JP2006294698A - 発光素子、発光素子の製造方法、およびGaN基板 - Google Patents

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浩二 片山
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弘之 北林
Koji Uematsu
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Abstract

【課題】 発光強度を低下させずに発光素子の消費電力を低減することのできる発光素子、発光素子の製造方法、およびGaN基板を提供する。
【解決手段】 LEDの積層構造50は、一方の主面1aがN面により構成され、他方の主面1bがGa面により構成されたGaN基板1と、GaN基板1の一方の主面1aまたは一方の主面1a側に形成された反転層10と、反転層10の表面10aに隣接して形成され、表面11aがGa面により構成されたGaN再成長層11と、GaN再成長層11の表面11aに隣接して形成され、かつGaN基板1と電気的に接続されたn電極9bと、GaN基板1の他方の主面1b側に形成され、電流の注入により発光する発光層4とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、発光素子、発光素子の製造方法、およびGaN(窒化ガリウム)基板に関し、より特定的には、発光強度を低下させずに発光素子の消費電力を低減することのできる発光素子、発光素子の製造方法、およびGaN基板に関する。
発光素子の1つであるLED(Light Emitting Diode)は、携帯電話を含む携帯情報端末などの表示装置の照明や、電飾などに盛んに用いられている。LEDにおいて、赤、オレンジ、アンバー、黄緑、および緑などの発光色を持たせる場合には、GaP系、GaAsP系、またはGaAlAs系などの化合物物半導体が利用される。また、黄色、緑、および青などの発光色を持たせる場合には、GaN系の化合物半導体が利用される。
特開平11−317546号公報(特許文献1)には、従来の発光素子が開示されている。特許文献1の発光素子では、透明のn型半導体基板の下面に、透明または光透過性のn型半導体層とp型半導体層とがこの順で積層されている。そして、n型半導体層とp型半導体層とによるpn接合域が発光層とされている。また、p型半導体層の表面にはp電極が形成されており、n型半導体基板の上面にはn電極が形成されている。そして、n型半導体基板が上側、発光層が下側の状態でリードフレーム上に搭載されている。発光素子に通電すると、発光層が活性化されて発光し、n型半導体層およびn型半導体基板を抜けてn型半導体基板の上面から光が放出される。そして、発光層からの光は、主光取出し面側だけでなく側方へも放出され、p型半導体層を透過してp型半導体基板の下面からも光が放出される。
ところで、従来のGaN基板は、一方の主面がN(窒素)面で構成されており、他方の主面がGa(ガリウム)面で構成されている。従来の技術では、GaN基板のN面上には結晶性の良好なGaN層をエピタキシャル成長させることが困難であった。このため、GaN基板を用いた発光素子は、Ga面側に発光層などの積層構造が形成され、N面側にn電極が形成された構成となっている。具体的には、n型半導体層と、発光層と、p型半導体層と、p電極とがGa面側にこの順で積層されており、GaN基板のN面に隣接してn電極が形成されている。そして、Ga面が下面、N面が上面となるようにGaN基板が配置されている。
特開平11−317546号公報
上述のように、従来のGaN基板を用いた発光素子では、GaN基板のN面に隣接してn電極が形成されている。しかし、n電極とGaN基板のN面とのコンタクト抵抗が高いために、従来の発光素子には発光素子の消費電力が大きいという問題があった。特に、ヘッドランプや一般照明用途といったより高出力が必要なLEDの場合には、大電流を印加することが必要となるので、消費電力の一層の低減が重要になってくる。
ここで、n電極とGaN基板とのコンタクト抵抗を低減する方法として、GaN基板に注入する不純物の濃度を大きくして、GaN基板の電気抵抗を下げる方法も考えられる。GaN基板に注入する不純物としてはたとえば酸素などが挙げられる。しかし、GaN基板の酸素濃度が大きくなると、GaN基板の光の透過率が低下し、発光強度が低下するという問題が生じる。このため、発光強度を低下させずに発光素子の消費電力を低減することは困難であった。
したがって、本発明の目的は、発光強度を低下させずに発光素子の消費電力を低減することのできる発光素子、発光素子の製造方法、およびGaN基板を提供することである。
本発明の一の局面における発光素子は、一方の主面がN面により構成され、他方の主面がGa面により構成されたGaN基板と、GaN基板の一方の主面または一方の主面側に形成された反転層と、反転層の表面に隣接して形成され、表面がGa面により構成されたGaN層と、GaN層の表面に隣接して形成され、かつGaN基板と電気的に接続された電極と、GaN基板の他方の主面側に形成され、電流の注入により発光する発光層とを備えている。
本発明の一の局面における発光素子の製造方法は、一方の主面がN面により構成され、他方の主面がGa面により構成されたGaN基板を準備する工程と、GaN基板の一方の主面または一方の主面側に反転層を形成する反転層形成工程と、表面がGa面により構成されたGaN層を反転層の表面からエピタキシャル成長させるGaN層形成工程と、GaN基板と電気的に接続するように、GaN層の表面に隣接して電極を形成する電極形成工程と、GaN基板の他方の主面側に、電流の注入により発光する発光層を形成する工程とを備えている。
従来、本願発明者らは、GaN基板のN面またはN面側に反転層を形成することにより、GaN基板のN面側に結晶性の良好なGaN層をエピタキシャル成長させる手法を見出した。エピタキシャル成長したGaN層の表面はGa面により構成されている。これにより、GaN層のGa面に隣接して電極を設けることができるので、GaN基板のN面に隣接して電極を設ける場合に比べて、電極のコンタクト抵抗を低減することができる。また、GaN基板の不純物濃度よりもGaN層の不純物濃度を大きくすることで、電極のコンタクト抵抗を低減することができる。その結果、発光素子の消費電力を低減することができる。また、電極のコンタクト抵抗を低減するためにGaN基板の不純物濃度を大きくする必要がないので、発光強度は低下しない。
本発明の他の局面における発光素子は、一方の主面がN面により構成され、他方の主面がGa面により構成されたGaN基板と、GaN基板の一方の主面または一方の主面側に形成された反転層と、反転層の表面に隣接して形成され、表面がGa面により構成されたGaN層と、GaN層の表面に隣接して形成され、GaN層の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する高濃度GaN層と、高濃度GaN層の表面に隣接して形成され、かつGaN基板と電気的に接続された電極と、GaN基板の他方の主面側に形成され、電流の注入により発光する発光層とを備えている。
本発明の他の局面における発光素子の製造方法は、一方の主面がN面により構成され、他方の主面がGa面により構成されたGaN基板を準備する工程と、GaN基板の一方の主面または一方の主面側に反転層を形成する反転層形成工程と、表面がGa面により構成されたGaN層を反転層の表面からエピタキシャル成長させるGaN層形成工程と、GaN層の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する高濃度GaN層をGaN層の表面からエピタキシャル成長させる高濃度GaN層形成工程と、GaN基板と電気的に接続するように、高濃度GaN層の表面に隣接して電極を形成する電極形成工程と、GaN基板の他方の主面側に、電流の注入により発光する発光層を形成する工程とを備えている。
