JPH08255929A - 半導体発光素子の製法 - Google Patents

半導体発光素子の製法

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JPH08255929A JP5768995A JP5768995A JPH08255929A JP H08255929 A JPH08255929 A JP H08255929A JP 5768995 A JP5768995 A JP 5768995A JP 5768995 A JP5768995 A JP 5768995A JP H08255929 A JPH08255929 A JP H08255929A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドライエッチングによるダメージやコンタミ
ネーションの付着を防止し、電気特性および発光効率の
向上した半導体発光素子の製法を提供する。 【構成】 (a)基板1上にチッ化ガリウム系化合物半
導体からなる一方の導電型層を成膜し、(b)該一方の
導電型層の一部をマスク10で覆い、(c)該マスクで
覆われない前記一方の導電型層上に少なくとも他の導電
型層を含むチッ化ガリウム系化合物半導体層3、4、
5、6をエピタキシャル成長し、(d)前記マスクを除
去し、該マスクの除去により露出した前記一方の導電型
層および前記他の導電型層にそれぞれn側およびp側の
電極9、8を設けることにより発光素子のチップを形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体発光素子の製法に
関する。さらに詳しくは、青色発光に好適なチッ化ガリ
ウム系化合物半導体を用いた半導体発光素子の製法に関
する。
【0002】ここにチッ化ガリウム系化合物半導体と
は、III 族元素のGaとV族元素のNとの化合物または
III 族元素のGaの一部がAl、Inなど他のIII 族元
素と置換したものおよび/またはV族元素のNの一部が
P、Asなど他のV族元素と置換した化合物からなる半
導体をいう。
【0003】また、半導体発光素子とは、pn接合また
はダブルヘテロ接合を有する発光ダイオード(以下、L
EDという)、スーパルミネッセントダイオード(SL
D)または半導体レーザダイオード(以下、LDとい
う)などの光を発生する半導体素子をいう。
【0004】
【従来の技術】従来青色のLEDは赤色や緑色に比べて
輝度が小さく実用化に難点があったが、近年チッ化ガリ
ウム系化合物半導体を用い、Mgをドーパントした低抵
抗のp型半導体層がえられたことにより、輝度が向上し
脚光をあびている。
【0005】ところで、チッ化ガリウム系のLEDの製
法はつぎに示されるような工程で行われ、その完成した
チッ化ガリウム系化合物半導体の斜視図を図3に示す。
【0006】まず、サファイア(Al2 3 単結晶)な
どからなる基板21に400〜700℃の低温で有機金
属化合物気相成長法(以下、MOCVD法という)によ
りキャリアガスH2 とともに有機金属化合物ガスである
トリメチルガリウム(以下、TMGという)、NH3
よびドーパントとしてのSiH4 などを供給し、n型の
GaN層からなる低温バッファ層22を0.01〜0.
2μm程度形成し、ついで900〜1200℃の高温で
同じガスを供給し同じ組成のn型のGaNからなる高温
バッファ層23を2〜5μm程度形成する。
【0007】ついで前述のガスにさらにトリメチルアル
ミニウム(以下、TMAという)の原料ガスを加え、n
型ドーパントのSiを含有したn型Alx Ga1-x
(0<x<1)層を成膜し、ダブルヘテロ接合形成のた
めのn型クラッド層24を0.1〜0.3μm程度形成
する。
【0008】つぎに、バンドギャップエネルギーがクラ
ッド層のそれより小さくなる材料、たとえば前述の原料
ガスのTMAに代えてトリメチルインジウム(以下、T
MIという)を導入し、Gay In1-y N(0<y≦
1)からなる活性層25を0.05〜0.1μm程度形
成する。
【0009】さらに、n型クラッド層24の形成に用い
たガスと同じ原料のガスで不純物原料ガスをSiH4
代えてp型不純物としてMgまたはZnをビスシクロペ
ンタジエニルマグネシウム(Mg(C552)(以
下、Cp2 Mgという)またはジメチル亜鉛(以下、D
MZnという)として加えて反応管に導入し、p型クラ
ッド層26であるp型Alx Ga1-x N層を気相成長さ
せる。これらのn型クラッド層24と活性層25とp型
クラッド層26とによりダブルヘテロ接合が形成され
る。
【0010】ついでキャップ層27形成のため、前述の
バッファ層23と同様のガスで不純物原料ガスとしてC
2 MgまたはDMZnを供給してp型のGaN層を
0.3〜1μm程度成長させる。
