JPH0825698B2 - エレベ−タ−の乗場表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エレベーターの乗場表示装置に係り、特に
エレベーターが到着するまでの時間を推測するのに好適
な装置に関する。

〔従来の技術〕

従来エレベーターの乗場表示装置には、エレベーター
の位置表示器や予約エレベーターを示す予約灯があっ
た。位置表示器を用いたものは、エレベーターの位置は
分かるがエレベーターの状態が分からないため、どれく
らい待てばエレベーターが到着するのか分からない欠点
があつた。また、予約灯方式でも同様の欠点があつた。
そこで、特開昭51−108443号に示されるように待時間を
表示する装置が提案されている。しかし、この待時間表
示は待時間が数値でデジタルで表示されるため、途中停
止階の増加や乗降時間の増加等によつて待時間が変化し
たときに待ち客に必要以上に不満を与える欠点を持つて
いるためあまり採用されていない。尚、これに変わつて
特開昭53−13747号に示されるように待時間をグラフイ
ツクで表示する方法も提案されているが、これもエレベ
ーターの現在の状態が乗場待ち客に分からないため、な
ぜ時間がかかるかが理解できず、乗場待ち客に不満を与
えることが多い。

〔発明が解決しようとする問題点〕

これらの待ち客に不満を与える原因は、エレベータ
ーがどのような状態にあつて、どのくらい待てばエレ
ベーターが到着するのかという２つの情報が同時に与え
られていないことに起因している。

本発明は上記した問題点を解決するためになされたも
ので、エレベーター待ち客に到着までの間に不満を持た
せないようにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するために、エレベーターの
現在いる階と待ち客のいる階の間を区分して進行方向に
向つて順番に所定形態にて発光させ、特にエレベーター
の現在の階と途中で停止する階の情報を、エレベーター
が走行・停止中の区別をして同時に表示することによつ
て、エレベーターが到着するまでに行なう時間を使う全
ての動作、すなわち途中の運転経路を待ち客に報知する
ようにしたものである。

〔作用〕

このような案内をすることにより、エレベーターの現
在位置と乗場との関係が視覚的に明瞭に把握できる。特
に、エレベーターの現在状態、停止階を表示すれば、乗
場待ち客は、例えばエレベーターが今５階にいて人が乗
降中であり、その後途中で３回停止する等のエレベータ
ーの途中の運転経路が分かるので、たとえ長待ちになつ
たとしても納得することができる。又途中の運転経路か
らおおよその待時間を推測することができる。

従来から途中の停止階を表示する技術、エレベーター
の走行・停止を表示する技術はそれぞれ実開昭50−1240
67号と特開昭52−147846号に開示されているが、本発明
はこの２つを同時に表示することにより上記した作用で
エレベーター待ち客に到着までの間に不満を持たせない
ようにすることができる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図から第８図により説
明する。

第２図は、公知のエレベーターの案内制御の構成図で
ある。

エレベーター制御装置１は、群管理制御装置２と各号
機制御装置３〜５により構成されており、群管理制御装
置２と各号機制御装置３〜５は通信を行つている。各階
乗場に設置された乗場呼び登録装置10により登録された
乗場呼びは、群管理制御装置２に入力され、割当て処理
を行つて、１台以上の号機制御装置に割当て信号を送
る。各号機制御装置３〜５は、割当て信号によつて乗場
報知器11の制御を行う。又、各号機制御装置３〜５は乗
かご12内のかご呼び13の登録、かご内報知器14の制御や
エレベーターの位置・方向検出等の制御を行う。

乗場報知器11の報知条件は、その階に停止予定のエレ
ベーターのみにしたり、ホール呼びが割当てられた時に
することは容易であり、例えば特開昭52−126850号他に
開示されているので詳細説明は省略する。

第１図は、４階のエレベーターホールを示したもの
で、各号機毎にホールランタン12と乗場報知器11が設け
てある。乗場報知器11は表示器（デイスプレイ）DPと音
声案内装置のスピーカーSPで構成されている。図は下方
向呼びが１号機（図中左側から１号機,2号機,3号機とす
る。）に割当てられており、上方向呼びが２号機に割当
てられている状態を示している。割当てのある１号機と
２号機の表示器は、点灯しているが割当てのない３号機
の表示器は消灯している。まず、下方向呼びを割当てら
れている１号機の表示内容を説明する。１号機は12階に
いて自階である４階との間に４つの左向矢印の表示が出
ている。この矢印は右から順に点灯してゆくために、12
階から４階へ向けて走行中で途中階はすべて通過予定と
いうことが分かる。次に２号機は２階にいて途止中であ
り１階へ行つた後方向反転して４階へ向うことを表示し
ており、途中停止予定の１階は文字表示してある。また
矢印を進行方向に向つて順にゆつくりと点灯、あるいは
全部同時に点滅させることによつて停止中を表わしてい
る。

