JPH08257389A - 分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体ならびに水性硬化性樹脂組成物 - Google Patents

分散剤及びそれを用いたエポキシ樹脂水性分散体ならびに水性硬化性樹脂組成物

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JPH08257389A
JPH08257389A JP7029267A JP2926795A JPH08257389A JP H08257389 A JPH08257389 A JP H08257389A JP 7029267 A JP7029267 A JP 7029267A JP 2926795 A JP2926795 A JP 2926795A JP H08257389 A JPH08257389 A JP H08257389A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】金属等の基材に良好な密着性を示し、また良好
な耐久性を有する硬化皮膜を与える水性硬化性樹脂組成
物を提供する。 【構成】アルコール性水酸基を有するエポキシ樹脂
(a)中のアルコール性水酸基と酸無水物の反応に基づ
く半エステル化変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシ
ル基を塩基性物質により中和してなる分散剤は優れた分
散能を有しており、それを用いてエポキシ樹脂(B)を
分散させてなるエポキシ樹脂水性分散体、及びこれを含
有してなる水性硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂にカルボ
キシル基を導入し、該カルボキシル基を塩基性物質によ
り中和してなる分散剤及びこれを用いてエポキシ樹脂を
分散させてなるエポキシ樹脂水性分散体、及びこれを含
有してなる水性硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳し
くは、本発明は、金属等の基材に良好な密着性を示し、
また良好な耐久性を有する硬化皮膜を与える水性硬化性
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は優れた反応性を有し、そ
の硬化物は強度特性、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、金属
密着性等、優れた機械的性質、電気的性質及び化学的性
質を有するため、各種コーティング剤、電気絶縁材料、
積層品・構造材料、土木・建築材料、接着剤等として広
範に使用されている。また、近年、省資源・環境保全の
見地から、コーティング剤、塗料、接着剤等の水性化が
望まれており、エポキシ樹脂等の樹脂類の水性化が行な
われている。
【0003】例えば、エポキシ樹脂を水性塗料用樹脂と
して用いる例は多く知られているが、特にグリシジル基
を二級アミンあるいはリン酸等により変性を行なった
後、適当なカウンターイオンにより中和し水溶化して得
た変性エポキシ樹脂が金属等への密着性の向上に有効で
あることが知られている。しかしながら、これらの変性
エポキシ樹脂によって、良好な密着性を示す硬化皮膜が
得られるものの、塗料の保存安定性、変性樹脂溶液の着
色等に問題があった。例えば、二級アミン類によりエポ
キシ樹脂中のグリシジル基を変性した場合、適当なアニ
オンにより四級塩化し水溶性エポキシ樹脂を得ることが
できるが、得られた変性エポキシ樹脂溶液は茶褐色に着
色しているばかりではなくこの着色は加熱硬化により更
に進行することが知られており、クリア塗料あるいは淡
色系塗料等に適用した場合、色調に問題が生じる場合が
ある。また、このような変性エポキシ樹脂を用いた場
合、塗料の保存安定性が劣ることがある。すなわち、通
常のポットライフ試験実施中に粘度の上昇がみられた
り、硬化皮膜の密着性が発現されなくなったりする場合
がある。
【0004】また、水性アクリル系樹脂を分散剤とした
エポキシ樹脂の水性分散体がしばしば用いられている
が、この場合、エポキシ樹脂中のグリシジル基を変性せ
ずにエポキシ樹脂の水性化が行なわれるため、上記変性
エポキシ樹脂に比較して保存安定性および硬化性は改善
されるが、分散性を有するアクリル系樹脂の組成が限定
され、一定量以上のアクリル系樹脂が必要とされるた
め、硬化皮膜の物性の低下を抑制することに困難が生じ
ていた。また、得られる水性分散体は粘度が高く、チキ
ソトロピック性を示すことが多く、塗装性等に問題が生
じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
問題点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、良好な分
散能を有する新規な分散剤を見出し、さらに該分散剤を
用いてエポキシ樹脂を分散させてなるエポキシ樹脂水性
分散体が、良好な基材密着性、耐久性等を有する硬化皮
膜を与えることを見出し、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシ当量
が150〜10000で分子内にグリシジル基及びアル
コ−ル性水酸基を有するエポキシ樹脂(a)中の前記ア
ルコ−ル性水酸基と酸無水物の反応に基づく半エステル