【0011】そののちSiO2 やSi3 4 などの保護
膜を半導体層の成長層表面全面に設け、400〜800
℃、15〜60分間程度アニールを行い、p型クラッド
層26およびキャップ層27の活性化を図る。
【0012】ついで、保護膜を除去したのち、n側の電
極を形成するため、レジストを塗布してパターニングを
行い、成長した各半導体層の一部をエッチング除去して
n型層であるクラッド層24またはバッファ層23を露
出させる。エッチングは硝酸とリン酸の混合液によるウ
エットエッチングかまたはCl2 とBCl3 の混合ガス
などを導入した塩素系プラズマによる反応性イオンエッ
チングであるドライエッチングにより行われる。
【0013】ついで、Au、Alなどの金属膜をたとえ
ば蒸着、スパッタリングなどにより形成してp側および
n側の両電極29、30を形成し、ダイシングすること
によりLEDチップを形成している。
【0014】前述のチッ化ガリウム系化合物半導体を用
いた半導体発光素子の製法では、前述のように、基板と
してサファイア基板を用いているため、裏面から電極を
とることができず、積層された半導体層の一部をエッチ
ングしてn型半導体層であるクラッド層24またはバッ
ファ層23を露出させ、その露出面にn側電極30を設
けている。このエッチングはウエットエッチングにより
行うと250℃以上の高温で、10〜30分間の長時間
行わなければならず、またエッチング面の垂直性がえら
れないという理由からドライエッチングが一般に用いら
れている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のチッ化
ガリウム系化合物半導体をドライエッチングによりエッ
チングすると、イオン衝撃による半導体層の表面がダメ
ージを受けること、半導体層の組成にAlが存在すると
ClとAlとが化合して塩化アルミニウムが生成され、
エッチングにより露出した面に付着してコンタミネーシ
ョンとなる。塩化アルミニウムがエッチングにより露出
した表面で電極が設けられる場所に付着すると電極との
接触抵抗が増大したり、側壁に付着すると発生する光の
出力を低下させたり、散乱させたりするという問題があ
る。
【0016】さらに、Cl2 ガスは一般に有毒で、取扱
いが難しいという問題がある。
【0017】本発明はこのような問題を解決し、ドライ
エッチングによるダメージやコンタミネーションの付着
を防止し、電気特性および発光効率の向上した半導体発
光素子の製法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体発光素子
の製法は、(a)基板上にチッ化ガリウム系化合物半導
体からなる一方の導電型層を成膜し、(b)該一方の導
電型層の一部をマスクで覆い、(c)該マスクで覆われ
ない前記一方の導電型層上に少なくとも他の導電型層を
含むチッ化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシャル
成長し、(d)前記マスクを除去し、該マスクの除去に
より露出した前記一方の導電型層および前記他の導電型
層にそれぞれn側およびp側の電極を設けることを特徴
とする。
【0019】前記一方の導電型層の成膜をチッ化ガリウ
ム系化合物半導体の多結晶膜で成膜し、該多結晶膜の一
部を前記マスクで覆ったのち該多結晶膜を高温にして単
結晶化し、該単結晶化して前記マスクで覆われない前記
一方の導電型層上に前記半導体層をエピタキシャル成長
することが、高温のエピタキシャル成長中にマスク形成
工程を入れなくてもよいため好ましい。
【0020】前記一方の導電型層がチッ化ガリウム系化
合物半導体からなるn型バッファ層で、前記一方の導電
型層上に積層されるチッ化ガリウム系化合物半導体から
なるエピタキシャル成長層が少なくともn型クラッド
層、活性層、p型クラッド層を含む層であることが、発
光効率の高い半導体発光素子がえられるため好ましい。
前記一方の導電型層がチッ化ガリウム系化合物半導体か
らなるn型バッファ層で、前記一方の導電型層上に積層
されるチッ化ガリウム系化合物半導体からなるエピタキ
シャル成長層が少なくともn型層とp型層とのpn接合
を有する層を含むものであることが、簡単な構成で半導
体発光素子がえられるため好ましい。
【0021】
【作用】本発明の半導体発光素子の製法によれば、バッ
ファ層の一部をSiO2 膜などのマスクにより覆ってマ
スクされていない部分にのみn型層およびp型層をエピ
タキシャル成長させるので、SiO2 膜などの非晶質体
には半導体のエピタキシャル成長はされず付着しない。
その結果、マスクのない部分のみに半導体層が成長し、
そののちマスクを除去することにより、n側電極を形成
することができ、チッ化ガリウム系化合物半導体層を反