本発明の他の発光素子およびその製造方法によれば、高濃度GaN層に隣接して電極を設けることができるので、GaN基板のN面に隣接して電極を設ける場合や、GaN層に隣接して電極を設ける場合に比べて、電極のコンタクト抵抗を低減することができる。その結果、発光素子の消費電力を低減することができる。また、電極のコンタクト抵抗を低減するためにGaN基板の不純物濃度を大きくする必要がないので、発光強度は低下しない。
本発明の発光素子において好ましくは、平面的に見て電極と重なる領域以外の一方の主面が非鏡面化されている。
これにより、一方の主面の表面積を増加することができ、またその主面においてGaNと樹脂との屈折率差に起因する全反射を防止することができるので、一方の主面からの光の取出し効率を向上することができる。
上記製造方法において好ましくは、電極形成工程の前に、GaN基板の一方の主面をKOH溶液で処理する工程をさらに備えている。高濃度GaN層形成工程において、一方の主面に隣接するように高濃度GaN層を形成し、一方の主面をKOH溶液で処理する工程において、一方の主面に隣接する高濃度GaN層を除去する。
上記製造方法において好ましくは、電極形成工程の前に、GaN基板の一方の主面(N面)をKOH(水酸化カリウム)溶液で処理する工程をさらに備えている。
GaN結晶のGa面はKOHによりエッチングされ難い性質があり、GaN結晶のN面はKOHによりエッチングされやすい性質がある。この性質を利用して、表面がGa面によって構成されたGaN層と、表面がN面によって構成されたGaN基板とが露出している場合に、マスクを形成せずに、GaN基板のN面のみを選択的にエッチングすることができる。GaN基板のN面をKOH溶液で処理すると、N面がエッチングされて非鏡面化し、光の取出し面積が増大するという利点がある。また、電極形成工程の前にKOH溶液処理することで、電極がエッチングされることを防止することができる。
上記製造方法において好ましくは、反転層形成工程において、GaN基板の一方の主面を荒らすことにより、GaN基板の一方の主面に反転層を形成する。
GaN基板の一方の主面を荒らした反転層を形成することにより、反転層を下地としてGaN層がエピタキシャル成長しやすくなる。なお、「GaN基板の一方の主面を荒らす」とは、GaN基板の一方の主面の表面から深さ方向数層に欠陥を導入し、主面の結晶の対称性を著しく損なわせることを意味している。
上記製造方法において好ましくは、反転層形成工程において、Al(アルミニウム)、In(インジウム)、Au(金)、Pt(白金)、Cr(クロム)、およびFe(鉄)よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属よりなる反転層をGaN基板の一方の主面側に形成する。
上記金属よりなる反転層を形成することにより、反転層を下地としてGaN層がエピタキシャル成長しやすくなる。
上記製造方法において好ましくは、反転層形成工程において、400℃以上800℃以下の温度でMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いてGaNよりなる反転層をGaN基板の一方の主面側に形成する。
上記反転層を形成することにより、反転層を下地としてGaN層がエピタキシャル成長しやすくなる。
上記製造方法において好ましくは、GaN層形成工程の前に、GaN層を形成しない部分を覆うようにマスク層を形成する工程をさらに備えている。
マスク層を形成することによって、反転層が露出している部分のみにGaN層を選択的に成長させることができる。
本発明のGaN基板は、一方および他方の主面がともにGa面により構成されている。
これにより、Ga面に隣接して電極を設けることができるので、GaN基板のN面に隣接して電極を設ける場合に比べて、電極のコンタクト抵抗を低減することができる。
なお、本発明における「発光素子」とは、GaN基板とその上に積層された半導体層とを主体に形成される積層構造または半導体チップのみを意味する場合もあるし、また、半導体チップが実装部品に搭載され樹脂封止されたデバイスのみを指す場合もある。さらに、両方の意味に用いられる場合もある。
本発明の発光素子、発光素子の製造方法、およびGaN基板によれば、発光強度を低下させずに発光素子の消費電力を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるLEDの構成を示す断面図である。図1を参照して、本実施の形態の発光素子としてのLEDにおいては、リードフレームのマウント部21aが図中横方向に延在しており、このマウント部21aに積層構造50が搭載されている。始めに、積層構造50の構成について説明する。
図2は、図1の半導体チップ(積層構造)を拡大して示す平面図である。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。図2および図3を参照して、積層構造50は、GaN基板1と、反転層10と、GaN層としてのGaN再成長層11と、電極としてのn電極9bと、発光層4とを主に備えている。GaN基板1は、一方の主面1aがN面により構成されており、他方の主面1bがGa面により構成されており、n型である。GaN基板1における一方の主面1a側には反転層10と、GaN再成長層11と、n電極9bが形成されている。GaN基板1における他方の主面1b側には発光層4が形成されている。
GaN基板1における一方の主面1aは荒らされており、一方の主面1aの荒らされた領域が反転層10となっている。また、一方の主面1aの荒らされた領域が反転層10である場合の他、Al,In,Au,Pt,Cr,およびFeよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属よりなる反転層10が一方の主面1a上に形成されていてもよい。さらに、上記金属よりなる反転層10が形成される場合の他、結晶性の悪いGaN層が反転層10として形成されてもよい。
反転層10の表面10a上にはGaN再成長層11が形成されている。GaN再成長層11は、GaN基板1から見て反転層10よりも離れた位置に、反転層10の表面に隣接して形成されている。GaN再成長層11の表面11aはGa面で構成されている。
GaN再成長層11上にはn電極9bが形成されている。n電極9bは、GaN再成長層11の表面11aに隣接して形成されており、かつGaN再成長層11および反転層10を介してGaN基板1と電気的に接続されている。GaN再成長層11およびn電極9bは、たとえば平面的に見て反転層10の中央部に形成されており、共に直径d2の円の平面形状を有している。
GaN基板1における他方の主面1bの下には、n型のGaNエピタキシャル層2が形成されている。GaNエピタキシャル層2の下には、たとえばAlxGa1-xN(0≦x≦1)よりなるn型クラッド層3が形成されており、n型クラッド層3の下には、発光層4が形成されている。発光層4は、GaN基板1の他方の主面1b側に形成されている。発光層4は、たとえばAlxGa1-xN層とAlxInyGa1-x-yN層(0≦y≦1、0≦x+y≦1)とが積層された量子井戸よりなっている。発光層4は、上記yの値を約0.15とすることで、青色発光するようにされていてもよいし、上記yの値を0.2〜0.3とすることで、黄色発光するようにされていてもよい。そして、発光層4上にはたとえばAlxGa1-xNよりなるp型クラッド層5が形成されている。p型クラッド層5の下には、たとえばp型GaNよりなるp型のコンタクト層6が形成されており、コンタクト層6の下にはp電極9aが形成されている。
続いて、積層構造50以外のLEDの構成について説明する。
