JPH08255150A - 情報公開装置及びマルチモーダル情報入出力システム - Google Patents

情報公開装置及びマルチモーダル情報入出力システム

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JPH08255150A
JPH08255150A JP8626695A JP8626695A JPH08255150A JP H08255150 A JPH08255150 A JP H08255150A JP 8626695 A JP8626695 A JP 8626695A JP 8626695 A JP8626695 A JP 8626695A JP H08255150 A JPH08255150 A JP H08255150A
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Application number
JP8626695A
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English (en)
Inventor
Miyoshi Fukui
美佳 福井
Akira Morishita
明 森下
Yoichi Takebayashi
洋一 竹林
Yasuyo Shibazaki
靖代 芝崎
Kouichi Sasaki
光一 笹氣
Kazuyuki Goto
和之 後藤
Yoshihisa Otake
能久 大嶽
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 個人が所有する情報を所有者の代理人として
対話的に公開する情報公開装置を提供すること。 【構成】 本発明は、所定の情報形態のデータを記憶す
るデータ記憶手段と、これに格納されたデータを検索す
る検索手段と、要求者から情報公開要求を受付ける受付
手段と、要求者に応じた応答を生成するための一般的な
知識とデータを所有する情報提供者側ユーザと情報要求
者側ユーザの対人関係に関する情報を格納する応答規則
記憶手段と、受付手段にて受理された要求に応答して応
答規則記憶手段に格納された知識と対人関係の情報に基
づき検索手段にてデータ記憶手段に記憶されたデータを
検索して得られたデータを、要求者に呈示するための応
答を計画する応答プラン作成手段と、応答プラン作成手
段により作成された計画に従って、情報要求者への応答
を生成する応答生成手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、個人の所有するデータ
を他人に公開する情報公開装置及びマルチモーダル情報
入出力システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)近年、大学や企業の内外、および家庭を結ぶネッ
トワーク環境の整備が進み、情報通信機器や記憶装置の
低価格化に伴い、個人が莫大な情報を能動的・受動的に
取得し、所有することが可能になった。しかしながら、
多量の情報が流通するため情報洪水の状況が生まれ、広
いネットワーク環境から必要な情報を収集することは、
一般ユーザの限られた能力や時間では困難になってい
る。また、ある程度ネットワーク内に明るいユーザで
も、自分の専門分野ではない情報は探しにくい。そこ
で、必要な情報を所有していそうなユーザや、どこにあ
るかを知っていそうなユーザに頼ることになる。
【0003】このように、個人が豊富なリソースを持ち
ネットワークの内外で活躍する環境においては、情報の
収集・フィルタリング能力を持つユーザへアクセスが集
中する。しかし、そういった能力を持つユーザであって
も、情報提供のみに長い時間をさくわけにはいかない。
個々の質問の内容を理解し適切に対応するには時間がか
かる。また、ネットワーク上の通信手段によるため、遅
延・欠落・誤解などによって、スムーズな情報のやりと
りが阻害され、さらに時間を浪費する。
【0004】そこで、自分が所有している情報を公開し
必要なユーザに勝手に探してもらうという方法もとられ
ている。しかし、誰にでもわかりやすいように情報の構
造化を行い呈示するのは、難しく時間のかかる作業であ
る。情報は常に増加・変容しているため、構造自身も変
更していく必要が生じる。また、セキュリティや円滑な
コミュニケーションのために、相手によって公開する情
報の範囲や呈示の仕方を変える必要もある。これらの管
理は時間がかかる割には楽しみの少ない作業なので、デ
ータ収集が得意なユーザでも敬遠する場合が多い。その
ため、多量の情報を所有するユーザの多くが自分でも情
報の所在がわからなくなり、情報を死蔵させることにな
ってしまう。探すユーザの方も、持っていそうなユーザ
の所有するすべての情報の中を探しまわることになり、
構造が複雑になるにつれて手間が増す。既存のデータベ
ースを用いても、探すユーザがそのデータベースの検索
機能に慣れていない場合、同じ問題が起こる。結局、個
人のフィルタリング能力が活かされないことになる。
【0005】この問題を解決するため、ユーザの与えた
命令に従ってネットワーク中から必要な情報を集めてく
るエージェント(代理人)機能が提案されている。しか
し、情報を探索する環境の知識がないと、正確な命令を
与えることができない。命令を与えてから検索終了・結
果報告までのタイムラグがある場合、命令の不備がある
と何度もトライ&エラーを繰り返し時間を浪費すること
になる。これを解決するための、一般ユーザが簡単に複
雑な命令を与えられるような高度な命令解析機能や、ネ
ットワーク環境に対する広い知識をエージェントに持た
せる試みは、実現が困難である。
【0006】探しに行く先が個人情報の場合は、明白な
公開情報でない限り所有者の許可を得る必要が生じタイ
ムラグが起こりやすい。公開する方も、相手によって見
せてよい内容の範囲が異なる場合、余計な手間が生じ
る。許可を得た/出した場合でも、ユーザによっては他
人の情報を見る/他人から見られることに嫌悪感を感じ
ることがある。各個人が所有する情報は、それぞれフォ
ーマットや構造などが違うが、エージェントにそのすべ
てを教えることは非常に困難である。個人所有のため、
標準化も強要しにくい。
【0007】一方、職場環境を計算機上に仮想的に再現
し(バーチャルサイト)、職場に存在する人間をエージ
ェントとして表現し、エージェントとの応答により、実
際の人間がいない場合でも単純な質問応答処理を行わせ
る試みはある(特開平6−95997号公報)。また、
タスクが限定された場合、人間の代わりに販売業務など
を行う、マルチモーダルインタフェースシステムも試作
されている(特開平5−216618号公報など)。し
かしながら、これらは、システム設計者が設計した通り
の外観を持ち、定められた知識表現と応答規則に則って
応答を行うものであり、一般ユーザが自由な形で自分の
所有する個人的な情報や知識を公開する目的で作成され
たものではない。ある程度の自由度がないと、情報を公
開するユーザの表現力が満足されず、情報を得ようとす
るユーザにとっても画一的な答に興味を覚えないため、
定型的な業務情報にしか利用されないおそれがある。
【0008】(2)近年、コンピュータの普及に伴い、
さまざまな分野でコンピュータを用いた自動化がすすめ
られている。同時に、一般のユーザでもコンピュータを
使えるように、自然なインタフェースが工夫されてい
る。特に、認識技術の向上により、ユーザの発する自然
言語や画像や音声などからユーザの意図を理解して応答
する、マルチモーダルインタフェースシステムが研究・
開発されている。ユーザのさまざまなふるまいを利用す
ることなしに、機械とユーザの円滑な対話は不可能とい
える。
【0009】また、キャッシュディスペンサのビデオカ
メラのように、セキュリティおよびシステム管理のた
め、ユーザと機械との応答履歴を記録しておく場合も増
えている。課金や著作権などのからむ情報検索システム
の場合、誰にどの情報を提供したかといった履歴を積極
的に残す必要がある。
【0010】一方、このようなシステムを使うユーザに
は、安易に応答履歴を記録される不安がある。プライバ
シーや肖像権の侵害などの危険性が生じるからである。
通常は、システムの管理を行う企業に対する社会的な圧
力があるため、応答履歴を悪用される危険性は低いとみ
なされる。また、伝言ダイヤルのような公共の伝言授受
システムでは、一度預けた伝言は削除できないが、預け
る前に自分の伝言を確認し入れ直すことができる。一定
時間を過ぎると記録は抹消されることになっている。
【0011】マルチモーダルインタフェース技術の発展
により、一般ユーザがこのようなシステムを介した情報
サービスを開局することが可能になってきている。この
場合、応答履歴の管理は、サービスを提供するユーザに
まかされる。一般ユーザは、社会的な圧力も少ないた
め、管理がずさんになり応答履歴が悪用される危険性が
高くなる。すなわち、サービスを受ける側のユーザが、
安心してビデオカメラやマイクの前に立てない状況にな
りつつある。
【0012】(3)ネットワーク環境の整備に伴い、個
人が収集した情報を複数で共有する動きが活発化してい
る。そして、このネットワーク上に、エージェント(代
理人)機能を構築し、必要な個人情報を公開する、ある
いは他の個人情報を収集するなどの業務を任せる等が検
討されている。
【0013】不特定多数のユーザに公開する個人情報
は、ユーザにより公開可能なものとそうでないものに分
類され、さらに公開可能範囲が変わる。つまり、ユーザ
によりエージェントの対応を変えることが必要である。
【0014】ユーザごとにエージェントの対応を変える
という点では、ユーザの役職や地位、質問内容などから
あらかじめ優先度を指定しておき、エージェントの対応
を決定するという試みがある。しかし、実際のところ、
エージェントに対するユーザの信頼感(結果的には情報
提供者に対するユーザの信頼感)は、対話のたびごとに
更新されるといってよい。そして、刻々と変わるユーザ
の状況に対し、ルールに縛られず臨機応変に対応するこ
とが、エージェントに望まれる。ユーザの明示的な要求
で情報提供者の現況を分析し直接回線を結ぶ、特開平6
−95997、特公平6−79304の例も同様であ
る。
【0015】また、エージェントがユーザの要求に答え
ることができなくなった場合、情報提供者に回答権を渡
す手法が考えられるが、エージェントが回答不可能にな
るたびに情報提供者と直接回線を結ぶのは容易に類推さ
れる。しかし、これでは、情報提供者の業務効率は落
ち、エージェントを用いた効果が得られない。
【0016】加えて、獲得した情報を最適なカテゴリに
配置すること、適切な公開範囲を設定することなどは、
情報提供者に膨大な労力を強いるものである。
【0017】(4)近年、データベース技術と通信ネッ
トワーク技術の発展により、ユーザが要求する情報を検
索し提示するシステムとして、種々の機能・形態のもの
が提案されている。例えば、データベースサービスは、
契約者たるユーザに対し、その契約に応じた情報を、予
め定められた範囲の要求に応じて検索し提供するもので
ある。また、CAIシステムは、生徒の質問に対して、
生徒の熟知度に相応しい回答や教示を行なうものであ
る。顧客に対する苦情処理システムや案内システムは、
各々の業務に特定した形の要求受け付け、情報提供を行
なうシステムである。また、例えば特開平6−9599
7などのように、人間の代行システムであるエージェン
トを用いて、他者への情報提供作業を自動化する方法も
提案されている。
【0018】これらの各種の情報提供システムは、その
個々のサービス・業務に関しては有用なものであるが、
予め特定されたデータを、特定されたユーザにのみ提供
するという形態に限られている。例えば、高度なCAI
システムでは、生徒の熟知度や教育課程の進度に応じた
情報を、生徒のユーザモデルに基づいて効果的に提供し
てくれるものではあるが、それでも、定められた分野の
教育を目的とし、生徒という特定のユーザのみに情報提
供を行なうことに限定されている。
【0019】しかしながら、現時点でも将来において
も、電子化され計算機上に蓄えられた情報の大部分は、
各個人が個人的なサイトに所有したデータである。これ
らの情報の流通は電子メイルやニュースシステムなどに
よって行なわれているが、その情報取得・提供の操作は
個々人が手作業で行なっている。情報の取得は、どのよ
うな場所や人がどのような情報を所有しているかに関す
る個々人の知識、例えば人脈やネットワークに関する知
識に頼っており、また、情報の提供は、個々人の自発的
な提供活動、例えば電子メイルによる質問に対して返答
するといった行為によってのみ行なわれている。このよ
うな状況では、個々人の所有するデータは有効に活用さ
れず、人脈のある者同士での流通に留まってしまう。ま
た、個々人の自発的な情報流通活動にも限界があり、例
えば電子メイルによる質問に対して応答するための時間
・労力も無視できない。したがって、このような個人が
行なっている情報公開の作業を自動化・支援する必要が
生じてきた。
【0020】個人が所有する情報はあらかじめ意味や形
式を定めることの困難な不定型のものであり、また、個
人に情報を提供するよう要求するユーザも、例えばデー
タベースサービスにおける顧客やCAIシステムにおけ
る生徒のように類型化されていない。したがって、上記
に挙げたような従来技術による定型業務用の情報公開シ
ステムでは、人間同士が行なうような柔軟で肌理細やか
な情報流通を代行させることは不可能である。すなわ
ち、ユーザに応じて情報の提示方法を変更するための方
法や、提示方法変更のための条件などを設定する手段が
実現されていない。
【0021】また、一般に、情報を公開するための条件
は時間に応じて変化するが、この問題に対する対策が講
じられていないし、システムが適切な情報公開を行なえ
なかった場合にこれを修正する手段も実現されていな
い。
【0022】個々人が持つ膨大で有用な情報を、ユーザ
に代って効果的かつ安全に公開する情報公開装置を実現
するには、様々な課題がある。
【0023】まず、個人が所有するデータには様々な意
味、形式、機密度、難易度のものがあり、それを検索し
提示するためのアプリケーション・プログラムもまちま
ちである。これら多種多様な情報を、公開する目的で整
理することは困難かつ多大な労力を要する。
【0024】次に、情報の提供者に対して情報を要求し
てくる情報要求者についても多様な人物が考えられ、そ
の各々に対する対応の仕方を予め全て想定することは困
難かつ多大な労力を要する。特に、情報提供者のプライ
ベートな情報については、これを公開するかしないか、
どのような範囲の情報をどのような方法で公開するか
は、情報提供者と情報要求者との対人関係や、各人の年
齢、性別、所属する組織など、様々な要素が関係する。
【0025】さらに、情報提供者の所有するデータの機
密度や難易度、情報要求者の権限や熟知度は、時間に応
じて動的に変化していくものである。多様な情報を多様
な人物に適切な形で公開するための方法・制約を詳細に
設定したとしても、時間の経過にしたがって有効でなく
なる可能性がある。情報公開装置は、ユーザの要求に対
して満足できる情報を提示することに失敗した場合に
も、以後同様の状況で同様の失敗を繰り返さないことが
望まれる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
(1)従来の情報公開装置では、個人が収集した多量の
