JPH11214750A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法

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JPH11214750A
JPH11214750A JP3052998A JP3052998A JPH11214750A JP H11214750 A JPH11214750 A JP H11214750A JP 3052998 A JP3052998 A JP 3052998A JP 3052998 A JP3052998 A JP 3052998A JP H11214750 A JPH11214750 A JP H11214750A
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JP
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gallium nitride
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side contact
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JP3052998A
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English (en)
Inventor
Mutsuyuki Yoshie
睦之 吉江
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光強度および信頼性が高い窒化ガリウム系
化合物半導体発光素子を製造することができる、窒化ガ
リウム系化合物半導体発光素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 基板11上に、GaNバッファ層12お
よび基板側コンタクト層14を形成した後、基板側コン
タクト層14上に開口部15を有する成長防止層16を
形成する。その後、開口部15によって露出した基板側
コンタクト層14上に、活性層24を含む半導体層18
〜30を積層する。続いて、成長防止層16を除去する
ことによって基板側電極形成領域32aおよび32bを
形成し、表面側コンタクト層30上にp側電極34、基
板側コンタクト層14上にn側電極36を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は窒化ガリウム系化
合物半導体発光素子の製造方法に関し、特にたとえば窒
化ガリウム系発光ダイオードや窒化ガリウム系レーザダ
イオードなどの窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
(GaXInYAl1-X-YN、0≦X≦1、0≦Y≦1で
表される半導体層を活性層とする半導体発光素子。)に
は、窒化ガリウム系発光ダイオードや窒化ガリウム系レ
ーザダイオードがあり、これらは青色発光素子として機
能する。従って、これらの窒化ガリウム系化合物半導体
発光素子を他の赤色、緑色の発光素子と組み合わせるこ
とによって、フルカラーディスプレーを作製することが
できる。このため、窒化ガリウム系発光ダイオードおよ
び窒化ガリウム系レーザダイオードの発光強度および信
頼性の向上は、重要な研究課題となっている。
【0003】図7を参照して、従来の窒化ガリウム系発
光ダイオード100の製造方法の一例について説明す
る。
【0004】図7の製造方法においては、まず、図7
(a)に示すように、サファイアからなる基板101
に、アンドープGaNバッファ層102、n型GaNか
らなる基板側コンタクト層103、n型AlGaNクラ
ッド層104、InGaN活性層105、GaNキャッ
プ層106、p型GaNクラッド層107、およびp型
GaNからなる表面側コンタクト層108を、この順序
で積層する。
【0005】次に、ニッケル薄膜等をマスクとし、反応
性イオンエッチング法(以下、RIE法という。)を用
いて、図7(b)に示すように、表面側コンタクト層1
08から基板側コンタクト層103の途中までを選択的
に除去し、基板側電極形成領域(この従来例では、n側
電極を形成するための領域である。)109aおよび1
09bを形成する。
【0006】続いて、図7(c)に示すように、表面側
コンタクト層108上にNiからなるp側電極110を
形成し、基板側電極形成領域109aの基板側コンタク
ト層103上にAlからなるn側電極111を形成す
る。
【0007】このようにして、窒化ガリウム系発光ダイ
オード100が製造されるが、窒化ガリウム系発光ダイ
オード100に用いられる基板101は、結晶性良く半
導体層を結晶成長させる必要から、絶縁物であるサファ