図1を参照して、リードフレームのマウント部21aとp電極9aとは、たとえば図示しない導電性接着剤によって接着されており、これにより互いに電気的に接続されている。リードフレームのリード部21bとn電極9bとがワイヤ23を介して電気的に接続されている。リードフレームのマウント部21aおよびリード部21bは別体で形成されており、これによって、リードフレームのマウント部21aおよびリード部21bは互いに絶縁されている。積層構造50およびワイヤ23の各々は、エポキシ系樹脂25により封止されている。
本実施の形態のLEDの動作方法は以下の通りである。所定の電位をp電極9aへ与えると、p電極9aおよびn電極9bの間に電圧が発生し、n型クラッド層3およびp型クラッド層5の各々から発光層4へキャリアが注入される。そして、注入されたキャリア同士が発光層4においてそれぞれ再結合し、光が発生する。この光は、n電極9bの上面および積層構造50の側面から放出される。
なお、本実施の形態では、発光層4から黄色または青色の光が発生する場合について示したが、発光する光の波長は任意である。
続いて、本実施の形態におけるLEDの製造方法について、図4〜図13を用いて説明する。なお、図7は図6のVII−VII線に沿う断面図であり、図11は図10のXI−XI線に沿う断面図である。
始めに、図4を参照して、GaN基板1を準備する。GaN基板1は、一方の主面1aがN面により構成されており、他方の主面1bがGa面により構成されている。ここで、「一方の主面がN面により構成されている」とは、一方の主面の最表面がN原子によって終端されている状態を意味している。しかし、一方の主面に何らかの加工が施されている場合には、加工部分の最表面の大部分はN原子によって終端されているものの、加工部分の際表面の一部にN原子以外の原子が露出していることもある。本明細書では、一方の主面に何らかの加工が施されている場合であっても、少なくとも加工が施されていない部分の最表面がN原子によって終端されているか、あるいは加工部分の最表面の大部分がN原子によって終端されていれば、「一方の主面がN面により構成されている」ものとする。
同様に、「他方の主面がGa面により構成されている」とは、他方の主面の最表面がGa原子によって終端されている状態を意味している。本明細書では、他方の主面に何らかの加工が施されている場合であっても、少なくとも加工が施されていない部分の最表面がGa原子によって終端されているか、あるいは加工部分の最表面の大部分がGa原子によって終端されていれば、「他方の主面がGa面により構成されている」ものとする。
次に、GaN基板1にたとえば酸素やSi(シリコン)をイオン注入することで、GaN基板1をn型にする。次に、GaN基板1の一方の主面1aまたは一方の主面1a上に反転層10を形成する。反転層10の形成方法としては、たとえば以下の3つの方法が挙げられる。
第1の形成方法は、GaN基板1の一方の主面1aをたとえば砥粒を用いて研磨して荒らすことにより、一方の主面1aに反転層10を形成する方法である。研磨後の一方の主面1aは、図5に示すように凹凸になり、表面の平坦度が研磨前よりも悪くなる。反転層10の最表面10cは研磨されていない部分であり、この部分はN原子によって構成されている。GaN基板1を研磨した場合には、GaN基板1と反転層10との間に明確な境界線はない。
第2の形成方法は、Al、In、Au、Pt、Cr、およびFeよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属よりなる膜を反転層10として一方の主面1a上に形成する方法である。
第3の形成方法は、400℃以上800℃以下の温度でMOCVD法を用いてGaNよりなる膜を反転層10として一方の主面1a上に形成する方法である。上記条件でGaNよりなる膜をN面上に形成すると、結晶性の良好なGaN結晶は得られないものの、結晶性の悪いGaN結晶(LT(Low Temperature)−GAN)が生成する。
また、反転層としてこれら以外の層を形成してもよい。反転層としては、表面がGa面によって構成されたGaN層をGaN基板のN面上にエピタキシャル成長させることが可能な膜であればよく、十分な光透過性を有する層であることが好ましい。
次に、図6および図7を参照して、たとえばフォトリソグラフィ技術と、スパッタ蒸着法と、リフトオフ法とを用いて、たとえばSiO2(酸化シリコン)、SiN(窒化シリコン)、W(タングステン)、Ni(ニッケル)、またはTi(チタン)などよりなるマスク層29を反転層10上に形成する。マスク層29は、後述するGaN再成長層11およびn電極9bを形成しない部分を覆うように形成される。マスク層29の孔29a底部には反転層10が露出している。
次に、図8を参照して、たとえばHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法、MOCVD法、またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)法などの気相成長法を用いて、GaN再成長層11を選択的にエピタキシャル成長させる。このとき、GaN再成長層11は、マスク層29上にはエピタキシャル成長せず、マスク層29の孔29a底部に露出している反転層10の表面10aからのみ成長する。成長したGaN再成長層11の表面11aはGa面により構成される。つまり、GaN基板1のN面側に、N面を反転させてGa面を露出させることができる。
また、GaN再成長層11のエピタキシャル成長の際、たとえば原料ガスにO2ガスやH2Oガスを混合すれば、GaN再成長層11内に酸素がドープされ、n型のGaN再成長層11が得られる。また、たとえば原料ガスにSiH4ガスを混合すれば、GaN再成長層11内にSiがドープされ、n型のGaN再成長層11が得られる。
さらに、GaN再成長層11内に酸素をドープする場合、GaN再成長層11内の酸素濃度は1×1017/cm3以上2×1019/cm3以下であることが好ましい。酸素濃度を1×1017/cm3以上とすることで、GaN再成長層11が低抵抗化され、LEDの駆動電圧を低減することができる。また、酸素濃度を2×1019/cm3以下とすることで、特にGaN再成長層11における青色光の透過率を高く保つことができる。
次に、図9を参照して、GaN基板1を反転させ、一方の主面1aを下面、他方の主面1bを上面とする。そして、たとえばMOCVD法などを用いて、GaNエピタキシャル層2を他方の主面1b上にエピタキシャル成長させる。GaN基板1の他方の主面1bはGa面によって構成されているので、結晶性の良好なGaNエピタキシャル層2を形成することができる。そして、n型クラッド層3、発光層4、p型クラッド層5、およびコンタクト層6の各々をGaNエピタキシャル層2上にこの順序でエピタキシャル成長させる。次に、GaN基板1を熱処理することにより、p型クラッド層5およびコンタクト層6の各々に含まれる不純物を活性化する。
次に、図10および図11を参照して、平面的に見て矩形の積層構造の外周を取り囲むように、他方の主面1b側に素子分離溝27を形成する。素子分離溝27は、たとえばフォトリソグラフィ技術と、RIE(Reactive Ion Etching)とを用いて、コンタクト層6、p型クラッド層5、発光層4、n型クラッド層3、およびGaNエピタキシャル層2の上部の各々をCl(塩素)系ガスでエッチングすることで形成される。図10においては、幅d1の素子分離溝27が形成されており、素子分離溝27で囲まれた発光部分(MQW)は、一辺d4が1.9mmの正方形の平面形状となっている。
次に、図12を参照して、GaN基板1を反転させ、一方の主面1aを上面、他方の主面1bを下面とする。そして、たとえばフッ酸系の溶剤などを用いてマスク層29を除去し、反転層10を露出させる。
