシアネートと反応するため、結果として当該オキシエチレンユニットを有するポリオールの末端水酸基の反応は完結いないものと考えられ、十分なヒステリシスロス率低減の効果が得られるものでなない。
特開2001−137077号公報 国際公開第2000/008083号
本発明は、低い反発弾性率による良好な振動吸収性を有しつつ、55kg/m未満の低密度領域においても低いヒステリシスロス率を実現する軟質フォーム製造用イソシアネート組成物、及びこのイソシアネート組成物を使用した軟質ポリウレタンフォームの製造方法の提供をその目的とする。
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討した結果、見出されたものである。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(6)のいずれかに示されるものである。
(1)ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)が、ポリオール(B)にてウレタン変性されている変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)からなるポリイソシアネート組成物であって、
ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)がジフェニルメタンジイソシアネートを65〜90質量%の範囲で含み、かつ該ジフェニルメタンジイソシアネートに含まれる2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの量が該ジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し10〜50質量%であること、
ポリオール(B)がポリオキシエチレンユニットを65質量%以上含み、かつ平均官能基数が1.7〜2.4であること、並びに
変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)のイソシアネート含量が29〜32質量%であること
を特徴とする軟質ポリウレタンフォーム製造用のポリイソシアネート組成物。
(2)ポリオール(B)の大気圧における凝固点が10〜45℃の範囲にある上記(1)に記載の軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物。
(3)ジフェニルメタンジイソシアネートを65〜90質量%の範囲で含み、かつ該ジフェニルメタンジイソシアネートに含まれる2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの量が該ジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し10〜50質量%であるポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)と、
ポリオキシエチレンユニットを65質量%以上含み、かつ平均官能基数が1.7〜2.4であるポリオール(B)とを
イソシアネート含量が29〜32質量%になるように反応させることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の軟質ポリウレタンフォーム製造用のポリイソシアネート組成物の製造方法。
(4)上記(1)又は(2)に記載の変性ポリイソシアネート組成物(C)、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤としての水(I)、及び整泡剤(J)の混合液を反応させて発泡することを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(5)ポリオール(G)が、水酸基価20〜40mgKOH/g、及び平均官能基数が2〜4のポリエーテルポリオールを含むことを特徴とする上記(4)に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(6)得られる軟質ポリウレタンフォームの見掛け密度が55kg/m未満、スキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜400N/314cm、反発弾性率が45〜65%、かつヒステリシスロス率が28%未満であることを特徴とする上記(4)又は(5)に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
本発明の軟質フォーム製造用のイソシアネート組成物を含有する軟質フォーム成形用組成物によれば、低い反発弾性率による良好な振動吸収性を有しつつ、低密度領域においても低いヒステリシスロス率を実現する軟質フォームを製造することができる。
先ず、本発明のポリイソシアネート組成物について説明する。
本発明のポリイソシアネート組成物は、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)が、ポリオール(B)にてウレタン変性されている変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)からなるポリイソシアネート組成物であって、
ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)がジフェニルメタンジイソシアネートを65〜90質量%の範囲で含み、かつ該ジフェニルメタンジイソシアネートに含まれる2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの量が該ジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し10〜50質量%であること、