情報を簡単に公開できなかった。また、情報の所有者が
誰に何をどのような形でどの程度まで公開するかを調節
する手段がなかった。
【0027】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、個人が所有する情報を所有者の代理人として対
話的に公開する情報公開装置を提供することを目的とす
る。 (2)従来の情報公開装置では、応答履歴の管理は情報
公開装置を所持する者にまかされていた。そのため、応
答履歴の管理者に対して不信感を持つユーザは、その情
報公開装置を利用することができなかった。
【0028】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、情報公開装置とそのユーザである情報要求者間
の応答履歴の管理に当該情報要求者の意志を反映させこ
とのできる情報公開装置を提供することを目的とする。
【0029】(3)従来の情報公開装置には、エージェ
ントとの交渉過程におけるユーザの状況や変化を動的に
反映し、ユーザにとって臨機応変に情報公開をする手段
がなかった。
【0030】また、情報提供者の状況を把握し、情報提
供者にとっても効果的な対応を考慮する手段がなかっ
た。
【0031】また、獲得した情報を適切なカテゴリに配
置する手段、さらに交渉経過あるいは他の交渉を反映
し、公開範囲を柔軟に修正する手段がなかった。
【0032】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、ユーザである情報要求者と情報提供者の状況を
動的に分析し、両者に対し適切な対応を選択することの
できる情報公開装置を提供することを目的とする。
【0033】また、本発明は、ユーザの意図、感情、状
況を理解し、ユーザの満足感や快適さを格段に向上させ
ることのできるマルチモーダル情報入出力システムを提
供することを目的とする。
【0034】(4)従来の情報公開装置では、時間に応
じて動的に変化していく情報提供者と情報要求者との対
人関係、あるいは情報提供者の所有するデータの機密度
や難易度等に対応して行く手段がなく、常時、簡易かつ
適切な形で情報公開を行なうことは難しかった。
【0035】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、個人の所有する多様な情報を多様な人物に適切
な形で公開するため、公開するデータに関する情報とユ
ーザである情報要求者に関する情報を効率的に作成・修
正することのできる情報公開装置を提供することを目的
とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明(請求項1)は、所定の情報形態(例え
ば、テキスト、音声、イメージ、動画など)のデータを
記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に格納
された前記データを検索する情報検索手段と、情報要求
者から情報公開の要求を受け付けるための要求受付手段
と、前記情報要求者に応じた応答を生成するための一般
的な知識および前記データを所有する情報提供者側のユ
ーザと前記情報要求者側のユーザとの間の特有の対人関
係に関する対人関係情報を格納する応答規則記憶手段
と、前記要求受付手段によって受理された前記要求に応
答して、前記応答規則記憶手段に格納された前記知識お
よび前記対人関係情報に基づいて、前記情報検索手段に
よって前記データ記憶手段に記憶された前記データを検
索して得られたデータを、前記情報要求者に呈示するた
めの応答を計画する応答プラン作成手段と、前記応答プ
ラン作成手段により作成された計画に従って、前記情報
要求者への応答を生成する応答生成手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0037】好ましくは、前記対人関係情報は、前記情
報提供者側のユーザと前記情報要求者側のユーザとの間
の社会的関係に関する情報または個人的関係に関する情
報の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0038】また、好ましくは、前記応答プラン作成手
段は、前記対人関係情報に応じて、前記情報要求者に公
開するデータの範囲または前記情報要求者へのメッセー
ジの内容を計画することを特徴とする。
【0039】好ましくは、前記応答規則記憶手段に格納
されている知識の作成・変更・追加を行う応答規則管理
手段をさらに備えたことを特徴とする。また、好ましく
は、前記応答規則管理手段は、特定のユーザに対して応
答規則記憶手段に格納されている知識の作成・変更・追
加を許可することを特徴とする。
【0040】また、好ましくは、外観や性格、音色な
ど、前記応答プラン作成手段に固有の応答の特徴を表す
情報を格納する応答特徴情報記憶手段と、この応答特徴
情報記憶手段に格納されている情報の作成・変更・追加
を特定のユーザに許す応答特徴情報管理手段とをさらに
具備し、前記応答プラン作成手段は、固有の応答特徴を
維持するような応答プランを作成することを特徴とす
る。
【0041】また、好ましくは、前記応答規則記憶手段
および前記応答特徴情報記憶手段のいずれか一方または
両方を複数個づつ備え、前記応答プラン作成手段は、前
記応答規則記憶手段またはおよび前記応答特徴情報記憶
手段のいずれか一方または両方を、情報要求者または状
況に応じて取り替えることを特徴とする。
【0042】また、好ましくは、前記応答規則記憶手段
には、前記データ記憶手段に他の情報公開装置から得た
データを記憶する際、当該他の情報公開装置への接続方
法を格納しておき、前記応答プラン作成手段は、前記情
報要求者から前記他の情報公開装置から得たデータに関
連する要求があった場合、前記応答規則記憶手段を参照
して、前記他の情報公開装置への前記接続方法を提供す
る応答を計画することを特徴とする。
【0043】好ましくは、前記応答プラン作成手段は、
解答を生成できないと判断した場合、前記応答規則記憶
手段の内容に従って、前記他の情報公開装置に応答生成
を代行するよう依頼する応答を計画し、前記応答規則管
理手段は、前記応答生成を代行した前記他の情報公開装
置の応答を元に、前記応答規則記憶部の内容の追加・更
新をすることを特徴とする。
【0044】また、好ましくは、他の情報要求者や他の
情報公開装置の振る舞いを観察する状況判断手段をさら
に具備し、前記応答プラン作成手段は、前記状況判断手
段の判断を元にデータを公開する相手を探して、相手に
自分に対する要求を発生させるような応答を計画するこ
とを特徴とする。
【0045】また、好ましくは、前記要求受付手段は、
情報要求者の契約開始や契約破棄などに関する契約情報
を受け付け、前記応答規則管理手段は、前記要求受付手
段で受け付けたユーザの契約情報を前記応答規則記憶手
段に格納し、前記応答プラン作成手段は、前記応答規則
記憶手段の契約情報を参照して、所定の契約条件を持つ
情報要求者のみ前記状況判断手段を用いて振る舞いを観
察することを特徴とする。
【0046】好ましくは、前記情報要求者側のユーザが
興味を有する対象分野に関する特徴情報を管理する手段
と、前記特徴情報を前記情報公開装置に開示する手段と
をさらに備えたことを特徴とする。
【0047】好ましくは、前記情報要求者から開示され
た前記特徴情報を利用して、前記情報要求者が所望して
いるデータの内容を推定し、この推定された内容のデー
タを前記データ記憶部から取り出して前記情報要求者に
開示する情報検索・提示手段をさらに備えたことを特徴
とする。
【0048】(2)本発明(請求項6)は、所定の情報
形態によって入力される要求者の要求を受け付ける要求
受付手段と、前記要求者または状況に応じた応答を生成
するための一般的な知識を格納する応答規則記憶手段
と、前記要求受付手段によって受理された前記要求に応
答して、前記応答規則記憶手段に格納された前記知識を
用いて前記要求者に呈示するための応答を計画する応答
プラン作成手段と、前記応答プラン作成手段により作成
された前記計画に従って、前記要求者への応答を生成す
る応答生成手段と、前記要求受付手段により受け付けら
れた前記要求者の要求と、前記応答生成手段により生成
された前記要求者への応答とを対応付けて記憶する履歴
記憶手段と、前記履歴記憶手段に記憶された前記履歴情
報の記録、変更および削除の少なくとも1つを前記要求
者からの指示に応じて行なう履歴編集手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0049】好ましくは、前記履歴編集手段は、前記履
歴情報の内容に応じて編集権限を設定し、前記要求者が
編集権限を持つ履歴情報のみ編集することを特徴とす
る。
【0050】(3)本発明(請求項7)は、所定の情報
形態(例えば、テキスト、音声、イメージ、動画など)
のデータを記憶するデータ記憶手段と、情報要求者から
情報公開の要求を受け付けるための要求受付手段と、前
記要求受付手段によって受理された前記要求に応じて、
前記データ記憶手段から前記データを検索する検索手段
と、前記要求受付手段によって受理された前記要求に応
じて、前記情報要求者側のユーザに関する意図と感情を
分析する分析手段と、前記分析手段による分析結果に基
づいて、前記情報要求者に対する応答を計画する応答プ
ラン作成手段と、前記応答プラン生成手段により生成さ
れた前記計画に従って、前記情報要求者への応答を生成
する応答生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0051】好ましくは、前記情報要求者と前記データ
を所有する情報提供者との間で直接回線を開設すること
ができるか確認する状況確認手段をさらに備え、前記分
析手段による分析結果および前記状況確認手段による確
認結果に基づいて、前記情報提供者側と前記データを所
有する情報提供者側との間で直接回線を開設することを
決定する直接回線開設決定手段と、前記直接回線開設決
定手段の結果に応じて、直接回線を開設する直接回線開
設実行手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0052】好ましくは、前記応答プラン生成手段は、
前記情報提供者側のユーザと前記情報要求者側のユーザ
との対人関係情報から対人関係モデルを生成し、対話内
容に応じて該対人関係モデルを編集することにより、前
記情報要求者側のユーザ感情の変移を類推することを特
徴とする。
【0053】また、好ましくは、前記情報要求者に対し
て、図または表などで交渉概要または内容を呈示する交
渉概要呈示手段をさらに備え、この交渉概要呈示手段に
より、前記直接回線の決定を前記情報提供者側で下すた
めの資料を前記情報提供者側に提示することを特徴とす
る。
【0054】本発明(請求項11)は、音声入力を含む
少なくとも1つの形態の入力メディア(音声入力の他、
例えば、キーボード入力、マウス入力、ペン入力等)を
介してユーザの言語情報および指示情報の少なくとも一
方を入力する手段と、入力された該言語情報または指示
情報に対して、蓄積処理、加工処理、認識処理および理
解処理の少なくとも1つを施す手段とを備えたマルチモ
ーダル情報入出力システムにおいて、前記ユーザの音声
入力からユーザの意図、感情および状況の少なくとも1
つを理解する手段を備えたことを特徴とする。
【0055】好ましくは、システム側からユーザに対し
て、感情情報を伴う言語音声および感情情報を伴う非言
語音声の少なくとも一方を提示する手段をさらに備えた
ことを特徴とする。
【0056】(4)本発明(請求項9)は、所定の形態
のデータを記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶
装置に記憶された個々のデータについて、当該データの
機密度および難易度を記述したデータ情報を記憶するデ
ータ情報記憶手段と、個々の情報要求者の各データに対
する権限および熟知度を記述したユーザ情報を記憶する
ユーザ情報記憶手段と、前記情報要求者からのデータ提
示要求に対して、前記データ情報に基づいて、データを
検索し提示する検索提示手段と、前記情報要求者および
当該情報公開装置を管理する情報提供者との入出力を行
う入出力手段と、前記入出力手段を用いた当該情報公開
装置と前記情報要求者および前記情報提供者の間での応
答の履歴である応答履歴情報を記憶する応答履歴記憶手
段と、前記情報要求者の要求に対して満足できるデータ
を提示不可能であり、前記情報提供者が当該情報要求者
に対して直接応答および要求データの提示を行った場合
に、前記応答履歴情報に基づき、前記データ情報を作成
または変更する編集手段とを備えたことを特徴とする。
【0057】本発明(請求項10)は、所定の形態(例
えば、テキスト、音声、静止画、動画など)のデータを
記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶装置に記憶
された個々のデータについて、当該データの機密度およ
び難易度を記述したデータ情報を記憶するデータ情報記
憶手段と、個々の情報要求者の各データに対する権限お
よび熟知度を記述したユーザ情報を記憶するユーザ情報
記憶手段と、前記情報要求者からのデータ提示要求に対
して、当該情報要求者に対応する前記ユーザ情報と前記
データ情報に基づき、当該情報要求者の権限および熟知
度に応じた機密度および難易度のデータを検索し提示す
る検索提示手段と、前記情報要求者および当該情報公開
装置を管理する情報提供者との入出力を行う入出力手段
と、前記入出力手段を用いた当該情報公開装置と前記情
報要求者および前記情報提供者の間での応答の履歴であ
る応答履歴情報を記憶する応答履歴記憶手段と、前記情
報要求者の要求に対して満足できるデータを提示不可能
であり、前記情報提供者が当該情報要求者に対して直接
応答および要求データの提示を行った場合に、前記応答
履歴情報に基づき、前記データ情報および当該情報要求
者の前記ユーザ情報を作成または変更する編集手段とを
備えたことを特徴とする。
【0058】好ましくは、前記ユーザ情報記憶手段に記
憶された個々のユーザ情報には、当該ユーザ情報自体の
機密度を記述せしめてあり、前記情報要求者があるユー
ザのユーザ情報の提示を要求した場合に、当該情報要求
者の権限と当該ユーザ情報の前記機密度に応じて、当該
ユーザ情報を提示することを特徴とする。
【0059】また、好ましくは、前記情報要求者によ
り、前記情報提供者自身の権限および熟知度では提示す
べきでないデータを提示することを要求された場合に、
前記ユーザ情報記憶手段に記憶されたユーザ情報から、
当該データに対する権限および熟知度が当該データの機
密度および難易度より高いユーザのユーザ情報であり、
かつ、当該情報要求者が当該ユーザ情報自体に対して権
限があるようなユーザ情報を選択し、選択されたユーザ
情報が示すユーザへデータを要求するように情報要求者
に提案することを特徴とする。
【0060】
【作用】
(1)本発明では、情報を所有する個人の対人関係情報
を持つことによって、相手によって情報の公開方法を変
えることが可能となる。従って、本発明によれば、適切
な相手にのみ個人情報を公開することができる。また、
対話的なインタフェースによって必要な情報だけを公開
することにより、個人の情報フィルタリング能力を他人
が利用しやすくなり、情報公開や探索に要する時間を軽
減することができる。