イアが通常用いられる。従って、n側電極111を基板
101の裏面側から取り出すことができず、p側電極1
10およびn側電極111をともに発光ダイオードの表
面側から取り出す必要がある。このため、図7(b)に
示すように、半導体層をエッチングして基板側電極形成
領域109aおよび109bを形成することが不可欠で
ある。
【0008】エッチングの方法には、一般にウエットエ
ッチングとドライエッチングがあるが、GaN系半導体
は化学的に安定であるためウエットエッチングは困難で
あり、RIE法によるドライエッチングが一般的であ
る。
【0009】なお、窒化ガリウム系レーザダイオードに
おいても、同様の理由でサファイアからなる絶縁性基板
が用いられており、半導体層を積層した後に、基板側電
極形成領域をドライエッチングで形成することによって
p側電極およびn側電極を素子の表面側に形成する点に
おいて、窒化ガリウム系発光ダイオード100と同様で
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法で
は、エッチングによって基板側電極形成領域109aお
よび109bを形成していたため、半導体層103〜1
08の接合端面がエッチングによるダメージを受けると
いう問題があった。
【0011】たとえば、窒化ガリウム系発光ダイオード
100では、接合端面のダメージがリーク電流等の原因
となり、発光強度および信頼性を低下させる原因とな
る。また、窒化ガリウム系レーザダイオードでは、接合
端面のダメージによってレーザ共振面が劣化するため、
発光強度および信頼性の低下の原因となる。
【0012】さらに、半導体層のエッチングは、基板側
コンタクト層103の途中の部分で停止させることが必
要であるが、ドライエッチングを制御性良く正確な深さ
で止めることは困難である。このため、高不純物濃度の
基板側コンタクト層103を、発光素子として動作する
ために必要な膜厚以上の膜厚(3μm〜5μm)で形成
しなければならない。しかし、高不純物濃度である基板
側コンタクト層の膜厚を厚く形成すると、結晶性が悪く
なり、基板側コンタクト層103上に形成される半導体
層の結晶性が低下してしまい、発光素子の発光強度およ
び信頼性の低下をもたらすという問題がある。
【0013】それゆえに、この発明の主たる目的は、半
導体層をエッチングすることなく基板側電極形成領域を
形成することによって発光強度および信頼性が高い窒化
ガリウム系化合物半導体発光素子を製造することができ
る、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法を
提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の半導体受光素子は、基板上または
基板上に形成された半導体層上に基板側コンタクト層を
形成する第1の工程と、基板側コンタクト層上の一部に
活性層を含む複数の半導体層を形成する第2の工程とを
含む窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法で
あって、第2の工程は、基板側コンタクト層上の一部に
成長防止層を形成する工程と、成長防止層が形成されて
いない基板側コンタクト層上に活性層を含む複数の半導
体層を積層する工程と、成長防止層を除去する工程と
を、含むことを特徴とするものである。
【0015】請求項2に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体発光素子の製造方法は、請求項1に記載の窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光素子の製造方法において、窒化
ガリウム系化合物半導体発光素子は発光ダイオードを含
むものである。
【0016】請求項3に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体発光素子の製造方法は、請求項1に記載の窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光素子の製造方法において、窒化
ガリウム系化合物半導体発光素子はレーザダイオードを
含むものである。
【0017】請求項4に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体発光素子の製造方法は、請求項1ないし3のいずれ
かに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造
方法において、成長防止層はSiO2であるものであ
る。
【0018】請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半
導体発光素子の製造方法は、特定の物質上には窒化ガリ
