JP2016060896A - 高耐久軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い硬度と低い密度において低ヒステリシスロス率と高耐久性及び、低い圧縮永久歪値を持つ軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物の提供。【解決手段】特定の成分比率範囲に有るポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートをオキシエチレンユニットを特定の範囲の量で含有し、かつ開始剤官能基数が特定の幅にあるポリオールにてウレタン変性することにより得られる軟質ポリウレタンフォーム用変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネートと、特定の不飽和度を持つ、ポリオキシアルキレンポリオールの組み合わせて使用する軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、イソシアネート組成物と特定のポリオキシアルキレンポリオールを規定の割合で含むポリオール配合物を反応させることにより製造される軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物に関する。更に詳しくは、高耐久、良好な乗り心地性を有する車両用シートクッションおよびシートバック用軟質ポリウレタンフォーム用組成物に関する。
自動車のシートクッション用軟質ポリウレタンフォーム(以下、軟質フォーム)は、安全性の観点から長時間の乗車でも厚み減少による運転者の視点変化が少なくなるよう高い耐久性が要求されている。一方で、昨今のシートクッションでは、路面から伝わる振動を軽減するため、フォームの反発弾性率を低く抑え、また、コスト低減の観点からフォーム密度を可能な限り低くすることが求められている。しかしながら、これら低反発化、低密度化は、フォーム耐久性および機械的強度を著しく悪化させることが知られており、耐久性と乗り心地性、経済性を両立させる技術の確立が求められてきた。
また、シートバック用軟質フォームはその要求密度に合わせてTDIを主原料としたイソシアネート組成が主に使われており、この要求密度でMDIを主原料とする軟質フォームを製造した場合、圧縮永久歪率、機械的強度などの要求値に対して十分な性能を達成するのが困難である。
これらを解決する手段として特開2001−137077にはトリレンジイソシアネート(以下TDI)とポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(以下Poly−MDIとの混合物を使用した軟質フォームが提案されている。しかし、TDIを主原料とする軟質フォームは、MDIを主原料とする軟質フォームに比べ反発弾性率が高くなることが知られており、十分な振動吸収性能を達成するために低減すべき反発弾性率の幅が大きい。反発弾性率を下げる手段としては、樹脂の架橋密度低減やガラス転移温度上昇、フォームの通気度低減などが上げられるが、これらは全て軟質フォームの耐久性を悪化させることが知られており、結果としてTDIを主原料とする軟質フォームでは、低い反発弾性率による良好な振動吸収性と低いヒステリシスロス率による高い耐久性とを両立することが出来ない。さらに、TDIを使用したウレタンフォームでは、フォームのスキン層とコア層との密度差が大きく、同じ25%圧縮硬さ、ヒステリシスロス率のフォームであっても表面触感が固く、乗り心地性能に劣る。加えて、蒸気圧の高いTDIの使用は、軟質フォーム製造場所の作業環境が悪化することが知られている。
一方、TDI系軟質フォームに比較し、一般的に反発弾性率が低いMDI系軟質フォームは、高密度領域で振動吸収性と耐久性の両立が比較的容易である。しかし、TDIに比べ単位重量当りのイソシアネート基含有率(以下NCO含量)が低いMDI系イソシアネートでは、同じ発泡倍率を達成するにはTDI系と比較すると多くの水を配合する必要が有り、その結果イソシアネートと水との反応により生成する剛直なウレア結合の増加で樹脂の変形からの復元性が減少し、耐久性が悪化すると共にMDI系フォームの特徴である良好な質感が失われる。
また、国際公開特許WO2000/008083には、ジフェニルメタンジイソシアネート含有率81〜100%、ジフェニルメタンジイソシアネート中の2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート40〜60%を含む変性されていないMDIと平均公称ヒドロキシル官能価2〜6、平均当量200〜600のオキシエチレン基を少なくとも60質量%含有するポリエーテルポリオールを含むポリオール組成物とを反応させる方法が開示されている。しかしながら、この方法では、水を含む他の活性水素基含有化合物と当該オキシエチレンユニットを有するポリオールが競合してイソシアネートと反応するため、結果として当該オキシエチレンユニットを有するポリオールの末端水酸基の反応は完結せず、十分なヒステリシスロス率低減の効果が得られなかった。
特開2001−137077 WO2000/008083
本発明は、達成が困難な高硬度範囲および低密度範囲において、低いヒステリシスロス率と高耐久性を実現する軟質フォーム製造用イソシアネート組成物、さらにはこの軟質フォームを使用した、良好な乗り心地性と高い安全性を両立する車両用シートクッション、シートバック及びサドルの提供を目的とする。