【0061】(2)本発明では、装置との対話において
ユーザの発信した情報の記録・再生許諾機能を持つこと
により、ユーザの意志に反してユーザの履歴を記憶する
ことを防ぐことができる。また、記録の許諾のみなら
ず、追加、編集、削除をユーザが行えることが可能な情
報公開装置を提供することができる。従って、本発明に
よれば、ユーザが安心して装置と、あるいは、装置を介
して対話し、履歴を保存することができる。
【0062】(3)本発明では、あらかじめ登録したユ
ーザの地位や質問内容で対応を決定するだけでなく、交
渉過程からユーザの状況を動的に分析し、柔軟な情報公
開や対応を決定する。この結果、情報公開装置の処理能
力に対するユーザ信頼性が向上する。また、ユーザとの
直接回線を結ぶ際には情報提供者の現況も考慮しながら
結ぶか否かを決定することが可能であり、情報公開装置
が失敗した全ての交渉に情報提供者が強引に巻き込まれ
る従来の負担を軽減できる。
【0063】また、本発明では、マルチメディアシステ
ムにおいては、言語情報と非言語情報、ユーザの意図的
情報と非意図的情報の並行処理が重要な点に着目し、特
に、音声メディアの並行性の性質を活かすことにより、
ユーザ中心のマルチモーダルインタフェースとして、心
地良く、自然で、暖かみのあるコンピュータとの対話を
実現することができる。特に、キーボード、マウス、ペ
ン、音声入力による言語情報、指示情報入力と音声を中
心とする非言語情報によるユーザの意図、感情、状況理
解は、ユーザの満足感や快適さを格段に向上させること
ができる。
【0064】(4)情報要求者の権限・熟知度や、デー
タ自体の機密度・難易度は動的に変化するものであるた
め、適切なデータを提示するためのこれら権限・熟知度
・機密度・難易度に関する情報は、適宜変更・作成して
いく必要があるが、上記の如く構成された本発明によれ
ば、情報要求者と情報公開装置と情報提供者の対話の履
歴に基づき、これらの情報の変更・作成作業を自動的あ
るいは対話的に行なえるので、情報提供者はこの作業が
軽減され、情報要求者や公開するデータに関する権限・
熟知度・機密度・難易度などの適切な設定を容易に効率
的に行なうことができる。すなわち、本発明によれば、
情報要求者の権限や熟知度によって公開するデータを柔
軟に変えることが可能となる。
【0065】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0066】図1に、本発明の実施例に係る情報公開装
置を含む基本的なシステム構成を示す。概略的には、情
報公開装置1と要求者側端末4はネットワークなどの通
信手段により接続されており、情報公開装置1は要求者
側端末4から送られたメッセージに基づき、情報公開の
ための対話を行ない、必要に応じてデータ記憶部2に記
憶してある情報提供者の保有する情報を検索して要求者
側端末4に公開し、あるいは情報の公開を拒否する。
【0067】データ記憶部2内の情報を検索する検索部
は、情報公開装置1内に設けても良いし、情報公開装置
1外部の検索部5を利用しても良い。
【0068】要求者と情報公開装置1との間での対話で
受け渡しする情報、あるいは情報公開装置1から要求者
に公開する情報の形態としては、テキスト、音声、イメ
ージ、動画など任意のものを任意に組合わせて使用する
ようにできる。
【0069】以下では、本発明の第1〜第6の実施例を
説明する。
【0070】第1の実施例では、情報公開装置1は、情
報提供者と要求者との対人関係等の情報を参照して、公
開する情報の範囲あるいは応答メッセージの内容等をコ
ントロールするようにした例を示す。
【0071】第2の実施例では、要求者の持つ興味に関
する情報を情報公開装置1に与えることにより、煩わし
い対話を繰り返すことなく、容易に望む情報が得られる
ようにした例を示す。
【0072】第3の実施例では、要求者と情報公開装置
1との間の対話(テキストの他に、音声、イメージ、動
画を含む)の履歴を、要求者が編集(記録・変更・削除
等)できるようにした例を示す。
【0073】第4の実施例では、情報公開装置1と対話
を行なっている要求者の状況を把握し、これを応答(応
答メッセージの内容、情報提供者と要求者とを直接回線
で結ぶ等)に反映されるようにした例を示す。
【0074】第5の実施例では、当該要求者の状況を把
握するために、テキストの内容の他に、要求者の音声や
表情等も参考にするようにした例を示す。
【0075】第6の実施例では、情報公開が失敗した場
合の応答の履歴から、要求者の管理情報や公開する情報
の管理情報の不備を同定し、これを対話的あるいは自動
的に修正できるようにした例を示す。
【0076】(1)(第1の実施例) まず、第1の実施例について説明する。図2に、本実施
例の情報公開装置の構成を示す。この情報公開装置は、
データ記憶部101、検索部102、要求受付部10
3、応答プラン作成部104、応答生成部105、応答
規則記憶部106、応答規則管理部107を備えてい
る。テキスト、音声、イメージ、動画などのデータは、
データ記憶部101に記憶される。
【0077】検索部102では、データ記憶部101に
記憶されているデータから、必要なデータを取り出す。
【0078】要求受付部103では、例えばネットワー
クなどの通信手段(例えば図1中の3)を介して入力を
受け取り、入力に含まれる意図を理解する。
【0079】応答規則記憶部106には、応答プラン作
成部104で応答を計画する際に必要な知識あるいはル
ールが格納されており、これらを応答規則管理部107
が管理している。
【0080】応答プラン作成部104では、要求受付部
103で受理した要求に答えるための応答を、応答規則
記憶部106に格納された知識あるいはルールを用いて
計画する。データ記憶部101に格納されているデータ
が必要な場合は、検索部102に対して検索要求を送
り、検索結果をもとに、応答規則記憶部106の知識あ
るいはルールを用いて計画する。
【0081】応答生成部105では、応答プラン作成部
104の計画に従って、例えば、テキスト、音声、イメ
ージ、動画などのデータ、あるいはこれらを組み合わせ
たものとして、応答を生成する。
【0082】以下、本実施例の動作を示す。図3に、本
実施例の処理の流れを示す。図4等には、本実施例の応
答の一例を示す。
【0083】ここでは、ユーザのうち、情報公開を受け
る要求者をユーザと呼び、情報を公開するものを情報提
供者と呼ぶ。また、情報公開装置を、情報公開エージェ
ントと呼ぶ。
【0084】はじめに、情報を欲しいユーザが、情報提
供者であるユーザの管理する情報公開装置にアクセスす
る。例えば、図4に示すようなウィンドウベースのイン
タフェースで、ユーザが自分のテキスト入力可能なウィ
ンドウ内でコマンド列「pip jim yasud
a」を入力する(図4のS0)。コマンドpipによっ
てユーザの立ち上げたプロセスは、情報提供者であるy
asudaの情報公開エージェントjimにアクセス
し、情報公開エージェントとの入出力データの橋渡しを
行う。ここでは、ユーザの立ち上げたプロセスをクライ
アントプロセスと呼ぶ。
【0085】情報公開エージェントは、現在の応答状況
を把握するため、例えば、情報公開エージェント自身の
状態遷移モデルとユーザの状態遷移モデルを持つ。情報
公開エージェントの状態遷移モデルの例を図5に、ユー
ザの状態遷移モデルの例を図6に示す。情報公開エージ
ェントの状態は、大まかに「接続状態」と「切断状態」
の2つに分かれる。ユーザのクライアントプロセスと接
続された際、そのユーザ用の2つのモデルを初期状態
(図5のC402と図6のC502)にする。複数のユ
ーザから、同時にアクセスされた場合は、エージェント
とユーザのモデルをセットで、ユーザの数だけ保持す
る。
【0086】接続が完了すると、情報公開エージェント
は身元確認状態へ遷移し、クライアントプロセスから得
た情報によって、ユーザの身元を確認する(図3の20
1)。例えば、UNIXではクライアントプロセスでシ
ステム関数getuid()を使ってユーザID(ui
d)を得る。例えば、以下のようなC言語のプログラム
を用いて、ユーザのログイン名(str)を得る。
【0087】 uid = getuid ( ) ; if ( passwdp = getpwuid (uid) ) strcpy (str, passw
dp->pw*name) ; あるいは、クライアントプロセスを通して、ユーザがア
クセスするたびに、ログイン名やパスワードを入力させ
てもよい。
【0088】クライアントプロセスは、これらの値を、
例えばソケットや共有メモリなどを使って、情報公開エ
ージェントに伝える。情報公開エージェントは、このデ
ータにより個人認証を行う。
【0089】ユーザごとにアクセスの履歴をとり、それ
を元に生成する応答を変えるために、例えば、応答規則
記憶部106に、図7のようなユーザ履歴情報テーブル
を格納しておく。この内容と比較し、過去にアクセスし
たユーザかどうかを確認する。はじめてアクセスするユ
ーザの場合は、ユーザ履歴情報テーブルを新しく作成す
る。過去にアクセスしたことがあるユーザの場合は、そ
のユーザの履歴情報を呼び出す。
【0090】応答規則記憶部106内のユーザ履歴情報
テーブルには、過去にアクセスされたユーザについて、
情報公開エージェントが得た情報を格納しておく。例え
ば、ログイン名、実名、現在までのアクセス回数や、各
アクセスの日時、所用時間、過去の応答において提供し
た情報のインデックス、提供した情報量、ユーザから獲
得した情報のインデックス、獲得した情報量、要求に含
まれるキーワード、共通の仕事、計算機環境などであ
る。ユーザ履歴情報テーブルは、アクセスされるごと
に、情報公開エージェントによって更新される。
【0091】あらかじめアクセスが予想されるユーザの
情報を対人関係情報を含めて応答規則記憶部106に登
録し、これにより生成する応答を変えることが可能であ
る。例えば、図8に示すようなユーザ情報登録テーブル
を用意し、情報提供者によっていつでも更新が可能とす
る。ユーザ情報登録テーブルの内容は、例えば、年齢や
性別、興味のある分野、情報提供者との関係などとす
る。また、情報提供者が情報公開エージェント以外の手
段によってユーザと情報交換を行っている場合は、それ
らの履歴の格納場所なども書き込む。情報公開エージェ
ントは、現在アクセス中のユーザがユーザ情報登録テー
ブルに登録されていれば、その情報を呼び出す。
【0092】ここで、対人関係情報とは、例えば、年
令、所属などから決定される社会的な関係と、一対一あ
るいは多対一の実際の付き合いによって形成される個人
的な関係(例えば、知人、友人、くされ縁、絶交など)
がある。これらによって、ユーザの待遇が決まると考え
られる。未登録ユーザに関しても、企業や大学等で共有
するユーザ情報がある場合は、その内容から、社会的な
対人関係は決定することが可能である。例えば、所属部
署が同一で入社年度が近ければ「同僚」、上であれば
「上司」といった関係を決定する。また、ユーザと提供
者間で電子メール等の私信が交換されていれば、「知
人」などといった個人的な対人関係もある程度は自動的
に決定できる。
【0093】アクセスを許すユーザの範囲を規制する場
合、情報提供者があらかじめわかっているユーザに関し
ては、例えば、図8に示すようなユーザ情報登録テーブ
ルでアクセス許可レベルの上限を定めておく。アクセス
許可レベルの低いユーザでも、規制された範囲でのアク
セスは許すが、例えば、エージェントの存在を知られた
くないユーザに対しては、アクセス許可レベルの上限を
アクセス全面拒否を表すレベル0に指定する。
【0094】あらかじめ予想できないユーザがアクセス
する場合は、応答規則記憶部106に、例えば図9のよ
うなアクセス許可レベル決定規則を持たせる。アクセス
許可レベルは、例えば、ユーザ名、現在の使用環境な
ど、現在の応答でエージェントが得ることができるユー
ザの情報や状況、また、共有のユーザ情報がある場合は
その内容と、図7のユーザ履歴情報テーブルと、図8の
ユーザ情報登録テーブルの内容によって規定する。
【0095】提供する情報ごとにアクセス許可を指定す
るために、例えば、図10に示すような公開許可範囲テ
ーブルを情報提供者が入力しておくことも可能である。
アクセス許可レベルやユーザの登録情報、ユーザ履歴情
報の内容から公開するユーザの範囲を指定する。データ
の記憶時に自動的あるいは情報提供者の判断で、データ
ごとにアクセス許可情報を付加してもよい。この場合、
情報を公開するかどうかは情報を検索した後に判断す
る。
【0096】身元確認の後、情報公開エージェントは、
現在の状況を確認する(図3のステップS202)。
【0097】例えば、クライアントプロセスから、ユー
ザのウィンドウ環境やディスプレイの性能、メモリやデ
ータ転送能力などの物理的な状況の情報を得る。また、
情報公開エージェントとユーザの状態遷移モデルにおけ
る状態を確認する。情報公開エージェントは、図5の身
元確認状態C403、ユーザは図6の初期状態C502
のままである。
【0098】状況確認の後、情報公開エージェントは現
在の状況をもとに応答規則記憶部106の履歴情報を更
新する(図3のステップS203)。例えば、図7に示
すようなユーザ履歴情報テーブルへ、ユーザの状況や現
在までに提供した情報内容などを格納する。
【0099】応答履歴更新の後、情報公開エージェント
は現在の状況をもとに応答プランを作成する(図3のス
テップS204)。
【0100】タスクが限定された際のユーザの意図理解
と応答生成の方法は、特開平5−216618号公報等
に詳しい。また、エージェントによるユーザの意図理解
・問題解決・応答生成方法は、特開平6−95997号
公報に詳しい。
【0101】応答プラン作成部104は、まず、例えば
図11に示すような応答形態制限表を作成し、テキス
ト、音声、画像などの応答形態(モダリティ)を制限す
る。例えば、情報提供者の優先順位、ユーザの端末等の
性能で快適に使用できるか、時間や場所・用途などの使
用状況などによる制限などを鑑み、各応答形態を採点
し、最後に、主要な応答形態と補助的に用いる応答形態
の組み合わせで評価する。ユーザsakuraは、現
在、職場の共有端末を利用しており、日本語のテキスト
と音声をリアルタイムで呈示できる環境だが、ヘッドホ
ンを使っておらずディスプレイが小さいとする。例え
ば、主要応答形態はテキストとし、仕事時間中のため音
声は使わず、イメージは静止画を小さいサイズで表示す
るといった応答形態を選択する。同じ機器構成の端末で
も、例えば、自宅や個室の端末の場合や周囲に人がいな
い場合、複数のユーザに呼びかける場合は音声を用い
る。また、情報公開者が応答形態採点規則を変更できる
ようにしてもよい。ユーザによってテキストのみで応答
したり、可能な限り動画を使うなど、設定できるように
してもよい。また、応答中に、ユーザの要求に応じて応
答形態を変更できるようにしてもよい。ユーザの要求は
ユーザ履歴情報テーブルなどに保存し、次回、同一ユー
ザが同じような環境でアクセスしてきた際は、同じ応答
形態を採用する。
【0102】応答プラン作成部104は、次に適切な応
答プランを選択する。図5の情報公開エージェントの各
状態ごとに、例えば図12に示すように選択可能な応答
プランが定義されており、適当なプランを選択するた
め、図13に示すような応答作成規則を持つ。
【0103】情報公開エージェントは、図5の状態遷移