ウム系半導体が成長しないこと(応用物理学会93年秋
季講演予稿集p322、30a−ZS−11等)に着目
したものである。すなわち、請求項1に記載の窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光素子の製造方法によれば、基板
側コンタクト層上の一部に成長防止層を形成することに
よって、成長防止層が形成されていない基板側コンタク
ト層上にのみ、活性層を含む複数の半導体層を形成する
ことが可能となる。
【0019】さらに、活性層を含む複数の半導体層を形
成したのち成長防止層を除去することによって、基板側
コンタクト層を露出させることができるため、従来の方
法とは異なり、半導体層をエッチングすることなく基板
側コンタクト層に基板側電極を形成することが可能とな
る。
【0020】請求項2または3に記載の記載の窒化ガリ
ウム系化合物半導体発光素子の製造方法は、請求項1に
記載の製造方法を用いて発光ダイオードまたはレーザダ
イオードを製造するものである。
【0021】また、請求項4に記載の窒化ガリウム系化
合物半導体発光素子の製造方法は、成長防止層としてS
iO2を用いたものであるが、これは、SiO2が窒化ガ
リウム系半導体の成長を防止する効果が高いという知見
に基づいたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。
【0023】図1を参照して、この発明の一実施形態に
ついて説明する。この実施形態は、窒化ガリウム系発光
ダイオード10の製造方法に、この発明を用いたもので
ある。
【0024】まず、図1(a)に示すように、基板11
上に、GaNバッファ層12および基板側コンタクト層
14を順次形成する。
【0025】すなわち、まず、サファイア(0001)
からなる基板11をMOCVD(有機金属気相成長)装
置(図示せず)に設置した後、基板11を非単結晶成長
温度、例えば600℃の成長温度に保持し、キャリアガ
スとして水素ガス(H2)および窒素ガス(N2)、原料
ガスとしてアンモニア(NH3)およびトリメチルガリ
ウム(Ga(CH33)を用いて、基板11上に、膜厚
100オングストローム〜500オングストローム(た
とえば300オングストローム)で非単結晶のアンドー
プGaNバッファ層12を成長させる。
【0026】次に、基板11を単結晶成長温度、好まし
くは1000℃〜1200℃、例えば1150℃の成長
温度に保持し、キャリアガスとして水素ガスおよび窒素
ガス、原料ガスとしてアンモニアおよびトリメチルガリ
ウム、ドーパントガスとしてシランガスを用いて、基板
11上に、膜厚2μm〜4μm(たとえば2μm)でS
iドープのn型GaNからなる基板側コンタクト層14
を結晶成長させる。なお、基板側コンタクト層14は、
基板11に直接形成してもよいが、GaNバッファ層1
2を挿入することによって、基板側コンタクト層14の
結晶性が向上する。
【0027】その後、図1(b)に示すように、基板側
コンタクト層14上の一部に、開口部15を有する成長
防止層16を選択的に形成する。
【0028】すなわち、MOCVD装置から基板11を
取り出し、基板側コンタクト層14上にSi02からな
る成長防止層16をECRプラズマ装置(図示せず)に
よって、たとえば3μmの厚さに形成したのち、フォト
リソ工程およびエッチング工程によって、半導体層を成
長させる部分となる開口部15を形成する。なお、成長
防止層16をECRプラズマ装置によって形成する際に
金属マスクを用いることによっても、上記成長防止層1
6の選択的な形成が可能である。
【0029】なお、成長防止層16は、成長防止層16
の膜厚が以下の製造工程で基板側コンタクト層14上に
積層される半導体層18〜30の膜厚の合計より厚くな
るように形成される。
【0030】次に、基板11全体をアセトンに浸漬する
ことによって余分な油脂分をとりさった後、成長防止層
16を形成する際に生成する、基板側コンタクト層14
表面の酸化物(図示せず)を除去する。すなわち、MO
CVD装置に基板11を設置し、キャリアガスとして水
素ガス、窒素ガス、およびアンモニアを供給しながら、
好ましくは600℃〜1200℃、例えば1050℃の
温度に基板11を保つことによって、基板側コンタクト
層14表面の酸化物を除去する。
【0031】その後、図1(c)に示すように、開口部
15によって露出した基板側コンタクト層14上に、n
型GaNバッファ層18、n型GaN層20、n型Al
GaNクラッド層22、活性層24、GaNキャップ層
26、p型AlGaNクラッド層28、表面側コンタク
ト層30を、この順序で積層する。
【0032】このとき、積層される半導体層18〜30
は、SiO2からなる成長防止層16上には成長せず、
開口部15によって露出した基板側コンタクト層14上
にのみ成長する。また、成長防止層16の膜厚が、基板
