JPH0967425A - エステル化変性エポキシ樹脂、それを含む水性エポキシ樹脂組成物ならびに水性塗料 - Google Patents
エステル化変性エポキシ樹脂、それを含む水性エポキシ樹脂組成物ならびに水性塗料Info
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- JPH0967425A JPH0967425A JP22613795A JP22613795A JPH0967425A JP H0967425 A JPH0967425 A JP H0967425A JP 22613795 A JP22613795 A JP 22613795A JP 22613795 A JP22613795 A JP 22613795A JP H0967425 A JPH0967425 A JP H0967425A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】容易に水性化でき、皮膜形成材料およびエポキ
シ樹脂等の実質的に水不溶性の樹脂類に対する良好な分
散剤となりうるエステル化変性エポキシ樹脂、ならびに
良好な基材密着性、耐久性等を硬化皮膜に付与する水性
塗料の提供。 【解決手段】エポキシ樹脂(a)と炭素数6以上の脂肪
酸(b)及び酸無水物(c)を反応させてなる被覆剤用
エステル化変性エポキシ樹脂、該エステル化変性エポキ
シ樹脂中のカルボキシル基を塩基性物質により部分また
は完全中和したものを水に溶解または分散してなる水性
エポキシ樹脂組成物、該エステル化変性エポキシ樹脂を
樹脂固形分中5〜95重量%用いて他のエポキシ樹脂を
水に分散してなる水性エポキシ樹脂組成物、および該水
性エポキシ樹脂組成物を固形分換算で5重量%以上含有
してなる水性塗料。
シ樹脂等の実質的に水不溶性の樹脂類に対する良好な分
散剤となりうるエステル化変性エポキシ樹脂、ならびに
良好な基材密着性、耐久性等を硬化皮膜に付与する水性
塗料の提供。 【解決手段】エポキシ樹脂(a)と炭素数6以上の脂肪
酸(b)及び酸無水物(c)を反応させてなる被覆剤用
エステル化変性エポキシ樹脂、該エステル化変性エポキ
シ樹脂中のカルボキシル基を塩基性物質により部分また
は完全中和したものを水に溶解または分散してなる水性
エポキシ樹脂組成物、該エステル化変性エポキシ樹脂を
樹脂固形分中5〜95重量%用いて他のエポキシ樹脂を
水に分散してなる水性エポキシ樹脂組成物、および該水
性エポキシ樹脂組成物を固形分換算で5重量%以上含有
してなる水性塗料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膜形成材料およ
び分散剤として好適に用いられるエステル化変性エポキ
シ樹脂、該エステル化変性エポキシ樹脂を水に溶解また
は分散してなる水性エポキシ樹脂組成物、および該エス
テル化変性エポキシ樹脂を用いて他のエポキシ樹脂を水
に分散させてなる水性エポキシ樹脂組成物に関する。ま
た、本発明は、上記水性エポキシ樹脂組成物を含み、金
属等の基材に良好な密着性を示し、また良好な加工性、
耐久性を有する硬化皮膜を与える水性塗料に関する。
び分散剤として好適に用いられるエステル化変性エポキ
シ樹脂、該エステル化変性エポキシ樹脂を水に溶解また
は分散してなる水性エポキシ樹脂組成物、および該エス
テル化変性エポキシ樹脂を用いて他のエポキシ樹脂を水
に分散させてなる水性エポキシ樹脂組成物に関する。ま
た、本発明は、上記水性エポキシ樹脂組成物を含み、金
属等の基材に良好な密着性を示し、また良好な加工性、
耐久性を有する硬化皮膜を与える水性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は優れた反応性を有し、そ
の硬化物は強度特性、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、金属
密着性等の優れた機械的性質、電気的性質及び化学的性
質を有するため、各種コーティング剤、電気絶縁材料、
積層品・構造材料、土木・建築材料、接着剤等として広
範に使用されている。さらに、エポキシ樹脂に種々の変
性が施されたものが用いられており、例えば、大豆油、
ヒマシ油、ヤシ油等の脂肪酸とのエステル化物が用いら
れることがある。脂肪酸とのエステル化を行うことによ
り、溶剤への溶解性の向上、粘度の低下、乾燥速度の増
加等、作業性が改善され、平滑で塗膜欠陥の少ない硬化
塗膜が得られやすく、また、架橋密度の低下により可撓
性、耐衝撃性等が向上する。
の硬化物は強度特性、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、金属
密着性等の優れた機械的性質、電気的性質及び化学的性
質を有するため、各種コーティング剤、電気絶縁材料、
積層品・構造材料、土木・建築材料、接着剤等として広
範に使用されている。さらに、エポキシ樹脂に種々の変
性が施されたものが用いられており、例えば、大豆油、
ヒマシ油、ヤシ油等の脂肪酸とのエステル化物が用いら
れることがある。脂肪酸とのエステル化を行うことによ
り、溶剤への溶解性の向上、粘度の低下、乾燥速度の増
加等、作業性が改善され、平滑で塗膜欠陥の少ない硬化
塗膜が得られやすく、また、架橋密度の低下により可撓
性、耐衝撃性等が向上する。
【0003】また、近年、省資源・環境保全の見地か
ら、コーティング剤、塗料、接着剤等の水性化が望まれ
ており、エポキシ樹脂等の樹脂類の水性化が行なわれて
いる。例えば、エポキシ樹脂を水性塗料用樹脂として用
いる例は多く知られているが、特にグリシジル基を二級
アミンあるいはリン酸等により変性した後、適当なカウ
ンターイオンにより中和し水溶化して得た変性エポキシ
樹脂が金属等への密着性の向上に有効であることが知ら
れている。しかしながら、これらの変性エポキシ樹脂に
よって、良好な密着性を示す硬化皮膜が得られるもの
の、塗料の保存安定性、樹脂溶液の着色等に問題があっ
た。
ら、コーティング剤、塗料、接着剤等の水性化が望まれ
ており、エポキシ樹脂等の樹脂類の水性化が行なわれて
いる。例えば、エポキシ樹脂を水性塗料用樹脂として用
いる例は多く知られているが、特にグリシジル基を二級
アミンあるいはリン酸等により変性した後、適当なカウ
ンターイオンにより中和し水溶化して得た変性エポキシ
樹脂が金属等への密着性の向上に有効であることが知ら
れている。しかしながら、これらの変性エポキシ樹脂に
よって、良好な密着性を示す硬化皮膜が得られるもの
の、塗料の保存安定性、樹脂溶液の着色等に問題があっ
た。
【0004】例えば、二級アミン類によりエポキシ樹脂
中のグリシジル基を変性した場合、適当なアニオンによ
り四級塩化し水溶性エポキシ樹脂を得ることができる
が、得られた変性エポキシ樹脂溶液は茶褐色に着色して
いるばかりでなく、この着色は加熱硬化により更に進行
することが知られており、クリア塗料あるいは淡色系塗
料等に適用した場合、色調に問題が生じる場合がある。
また、このような変性エポキシ樹脂を用いた場合、塗料
の保存安定性が劣る場合がある。すなわち、通常のポッ
トライフ試験実施中に粘度の上昇がみられたり、硬化皮
膜の密着性が発現されなくなったりする場合がある。
中のグリシジル基を変性した場合、適当なアニオンによ
り四級塩化し水溶性エポキシ樹脂を得ることができる
が、得られた変性エポキシ樹脂溶液は茶褐色に着色して
いるばかりでなく、この着色は加熱硬化により更に進行
することが知られており、クリア塗料あるいは淡色系塗
料等に適用した場合、色調に問題が生じる場合がある。
また、このような変性エポキシ樹脂を用いた場合、塗料
の保存安定性が劣る場合がある。すなわち、通常のポッ
トライフ試験実施中に粘度の上昇がみられたり、硬化皮
膜の密着性が発現されなくなったりする場合がある。
【0005】また、水性アクリル系樹脂を分散剤とした
エポキシ樹脂の水性分散体がしばしば用いられている。
この場合、上記変性エポキシ樹脂に比較して塗料の保存
安定性は改善されるが、分散性を有するアクリル系樹脂
の組成が限定され、一定量以上のアクリル系樹脂が必要
とされるため、硬化皮膜の物性の低下を抑制することに
困難が生じていた。
エポキシ樹脂の水性分散体がしばしば用いられている。
この場合、上記変性エポキシ樹脂に比較して塗料の保存
安定性は改善されるが、分散性を有するアクリル系樹脂
の組成が限定され、一定量以上のアクリル系樹脂が必要
とされるため、硬化皮膜の物性の低下を抑制することに