モデルにおける身元確認状態であり、ユーザsakur
aは、図6の状態遷移モデルにおける初期状態とみなさ
れる。身元確認状態における情報公開エージェントの目
的は、ユーザの身元確認の結果をユーザに知らせること
である。どのように知らせるかは、身元確認の結果、得
られた情報による。「sakuraさん、こんにちは」
「sakuraさん、はじめまして」「佐倉さんですね
?」「資材担当の佐倉さんですか?」「はじめての方で
すね?」「名前を教えてください」「ユーザ名が登録さ
れていません」といったように、挨拶、質問、確認、説
明、要求などのさまざまな応答が考えられる。これらの
うちの適当なプランを選択するための応答作成規則は、
情報提供者によって変更することができる。
【0104】ユーザ履歴情報テーブルとユーザ情報登録
テーブルの内容によれば、アクセス許可レベルは5、ア
クセス回数は1以上、友人関係である。図13に示す応
答作成規則を用いて、相手を認識したことをユーザに示
す、応答プランテンプレート[挨拶]を選択する。
【0105】応答プラン作成部104は、最後に、選択
した応答プランに必要な情報を埋め込む。
【0106】「挨拶」の応答プランテンプレートは、モ
ダリティごとに与えるパラメータや属性などを指定する
ものである。例えば図14に示すように、テキストのタ
イプ0のプランテンプレートを選択した場合は、「呼
称」、「挨拶語」に適当な用語をあてはめ、文章作成プ
ランにする。用語は、図7のユーザ履歴情報テーブルか
図8のユーザ情報登録テーブル、あるいは図15に示す
ような用語登録表や辞書などから検索する。情報提供者
は、用語登録表に新しい用語や使用条件などを指定でき
る。図14に示すように、応答プランは数タイプ用意
し、応答規則や情報提供者の指示により切り替えてもよ
い。
【0107】イメージ描画プランは、例えば、イメージ
の種類=jim、表情=ほほえみという属性値で指定す
る(図4を参照)。他にも、エージェントの姿の代わり
に自画像や風景を出したり、多忙度、季節などの属性値
を指定し、応答生成部105で対応するイメージの描画
方法を変える。音楽も同様に、種類やエージェント名、
多忙度、季節といった属性値を指定し、応答生成部10
5でプランに従って実際の音楽の曲目や演奏形態、音
色、速度などを変えることができる。
【0108】応答プラン作成部104でデータ検索の指
示があった場合は、データ検索部102においてデータ
検索を行い、その結果をもとに再度応答プランを作成す
る(図3のステップS205)。通常、挨拶のプランに
は、データ検索の指示は含まれない。
【0109】情報公開エージェントに伝言機能を持たせ
た場合は、ユーザへの伝言があれば、挨拶プランと伝言
プランを作成し、伝言を伝える。
【0110】データ検索の指示がない場合は、応答生成
部105で作成した応答プランに従って応答を生成する
(図3のステップS206)。応答生成は、テキスト、
音声、イメージなど、応答プランで決定されたモダリテ
ィごとに生成され、クライアントプロセスに渡される
か、あるいは、別プロセスを発生するなどの手段によ
り、ユーザの端末の出力デバイスに渡され呈示される。
複数のモダリティを用いる場合は、出力するタイミング
を同期させる。表示する場合の位置や大きさ、他の情報
との位置関係なども考慮する。あるいは、ウィンドウの
配置などは過去のユーザの履歴情報を元に生成してもよ
い。
【0111】ユーザsakuraの端末には、例えば、
図4に示すように、エージェントの姿を表すイメージデ
ータと、エージェントの言葉を表すテキストデータJ0
が示される。
【0112】このとき、エージェントの応答とユーザの
入力が区別できるようにする。例えば、図4に示すよう
に、エージェントjimの応答は、「J:」を付加して
並べられ、ユーザに入力を促す場合は「S:」を表示し
て両者のテキストを区別する。複数のエージェントやユ
ーザが参加する応答においても、全員の出力が区別でき
るようにする。
【0113】応答生成後、通常状態であれば、情報公開
エージェントの状態は、図5の要求理解状態C404へ
遷移する。ユーザの状態は、図6の応答理解状態C50
3へ遷移する。
【0114】情報公開エージェントがユーザに対して適
切な出力を送れない場合や、接続が切れた場合などは、
応答規則記憶部106の履歴情報を更新し、処理を終了
する。クライアントプロセスは、ユーザに状況を報告
し、継続するかどうかを確認するなどの後処理を行う。
クライアントプロセスが該当する情報公開エージェント
にアクセスできなかった場合も、該当する情報公開エー
ジェントが存在しない旨をユーザに伝えて同様の処理を
行う。
【0115】アクセス許可レベル0のユーザに対して、
意図的な情報隠ぺいが行われていることが知られると、
変に勘ぐられたりアクセス許可を出すよう強要されるお
それが生じる。これを避けるため、例えば、アクセス許
可レベル0のユーザには、クライアントプロセスが該当
する情報公開エージェントにアクセスできなかった場合
と同じメッセージを示すことにより、情報公開エージェ
ントの存在自体を隠す。この方法は一般には有効だが、
情報提供者の情報公開エージェントプロセスが動いてい
ることを、他のユーザに隠せない状況では無効である。
例えば、情報公開を行っているかどうかにかかわらず、
すべてのユーザの情報公開エージェントを常駐させるよ
うにし、誰に対しても公開していない場合と、限られた
ユーザに対してのみ公開していない場合に、同じ振る舞
いをさせることにより問題を回避する。
【0116】アクセス許可レベルが0のユーザの場合
は、図5の不可状態C407へ遷移し、隠ぺい工作のた
めの応答を生成する。また、アクセスはさせても情報公
開は行わない場合は、図13の応答生成規則に示すよう
に、不可状態に遷移し、その旨を説明する応答を生成し
終了する。
【0117】応答生成の後、情報公開エージェントはユ
ーザの入力を解析する(図3のステップS207)。
【0118】ユーザの入力は、キーボード、カメラ、マ
イク、ペン入力、マウスなどの入力デバイスを介して、
クライアントプロセスに入力され、例えば、ソケットや
共有メモリなど、あるいはその他の通信手段を介して、
情報公開エージェントへ送られる。
【0119】ユーザの入力は、エージェントの応答生成
中でも受け付けるが、応答プランで受け付けを拒否する
指示が出された間は拒否する。要求受け付けが可能なと
きも、不可能なときも、その状態がユーザにわかるよう
に示す。図4に示すように、例えば、カーソルを点滅さ
せ、テキストの入力が可能であることを示す(図中の■
を参照)。
【0120】要求受付部103は、入力データからユー
ザの意図を抽出する(図3のステップS207)。テキ
スト、音声、画像データなど、入力データのモダリティ
ごとに、自然言語解析、音声認識、表情認識などの処理
を行い、それらの結果の組み合わせによりユーザの意図
を決定する。
【0121】情報公開エージェントの状態は、図5の要
求理解状態へ遷移している。ユーザの状態は、図6の応
答理解要求C503である。ここでは、スケジュール変
更があり、例えば対象となる会議のスケジュールを検索
するプランを作成するものとする(図3のステップS2
05)。
【0122】ユーザの要求として、例えば図16に示す
ような項目が考えられる。上段は、ユーザが情報公開エ
ージェントと応答を行う主目的、下段は応答の中で生じ
る副目的の例である。
【0123】ユーザが、例えば、図17のS2に示すよ
うなテキスト「3月10日の会議を変更したい。」を入
力したとする。要求受付部103内の自然言語解析機能
で、入力文の形態素解析、構文解析を行い、文の意味構
造の候補を複数生成する。次に想定され得るユーザの状
態とユーザの得た情報から、候補の妥当性を評価し、文
の意味を決定しユーザの遷移した状態を決定する(図3
のステップS202へ戻る)。図18に、ユーザの発話
に含まれる発話意図の例を示す。
【0124】図17の例では、ユーザの入力文S2の意
味構造は(希望:変更、対象:会議(期日:3月10
日))となり、会議が対象であることから、ユーザの要
求をスケジュールの変更と仮定する。ユーザの状態は、
図6の要求伝達状態C504へ遷移したとする。ユーザ
の要求の意味構造から、図19に示すような要求テーブ
ル1を作成する。
【0125】応答生成後、図3のステップS202の状
況確認に戻る。ユーザは要求伝達状態であるため、情報
公開エージェントは要求理解状態にとどめておく。応答
履歴を更新した後、ユーザの要求の仮定を確認するため
の応答プランを作成する。仮定はスケジュール変更であ
るから、対象となる会議のスケジュールを検索するプラ
ンを作成する(図3のステップS205)。
【0126】応答プラン作成部104でデータ検索が指
示された場合、検索部102を介してデータ記憶部10
1からデータを検索し(図3のステップS205)、検
索結果を利用して応答プランを作成する。
【0127】著作権を保護すべきものなど、検索された
データに直接アクセス許可情報が付加されている場合
は、それに従う。また、例えば、図10に示すような情
報提供者が入力した公開許可範囲テーブルをもとに、そ
の場で呈示する情報を調べて、アクセス許可レベルやユ
ーザの登録情報、ユーザ履歴情報の内容から公開するか
どうかを決定する。
【0128】例えば、3月10日のスケジュールを検索
し候補となる会議が複数ある場合は、ユーザ履歴情報お
よびユーザ登録情報テーブルの内容から、対象となる会
議を1つに決定する。
【0129】応答プラン作成部104に戻り(図3のス
テップS204)、検索したデータを用いてユーザの要
求を確認する応答プランを作成する。図17のJ2にそ
の例を示す。
【0130】それに対するユーザの入力が、例えば図1
7のS3のような文章で入力される。同様に、要求受付
部103でユーザの入力を解析し、以下の意味構造を得
る。 (肯定)(希望:変更、変更後:(曜日:木曜日)or
(曜日:金曜日)) 先の肯定は要求テーブル1の内容をさして肯定している
ものと考え、次の希望は要求テーブル1の内容を補填す
るものと仮定する。要求テーブル1の内容を図20のよ
うに変更する。
【0131】応答プラン作成部104では、要求テーブ
ル1の内容を達成するか、さらに詳細に要求を理解する
か、どちらかの状態へ遷移する。ここでは要求テーブル
1の内容に曖昧さが残るため、さらに詳細な要求を理解
するこことし、例えば図21に示すように、スケジュー
ル表の該当部分を表示してユーザに選択させる応答プラ
ンを作成する。sakuraのアクセス許可レベルは、
図7のユーザ履歴情報テーブルの記載から、図5のアク
セス許可レベル決定規則により5となっている。また、
友人関係であるため、図10の公開許可範囲テーブルの
内容に従いスケジュールを呈示することができる。エー
ジェントの応答を、図21のJ3に示す。
【0132】続くユーザの入力とエージェントの応答を
図22に示す。次のユーザの入力を示す図22のS4の
意味構造は(依頼:待機、期間:ちょっと)と解析され
る。これは要求テーブル1とは別の要求と考え、要求テ
ーブル2を作成する。要求テーブル2の内容は曖昧さが
ないため、応答プラン作成部104では、図5の要求達
成状態C405に遷移し、解答を表示する(図22のJ
4)。要求テーブル1の内容は取り消さない。
【0133】ここでユーザは、別プロセスに命じて自分
のスケジュール表の該当部分を表示する。自分のスケジ
ュールと公開エージェントの呈示したスケジュール表を
並べて、変更案を入力する(図22のS5)。ユーザの
入力を解釈した結果、要求テーブル1の内容は図23の
ように変更される。エージェントの応答プラン作成部1
04では、ユーザの変更案に対して、yasudaの意
向を反映した応答を作成する(図24のJ5)。
【0134】ユーザは、その解答を評価し、解答を肯定
する入力(肯定、時制:過去)をする(図24のS
6)。
【0135】それに対して、応答プラン作成部104で
は、ユーザの評価を理解し、解答を承諾されたと判断
し、それに対する応答プランを作成する(図24のJ
6)。
【0136】次にユーザは、図24のS7に示すような
入力(確認、対象:(曜日:木曜日)and(開始時
間:10時半)and(終了時間:12時))をする。
【0137】ユーザの要求を理解したエージェントは、
要求テーブル1を図25のように変更する。確認のため
の応答を作成し(図26のJ7を参照)、データ記憶部
101の内容を書き換え、それを呈示中のスケジュール
表に反映させ、同時にテキストを呈示する(図26のJ
8を参照)。
【0138】ユーザの「ではまた」(図26のS8)と
いう入力(終了予告)から、本人に伝言することを提案
する応答を生成し(図26のJ9)、両者の接続が終わ
る。
【0139】また、はじめてアクセスするユーザの場合
は、図27のJ1に示すような、自己紹介の応答を生成
し、ユーザの入力を促すことができる。ユーザ登録情報
テーブルにもsakuraの情報が登録されていないと
すると、3月10日の会議が複数ある場合、どの会議の
ことを言っているのか決められない。そこで、候補が複
数ある場合の応答を生成している(図27のJ2)。ま
た、友人関係でないため、ユーザから10時より前の時
間を提案されても、そのまま受け入れている(図28の
J3)。
【0140】このように、ユーザの登録情報と応答作成
規則を変更することにより、ユーザごとに違う応答を生
成することができる。
【0141】複数人のスケジュールを同時に変更したい
場合は、ユーザは、別の情報提供者の情報公開エージェ
ントとも同時にコンタクトをとり、3人のスケジュール
表を比較しながら調整することができる。図29では、
先に情報提供者kagawaの情報公開エージェントE
mi−kagawaとスケジュール調整の応答を行って
いる。ユーザsakuaraは、図29の右下のウィン
ドウ中のS1に示すように、「安田さんに聞いてみま
す」と入力したあと、kagawaのエージェントとの
応答を保留にして、yasudaのエージェントとスケ
ジュール調整を行っている。左上に別の情報提供者の情
報公開エージェント(Emi−kagawa)のイメー
ジが示され、その右に情報提供者kagawaのスケジ
ュール表が表示されている。人間が相手では、複数の人
間が同時にアクセス可能な状態になっていなければなら
ないし、相手の時間を拘束するので失礼にあたる場合が
ある。相手がエージェントであれば、気を遣わずに同時
に複数と応対することが可能である。
【0142】図29の例では、ユーザは各エージェント
とそれぞれ別に対話しており、エージェント間の情報の
やりとりはユーザが行う。それぞれの応答を区別しやす
くするため別のウィンドウに表示しているが、クライア
ントプログラムの機能をつけ加えることにより、同一ウ
ィンドウに表示することは可能である。また、複数のエ
ージェントとユーザが同一セッションで応答を行い情報
を交換するために、エージェントに他のエージェントの
状態遷移モデルを持たせることも考えられる。自然言語
などを用いた対話技術は、主にユーザとのインタフェー
スの目的で使われるが、エージェント同士が自然言語を
用いて応答できれば、エージェントの応答プロトコルが
統一されなくても情報を交換できるというメリットがあ
る。
【0143】ユーザの質問がわからない場合や、解答が
できない場合、どういう応答を作成するか情報提供者が
指定できる。
【0144】個人所有のイメージ情報を検索する例を図