側コンタクト層14上に形成される半導体層の膜厚の合
計よりも厚いため、半導体層18〜30は成長防止層1
6の側面にそって成長する。
【0033】図1(c)に示す製造工程としては、ま
ず、基板11を単結晶成長温度、好ましくは1000℃
〜1200℃、例えば1050℃の成長温度に保持し、
キャリアガスとして水素ガスおよび窒素ガス、原料ガス
としてアンモニアおよびトリメチルガリウム、ドーパン
トガスとしてシランガスを用いて、基板側コンタクト層
14上に、膜厚0.2μm〜1μm(たとえば0.5μ
m)のn型GaNバッアァ層18を結晶成長させる。
【0034】続いて、基板11を単結晶成長温度、好ま
しくは1000℃〜1200℃、例えば1150℃の成
長温度に保持し、キャリアガスとして水素ガスおよび窒
素ガス、原料ガスとしてトリメチルガリウムおよびアン
モニア、ドーパントガスとしてシランガスを用いること
によって、n型GaNバッファ層18上に、膜厚0.5
μm〜2μm(たとえば1μm)でSiドープのn型G
aN層20を結晶成長させる。
【0035】次に、基板11を単結晶成長温度、好まし
くは1000℃〜1200℃、例えば1150℃の成長
温度に保持し、キャリアガスとして水素ガスおよび窒素
ガス、原料ガスとしてアンモニア、トリメチルガリウ
ム、およびトリメチルアルミニウム(Al(C
33)、ドーパントガスとしてシランガスを用いるこ
とによって、n型GaN層20上に、膜厚0.2μm〜
0.5μm(たとえば0.4μm)でSiドープのn型
AlGaNクラッド層22を結晶成長させる。なお、n
型AlGaNクラッド層22の組成は、たとえばAl
0.15Ga0.85Nである。
【0036】次に、基板11を単結晶成長温度、好まし
くは600℃〜1000℃、例えば800℃の成長温度
に保持し、キャリアガスとして水素ガスおよび窒素ガ
ス、原料ガスとしてアンモニア、トリエチルガリウム、
トリメチルインジウム(In(CH33)を用いること
によって、n型AlGaNクラッド層22上に、膜厚1
5オングストローム〜40オングストローム(たとえば
25オングストローム)のInGaNからなる活性層2
4を結晶成長させる。なお、ドーパントガスとしてシラ
ンガスまたはジエチル亜鉛(Zn(C252)を用
い、SiまたはZnドープのInGaNを活性層24に
用いても良い。
【0037】次に、基板11を単結晶成長温度、好まし
くは600℃〜1000℃、例えば800℃の成長温度
に保持し、キャリアガスとして水素ガスおよび窒素ガ
ス、原料ガスとしてアンモニア、およびトリメチルガリ
ウムもしくはトリエチルガリウムを用いることによっ
て、活性層24上に、膜厚100オングストローム〜5
00オングストローム(たとえば200オングストロー
ム)でアンドープのGaNキャップ層26を結晶成長さ
せる。
【0038】次に、基板11を単結晶成長温度、好まし
くは1000℃〜1200℃、例えば1150℃の成長
温度に保持し、キャリアガスとして水素ガスおよび窒素
ガス、原料ガスとしてアンモニア、トリメチルガリウ
ム、およびトリメチルアルミニウム、ドーパントガスと
してシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)
を用いることによって、GaNキャップ層26上に、膜
厚0.2μm〜0.5μm(たとえば0.4μm)でM
gドープのp型AlGaNクラッド層28を結晶成長さ
せる。なお、p型AlGaNクラッド層22の組成は、
たとえばAl0.15Ga0.85Nである。
【0039】続いて、基板11を単結晶成長温度、好ま
しくは1000℃〜1200℃、例えば1150℃の成
長温度に保持し、キャリアガスとして水素ガスおよび窒
素ガス、原料ガスとしてトリメチルガリウムおよびアン
モニア、ドーパントガスとしてシクロペンタジエニルマ
グネシウムを用いることによって、p型AlGaNクラ
ッド層28上に、膜厚0.2μm〜1μm(たとえば
0.5μm)でMgドープのp型GaNからなる表面側
コンタクト層30を結晶成長させる。
【0040】その後、基板11をMOCVD装置から取
り出し、バッファードフッ酸で基板11を洗浄すること
によって、図2(a)に示すように成長防止層16を除
去する。
【0041】ここで、成長防止層16が除去された部分
は、図2(a)に示す基板側電極形成領域32aおよび
32bとなる。なお、基板側電極形成領域32bは、基
板11上に複数の窒化ガリウム系発光ダイオード10を
同時に作製する場合に、隣接する発光ダイオードのn側
電極を形成し、各発光ダイオードを分離するための部分
となるが、図1および図2では説明を簡略化するため、
隣接する発光ダイオードの図示は省略している。
【0042】次に、p型AlGaNクラッド層28およ
び表面側コンタクト層30のドーパントを活性化するた
めに、基板11を窒素雰囲気中、700℃〜800℃で