困難が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、容易に水性
化が可能であり、皮膜形成材料およびエポキシ樹脂等の
実質的に水不溶性の樹脂類に対する良好な分散剤となり
うるエステル化変性エポキシ樹脂、ならびに良好な基材
密着性、耐久性等をその硬化皮膜に付与する水性塗料の
提供を目的とする。
化が可能であり、皮膜形成材料およびエポキシ樹脂等の
実質的に水不溶性の樹脂類に対する良好な分散剤となり
うるエステル化変性エポキシ樹脂、ならびに良好な基材
密着性、耐久性等をその硬化皮膜に付与する水性塗料の
提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、エ
ポキシ樹脂(a)と炭素数6以上の脂肪酸(b)及び酸
無水物(c)を反応させてなる被覆剤用エステル化変性
エポキシ樹脂、および該エステル化変性エポキシ樹脂中
のカルボキシル基を塩基性物質により部分または完全中
和したものを水に溶解または分散してなる水性エポキシ
樹脂組成物を提供する。また、本発明は、上記エステル
化変性エポキシ樹脂を樹脂固形分中5〜95重量%用い
て、他のエポキシ樹脂を水に分散してなる水性エポキシ
樹脂組成物を提供する。さらに、本発明は、上記水性エ
ポキシ樹脂組成物を固形分換算で5重量%以上含有して
なる水性塗料を提供する。
ポキシ樹脂(a)と炭素数6以上の脂肪酸(b)及び酸
無水物(c)を反応させてなる被覆剤用エステル化変性
エポキシ樹脂、および該エステル化変性エポキシ樹脂中
のカルボキシル基を塩基性物質により部分または完全中
和したものを水に溶解または分散してなる水性エポキシ
樹脂組成物を提供する。また、本発明は、上記エステル
化変性エポキシ樹脂を樹脂固形分中5〜95重量%用い
て、他のエポキシ樹脂を水に分散してなる水性エポキシ
樹脂組成物を提供する。さらに、本発明は、上記水性エ
ポキシ樹脂組成物を固形分換算で5重量%以上含有して
なる水性塗料を提供する。
【0008】本発明のエステル化変性エポキシ樹脂は、
エポキシ樹脂(a)中に存在するグリシジル基に炭素数
6以上の脂肪酸(b)を反応させることによりエステル
結合とアルコール性水酸基を生成せしめ、エポキシ樹脂
(a)中に存在するアルコ−ル性水酸基に酸無水物
(c)を反応させることによりエステル結合とカルボキ
シル基を生成せしめ、エポキシ樹脂にアルキル基及びカ
ルボキシル基を導入したものである。
エポキシ樹脂(a)中に存在するグリシジル基に炭素数
6以上の脂肪酸(b)を反応させることによりエステル
結合とアルコール性水酸基を生成せしめ、エポキシ樹脂
(a)中に存在するアルコ−ル性水酸基に酸無水物
(c)を反応させることによりエステル結合とカルボキ
シル基を生成せしめ、エポキシ樹脂にアルキル基及びカ
ルボキシル基を導入したものである。
【0009】エステル化変性の制御・設計は、要求され
る物性に応じて容易に行うことができ、酸価の調整も大
きい自由度で容易に行なうことが可能であるため、優れ
た水溶性あるいは水分散性を有し、さらに実質的に水不
溶性の物質に対して優れた分散性を有するエステル化変
性エポキシ樹脂を得ることができる。さらに、該エステ
ル化変性エポキシ樹脂を含む水性エポキシ樹脂組成物を
熱硬化させる際、エステル化変性エポキシ樹脂も熱硬化
系に組み込まれるため、得られる硬化皮膜は基材密着
性、耐久性等に優れるものである。また、熱硬化物に要
求される物性に従って、適宜アルキルエステル化変性を
施すことが可能であり、塗膜欠陥の少ない、加工性の優
れた硬化皮膜を得ることができる。
る物性に応じて容易に行うことができ、酸価の調整も大
きい自由度で容易に行なうことが可能であるため、優れ
た水溶性あるいは水分散性を有し、さらに実質的に水不
溶性の物質に対して優れた分散性を有するエステル化変
性エポキシ樹脂を得ることができる。さらに、該エステ
ル化変性エポキシ樹脂を含む水性エポキシ樹脂組成物を
熱硬化させる際、エステル化変性エポキシ樹脂も熱硬化
系に組み込まれるため、得られる硬化皮膜は基材密着
性、耐久性等に優れるものである。また、熱硬化物に要
求される物性に従って、適宜アルキルエステル化変性を
施すことが可能であり、塗膜欠陥の少ない、加工性の優
れた硬化皮膜を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】ここで、酸無水物(c)との反応
に供されるエポキシ樹脂(a)中のアルコール性水酸基
は、グリシジル基とビスフェノール系化合物の付加に由
来するものであっても、グリシジル基への水分子等の付
加に由来するものであっても良く、あるいはエポキシ樹
脂(a)中のグリシジル基と炭素数6以上の脂肪酸
(b)との反応によって生成したものであっても一向に
差し支えない。
に供されるエポキシ樹脂(a)中のアルコール性水酸基
は、グリシジル基とビスフェノール系化合物の付加に由
来するものであっても、グリシジル基への水分子等の付
加に由来するものであっても良く、あるいはエポキシ樹
脂(a)中のグリシジル基と炭素数6以上の脂肪酸
(b)との反応によって生成したものであっても一向に
差し支えない。
【0011】本発明のエステル化変性エポキシ樹脂の原
料として用いられるエポキシ樹脂(a)としては、特に
制限はなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジ
ルエーテル系エポキシ樹脂及びその変性物を挙げること
ができるが、入手の容易性を考慮すれば、エポキシ当量
が150〜30000のものが好ましい。エポキシ樹脂
は、要求される官能基密度、軟化温度、溶解性、相溶性
等によって適宜選択して用いるべきであり、単独あるい
は2種類以上の混合物として用いることができる。
料として用いられるエポキシ樹脂(a)としては、特に
制限はなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジ
ルエーテル系エポキシ樹脂及びその変性物を挙げること
ができるが、入手の容易性を考慮すれば、エポキシ当量
が150〜30000のものが好ましい。エポキシ樹脂
は、要求される官能基密度、軟化温度、溶解性、相溶性
等によって適宜選択して用いるべきであり、単独あるい
は2種類以上の混合物として用いることができる。
【0012】また、本発明で用いられる炭素数6以上の
脂肪酸(b)としては、例えば、カプロン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、α,β−ジメチル吉草酸、12−ヒドロキシステ
アリン酸、γ−フェニル酪酸等が挙げられる。これらの
脂肪酸は単独で、あるいは2種類以上を併せて用いるこ
とができる。脂肪酸の炭素数が6より小さいときには、
得られるエステル化変性エポキシ樹脂の溶解性や、これ
を分散剤として用いた水性エポキシ樹脂組成物による硬
化塗膜への可撓性の付与等の脂肪酸変性により期待され
る諸物性が得られ難くなる。
脂肪酸(b)としては、例えば、カプロン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、α,β−ジメチル吉草酸、12−ヒドロキシステ
アリン酸、γ−フェニル酪酸等が挙げられる。これらの
脂肪酸は単独で、あるいは2種類以上を併せて用いるこ
とができる。脂肪酸の炭素数が6より小さいときには、
得られるエステル化変性エポキシ樹脂の溶解性や、これ
を分散剤として用いた水性エポキシ樹脂組成物による硬
化塗膜への可撓性の付与等の脂肪酸変性により期待され
る諸物性が得られ難くなる。
【0013】反応に用いられる炭素数6以上の脂肪酸
(b)の量は、エポキシ樹脂(a)中のグリシジル基と
当モル以下であれば特に制限されるものではないが、グ
リシジル基1モルに対して0.2〜1.0モルが好まし
い。0.2モル未満では、得られるエステル化変性エポ
キシ樹脂の溶解性や、これを分散剤として用いた水性エ
ポキシ樹脂組成物による硬化塗膜への可撓性の付与等の
脂肪酸変性により期待される諸物性が得られ難くなるた
め好ましくない。また、1.0モルを越えると、未反応
の脂肪酸が経時安定性等を妨げるため好ましくない。
(b)の量は、エポキシ樹脂(a)中のグリシジル基と
当モル以下であれば特に制限されるものではないが、グ
リシジル基1モルに対して0.2〜1.0モルが好まし
い。0.2モル未満では、得られるエステル化変性エポ
キシ樹脂の溶解性や、これを分散剤として用いた水性エ