本発明は、前述の課題を解決し、優れた耐久性と乗り心地性、機械物性の達成を可能とする軟質フォーム用イソシアネート組成物による、車両用シートクッション、シートバックやサドルを提供するために鋭意検討した結果、見出されたものである。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(3)に示す通りである。
(1)軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物において、a)、b0)、c)、d)を含み、NCOインデックス70〜120で発泡させる軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物。
a):ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)を、オキシエチレンユニットを有するポリオキシアルキレンポリオール(B)にてウレタン変性したイソシアネート含量25〜32質量%の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)において、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)は、ジフェニルメタンジイソシアネートを65〜90質量%の範囲で含み、ジフェニルメタンジイソシアネート(A)に含まれる2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの合計量がジフェニルメタンジイソシアネート(A)の総量に対し5〜50質量%であり、オキシエチレンユニットを有するポリオキシアルキレンポリオール(B)は、ポリオキシエチレンユニットを(B)全体中に50質量%以上含み、かつ平均官能基数が2〜4である。
b0):b1)、b2)、b3)で示すポリオール(D)、(E)、(F)が、(D)、(E)、(F)の合計質量に基づき、(D)が50〜100質量%、(E)が0〜10質量%、(F)が0〜50質量%であるポリオール組成物。
b1):重合触媒として複合金属シアン化物錯体触媒又はホスファゼン触媒又はイミノ基含有ホスファゼニウム塩を用いて製造され、かつ、全EO含有率が少なくとも5質量%であり、不飽和度が0.001〜0.040meq/gである、平均官能基数が2〜4、水酸基価=38mgKOH/g未満のポリオキシアルキレンポリオール(D)
b2):少なくとも50質量%の1級ヒドロキシ基を含有し、全EO含有率が少なくとも10質量%であり、平均官能基数が2〜6のポリオキシアルキレンポリオール(E)
b3):ポリマーポリオール(F)
c):水
d):触媒及び整泡剤
(2)見掛け密度45kg/m3以上75kg/m3未満、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが200〜450N/314cm2であって、ヒステリシスロス率が22%未満、湿熱圧縮永久歪率が10%未満であることを特徴とする、(1)に記載の軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物。
(3)見掛け密度30kg/m3以上45kg/m3未満、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが80〜200N/314cm2であって、ヒステリシスロス率が28%未満、湿熱圧縮永久歪率が10%未満であることを特徴とする、(1)に記載の軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物。
本発明のポリイソシアネート組成物を用いることにより、ヒステリシスロス率が低く、耐久性が高い軟質ウレタンフォームを成型することができる。
本発明のポリイソシアネート組成物はポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)をオキシエチレンユニットを有するポリオール(B)にてウレタン変性したイソシアネート含量22〜32質量%の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)であって、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)がジフェニルメタンジイソシアネートを65〜90質量%の範囲で含み、ジフェニルメタンジイソシアネート(A)に含まれる2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート(A)の総量に対し10〜50質量%であり、オキシエチレングリコールユニットを有するポリオキシアルキレンポリオール(B)は、ポリオキシエチレンユニットを平均50質量%以上含み、かつ、平均官能基数が2〜4であることを特徴とするポリイソシアネート組成物である。
ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)はベンゼン環とイソシアネート基を2つずつ含むジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDI)、ベンゼン環とイソシアネート基を3つ以上ずつ含む多核体と、市販のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(以下Poly−MDI)に含まれる少量の不純物(イソシアネート2量体、Poly−MDIのメチル化物や塩素化物、カルボジイミドやウレトンイミン化合物)からなる。