30に示す。ユーザsakuraは情報提供者の最近の
行動に関する曖昧な記憶から、情報提供者の情報公開エ
ージェントにアクセスする。情報提供者は簡易な地図デ
ータベースを持っているが、「朝日会館」というキーで
は検索できなかったため、主要なキーである駅名をユー
ザに聞いている。このように、検索に失敗した場合に、
どのようなサポートを行うかを指定することが可能であ
る。
【0145】これに関しては、第6の実施例で詳しく述
べる。
【0146】それでもユーザの満足が得られない場合、
あるいは、ユーザや質問の内容によっては、情報提供者
本人が直接答えるよう指定できる。情報公開エージェン
トは、情報提供者へアクセスする手段を持ち、状況に応
じて情報提供者との3者対話手段を確保する。これに関
しては、第4の実施例に詳しく述べる。また、情報提供
者が自分の情報公開エージェントとユーザとの応答をモ
ニタできるようにし、いつでも割り込みができるように
してもよい。情報提供者の指示により、ユーザや状況に
応じて自動的にモニタ画面が表示されるようにしてお
く。あるいは、単に「後ほどmailで解答いたしま
す」というメッセージをユーザに示し、情報提供者に応
答履歴を示して解答するよう伝えてもよい。
【0147】図31、図32に3者対話の例を示す。図
31がユーザのウィンドウの一例であり、図32が情報
提供者のウィンドウの一例である。図31に示すよう
に、例えば、情報提供者がどの端末にいるか、急ぎの仕
事をしていないか等の状況を確認し、ユーザと情報提供
者に了解をとったのち、情報提供者とユーザの直接対話
回線を結ぶ。その際、ユーザのウィンドウには情報提供
者yasudaのフォトイメージ(図中のyasuda
とラベル付けされたブロックを参照)を表示するなどに
より、情報公開エージェントとは別に情報提供者が参加
したことを明らかにする。情報提供者が自分のイメージ
として何を表示するかは自分で指定できる。情報提供者
自身の仕事中のウィンドウ環境には、例えば図32に示
すような情報公開エージェントによる割り込みウィンド
ウ(図中のjim−yasudaとラベル付けされたブ
ロックを参照)が表示される。情報公開エージェント
は、ユーザの要求を簡潔に伝えて直接応答するかを質問
する。ユーザとの応答履歴の記録・再生機能を持ち、図
32の状態で、情報提供者などの要求に応じて応答を忠
実に再現できるようにしてもよい。
【0148】情報提供者が直接応答要求に承諾すると、
図32のようにユーザsakuraのイメージ(図中の
sakuraとラベル付けされたブロックを参照)が表
示され、ユーザとの直接対話が始まったことを知らせ
る。ここでは、ユーザを表すイメージは情報提供者があ
らかじめ入力した似顔絵やフォトイメージなどを用い
る。
【0149】情報提供者が入力したテキストデータは、
ユーザのウィンドウ(図31)と情報提供者の見ている
端末のウィンドウ(図32)に表示される。ユーザの入
力、情報公開エージェントの入力も同じように表示され
る。情報提供者の指示により、検索が行われる。その
際、情報公開エージェントは、ユーザの質問と情報提供
者の解答を応答知識とデータ記憶部101に格納してお
くことにより、次に同様の質問がなされた際に情報公開
エージェントが解答できるようにする。図31、図32
の例では、検索された地図イメージに新たに「朝日会
館」というキーを付加する。
【0150】図31、図32の例では、図29の例と違
い、応答テキストを表示するウィンドウは1つで、ユー
ザがエージェントのみと対話する場合も、エージェント
と他ユーザの3者で対話する場合も、同じウィンドウに
表示している。これはエージェントごとにテキストウィ
ンドウを1つ開く規則になっているためで、図29の例
ではエージェントが複数なので応答テキストウィンドウ
がエージェントの数だけあるが、図31、図32の例で
は単一エージェントなので、ウィンドウが1つになって
いる。図31、図32では、他ユーザが加わる前に境界
線などで区切り、どこから他のユーザが加わったのかわ
かりやすくしている。
【0151】応答規則の書き換えにより図31、図32
の例でも応答テキストウィンドウを複数開くように設定
できるが、その場合、エージェントを加えずユーザ2人
のみで新しいセッションを開いたような印象になるた
め、新しいセッションにエージェントが加わるのであれ
ば、それをユーザに宣言しておく必要はある。エージェ
ントが新しいセッションへの加入を申し込んでも、情報
提供者が介入を拒絶する命令をしてもよい。別ウィンド
ウにすると、各ユーザとエージェント間の個別の応答と
3者の応答を別々に行え、情報提供者がユーザに見えな
いところでエージェントに指示を出したい場合などにわ
かりやすい表示となる。
【0152】所有する情報がオリジナルでない場合は、
情報源を付加しておいてもよい。例えば、情報を得たユ
ーザ乙のエージェントに、情報提供者甲のエージェント
への接続方法を格納しておく。これにより、第3のユー
ザ丁が、乙のエージェントの知るより詳しい情報が必要
な場合、簡単に情報源である甲のエージェントへのアク
セスが行える。もちろん、乙が情報源を明らかにしたく
ない場合は、接続方法を他のユーザに対して隠ぺいする
ことも可能である。このように、各ユーザが情報公開エ
ージェントを所有している状況では情報の伝達がスムー
ズに行われる。また、図33に示すように、情報公開エ
ージェントの外観や表情などの応答特徴情報を応答特徴
情報記憶部208に記憶し、この応答特徴情報を情報提
供者が応答特徴情報管理部209により変更できるよう
にすることにより、情報公開エージェントに個性を与え
ることができる。例えば、図34に示すように、情報提
供者ごとに違う表示形態、違う音声情報などを指定する
ことができる。図34の例では、ユーザは情報公開エー
ジェントの一覧から、各エージェントの自己紹介を得る
ことができる。エージェントの一覧は、情報提供者の所
属などにより階層的に呈示してもよいし、各エージェン
トの得意分野ごとに分類してもよい。この一覧から、マ
ウスなどの入力デバイスを用いてエージェントを指定す
ることにより、エージェントとの応答をはじめることが
できる(図35を参照)。
【0153】市販の3次元CADとのデータ互換性を保
つことにより、図36に示すような、情報提供者の作成
した3次元のエージェントの外観による応答生成も可能
である。 図37に示すように、図33の応答規則記憶
部106を複数備えた応答規則記憶部116や応答特徴
情報記憶部208を複数備えた応答特徴情報記憶部21
8を用意し、相手や状況にあわせて取り替える機構を用
意してもよい。例えば、図14に示した挨拶プランのタ
イプ0−2を、ユーザによって切り替える。タイプ1の
エージェントは情報提供者の仕事の多忙さを自画像の外
観に反映するため、エージェントと情報提供者が重なっ
て感じられるが、タイプ2は、風景を描画するため季節
感を感じさせる応答になり、ユーザに情報提供者の存在
をアピールしない。
【0154】図38に示すように、状況判断部220を
設けることによって、ユーザから要求を受け付けなくて
も、エージェントの方でユーザの状況を判断し、積極的
に情報公開することも可能である。例えば、図39に示
すように、関連する情報を閲覧しているユーザを見つけ
ると、自分の作った要約があるなどといった情報を教え
る。
【0155】ユーザの入力としてビデオを介してユーザ
の表情を取り込むことも可能である。ユーザの表情を認
識したり、個人認証に顔画像を用いたり、情報提供者が
後でユーザの応答を確認するなどの場合に有効である。
表情の利用に関しては、第4の実施例で述べる。この場
合、図40に示すように、ユーザは相手に送られるビデ
オ情報を自分のウィンドウで逐次モニタする機能、録画
する場合は録画データを編集する機能などがあれば、ユ
ーザは安心してビデオ画像を残せる。また、不要な画像
はユーザが削除するため、データ記憶領域を占有しない
し、情報提供者があとでデータを見るときに時間を無駄
にせずにすむ。
【0156】ユーザの入力したテキスト情報も、すべて
記録する必要はない場合が多い。例えば、要求受付部で
の解析結果のみを記録しても良い。また、解析の結果、
発話意図が提供者によって指定されたものである場合の
み、テキストを記録する方法も考えられる。例えば、意
図が「依頼」あるいは「提案」の場合や、質問文の場合
のみ記録する、「感謝」の言葉だけ記録する、対話が長
引いたときだけ記録する、等々が可能になる。
【0157】ユーザ履歴情報は、ユーザ個人の嗜好など
を知る大きな手がかりとなる情報であり、アクセスを繰
り返すうちに次第に詳しい情報が得られる。よって、他
のエージェントの持つ同様の履歴情報を参考にすれば、
はじめてのユーザでも適切な応答が生成できるようにな
る。ただし、他のエージェントに教える必要のない個人
情報や、教えるべきでない個人情報に関しては他のエー
ジェントから隠ぺいする。なお、エージェントが生成し
た履歴情報はユーザのプライベートにかかわるものなの
で、情報提供者でも見るべきでない情報が含まれる。エ
ージェントが生成した情報に関しては、ユーザにはみだ
りに見せない、たとえエージェントの所有者である人間
であっても、開放すべきでない情報は開放しないように
暗号化する。こうしておけば、エージェント同士ではあ
る程度自由に個人情報を受け渡ししても、エージェント
の所有者であるユーザには見えないようにできる。
【0158】応答履歴のユーザによる編集・管理に関し
ては、第3の実施例で述べる。
【0159】(第2の実施例)次に、第2の実施例につ
いて説明する。
【0160】図41に、本実施例の情報提供者側と情報
要求者側の情報公開装置の構成を示す。
【0161】情報提供者側の情報公開装置は、データ記
憶部101、検索部102、要求受付部103、応答プ
ラン作成部104、応答規則記憶部106、応答規則管
理部107、通信処理部111を備えている。
【0162】情報要求者側の情報公開装置は、通信処理
部161、対話処理部162、要求受付部163、情報
収集処理部164、特徴情報抽出部165、関心分野情
報管理部166、データ記憶部167、興味情報記憶部
168を備えている。
【0163】本実施例は、ユーザが一連の対話によって
も望む情報を情報提供者のエージェントから得られない
とき、ユーザの指示により、ユーザのエージェントから
情報提供者のエージェントにユーザの最近の興味の対象
を伝えさせ、情報提供者のエージェントがユーザの望ん
でいる情報を推定する際にその情報を参照させること
で、その推定精度を改善させ、ユーザが情報提供者のエ
ージェントと煩わしい対話を繰り返さなくても、望む情
報が得られるようにしたものである。
【0164】すなわち、個人情報公開装置は、情報提供
者のデータ記憶部に記憶されている情報のうち、ユーザ
が望む情報がどれかを、ユーザとの対話のなかから推定
しなければならないが、ユーザからの要求は多くの場合
曖昧なものであるため、ユーザとの対話を通して、この
ような推定に必要な情報を得るためには、推定、提示、
評価のサイクルを一連の対話として何度も繰り返さねば
ならず、これがユーザにとって煩雑な作業となる。
【0165】そこで、情報提供者のエージェントがユー
ザの望む情報を推定する上で、ユーザとの対話を通して
得られる手掛かり情報や、過去のアクセスの際に使われ
た手掛かり情報などでは十分な精度が得られないとき、
それらを補正する情報をユーザから提供してもらうこと
で、推定の精度を向上させ、より少ない対話でユーザが
望む情報が提供できるようにする。
【0166】そのため、情報要求者側の情報公開装置内
に、ユーザの過去のアクセス履歴から当該ユーザが入手
済で既知となっている情報や入手した情報の分野、そし
て過去にそのユーザが行った検索の対象分野などの情報
からユーザが興味を持っている分野を推定するだけでな
く、ユーザが興味を持っている分野を推定するための追
加情報として、ユーザの情報収集履歴からユーザが収集
する情報の特徴データを抽出しユーザの関心情報として
学習・管理する情報収集処理部164を設け、情報提供
者側の情報公開装置は、この情報収集処理部164か
ら、それらの抽出し学習した当該ユーザの興味を持って
いる分野についての情報の提供を受け、それに基づいて
当該分類に属する情報を情報源から取り出して提供する
ようにしている。
【0167】ユーザが望む情報が一連の対話によっても
適切に提供できない場合、ユーザの個人情報公開装置が
抽出・管理している、ユーザの過去の情報検索から抽出
された、当該ユーザの興味の対象となっている分野に関
する特徴情報を、ユーザの指示により情報提供者の個人
情報公開装置に伝え、情報提供者の個人情報公開装置は
その特徴情報を参照することによって、ユーザが求める
情報をより適切に推定することができる。
【0168】情報収集処理部164は、ユーザが興味を
持つと推定される情報を収集する。そのようにして、収
集された情報は、ユーザのデータ記憶部167に保管さ
れる。
【0169】特徴情報抽出部165は、ユーザの興味の
対象となる情報の特徴情報を抽出する。
【0170】関心分野情報管理部166は、特徴情報抽
出部164により抽出された特徴情報をカテゴリー毎に
分類し、時間情報等に従って管理する。特徴情報は、関
心分野情報管理部166の管理のもとに興味情報記憶部
168に記憶される。興味情報の例を図42に示す。
【0171】要求受付部103は、内部の意図抽出機能
により、ユーザとの対話を通して、ユーザの望んでいる
情報を推定する。さらにユーザから伝えられたユーザの
興味情報と併せてユーザの望む情報を推定する。
【0172】検索部102は、意図抽出機能による推定
結果に基づいて、データ記憶部101から情報を取り出
す。
【0173】このように、ユーザの興味の対象となって
いる分野に関する特徴情報を、ユーザの指示により情報
提供者の個人情報公開装置に伝え、情報提供者の個人情
報公開装置はその特徴情報を参照することによって、ユ
ーザが求める情報をより適切に推定することができるよ
うになる。従って、ユーザは求める情報が情報提供者の
個人情報公開装置からより簡単かつ的確に提示を受ける
ことが可能となるので、個人間での情報の流通・共有化
がより円滑なものになる。
【0174】以下、さらに詳しく説明する。
【0175】情報収集処理部164、特徴情報抽出部1
65、関心分野情報管理部166、興味情報記憶部16
8を有するシステムにおいて、情報収集処理部164
は、電子メールや電子ニュースの記事などをフィルタリ
ングしたり、データベースなどの各種の情報源にアクセ
スして、ユーザが興味を持つと推定される情報が収集さ
れ、ユーザのデータ記憶部167に保管される。
【0176】このような情報収集手段については、特開
平4−127370等に詳しい。
【0177】情報収集処理部164が自動的に情報収集
をする際に参照する、ユーザが興味を持つ情報を推定す
るための特徴情報は、ユーザが直接定義することもあれ
ば、特徴情報抽出部165により抽出させることもでき
る。あるいは、ユーザが直接定義したものを元に、特徴
情報抽出部165により追加・補正させることもでき
る。
【0178】当該特徴情報抽出部165でのユーザが興
味を持つ情報についての特徴情報の抽出および補正の方
法は、先の特開平4−127370にも述べられている
し、「SMART 情報検索システム」(ジェラルド・
サルトン編著、神保健二監訳、企画センター発行)に
は、検索された文書での単語の出現頻度に基づいて検索