次に、図13を参照して、たとえばフォトリソグラフィ技術と、蒸着法と、リフトオフ法とを用いて、GaN再成長層11の表面11aに隣接するようにn電極9bを形成し、コンタクト層6の表面に隣接するようにp電極9aを形成する。続いて、素子分離溝27内のチップ境界Aが側面として現れるようにスクライブを行ない、個々の積層構造に分断する。これにより、図2および図3に示す積層構造50が得られる。
次に、図1を参照して、リードフレームのマウント部21aにp電極9aが隣接するように、積層構造50を搭載する。そして、マウント部に導電性接着剤を塗布し、積層構造50とリードフレームとを固定するとともに、積層構造50とリードフレームとの間の導通が得られるようにする。導電性接着剤としては、たとえば熱伝導の良いAg系のものが用いられる。また、リードフレームとしては、たとえば熱伝導の良いCuW系のものが用いられる。続いて、n電極9bと、リードフレームのリード部21bとをワイヤ23によって電気的に接続する。さらに、エポキシ系樹脂25を用いて、積層構造50およびワイヤ23の各々を封止する。以上の工程により、本実施の形態のLEDが完成する。
本実施の形態のLEDおよびその製造方法によれば、GaN基板1の一方の主面1a(N面)側に、表面11aがGa面によって構成されたGaN再成長層11をエピタキシャル成長させることができる。これにより、GaN再成長層11のGa面に隣接してn電極9bを設けることができるので、GaN基板のN面に隣接してn電極を設ける場合に比べて、n電極のコンタクト抵抗を低減することができる。また、GaN基板1の不純物濃度よりもGaN再成長層11の不純物濃度を大きくすることで、n電極9bのコンタクト抵抗を低減することができる。その結果、発光素子の消費電力を低減することができる。また、電極のコンタクト抵抗を低減するためにGaN基板の不純物濃度を大きくする必要がないので、発光強度は低下しない。
本実施の形態のLEDの製造方法において好ましくは、GaN基板1の一方の主面1aを荒らすことにより、GaN基板1の一方の主面1aに反転層10を形成する。
GaN基板1の一方の主面1aを荒らした反転層10を形成することにより、反転層10を下地としてGaN再成長層11がエピタキシャル成長しやすくなる。
本実施の形態のLEDの製造方法において好ましくは、Al、In、Au、Pt、Cr、およびFeよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属よりなる反転層10をGaN基板1の一方の主面1a側に形成する。
上記金属よりなる反転層10を形成することにより、反転層10を下地としてGaN再成長層11がエピタキシャル成長しやすくなる。
本実施の形態のLEDの製造方法において好ましくは、400℃以上800℃以下の温度でMOCVD法を用いてGaNよりなる反転層10をGaN基板1の一方の主面1a側に形成する。
上記反転層10を形成することにより、反転層10を下地としてGaN再成長層11がエピタキシャル成長しやすくなる。
本実施の形態のLEDの製造方法においては、GaN再成長層11を形成する前に、GaN再成長層11を形成しない部分を覆うようにマスク層29を形成する。
マスク層29を形成することによって、反転層10が露出している部分のみにGaN再成長層11を選択的に成長させることができる。
なお、本実施の形態においては、図3のGaN基板1、反転層10、およびGaN再成長層11によって構成される構造を1つのGaN基板と見ることもできる。このGaN基板は、GaN基板における一方の主面および他方の主面がいずれもGa面によって構成されるので、Ga面に隣接してn電極を形成することができる。したがって、n電極のコンタクト抵抗を低減することができる。その結果、LEDの消費電力を低減することができる。また、n電極のコンタクト抵抗を低減するためにGaN基板に注入する不純物の濃度を大きくする必要がないので、発光強度は低下しない。
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2における積層構造の構成を示す断面図である。図14を参照して、本実施の形態のLEDの積層構造50aにおいては、GaN再成長層11の表面11aに隣接して高濃度GaN層12が形成されている。高濃度GaN層12は、GaN再成長層11よりも高い不純物濃度を有している。そして、高濃度GaN層12の表面に隣接してn電極9bが形成されている、n電極9bは、高濃度GaN層12およびGaN再成長層11を介してGaN基板1と電気的に接続されている。
なお、これ以外のLEDの構成は、実施の形態1のLEDの構成とほぼ同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態のLEDの製造方法について、図15〜図17を用いて説明する。
本実施の形態では、始めに、実施の形態1と同様の製造工程を経て図11に示す構造を得る。続いて、図15を参照して、GaN基板1を反転させ、一方の主面1aを上面、他方の主面1bを下面とする。そして、たとえばHVPE法、MOCVD法、またはMBE法などの気相成長法を用いて、高濃度GaN層12をGaN再成長層11の表面11aからエピタキシャル成長させる。このとき、高濃度GaN層12は、マスク層29上にはエピタキシャル成長せず、GaN再成長層11上にのみ選択的に成長する。
また、高濃度GaN層12のエピタキシャル成長の際、たとえば原料ガスにO2ガスや、H2Oガスや、SiH4ガスなどを混合することで、酸素やシリコンがドープされる。そして、これらのガスの混合比を高めることにより、高濃度GaN層12の不純物濃度をGaN再成長層11の不純物濃度よりも大きくすることができる。
次に、図16を参照して、たとえばフッ酸系の溶剤などを用いてマスク層29を除去し、反転層10を露出させる。
次に、図17を参照して、たとえばフォトリソグラフィ技術と、蒸着法と、リフトオフ法とを用いて、GaN再成長層11の表面11aに隣接するようにn電極9bを形成し、コンタクト層6の表面に隣接するようにp電極9aを形成する。続いて、素子分離溝27内のチップ境界Aが側面として現れるようにスクライブを行ない、個々の積層構造に分断する。これにより、図14に示す積層構造50aが得られる。その後、実施の形態1と同様の方法により、個々の積層構造50aをリードフレーム上に搭載し、本実施の形態のLEDが得られる。
本実施の形態のLEDおよびその製造方法によれば、実施の形態1のLEDおよびその製造方法と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態のLEDおよびその製造方法によれば、高濃度GaN層12に隣接してn電極9bを設けることができるので、GaN基板のN面に隣接してn電極を設ける場合や、GaN再成長層に隣接してn電極を設ける場合に比べて、n電極のコンタクト抵抗を低減することができる。その結果、LEDの消費電力を低減することができる。また、n電極のコンタクト抵抗を低減するためにGaN基板の不純物濃度を大きくする必要がないので、発光強度は低下しない。
(実施の形態3)
図18は、本発明の実施の形態3における積層構造の構成を示す断面図である。図18を参照して、本実施の形態のLEDの積層構造50bにおいては、平面的に見てn電極9bと重なる領域以外の領域において、反転層10が除去されており、かつGaN基板1の一方の主面1aが非鏡面化されている。このように光の取出し面を非鏡面化することにより、GaN基板の一方の主面1aで光の全反射が生じにくくなり、内部から外側に光が抜けやすくなる。また、光の取出し面積も増大する。その結果、LEDの出力を向上させることができる。
なお、これ以外のLEDの構成は、実施の形態1のLEDの構成とほぼ同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態のLEDの製造方法について説明する。