化変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の20〜
100モル%を塩基性物質により中和してなる分散剤で
ある。本発明は、また、前述の分散剤を樹脂固形分中1
0〜90重量%用いてエポキシ樹脂(B)を分散させて
なるエポキシ樹脂水性分散体、あるいは前述の半エステ
ル化変性エポキシ樹脂(A)10〜90重量%とエポキ
シ樹脂(B)10〜90重量%とを混合してから、半エ
ステル化変性エポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の
20〜100モル%を塩基性物質により中和してなるエ
ポキシ樹脂水性分散体、ならびに該エポキシ樹脂水性分
散体を含有してなる水性硬化性樹脂組成物である。
【0007】本発明を特徴づける半エステル化変性エポ
キシ樹脂(A)は、基本的にエポキシ樹脂(a)中に存
在するアルコ−ル性水酸基の酸無水物基への付加によっ
てエステル結合及びカルボン酸を生成せしめたものであ
る。アルコ−ル性水酸基の酸無水物基への付加反応は、
迅速かつ化学量論的に進行するため、変性中の副反応の
進行が実質的に無視できる。また変性の制御・設計が容
易であるため、分散させる樹脂組成に応じて半エステル
化変性を行なうことが可能であり、さらに酸価の調整も
大きい自由度で容易に行なうことが可能であり、該半エ
ステル化変性エポキシ樹脂(A)を塩基性物質で中和す
ることによって、優れた分散性を有する分散剤を得るこ
とができる。さらに、エポキシ樹脂(a)内のグリシジ
ル基を変性に用いないため、該分散剤を用いた分散性樹
脂組成物は良好な熱硬化性を有し、得られる硬化皮膜は
基材密着性、耐久性等に優れるものである。
【0008】本発明の半エステル化変性エポキシ樹脂
(A)の原料として用いられるエポキシ樹脂(a)とし
ては、分子内にグリシジル基及びアルコ−ル性水酸基を
有しておりエポキシ当量が150から10000の範囲
内にあるものであれば特に制限はなく、例としてビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック
型エポキシ樹脂等のいわゆるグリシジルエーテル系エポ
キシ樹脂を用いることができるが、これらに限定される
ものではない。ここで、エポキシ樹脂中に存在するべき
アルコ−ル性水酸基は、グリシジル基とビスフェノール
系化合物の付加に由来するものであっても、またグリシ
ジル基への水分子等の付加に由来するものであっても良
い。エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量が150よりも
小さいと、硬化時の架橋密度が大きくなりすぎ塗膜が脆
くなりやすい。また、エポキシ当量が10000を越え
ると硬化特性が悪くなる。エポキシ樹脂(a)は要求さ
れる官能基密度、軟化温度、溶解性・相溶性等によって
適宜選択して適当なエポキシ樹脂を持つものを用いるべ
きである。エポキシ樹脂は、市販されているものをその
まま使用することができ、単独あるいは2種類以上の混
合物として用いることもできる。
【0009】また、本発明で用いられる酸無水物として
は、無水マレイン酸、無水コハク酸、アルケニル無水コ
ハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジ
ック酸、無水メチルナジック酸等で例示される環状脂肪
族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸
無水物、ポリセバシン酸無水物等で例示される脂肪族酸
無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸等で例示さ
れる芳香族酸無水物等を用いることができるが、これら
に限定されるものではない。これらの酸無水物は単独で
用いることもできるが、2種類以上の酸無水物を併せて
用いることもできる。
【0010】反応に用いられる酸無水物の量は、エポキ
シ樹脂中のアルコール性水酸基の当量以下であれば、特
に制限されるものではないが、生成する半エステル変性
エポキシ樹脂(A)の酸価が20以上であることが望ま
しい。酸価が20以下では充分な分散性が得られ難い。
また、酸無水物がアルコール性水酸基の当量を越える場
合には未反応の酸無水物が水性分散体の経時安定性に悪
影響を与えるため、好ましくない。
【0011】また、水により加水分解した酸無水物すな
わちカルボン酸は、エポキシ樹脂(a)中のアルコール
性水酸基との反応性が著しく低下することが知られてお
り、従って水の存在は本発明の半エステル変性エポキシ
樹脂(A)の生成には不都合なものである。市販のエポ
キシ樹脂中には一般に水分が含有されており、この水分
に起因する遊離カルボン酸の生成が好ましくない場合に
は、必要に応じて脱水処理を行っても良い。脱水処理の
方法には特に制限はないが、用いるエポキシ樹脂(a)
の軟化温度が150℃程度以下である場合には、エポキ
シ樹脂(a)を溶融させて水の沸点以上に昇温し脱水を
行うことができる。また、エポキシ樹脂(a)に適当な
溶媒を添加し、あるいはエポキシ樹脂(a)を適当な溶
媒の溶液とし加熱により共沸脱水を行うこともできる。
この時用いる溶媒としては、グリシジル基、アルコ−ル
性水酸基と反応しないものであり、共沸脱水に適したも
のであれば特に制限なく用いることができる。脱水を行