者の所望の文書の特徴を抽出し、その結果を次の検索に
フィードバックする方法などについて述べられている。
最近のものでは、インターネット上の情報検索システム
WAISで用いられているindexing手法やre
levancefeedback等の手法が広く知られ
ている。
【0179】関心分野情報管理部166は、特徴情報抽
出部165により抽出されたユーザの興味の対象となる
情報の特徴情報を管理する。
【0180】当該特徴情報は、当該関心分野情報管理部
166を通して、興味情報記憶部168に記憶される。
【0181】例えば、情報要求者が情報提供者の個人情
報公開装置との一連の対話によっても、所望の情報が得
られないといった状況が発生した時など、対話による意
図の伝達を補う補助情報として、情報要求者の個人情報
公開装置が保持している当該情報要求者の興味情報を開
示し、情報提供者の個人情報公開装置の意図推定の精度
を改善させることができる。
【0182】情報要求者の興味情報の開示は、例えば、
情報要求者から情報提供者の個人情報公開装置への情報
要求者の興味情報の提供の申し入れとして指示される。
【0183】情報提供者の個人情報公開装置は、情報要
求者からの提供の申し入れに従って情報要求者の個人情
報公開装置に、情報要求者の興味情報の開示を要求す
る。
【0184】ただし、情報要求者の興味情報の情報提供
者の個人情報公開装置への開示レベルは事前に適切に設
定されているものとする。もし当該設定が適切でなく、
情報要求者の個人情報公開装置が開示を自動的に行なえ
ない場合は、情報要求者の個人情報公開装置は情報要求
者に判断を仰ぐようにしても良い。
【0185】情報要求者の個人情報公開装置は、情報提
供者の個人情報公開装置からの、情報要求者の興味情報
の開示要求に応じて、関心分野情報管理部166を通し
て、興味情報記憶部168に記憶される興味情報を取り
出す。
【0186】取り出された興味情報は対話処理部162
に渡され、対話処理部163は情報要求者の要求受付部
163と通信処理部161を介して情報提供者の個人情
報公開装置と通信して、情報要求者の当該興味情報を伝
達する。
【0187】情報提供者の個人情報公開装置は、情報要
求者の個人情報公開装置から開示を受けた当該興味情報
に基づいて、情報要求者の所望の情報を推定する。
【0188】情報要求者毎にアクセスの履歴を取り、そ
れをもとに生成する応答を変えるために、例えば、応答
規則記憶部107にはユーザ履歴情報テーブルが格納さ
れている。
【0189】当該テーブルには、情報要求者との過去の
対話情報や、既に入手済の情報等が記録されているの
で、それらを現在の対話における当該情報要求者の所望
する情報の推定に利用することができる。
【0190】そして、現在の対話情報を、このような履
歴情報と、情報要求者から開示を受けた情報要求者の興
味情報とを適宜組合せれば、情報要求者の所望の情報を
より精度良く推定することができる。
【0191】検索部102は、要求受付部103内の意
図抽出機能による推定結果に基づいてデータ記憶部10
1から情報を取り出す。
【0192】(第2の実施例の変形例1)第2の実施例
では、興味情報は特に分類されていないものとしてい
る。
【0193】ここでは、当該興味情報を分野毎等のカテ
ゴリーに基づいて、関心分野情報管理部166を通して
興味情報記憶部168に記憶され管理されているものと
する。
【0194】当該関心分野情報管理部166は、これら
の興味情報を分野毎のカテゴリーに分類し、要求に応じ
てそれぞれのカテゴリー毎に特徴情報を取り出せるよう
にしてあるものとする。
【0195】情報提供者の個人情報公開装置の要求受付
部103が情報要求者から、興味情報の提供の申し入れ
を受け付けると、第2の実施例では、単に情報要求者の
個人情報公開装置に情報要求者の興味情報の開示を要求
するだけとした。
【0196】本変形例では、それまでの情報要求者との
対話から意図抽出機能により抽出した意図推定情報を、
興味情報の開示の要求と併せて、情報要求者の個人情報
公開装置に開示するものとする。
【0197】情報要求者の個人情報公開装置は、情報提
供者の個人情報公開装置からの興味情報開示要求ととも
に情報要求者との意図推定情報を受け取ると、それを使
って関心分野情報管理部166を通して、興味情報記憶
部168から適切なカテゴリーの興味情報を取り出す。
【0198】受け取った意図推定情報を元に、該当する
適切なカテゴリーを判定する手段については、ニューラ
ルネットを用いた方法等が知られている。
【0199】現在、興味対象としているカテゴリーが上
記のような手法によっても唯一にできない場合、それぞ
れのカテゴリー毎に分類される情報の件数やサイズ等の
量的情報や、アクセス回数などの質的情報を持たせて、
それらをそのカテゴリーに対する関心度として利用し、
該当すると思われる複数の候補から、当該関心度に従っ
て提示するようにしてもよい。
【0200】ユーザの新規の対象に興味を持った際や、
興味の対象が専門化され細分化されたり、逆に興味を失
ったために概略的になるなど、各分類の構成について変
更が必要になった際には適宜、ユーザ自身が分類の構成
を直接入力編集することができるものとする。
【0201】あるいは、各カテゴリーに分類される情報
の偏りを適宜検出し、ユーザに分類の構成の修正を促し
てもよい。
【0202】(第2の実施例の変形例2)第2の実施例
およびその変形例1では、情報要求者の興味情報の開示
は、情報要求者から情報提供者の個人情報公開装置への
情報要求者の興味情報の提供の申し入れとして指示され
るものとした。
【0203】ここでは、情報要求者から情報要求者の個
人情報公開装置への、情報提供者の個人情報公開装置へ
の当該興味情報の開示の指示として実施されるものとす
る。情報要求者の個人情報公開装置の要求受付部163
が、当該情報要求者からの興味情報開示の指示を受ける
と、関心分野情報管理部166を通して、興味情報記憶
部168から興味情報を取り出す。
【0204】その際、変形例1のように興味情報が分類
されているならば、所望する適切な分野カテゴリーの興
味情報を指定して開示を指示することができるものとす
る。また、それぞれの特徴情報は、使用された時間情報
を添えて管理することで、最近の関心事であるとか、あ
る特定の時期に興味を持っていたもの等といった時系列
的に管理をしてもよい。
【0205】関心分野情報管理部166は、興味情報に
ついて特に時期の指定を受けない場合は、最近の興味情
報を取り出し、時期の指定があれば指定された時期の興
味徴情報を取り出すものとする。
【0206】(第2の実施例の変形例3)第2の実施例
やその変形例1、2では、情報要求者はまず情報提供者
の情報公開装置と直接対話することによって、所望の情
報を得ることを試みるものとしてた。
【0207】ここでは、情報要求者と情報提供者の情報
公開装置との直接対話を経ず、情報要求者の情報公開装
置が情報提供者の情報公開装置と通信することによっ
て、情報提供者の情報公開装置から情報要求者の所望す
る情報の開示を受けるものとする。
【0208】この場合、情報要求者の情報公開装置は情
報の開示を受けようとする情報提供者の情報公開装置
に、情報要求者の所望する情報を指定するものとして、
情報要求者の興味情報を提示する。
【0209】(2)(第3の実施例) 次に、第3の実施例について説明する。
【0210】図43に、本実施例の情報公開装置および
情報要求者側端末の構成を示す。
【0211】情報提供者側の情報公開装置は、データ記
憶部301、検索部302、応答プラン作成部304、
応答規則記憶部306、データ通信部311、履歴記憶
部312を備えている。
【0212】情報要求者側端末は、データ通信部32
1、要求受付部323、応答生成部325、履歴管理編
集部326、一次履歴記憶部327を備えている。
【0213】図2の構成要素と図43の構成要素で、名
称が同じものは基本的には同様の機能を有する。ただ
し、図43では、図2の応答規則管理部に対応するもの
を省略してある。
【0214】ユーザ側の要求受付部323では、例えば
ネットワークなどの通信手段を介して、テキスト、音
声、イメージ、動画などの入力を受け取り、入力に含ま
れる意図を理解する。また、一次履歴記憶部327内の
履歴情報の記録・再生の許諾、および履歴情報の追加、
削除、編集などの操作に関するユーザの入力を受け付
け、履歴管理編集部326に送る。要求受付部323で
抽出したユーザの意図や要求の意味表現などのデータ
は、データ通信部321,311を介して情報提供者側
の応答プラン作成部304に送られる。
【0215】履歴管理編集部326では、一次履歴記憶
部327内の履歴情報の検索、追加、削除、編集などの
データ管理を行う。また、履歴提示情報を応答生成部3
25へ送る。
【0216】一次履歴記憶部327では、要求受付部3
23により受け付けたユーザの要求を、応答生成部32
5により生成されたユーザへの応答に対応づけて記憶す
る。応答プラン作成部304では、要求受付部323で
受理した要求に答えるための応答を、応答規則記憶部3
06に格納された知識あるいはルールを用いて計画す
る。応答プラン作成部304で作成された応答プラン
は、データ通信部311,321を介して応答生成部3
25へ送られる。
【0217】応答規則記憶部306には、応答プラン作
成部304で応答を計画する際に必要な知識あるいはル
ールが格納されている。
【0218】応答生成部325では、応答プラン作成部
304から送られた応答プランに従って、例えば、テキ
スト、音声、イメージ、動画などのデータ、あるいはこ
れらを組み合わせたものとして、応答を生成する。ま
た、履歴管理編集部326から送られた履歴提示情報を
もとに、ユーザに履歴情報の提示を行う。
【0219】履歴記憶部312では、要求受付部323
よりデータ通信部321,311を介して受け付けたユ
ーザの意図や要求の意味表現を記録する。また、応答プ
ラン作成部304で得られた応答プランや対話状態の内
部表現とともに記憶し対話コーパスとする。また、一次
履歴記憶部327から履歴管理編集部326とデータ通
信部321,311を介して送られた履歴情報を記憶す
る。
【0220】破線の矩形内は情報提供者の持つデータを
公開する場合に必要な構成である。データ記憶部301
には、テキスト、音声、イメージ、動画などのデータが
記憶される。検索部302では、データ記憶部301に
記憶されているデータから必要なデータを取り出す。
【0221】以下に、本発明の動作を示す。処理の流れ
の概略は図44あるいは図45のフローチャートに示
す。図46には、本実施例の応答の例を示す。
【0222】はじめに、対話を希望するユーザが別のユ
ーザの管理する情報公開装置にアクセスする。ここで
は、前者を単にユーザ(あるいは、情報要求者)と呼
び、後者を情報提供者、情報公開装置を情報公開エージ
ェントと呼ぶこととする。
【0223】例えば、図46に示すようなウィンドウベ
ースのインタフェースで、ユーザが自分のテキスト入力
可能なウィンドウ内でコマンド列「pip fumi
ohno」と入力する(図46のS0)。コマンドpi
pによってユーザの立ち上げたプロセスは、情報提供者
であるohnoの情報公開エージェントfumiにアク
セスし、情報公開エージェントとの入出力データの橋渡
しを行う。ここでは、ユーザの立ち上げたプロセスをク
ライアントプロセスと呼ぶこととする。
【0224】図43の左側が、情報公開エージェントプ
ロセス、右がクライアントプロセスである。両者は、デ
ータ通信部311,321を介して必要なデータの交換
を行う。
【0225】ユーザの身元確認、応答プラン作成、意図
抽出などの方法は、特開平5−216618号公報、特
開平6−95997号公報に詳しい。
【0226】エージェントプロセスとクライアントプロ
セスは、まず、ユーザの身元確認のための情報を交換す
る(図44、図45のS211)。例えば、クライアン
トプロセスでunixのシステム関数getuid()
とgetpwuid()などを用いてユーザのログイン
名「ume」を得て、エージェントプロセスに送る。応
答規則記憶部306に登録されているユーザ情報中のロ
グイン名と比較する。あるいは、その他の認証技術を用
いてもよい。
【0227】ユーザの入力としてビデオを介してユーザ
の表情を取り込むことも可能である。ユーザの表情を認
識したり、個人認証に顔画像を用いたり、情報提供者が
後でユーザの応答を確認するなどの場合に有効である。
この場合、図46の左下のumeとラベルづけされたボ
ックスのように、ユーザは相手に送られる自分のビデオ
情報を自分のウィンドウで逐次モニタすることができ
る。
【0228】身元確認後、情報公開エージェントは現在
の状況を確認する(図44、図45のS212)。例え
ば、図47、図48に夫々例を示すような情報公開エー
ジェントとユーザの状態遷移モデルを持ち、モデル上の
どの状態なのかを推定する。状況確認後、情報公開エー
ジェントは現在の状況をもとに応答履歴記憶部321の
情報を更新する(図44、図45のS213)。
【0229】その後、現在の状況をもとに応答プランを
作成する(図44、図45のS214)。応答プラン
は、例えば、挨拶、質問、説明、要求などの応答のテン
プレートを持ち、これらのうち適切なものを選択するた
めの応答規則を用いて選択し、テンプレートに必要な情
報を埋め込んで作成する。応答プランに検索が含まれて
いる場合は、検索部302を介して必要な情報を検索す
る(図44、図45のS216)。作成された応答プラ
ンはデータ通信部311を介してクライアントプロセス
に渡される。
【0230】クライアントプロセスの応答生成部325
において、応答プランからテキスト、画像、音声などの
応答が生成される(図44、図45のS217)。アク
セス権のあるユーザの場合は、その後、ユーザの入力を
許す。
【0231】図46の例の場合、ユーザumeはユーザ
情報にすでに登録されていたので、エージェントの生成
する最初の応答プランは「挨拶」であり、クライアント
プロセスでは、この応答プランを受けて挨拶文を表示す
る。
【0232】これに対してユーザumeは、図46に示
すように、情報提供者ohnoの所有する文書を参照す
るために、ohnoの情報公開エージェントであるfu
miを呼び出して、要求文をテキスト入力したとする。
【0233】ユーザの入力したテキストは、形態素解析
や構文解析を経て、例えば、図49に例を示すような意
図に分類される。図46の例では、「教えて」といった
動詞の語尾の活用形から「I2依頼」に分類される。発
話意図が、「希望」「依頼」「提案」などの場合はユー
ザの要求が含まれているため、エージェントは図47の
要求理解状態へ遷移し、以下の解析を行う。
【0234】ユーザの要求は、例えば、図50に一覧を
示すような種類に分類される。要求の対象「スケジュー
ル」「文書」「履歴」などと、要求内容「参照」「変
更」「追加」「削除」などの語彙を抽出し、これらを組
み合わせて「スケジュールの変更」「文書の参照」「履
歴の削除」といった要求を理解する。「参照」に対して
「見る」「知る」、「変更」に対して「変える」「延
期」、「文書」に対して「報告書」「議事録」などとい
った類義語も登録しておく。
【0235】図46の例では「報告書」「教えて」とい
った語彙から、「文書の参照」がユーザの要求であるこ
とがわかり、例えば、図51に示すような要求テーブル
が作成される。