30分〜60分間保持する。
【0043】その後、図2(b)に示すように、表面側
コンタクト層30上にAuからなるp側電極34を蒸着
法等によって形成し、さらに、基板側電極形成領域32
aの基板側コンタクト層14上にAlからなるn側電極
36を蒸着法等によって形成する。そして、基板11を
500℃で熱処理することによって、p側電極34およ
びn側電極36を、それぞれ表面側コンタクト層30お
よび基板側コンタクト層14にオーミック接触させる。
【0044】その後、基板11を切断して各素子ごとに
分離することによって、図2(b)に示す窒化ガリウム
系発光ダイオード10が作製される。
【0045】上記実施形態によって製造される窒化ガリ
ウム系発光ダイオード10の平面図を、図3(a)に示
す。
【0046】図1および図2に示した方法によって作製
された窒化ガリウム系発光ダイオード10は、従来の方
法による窒化ガリウム系発光ダイオードと比較して、エ
ッチングによる接合端面のダメージがないことから素子
の信頼性が高い。また、基板側コンタクト層14表面の
平坦性が良いことから、基板側コンタクト層14とn側
電極36の接触抵抗が低く、低い動作電圧で動作するこ
とが可能となる。さらに、基板側コンタクト層14の膜
厚が薄いことから基板側コンタクト層14上に積層され
る結晶層の結晶性が高くなり発光強度が高くなる。
【0047】たとえば、動作電流20mAの時の動作電
圧を比較すると、従来の製造方法による窒化ガリウム系
発光ダイオードでは動作電圧が約4.0Vであったのに
対し、上記実施形態のものは約3.8Vであった。ま
た、そのときの発光強度は、上記実施形態によるものは
従来法によるものの1.5倍となった。さらに、連続し
て発光させた場合に、発光強度が初期の発光強度の半分
になるまでの時間は、上記実施形態によるものは従来法
によるものの2倍となった。
【0048】さらに、上記実施形態では、半導体層18
〜30をドライエッチングする工程が不要となるため、
安価に窒化ガリウム系発光ダイオード10を製造するこ
とができる。
【0049】また、上記実施形態では、素子の平面構造
を図3(a)に示される平面構造とすることによって、
製造歩留まりが高く、発光が均一な窒化ガリウム系発光
ダイオード10が得られる。
【0050】すなわち、従来の発光ダイオードでは、図
3(b)に示す発光ダイオード10bのように、p側電
極34bおよびn側電極36bは、矩形に形成される表
面側コンタクト層30bおよび基板側コンタクト層14
bの隅部に、対向するように形成されているものが一般
的である。しかし、表面側コンタクト層30bの隅部
は、表面側コンタクト層30bの他の部分よりも構造的
に弱いため、p側電極34bにワイヤボンディングする
際の失敗が多く、歩留まり低下の原因となる。これに対
し、図3(a)に示す窒化ガリウム系発光ダイオード1
0の構造では、構造的に安定な部分にワイヤボンディン
グするため、歩留まりを向上させることができる。
【0051】さらに、図3(a)に示すように、p側電
極34とn側電極36とを、表面側コンタクト層30の
中心線XY上に位置させることによって、均一な発光を
得ることができる。
【0052】なお、図3(a)の平面図に示される構造
は、この発明の実施形態の一例であり、この発明が図3
(a)の構造に限定されるわけではない。
【0053】また、上記実施形態においては、基板側コ
ンタクト層14としてドーパント濃度が5×1017cm
-3〜1×1019cm-3のn型GaNが用いられ、n型G
aNバッファ層18としてドーパント濃度が1×1017
cm-3〜2×1018cm-3のn型GaN層が用いられ
る。このとき、基板側コンタクト層14のドーパント濃
度を3×1018cm-3とし、n型GaNバッファ層18
のドーパント濃度を5×1017cm-3とするように、基
板側コンタクト層14のドーパント濃度がn型GaNバ
ッファ層18のドーパント濃度よりも高くなるようにす
るほうが好ましい。
【0054】これによって、発光素子として機能する場
合、図4(a)の矢印で示すように、キャリアはまず基
板側コンタクト層14の全面に拡散した後、n型GaN
バッファ層18に注入される。このため、基板側コンタ
クト層14のドーパント濃度をn型GaNバッファ層1
8のドーパント濃度よりも低くした場合(図4(b)の
発光ダイオード10c)のように、キャリアがn側電極
近傍のn型GaNバッファ層18に集中して注入される
ということがなく、素子全体に均一な発光が得られる。
【0055】図5を参照して、この発明の他の実施形態
について説明する。この実施形態は、窒化ガリウム系レ
ーザダイオード40の製造方法に、この発明を用いたも
のである。
【0056】まず、図5(a)に示すように、基板41
上に、GaNバッファ層42および基板側コンタクト層