う温度は、特に制限はないが150℃以下で行うことが
好ましい。これ以上の温度で加熱を続けた場合、エポキ
シ樹脂中に存在する水により開環したグリシジル基を起
点とした高分子化反応が進行する場合がある。また脱水
する場合に、必要に応じて系を減圧し脱水温度を低くし
ても良い。
【0012】エポキシ樹脂(a)中のアルコ−ル性水酸
基と酸無水物の反応は、必要に応じて、アミン類等の触
媒を添加して行なっても良いが、カルボキシル基のグリ
シジル基への付加が進行しやすくなるため、触媒は添加
しないで行う方が好ましい。反応温度は、酸無水物の種
類にもよるが、通常、80〜150℃程度の温度で進行
せしめることが好ましい。温度が低すぎると、ハーフエ
ステル化反応の速度が低すぎるため実用的ではない。ま
た反応温度が高すぎると前述したグリシジル基とカルボ
キシル基の反応あるいは水により開環したグリシジル基
を起点とした高分子化反応が進行するため、好ましくな
い。この反応は、用いるエポキシ樹脂の軟化温度が前述
した好ましい反応温度範囲よりも低い場合には無溶剤に
て行うことができる。また、用いるエポキシ樹脂(a)
の軟化温度に関わらず適当な溶媒を用いて行うこともで
きる。この時用いる溶媒としては、グリシジル基、アル
コ−ル性水酸基、酸無水物と反応しないものであれば特
に制限なく用いることができ、本変性エポキシ樹脂の使
用方法に適した方法を選択して行うべきである。
【0013】上記のようにして分子内にカルボキシル基
を有するエポキシ樹脂、すなわち半エステル変性エポキ
シ樹脂(A)を得ることができるわけであるが、これ
を、塩基性物質によって中和することにより本発明の分
散剤を得ることができる。得られた分散剤を用いて後述
するエポキシ樹脂(B)を分散させてエポキシ樹脂水性
分散体を得ることができる。
【0014】また、該半エステル変性エポキシ樹脂
(A)と後述するエポキシ樹脂(B)とを混合した後
に、塩基性物質により中和することによってもエポキシ
樹脂水性分散体を得ることができる。
【0015】該半エステル変性エポキシ樹脂(A)中の
カルボキシル基の中和に用いられる塩基性物質として
は、特に制限はなく、アンモニア、一級アミン類、二級
アミン類、三級アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
【0016】得られる水性エポキシ樹脂水性分散体の粘
度上昇を抑える必要がある場合には一価の塩基を用いる
ことが好ましい。また、加熱によりカルボン酸を中和し
ていた対イオンを揮散させ耐水性を向上させる必要があ
る場合には、低沸点のアミン類等を用いることが好まし
い。さらに、エポキシ樹脂硬化剤として用いるアミン類
を用いて中和することもできる。半エステル化変性エポ
キシ樹脂(A)中に存在するカルボキシル基は、その2
0〜100モル%を上記説明した塩基性物質により中和
せしめることが好ましい。
【0017】上記半エステル化変性エポキシ樹脂(A)
は、カルボキシル基を塩基性物質で中和することによっ
て、優れた分散能を有し、実質的に水不溶性の樹脂等を
水中に安定に分散させることが可能となる。該半エステ
ル化変性エポキシ樹脂(A)および塩基性物質によっ
て、エポキシ樹脂(B)を分散してなるエポキシ樹脂水
性分散体は、経時安定性に優れるばかりでなく、分散剤
としての機能を担う該半エステル化変性エポキシ樹脂
(A)が前述したように、グリシジル基を有するため、
エポキシ樹脂本来の特性を損なうことなく、熱硬化性に
も優れ、得られる硬化皮膜の物性も良好なものである。
【0018】分散されるエポキシ樹脂(B)としては、
特に限定されるものではなく、用いられる用途に応じて
適宜選択することができる。例としてビスフェノールA
型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂等のいわゆるグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を
用いることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0019】エポキシ樹脂(B)の分散化方法は特に制
限されるものではなく、上記分散剤とエポキシ樹脂を混
合後、水を添加する。あるいは、半エステル化変性エポ
キシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを混合した後
に、塩基性物質によって中和せしめた後、水を添加す
る。いずれの方法で行っても良い。
【0020】エポキシ樹脂(B)を水性媒体中に分散す
る際には、必要に応じて溶媒を併用しても良く、用いた
溶媒が水性分散体中に残存することが不都合な場合には
水添加後、除去を行う。エポキシ樹脂等の粘度等に応じ
て適宜、これらの行程の温度は選択することができる
が、エポキシ樹脂中のグリシジル基の反応による高分子
量化を抑制するため、150℃以下で行うことが望まし
い。また、上記分散剤の塩基性物質による中和反応はエ
ポキシ樹脂との混合後に行っても良い。
【0021】前述したようなエポキシ樹脂水性分散体は
その他の樹脂あるいは化合物と併用することもでき、こ
の際、樹脂組成物中の硬化性成分として用いることがで
きる。さらに、その他の硬化性を有する樹脂あるいは化
合物と併用しても良く、特にグリシジル基と反応性を有