本実施の形態では、始めに、実施の形態1と同様の製造工程を経て図16に示す構造を得る。次に、図19を参照して、反転層10および一方の主面1aをKOH水溶液で処理する。これにより、反転層10および一方の主面1aがエッチングされ、非鏡面化された一方の主面1aが得られる。ここで、一方の主面1aはN面で構成されており、GaN結晶のN面はGa面に比べてKOH水溶液にエッチングされやすい性質を有している。このため、高濃度GaN12および他方の主面1bをマスクで覆わなくても、反転層10および一方の主面1aのみを選択的にエッチングすることができる。
なお、反転層10がAuなどの金属層などで形成されている場合には、反転層10をKOH水溶液でエッチングすることは困難である。このため、KOH水溶液でのエッチングの前に、たとえば王水などを用いて反転層10を除去してもよい。
次に、実施の形態1と同様の方法により、高濃度GaN層12上にn電極9bを形成し、コンタクト層6上にp電極9aを形成する。続いて、素子分離溝27内のチップ境界Aが側面として現れるようにスクライブを行ない、個々の積層構造に分断する。これにより、図18に示す積層構造50bが得られる。その後、実施の形態1と同様の方法により、個々の積層構造50bをリードフレーム上に搭載し、本実施の形態のLEDが得られる。
本実施の形態のLEDおよびその製造方法によれば、実施の形態1のLEDおよびその製造方法と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態のLEDにおいては、平面的に見てn電極9bと重なる領域以外の一方の主面1aが非鏡面化されているので、一方の主面1aの表面積が増加し、一方の主面1aからの光の取出し効率を向上することができる。
また、n電極9bを形成する前に、GaN基板1の一方の主面1aをKOH溶液で処理することにより、マスクを形成せずに、GaN基板1の一方の主面1aのみを選択的にエッチングすることができ、一方の主面1aを容易に非鏡面化することができる。また、n電極9bを形成する前にKOH溶液処理することで、n電極がエッチングされることを防止することができる。
(実施の形態4)
図18に示すLEDの積層構造50bは、実施の形態3に示す方法による場合の他、たとえば以下の図20〜図22示す方法によって製造されてもよい。
本実施の形態では、始めに、実施の形態1と同様の製造工程を経て図8に示す構造を得る。続いて、図20を参照して、GaN再成長層11を形成した直後に、マスク層29と、マスク層29の真下にある反転層10とを除去し、一方の主面1aを露出させる。マスク層29および反転層10はたとえばフッ酸系の溶剤などを用いて除去される。
次に、図21を参照して、GaN基板1を反転させ、一方の主面1aを下面、他方の主面1bを上面とする。そして、実施の形態1と同様の方法により、GaNエピタキシャル層2、n型クラッド層3、発光層4、p型クラッド層5、およびコンタクト層6の各々を他方の主面1b上にこの順序でエピタキシャル成長させる。続いて、p型クラッド層5およびコンタクト層6の各々に含まれる不純物を活性化し、他方の主面1b側に素子分離溝27を形成する。
次に、図22を参照して、GaN基板1を反転させ、一方の主面1aを上面、他方の主面1bを下面とする。そして、たとえばHVPE法、MOCVD法、またはMBE法などの気相成長法を用いて、GaN再成長層11を覆うように、一方の主面1a上に高濃度GaN層12を形成する。このとき、GaN再成長層11の真上には結晶性の高い高濃度GaN層12aが形成される。これに対して、一方の主面1aはN面によって構成されているので、一方の主面1a上には結晶性の悪いGaN結晶が生成する。
次に、図19を参照して、KOH水溶液を用いて、高濃度GaN層12および一方の主面1aをエッチングする。これにより、非鏡面化された一方の主面1aが得られる。ここで、GaN再成長層11上の高濃度GaN層12aは、表面がGa面で構成されているので、上記アルカリ水溶液にエッチングされにくい。これに対して、一方の主面1a上に存在する高濃度GaN層12(GaN)は結晶性が悪いので、上記アルカリ水溶液にエッチングされやすい性質を有している。このため、高濃度GaN12をマスクで覆わなくても、一方の主面1a上に存在するGaNのみを選択的にエッチングすることができる。
その後、実施の形態3と同様の方法により、p電極9aおよびn電極9bを形成し、スクライブを行ない、積層構造50bを得る。そして個々の積層構造50bをリードフレーム上に搭載し、本実施の形態のLEDが得られる。
本実施の形態のLEDの製造方法によれば、実施の形態3のLEDの製造方法と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態3および4の製造方法では、高濃度GaN層12を形成する場合について示した。しかし、実施の形態3および4の製造方法は、高濃度GaN層12を形成せずにGaN再成長層11上にn電極9bを直接形成する場合にも適用することができる。
(実施の形態5)
実施の形態1〜4においては、反転層10上にマスク層29を形成することによってGaN再成長層11を選択的にエピタキシャル成長させる場合について示した。しかし、マスク層を形成する場合の他、たとえば以下の方法によってGaN再成長層11および高濃度GaN層12を形成してもよい。
図23を参照して、マスク層を形成せずに、反転層10上全面にGaN再成長層11を形成する。そして、GaN再成長層11上全面に高濃度GaN層12を形成する。続いて、高濃度GaN層12上の所定の領域にレジスト40を形成する。
次に、図24を参照して、レジスト40をマスクとして、高濃度GaN層12、GaN再成長層11、および反転層10の各々をエッチングする。これにより、レジストが形成された領域以外の領域においては、一方の主面1aが露出する。そして、レジスト40が形成された領域に、高濃度GaN層12およびGaN再成長層11がパターニングされる。
実施の形態1〜4の製造方法に上記手法を組み合わせることにより、実施の形態1〜4と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、本発明例A〜D、比較例E、および比較例Fの各々の発光装置(LED)を以下の方法により作製し、それぞれの駆動電圧を測定し、消費電力を比較した。
(本発明例A)
以下の(a1)〜(a15)に示す実施の形態1の製造方法を用いて、発光素子を作製した。
(a1)c面から0.5°ずらしたGaNのオフ基板を準備した。この基板は、1×1018/cm3の濃度の酸素をドープすることでn型化されており、比抵抗が0.01Ω・cmであり、転位密度が1×107/cm2であり、厚みが400μmであった。
(a2)次に、GaN基板の一方の主面であるN面を砥粒径5μmの砥粒を用いて研磨し、一方の主面に反転層を形成した。研磨後にGaN基板の断面の反転層(加工変質層)の厚さを、SEM(Scanning Electron Microscope)およびCL(カソードルミネッセンス法)を用いて測定した。その結果、反転層の厚さは5μmであった。
(a3)次に、フォトリソグラフィ技術と、スパッタ蒸着法と、リフトオフ法とを用いて、GaN基板のN面上にSiO2よりなるマスク層を形成した。マスク層は、後にn電極を形成する領域を除いて、100μmの厚さで形成された。なお、図3を参照して、n電極を形成する領域を直径d2が500μmの円形状とした。また、図6を参照して、n電極を形成する領域の間隔d3を上下左右2mmとした。