ポキシ樹脂組成物による硬化塗膜への可撓性の付与等の
脂肪酸変性により期待される諸物性が得られ難くなるた
め好ましくない。また、1.0モルを越えると、未反応
の脂肪酸が経時安定性等を妨げるため好ましくない。
【0014】また、本発明で用いられる酸無水物(c)
としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、アルケニル
無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無
水ナジック酸、無水メチルナジック酸等の環状脂肪族酸
無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水
物、ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無水物、無水フ
タル酸、無水トリメリット酸等の芳香族酸無水物等を挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。これらの酸無水物は単独で、あるいは2種類以上を
併せて用いることができる。
としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、アルケニル
無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無
水ナジック酸、無水メチルナジック酸等の環状脂肪族酸
無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水
物、ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無水物、無水フ
タル酸、無水トリメリット酸等の芳香族酸無水物等を挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。これらの酸無水物は単独で、あるいは2種類以上を
併せて用いることができる。
【0015】反応に用いられる酸無水物(c)の量は、
エポキシ樹脂(a)中のアルコール性水酸基と当モル以
下であれば特に制限されるものではないが、生成するエ
ステル化変性エポキシ樹脂の酸価が20〜500である
ことが望ましい。酸価が20未満では充分な水溶性ある
いは水分散性が得られ難く、500を越えると水性エポ
キシ樹脂組成物の粘度が高くなりすぎるため好ましくな
い。また、酸無水物(c)の量がアルコール性水酸基と
当モルを越える場合には、未反応の酸無水物が水性エポ
キシ樹脂組成物の経時安定性に悪影響を与えるため、好
ましくない。
エポキシ樹脂(a)中のアルコール性水酸基と当モル以
下であれば特に制限されるものではないが、生成するエ
ステル化変性エポキシ樹脂の酸価が20〜500である
ことが望ましい。酸価が20未満では充分な水溶性ある
いは水分散性が得られ難く、500を越えると水性エポ
キシ樹脂組成物の粘度が高くなりすぎるため好ましくな
い。また、酸無水物(c)の量がアルコール性水酸基と
当モルを越える場合には、未反応の酸無水物が水性エポ
キシ樹脂組成物の経時安定性に悪影響を与えるため、好
ましくない。
【0016】エポキシ樹脂(a)の炭素数6以上の脂肪
酸(b)及び酸無水物(c)によるエステル化変性は、
どちらを先に行ってもよく、また同時に進行させること
もできる。しかし、酸無水物(c)による変性に用いら
れるアルコール性水酸基がエポキシ樹脂(a)中のグリ
シジル基と脂肪酸(b)の反応に由来するものであると
きには、脂肪酸(b)によるエステル化変性をはじめに
行ってから、酸無水物(c)によるエステル化変性を行
うのが望ましい。なお、これらの反応は、それぞれアル
コール性水酸基と脂肪酸(b)との反応及びグリシジル
基と酸無水物(c)との反応よりも迅速に進行する。
酸(b)及び酸無水物(c)によるエステル化変性は、
どちらを先に行ってもよく、また同時に進行させること
もできる。しかし、酸無水物(c)による変性に用いら
れるアルコール性水酸基がエポキシ樹脂(a)中のグリ
シジル基と脂肪酸(b)の反応に由来するものであると
きには、脂肪酸(b)によるエステル化変性をはじめに
行ってから、酸無水物(c)によるエステル化変性を行
うのが望ましい。なお、これらの反応は、それぞれアル
コール性水酸基と脂肪酸(b)との反応及びグリシジル
基と酸無水物(c)との反応よりも迅速に進行する。
【0017】エポキシ樹脂(a)の炭素数6以上の脂肪
酸(b)及び酸無水物(c)によるエステル化変性は、
必要に応じて、アミン類等の触媒を添加して行っても良
いが、エポキシ樹脂の高分子量化を抑制するため、触媒
はエポキシ樹脂に対して1重量%以下の範囲で用いるこ
とが望ましい。反応温度は、酸無水物(c)の種類にも
よるが、通常、80〜150℃程度の温度で進行せしめ
ることが好ましい。反応温度が低すぎると、エステル化
反応の速度が遅すぎるため実用的ではない。また、反応
温度が高すぎると、前述したグリシジル基と酸無水物
(c)との反応あるいはエポキシ樹脂同士の高分子量化
反応が進行するため好ましくない。
酸(b)及び酸無水物(c)によるエステル化変性は、
必要に応じて、アミン類等の触媒を添加して行っても良
いが、エポキシ樹脂の高分子量化を抑制するため、触媒
はエポキシ樹脂に対して1重量%以下の範囲で用いるこ
とが望ましい。反応温度は、酸無水物(c)の種類にも
よるが、通常、80〜150℃程度の温度で進行せしめ
ることが好ましい。反応温度が低すぎると、エステル化
反応の速度が遅すぎるため実用的ではない。また、反応
温度が高すぎると、前述したグリシジル基と酸無水物
(c)との反応あるいはエポキシ樹脂同士の高分子量化
反応が進行するため好ましくない。
【0018】この反応は、用いるエポキシ樹脂(a)の
軟化温度が前述した好ましい反応温度範囲よりも低い場
合には、無溶剤にて行うことができる。また、用いるエ
ポキシ樹脂(a)の軟化温度に関わらず適当な溶媒を用
いて行うこともできる。この時用いる溶媒としては、グ
リシジル基、アルコ−ル性水酸基、脂肪酸(b)及び酸
無水物(c)と反応しないものであれば特に制限なく用
いることができる。なお、水の存在により酸無水物はジ
カルボン酸に加水分解し易く、生成したジカルボン酸は
エポキシ樹脂(a)中のアルコール性水酸基との反応性
が著しく低く、グリシジル基との反応性が高いため、水
の存在は本発明のエステル化変性エポキシ樹脂の生成に
は不都合なものである。
軟化温度が前述した好ましい反応温度範囲よりも低い場
合には、無溶剤にて行うことができる。また、用いるエ
ポキシ樹脂(a)の軟化温度に関わらず適当な溶媒を用
いて行うこともできる。この時用いる溶媒としては、グ
リシジル基、アルコ−ル性水酸基、脂肪酸(b)及び酸
無水物(c)と反応しないものであれば特に制限なく用
いることができる。なお、水の存在により酸無水物はジ
カルボン酸に加水分解し易く、生成したジカルボン酸は
エポキシ樹脂(a)中のアルコール性水酸基との反応性
が著しく低く、グリシジル基との反応性が高いため、水
の存在は本発明のエステル化変性エポキシ樹脂の生成に
は不都合なものである。
【0019】市販のエポキシ樹脂中には一般に水が含有
されているため、水に起因する遊離カルボン酸の生成が
好ましくない場合には、脱水処理を行っても良い。脱水
処理の方法には特に制限はないが、用いるエポキシ樹脂
(a)の軟化温度が150℃程度以下である場合には、
エポキシ樹脂(a)を溶融させて水の沸点以上に昇温し
脱水を行うことができる。また、エポキシ樹脂(a)を
適当な溶媒の溶液とし、加熱により共沸脱水を行うこと
もできる。この時用いる溶媒としては、グリシジル基、
アルコ−ル性水酸基と反応しないものであり、共沸脱水
に適したものであれば特に制限なく用いることができ
る。脱水を行う温度は、特に制限はないが150℃以下
で行うことが好ましい。150℃を越えて加熱を続けた
場合、エポキシ樹脂の高分子量化反応が進行する場合が
あり好ましくない。また、脱水する際に、必要に応じて
系を減圧し脱水温度を低くしても良い。
されているため、水に起因する遊離カルボン酸の生成が
好ましくない場合には、脱水処理を行っても良い。脱水
処理の方法には特に制限はないが、用いるエポキシ樹脂
(a)の軟化温度が150℃程度以下である場合には、
エポキシ樹脂(a)を溶融させて水の沸点以上に昇温し
脱水を行うことができる。また、エポキシ樹脂(a)を
適当な溶媒の溶液とし、加熱により共沸脱水を行うこと