する官能基を有する樹脂あるいは化合物との併用により
優れた硬化性および皮膜物性を得ることができる。これ
らの樹脂あるいは化合物は要求される諸物性に従って適
宜選択することができ、例として、アクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキッド樹脂、アミノプラスト類等が
例示されるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらの樹脂あるいは化合物は単独あるいは2種類
以上の混合物として用いることができる。これらの樹脂
組成物中、本発明のエポキシ樹脂水性分散体は5重量%
以上含有することが望ましく、5重量%未満の時には、
優れた硬化特性や優れた皮膜物性が得られ難くなるため
である。以上例示して説明した樹脂あるいは化合物に適
当な水溶性を付与し本発明のエポキシ樹脂水性分散体と
併用することにより水性硬化性樹脂組成物とすることが
できる。
【0022】以上に説明した水性硬化性樹脂組成物には
必要に応じて適当な溶媒、硬化開始剤、レベリング剤、
消泡剤、滑り剤、染料・顔料等の着色剤、各種フィラー
類等の添加剤を加えることができる。また、本発明の水
性硬化性樹脂組成物のコーティング方法は特に制限はな
く、ロールコート、スプレーコート、ディップコート、
刷毛塗り、シルクスクリーン塗装、フローコート等の方
法が適用できる。また、本発明の硬化性樹脂組成物の硬
化は、通常の条件で行うことができるが、150〜25
0℃程度の温度範囲で10秒〜10分間程度の時間で行
うことが好ましい。
【0023】
【実施例】以下実施例を示し本発明を説明するが、これ
により本発明は何等制限を受けるものではない。なお、
例中、「部」はすべて重量部、「%」は重量%を表す。
【0024】
【製造例1】 攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量
950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート100
4)646部,メチルエチルケトン100部を入れ、約
80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶
解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを
溜出させる。その後に温度を110℃に昇温し、無水ト
リメリット酸131部を添加しこの温度を保って約4時
間反応を続け、酸価約100(mgKOH/g)の半エ
ステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)を得た。
【0025】
【製造例2】 攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量
475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート100
1)590部,メチルエチルケトン100部を入れ、約
80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶
解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを
溜出させる。その後に温度を100℃に昇温し、ポリア
ゼライン酸無水物170部を添加しこの温度を保って約
4時間反応を続け、酸価約75(mgKOH/g)の半
エステル化変性エポキシ樹脂を得た。60℃まで冷却
し、ジメチルエタノールアミン67部を添加し、分散剤
を得た。
【0026】
【製造例3】 攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量
950のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート100
4)646部,メチルエチルケトン100部を入れ、約
80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶
解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを
溜出させる。トルエン357部を添加後、温度を110
℃に昇温し、無水コハク酸187部を添加しこの温度を
保って約8時間反応を続け、酸価約190(mgKOH
/g)、固形分70%の半エステル化変性エポキシ樹脂
(未中和物)溶液を得た。
【0027】
【製造例4】 攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量
190のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート82
8)760部,メチルエチルケトン100部を入れ、約
80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させる。完全に溶
解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトンを
溜出させる。その後に温度を100℃に昇温し、無水コ
ハク酸28部を添加しこの温度を保って約4時間反応を
続け、酸価約20(mgKOH/g)の半エステル化変
性エポキシ樹脂を得た。60℃まで冷却し、ジメチルエ