又、左側には人の形をした表示を行い、かご到着時ま
たは現在のかご内の混雑度をグラフイツク表示している
ものである。この表示方法はかご内が混雑するに従つて
足の方から表示の塗りつぶし高さを高くし、首の高さ以
上で満員を表示するようにしたものである。

本実施例においてはホールランタン18と乗場報知器11
を別装置としているが、これは万一乗場報知器11又はホ
ールランタン18のいずれか一方が故障した場合にも割当
てエレベーターの表示と到着案内という最低限度の乗場
案内ができるように構成したものである。従つて故障を
考えなければホールランタン18を設置せず乗場表示器上
に予約・到着の案内をしても何ら差しつかえない。第３
図は、報知器11の構成図で（ａ）は、液晶やプラズマ等
の平面デイスプレイPDと音声案内用スピーカSPで構成し
たものであり、これらの信号の制御を行うコントローラ
ーCRが一体化構造となつている。（ｂ）は、多色LEDを
一面に配した平面デイスプレイPDLを用いた例である。
このコントローラーCRは、公知のマイコン制御装置であ
り表示面の分割、表示の点灯時間・消灯時間、等の制御
を行う。

（ｃ）はコントローラーCRの処理内容のブロツク構成
図である。コマンド受信部21はエレベーター制御装置１
と通信を行う部分であり、送信されてきたコマンドの内
自表示器に対する指令のみを選択的に受信する部分であ
る。コマンド判別部22は受信したコマンドが表示プログ
ラムや表示図形の登録を指示するコマンドかそれとも表
示を実行するコマンドかを判定する。表示プログラム・
表示図形登録部23は、プログラム登録制御や図形登録制
御を行う。表示コマンド解析・図形編集部24は、表示実
行指令によりすでに登録されている部分図形群25の図形
を組み合わせ編集し表示位置等の画面構成・点滅周期・
スクロール速度等を決定する。表示の実行部26はデイス
プレイに表示を行う。（ｄ）は通信されてくるコマンド
の一例を示したものである。

第４図は、エレベーターの位置を表示するための表示
形態を示したものである。これは、割当てと同一方向に
運転中のエレベーターが応じる場合である自階４階とエ
レ位置階を数値で表示し、その間を矢印で表示したもの
である。エレベーターの接近に対応して順次エレ位置の
表示を自階に接近させている。この方法の特徴は、各階
に対応した位置にエレベーターを位置（階）を表示する
のではないため階床数が多くなつた場合でも（ａ），
（ｂ）の例のように同じ位置に表示し、中に表示する数
値を変えれば違和感を与えることなくエレベーター位置
表示ができ、一定の大きさの表示器で表示できるという
メリットがある。

第５図に第４図（ａ）の矢印の点灯制御のタイムチヤ
ートを示す。（ａ）がエレベーター走行中の点灯方法で
（ｂ）及び（ｂ′）がエレベーターが停止中の点灯方法
である。さらに細かく戸の動作中、人の乗降中で表示速
度を変えたり、エレベーターの速度に応じて点滅速度を
変化させることも可能である。

第６図は、割当てと逆方向の運転中のエレベーターが
方向反転して応じる場合である。エレベーター位置６階
自階である４階の表示に加え、方向反転する予定階であ
る２階を表示する。自階の表示はエレベーターが通過す
るまでは、上下２段に分けて表示し、通過後は元に戻す
ことによつて方向反転後戻つてくることが分かる。

第７図は、自階４階に到着するまでの途中に停止予定
階である時にその階を表示した時の図である。この方法
のメリットは途中停止階が分かるので概略の待時間が推
測できる。

第８図は、第７図の変形例であり、途中の階で停止の
ためにかかる予測所要時間を停止予定階毎に表示したも
のである。この表示により、エレベーターに不慣れな人
でも待時間の概略計算が可能になる。また、この方法で
は新たな停止予定階が追加となつた場合にも待時間が長
くなる理由が一目瞭然に分るので納得ができる。

上記第４図から第８図で説明した表示に対し第５図で
説明したように矢印を進行方向に向つて順番に点灯させ
ることにより、どのような途中経過をたどつて待ち客の
いる階に到着するかを印象付けられる。この矢印はエレ
ベーターに到着まで繰り返し点灯を続け、エレベーター
が走行中であれば点灯速度を早くし停止中であればゆつ
くりするようにしているのでエレベーターの状態が良く
分かる。