【0236】作成された要求テーブルの内容は、データ
通信部321を介して応答プラン作成部304へ送られ
る。要求テーブルの内容に応じて、応答規則記憶部30
6に格納されている、例えば図52に示すような要求達
成プランテンプレートから、適当な要求達成プランテン
プレートが選択される。
【0237】要求達成プラン「参照」では、まず、対象
となる文書の検索を行うわけだが(ステップS24
1)、検索のための条件が不足しているため、レベル1
の要求を達成するためのレベル2の要求テーブル「検索
条件獲得」を設定する(ステップS247)。獲得すべ
き検索条件は、図51の要求テーブル中の空欄になって
いる項目である。例えば、「件名」を得るため図53に
示すような「検索条件−獲得」の要求テーブルを作成
し、応答プランとしてデータ通信部311を介して応答
生成部325へ送る。埋めるべき項目には「?」、埋め
なくてもよい項目は「−」となっている。これにより、
例えば「何に関する報告書ですか?」というような応答
文が生成される。要求テーブルの内容は、エージェント
プロセスの履歴記憶部312に逐次記憶される。
【0238】これに対するumeの返答が図46のよう
に「先週の出張報告。大阪の。」であったとする。要求
テーブルレベル2では、図54に示すように「種類」は
「出張報告書」となるが、「先週」は出張した時期をさ
しているとすると、「作成・入手時期」はわからないま
まである。応答プラン作成部304では、レベル3とし
て、例えば図55に示すような「スケジュール−参照」
の要求テーブルを作成する。
【0239】データ記憶部301のスケジュールを検索
した結果該当するスケジュールが1件検索される。ユー
ザにアクセス権があれば、スケジュールの内容をユーザ
に示して確認する(ステップS245)。検索したスケ
ジュールの情報から、要求テーブルレベル3は図57の
ように満たされ、その結果要求テーブルレベル2も図5
6のように件名が埋められる。レベル2とレベル3の埋
めるべき要求が達成されたため、要求テーブルレベル1
に戻り(図58)、例えば図59に示すように、対応す
る件名を持つ文書を検索しアクセス権があればユーザに
提示する。
【0240】図59、図60の例では、ユーザの要求に
答えて、文書の完成時期として、他の人へ送付した日付
と送付先のユーザ名を提示している。ユーザumeは、
自分宛てに送られた文書を確かめ、すでに報告書が送付
されていることに気がついてあわてている。
【0241】ユーザの入力テキストや音声などのデータ
は、例えば、図61に示すようなデータ構造で、クライ
アントプロセスの一次履歴記憶部327に記憶される。
一次履歴記憶部327のこの情報は、情報公開エージェ
ントからは直接参照することはできない。ユーザのビデ
オ画像やエージェントのイメージ画像、入出力テキス
ト、音声データなどが、時刻に関連づけて記憶されてい
る。
【0242】応答の終了が予告されると、図47の終了
準備状態に遷移する。図44のフローチャートによれ
ば、クライアントプロセスの一次履歴記憶部327に記
憶されているユーザとの応答履歴を、エージェントプロ
セスの履歴記憶部312に保存し情報提供者に見せてよ
いかユーザに確かめるための応答を生成する(ステップ
S220)。それに対するユーザの要求が図50の「履
歴−削除」であるかどうかを判定する。
【0243】例えば、要求の対象「履歴」を表す類義語
としては図62に一覧を示すような語彙を登録する。ま
た、「履歴−削除」を表す語彙として「オフレコ」「内
緒」といった語を登録する。図60の例では、応答プラ
ン作成部304で図63に示すような要求テーブルが作
成される。それに対して、ユーザの応答は「内緒にしと
いて」であるから、図64に示すようなレベル2の要求
テーブルが作成され、図63の要求テーブルはユーザの
許可「無」となる。
【0244】ユーザが許可すれば、情報提供者が必要と
している応答履歴を、一次履歴記憶部327からデータ
通信部321を介して履歴記憶部312へ格納する(ス
テップS222)。その際、すでにエージェントプロセ
スの履歴記憶部312に保存されている要求テーブルの
内容と、一次履歴記憶部327から送られた応答履歴は
対応づけられて保存される。図60の例のように、ユー
ザが記録を許さない場合は、エージェントプロセスで記
録されている要求テーブルなどの情報のみ保存される。
情報提供者が、記憶容量の制限などの点から、すべての
履歴情報を保存したくない場合は、ユーザが許可した履
歴情報のうち、情報提供者があらかじめ登録しておいた
履歴情報を保存するよう設定することができる。
【0245】保存すべき応答履歴をエージェントプロセ
スに送ったあと、クライアントプロセスは、一次履歴記
憶部327内の応答履歴情報を抹消して終わる。
【0246】図45のフローチャートは、応答の最後に
応答履歴を提示し(ステップS230)、ユーザによる
応答履歴の編集を可能にするものである。例えば、図6
5に示すような応答履歴提示ウィンドウ(左)と編集用
のダイアログボックス(右)を表示し、ユーザに指示を
入力させる。
【0247】図45の左の応答履歴提示ウィンドウは、
ユーザが簡単に応答履歴の状態を把握できるためのもの
である。応答開始からの時間経過に沿って、ユーザの画
像、入出力テキストによる会話、エージェントの画像、
ユーザに提示した資料が図示されている。この例では一
目盛り2秒の時間経過を表しており、ユーザの画像は6
秒に1枚の割で表示されている。会話は、例えば、どち
らのユーザ(ume)とエージェント(fumi)の発
話に分けて、発話を開始した時刻と、入力にかかった時
間(エージェントの場合は提示にかかった時間)が濃度
の違うバーチャートの表示によってわかるようになって
いる。カラーモニタの場合は、色分けしてもよい。エー
ジェントの画像は、ここでは変化があった場合の画像の
み表示されている。資料は、ユーザに提示された時刻に
あわせて文書名と縮小イメージであらわされている。他
に音声などが一次履歴記憶部327に格納されている場
合は、音声の入力状況も同様に表される。
【0248】上下に矢印のついたバーは、バーの中程を
マウスなどで指示して移動すると、例えば、図66に示
すように、表示する時刻の範囲を前後に変えられる。ま
た、矢印自身を指示して移動すると、図67に示すよう
に、表示の範囲が拡大・縮小する。図67では、履歴全
体が見渡せるようになっており、応答開始時からの時間
を示す目盛りは1刻みで10秒を表している。同時に、
ユーザの画像の表示コマ数も増減する。
【0249】応答履歴のうち保存するものをユーザが指
定するためには、例えば、図65の右のダイアログボッ
クスのようなインタフェースを用意すれば、マウスなど
を用いてユーザの指示を受け付けることができる。「録
画」は画像、「会話」はテキストなどによる応答内容
を、資料はユーザに提示した文書についての履歴情報を
表す。
【0250】この例では、情報提供者のデフォルトの設
定は、どれも「記録」が選択されている状態なので、こ
のまま「終了」を選択すると(ステップS231)、一
次履歴記憶部327に格納されているすべての応答履歴
を、エージェントプロセスの管理する履歴記憶部312
に記録することを許可したことになる(ステップS23
4)。履歴を格納したあと、クライアントプロセスとエ
ージェントプロセスの接続がきれる。「継続」を選択す
れば(ステップS231)、一次履歴記憶部327の内
容はそのままで、エージェントとの応答が再開される。
【0251】図68は、「録画」に関して「削除」を選
択した状態を示す。左の応答履歴提示ウィンドウから、
ユーザの画像データを示すイメージが消える。この状態
で「終了」を選択すると(ステップS231)、ユーザ
の画像データ以外の応答履歴情報がエージェントプロセ
スの履歴記憶部312へ格納される(ステップS23
4)。「終了」が選択されない限り、「削除」が選択さ
れていても一次履歴記憶部327の内容はそのまま保管
されており、いつでも「記録」を選択しなおすことがで
きる。
【0252】一次履歴記憶部327には、編集されない
ままの応答履歴情報に付加する形で履歴の編集情報が保
存されている。例えば、図69に示すように、オリジナ
ルの応答履歴管理テーブルとは別の応答履歴編集テーブ
ルとデータ構造を用意し、ユーザの編集操作により書き
換えていくようにする(ステップS232,S23
3)。ユーザの画像データを指していたセルには、ユー
ザの編集情報(図中「編集」によって表す)が書き込ま
れる。オリジナルの応答履歴管理テーブルが持つデータ
構造はそのまま保存される。
【0253】図70は、「録画」と「会話」に関して
「削除」を選択した状態を示す。左の応答履歴提示ウィ
ンドウから、ユーザの画像データとユーザの入力したテ
キスト情報の表示が消える。この状態で「終了」を選択
すると(ステップS231)、提示した資料に関する応
答履歴情報のみがエージェントプロセスの履歴記憶部3
12へ格納される(ステップS234)。
【0254】図71は、図68の別の表示例である。こ
の例では、右のダイアログボックス内の「録画」はユー
ザとエージェント両者のイメージを表しているため、
「削除」を選択すると、左の応答履歴提示ウィンドウか
ら両者のイメージ情報が消える。同様に「会話」を削除
すると、入出力テキストが両者一度に消される。これ
は、エージェントの会話情報やイメージ情報が残ると、
ユーザの入力情報がある程度推察されるため、両者は一
度に消すように決めてしまう場合、簡単に指示ができ
る。
【0255】「資料」に関しては、「記録」以外は選択
できないようになっている。
【0256】一次履歴記憶部327からエージェントプ
ロセスの履歴記憶部312へ応答履歴をコピーする際、
内容の一部を削除・変更して保存するようユーザが指定
する場合は、図72に示すように、右のダイアログボッ
クスで「編集」を選択する。例えば、「会話」に関して
「編集」を選択すると、左の応答履歴提示ウィンドウに
示すように、会話の詳細を確認することができる。図7
2は、バーチャートによる会話状況の提示と、会話文と
を並べて表示している。図73の例では、バーチャート
は省き、テキストのみを濃淡あるいは色の違う矩形で囲
んで表示している。
【0257】図74は、「録画」に対して「編集」を選
択した場合の例である。6秒に1枚だったイメージが、
6秒間に6枚横に並んだ状態で表示されるようになる。
これらの画像をみながら、削除あるいは記録する画像
を、単数あるいは複数同時に指定することができる。
【0258】図75は、図65と同様の機能を持つ別の
インタフェースの例である。図65等の画面例と比較し
て、会話は会話、画像は画像、資料は資料で独立してい
る。例えば、図75の「会話」と書いてある矩形をマウ
スなどで指示し、図76に示すようなメニューを表示さ
せることが可能である。メニューには、図65の右のダ
イアログボックスと同様に「削除」「編集」「継続」な
どの項目があり、それぞれ同様の機能を持つ。
【0259】例えば、「編集」を選択すると図77に示
すように、図72と同様入出力文が表示される。色分け
されたバーチャートの部分をマウスで指示すると、図7
8に示すようなポップアップメニューが表示される。
「カット」を選択すると図79に示すように、指示され
ていたユーザのテキストが削除される。「取り消し」を
選択すると、今の操作を行う前に戻る。テキストを指示
して「カット」あるいは「コピー」などを行った後、バ
ーチャート中の空いている部分を指示して「ペースト」
を選択すると、直前に指示した文がそこへ挿入される。
【0260】編集後に、例えば図79に示すようなメニ
ューで「編集終了」を選択すると、編集情報を付加した
状態で図75に戻る。
【0261】図77の状態から、図80に示すように、
直接応答履歴の一部を変更することも可能である。この
例では、「まだ出て」を「見当たら」に変更している。
【0262】図76で「削除」を選んだり、図78〜図
80のような方法で応答履歴の一部を編集した場合で
も、図76のメニューで「復帰」を選択すれば、元の応
答履歴が表示される。図76のメニューで「終了」を選
択しない限り、編集される前の応答履歴は一次履歴記憶
内にそのままの形で保存されている。例えば、図79の
状態は、図81に示すようなデータ構造で表されてい
る。応答履歴編集テーブルの方では、カットされたユー
ザの入力文を指していたセルが、編集情報を表す「編
集」セルに変更されているが、オリジナルの応答履歴管
理テーブルの方は、元のままのデータ構造が保存されて
いる。「終了」が選択された時点で、編集された形の履
歴情報がエージェントプロセスの履歴記憶部312へ記
憶される。その際、情報提供者が応答の解析を行う際に
必要であれば、履歴情報の編集した箇所を表す情報もエ
ージェントプロセスの履歴記憶部312に記憶するよう
に設定できる。
【0263】図76で「継続」が選択された場合は、応
答履歴管理テーブルと応答履歴編集テーブルをそのまま
残して、ユーザとの応答を継続する。
【0264】図82は、応答の途中でユーザが応答履歴
の編集を要求することを許す場合の、処理の流れを表す
フローチャートである。ユーザの要求が図50の「履
歴」に対するものであれば、応答履歴を提示し、ユーザ
の編集指示をあおぐ。
【0265】例えば、図83の例のように、応答の途中
でユーザが自分の入力文の不適当さに気がつき、訂正の
意向を入力したとする。エージェントは、例えば図84
に示すように、図72〜図74や図75〜図80で説明
したものと同様の応答履歴提示ウィンドウを表示し、ユ
ーザの訂正指示を受け付ける。
【0266】図85は、ユーザが訂正箇所の指示をしな
くても、どの履歴を訂正するかを応答履歴検索によって
検索する場合の、処理の流れを表すフローチャートであ
る。
【0267】例えば、図86に示すように、「今のはオ
フレコね」といった表現から、「履歴−削除」の要求を
理解し、削除すべき応答履歴の候補を網掛けで示してい
る。例えば、「やっぱり」「まったく」といった否定的
な語彙や、「まだか」の「か」のような間投助詞などを
登録して、これらの有無で判定するなどの方法が考えら
れる。逆に、「ありがとう」「助かった」といった感謝
の言葉は、削除しないといった方法も考えられる。エー
ジェントが網掛け等で示した削除すべき応答履歴の候補
が、ユーザの意図と異なる場合は、ユーザの入力文など
で位置を訂正するか、図84で示したような応答履歴提
示ウィンドウで、改めて訂正指示を受け付けてもよい。
【0268】図87は、応答開始時に履歴記録の許可を
取る場合の、処理の流れを表すフローチャートである。
【0269】例えば、図88に示すように、初めてアク
セスするユーザなどの場合に事前に許可をとる応答を行
う。この例では、応答履歴を記録する目的を述べてユー
ザの判断をあおいでいる。ユーザの応答に対して確認を
とり、同意がとれてから応答を開始している。次回のア
クセスからは、前回と同じ設定で記録を残してもよい
し、毎回ユーザの確認をとってもよい。
【0270】(3)(第4の実施例) 次に、第4の実施例を説明する。
【0271】図89は、本実施例の情報公開装置の構成
を示す図である。この情報公開装置は、入力部410、
データ記憶部401、データ検索管理部402、要求受
付部403、応答プラン作成部404、対人関係モデル
編集管理部405、応答生成部406、情報提供者状況
分析部407、直接回線決定部408、直接回線開設部
409を備えている。