もできる。この時用いる溶媒としては、グリシジル基、
アルコ−ル性水酸基と反応しないものであり、共沸脱水
に適したものであれば特に制限なく用いることができ
る。脱水を行う温度は、特に制限はないが150℃以下
で行うことが好ましい。150℃を越えて加熱を続けた
場合、エポキシ樹脂の高分子量化反応が進行する場合が
あり好ましくない。また、脱水する際に、必要に応じて
系を減圧し脱水温度を低くしても良い。
【0020】上記のようにして得られ、分子内にアルキ
ル基及びカルボキシル基を有する本発明のエステル化変
性エポキシ樹脂は、カルボキシル基を塩基性物質により
部分あるいは完全中和することにより、容易に水に溶解
または分散することができ、水性エポキシ樹脂組成物が
得られる。ここで用いられる塩基性物質としては、特に
制限はなく、アンモニア、一級アミン類、二級アミン
類、三級アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム等が挙げられる。得られる水性エポ
キシ樹脂組成物の粘度上昇を抑える必要がある場合に
は、一価の塩基性物質を用いることが好ましい。
ル基及びカルボキシル基を有する本発明のエステル化変
性エポキシ樹脂は、カルボキシル基を塩基性物質により
部分あるいは完全中和することにより、容易に水に溶解
または分散することができ、水性エポキシ樹脂組成物が
得られる。ここで用いられる塩基性物質としては、特に
制限はなく、アンモニア、一級アミン類、二級アミン
類、三級アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム等が挙げられる。得られる水性エポ
キシ樹脂組成物の粘度上昇を抑える必要がある場合に
は、一価の塩基性物質を用いることが好ましい。
【0021】また、乾燥塗膜を得る際、カルボキシル基
を中和している塩基性物質を揮散させ耐水性を向上させ
る必要がある場合には、低沸点のアミン類等を用いるこ
とが好ましい。さらに、エポキシ樹脂の硬化剤として用
いるアミン類を用いて中和することもできる。エステル
化変性エポキシ樹脂中のカルボキシル基は、その20〜
100モル%を上記塩基性物質により中和することが好
ましい。カルボキシル基の20モル%未満の中和である
と十分な水溶性または水分散性が得られない。
を中和している塩基性物質を揮散させ耐水性を向上させ
る必要がある場合には、低沸点のアミン類等を用いるこ
とが好ましい。さらに、エポキシ樹脂の硬化剤として用
いるアミン類を用いて中和することもできる。エステル
化変性エポキシ樹脂中のカルボキシル基は、その20〜
100モル%を上記塩基性物質により中和することが好
ましい。カルボキシル基の20モル%未満の中和である
と十分な水溶性または水分散性が得られない。
【0022】エステル化変性エポキシ樹脂を水に溶解ま
たは分散する方法としては特に制限されるものではな
く、塩基性物質により部分または完全中和後に水を添加
する。エステル化変性エポキシ樹脂の粘度等に応じて、
適宜これらの行程の温度は選択することができるが、エ
ステル化変性エポキシ樹脂中のグリシジル基の反応によ
る高分子量化を抑制するため、150℃以下にすること
が望ましい。また、必要に応じて溶媒を併用しても良
く、用いた溶媒が水性エポキシ樹脂組成物中に残存する
ことが不都合な場合には、水を添加後に溶媒の除去を行
う。
たは分散する方法としては特に制限されるものではな
く、塩基性物質により部分または完全中和後に水を添加
する。エステル化変性エポキシ樹脂の粘度等に応じて、
適宜これらの行程の温度は選択することができるが、エ
ステル化変性エポキシ樹脂中のグリシジル基の反応によ
る高分子量化を抑制するため、150℃以下にすること
が望ましい。また、必要に応じて溶媒を併用しても良
く、用いた溶媒が水性エポキシ樹脂組成物中に残存する
ことが不都合な場合には、水を添加後に溶媒の除去を行
う。
【0023】さらに、本発明のエステル化変性エポキシ
樹脂を用いて、他のエポキシ樹脂等の実質的に水不溶性
の樹脂類を水に安定に分散することがでる。その際に
は、エステル化変性エポキシ樹脂中のカルボキシル基を
塩基性物質により部分または完全中和することが望まし
い。なお、塩基性物質による中和は、水に分散する実質
的に水不溶性の樹脂類と混合前に行っても混合後に行っ
てもどちらでも良い。本発明のエステル化変性エポキシ
樹脂を用いて他のエポキシ樹脂を水に分散してなる水性
エポキシ樹脂組成物は、水溶性のアクリル樹脂等を分散
剤に使用しておらず、エポキシ樹脂とそのエステル化変
性物のみで構成されるため、エポキシ樹脂本来の熱硬化
性及び硬化皮膜の物性を分散剤によって損なうことがな
い。
樹脂を用いて、他のエポキシ樹脂等の実質的に水不溶性
の樹脂類を水に安定に分散することがでる。その際に
は、エステル化変性エポキシ樹脂中のカルボキシル基を
塩基性物質により部分または完全中和することが望まし
い。なお、塩基性物質による中和は、水に分散する実質
的に水不溶性の樹脂類と混合前に行っても混合後に行っ
てもどちらでも良い。本発明のエステル化変性エポキシ
樹脂を用いて他のエポキシ樹脂を水に分散してなる水性
エポキシ樹脂組成物は、水溶性のアクリル樹脂等を分散
剤に使用しておらず、エポキシ樹脂とそのエステル化変
性物のみで構成されるため、エポキシ樹脂本来の熱硬化
性及び硬化皮膜の物性を分散剤によって損なうことがな
い。
【0024】水に分散する他のエポキシ樹脂としては、
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル
系エポキシ樹脂を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。他のエポキシ樹脂を水に分散する
際に用いるエステル化変性エポキシ樹脂の量は、樹脂固
形分中、5〜95重量%であることが望ましい。95重
量%を越えると、他のエポキシ樹脂の特性が発現し難く
なり、5重量%未満では得られる水性エポキシ樹脂組成
物の分散安定性が損なわれ易くなるためである。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル
系エポキシ樹脂を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。他のエポキシ樹脂を水に分散する
際に用いるエステル化変性エポキシ樹脂の量は、樹脂固
形分中、5〜95重量%であることが望ましい。95重
量%を越えると、他のエポキシ樹脂の特性が発現し難く
なり、5重量%未満では得られる水性エポキシ樹脂組成
物の分散安定性が損なわれ易くなるためである。
【0025】エステル化変性エポキシ樹脂を用いて他の
エポキシ樹脂を水に分散する方法としては特に制限され
るものではなく、エステル化変性エポキシ樹脂と他のエ
ポキシ樹脂を混合後に水を添加する。エポキシ樹脂の粘
度等に応じて、適宜これらの行程の温度は選択すること
ができるが、エポキシ樹脂中のグリシジル基の反応によ
る高分子量化を抑制するため、150℃以下にすること
が望ましい。なお、エステル化変性エポキシ樹脂を塩基
性物質により中和する場合には、他のエポキシ樹脂との
混合前に行っても混合後に行っても良い。また、必要に
応じて溶媒を併用しても良く、用いた溶媒が水性エポキ
シ樹脂組成物中に残存することが不都合な場合には、水
を添加後に溶媒の除去を行う。
エポキシ樹脂を水に分散する方法としては特に制限され
るものではなく、エステル化変性エポキシ樹脂と他のエ
ポキシ樹脂を混合後に水を添加する。エポキシ樹脂の粘
度等に応じて、適宜これらの行程の温度は選択すること
ができるが、エポキシ樹脂中のグリシジル基の反応によ
る高分子量化を抑制するため、150℃以下にすること
が望ましい。なお、エステル化変性エポキシ樹脂を塩基
性物質により中和する場合には、他のエポキシ樹脂との
混合前に行っても混合後に行っても良い。また、必要に
応じて溶媒を併用しても良く、用いた溶媒が水性エポキ
シ樹脂組成物中に残存することが不都合な場合には、水
を添加後に溶媒の除去を行う。
【0026】本発明の水性エポキシ樹脂組成物は、単独
でも水性塗料として使用することができるが、必要に応
じて他の樹脂あるいは化合物と併用することもでき、こ
の際、水性塗料中の硬化性成分として用いることができ
る。さらに、他の硬化性を有する樹脂あるいは化合物と
併用しても良く、特にグリシジル基と反応性を有する官
能基を有する樹脂あるいは化合物との併用により優れた