さらに上記説明で用いた各表示要素毎に色を変える、
上昇用と下降用の矢印の色を変える、走行中と停止中で
色を変える等の色の変化で状態を区別するようにすれば
さらに効果があることは言うまでもない。

第９図は、本発明の別の実施例を示すものであり、エ
レベーターの進行方向とは無関係にエレ位置階を左側に
し、表示器設置階を右側に配したものである。この実施
例では（ｃ）で示したように割当てと逆方向に運転中の
エレベーターが方向反転して応じる場合でも上下２段に
表示を分割する必要がなく大きく見やすい表示とするこ
とができる。

第10図は本発明の別の実施例を示した図である。本実
施例では矢印表示の中を順次塗りつぶして行く方法であ
る。図中矢印の長さが待時間の長さに相当し、その塗り
つぶされた面積で待時間の長短を表わしている。又、自
階の数値表示は利用者自身が良く分っているために表示
を止めている。自階相当箇所には、エレベーターのかご
内混雑度表示を行つてデザインをすつきりさせている。

第11図は割当て方向と逆方向に運転中のエレベーター
が方向反転して応じる場合（第６図）の変形例である。
このような割当ては見た目に不自然な印象を与えること
も多く、エレベーターが方向反転するまでの間（第６図
の（ａ）〜（ｃ）の状態の時）は、エレベーター位置表
示を行わずに「このエレベーターがサービスします。」
を表示する例である。この表示はエレベーターが自階を
通りすぎた時点で（第６図の（ｃ）の状態の時）中止し
ても良い。

第12図は、長待ちとなる場合に一般情報を表示する例
である。エレベーターの待時間が所定時間以上長くなる
ようであればエレベーターの位置表示を止め、一般情報
（例えば天気予報・館内の伝言板の内容）を表示する。
このように表示することによつて位置表示が行なわれな
い時は長待ちを予測することもできる。

〔発明の効果〕

以上本発明によれば、乗場表示器にエレベーターがい
る階と表示器が設置されている階を表示し、その間を実
際の階床数とは１対１では対応しない複数の区間に分割
し、各区間をエレベーターの進行方向に向つて順次点灯
させることにより、エレベーターの状態を分かり易く表
示することができる。さらに、途中停止予定階を表示
し、走行中と停止中の区別も同時に表示することにより
エレベーターが到着するまでの時間を使う全ての動作が
分かるので乗場待ち客は既略の待時間を推測することが
でき、落ちついてエレベーターを待つことができる。

尚、本発明は単独エレベーターに適用しても効果があ
ることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の実施例にかかる全体説明図、第２図は
案内制御処理の全体構成図、第３図は表示器構成図、第
４図〜第７図は表示形態説明図、第８図〜第12図は本発
明の他の実施例の表示形態説明図である。 １……エレベーター制御装置、10……乗場呼び登録装
置、11……乗場報知器、DP……表示器。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６６Ｂ 3/00 Ｌ 3/02 Ｋ Ｌ (72)発明者 鈴木 和雄 東京都千代田区神田駿河台４丁目６番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 飛田 敏光 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭51−42244（ＪＰ，Ａ) 特開 昭47−20852（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−235278（ＪＰ，Ａ) 実開 昭51−148162（ＪＰ，Ｕ)

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の階床に就役するエレベーターと、乗
   場でエレベーターを呼び寄せるための乗場呼び装置と、
   行き先階を指示するかご呼び装置を備えたものにおい
   て、所定階の乗場に各エレベーター毎の表示装置を設
   け、少なくともエレベーターがいる階と上記表示装置が
   設けられた階を表示するようにし、上記２つの階の間を
   複数の区間に分割してエレベーターの進行方向に向かつ
   て各区間を順番に所定形態にて発光させることを特徴と
   するエレベーターの乗場表示装置。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項において、上記各区
   間に途中で停止する階を表示することを特徴とするエレ
   ベーターの乗場表示装置。
3. 【請求項３】特許請求の範囲第１項において、上記各区
   間の表示はエレベーターが停止中と走行中とで各区間を
   順番に発光させる速度を変えることを特徴とするエレベ
   ーターの乗場表示装置。
4. 【請求項４】特許請求の範囲第１項において、上記表示
   装置は乗り場呼びが登録されている階の表示装置のみ表
   示することを特徴とするエレベーターの乗場表示装置。