Poly−MDI(A)におけるMDIの質量含有率(以下MDI含有率)は変性Poly−MDI(C)の組成原単位からオキシエチレンユニットを有するポリオール(B)を除いた、Poly−MDI(A)に対するMDIの含有率であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフやガスクロマトグラフにて測定することが出来る。また、MDIや多核体を各種ブレンドしてPoly−MDI(A)を調製する場合、各原料のMDI含有率が事前に判明していれば、計算により算出することも出来る。MDI含有率としては65〜90質量%が好ましく、70〜85質量%がより好ましい。
本発明にかかるMDI含有率が90質量%を超えると得られるポリイソシアネート組成物の低温における貯蔵安定性や得られる軟質フォームの耐久性、硬さが低化する。他方、65質量%未満では架橋密度が高くなりすぎることで、シートクッションに適さない程度までフォームが硬くなると共にフォームの引張り破断時伸び率が低下し、車両の座席用軟質フォームに十分なフォーム強度を得ることが困難となる。
さらに、MDI総量に対する2、2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下2、2’-MDI)の含有率と2、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下2、4’-MDI)の含有率との合計(以下アイソマー含有率)は10〜50質量%であることが必要であり、15〜45質量%であることがより好ましい。
本発明にかかるMDI総量に対する2,2′−MDI及び2,4′−MDIの含有量が10質量%未満では得られるポリイソシアネート組成物の低温での貯蔵安定性が損なわれ、イソシアネート保管場所や配管、発泡成形機内の常時加温が必要となる他、軟質フォームの成形安定性が損なわれ、発泡途中でのフォーム崩壊などが発生する。他方、50質量%を超えるとフォーム硬度が低下し、シートクッション、シートバックやサドルとして十分な硬さが確保出来ない、反応性が低下し、成形サイクルが延長する、フォームの独泡率が高くなりヒステリシスロス率が上昇する、などの問題が生じる場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物の合成に使用されるポリオキシエチレンユニットを有するポリオキシアルキレンポリオール(B)は、少なくともオキシエチレン単位の含量が50〜100質量%であることが必要であり、60〜100質量%がより好ましい。また、ポリオキシアルキレンポリオール(B)は、平均官能基数が2〜4である。手可能な製品としては三洋化成工業株式会社製PEG−600、同PEG-1000、FA−103、日油株式会社のユニルーブ75DE−15などが挙げられる。
また、上記オキシエチレン単位の含量と、平均官能基数、CPR値を達成することが可能であれば、二種類以上のポリオールを混合して使用することも可能である。
本発明では、特定のオキシエチレン単位含有量と重合開始剤の平均官能基数を有するポリオキシアルキレンポリオール(B)によりPoly−MDI(A)をウレタン変性することで、軟質フォームとなった際、樹脂中におけるオキシエチレン単位同士、またはオキシエチレン単位とウレタンやウレア結合間に静電的な相互作用が生じ、擬似架橋構造を取ることにより低い反発弾性率のフォームであっても低いヒステリシスロス率、高い耐久性を実現するものであって、オキシエチレン単位含量が50%未満の変性用ポリオールでは、前記相互作用が十分では無く、良好な効果は得られない。
平均官能基数は、2未満の場合、軟質フォーム樹脂中の化学的架橋密度が低下し、前記擬似架橋が存在しても、ヒステリシスロス率や耐久性が不十分なものとなる。他方、平均官能基数が4を超える場合、ヒステリシスロス率を低く維持し、耐久性を向上させることは可能であるが、前記擬似架橋を増加させた場合に比較し伸び率を中心とした機械的強度の低下が著しく、このような破断しやすいフォームは、常に乗員が乗降する自動車用シートクッション、シートバック、サドルなどの用途には好ましくない。なお、ここで言うポリオールの平均官能基数とは、重合開始剤の平均官能基数が重合後も変化しないとした上の数値であり、複数のポリオキシアルキレンポリオールが混合されている場合には、各ポリオキシアルキレンポリオールの分子量と配合量からそれぞれのモル数を求め、ポリオキシアルキレンポリオール毎にモル数と重合開始剤平均官能基数の積を算出、これを全ポリオキシアルキレンポリオール分合算し、各ポリオキシアルキレンポリオールのモル数の合算で除した値を意味する。
さらに、本発明にかかるオキシエチレングリコールユニットを有するポリオールにおいて、JIS K 1557で規定されるCPR値(controlled polymerization rate)は、10以下であることが好ましい。さらに好ましくは5以下である。CPRが10を超える場合、イソシアネートのウレタン変性において、ウレタン化反応以外のトリマー化やアロファネート化、ダイマー化反応が促進され、合成中のイソシアネートが固化したり、イソシアネート粘度が想定外に上昇したりして実用に耐えないものとなる。