硬化性および皮膜物性を得ることができる。これらの樹
脂あるいは化合物は要求される諸物性に従って適宜選択
することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂、アルキッド樹脂、アミノプラスト類等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。また、これら
の樹脂あるいは化合物は単独あるいは2種類以上の混合
物として用いることができる。
でも水性塗料として使用することができるが、必要に応
じて他の樹脂あるいは化合物と併用することもでき、こ
の際、水性塗料中の硬化性成分として用いることができ
る。さらに、他の硬化性を有する樹脂あるいは化合物と
併用しても良く、特にグリシジル基と反応性を有する官
能基を有する樹脂あるいは化合物との併用により優れた
硬化性および皮膜物性を得ることができる。これらの樹
脂あるいは化合物は要求される諸物性に従って適宜選択
することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂、アルキッド樹脂、アミノプラスト類等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。また、これら
の樹脂あるいは化合物は単独あるいは2種類以上の混合
物として用いることができる。
【0027】本発明の水性エポキシ樹脂組成物は、水性
塗料中に固形分換算で5重量%以上含有されることが望
ましい。5重量%未満の時には、優れた硬化特性や優れ
た皮膜物性が得られ難くなる。水性塗料には、必要に応
じて適当な溶媒、光硬化開始剤、レベリング剤、消泡
剤、滑り剤、染料・顔料等の着色剤、各種フィラー類等
の添加剤を加えることができる。
塗料中に固形分換算で5重量%以上含有されることが望
ましい。5重量%未満の時には、優れた硬化特性や優れ
た皮膜物性が得られ難くなる。水性塗料には、必要に応
じて適当な溶媒、光硬化開始剤、レベリング剤、消泡
剤、滑り剤、染料・顔料等の着色剤、各種フィラー類等
の添加剤を加えることができる。
【0028】また、本発明の水性塗料のコーティング方
法には特に制限はなく、ロールコート、スプレーコー
ト、ディップコート、刷毛塗り、シルクスクリーン塗
装、フローコート等の方法が適用できる。本発明の水性
塗料の硬化は、通常の条件で行うことができるが、15
0〜250℃程度の温度範囲で10秒〜10分間程度の
時間で行うことが好ましい。
法には特に制限はなく、ロールコート、スプレーコー
ト、ディップコート、刷毛塗り、シルクスクリーン塗
装、フローコート等の方法が適用できる。本発明の水性
塗料の硬化は、通常の条件で行うことができるが、15
0〜250℃程度の温度範囲で10秒〜10分間程度の
時間で行うことが好ましい。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を説明するが、こ
れにより本発明は何等制限を受けるものではない。な
お、例中、「部」および「%」は「重量部」および「重
量%」をそれぞれ表す。 (製造例1)攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量4
75のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコート100
1」)500部、メチルエチルケトン100部を入れ、
約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させた。完全に
溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトン
を溜出させた。その後に温度を90℃に昇温し、リノー
ル酸250部、トリエチルアミン0.4部を添加し、こ
の温度を保って約4時間反応後、無水フタル酸150部
を添加し、この温度を保ってさらに約4時間反応を続
け、酸価約63(mgKOH/g)のエステル化変性エ
ポキシ樹脂を得た。
れにより本発明は何等制限を受けるものではない。な
お、例中、「部」および「%」は「重量部」および「重
量%」をそれぞれ表す。 (製造例1)攪拌装置付き反応容器に、エポキシ当量4
75のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコート100
1」)500部、メチルエチルケトン100部を入れ、
約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させた。完全に
溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエチルケトン
を溜出させた。その後に温度を90℃に昇温し、リノー
ル酸250部、トリエチルアミン0.4部を添加し、こ
の温度を保って約4時間反応後、無水フタル酸150部
を添加し、この温度を保ってさらに約4時間反応を続
け、酸価約63(mgKOH/g)のエステル化変性エ
ポキシ樹脂を得た。
【0030】(製造例2)攪拌装置付き反応容器に、エ
ポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート1004」)500部、メチルエチルケトン100
部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、カプロン酸60部、トリエチルアミン0.1部を添
加し、この温度を保って約4時間反応後、無水コハク酸
195部を添加し、この温度を保って約4時間反応を続
け、酸価約145(mgKOH/g)のエステル化変性
エポキシ樹脂を得た。
ポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート1004」)500部、メチルエチルケトン100
部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、カプロン酸60部、トリエチルアミン0.1部を添
加し、この温度を保って約4時間反応後、無水コハク酸
195部を添加し、この温度を保って約4時間反応を続
け、酸価約145(mgKOH/g)のエステル化変性
エポキシ樹脂を得た。
【0031】(製造例3)攪拌装置付き反応容器に、エ
ポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート828」)500部、メチルエチルケトン100部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、ステアリン酸225部、ジメチルベンジルアミン
0.1部を添加し、この温度を保って約4時間反応後、
無水コハク酸35部を添加し、この温度を保って約4時
間反応を続け、酸価約26(mgKOH/g)のエステ
ル化変性エポキシ樹脂を得た。
ポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート828」)500部、メチルエチルケトン100部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、ステアリン酸225部、ジメチルベンジルアミン
0.1部を添加し、この温度を保って約4時間反応後、
無水コハク酸35部を添加し、この温度を保って約4時
間反応を続け、酸価約26(mgKOH/g)のエステ
ル化変性エポキシ樹脂を得た。
【0032】(製造例4)攪拌装置付き反応容器に、エ
ポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート1004」)500部、メチルエチルケトン100
部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、γ−フェニル酪酸45部、トリエチルアミン0.1
部を添加し、この温度を保って約4時間反応後、ポリア
ゼライン酸無水物100部を添加し、この温度を保って
約4時間反応を続け、酸価約51(mgKOH/g)の
エステル化変性エポキシ樹脂を得た。
ポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート1004」)500部、メチルエチルケトン100
部を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、γ−フェニル酪酸45部、トリエチルアミン0.1
部を添加し、この温度を保って約4時間反応後、ポリア