ポリオール(B)がポリオキシエチレンユニットを65質量%以上含み、かつ平均官能基数が1.7〜2.4であること、並びに
変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)のイソシアネート含量が29〜32質量%であること
をその特徴とする。
本発明におけるポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)は、ベンゼン環とイソシアネート基を2つずつ含むジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ベンゼン環とイソシアネート基を3つ以上ずつ含む多核体、及び市販のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(Poly−MDI)に一般的に含まれる少量の不純物(例えば、イソシアネート2量体、Poly−MDIのメチル化物又は塩素化物、カルボジイミド又はウレトンイミン化合物等)を含む。
Poly−MDI(A)におけるMDIの質量含有率(以下MDI含有率)は変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)の組成原単位からポリオキシエチレンユニットを有するポリオール(B)を除いた、Poly−MDI(A)に対するMDIの含有率であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフやガスクロマトグラフにて測定することが出来る。また、MDIや多核体を各種ブレンドしてPoly−MDI(A)を調製する場合、各原料のMDI含有率が事前に判明していれば、計算により算出することも出来る。MDI含有率としては65〜90質量%が好ましく、70〜85質量%がより好ましい。
本発明にかかるMDI含有率が90質量%を超えると得られるポリイソシアネート組成物の低温における貯蔵安定性や得られる軟質フォームの耐久性、硬さが低化する。他方、65質量%未満では架橋密度が高くなりすぎることで、シートクッションに適さない程度までフォームが硬くなると共にフォームの引張り破断時伸び率が低下し、車両の座席用軟質フォームに十分なフォーム強度を得ることが出来ない。
さらに、MDI総量に対する2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下2,2’−MDI)の含有率と2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下2,4’−MDI)の含有率との合計(以下アイソマー含有率)は10〜50質量%であることが必要であり、20〜45質量%であることがより好ましい。
本発明にかかるMDI総量に対する2,2’−MDI及び2,4’−MDIの含有量が10質量%未満では得られるポリイソシアネート組成物の低温での貯蔵安定性が損なわれ、イソシアネート保管場所や配管、発泡成形機内の常時加温が必要となる他、軟質フォームの成形安定性が損なわれ、発泡途中でのフォーム崩壊等が発生する。他方、50質量%を超えるとフォーム硬度が低下し、シートクッション、シートバックやサドルとして十分な硬さが確保出来ない、反応性が低下し、成形サイクルが延長する、フォームの独泡率が高くなりヒステリシスロス率が上昇する、等の問題が生じる。
本発明のポリイソシアネート組成物の合成に使用されるポリオキシエチレンユニットを有するポリオール(B)は、少なくともポリオキシエチレンユニットの含量が65〜100質量%であることが必要であり、75〜100%がより好ましい。また、ポリオール(B)は、平均官能基数が1.7〜2.4であり、更に好ましくは1.9〜2.2である。
本発明では、特定のポリオキシエチレンユニット含有量と重合開始剤の平均官能基数を有するポリオール(B)によりPoly−MDI(A)がウレタン変性されていることで、軟質フォームとなった際、樹脂中におけるポリオキシエチレンユニット同士、またはポリオキシエチレンユニットとウレタン結合又はウレア結合との間に静電的な相互作用が生じ、擬似架橋構造を取ることにより低い反発弾性率のフォームであっても低いヒステリシスロス率、高い耐久性を実現するものである。ポリオキシエチレンユニット含量が65%未満の変性用ポリオールでは、前記相互作用が十分では無く、良好な効果は得られない。
平均官能基数が1.7未満の場合、軟質フォーム樹脂中の化学的架橋密度が低下し、前記擬似架橋が存在しても、ヒステリシスロス率や耐久性が不十分なものとなる。他方、平均官能基数が2.4を超える場合、ヒステリシスロス率を低く維持し、耐久性を向上させることは可能であるが、前記擬似架橋を増加させた場合に比較し伸び率を中心とした機械的強度の低下が著しく、このような破断しやすいフォームは、常に乗員が乗降する自動車用シートクッション、シートバック、サドル等の用途には好ましくない。なお、ここで言うポリオールの平均官能基数とは、重合開始剤の平均官能基数が重合後も変化しないとした上の数値であり、複数のポリオールが混合されている場合には、各ポリオールの分子量と配合量からそれぞれのモル数を求め、ポリオール毎にモル数と重合開始剤平均官能基数の積を算出、これを全ポリオール分合算し、各ポリオールのモル数の合算で除した値を意味する。