本発明の変性Poly−MDI(C)におけるイソシアネート基含量(NCO含量)は25〜32質量%である。かかるNCO含量が25質量%未満では、イソシアネートの粘度が高すぎることにより、ポリオール成分との混合状態が悪化したり、発泡混合液の流れ性が悪くなり、モールド端末の充填性が不十分などの成型不具合が生じる場合が多い。32質量%を超える場合、オキシエチレングリコール単位を有するポリオールの量が少なすぎ、本発明のヒステリシスロス率低減効果が十分得られない。
前記Poly−MDIと前記オキシエチレングリコールユニットを有するポリオールとを反応させる合成法としては特に制限されるものではなく、全量のPoly−MDIにオキシエチレンユニットを有するポリオールを全量仕込みプレポリマー化する方法、MDIの一部とポリオールを反応させてから残りのPoly−MDIを混合する方法等が適用できる。
本発明におけるポリオキシアルキレンポリオール(D)は、重合触媒として複合金属シアン化物錯体触媒又はホスファゼン触媒又はイミノ基含有ホスファゼニウム塩を用いて製造され、全EO含有率が少なくとも5質量%であり、平均官能基数が2〜4、水酸基価38mgKOH/g未満、総不飽和度0.001〜0.040meq/g、より好ましくは0.001〜0030meq/gのポリアルキレンポリオールを使用する。上記オキシエチレンの含有量と、官能基数の範囲にあれば、二種類以上のポリオールを混合して使用することも可能である。
ポリオキシアルキレンポリオール(D)の総不飽和度が大きくなることは、末端に不飽和基を持つモノオール成分が多くなることを意味し、総不飽和度が0.040meq/gよりも大きい場合には、フォームの架橋密度低下に伴いヒステリシスロス率低減、耐久性改善の十分な効果が得られない。
ポリオキシアルキレンポリオール(D)の開始剤としては、3官能から4官能の短分子ポリオールを使用することができる。具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子量ポリオール類;アニリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子量アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の低分子量アミノアルコール類等が挙げられる。これらの中でも、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールは汎用性が高いため安価であり、供給安定性にも良好であるため好ましい。
開始剤に開環付加重合させるアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド又はシクロヘキセンオキシド等のエポキシ化合物を挙げることができる。これらのうち、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド又はスチレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドがより好ましい。また、該アルキレンオキシドは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種類以上のアルキレンオキシドを併用する場合、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとの併用が特に好ましい。
本発明の軟質フォームの製造方法では硬さ調整を目的として、ポリオキシアルキレンポリオール中でビニル系モノマーを通常の方法で重合せしめて製造したポリマーポリオール(F)を併用することができる。このようなポリマーポリオールとしては、ポリアルキレンポリオール中、ラジカル開始剤の存在下でビニル系モノマーを重合させ、安定分散させたものが挙げられる。また、ビニル系モノマーとしては、例えばアクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ヒドロキシアルキル、メタアクリレート、アルキルメタアクリレートが挙げられ、中でもアクリロニトリル、スチレンが好ましい。このようなポリマーポリオールの具体例としては、旭硝子ウレタン社製のEL−910、EL−923、三洋化成工業社製のFA−728R等が挙げられる。
次に、本発明の軟質フォームの製造方法について説明する。本発明の軟質フォームは、製造された軟質フォームが見掛け密度45kg/m3以上75kg/m3未満、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが200〜450N/314cm2、ヒステリシスロス率が22%未満、湿熱圧縮残留歪率が10%未満、または見掛け密度30kg/m3以上45kg/m3未満、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが80〜200N/314cm2、ヒステリシスロス率が28%未満、湿熱圧縮残留歪率が10%未満であることを特徴とし、本発明のポリイソシアネート組成物(C)とポリオキシアルキレンポリオール(D)、(E)、ポリマーポリオール(F)、水、触媒、整泡剤、助剤の混合液を反応発泡せしめる軟質フォームの製造方法である。
なお、上記見掛け密度は、JIS K6400記載の方法で、スキン付き試験片フォームの25%圧縮硬さは、JIS K6400記載のB法で、ヒステリシスロス率はJIS K6400記載のB法で測定される値を指す。