(a4)続いて、HVPE法を用いて厚さ6μmのGaN再成長層を反転層上のマスク層のない領域にエピタキシャル成長させた。GaN再成長層の成長は、温度1000℃の大気圧中において5分間行なわれた。また、原料ガスとして、100sccmのGaClと、6000sccmのNH3と、ドーパント用原料ガスとしてのSiH4ガスとを使用した。これにより、GaN再成長層をn型とした。GaN再成長層形成後にGaN再成長層中のSi濃度をSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometer)で測定した。その結果、Si濃度はGaN再成長層中のどの部分においても約2×1019/cm3であり、ほぼ均一であった。また、GaN再成長層形成後にGaNの最表面原子種をCAICISS法(Coaxial Impact Collision Ion Scattering Spectroscopy)により調べた。その結果、Ga再成長層表面がGa面となっていることが確認された。これにより、GaN基板のN面上に反転層を設けることにより、その上に形成されるGaN層の表面は、反転してGa面となることが分かった。
(a5)次に、MOCVD法を用いて、GaN基板の他方の主面であるGa面上に次の積層構造を形成した。(Siドープn型GaN層(GaNエピタキシャル層)/クラッド層のSiドープn型Al0.2Ga0.8N層(n型クラッド層)/GaN層とIn0.15Ga0.85N層との2層構造が3層重ねられたMQW(発光層)/クラッド層のMgドープp型Al0.2Ga0.8N層(p型クラッド層)/Mgドープp型GaN層(コンタクト層))。このMQWの発光波長は450nmに対応する。
(a6)次に、低温4.2KでのPL(Photo Luminescence)強度と室温298KでのPL強度を比較することにより内部量子効率を便宜的に算出した。その結果、内部量子効率は50%であった。
(a7)その後、フッ酸系の溶剤によってマスク層を除去した。
(a8)続いて、このウエハを活性化処理して、Mgドープp型層の低抵抗化を行なった。ホール測定によるキャリア濃度は、Mgドープp型Al0.2Ga0.8N層が5×1017/cm3、Mgドープp型GaN層が1×1018/cm3であった。
(a9)次に、フォトリソグラフィ技術とRIEにより、GaN基板のGa面側に素子分離溝を形成した。なお、図10を参照して、素子分離溝の幅d1を100μmとし、素子分離溝で囲まれた発光部分(MQW)を、一辺d4が1.9mmの正方形の平面形状とした。
(a10)続いて、フォトリソグラフィ技術と、蒸着法と、リフトオフによって、図2に示すように一辺d2が500μmの円の平面形状を有するn電極を高濃度GaN層上に形成した。n電極としては、n型GaN層に接して下から順に、(Ti層20nm/Al層100nm/Ti層20nm/Au層200nm)の積層構造を形成した。これを窒素(N2)雰囲気中で加熱することにより、接触抵抗を1×10-5Ω・cm2以下とした。
(a11)次に、GaN基板の他方の主面側に形成されたMgドープp型GaN層の各々に接して、p電極を形成した。p電極としては、厚さ4nmのNi層を形成し、その上に厚さ4nmのAu層を全面に形成した。そして、これを不活性ガス雰囲気中で加熱処理することにより、接触抵抗を5×10-4Ω・cm2とした。接触抵抗を5×10-4Ω・cm2以下とした。
(a12)その後、チップ境界が側面として現れるようにスクライブを行ない、チップ化したものを発光素子とした。チップ化した発光素子において、光の放出面は1辺の長さが1.9mmの正方形の形状で、チップは1辺の長さが2mmの正方形の形状であった。
(a13)次に、リードフレームのマウント部に上記チップの他方の主面側のp電極が接するように搭載して、発光装置(LED)を形成した。マウント部に塗布した導電性接着剤によって発光装置とマウントとを固定するとともに、導通が得られるようにした。
(a14)発光装置からの放熱性を良くするために、発光装置のp型GaN層が全面マウント部と接するように搭載した。また接着剤は熱伝導の良いAg系のものを、またリードフレームも熱伝導の良いCuW系のものを選択した。これにより、得られた熱抵抗は8℃/Wであった。
(a15)さらに、n電極とリードフレームのリード部とをワイヤボンドにより導通させた後、エポキシ系樹脂により樹脂封止を行なって発光装置をランプ化した。
(本発明例B)
以下の(b1)〜(b15)に示す実施の形態2の製造方法を用いて、発光素子を作製した。
(b1)〜(b3)本発明例Aにおける(a1)〜(a3)と同じ処理をした。
(b4)続いて、HVPE法を用いて厚さ6μmのGaN再成長層を反転層上のマスク層のない領域にエピタキシャル成長させた。GaN再成長層の成長は、温度1000℃の大気圧中において5分間行なった。また、原料ガスとして、100sccmのGaClと、6000sccmのNH3と、ドーパント用原料ガスとしてのO2ガスとを使用した。これにより、GaN再成長層をn型とした。GaN再成長層形成後にGaN再成長層中の酸素濃度をSIMSで測定した。その結果、酸素濃度はGaN再成長層中のどの部分においても約5×1018/cm3であり、ほぼ均一であった。また、GaN再成長層形成後にGaNの最表面原子種をCAICISS法により調べた。その結果、Ga再成長層表面がGa面となっていることが確認された。これにより、GaN基板のN面上に反転層を設けることにより、その上に形成されるGaN層の表面は、反転してGa面となることが分かった。
(b5)および(b6)本発明例Aにおける(a5)および(a6)と同じ処理をした。
(b6−1)続いて、MOCVD法を用いて厚さ2μmの高濃度GaN層をGaN再成長層上にエピタキシャル成長させた。高濃度GaN層の成長は、ドーパント用原料ガスとしてSiH4ガスを使用し、これによりGaN結晶にSiをドープした。
(b7)〜(b15)本発明例Aにおける(a7)〜(a15)と同じ処理をした。
(本発明例C)
以下の(c1)〜(c15)に示す実施の形態3の製造方法を用いて、発光素子を作製した。
(c1)〜(c9)本発明例Bにおける(b1)〜(b9)と同じ処理をした。
(c9−1)続いて、GaN基板のN面および素子端面を非鏡面とした。非鏡面とする方法はとしては、エッチャントとしてKOH水溶液を用いたウエットエッチによる方法を適用した。4mol/lのKOH水溶液を、温度を40℃に保った状態で十分に攪拌したのち、ウエハを30分間スターラーの中に浸漬し、GaN基板のN面および素子端面を非鏡面化した。これにより、GaN再成長層の真下の領域以外の領域に存在する反転層のみが選択的に除去され、露出したN面が非鏡面化された。
(c10)〜(c15)本発明例Aの(a10)〜(a15)と同じ処理をした。
(本発明例D)
以下の(d1)〜(d15)に示す実施の形態4の製造方法を用いて、発光素子を作製した。
(d1)〜(d4)本発明例Aにおける(a1)〜(a4)と同じ処理をした。
(d4−1)GaN再成長層形成後、マスク層と、マスク層の真下にある反転層とをフッ酸系の溶剤を用いて除去し、GaN基板のN面1aを露出させた。
(d5)および(d6)本発明例Aにおける(a5)および(a6)と同じ処理をした。
(d6−1)続いて、MOCVD法を用いてSiをドープした高濃度GaN層を2μmの厚さで形成した。マスク層が除去されているため、高濃度GaN層はGaN再成長層を覆うようにN面上に形成された。このとき、GaN再成長層上には結晶性の良好なGaN結晶が生成したが、N面上には結晶性の悪いGaN結晶が生成した。
(d7)〜(d9)本発明例Aにおける(a7)〜(a9)と同じ処理をした。
(d9−1)続いて、GaN基板のN面および素子端面を非鏡面とした。非鏡面とする方法はとしては、エッチャントとしてKOH水溶液を用いたウエットエッチによる方法を適用した。4mol/lのKOH水溶液を、温度を40℃に保った状態で十分に攪拌したのち、ウエハを30分間スターラーの中に浸漬し、GaN基板のN面および素子端面を非鏡面化した。これにより、GaN再成長層上の高濃度GaN層は除去されず、N面上の高濃度GaN層および反転層のみが選択的に除去され、露出したN面が非鏡面化された。