ゼライン酸無水物100部を添加し、この温度を保って
約4時間反応を続け、酸価約51(mgKOH/g)の
エステル化変性エポキシ樹脂を得た。
【0033】(製造例5)攪拌装置付き反応容器に、エ
ポキシ当量9000のフェノール変性ビスフェノールA
ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポ
キシ社製「エピコート1004」の変性物)500部、
メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱
し、エポキシ樹脂を溶解させた。完全に溶解したら乾燥
空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させた。
トルエン355部を添加後、温度を90℃に昇温し、ス
テアリン酸9部、トリエチルアミン0.1部を添加し、
この温度を保って約4時間反応後、無水フタル酸90部
を添加し、この温度を保って約4時間反応を続け、固形
分酸価約86(mgKOH/g)、固形分60%のエス
テル化変性エポキシ樹脂溶液を得た。
ポキシ当量9000のフェノール変性ビスフェノールA
ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポ
キシ社製「エピコート1004」の変性物)500部、
メチルエチルケトン100部を入れ、約80℃に加熱
し、エポキシ樹脂を溶解させた。完全に溶解したら乾燥
空気を導入し、水とメチルエチルケトンを溜出させた。
トルエン355部を添加後、温度を90℃に昇温し、ス
テアリン酸9部、トリエチルアミン0.1部を添加し、
この温度を保って約4時間反応後、無水フタル酸90部
を添加し、この温度を保って約4時間反応を続け、固形
分酸価約86(mgKOH/g)、固形分60%のエス
テル化変性エポキシ樹脂溶液を得た。
【0034】(製造例6)攪拌装置付き反応容器に、エ
ポキシ当量30000のビスフェノールAジグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂(東都化成社製「フェノトート
YP−50」)500部、メチルエチルケトン100部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、ステアリン酸4部、トリエチルアミン0.1部を添
加し、この温度を保って約4時間反応後、無水フタル酸
200部を添加し、この温度を保って約4時間反応を続
け、酸価約105(mgKOH/g)のエステル化変性
エポキシ樹脂を得た。
ポキシ当量30000のビスフェノールAジグリシジル
エーテル型エポキシ樹脂(東都化成社製「フェノトート
YP−50」)500部、メチルエチルケトン100部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、ステアリン酸4部、トリエチルアミン0.1部を添
加し、この温度を保って約4時間反応後、無水フタル酸
200部を添加し、この温度を保って約4時間反応を続
け、酸価約105(mgKOH/g)のエステル化変性
エポキシ樹脂を得た。
【0035】[実施例1]攪拌装置付き反応容器に、製
造例1で得られたエステル化変性エポキシ樹脂150
部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
「エピコート1001」)150部を入れ、100℃で
溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン15部、水6
85部を添加し、固形分30%のエポキシ樹脂水性分散
体を得た。
造例1で得られたエステル化変性エポキシ樹脂150
部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
「エピコート1001」)150部を入れ、100℃で
溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン15部、水6
85部を添加し、固形分30%のエポキシ樹脂水性分散
体を得た。
【0036】[実施例2]攪拌装置付き反応容器に、製
造例3で得られたエステル化変性エポキシ樹脂300部
を入れ、100℃で溶融後、ジメチルエタノールアミン
12部、水688部を添加し、固形分30%のエポキシ
樹脂水性分散体を得た。
造例3で得られたエステル化変性エポキシ樹脂300部
を入れ、100℃で溶融後、ジメチルエタノールアミン
12部、水688部を添加し、固形分30%のエポキシ
樹脂水性分散体を得た。
【0037】[実施例3]攪拌装置付き反応容器に、製
造例5で得られたエステル化変性エポキシ樹脂溶液15
0部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
「エピコート1001」)210部を入れ、100℃で
溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン12部、水7
00部を添加し、トルエンの溜去を行った。共沸量の水
を添加し、固形分30%のエポキシ樹脂水性分散体を得
た。
造例5で得られたエステル化変性エポキシ樹脂溶液15
0部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製
「エピコート1001」)210部を入れ、100℃で
溶融、混合後、ジメチルエタノールアミン12部、水7
00部を添加し、トルエンの溜去を行った。共沸量の水
を添加し、固形分30%のエポキシ樹脂水性分散体を得
た。
【0038】[実施例4]攪拌装置付き反応容器に、製
造例2で得られたエステル変性エポキシ樹脂300部を
入れ、100℃で溶融後、ジメチルエタノールアミン6
9部、水631部を添加し、固形分30%のエポキシ樹
脂水溶液を得た。
造例2で得られたエステル変性エポキシ樹脂300部を
入れ、100℃で溶融後、ジメチルエタノールアミン6
9部、水631部を添加し、固形分30%のエポキシ樹
脂水溶液を得た。
【0039】[実施例5]攪拌装置付き反応容器に、製
造例3で得られたエステル化変性エポキシ樹脂350部
を入れ、100℃で溶融後、ジメチルエタノールアミン
14部、水803部を添加し、固形分30%のエポキシ
樹脂水性分散体を得た。これに、アクリル樹脂水溶液
(ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル587」のト
リエチルアミン中和物、固形分30%)500部を添加
し、固形分30%の水性樹脂溶液を得た。
造例3で得られたエステル化変性エポキシ樹脂350部
を入れ、100℃で溶融後、ジメチルエタノールアミン
14部、水803部を添加し、固形分30%のエポキシ
樹脂水性分散体を得た。これに、アクリル樹脂水溶液
(ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル587」のト
リエチルアミン中和物、固形分30%)500部を添加
し、固形分30%の水性樹脂溶液を得た。
【0040】[実施例6]攪拌装置付き反応容器に、製
造例2で得られたエステル変性エポキシ樹脂2部、ジメ
チルアミノエタノール0.5部、エポキシ当量950の
ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社製「エピコート1004」)3
8部を入れ、100℃で溶融、混合後、水93部を添加
し、固形分30%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。こ
れに、アクリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製
「ジョンクリル587」のトリエチルアミン中和物、固
形分30%)2530部を添加し、固形分30%の水性
樹脂溶液を得た。
造例2で得られたエステル変性エポキシ樹脂2部、ジメ
チルアミノエタノール0.5部、エポキシ当量950の
ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社製「エピコート1004」)3
8部を入れ、100℃で溶融、混合後、水93部を添加
し、固形分30%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。こ
れに、アクリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製