本発明に使用される触媒としては、当業界で公知の各種ウレタン化触媒や三量化触媒を用いることができる。代表例としてはトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,N''−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の三級アミン、ジメチルエタノールアミン、N−トリオキシエチレン−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジメチル−N−ヘキサノールアミン等の反応型三級アミン又はこれらの有機酸塩、1−メチイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ナフテン酸亜鉛等の有機金属化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の三量化触媒が挙げられる。触媒の種類と量は、適切なフォームセルの独泡率、生産サイクルを実現できるものであれば良く、特に規定する必要は無いが、フォーム臭気などの点から好ましい添加量はポリオールに対し0.1〜5重量部である。
本発明に使用される発泡剤は、イソシアネート基と水との反応で発生する炭酸ガスが好ましく、水の量はポリオール100質量部に対し2〜6質量部が好ましい。水に加え、液化炭酸ガスを6質量部までの範囲で添加し、発泡倍率を高めることも可能である。
本発明に使用される整泡剤(J)は当業界で公知の有機珪素系界面活性剤であり、例えば、東レ・ダウコーニング社製のSZ−1327、SZ−1325、SZ−1336、SZ−3601、モメンティブ社製のY−10366、L−5309、エボニック社製B−8724LF2、B−8715LF2、信越化学社製のF−122等が挙げられる。これら整泡剤の量はポリオール100質量部に対し0.1〜3質量部が好ましい。
また、本発明には成形安定性の向上やフォーム硬さの調製を目的としてジエタノールアミンやトリエタノールアミンといった架橋剤を添加することができる。架橋剤の好ましい添加量はポリオール100質量部に対し5質量部までである。必要以上の架橋剤添加では、強い独泡性を生じたり、架橋密度増大により機械的強度が悪化する場合がある。
上記の他に、添加剤として、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、各種充填剤、内部離型剤、その他の加工助剤を使用することができる。なお、これらの助剤の中でイソシアネートと反応しうる活性水素基を有さないものについては、ポリイソシアネートにあらかじめ混合して使用することもできる。
本発明のポリイソシアネート組成物中の全イソシアネート基と水を含むイソシアネート反応性化合物中の全イソシアネート反応性基との混合発泡時におけるモル比(NCO/NCO反応性基)としては0.7〜1.2(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=70〜120)であることが好ましく、フォームの耐久性や成形サイクルの良好な範囲として0.8〜1.1(イソシアネートインデックス(NCO INDEX)=80〜110)がより好ましい。
イソシアネートインデックスが70未満では耐久性の低下や独泡性に過度の上昇が生じ、120より高い場合は未反応イソシアネートが長く残存することによる成形サイクルの延長、高分子量化の遅延によるフォーム発泡途中でのセル崩壊などが生じる。
本発明の軟質フォーム組成物は、前記ポリイソシアネート組成物(C)と、ポリオキシアルキレンポリオール(D)、(E)、ポリマーポリオール(F)、触媒、水、及び整泡剤の混合液とを攪拌混合の後、金型内に注入し発泡硬化させることを特徴とする、軟質ポリウレタンモールドフォーム(以下軟質モールドフォーム)である。
上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度としては、通常30〜80℃、好ましくは45〜65℃である。上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度が30℃未満であると、反応速度低下による生産サイクルの延長につながり、一方、80℃より高いと、ポリオールとイソシアネートの反応に対し、水とイソシアネートとの反応が過度に促進されることにより、発泡途中においてフォームが崩壊したり、ウレア結合の局所増大による耐久性、フォーム触感の悪化が生じたりする。
上記発泡原液を発泡硬化させる際の硬化時間としては、一般的な車両用シートパッド、サドルなどの生産サイクルを考慮すると6分以下、好ましくは4分以下である。
本発明の軟質モールドフォームを製造するに際しては、通常の軟質モールドフォームの場合と同様、高圧発泡機や低圧発泡機等を用いて、上記各成分を混合することができる。
ポリイソシアネート成分とポリオール成分とは発泡直前で混合することが好ましい。その他の成分は、原料の貯蔵安定性や反応性の経時変化に影響を与えない範囲でポリイソシアネート成分またはポリオール成分と予め混合することが出来る。それら混合物は混合後直ちに使用しても、貯留した後、必要量を適宜使用してもよい。混合部に2成分を超える成分を同時に導入可能な構造を有する発泡装置の場合、ポリオール、発泡剤、ポリイソシアネート、触媒、整泡剤、添加剤などを個別に混合部に導入することもできる。