(d10)〜(d15)本発明例Aの(a10)〜(a15)と同じ処理をした。
(比較例E)
以下の(e1)〜(e11)に示す製造方法を用いて、発光素子を作製した。
(e1)c面から0.5°ずらしたGaNのオフ基板を準備した。この基板は、1×1018/cm3の濃度の酸素をドープすることでn型化されており、比抵抗が0.01Ω・cmであり、転位密度が1×107/cm2であり、厚みが400μmであった。
(e2)次に、MOCVDでGaN基板のGa面上に次の積層構造を形成した。(Siドープn型GaN層/クラッド層のSiドープn型Al0.2Ga0.8N層/GaN層とIn0.15Ga0.85N層との2層構造が3層重ねられたMQW/クラッド層のMgドープp型Al0.2Ga0.8N層/Mgドープp型GaN層)このMQWの発光波長は450nmに対応する。
(e3)次に、低温4.2KでのPL(Photo Luminescence)強度と室温298KでのPL強度を比較することにより内部量子効率を便宜的に算出した。その結果、内部量子効率は50%であった。
(e4)次に、このウエハを活性化処理して、Mgドープp型層の低抵抗化を行なった。ホール測定によるキャリア濃度は、Mgドープp型Al0.2Ga0.8N層が5×1017/cm3、Mgドープp型GaN層が1×1018/cm3であった。
(e5)次に、このウエハをさらに、フォトリソグラフィ技術とRIEとにより、Mgドープp型層側からSiドープn型層までCl系ガスでエッチングした。このエッチングにより、素子分離溝を形成し、素子分離を行なった。素子分離溝の幅は100μmとした。
(e6)次に、GaN基板のN面に、フォトリソグラフィ技術と、蒸着と、リフトオフ法とにより400μmおきにチップの中心に直径(D)500μmのn電極を形成した。n電極として、GaN基板に接して下から順に(Ti層20nm/Al層100nm/Ti層20nm/Au層200nm)の積層構造を形成した。これを窒素(N2)雰囲気中で加熱したが、接触抵抗は1×10-4Ω・cm2までしか下がらなかった。n電極としては、直径500μmの円の平面形状のものを形成した。
(e7)次に、p電極を形成した。p電極としてはp型GaN層に接して厚み4nmのNi層を形成し、その上に厚み4nmのAu層を全面に形成した。これを不活性ガス雰囲気中で加熱処理することにより、接触抵抗を5×10-4Ω・cm2とした。
(e8)その後に、チップ境界が側面として現れるようにスクライブを行ない、チップ化したものを発光装置とした。チップ化した発光装置において、光の放出面は1辺の長さが1.9mmの正方形の形状で、チップは1辺の長さが2mmの正方形の形状であった。
(e9)次に、リードフレームのマウント部に、上記チップのp型GaN層側が接するように搭載して、発光装置を形成した。このとき、マウント部に塗布した導電性接着剤によって発光装置とマウントとを固定するとともに、導通が得られるようにした。
(e10)次に、発光装置からの放熱性を良くするために、発光装置のp型GaN層が全面マウント部と接するように搭載した。また接着剤は熱伝導の良いAg系のものを、またリードフレームも熱伝導の良いCuW系のものを選択した。これにより、得られた熱抵抗は8℃/Wであった。
(e11)さらに、n電極とリードフレームのリード部とをワイヤボンドにより導通させた後、エポキシ系樹脂により樹脂封止を行なって発光装置をランプ化した。
(比較例F)
(f1)〜(f5)比較例Eの(e1)〜(e5)と同じ処理をした。
(f5−1)続いて、GaN基板のN面および素子端面を非鏡面とした。非鏡面とする方法はとしては、エッチャントとしてKOH水溶液を用いたウエットエッチによる方法を適用した。4mol/lのKOH水溶液を、温度を40℃に保った状態で十分に攪拌したのち、ウエハを30分間スターラーの中に浸漬し、GaN基板のN面および素子端面を非鏡面化した。
(f6)次に、非鏡面化されたGaN基板のN面に、フォトリソグラフィ技術と、蒸着と、リフトオフ法とにより400μmおきにチップの中心に直径(D)500μmのn電極を形成した。n電極として、GaN基板に接して下から順に(Ti層20nm/Al層100nm/Ti層20nm/Au層200nm)の積層構造を形成した。n電極としては、直径500μmの円の平面形状のものを形成した。これを窒素(N2)雰囲気中で加熱したが、接触抵抗は1×10-3Ω・cm2までしか下がらなかった。そこで、N面との境界付近のn電極の断面をSEMおよびTEM(Tunneling Electron Microscope)で観察した。その結果、非鏡面化処理の影響によって、N面におけるn電極との接触部分に凹凸が生じており、n電極を構成する各層の膜厚が不均一になっていた。
(f7)〜(f11)比較例の(e7)〜(e11)と同じ処理をした。
次に、上記の方法によって作製された本発明例A〜D、比較例E、および比較例Fの各々を積分球内に搭載し、4A(アンペア)の電流を発光層へ注入して発光された光を集光し、ディテクタから出力される光の出力と、このときの駆動電圧とを測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2006294698
表1を参照して、比較例Eの駆動電圧が4.2V、比較例Fの駆動電圧が6Vであるのに対して、本発明例A〜Dの各々の駆動電圧は全て4Vであった。駆動電圧が低ければ消費電力も減少するので、この結果から、本発明の発光素子によれば消費電力を低減できることが分かる。
また、上述のように、本発明例A〜Dの各々におけるn電極の接触抵抗は全て1×10-5Ω・cm2以下であるのに対し、比較例Eの接触抵抗は1×10-4Ω・cm2であり、比較例Fの接触抵抗は1×10-3Ω・cm2である。そして、本発明例A〜D、比較例E、および比較例Fの各々におけるn電極の直径(500μm)から算出したn電極の面積は0.00196cm2であり、4Aの電流が流れる時のn電極の電流密度はほぼ2000A/cm2になる。これらの数値から、本発明例A〜Dにおける駆動電圧(4V)に対する比較例EおよびFの各々における駆動電圧(4.2V、6V)の増加分は、接触抵抗と電流密度との積にほぼ等しくなっていることが分かる。
ここで、比較例EおよびFの場合でも基板の酸素濃度を2×1019/cm3を超える程度まで高くしてn型電極の接触抵抗を低くすることは可能であるが、酸素濃度を上げれば上げる程、GaN基板における波長450nmの青色光の透過率が低下し、所望の光出力は得られない。同様にn電極の面積を大きくすることで駆動電圧の増加を防止することも可能であるが、n電極の面積を大きくすると主たる光の取出し面であるGaN基板のN面が電極で大きく塞がれ、光の取出し効率が悪化する。また、KOH溶液で処理する場合にはn電極とN面との境界に凹凸が生じるため、接触抵抗は増加する。以上により、従来の構成では消費電力を低減することはできない。
以上に開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態および実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
本発明の実施の形態1におけるLEDの構成を示す断面図である。 図1の半導体チップ(積層構造)を拡大して示す平面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態1におけるLEDの製造方法の第1工程を示す断面図である。 図4のB部拡大図である。 本発明の実施の形態1におけるLEDの製造方法の第2工程を示す平面図である。 図6のVII−VII線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態1におけるLEDの製造方法の第3工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態1におけるLEDの製造方法の第4工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態1におけるLEDの製造方法の第5工程を示す平面図である。 図10のXI−XI線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態1におけるLEDの製造方法の第6工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態1におけるLEDの製造方法の第7工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態2における積層構造の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2におけるLEDの製造方法の第1工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態2におけるLEDの製造方法の第2工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態2におけるLEDの製造方法の第3工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態3における積層構造の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態3におけるLEDの製造工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態4におけるLEDの製造方法の第1工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態4におけるLEDの製造方法の第2工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態4におけるLEDの製造方法の第3工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態5におけるLEDの製造方法の第1工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態5におけるLEDの製造方法の第2工程を示す断面図である。
符号の説明
1 GaN基板、1a,1b GaN基板主面、2 エピタキシャル層、3 n型クラッド層、4 発光層、5 p型クラッド層、6 コンタクト層、9a p電極、9b n電極、10 反転層、10a 反転層表面、10c 反転層最表面、11 GaN再成長層、11a GaN再成長層表面、12,12a 高濃度GaN層、21a マウント部、21b リード部、23 ワイヤ、25 エポキシ系樹脂、27 素子分離溝、29 マスク層、29a 孔、40 レジスト、50,50a,50b 積層構造、A チップ境界。

Claims (12)

  1. 一方の主面がN面により構成され、他方の主面がGa面により構成されたGaN基板と、
    前記GaN基板の前記一方の主面または前記一方の主面側に形成された反転層と、
    前記反転層の表面に隣接して形成され、表面がGa面により構成されたGaN層と、
    前記GaN層の表面に隣接して形成され、かつ前記GaN基板と電気的に接続された電極と、
    前記GaN基板の前記他方の主面側に形成され、電流の注入により発光する発光層とを備える、発光素子。
  2. 一方の主面がN面により構成され、他方の主面がGa面により構成されたGaN基板と、
    前記GaN基板の前記一方の主面または前記一方の主面側に形成された反転層と、
    前記反転層の表面に隣接して形成され、表面がGa面により構成されたGaN層と、
    前記GaN層の表面に隣接して形成され、前記GaN層の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する高濃度GaN層と、
    前記高濃度GaN層の表面に隣接して形成され、かつ前記GaN基板と電気的に接続された電極と、
    前記GaN基板の前記他方の主面側に形成され、電流の注入により発光する発光層とを備える、発光素子。
  3. 平面的に見て前記電極と重なる領域以外の前記一方の主面が非鏡面化されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 一方の主面がN面により構成され、他方の主面がGa面により構成されたGaN基板を準備する工程と、
    前記GaN基板の前記一方の主面または前記一方の主面側に反転層を形成する反転層形成工程と、
    表面がGa面により構成されたGaN層を前記反転層の表面からエピタキシャル成長させるGaN層形成工程と、
    前記GaN基板と電気的に接続するように、前記GaN層の表面に隣接して電極を形成する電極形成工程と、
    前記GaN基板の前記他方の主面側に、電流の注入により発光する発光層を形成する工程とを備える、発光素子の製造方法。
  5. 一方の主面がN面により構成され、他方の主面がGa面により構成されたGaN基板を準備する工程と、
    前記GaN基板の前記一方の主面または前記一方の主面側に反転層を形成する反転層形成工程と、
    表面がGa面により構成されたGaN層を前記反転層の表面からエピタキシャル成長させるGaN層形成工程と、
    前記GaN層の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する高濃度GaN層を前記GaN層の表面からエピタキシャル成長させる高濃度GaN層形成工程とを備える、発光素子の製造方法。
  6. 前記電極形成工程の前に、前記GaN基板の前記一方の主面をKOH溶液で処理する工程をさらに備え、
    前記高濃度GaN層形成工程において、前記一方の主面に隣接するように前記高濃度GaN層を形成し、
    前記一方の主面をKOH溶液で処理する工程において、前記一方の主面に隣接する前記高濃度GaN層を除去することを特徴とする、請求項5に記載の発光素子の製造方法。
  7. 前記電極形成工程の前に、前記GaN基板の前記一方の主面をKOH溶液で処理する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項4または5に記載の発光素子の製造方法。
  8. 前記反転層形成工程において、前記GaN基板の前記一方の主面を荒らすことにより、前記GaN基板の前記一方の主面に前記反転層を形成することを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記反転層形成工程において、Al、In、Au、Pt、Cr、およびFeよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属よりなる前記反転層を前記GaN基板の前記一方の主面側に形成することを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記反転層形成工程において、400℃以上800℃以下の温度でMOCVD法を用いてGaNよりなる前記反転層を前記GaN基板の前記一方の主面側に形成することを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  11. 前記GaN層形成工程の前に、前記GaN層を形成しない部分を覆うようにマスク層を形成する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項4〜10のいずれかに記載の発光素子の製造方法。
  12. 一方および他方の主面がともにGa面により構成されたGaN基板。
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