「ジョンクリル587」のトリエチルアミン中和物、固
形分30%)2530部を添加し、固形分30%の水性
樹脂溶液を得た。
【0041】[実施例7]攪拌装置付き反応容器に、製
造例4で得られたエステル変性エポキシ樹脂190部、
エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピ
コート1001」)10部を入れ、100℃で溶融、混
合後、ジメチルエタノールアミン15部、水452部を
添加し、固形分30%のエポキシ樹脂水性分散体を得
た。これに、アクリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー
社製「ジョンクリル587」のトリエチルアミン中和
物、固形分30%)1110部及び水溶性メラミン樹脂
(三井サイテック社製「サイメル303」、固形分10
0%)133部を添加し、固形分が30%となるように
水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
造例4で得られたエステル変性エポキシ樹脂190部、
エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピ
コート1001」)10部を入れ、100℃で溶融、混
合後、ジメチルエタノールアミン15部、水452部を
添加し、固形分30%のエポキシ樹脂水性分散体を得
た。これに、アクリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー
社製「ジョンクリル587」のトリエチルアミン中和
物、固形分30%)1110部及び水溶性メラミン樹脂
(三井サイテック社製「サイメル303」、固形分10
0%)133部を添加し、固形分が30%となるように
水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
【0042】[実施例8]攪拌装置付き反応容器に、製
造例6で得られたエステル変性エポキシ樹脂250部を
入れ、100℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールア
ミン41部、水542部を添加し、固形分30%のエポ
キシ樹脂水性分散体を得た。これに、水溶性アクリル樹
脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のト
リエチルアミン中和物、固形分30%)の500部及び
水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製 サイメル3
03、不揮発分100%)100部を添加し、固形分が
30%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
造例6で得られたエステル変性エポキシ樹脂250部を
入れ、100℃で溶融、混合後、ジメチルエタノールア
ミン41部、水542部を添加し、固形分30%のエポ
キシ樹脂水性分散体を得た。これに、水溶性アクリル樹
脂(ジョンソンポリマー社製 ジョンクリル587のト
リエチルアミン中和物、固形分30%)の500部及び
水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製 サイメル3
03、不揮発分100%)100部を添加し、固形分が
30%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を得た。
【0043】[比較例1]攪拌装置付き反応容器に、エ
ポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート1001」)100部、メチルエチルケトン30部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、リノール酸50部、トリエチルアミン0.1部を添
加し、この温度を保って約4時間反応後、アクリル樹脂
水溶液(ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル58
7」のトリエチルアミン中和物、固形分30%)167
部を添加、混合後、水300部を添加し、固形分30%
のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
ポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート1001」)100部、メチルエチルケトン30部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、リノール酸50部、トリエチルアミン0.1部を添
加し、この温度を保って約4時間反応後、アクリル樹脂
水溶液(ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル58
7」のトリエチルアミン中和物、固形分30%)167
部を添加、混合後、水300部を添加し、固形分30%
のエポキシ樹脂水性分散体を得た。
【0044】[比較例2]攪拌装置付き反応容器に、エ
ポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート1004」)100部、メチルエチルケトン30部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、γ−フェニル酪酸9部、トリエチルアミン0.02
部を添加し、この温度を保って約4時間反応後、アクリ
ル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル
587」のトリエチルアミン中和物、固形分30%)9
3部を添加、混合後、水320部を添加し、固形分30
%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。これに、アクリル
樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル5
87」のトリエチルアミン中和物、固形分30%)51
0部及び水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製「サ
イメル303」、固形分100%)61部を添加し、固
形分が30%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を
得た。
ポキシ当量950のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート1004」)100部、メチルエチルケトン30部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、γ−フェニル酪酸9部、トリエチルアミン0.02
部を添加し、この温度を保って約4時間反応後、アクリ
ル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル
587」のトリエチルアミン中和物、固形分30%)9
3部を添加、混合後、水320部を添加し、固形分30
%のエポキシ樹脂水性分散体を得た。これに、アクリル
樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製「ジョンクリル5
87」のトリエチルアミン中和物、固形分30%)51
0部及び水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社製「サ
イメル303」、固形分100%)61部を添加し、固
形分が30%となるように水を添加し、水性樹脂溶液を
得た。
【0045】[比較例3]攪拌装置付き反応容器に、エ
ポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート828」)200部、メチルエチルケトン100部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、無水コハク酸14部を添加し、この温度を保って約
4時間反応を続け、ジメチルエタノールアミン12部、
水487部を添加し、固形分30%のエポキシ樹脂水性
分散体を得た。
ポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコ
ート828」)200部、メチルエチルケトン100部