また、混合方法は発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行うダイナミックミキシング、送液配管内で混合を行うスタティックミキシングの何れでも良く、また両者を併用してもよい。物理発泡剤等のガス状成分と液状成分との混合はスタティックミキシングで、液体として安定に貯留可能な成分同士の混合はダイナミックミキシングで実施される場合が多い。本発明に使用される発泡装置は、混合部の溶剤洗浄が必要ない高圧発泡装置であることが好ましい。
このような混合により得られた混合液を金型(モールド)内に吐出し、発泡硬化させ、その後脱型が行われる。
上記脱型を円滑に行うため、金型に予め離型剤を塗布しておくことも好適である。使用する離型剤としては、成形加工分野で通常用いられる離型剤を用いればよい。
脱型後の製品はそのままでも使用できるが、従来公知の方法で圧縮下又は、減圧下でフォームのセル膜を破壊し、以降の製品外観、寸法を安定化させることが好ましい。
本発明のポリイソシアネート組成物による好適な軟質フォームは、JIS K6400記載の方法で測定される見掛け密度45kg/m3以上75kg/m3未満、かつJIS K6400記載のB法によるスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが200〜450N/314cm2、JIS K6400記載のB法によるヒステリシスロス率が22%未満、JIS K6400記載の湿熱圧縮残留歪率が10%未満、または見掛け密度30kg/m3以上45kg/m3未満、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが80〜200N/314cm2、ヒステリシスロス率が28%未満、湿熱圧縮残留歪率が10%未満であることを特徴とする。本発明による組成物を用いれば、上記一般的に入手可能な原料類を使用して、本特徴を有する軟質フォームを容易に製造することが出来る。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、文中の「部」、「%」は質量基準である。
[イソシアネート合成例I−1]
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2'-MDI):1.4%、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI):43.4%を含むジフェニルメタンジイソシアネート(MDI):658.1gを仕込み、75℃まで昇温した後、ポリオールB1(平均官能基数2 数平均分子量1,000、エチレンオキサイドユニット含有量 100%、凝固点 37℃、三洋化成工業株式会社製PEG-1000)を25.6g仕込み、温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら2時間ウレタン化反応を行った。続いて、MDI:39%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの含有率2.5%のポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(Poly−MDI)を316.4g仕込み、30分間攪拌後、室温まで冷却してイソシアネート基末端プレポリマー「I−1」(NCO含量31.6%)を得た。PEG−1000との反応の前に仕込んだMDIと反応後に仕込んだPoly−MDIとを合算したPoly−MDIの組成は、MDI含有率80.2%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの合計した含有率は、38.1%であった。
この合成例1で実施したMDIとポリオールとを事前に反応させ、その後Poly−MDIを添加する方法を合成法1とする。
[イソシアネート合成例I−2]
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、2,2'-MDI:0.7%、2,4’−MDI:24.2%を含むMDI:660.1gとMDI:39%、MDI中の2,2’−MDIと2,4’−MDIの含有率2.5%のPoly−MDI:317.4gとを仕込み攪拌した。攪拌により均一となったPoly−MDIの組成は、MDI含有率80.2%、MDI中の2,2'−MDIと2,4’−MDIの合計した含有率は、21.2%であった。その後、75℃まで昇温した後、ポリオールB2(平均官能基数2 数平均分子量600、エチレンオキサイドユニット含有量 100%、凝固点15℃、三洋化成工業株式会社製PEG-600)を22.5g仕込み、温度を維持したまま攪拌羽根で均一に混合しながら2時間ウレタン化反応を行った。その後室温まで冷却し、イソシアネート基末端プレポリマー「I−2」(NCO含量31.7%)を得た。
この合成例2で実施したMDIとPoly−MDIとを事前に混合し、その後ポリオールと反応させる方法を合成法2とする。
<貯蔵安定性試験>
イソシアネート基末端プレポリマーI−1〜6、H−1〜H−8を5℃の温度条件下でそれぞれ貯蔵し、2週間以内に目視にて外観に変化が生じるか確認した。濁り、結晶析出、結晶沈殿等により軟質フォームの商業生産上問題が生じると考えられるものを×、変化が無く安定性良好なものを○とした。×のものは、後の発泡試験には供しなかった。
[イソシアネート合成例]
表中に組成、合成法及び、使用した変性用ポリオールの詳細を示した。
Figure 2016060896
*1 オキシエチレン単位の含量