応性イオンエッチングなどのエッチングを行わなくてす
み、半導体層の組成にかかわらず、コンタミネーション
の問題がなく低抵抗の電極形成ができる。
【0022】
【実施例】つぎに添付図面を参照しながら本発明の半導
体発光素子の製法を説明する。
【0023】図1は本発明の半導体発光素子の製法の一
実施例の工程断面説明図、図2は本発明の半導体発光素
子の製法の他の実施例の工程断面説明図である。
【0024】実施例1 まず、図1(a)に示されるように、サファイアなどか
らなる基板1に、MOCVD法により、たとえばキャリ
アガスのH2 にTMGとNH3 の反応ガスを導入し、4
00〜700℃で反応させてn型GaNなどのチッ化ガ
リウム系半導体層からなる低温バッファ層2を0.01
〜0.2μm程度成膜する。
【0025】つぎに、MOCVD装置から基板を取り出
し、CVD法により、半導体層の表面全面にSiO2
またはSi3 4 膜などからなるマスク10を成膜す
る。マスク10の成膜は0.1〜0.5μm程度設けれ
ばよい。つぎに通常のフォトリソグラフィ工程により積
層された半導体層をエッチングする部分のみにマスク1
0を残し、その他の部分をエッチングにより除去する
(図1(b)参照)。
【0026】つぎに、900〜1200℃程度の高温に
し、5〜30分間保持することにより低温バッファ層2
を単結晶化させる。そののち900〜1200℃の高温
に維持したまま低温バッファ層2の形成と同じ原料ガス
を導入して反応させると、図1(c)に示されるよう
に、エッチングによりマスク10が除去された部分にn
型GaNの単結晶が成長し、高温バッファ層3を2〜4
μm程度設ける。この際、反応ガスの反応による成膜
は、本来全面で行われるが、SiO2 やSi3 4など
からなるマスク10は表面が単結晶になっておらず結晶
成長が起らない。そのためマスク10上にはチッ化ガリ
ウム系化合物半導体層は成長せず、マスク10が除去さ
れて低温バッファ層2が露出した部分のみに成長する。
【0027】つぎに前述のガスにさらにTMAを追加し
てn型Alx Ga1-x N(0<x<1)からなるn型ク
ラッド層4を0.1〜0.3μm程度形成し、さらに不
純物原料ガスを止め、かつ、TMAに代えてTMIを導
入し、ノンドープまたはn型もしくはp型の活性層5を
0.05〜0.1μm程度形成する。
【0028】さらに、n型クラッド層4の形成に用いた
ガスと同じ原料ガスで不純物原料ガスをSiH4 などに
代えてCp2 MgまたはDMZnを供給してp型Alx
Ga1-x Nからなるp型クラッド層6を0.1〜0.3
μm程度、同様にp型GaNからなるキャップ層7を
0.3〜1μm程度成長させる。
【0029】これらのチッ化ガリウム系化合物半導体層
は全て前述の高温バッファ層3上に単結晶として成長す
るため、マスク10よりも上層でマスクがなくなった部
分に成膜されるばあいでもマスク10上には成膜されな
いで、マスクのない部分のみに真っ直ぐ上方に成膜され
る。
【0030】そののちSiO2 やSi3 4 などの保護
膜を半導体層の成長層表面全面に設け、400〜800
℃、20〜60分間程度のアニールを行い、p型クラッ
ド層6およびキャップ層7の活性化を図る。
【0031】アニールが完了すると、温度を室温まで下
げて、保護膜およびマスク10をフッ酸またはフッ酸と
フッ化アンモニウム混合溶液(バッファードフッ酸)に
よるウエットエッチングにより除去する。
【0032】ついで図1(d)に示されるように、A
u、Alなどの金属膜をスパッタリングなどにより設
け、積層された化合物半導体層の表面でp型層に電気的
に接続されるp側電極8、露出した低温バッファ層2の
表面でn型層に電気的に接続されるn側電極9を形成す
る。つぎに、各チップにダイシングして、LEDチップ
が形成される。
【0033】実施例2 実施例1ではダブルヘテロ接合のLEDであったが、図
2に示されるように、pn接合のばあいも同様に製造す
ることができる。
【0034】すなわち、実施例1と同様にMOCVD法
により成膜されたn型GaNからなる低温バッファ層2
(図2(a)参照)の表面にCVD法によりSiO2
どからなるマスク10を0.1〜0.5μm程度成膜
し、n側電極の形成に必要な部分のみを残し、その他の
部分をエッチング除去する(図2(b)参照)。そのの
ち、MOCVD法により、たとえばn型Alu Ga1-u
N(0<u<1)からなるn型層14を2〜4μm程度
およびたとえばp型Gav In1-v N(0<v≦1)か
らなるp型層16を0.5〜2μm程度、前述と同様の
ガスにより成長する(図2(c)参照)。
【0035】ついで、マスク10をフッ酸またはフッ酸
とフッ化アンモニウム混合溶液によるウエットエッチン
グにより除去し、Au、Alなどからなる金属膜をスパ