を入れ、約80℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解させ
た。完全に溶解したら乾燥空気を導入し、水とメチルエ
チルケトンを溜出させた。その後に温度を90℃に昇温
し、無水コハク酸14部を添加し、この温度を保って約
4時間反応を続け、ジメチルエタノールアミン12部、
水487部を添加し、固形分30%のエポキシ樹脂水性
分散体を得た。
【0046】[比較例4]攪拌装置付き反応容器に、ア
クリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製「ジョンク
リル587」のトリエチルアミン中和物、固形分30
%)833部、水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社
製「サイメル303」、固形分100%)150部を添
加し、固形分が30%となるように水を添加し水性樹脂
溶液を得た。
クリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製「ジョンク
リル587」のトリエチルアミン中和物、固形分30
%)833部、水溶性メラミン樹脂(三井サイテック社
製「サイメル303」、固形分100%)150部を添
加し、固形分が30%となるように水を添加し水性樹脂
溶液を得た。
【0047】実施例1〜4及び比較例1で得られたエポ
キシ樹脂水性分散体および水溶液樹脂の粘度及び50℃
で1週間保存した時の経時安定性を表1に示した。ま
た、実施例1〜8及び比較例1〜4において得られた樹
脂水性分散体および水性樹脂溶液をスズめっき鋼鈑に、
ロールコータを用い乾燥塗膜厚が10μmとなるように
コーティングし、200℃で5分間焼き付けを行った。
得られた硬化皮膜に関して表面状態の観察及び物性試験
を行い、その結果を表2ないし表4に示した。密着性試
験はゴバン目セロテープ剥離試験を行い1×1mmの1
00個のマス目の内、剥離せずに残ったマス目数を表示
した。耐衝撃性試験はデュポン衝撃試験機においてR/
2の撃ち型を用い、500gの重りを50cmの高さか
ら落下させた後の塗膜の状態を目視観察した。耐水性試
験は沸水中に30分間浸漬し、皮膜の状態を目視観察し
た。
キシ樹脂水性分散体および水溶液樹脂の粘度及び50℃
で1週間保存した時の経時安定性を表1に示した。ま
た、実施例1〜8及び比較例1〜4において得られた樹
脂水性分散体および水性樹脂溶液をスズめっき鋼鈑に、
ロールコータを用い乾燥塗膜厚が10μmとなるように
コーティングし、200℃で5分間焼き付けを行った。
得られた硬化皮膜に関して表面状態の観察及び物性試験
を行い、その結果を表2ないし表4に示した。密着性試
験はゴバン目セロテープ剥離試験を行い1×1mmの1
00個のマス目の内、剥離せずに残ったマス目数を表示
した。耐衝撃性試験はデュポン衝撃試験機においてR/
2の撃ち型を用い、500gの重りを50cmの高さか
ら落下させた後の塗膜の状態を目視観察した。耐水性試
験は沸水中に30分間浸漬し、皮膜の状態を目視観察し
た。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明により、塗装性、硬化特性、基材
密着性、加工性、耐久性が良好で、皮膜形成材料として
好適に用いられる水性塗料が得られるようになった。
密着性、加工性、耐久性が良好で、皮膜形成材料として
好適に用いられる水性塗料が得られるようになった。
Claims (5)
- 【請求項1】エポキシ樹脂(a)と炭素数6以上の脂肪
酸(b)及び酸無水物(c)を反応させてなる被覆剤用
エステル化変性エポキシ樹脂。 - 【請求項2】エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量が15
0〜30000であることを特徴とする請求項1記載の
エステル化変性エポキシ樹脂。 - 【請求項3】請求項1または2記載のエステル化変性エ
ポキシ樹脂中のカルボキシル基を塩基性物質により部分
または完全中和したものを水に溶解または分散してなる
水性エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】請求項1または2記載のエステル化変性エ
ポキシ樹脂を樹脂固形分中5〜95重量%用いて、他の
エポキシ樹脂を水に分散してなる水性エポキシ樹脂組成
物。 - 【請求項5】請求項3または4記載の水性エポキシ樹脂
組成物を固形分換算で5重量%以上含有してなることを
特徴とする水性塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22613795A JPH0967425A (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | エステル化変性エポキシ樹脂、それを含む水性エポキシ樹脂組成物ならびに水性塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22613795A JPH0967425A (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | エステル化変性エポキシ樹脂、それを含む水性エポキシ樹脂組成物ならびに水性塗料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0967425A true JPH0967425A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16840435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22613795A Pending JPH0967425A (ja) | 1995-09-04 | 1995-09-04 | エステル化変性エポキシ樹脂、それを含む水性エポキシ樹脂組成物ならびに水性塗料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0967425A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000053686A (ko) * | 1999-10-01 | 2000-09-05 | 송영구 | 피복재의 제조방법 |
CN106497338A (zh) * | 2016-11-11 | 2017-03-15 | 上海碳源汇谷新材料科技有限公司 | 氧化石墨烯改性水性环氧防腐漆 |
CN110894265A (zh) * | 2019-11-22 | 2020-03-20 | 广东海顺新材料科技有限公司 | 一种单组份快速自干型环氧酯/丙烯酸酯复合乳液及其制备方法 |
CN112029070A (zh) * | 2020-08-11 | 2020-12-04 | 上海华谊涂料有限公司 | 水性环氧树脂及其制备方法和水性环氧绝缘浸渍漆 |
-
1995
- 1995-09-04 JP JP22613795A patent/JPH0967425A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000053686A (ko) * | 1999-10-01 | 2000-09-05 | 송영구 | 피복재의 제조방법 |
CN106497338A (zh) * | 2016-11-11 | 2017-03-15 | 上海碳源汇谷新材料科技有限公司 | 氧化石墨烯改性水性环氧防腐漆 |
CN110894265A (zh) * | 2019-11-22 | 2020-03-20 | 广东海顺新材料科技有限公司 | 一种单组份快速自干型环氧酯/丙烯酸酯复合乳液及其制备方法 |
CN112029070A (zh) * | 2020-08-11 | 2020-12-04 | 上海华谊涂料有限公司 | 水性环氧树脂及其制备方法和水性环氧绝缘浸渍漆 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040405 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040420 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040824 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |