JP2013173813A - シート用パッド - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員が感じるぐらつき感を抑える。
【解決手段】ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、水、及び触媒を含有する発泡原液が発泡成形されて形成され、車両に取り付けられるシート用パッド10であって、着座面11側の表層部分のアスカーF硬度が、該表層部分より内側に位置する中央部分のアスカーF硬度と比べて高く、かつ62°〜75°とされ、全体が同一の材質で一体に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、水、及び触媒を含有する発泡原液が発泡成形されて形成され、車両に取り付けられるシート用パッド10であって、着座面11側の表層部分のアスカーF硬度が、該表層部分より内側に位置する中央部分のアスカーF硬度と比べて高く、かつ62°〜75°とされ、全体が同一の材質で一体に形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、シート用パッドに関するものである。
従来から、車両に取り付けられて用いられるシート用パッドとして、例えば下記特許文献1に示されるような構成が知られている。
しかしながら、前記従来のシート用パッドでは、車両が例えば、緩いカーブを走行したり、車線変更したりしたこと等に起因して、1Hz前後の低周波数帯の振動が入力され変形したときに、乗員が、例えば横滑りや車両のロール軸回りの横揺れ等のぐらつき感を感じることがあった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、乗員が感じるぐらつき感を抑えることができるシート用パッドを提供することである。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のシート用パッドは、(A)ポリオール成分、(B)ポリイソシアネート成分、(C)水、及び(D)触媒を含有する発泡原液が発泡成形されて形成され、車両に取り付けられるシート用パッドであって、前記(A)ポリオール成分として、(a−1)エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの開環重合により得られ、エチレンオキシドとプロピレンオキシドに由来する繰り返し単位のモル比が5/95〜25/75であり、数平均分子量が6,000〜8,000のポリエーテルポリオールを、ポリオール成分中に40質量%〜55質量%の割合で含むと共に、(a−2)プロピレンオキシド単独又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの開環重合により得られ、エチレンオキシドとプロピレンオキシドに由来する繰り返し単位のモル比が0/100〜20/80であり、数平均分子量が600〜2,000のポリエーテルポリオールを、ポリオール成分中に5質量%〜15質量%の割合で含み、且つ前記(A)ポリオール成分100質量部に対し、(C)水の配合量が2.0質量部以上であり、着座面側の表層部分のアスカーF硬度が、該表層部分より内側に位置する中央部分のアスカーF硬度と比べて高く、かつ62°〜75°とされ、全体が同一の材質で一体に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、乗員が前後左右に揺さぶられるような低周波数帯の振動が入力されたときに、乗員の尻下にあるシート用パッドの表層部分が、乗員の揺れに追従して変形しようとしても、表層部分のアスカーF硬度が、中央部分のアスカーF硬度より高く、かつ62°〜75°となっているので、この変形を抑制することが可能になり、当該変形に起因した乗員が感じるぐらつき感(静的ぐらつき)を抑えることができる。
しかも、全体が同一の材質で一体に形成されているので、このような作用効果を有するシート用パッドを容易に形成することができる。
また、所定の配合のポリウレタンフォームの発泡原液を用いて、低周波数帯の振動に対する減衰性能を高めることにより、シート用パッドの表層部分が変形した状態であっても、ポリウレタンフォーム自体が有する振動減衰効果によって、乗員が感じるぐらつき感(動的ぐらつき)を抑えることができる。
しかも、全体が同一の材質で一体に形成されているので、このような作用効果を有するシート用パッドを容易に形成することができる。
また、所定の配合のポリウレタンフォームの発泡原液を用いて、低周波数帯の振動に対する減衰性能を高めることにより、シート用パッドの表層部分が変形した状態であっても、ポリウレタンフォーム自体が有する振動減衰効果によって、乗員が感じるぐらつき感(動的ぐらつき)を抑えることができる。
ここで、シート用パッドは、金型温度が35℃〜55℃とされたキャビティ内で前記発泡原液が発泡成形されて形成されてもよい。
この場合、金型温度が35℃〜55℃とされたキャビティ内で発泡原液を発泡成形することでシート用パッドが形成されるので、シート用パッドの表層部分と中央部分とでアスカーF硬度(密度)を大きく異ならせることが可能になり、例えば接着により多層構造にする等しなくても、前述の作用効果を有するシート用パッドの全体を同一の材質で一体に容易かつ確実に形成することが可能になり、製造コストを抑えることができる。
この発明に係るシート用パッドによれば、乗員が感じるぐらつき感を抑えることができる。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るシート用パッドを説明する。
シート用パッド10は、図示しない車両に取り付けられ着座部として用いられる。なお、シート用パッド10の厚さは、例えば70mm以下、好ましくは30mm以上60mm以下となっている。またシート用パッド10は、乗員が着座した状態で例えば約30%程度圧縮される。
本実施形態では、着座面11側の表層部分のアスカーF硬度が、該表層部分より内側に位置する中央部分のアスカーF硬度と比べて高く、かつ62°〜75°となっている。なおアスカーF硬度は、例えばアスカーゴム硬度計F型(ASKER社製)により測定される。
シート用パッド10は、全体が同一の材質で一体に形成されている。シート用パッド10は、中央部分から着座面11側に向かうに従い漸次、アスカーF硬度及び密度が高くなるように形成されている。さらに、シート用パッド10は、中央部分から、着座面11と反対の背面12側に向かうに従い漸次、アスカーF硬度及び密度が高くなるように形成されている。なお、前記中央部分は、シート用パッド10における着座面11と背面12との間の中央、つまりシート用パッド10の厚さ方向の中央に位置している。
シート用パッド10は、図示しない車両に取り付けられ着座部として用いられる。なお、シート用パッド10の厚さは、例えば70mm以下、好ましくは30mm以上60mm以下となっている。またシート用パッド10は、乗員が着座した状態で例えば約30%程度圧縮される。
本実施形態では、着座面11側の表層部分のアスカーF硬度が、該表層部分より内側に位置する中央部分のアスカーF硬度と比べて高く、かつ62°〜75°となっている。なおアスカーF硬度は、例えばアスカーゴム硬度計F型(ASKER社製)により測定される。
シート用パッド10は、全体が同一の材質で一体に形成されている。シート用パッド10は、中央部分から着座面11側に向かうに従い漸次、アスカーF硬度及び密度が高くなるように形成されている。さらに、シート用パッド10は、中央部分から、着座面11と反対の背面12側に向かうに従い漸次、アスカーF硬度及び密度が高くなるように形成されている。なお、前記中央部分は、シート用パッド10における着座面11と背面12との間の中央、つまりシート用パッド10の厚さ方向の中央に位置している。
シート用パッド10は、(A)ポリオール成分、(B)ポリイソシアネート成分、(C)水、及び(D)触媒を含有する発泡原液が発泡成形されて形成されている。
(A)ポリオール成分には、(a−1)高分子量ポリエーテルポリオール、及び(a−2)低分子量ポリエーテルポリオールの双方が含有されている。(A)ポリオール成分には、(a−1)高分子量ポリエーテルポリオールが40質量%〜55質量%、(a−2)低分子量ポリエーテルポリオールが5質量%〜15質量%それぞれ含有されている。
(A)ポリオール成分には、(a−1)高分子量ポリエーテルポリオール、及び(a−2)低分子量ポリエーテルポリオールの双方が含有されている。(A)ポリオール成分には、(a−1)高分子量ポリエーテルポリオールが40質量%〜55質量%、(a−2)低分子量ポリエーテルポリオールが5質量%〜15質量%それぞれ含有されている。
(a−1)高分子量ポリエーテルポリオールは、エチレンオキシド(以下、「EO」と記載する)及びプロピレンオキシド(以下、「PO」と記載する)の開環重合により得られ、EOとPOに由来する繰り返し単位のモル比(EO/PO)が5/95〜25/75であり、且つ数平均分子量が6,000〜8,000のポリエーテルポリオールである。この高分子量ポリエーテルポリオールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、EOとPOのモル比は、好ましくは8/92〜25/75、さらに好ましくは10/90〜20/80としてもよい。数平均分子量は、7,000〜8,000の範囲が好ましい。
高分子量ポリエーテルポリオールの一分子中に含まれるヒドロキシル基の数は、2個〜4個にしてもよく、3個であることが好ましい。
高分子量ポリエーテルポリオールの不飽和度は、0.03ミリ当量/g以下としてもよい。なお、「不飽和度」とは、JIS K 1557−1970に準拠し、試料中の不飽和度結合に酢酸第二水銀を作用させて遊離する酢酸を水酸化カリウムで滴定する方法にて測定した、総不飽和度(ミリ当量/g)を意味するものである。
高分子量ポリエーテルポリオールの一分子中に含まれるヒドロキシル基の数は、2個〜4個にしてもよく、3個であることが好ましい。
高分子量ポリエーテルポリオールの不飽和度は、0.03ミリ当量/g以下としてもよい。なお、「不飽和度」とは、JIS K 1557−1970に準拠し、試料中の不飽和度結合に酢酸第二水銀を作用させて遊離する酢酸を水酸化カリウムで滴定する方法にて測定した、総不飽和度(ミリ当量/g)を意味するものである。
(a−2)低分子量ポリエーテルポリオールは、PO単独又はEOとPOとの開環重合により得られ、EOとPOに由来する繰り返し単位のモル比が0/100〜20/80であり、数平均分子量が600〜2,000のポリエーテルポリオールである。この低分子量ポリエーテルポリオールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、前記モル比は、好ましくは0/100〜10/90とし、より好ましくは0/100〜5/95としてもよい。この低分子量ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、好ましくは650〜1,500、より好ましくは700〜1,200としてもよい。
なお、本発明において数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によりポリスチレン換算値として算出した値である。
低分子量ポリエーテルポリオールの一分子中に含まれるヒドロキシル基の数は、2個〜4個にしてもよく、3個であることが好ましい。
低分子量ポリエーテルポリオールの不飽和度は、0.03ミリ当量/g以下としてもよい。
なお、本発明において数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によりポリスチレン換算値として算出した値である。
低分子量ポリエーテルポリオールの一分子中に含まれるヒドロキシル基の数は、2個〜4個にしてもよく、3個であることが好ましい。
低分子量ポリエーテルポリオールの不飽和度は、0.03ミリ当量/g以下としてもよい。
ここで、(A)ポリオール成分に、必要に応じて上記ポリエーテルポリオール[(a−1)成分及び(a−2)成分]に加えて、ポリマーポリオールを含有させてもよい。
ポリマーポリオールとしては、例えば、ポリアルキレンオキシドからなる好ましくは数平均分子量が3,000〜8,000、より好ましくは4,000〜7,000のポリエーテルポリオールにポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のポリマー成分をグラフト共重合させたポリマーポリオール等が挙げられる。ポリアルキレンオキシドの原料となるアルキレンオキシドとしては、POを含むことが好ましく、PO単独のもの、又はPO及びEOを共に含むものであることが特に好ましい。また、上記ポリマーポリオール中に占める上記のようなポリマー成分の割合としては、通常25質量%〜50質量%である。
(A)ポリオール成分として、ポリエーテルポリオール[(a−1)成分及び(a−2)成分]と、ポリマーポリオールと、の混合物を用いる場合、両者の配合比は、ポリエーテルポリオール/ポリマーポリオール(質量比)として、30/70〜100/0、好ましくは40/60〜80/20としてもよい。
ポリマーポリオールとしては、例えば、ポリアルキレンオキシドからなる好ましくは数平均分子量が3,000〜8,000、より好ましくは4,000〜7,000のポリエーテルポリオールにポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のポリマー成分をグラフト共重合させたポリマーポリオール等が挙げられる。ポリアルキレンオキシドの原料となるアルキレンオキシドとしては、POを含むことが好ましく、PO単独のもの、又はPO及びEOを共に含むものであることが特に好ましい。また、上記ポリマーポリオール中に占める上記のようなポリマー成分の割合としては、通常25質量%〜50質量%である。
(A)ポリオール成分として、ポリエーテルポリオール[(a−1)成分及び(a−2)成分]と、ポリマーポリオールと、の混合物を用いる場合、両者の配合比は、ポリエーテルポリオール/ポリマーポリオール(質量比)として、30/70〜100/0、好ましくは40/60〜80/20としてもよい。
なお(A)ポリオール成分の粘度は、液温が25℃のときに3,000mPa・s以下、好ましくは1,800mPa・s以下としてもよい。なお、「粘度」とは、JIS Z8803−1991に準拠し、液温25℃において、毛細管粘度計を用いて測定した粘度を意味する。
(B)ポリイソシアネート成分としては、公知の各種多官能性の脂肪族、脂環族及び芳香族のイソシアネートを用いることができる。
例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等を挙げることができ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
なお、(B)ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基と、当該発泡原液中の活性水素基と、のモル比は、好ましくは60:100〜120:100、より好ましくは70:100〜115:100としてもよい。
例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、オルトトルイジンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等を挙げることができ、これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
なお、(B)ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基と、当該発泡原液中の活性水素基と、のモル比は、好ましくは60:100〜120:100、より好ましくは70:100〜115:100としてもよい。