ッタリングなどにより形成し、p側電極18、n側電極
19を形成し(図2(d)参照)、各チップにダイシン
グして、pn接合型のLEDチップが形成される。
【0036】前記各実施例では低温バッファ層2を設け
た状態でマスク10を設けているが、この工程でマスク
10を設けることにより、マスク10を設けるためにM
OCVD装置から取り出す際の温度変化が、400〜7
00℃の低温から室温への変化であるため好ましい。し
かし低温バッファ層3は薄く抵抗が大きくなること、基
板との不整により結晶欠陥や転位が生じ易く電流が流れ
にくくなること、などのため電極間抵抗が増加し易い。
そこで、n側電極9に接続されるn型層の抵抗を充分小
さくするため低温バッファ層2上にさらに900〜12
00℃の高温で単結晶層からなる高温バッファ層3の一
部または全部を設けたのち一旦室温まで下げてMOCV
D装置から取り出し、マスク10を設けてもよい。
【0037】さらに、前記各実施例ではダブルヘテロ接
合とヘテロpn接合のLEDであったが、ホモpn接合
LEDや種々の構造のレーザダイオードなどのチッ化ガ
リウム系化合物半導体からなる発光素子についても同様
である。またチッ化ガリウム系半導体も前述の組成の材
料に限定されず、一般にAlp Gaq In1-p-q N(0
≦p<1、0<q≦1、0<p+q≦1)からなり、た
とえば活性層のバンドギャップエネルギーがクラッド層
のバンドギャップエネルギーより小さくなるように各組
成の比率を選定し、p、qの選定により組成を変化させ
たものでもよい。また、前記Alp Gaq In1-p-q
のNの一部または全部をAsおよび/またはPなどで置
換した材料でも同様に本発明を適用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明の半導体発光素子の製法によれ
ば、作業が難しいエッチング工程が不要となり、工程を
大幅に削減できる。さらにドライエッチングによるコン
タミネーションの付着を避けることができるため発光効
率がよく、安定した発光量で信頼性のある半導体発光素
子をうることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体発光素子の製法の一実施例を示
す工程断面説明図である。
【図2】本発明の半導体発光素子の製法の他の実施例を
示す工程断面説明図である。
【図3】従来の半導体発光素子の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 4 n型クラッド層 5 活性層 6 p型クラッド層 7 キャップ層 10 マスク 14 n型層 16 p型層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)基板上にチッ化ガリウム系化合物
    半導体からなる一方の導電型層を成膜し、(b)該一方
    の導電型層の一部をマスクで覆い、(c)該マスクで覆
    われない前記一方の導電型層上に少なくとも他の導電型
    層を含むチッ化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシ
    ャル成長し、(d)前記マスクを除去し、該マスクの除
    去により露出した前記一方の導電型層および前記他の導
    電型層にそれぞれn側およびp側の電極を設けることに
    より発光素子のチップを形成する半導体発光素子の製
    法。
  2. 【請求項2】 前記一方の導電型層の成膜をチッ化ガリ
    ウム系化合物半導体の多結晶膜で成膜し、該多結晶膜の
    一部を前記マスクで覆ったのち該多結晶膜を高温にして
    単結晶化し、該単結晶化して前記マスクで覆われない前
    記一方の導電型層上に前記半導体層をエピタキシャル成
    長する請求項1記載の半導体発光素子の製法。
  3. 【請求項3】 前記一方の導電型層がチッ化ガリウム系
    化合物半導体からなるn型バッファ層で、前記一方の導
    電型層上に積層されるチッ化ガリウム系化合物半導体か
    らなるエピタキシャル成長層が少なくともn型クラッド
    層、活性層、p型クラッド層を含む層である請求項1ま
    たは2記載の半導体発光素子の製法。
  4. 【請求項4】 前記一方の導電型層がチッ化ガリウム系
    化合物半導体からなるn型バッファ層で、前記一方の導
    電型層上に積層されるチッ化ガリウム系化合物半導体か
    らなるエピタキシャル成長層が少なくともn型層とp型
    層とのpn接合を有する層を含むものである請求項1ま
    たは2記載の半導体発光素子の製法。
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