Figure 2016060896
Figure 2016060896
*日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネート 1021(TDI/Poly-MDI=80/20)
変性用ポリオールB1〜B8について表4に示す。
Figure 2016060896
ポリオキシアルキレンポリオール(D)について表5に示す。
Figure 2016060896
[ポリオールプレミックスの調整]
攪拌機を備えた容量100Lの混合機に、ポリオール(E)、ポリマーポリオール(F)、触媒、発泡剤としての水、及び整泡剤をそれぞれ、表1に記載した量を配合し、均一に混合した。
<ポリオキシアルキレンポリオール(E)>
ポリオールE−1:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業株式会社製サンニックス FA−921
ポリオールE−2:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=34(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業株式会社製サンニックス FA−703
ポリオールE−3:重合開始剤平均官能基数=3.0、水酸基価=48(mgKOH/g)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール、三洋化成工業株式会社製 サンニックス FA−103
<ポリマーポリオール(F)>
ポリオールF−1:平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリマーポリオール、三洋化成工業株式会社製 サンニックス FA−728R
ポリオールF−2:平均官能基数=3.0、水酸基価=28(mgKOH/g)のポリマーポリオール、旭硝子株式会社製 エクセノール EL−923
<触媒(G)>
触媒G−1:トリエチレンジアミンの33%ジプロピレングリコール溶液、東ソー株式会社製TEDA−L33
触媒G−2:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液、東ソー株式会社製TOYOCAT−ET
<整泡剤(H)>
整泡剤H−1:シリコーン系整泡剤、東レ・ダウコーニング株式会社製SZ−1327
整泡剤H−2:シリコーン系整泡剤、エボニック社製B−8724LF2
[フォーム成型]
・発泡条件
金型温度:55〜60℃
金型形状:100×300×300mm
金型材質:アルミニウム
キュアー条件:55〜60℃×4分
ポリオールプレミックス配合P−1〜P−6について表6に示す。
Figure 2016060896
ポリオールプレミックス配合PH−1〜PH−6について表7に示す。
Figure 2016060896
得られた軟質フォーム成形品の組成、諸特性について表8〜表10に示す。
Figure 2016060896
Figure 2016060896
Figure 2016060896
<実施例におけるフォーム作成法>
ポリオールプレミックスP−1〜P6と合成したイソシアネート基末端プレポリマーI−1〜6を液温25±1℃に調整した。ポリオールプレミックスにイソシアネート基末端プレポリマーI−1〜6を表8に示すイソシアネートインデックス値となる割合で混合し、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合し金型内に注入し軟質フォームを発泡させた後、金型より取出して、ローラークラッシングによる破泡後、得られた軟質フォームの物性を測定した。
<比較例におけるフォーム作成法>
ポリオールプレミックスP−1〜P−6、PH−1〜PH−6と合成したイソシアネート基末端プレポリマーH−1〜H−7、及び市販のTDI/MDIブレンドイソシアネートを液温25±1℃に調整した。ポリオールプレミックスにポリイソシアネート基末端プレポリマーH−1〜H−7及びTDI/MDIブレンドイソシアネートを表9、10に示すイソシアネートインデックスで投入し、ミキサー(毎分7000回転)で7秒間混合し、金型内に注入してポリウレタンフォームを反応、発泡させた後、金型より取出して、ローラークラッシングで破泡後、得られた軟質フォームの物性を測定した。
<ポリウレタンフォームの物性の測定方法>
見掛け密度、引張強さ、伸び、引裂強さ、反発弾性率、湿熱圧縮残留歪は、JIS K6400記載の方法で、圧縮残留歪はJIS K6400記載のA法で、スキン付き試験片フォームの25%圧縮硬さは、JIS K6400記載のB法で、ヒステリシスロス率はJIS K6400記載のB法で測定した。
表8に示した結果から明らかなように、本発明のポリイソシアネート組成物を用いて本発明の方法によって得られた軟質ポリウレタンフォーム実施例K−1〜K−7はいずれもオキシエチレングリコールユニットの凝集による疑似架橋と、不飽和度の低いポリオキシエチレンポリオールが規定量以上含まれることにより架橋密度が増した結果、見掛け密度45kg/m3〜80kg/m3、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが200〜400N/314cm2のフォームにおいては、ヒステリシスロス率が22%未満、湿熱圧縮残留歪率が10%未満、そして見掛け密度30kg/m3〜45kg/m3未満、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが80〜200N/314cm2のフォームにおいては、ヒステリシスロス率が28%未満、湿熱圧縮残留歪率が10%未満となる目的を達成する良好な物性を示すことが確認できた。
比較例K−8〜K−13に示すように、不飽和度の低いポリオキシエチレンポリオールが規定量含まれない場合、ヒステリシスロス率または湿熱圧縮残留歪率、もしくはその両方が、目的を十分に達成出来ない。
比較例K−20に示すように、一般的に使用されているTDI/MDIブレンドイソシアネートでは、反発弾性率が高くなるものの、ヒステリシスロスおよび湿熱圧縮残留歪率が高く、車両用シートバックに使用した場合、元の形状を長期間保持することが困難となる。
比較例K-14では、設定したNCO含有量が低すぎ、フォームをシートバックの目標密度まで低減することが出来ない。
比較例K-15では、設定したNCO含有量が高く、オキシエチレングリコール単位を有するポリオールの量が少ないため、凝集による架橋効果が低く、ヒステリスロス率が22%を超える結果となった。
比較例K-16のようにMDI含量を下げた場合、それぞれ軟質フォーム樹脂中の化学的架橋密度が高くなりすぎ、ヒステリシスロス率および湿熱圧縮残留歪率が高くなり、耐久性が悪化する。
比較例K−17のように変性剤ポリオールの官能基数を低く設定した場合には、それぞれ軟質フォーム樹脂中の化学的架橋密度が低下し、ヒステリシスロス率および湿熱圧縮残留歪率が高くなり、耐久性が悪化する。
比較例K-18、19のように変性剤ポリオール中のオキシエチレン含量が50質量%以下である場合には、それぞれ軟質フォーム樹脂中の化学的架橋密度が低下し、ヒステリシスロス率および湿熱圧縮残留歪率が高くなり、耐久性が悪化する。
以上の結果から本発明のポリイソシアネート組成物を用いると、ヒステリシスロス率が低く、耐久性が高い軟質ウレタンフォームを成型することができるため、産業上極めて有用である。

Claims (3)

  1. 軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物において、a)、b0)、c)、d)を含み、NCOインデックス70〜120で発泡させる軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物。
    a):ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)を、オキシエチレンユニットを有するポリオキシアルキレンポリオール(B)にてウレタン変性したイソシアネート含量25〜32質量%の変性ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(C)において、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(A)は、ジフェニルメタンジイソシアネートを65〜90質量%の範囲で含み、ジフェニルメタンジイソシアネート(A)に含まれる2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート及び2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの合計量がジフェニルメタンジイソシアネート(A)の総量に対し5〜50質量%であり、オキシエチレンユニットを有するポリオキシアルキレンポリオール(B)は、ポリオキシエチレンユニットを(B)全体中に50質量%以上含み、かつ平均官能基数が2〜4である。
    b0):b1)、b2)、b3)で示すポリオール(D)、(E)、(F)が、(D)、(E)、(F)の合計質量に基づき、(D)が50〜100質量%、(E)が0〜10質量%、(F)が0〜50質量%であるポリオール組成物。
    b1):重合触媒として複合金属シアン化物錯体触媒又はホスファゼン触媒又はイミノ基含有ホスファゼニウム塩を用いて製造され、かつ、全EO含有率が少なくとも5質量%であり、不飽和度が0.001〜0.040meq/gである、平均官能基数が2〜4、水酸基価=38mgKOH/g未満のポリオキシアルキレンポリオール(D)
    b2):少なくとも50質量%の1級ヒドロキシ基を含有し、全EO含有率が少なくとも10質量%であり、平均官能基数が2〜6のポリオキシアルキレンポリオール(E)
    b3):ポリマーポリオール(F)
    c):水
    d):触媒及び整泡剤
  2. 見掛け密度45kg/m3以上75kg/m3未満、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが200〜450N/314cm2であって、ヒステリシスロス率が22%未満、湿熱圧縮永久歪率が10%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物。
  3. 見掛け密度30kg/m3以上45kg/m3未満、かつスキン付きフォーム試験片の25%圧縮硬さが80〜200N/314cm2であって、ヒステリシスロス率が28%未満、湿熱圧縮永久歪率が10%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム成型用組成物。
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