(C)水は、(A)ポリオール成分100質量部に対して、2.0質量部以上配合される。(C)水は、(B)ポリイソシアネート成分と反応して二酸化炭素ガスを発生させることから、発泡剤として作用する。
(D)触媒としては、例えば、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス−(ジメチルアミノエチル)エーテル、テトラメチルプロピレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、テトラメチルエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン等のアミン触媒や、スタナスオクテート、ジブチルチンジラウレート等の錫系触媒が挙げられ、用途や要求に応じて1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
なお、市販の触媒としては、例えばトリエチレンジアミン(TEDA−L33:東ソー(株)製)、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT−ET:東ソー(株)製)等が挙げられる。
(D)触媒は、(A)ポリオール成分100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部、好ましくは0.2質量部〜1質量部配合される。
なお、市販の触媒としては、例えばトリエチレンジアミン(TEDA−L33:東ソー(株)製)、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(TOYOCAT−ET:東ソー(株)製)等が挙げられる。
(D)触媒は、(A)ポリオール成分100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部、好ましくは0.2質量部〜1質量部配合される。
当該発泡原液に、任意成分として例えば(E)整泡剤、(F)架橋剤及び(G)ジエタノールアミンの少なくとも一つを配合してもよい。
(E)整泡剤としては、例えば、各種シロキサン−ポリエーテルブロック共重合体等のシリコーン系整泡剤が挙げられる。(E)整泡剤は、(A)ポリオール成分100質量部に対して、0.5質量部〜5質量部、好ましくは0.5質量部〜3質量部配合される。
(F)架橋剤としては、ポリウレタン発泡成形体用として汎用のものが用いられ、(A)ポリオール成分100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部配合される。
(G)ジエタノールアミンは、ポリオール成分100質量部に対して、約0.5質量部配合される。
(E)整泡剤としては、例えば、各種シロキサン−ポリエーテルブロック共重合体等のシリコーン系整泡剤が挙げられる。(E)整泡剤は、(A)ポリオール成分100質量部に対して、0.5質量部〜5質量部、好ましくは0.5質量部〜3質量部配合される。
(F)架橋剤としては、ポリウレタン発泡成形体用として汎用のものが用いられ、(A)ポリオール成分100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部配合される。
(G)ジエタノールアミンは、ポリオール成分100質量部に対して、約0.5質量部配合される。
次に、発泡原液を調整する方法について説明する。
前述した各成分(A)〜(G)のうち、(B)ポリイソシアネート成分を除く全てを混合させてポリオール混合物を得た後に、このポリオール混合物に(B)ポリイソシアネート成分を配合する。
ポリオール混合物は、(A)ポリオール成分に対して、(D)触媒を配合し、次いで(E)整泡剤、(F)架橋剤及び(G)ジエタノールアミン等の任意成分を配合し、最後に(C)水を配合して得られる。ポリオール混合物の液温25℃における粘度は、2,400mPa・s以下、好ましくは1,800mPa・s以下としてもよい。
ポリオール混合物は、(A)ポリオール成分に対して、(D)触媒を配合し、次いで(E)整泡剤、(F)架橋剤及び(G)ジエタノールアミン等の任意成分を配合し、最後に(C)水を配合して得られる。ポリオール混合物の液温25℃における粘度は、2,400mPa・s以下、好ましくは1,800mPa・s以下としてもよい。
次に、発泡原液を発泡させてシート用パッドを形成する方法について説明する。
成形金型のキャビティ内に発泡原液を供給した後に、このキャビティ内の減圧を開始し、ゲルタイムから20秒〜50秒経過したときのキャビティ内の圧力を、キャビティ内への発泡原液の供給が完了したときと比べて、0.15MPa〜0.25MPa低下させる。
なお、ゲルタイムとは、ポリオールとイソシアネートが混合され、増粘が起こってゲル強度が出始める時間をいう。また、発泡原液の調整は、キャビティ内に発泡原液を供給する直前に行う。この際、発泡原液の液温は例えば10℃〜50℃、好ましくは20℃〜40℃、更に好ましくは25℃〜35℃としてもよい。さらに、発泡原液を供給するときのキャビティ内の圧力は、大気圧にしておいてもよい。
その後、キャビティ内で発泡原液を発泡、硬化させシート用パッド10を形成した後に、脱型してシート用パッド10を取り出す。以上の工程における金型温度は35℃〜55℃、好ましくは40℃〜50℃とする。
なお、ゲルタイムとは、ポリオールとイソシアネートが混合され、増粘が起こってゲル強度が出始める時間をいう。また、発泡原液の調整は、キャビティ内に発泡原液を供給する直前に行う。この際、発泡原液の液温は例えば10℃〜50℃、好ましくは20℃〜40℃、更に好ましくは25℃〜35℃としてもよい。さらに、発泡原液を供給するときのキャビティ内の圧力は、大気圧にしておいてもよい。
その後、キャビティ内で発泡原液を発泡、硬化させシート用パッド10を形成した後に、脱型してシート用パッド10を取り出す。以上の工程における金型温度は35℃〜55℃、好ましくは40℃〜50℃とする。
以上説明したように、本実施形態によるシート用パッドによれば、乗員が前後左右に揺さぶられるような低周波数帯の振動が入力されたときに、乗員の尻下にあるシート用パッド10の表層部分が、乗員の揺れに追従して変形しようとしても、表層部分のアスカーF硬度が、中央部分のアスカーF硬度より高く、かつ62°〜75°となっているので、この変形を抑制することが可能になり、当該変形に起因した乗員が感じるぐらつき感(静的ぐらつき)を抑えることができる。
しかも、全体が同一の材質で一体に形成されているので、このような作用効果を有するシート用パッド10を容易に形成することができる。
また、所定の配合のポリウレタンフォームの発泡原液を用いて、低周波数帯の振動に対する減衰性能を高めることにより、シート用パッド10の表層部分が変形した状態であっても、ポリウレタンフォーム自体が有する振動減衰効果によって、乗員が感じるぐらつき感(動的ぐらつき)を抑えることができる。
しかも、全体が同一の材質で一体に形成されているので、このような作用効果を有するシート用パッド10を容易に形成することができる。
また、所定の配合のポリウレタンフォームの発泡原液を用いて、低周波数帯の振動に対する減衰性能を高めることにより、シート用パッド10の表層部分が変形した状態であっても、ポリウレタンフォーム自体が有する振動減衰効果によって、乗員が感じるぐらつき感(動的ぐらつき)を抑えることができる。
さらに、金型温度が35℃〜55℃とされたキャビティ内で発泡原液を発泡成形することでシート用パッド10が形成されるので、シート用パッド10の表層部分と中央部分とでアスカーF硬度(密度)を大きく異ならせることが可能になり、例えば接着により多層構造にする等しなくても、前述の作用効果を有するシート用パッド10の全体を同一の材質で一体に容易かつ確実に形成することが可能になり、製造コストを抑えることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
次に、以上説明した作用効果に係る検証試験について説明する。
まず、表1に示す第1材、第2材及び第3材の3種類の発泡原液を用意した。
まず、表1に示す第1材、第2材及び第3材の3種類の発泡原液を用意した。
[注]
(1)ポリエーテルポリオールA:EO/POモル比13/87、数平均分子量7,500、官能基数3
(2)ポリエーテルポリオールB:EO/POモル比0/100、数平均分子量700、官能基数3
(3)ポリマーポリオール:EO/POモル比15/85、数平均分子量5,000、官能基数3
(4)架橋剤:EO/POモル比100/0、数平均分子量400、官能基数4
(5)触媒:3級アミン類
(6)整泡剤:テゴスターブB8742(エボニックゴールドシュミット社製)
(1)ポリエーテルポリオールA:EO/POモル比13/87、数平均分子量7,500、官能基数3
(2)ポリエーテルポリオールB:EO/POモル比0/100、数平均分子量700、官能基数3
(3)ポリマーポリオール:EO/POモル比15/85、数平均分子量5,000、官能基数3
(4)架橋剤:EO/POモル比100/0、数平均分子量400、官能基数4
(5)触媒:3級アミン類
(6)整泡剤:テゴスターブB8742(エボニックゴールドシュミット社製)
そして、3種類の発泡原液それぞれについて、発泡成形時の金型温度を42℃、50℃及び60℃と異ならせて3種類の試験片を形成した。
具体的には、液温30℃の発泡原液を、成型金型の、大気圧下にあるキャビティ内に供給して発泡、硬化させた。この過程において、発泡原液のキャビティ内への供給が完了した直後からキャビティ内の減圧を開始し、ゲルタイムから30秒経過したときのキャビティ内の圧力を、大気圧より0.2MPa低くした。その後脱型して成形品である前述の試験片を取り出した。
具体的には、液温30℃の発泡原液を、成型金型の、大気圧下にあるキャビティ内に供給して発泡、硬化させた。この過程において、発泡原液のキャビティ内への供給が完了した直後からキャビティ内の減圧を開始し、ゲルタイムから30秒経過したときのキャビティ内の圧力を、大気圧より0.2MPa低くした。その後脱型して成形品である前述の試験片を取り出した。
そしてまず、合計9種類全ての試験片についてアスカーF硬度を測定した。
結果を表2に示す。
結果を表2に示す。
この結果、金型温度が42℃、50℃の場合には、第1材、第2材及び第3材全てについて、アスカーF硬度が62°〜75°であることが確認された。
そして、これら9種類全ての試験片について、ぐらつき感の官能試験を行った。
そして、これら9種類全ての試験片について、ぐらつき感の官能試験を行った。
官能試験は、順序による影響が生じないように、一方が他方と比べて、±3ポイントの範囲で何ポイント良いか(+)、又は悪いか(−)を評価する一対比較法に基づいて複数人が実施した。
結果を図2(a)、図2(b)及び図2(c)に示す。
縦軸の「評価」は、数値が高いほどぐらつき感を感じず、数値が低いほどぐらつき感を感じることを示している。また、図2(a)は、第1材で形成した試験片を試験した結果であり、図2(b)は、第2材で形成した試験片を試験した結果であり、図2(c)は、第3材で形成した試験片を試験した結果である。
その結果、第1材、第2材及び第3材のいずれにおいても、発泡成形時の金型温度を42℃、50℃として形成した試験片は、60℃として形成した試験片と比べて、ぐらつき感が抑えられることが確認された。
結果を図2(a)、図2(b)及び図2(c)に示す。
縦軸の「評価」は、数値が高いほどぐらつき感を感じず、数値が低いほどぐらつき感を感じることを示している。また、図2(a)は、第1材で形成した試験片を試験した結果であり、図2(b)は、第2材で形成した試験片を試験した結果であり、図2(c)は、第3材で形成した試験片を試験した結果である。
その結果、第1材、第2材及び第3材のいずれにおいても、発泡成形時の金型温度を42℃、50℃として形成した試験片は、60℃として形成した試験片と比べて、ぐらつき感が抑えられることが確認された。
乗員が感じるぐらつき感を抑えることができる。
10 シート用パッド
11 着座面
12 背面
11 着座面
12 背面
Claims (2)
- (A)ポリオール成分、(B)ポリイソシアネート成分、(C)水、及び(D)触媒を含有する発泡原液が発泡成形されて形成され、車両に取り付けられるシート用パッドであって、
前記(A)ポリオール成分として、
(a−1)エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの開環重合により得られ、エチレンオキシドとプロピレンオキシドに由来する繰り返し単位のモル比が5/95〜25/75であり、数平均分子量が6,000〜8,000のポリエーテルポリオールを、ポリオール成分中に40質量%〜55質量%の割合で含むと共に、
(a−2)プロピレンオキシド単独又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの開環重合により得られ、エチレンオキシドとプロピレンオキシドに由来する繰り返し単位のモル比が0/100〜20/80であり、数平均分子量が600〜2,000のポリエーテルポリオールを、ポリオール成分中に5質量%〜15質量%の割合で含み、
且つ前記(A)ポリオール成分100質量部に対し、(C)水の配合量が2.0質量部以上であり、
着座面側の表層部分のアスカーF硬度が、該表層部分より内側に位置する中央部分のアスカーF硬度と比べて高く、かつ62°〜75°とされ、
全体が同一の材質で一体に形成されていることを特徴とするシート用パッド。 - 請求項1記載のシート用パッドであって、
金型温度が35℃〜55℃とされたキャビティ内で前記発泡原液が発泡成形されて形成されることを特徴とするシート用パッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012037689A JP2013173813A (ja) | 2012-02-23 | 2012-02-23 | シート用パッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012037689A JP2013173813A (ja) | 2012-02-23 | 2012-02-23 | シート用パッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013173813A true JP2013173813A (ja) | 2013-09-05 |
Family
ID=49267024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012037689A Pending JP2013173813A (ja) | 2012-02-23 | 2012-02-23 | シート用パッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013173813A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104401238A (zh) * | 2014-10-29 | 2015-03-11 | 郑州精益达汽车零部件有限公司 | 一种汽车座椅海绵、制备方法、模具及汽车座椅 |
-
2012
- 2012-02-23 JP JP2012037689A patent/JP2013173813A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104401238A (zh) * | 2014-10-29 | 2015-03-11 | 郑州精益达汽车零部件有限公司 | 一种汽车座椅海绵、制备方法、模具及汽车座椅 |
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