44を順次形成した後、図5(b)に示すように、基板
側コンタクト層44上の一部に、開口部45を有する成
長防止層46を選択的に形成する。成長防止層46の膜
厚は、たとえば3.5μmであり、以下の工程で形成さ
れる半導体層48〜62の膜厚の合計よりも厚く形成さ
れる。なお、図5(a)および図5(b)の工程および
説明は、図1(a)および図1(b)の工程および説明
と同様であるので重複する説明は省略する。
【0057】次に、基板41全体をアセトンに浸漬する
ことによって余分な油脂分をとりさった後、成長防止層
46を形成する際に生成する、基板側コンタクト層44
表面の酸化物を除去する。除去の方法は、図1および図
2に示した実施形態と同様である。
【0058】その後、図5(c)に示すように、開口部
45によって露出した基板側コンタクト層44上に、n
型GaNバッファ層48、n型GaN層50、n型Al
GaNクラッド層52、n型GaN層54、活性層5
6、p型GaN層58、p型AlGaNクラッド層6
0、p型GaN層62を、この順序で積層する。
【0059】すなわち、まず、基板側コンタクト層44
上にn型GaNバッファ層48〜n型AlGaNクラッ
ド層52を形成するが、その工程および各層の膜厚は、
図1のn型GaNバッファ層18〜n型AlGaNクラ
ッド層22についての説明で述べたものと同様である。
【0060】n型AlGaNクラッド層52を形成した
後、基板41を単結晶成長温度、好ましくは1000℃
〜1200℃、例えば1150℃の成長温度に保持し、
キャリアガスとして水素ガスおよび窒素ガス、原料ガス
としてトリメチルガリウム、アンモニア、ドーパントガ
スとしてシランガスを用いることによって、n型AlG
aNクラッド層52上に、膜厚0.05μm〜0.3μ
m(たとえば0.1μm)でSiドープのn型GaN層
54を結晶成長させる。
【0061】次に、基板41を単結晶成長温度、好まし
くは600℃〜1000℃、例えば800℃の成長温度
に保持し、キャリアガスとして水素ガスおよび窒素ガ
ス、原科ガスとしてアンモニア、トリエチルガリウム、
およびトリメチルインジウムを用いることによって、n
型AlGaNクラッド層52上に、InGaN多重量子
井戸からなる活性層56を形成する。活性層56は、た
とえば、膜厚15オングストローム〜40オングストロ
ーム(たとえば25オングストローム)のIn0.2Ga
0.8Nと膜厚30オングストローム〜70オングストロ
ーム(たとえば50オングストローム)のIn0.05Ga
0.95Nとを各10層、交互に積層してなるものであり、
InGaNの組成は、原料ガスの流量を変化させること
によって変化させる。
【0062】続いて、基板41を単結晶成長温度、好ま
しくは1000℃〜1200℃、例えば1150℃の成
長温度に保持し、キャリアガスとして水素ガスおよび窒
素ガス、原料ガスとしてトリメチルガリウムおよびアン
モニア、ドーパントガスとしてシクロペンタジエニルマ
グネシウムを用いることによって、活性層56上に、膜
厚0.05μm〜0.3μm(たとえば0.1μm)で
Mgドープのp型GaN層58を結晶成長させる。
【0063】次に、p型GaN層58上にp型AlGa
Nクラッド層60およびp型GaNからなる表面側コン
タクト層62を結晶成長させ、p型ドーパントを活性化
するための熱処理を行うが、この工程および説明は図2
の工程および説明と同様であるので省略する。
【0064】その後、図6(a)に示すように、成長防
止層46を除去する。成長防止層46を除去する方法
は、図2(a)の説明で述べた方法と同様である。この
とき、成長防止層46が除去された部分は、基板側電極
形成領域64aおよび64bとなる。
【0065】その後、図6(b)に示すように、電極を
形成する部分を除いた素子表面にSiO2またはSiN
からなるパッシベーション膜66を形成した後、表面側
コンタクト層62上にAuからなるp側電極68を、基
板側電極形成領域64aの基板側コンタクト層44上に
Alからなるn側電極70を、蒸着法等によって形成す
る。そして、基板41を500℃で熱処理することによ
って、p側電極68およびn側電極70を、それぞれ表
面側コンタクト層62および基板側コンタクト層44に
オーミック接触させる。
【0066】後は常法に従い、素子ごとに分離した後、
素子端面に誘電体多層膜を形成する。
【0067】このようにして、窒化ガリウム系レーザダ
イオード40が形成される。
【0068】図5および図6に示した方法によって作製
された窒化ガリウム系レーザダイオード40は、従来方
法による窒化ガリウム系レーザダイオードと比較して、
エッチングによる接合端面のダメージがないことから高
い信頼性および発光強度が得られる。また、基板側コン
タクト層44表面の平坦性が良いことから、基板側コン
タクト層44とn側電極70の接触抵抗が低く、低い動