ポリオール(B)は、前記のポリオキシエチレンユニット含量と重合開始剤の平均官能基数を満足することで、本発明の良好な軟質フォーム性能を実現することが可能であるが、中でもポリオール(B)の凝固点が10〜45℃、更に好ましくは20〜40℃の範囲にある場合、より優れた結果が得られる。凝固点が10℃以上のポリオールは、前記ポリオキシエチレンユニット含量と重合開始剤の平均官能基数を満足するポリオールの中でも凝集力が高く、ヒステリシスロス率改善効果が大きい。凝固点が45℃を超える場合、ポリオキシエチレンユニットによる凝集性が非常に高くなることで、ヒステリシスロス率改善効果はより大きくなるが、高すぎる凝集力は、イソシアネート自体の凝固点を高め、低温貯蔵安定性悪化を引き起こすことが有る。
なお凝固点とは、校正された水銀温度計により1℃刻みで正しく温度調節されている恒温水槽に、それぞれの温度で100mlの蓋付きガラス瓶に入れられたポリオールを24時間保管した後に目視上結晶析出が確認出来た最高の温度をいう。
さらに、本発明にかかるポリオキシエチレンユニットを有するポリオール(B)において、JIS K 1557で規定されるCPR値(controlled polymerization rate)は、10以下であることが好ましい。さらに好ましくは5以下である。CPR値が10を超える場合、イソシアネートのウレタン変性において、ウレタン化反応以外のトリマー化やアロファネート化、ダイマー化反応が促進され、合成中のイソシアネートが固化したり、イソシアネート粘度が予定外に上昇したりして実用に耐えないものとなる。
本発明にかかるポリオキシエチレンユニットを65〜100質量%で含むポリオール(B)は、分子量分布、ポリオキシエチレンユニットのサイズや分散度合い、分岐の程度等から、その凝固点を平均分子量の範囲等で単純に規定することが難しいが、市販のオキシエチレン単位含量65〜100質量%、重合開始剤の平均官能基数が1.7〜2.4のポリオールでは、一般的に平均分子量600以上、1,300以下が好適な範囲となる。入手可能な製品としては三洋化成工業株式会社製PEG−600、同PEG−1000、日油株式会社のユニルーブ75DE−15等が挙げられる。
また、上記ポリオキシエチレンユニットの含量と凝固点、平均官能基数、CPR値を達成することが可能であれば、二種類以上のポリオールを混合して使用することも可能である。
本発明の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)におけるイソシアネート基含量(NCO含量)は29〜32質量%である。かかるNCO含量が29質量%未満では、イソシアネートと水との反応による二酸化炭素発生量が少なすぎ、低密度領域での成形性を確保することが出来ない。32質量%を超える場合、オキシエチレングリコール単位を有するポリオールの量が少なすぎ、本発明のヒステリシスロス率低減効果が十分得られない。
前記Poly−MDI(A)とポリオキシエチレンユニットを有するポリオール(B)とをイソシアネート含量が29〜32質量%になるように反応させる合成法としては特に制限されるものではなく、例えば、全量のPoly−MDIにポリオキシエチレンユニットを有するポリオール(B)を全量仕込みプレポリマー化する方法、MDIの一部とポリオールを反応させてから残りのPoly−MDIを混合する方法等が適用できる。
次に、本発明の軟質フォームの製造方法について説明する。本発明の軟質フォームの製造方法は、本発明の変性ポリイソシアネート組成物(C)、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤としての水(I)、及び整泡剤(J)の混合液を反応発泡させることを特徴とする。本発明の軟質フォームの製造方法により、見掛け密度が55kg/m未満、スキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜400N/314cm、反発弾性率が45〜65%、かつヒステリシスロス率が28%未満である軟質フォームが得られる。
なお、上記見掛け密度、反発弾性率は、JIS K6400記載の方法で、スキン付き試験片フォームの25%圧縮硬さは、JIS K6400記載のB法で、ヒステリシスロス率はJIS K6400記載のB法で測定される値を指す。
本発明にかかるポリオール(G)としては、軟質フォームとして優れた性能を発現しやすい、水酸基価20〜40mgKOH/g、及び平均官能基数が2〜4のポリエーテルポリオールを主体とするものが好ましい。
このようなポリエーテルポリオールとしては、公知のものが使用でき、例えば、(数平均)分子量700未満の低分子量ポリオール類、低分子量ポリアミン類、低分子量アミノアルコール類等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドや、テトラヒドロフラン等の環状エーテルを付加させて得られるものが挙げられる。このような開始剤としては、水、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、水素添加ビスフェノールA、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネート、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子量ポリオール類;アニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子量アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の低分子量アミノアルコール類等が挙げられる。
かかる水酸基価が40mgKOH/gを超えるとポリウレタンフォームの硬さが高くなりすぎ、柔軟性も低下する。他方、水酸基価が20mgKOH/g未満では得られるポリウレタンフォームの硬さが車両の座席用軟質フォームとしては柔らかすぎ、また、高い粘度による混合不良等が発生しやすい。
本発明の軟質フォームの製造方法では硬さ調整を目的として、ポリオール中でビニル系モノマーを通常の方法で重合せしめて製造したポリマーポリオールを併用することができる。このようなポリマーポリオールとしては、前記ポリオール(G)と同様のポリエーテルポリオール中、ラジカル開始剤の存在下でビニル系モノマーを重合させ、安定分散させたものが挙げられる。また、ビニル系モノマーとしては、例えばアクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ヒドロキシアルキル、メタアクリレート、アルキルメタアクリレートが挙げられ、中でもアクリロニトリル、スチレンが好ましい。このようなポリマーポリオールの具体例としては、旭硝子ウレタン社製のEL−910、EL−923、三洋化成工業社製のFA−728R等が挙げられる。
本発明に使用される触媒(H)としては、当業界で公知の各種ウレタン化触媒や三量化触媒を用いることができる。代表例としてはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の三級アミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応型三級アミン又はこれらの有機酸塩、1−メチイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ナフテン酸亜鉛等の有機金属化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の三量化触媒が挙げられる。触媒の種類と量は、適切なフォームセルの独泡率、生産サイクルを実現できるものであれば良く、特に規定する必要は無いが、フォーム臭気等の点から好ましい添加量はポリオールに対し0.1〜5質量部である。
本発明に使用される発泡剤(I)は、イソシアネート基と水との反応で発生する炭酸ガスが好ましく、水の量はポリオール(G)100質量部に対し2〜15質量部が好ましい。水に加え、液化炭酸ガスを6質量部までの範囲で添加し、発泡倍率を高めることも可能である。
本発明に使用される整泡剤(J)は当業界で公知の有機珪素系界面活性剤であり、例えば、東レ・ダウコーニング社製のSZ−1327、SZ−1325、SZ−1336、SZ−3601、モメンティブ社製のY−10366、L−5309、エボニック社製B−8724LF2、B−8715LF2、信越化学社製のF−122等が挙げられる。これら整泡剤の量はポリオール(G)100質量部に対し0.1〜3質量部が好ましい。
また、本発明には成形安定性の向上やフォーム硬さの調製を目的としてジエタノールアミンやトリエタノールアミンといった架橋剤を添加することができる。架橋剤の好ましい添加量はポリオール(G)100質量部に対し5質量部までである。必要以上の架橋剤添加では、強い独泡性を生じたり、架橋密度増大により機械的強度が悪化したりする。
上記の他に、添加剤として、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種充填剤、内部離型剤、その他の加工助剤を使用することができる。なお、これらの助剤の中でイソシアネートと反応しうる活性水素基を有さないものについては、ポリイソシアネートにあらかじめ混合して使用することもできる。
本発明のポリイソシアネート組成物中の全イソシアネート基と水を含むイソシアネート反応性化合物中の全イソシアネート反応性基との混合発泡時におけるモル比(NCO/NCO反応性基)としては0.7〜1.4(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=70〜140)であることが好ましく、フォームの耐久性や成形サイクルの良好な範囲として0.8〜1.3(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=80〜130)がより好ましい。
イソシアネートインデックスが70未満では耐久性の低下や独泡性に過度の上昇が生じ、140より高い場合は未反応イソシアネートが長く残存することによる成形サイクルの延長、高分子量化の遅延によるフォーム発泡途中でのセル崩壊等が生じる。
本発明の軟質フォームの製造方法は、前記変性ポリイソシアネート組成物(C)、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤としての水(I)、及び整泡剤(J)の混合液の発泡原液を金型内に注入し、その後発泡硬化させることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォーム(以下、軟質モールドフォーム)の製造方法が使用できる。
上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度としては、通常30〜80℃、好ましくは45〜65℃である。上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度が30℃未満であると、反応速度低下による生産サイクルの延長につながり、一方、80℃より高いと、ポリオールとイソシアネートの反応に対し、水とイソシアネートとの反応が過度に促進されることにより、発泡途中においてフォームが崩壊したり、ウレア結合の局所増大による耐久性、フォーム触感の悪化が生じたりする。
上記発泡原液を発泡硬化させる際の硬化時間としては、一般的な車両用シートパッド、サドル等の生産サイクルを考慮すると10分以下、好ましくは7分以下である。
本発明の軟質モールドフォームを製造するに際しては、通常の軟質モールドフォームの場合と同様、高圧発泡機や低圧発泡機等を用いて、上記各成分を混合することができる。
ポリイソシアネート成分とポリオール成分とは発泡直前で混合することが好ましい。その他の成分は、原料の貯蔵安定性や反応性の経時変化に影響を与えない範囲でポリイソシアネート成分またはポリオール成分と予め混合することが出来る。それら混合物は混合後直ちに使用しても、貯留した後、必要量を適宜使用してもよい。混合部に2成分を超える成分を同時に導入可能な構造を有する発泡装置の場合、ポリオール、発泡剤、ポリイソシアネート、触媒、整泡剤、添加剤等を個別に混合部に導入することもできる。
また、混合方法は発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行うダイナミックミキシング、送液配管内で混合を行うスタティックミキシングの何れでも良く、また両者を併用してもよい。物理発泡剤等のガス状成分と液状成分との混合はスタティックミキシングで、液体として安定に貯留可能な成分同士の混合はダイナミックミキシングで実施される場合が多い。本発明に使用される発泡装置は、混合部の溶剤洗浄が必要のない高圧発泡装置であることが好ましい。
このような混合により得られた混合液を金型(モールド)内に吐出し、発泡硬化させ、その後脱型が行われる。
上記脱型を円滑に行うため、金型に予め離型剤を塗布しておくことも好適である。使用する離型剤としては、成形加工分野で通常用いられる離型剤を用いればよい。
脱型後の製品はそのままでも使用できるが、従来公知の方法で圧縮下又は、減圧下でフォームのセル膜を破壊し、以降の製品外観、寸法を安定化させることが好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物による好適な軟質フォームは、JIS K6400の方法で測定される見掛け密度が55kg/m3未満、かつJIS K6400記載のB法で測定されるスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜400N/314cm2であって、JIS K6400記載の反発弾性率が45〜65%、JIS K6400記載のB法によるヒステリシスロス率が28%未満であることを特徴とする。本発明によるポリイソシアネート組成物を用いた軟質フォームであれば、上記一般的に入手可能な原料類を使用して本特徴を有する軟質フォームを容易に製造することが出来る。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、文中の「部」、「%」は質量基準である。
[イソシアネート合成例I−1]
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI):1.4%、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI):43.4%を含むジフェニルメタンジイソシアネート(MDI):658.1gを仕込み、75℃まで昇温した後、ポリオールB1(平均官能基数2 数平均分子量1,000、エチレンオキサイドユニット含有量 100%、凝固点 37℃、三洋化成工業株式会社製PEG−1000)を25.6g仕込み、温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら2時間ウレタン化反応を行った。続いて、MDI:39%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの含有率2.5%のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(Poly−MDI)を316.4g仕込み、30分間攪拌後、室温まで冷却してイソシアネート基末端プレポリマー「I−1」(NCO含量31.6%)を得た。PEG−1000との反応の前に仕込んだMDIと反応後に仕込んだPoly−MDIとを合算したPoly−MDIの組成は、MDI含有率80.2%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの合計した含有率は、38.1%であった。
この合成例1で実施したMDIとポリオールとを事前に反応させ、その後Poly−MDIを添加する方法を合成法1とする。
[イソシアネート合成例I−2]
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、2,2’−MDI:0.7%、2,4’−MDI:24.2%を含むMDI:660.1gとMDI:39%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの含有率2.5%のPoly−MDI:317.4gとを仕込み攪拌した。攪拌により均一となったPoly−MDIの組成は、MDI含有率80.2%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの合計した含有率は、21.2%であった。その後、75℃まで昇温した後、ポリオールB2(平均官能基数2 数平均分子量600、エチレンオキサイドユニット含有量 100%、凝固点 15℃、三洋化成工業株式会社製PEG−600)を22.5g仕込み、温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら2時間ウレタン化反応を行った。その後室温まで冷却し、イソシアネート基末端プレポリマー「I−2」(NCO含量31.7%)を得た。
この合成例2で実施したMDIとPoly−MDIとを事前に混合し、その後ポリオールと反応させる方法を合成法2とする。
<貯蔵安定性試験>
イソシアネート期末端プレポリマーI−1〜12、R−1〜R−8、R−10を5℃の温度条件下でそれぞれ貯蔵し、2週間以内に目視にて外観に変化が生じるか確認した。濁り、結晶析出、結晶沈殿等により軟質フォームの商業生産上問題が生じると考えられるものを×、変化が無く安定性良好なものを○とした。×のものは、後の発泡試験には供しなかった。
[イソシアネート合成例:表1〜3]
表中に組成、合成法及び、使用した変性用ポリオールの詳細を示す。
Figure 0006631069
*1 オキシエチレン単位の含量
Figure 0006631069
*1 オキシエチレン単位の含量
Figure 0006631069
*日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネート 1021(TDI/Poly−MDI=80/20)
*1 オキシエチレン単位の含量
Figure 0006631069
[ポリオールプレミックスの調整]
攪拌機を備えた容量100Lの混合機に、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤としての水(I)、及び整泡剤(J)をそれぞれ、表5に記載した量を仕込み、均一に混合した。
<ポリオールG>
ポリオールG−1:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業株式会社製サンニックス FA−921
ポリオールG−2:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=34(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業株式会社製サンニックス FA−703
ポリオールG−3:重合開始剤平均官能基数=4.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、旭硝子株式会社製 エクセノール 838
ポリオールG−4:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=48(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業株式会社製 サンニックス FA−103
ポリオールG−5:平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリマーポリオール、三洋化成工業株式会社製 サンニックス FA−728R
<触媒H>
触媒H−1:トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液、東ソー株式会社製TEDA−L33
触媒H−2:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液、東ソー株式会社製TOYOCAT−ET
<整泡剤J>
整泡剤J−1:シリコーン系整泡剤、エボニック社製B−8715LF2
整泡剤J−2:シリコーン系整泡剤、エボニック社製B−8724LF2。
[フォーム成型]
[発泡条件]
金型温度:55〜60℃
金型形状:100×300×300mm
金型材質:アルミニウム
キュアー条件:55〜60℃×4分
Figure 0006631069
軟質フォーム成形品の実施例K−1〜K−8
Figure 0006631069
軟質フォーム成形品の実施例K−9〜K−12、比較例K−13〜K−16
Figure 0006631069
軟質フォーム成形品の比較例K−17〜K−22
Figure 0006631069
ポリオールプレミックスP−1〜P7と合成したイソシアネート基末端プレポリマーI−1〜12を液温25±1℃に調整した。ポリオールプレミックスにイソシアネート基末端プレポリマーI−1〜12を表6、表7に示すイソシアネートインデックス値となる割合で混合し、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合し金型内に注入し軟質フォームを発泡させた後、金型より取出して、ローラークラッシングによる破泡後、得られた軟質フォームの物性を測定した。
ポリオールプレミックスP−1〜P−7と合成したイソシアネート基末端プレポリマーR−1〜R−8、及び市販のTDI/MDIブレンドイソシアネートを液温25±1℃に調整した。ポリオールプレミックスにポリイソシアネート基末端プレポリマーR−1〜R−8及びTDI/MDIブレンドイソシアネートを表7、8に示すイソシアネートインデックスで投入し、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合し、金型内に注入してポリウレタンフォームを反応、発泡させた後、金型より取出して、ローラークラッシングで破泡後、得られた軟質フォームの物性を測定した。
<ポリウレタンフォームの物性の測定方法>
見掛け密度、引張強さ、伸び、引裂強さ、反発弾性率、湿熱圧縮残留歪は、JIS K6400記載の方法で、圧縮残留歪はJIS K6400記載のA法で、スキン付き試験片フォームの25%圧縮硬さは、JIS K6400記載のB法で、ヒステリシスロス率はJIS K6400記載のB法で測定した。
表6、7に示した結果から明らかなように、本発明のポリイソシアネート組成物を用いて本発明の方法によって得られた軟質ポリウレタンフォーム実施例K−1〜K−12はいずれもオキシエチレングリコールユニットの凝集による疑似架橋の結果、ヒステリシスロス率が28%以下未満であり良好な物性を示すことが確認できた。
比較例K−13、14に示したように、一般的に使用されているTDI/MDIブレンドイソシアネートでは、特別な工夫無しでは反発弾性率が高くなりすぎ、良好な振動吸収性能をしめさず、一方で通気度低減による反発弾性率の低減を行うと、ヒステリシスロス率は比較的低いものの、静的耐久性の悪化が著しく、車両用軟質フォームに使用した場合、長時間の乗車で運転者の視点が変化し、安全性に問題が生じる可能性が有る。
比較例K−15では、設定したNCO含有量が低すぎ、フォームを目標密度まで低減することが出来ない。
比較例K−16では、設定したNCO含有量が高く、オキシエチレングリコール単位を有するポリオールの量が少ないため、凝集による架橋効果が低く、ヒステリスロス率が28%
を超える結果となった。
比較例K−17のようにMDI含量を下げた場合、及びK−19のように変性剤ポリオールの官能基数を高めた場合には、それぞれ軟質フォーム樹脂中の化学的架橋密度が高くなりすぎ、低いヒステリシスロス率、高い耐久性は実現可能であるが、フォームの機械的強度が常用に耐えない程度まで悪化する。
比較例K−18のように変性剤ポリオールの官能基数を低く設定した場合には、それぞれ軟質フォーム樹脂中の化学的架橋密度が低下し、ヒステリシスロス率が高くなり、耐久性が悪化する。
比較例K−20〜21に使用した変性剤は凝固点が10〜45℃に入らないものであり、常温では液状である。その結果凝集による架橋効果が低く、ヒステリスロス率が28%を超える結果となった。
比較例K−22はMDIを変性せず、変性剤をポリオールプレミックスに混合して発泡させたものである。その結果ヒステリシスロス率が高くなる結果となった。また、ポリオールプレミックスの貯蔵安定性も悪化した。
以上の結果から本発明のポリイソシアネート組成物を用いると密度55kg/m3未満でヒステリシスロス率が28%未満と低く、耐久性が高い軟質ウレタンフォームを成型することがでるため、産業上極めて有用である。

Claims (6)

  1. ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)が、ポリオール(B)にてウレタン変性されている変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)からなるポリイソシアネート組成物であって、
    ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)がジフェニルメタンジイソシアネートを65〜90質量%の範囲で含み、かつ該ジフェニルメタンジイソシアネートに含まれる2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの量が該ジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し10〜50質量%であること、
    ポリオール(B)がポリオキシエチレンユニットを65質量%以上含み、かつ平均官能基数が1.7〜2.4であること、並びに
    変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)のイソシアネート含量が29〜32質量%であること
    を特徴とする軟質ポリウレタンフォーム製造用のポリイソシアネート組成物。
  2. ポリオール(B)の大気圧における凝固点が10〜45℃の範囲にある請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム用ポリイソシアネート組成物。
  3. ジフェニルメタンジイソシアネートを65〜90質量%の範囲で含み、かつ該ジフェニルメタンジイソシアネートに含まれる2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの量が該ジフェニルメタンジイソシアネートの総量に対し10〜50質量%であるポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)と、
    ポリオキシエチレンユニットを65質量%以上含み、かつ平均官能基数が1.7〜2.4であるポリオール(B)とを
    イソシアネート含量が29〜32質量%になるように反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載の軟質ポリウレタンフォーム製造用のポリイソシアネート組成物の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の変性ポリイソシアネート組成物(C)、ポリオール(G)、触媒(H)、発泡剤としての水(I)、及び整泡剤(J)の混合液を反応させて発泡することを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. ポリオール(G)が、水酸基価20〜40mgKOH/g、及び平均官能基数が2〜4のポリエーテルポリオールを含むことを特徴とする請求項4に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 得られる軟質ポリウレタンフォームの見掛け密度が55kg/m未満、スキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが100〜400N/314cm、反発弾性率が45〜65%、かつヒステリシスロス率が28%未満であることを特徴とする請求項4又は5に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
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