タノールアミン25部を添加し、分散剤を得た。
【0028】
【製造例5】 攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量
9000のフェノール変性ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂(エピコート1004(油化
シェルエポキシ社製)の変性物)646部,メチルエチ
ルケトン100部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ
樹脂を溶解させる。完全に溶解したら乾燥空気を導入
し、水とメチルエチルケトンを溜出させる。その後に温
度を110℃に昇温し、無水トリメリット酸157部を
添加しこの温度を保って約4時間反応を続け、酸価約1
20(mgKOH/g)の半エステル化変性エポキシ樹
脂(未中和物)を得た。
【0029】
【実施例1】 攪拌装置付き反応容器に、製造例1で得
られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)60
部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
エピコート1004)140部を入れ、110℃で溶
融、混合後、ジメチルエタノールアミン9部、水300
部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を
得た。
【0030】
【実施例2】 攪拌装置付き反応容器に、製造例2で得
られた分散剤100部、エポキシ当量950のビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社製 エピコート1004)100部を入
れ、110℃で溶融、混合後、水300部を添加し、固
形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0031】
【実施例3】 攪拌装置付き反応容器に、製造例3で得
られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)溶液
57部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社
製 エピコート1001)160部を入れ、100℃で
溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン13部、水3
00部を添加し、トルエンの溜去を行った。共沸量の水
を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得
た。
【0032】
【実施例4】 攪拌装置付き反応容器に、製造例5で得
られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)60
部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
エピコート1004)140部を入れ、110℃で溶
融、混合後、ジメチルエタノールアミン9部、水300
部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を
得た。
【0033】
【実施例5】 攪拌装置付き反応容器に、製造例1で得
られた半エステル化変性エポキシ樹脂(未中和物)20
部、エポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
エピコート1004)80部を入れ、110℃で溶融、
混合後、ジメチルエタノールアミン3部、水150部を
添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得
た。これに、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー
社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)
の固形分250部及び水溶性メラミン樹脂(三井サイテ
ック社製 サイメル303)の固形分150部を添加
し、不揮発分が40%となるように水を添加し、水性樹
脂溶液を得た。
【0034】
【実施例6】 攪拌装置付き反応容器に、製造例4で得
られた分散剤180部、エポキシ当量475のビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社製 エピコート1001)20部を入
れ、110℃で溶融、混合後、水300部を添加し、固
形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。水溶性ア
クリル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル5
87のトリエチルアミン中和物)の固形分400部を添
加し、不揮発分が40%となるように水を添加し、水性
樹脂溶液を得た。
【0035】
【比較例1】 攪拌装置付き反応容器に、水溶性アクリ
ル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587
のトリエチルアミン中和物)の固形分60部、エポキシ
当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1
001)140部を110℃で溶融、混合後、水300
部を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を
得た。
【0036】
【比較例2】 撹拌装置付き反応容器に、水溶性アクリ
ル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587
のトリエチルアミン中和物)の固形分20部、エポキシ
当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製 エピコート1
001)80部を110℃で溶融、混合後、水150部
を添加し、固形分40%のエポキシ樹脂水性分散体を得
た。これに、水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー
社製 ジョンクリル587のトリエチルアミン中和物)
の固形分250部及び水溶性メラミン樹脂(三井サイテ
ック社製 サイメル303)の固形分150部を添加
し、不揮発分が40%となるように水を添加し、水性樹
脂溶液を得た。
【0037】
【比較例3】 攪拌装置付き反応容器に、水溶性アクリ
ル樹脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587
のトリエチルアミン中和物)の固形分250部、水溶性
メラミン樹脂(三井サイテック社製 サイメル303)
の固形分150部を添加し、不揮発分が40%となるよ
うに水を添加し水性樹脂溶液を得た。
【0038】実施例1〜4及び比較例1において得られ
たエポキシ樹脂水性分散体樹脂の粘度及び50℃1週間
の保存安定性を表1に示した。また、実施例5、6及び
比較例2、3において得られた樹脂溶液をスズめっき鋼
鈑に、ロールコータを用い乾燥塗膜厚が10μmとなる
ように、200℃5分間焼き付けを行った。以上の硬化
皮膜に関して表面状態の観察及び物性試験を行い、その
結果を表2に示した。密着性試験はゴバン目セロテープ
剥離試験を行い1×1mmの100個のマス目の内、剥
離せずに残ったマス目数を表示した。耐水性試験は沸水
中に30分間浸漬し、皮膜の状態を目視観察した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明は、エポキシ樹脂中のアルコ−ル
性水酸基を酸無水物に付加させてなるカルボキシル基含
有エポキシ樹脂を中和してなる分散剤及びそれを用いた
エポキシ樹脂水性分散体、さらにこれを含有する水性硬
化性樹脂組成物に関するものである。これらを用いるこ
とにより、密着性、硬化性が良好で、皮膜形成材料とし
て好適に用いられるエポキシ樹脂水性分散体及びこれを
含有してなる水性硬化性樹脂組成物を提供するものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 三保谷 隆 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ当量が150〜10000で分
    子内にグリシジル基及びアルコ−ル性水酸基を有するエ
    ポキシ樹脂(a)中の前記アルコ−ル性水酸基と酸無水
    物の反応に基づく半エステル化変性エポキシ樹脂(A)
    中のカルボキシル基の20〜100モル%を塩基性物質
    により中和してなる分散剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の分散剤を樹脂固形分中1
    0〜90重量%用いてエポキシ樹脂(B)を分散させて
    なるエポキシ樹脂水性分散体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半エステル化変性エポキ
    シ樹脂(A)10〜90重量%とエポキシ樹脂(B)1
    0〜90重量%とを混合してから、半エステル化変性エ
    ポキシ樹脂(A)中のカルボキシル基の20〜100モ
    ル%を塩基性物質により中和してなるエポキシ樹脂水性
    分散体。
  4. 【請求項4】 請求項2ないし3いずれか記載のエポキ
    シ樹脂水性分散体を固形分換算で5重量%以上含有して
    なることを特徴とする水性硬化性樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002060461A (ja) * 2000-08-24 2002-02-26 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂の製造法及び塗料
JP2007144402A (ja) * 2005-11-02 2007-06-14 Toyo Ink Mfg Co Ltd 分散剤とその製造方法
JP2021066791A (ja) * 2019-10-23 2021-04-30 トヨタ自動車東日本株式会社 着色コート層用塗料およびその塗装方法

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JP2007144402A (ja) * 2005-11-02 2007-06-14 Toyo Ink Mfg Co Ltd 分散剤とその製造方法
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