作電圧で動作が可能となる。
【0069】さらに、上記実施形態では、半導体層48
〜62をドライエッチングする工程が不要となるため、
安価に窒化ガリウム系レーザダイオード40を製造する
ことができる。
【0070】以上、この発明の実施形態について例を挙
げて説明したが、上記実施形態はこの発明を用いた場合
の一例にすぎず、この発明は上記実施形態に限定される
ものではない。
【0071】たとえば、上記実施形態で示した窒化ガリ
ウム系発光ダイオード10および窒化ガリウム系半導体
レーザ40の構成は、一例にすぎず、各半導体層は、必
要に応じて、追加、削除、材料の変更等が可能である。
【0072】また、上記実施形態では、基板側からn型
半導体層、活性層、p型半導体層という順で半導体層を
積層した発光ダイオードおよびレーザダイオードを示し
たが、基板側からp型半導体層、活性層、n型半導体層
という順で積層したものであっても良い。
【0073】
【発明の効果】この発明によれば、発光強度および信頼
性が高い窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を用いた窒化ガリウム系発光ダイオー
ドの製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】図1に続く、窒化ガリウム系発光ダイオードの
製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】(a)は図1および図2の製造方法によって製
造された窒化ガリウム系発光ダイオードの概略平面図、
(b)は従来の窒化ガリウム系発光ダイオードの概略平
面図である。
【図4】図1および図2の製造方法によって製造された
窒化ガリウム系発光ダイオードの電流の経路を示す図解
図である。
【図5】この発明を用いた窒化ガリウム系レーザダイオ
ードの製造方法の一例を示す工程図である。
【図6】図5に続く、窒化ガリウム系レーザダイオード
の製造方法の一例を示す工程図である。
【図7】従来の窒化ガリウム系発光ダイオードの製造方
法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
10 窒化ガリウム系発光ダイオード 12 GaNバッファ層 11、41 基板 14、44 基板側コンタクト層 15、45 開口部 16、46 成長防止層 24、56 活性層 30、62 表面側コンタクト層 32a、32b、64a、64b 基板側電極形成
領域 34、68 p側電極 36、70 n側電極 40 窒化ガリウム系レーザダイオード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上または前記基板上に形成された半
    導体層上に基板側コンタクト層を形成する第1の工程
    と、前記基板側コンタクト層上の一部に活性層を含む複
    数の半導体層を形成する第2の工程とを含む窒化ガリウ
    ム系化合物半導体発光素子の製造方法であって、 前記第2の工程は、 前記基板側コンタクト層上の一部に成長防止層を形成す
    る工程と、 前記成長防止層が形成されていない前記基板側コンタク
    ト層上に前記活性層を含む複数の半導体層を積層する工
    程と、 前記成長防止層を除去する工程とを、含むことを特徴と
    する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記窒化ガリウム系化合物半導体発光素
    子は発光ダイオードを含む、請求項1に記載の窒化ガリ
    ウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記窒化ガリウム系化合物半導体発光素
    子はレーザダイオードを含む、請求項1に記載の窒化ガ
    リウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記成長防止層はSiO2である、請求
    項1ないし3のいずれかに記載の窒化ガリウム系化合物
    半導体発光素子の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100896371B1 (ko) * 2002-09-06 2009-05-08 엘지전자 주식회사 질화물 반도체 레이저 다이오드 제조 방법
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WO2021157431A1 (ja) * 2020-02-07 2021-08-12 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 発光デバイス

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