【0272】入力部410は、ユーザとの間のインタフ
ェース機能を有する。
【0273】情報公開装置にアクセスができるユーザの
リスト、各ユーザの、情報提供者との関係、ユーザの応
答規則(テキスト、音声など)、ユーザの表情、履歴
は、テキスト、音声、静止画、動画といったデータとし
て、データ記憶部401に記憶される。
【0274】検索部402では、データ記憶部401に
記憶されているデータから、ユーザ情報を取り出す。
【0275】要求受付部403では、ネットワークなど
の通信手段を介してテキスト、画像、音声などによる入
力を受取る。
【0276】応答プラン生成部404では、要求受付部
403で受理した要求に含まれる意図を抽出する。ま
た、応答プラン生成部404では、テキスト、画像、音
声といった入力データとデータ検索管理部402で得た
ユーザ情報からユーザの感情を抽出する。交渉中のユー
ザの心理経過を分析すると同時に、ユーザの次の要求を
予測する。
【0277】対人関係モデル編集管理部405では、デ
ータ検索管理部402で検索したユーザ情報から対人関
係モデルを生成する。さらに、応答プラン生成部404
で抽出した意図から対人モデルを編集する。
【0278】応答生成部406では、応答プラン生成部
405で生成した応答プランから応答を生成し出力す
る。
【0279】情報提供者状況分析部407では、情報提
供者が直接回線を結べる環境にあるかを分析する。
【0280】直接回線決定部408では、応答プラン生
成部404内の意図理解機能・感情分析機能による分析
結果と応答プラン生成部404の要求予測の結果、そし
て情報提供者状況分析部407の分析結果から、ユーザ
と情報提供者間に直接回線を結ぶかを決定する。
【0281】直接回線開設部409では、直接回線決定
部408の決定を受けてユーザと情報提供者間に直接回
線を結ぶ。
【0282】以下に、本実施例の動作を説明する。
【0283】ここでは、情報を公開し提供する者を情報
提供者と呼び、情報公開装置にアクセスし情報を得よう
とする者をユーザと呼ぶ。また、情報公開装置をエージ
ェントと呼ぶ。ユーザと情報提供者がエージェントを介
さずに直接交渉を行うことを直接回線の開設と呼ぶ。
【0284】本システムの処理の流れを図90のフロー
チャートに示す。また、ユーザ要求入力時の画面イメー
ジの一例を図91に示す。
【0285】例えば、ユーザは図91に示すようなウィ
ンドウベースのインタフェースで、テキストコマンド列
[pip jim yasuda]を入力すると、情報
公開者であるユーザ安田のエージェントjimにアクセ
スできる。
【0286】エージェントは、アクセスを受けた時点
で、身元確認を行なう(図90のステップS401)。
登録以外のユーザについては、この時点で交渉を拒絶す
る。ユーザは、図92に示すような人物カテゴリで登録
することができる。
【0287】ユーザは、エージェントと、テキストや音
声などで対話する。また、ビデオカメラを介してユーザ
の表情が取り込めるようになっている。また、情報提供
者は、話題を軸にした情報提供者モデルを用意しておく
(図94を参照)。例えば、図93に示すような公開情
報カテゴリのツリー構造に応じた幾つかの話題の軸を持
ち、それぞれの話題軸には、公開情報が並んでいる。中
心0に近づくほどプライベートの要素が高い情報、ある
いは詳細度の高い情報、共有人数が少ない内輪的な情報
が並び、中心0から離れるほど一般的な情報が並ぶもの
とする。また、中心0に近く、公開に非常に消極的な範
囲であるサンクチュアリ(非公開範囲S)を明示してお
く、などがある。図95に、schedule軸の例を
示す。この例では、年休利用数がサンクチュアリ内の非
公開情報となっている。
【0288】図90のステップS402で、エージェン
トはユーザ情報を検索する。前述の情報提供者モデル軸
上に、話題に対するアクセス権限や熟知度などのユーザ
情報をトレースし、特定のユーザに対する公開可能範囲
であるテリトリ(T)を形成し、対人関係モデルを生成
する。図94のレーダーチャートは、対人関係モデルの
一例である。
【0289】情報提供者とユーザの関係が親密であるほ
ど、共有する話題数は多く詳細度も高くなる。よって、
親密度が高いユーザの情報公開範囲Tは、サンクチュア
リ(S)に近くなる。逆に、疎遠なユーザに対する情報
公開範囲Tは中心0から遠く離れ、より一般的な話題公
開に終始する。この情報公開範囲はユーザによって、さ
らに話題によっても異なる。
【0290】このユーザモデルは、そのテリトリの特徴
によってパターン化することが可能である。図96に、
パターンの一例を示す。
【0291】例えば、公開情報はツリー構造化して管理
するので、どのカテゴリに属しているかが明確である。
個人情報から派生した情報、組織業務から派生した情
報、公共性の高い情報のように、公開情報を分類する例
がある。例えば図94、95のモデルは、公開情報の話
題軸として、<schedule,machine−n
etwork,machine−hard,machi
ne−soft,report,sports,tra
vel,music>を用意しており、このうち<ma
chine−network,machine−har
d,machine−soft,report>は業務
情報である。そして、<sports,travel,
music>はプライベート情報に属する。
【0292】また、テリトリの距離Tに対するサンクチ
ュアリSの距離<S/T>を計算する例、あるいはどの
話題軸へのアクセスが多いかを集計してパターンを選出
する例もある。例えば、このS/Tを親密度と設定し、
どの話題において親密度が高いかを分析することによっ
て、ユーザのパターン化が可能である。このように、情
報のカテゴリに親密度を重ね合わせることにより、業務
上のみのアクセス関係である図96(a)のPatte
rn1、業務上でもプライベート上でもアクセスのある
関係である図96(b)のPattern2、プライベ
ートのみのアクセス関係である図96(c)のPatt
ern3、などが浮かびあがる。また、さらに親密度の
値を細分化し、業務上でもプライベート上でも親密な関
係である図96(d)のPattern3.aなど、公
開情報をより複雑なパターンにわけることもできる。
【0293】ユーザをこれらのパターンに分類すること
によって、エージェントは、ユーザモデルだけに縛られ
ず、同じパターンに属するモデルのテリトリを参考に
し、臨機応変な情報公開ができる。
【0294】例えば、基本的に休暇情報を同僚に公開し
ているが、仕事内容の異なる同僚のAさんに対しては公
開を制限していた。しかし、Aさんが休暇中の情報提供
者と緊急に業務連絡をとる事態が発生した場合、エージ
ェントは他の同僚モデルパターンを分析する。図97に
示すように、例えばユーザ情報で同僚という人物カテゴ
リに属するユーザのスケジュール軸を参照しテリトリの
平均値を臨時に適用する、あるいは同じパターンに属す
るモデルの平均値を臨時に適用するなど、公開範囲を自
律的に調整し、休暇先の電話番号だけを教えるなどの対
応をする。この履歴は、情報提供者に報告する。
【0295】ユーザモデルの再構成は、アクセス内容を
保存しておくことにより可能である。例えば、想定して
いたよりも熟知度が高かったなどはアクセス話題がテリ
トリ内だったなどの履歴から把握できるが、この時はテ
リトリ(公開情報範囲)を狭めるようモデルを再構成す
る。その方法として、図98に示すようなインターフェ
ースを用意し、テリトリラインを編集する。図98
(a)の話題軸をピックすると、(b)のように、その
話題軸が拡大表示され、さらにテリトリ上をピックする
と、(c)のように、テリトリの情報メモリが現われ、
メモリ上の公開情報をピックするとハイパーテキストで
詳細が参照できるる他、公開情報の移動や削除、登録な
どを編集する。または、図98(b)や(c)のメモリ
上でテリトリラインの長さを変更する方法もある。
【0296】あるいは、同じパターン、情報カテゴリ、
人物カテゴリなどに属するユーザモデルを参考に、エー
ジェントが自動的にモデルを再構成することもできる。
エージェントが調整を行った話題軸と話題については、
日付・対話内容、微調整参考モデル・履歴等を表示し、
モデル再構成の参考データとする。
【0297】また、獲得した情報を適正な軸に配置する
方法についても例を示す。対話時に情報を獲得した場
合、エージェントは、どの話題から派生した情報(親情
報)か、といった獲得経緯を分析し、親情報の内外に配
置する。情報の価値、例えば最新度や詳細度、情報の共
有人数などによって、高ければ親情報より内側に配置す
る。
【0298】要求受付部403で受理された入力文は、
応答プラン作成部404内の意図理解機能の持つ自然言
語解析機能により形態素解析、構文解析が行なわれ、意
味構造の候補を生成する。意味構造の各候補に対応する
かたちで回答候補テーブルを生成する(図90のステッ
プS403)。
【0299】例えば、ユーザが[先日●●さんは朝日会
館にいきましたよね]というテキストを入力したとす
る。これに対し、ユーザの意図のパターンを用意する。
[先日−行った]という分析から[スケジュール]、
[レポート]など、意図の候補を可能性の高いものから
順に出力していく。
【0300】また、意図解析機能では、図99〜図10
2に示すように、意図の抽出のほかに登録したユーザデ
ータに照らしあわせ、感情を分析していく例も含まれ
る。
【0301】日本語入力文から感情を抽出する場合、あ
らかじめ感情の種類[満足、喜び、興味、不満、困惑、
怒り]などと、その感情を表現する副詞、形容詞、形容
動詞、間投詞を辞書として登録しておく。形態素解析、
構文解析で得た単語は、この辞書を参照し、感情を含む
か否か、含む場合その感情はいかなる種類のものかを判
別する。この手法は、公知である(例えば特公平6−8
2377号公報)。この辞書に緊急を表現する言葉[急
ぐ、早く]などを登録し、緊急性の抽出に使うこともで
きる。また記号[!!、?]なども辞書に登録し、感情
表現を補助的に表すとして、利用できる。
【0302】こうして得た感情情報を、要求受け付け回
数ごとに数値化して、直接交渉のタイミングを図ること
もできる。集計の開始は、内容認識にズレが生じた時、
つまり項目:ズレに1がはいったS回目の要求受け付け
時から、などと設定する。
【0303】意図抽出と感情分析をあわせた分析項目の
例を示す(図99〜図102を参照)。 ユーザが即答を期待しているか否か。 例えば、日本語入力文から形態素解析、構文解析で抽出
した単語あるいは文のなかに緊急性を示す単語が含まれ
ていた場合は、値を1とする。
【0304】構文解析の結果、平均的なユーザの会話
あるいは通常のユーザの会話に比べて、文節数に差異は
はないか。 初期値は0で、解析で差異が認められると、+1とな
る。
【0305】感情を的確にあらわす副詞、形容詞、形
容動詞、間投詞が、日本語入力文に含まれていないか
(もう、まったくetc)。 初期値は0で、間投詞が含まれていたら、+1。
【0306】ズレは、初期値はゼロであるが、2回目の
要求以降に生じるエージェントの予測要求と実際の要求
のズレをさす。データ記憶部401に登録された予測要
求と、意図解析で抽出した意図とのズレが大きいほど、
ユーザの直接回線への欲求は強まると思われる。値は、
ズレを生じると1とする。
【0307】次に、感情分析機能での分析例を示す(図
99〜図102を参照)。
【0308】エージェントが回答を提示してから、ユ
ーザが次の要求を開始するまでかかった時間。 この間隔が短いほどユーザがイライラしていることが推
察できる。前要求時と現在の間隔を比較して、短かった
ら1とする。
【0309】表情。 入力部410に設置したカメラを通して、ユーザの表情
を認識する。そして、情報記憶装置から平常時の質問者
の表情画像を検索し、差異を抽出する。眉間にシワがよ
っている、といったポイントからユーザの感情を推察す
る。ここでの感情検出方法は、(小林、原:ニューラル
ネットによる人の基本表情認識、計測自動制御学会論文
集VOL29、No1、112/118(1993))
等で実現されている。初期値は0で、苛立ちなどの負の
感情が認められれば1とする。
【0310】音声周波数による感情抽出。 この実現方法は(竹林 金沢:計算機との対話のための
非言語音声の認識と合成、電子情報通信学会論文誌、N
o.8,pp.1512−1521,1994.8)等
で検出された退屈、怒り、楽しみといった感情を示す周
波数を基準に、ユーザの音声周波数を比較する。初期値
は0で、苛立ちなど負の感情が認められれば1とする。
【0311】音声ピッチは、会話の速度や抑揚、発話の
早さなどから、ユーザの感情を推察するもので、(渡部
他:音声対話理解システム構想−CHIBA−HIシ
ンポジウム 581/5881994)等で既に提案さ
れている。初期値は0で、苛立ちなどの負の感情が認め
られれば1とする。
【0312】以上の項目のデータがすべて揃う必要はな
い。例えば、音声入力装置がないならば、音声に関する
分析は行わない。
【0313】例えば、図99でカウントされた値の時間
的経過を、以下のように各項目に対し計算する。(図1
00参照) [式1] ・I:分析項目 ・N:現在の受け付け回数 ・S:意図抽出と予測のずれが生じた時の受け付け回数 ・U:意図解析と感情解析の分析値 N−S<5 などと設定しておき、計算することもできる。
【0314】また、この計算値に項目の優先値すなわち
重みづけを付加する例を示す(図101を参照)。
【0315】データ記憶部401には、図100の表の
項目について分析した各ユーザに対する重みづけをあら
かじめ登録してある。例えば、理性的な人に対しては、
意図解析の重みづけを高くする。図101に、重み付け
の一例を示す。重みづけの値は、例えばアナログ値で1
から5までの間で決める。あるいは、ズレの重みなどは
最初は0で、ズレが生じるごとに+1される。また、ユ
ーザが緊急を申告した場合は、緊急度の重みを高くな
る。また、要求受付回数に応じて、重みを増減する。
【0316】受け付け時ごとに図100の表に書き込ま
れた値は集計され、以下の式に代入される。
【0317】[式2] ・U:意図解析と感情解析の分析値 ・W:重みづけ ・m:項目数 ・Q:質問優先度 応答プラン生成について述べる(図90のステップS4
04)。
【0318】まず、対人関係モデルの編集を行なう。エ
ージェントとユーザの対話がテリトリの攻防となる例を
示す。図103は、対人関係モデルを用いたユーザ交渉
決定処理のフローチャートである。
【0319】意図抽出後、エージェントは対応する話題
を、対人関係モデルの話題軸上にセットする(図103
のステップS502)。テリトリ外にポイントがある場
合、エージェントはユーザの要求以上の情報を公開し、
テリトリラインまで話題を近づけることもできる(ステ
ップS504)。このエージェントの対応はユーザには
積極的公開と映る。しかし、テリトリ内にポイントがあ
る場合、エージェントはテリトリラインまで話題を後退
させねばならず、ユーザに対して消極的な情報公開とな
る(ステップS505)。
【0320】さらに、サンクチュアリを侵犯した場合
は、エージェントはユーザに対し不快感あるいは公開で
きない旨を伝えることも可能である(ステップS50
6)。一般的に、話題がテリトリラインの内側に設定さ
れるほど、エージェントは情報を公開せずに話題の譲歩
を迫るので、ユーザに歯がゆい印象を与える。
【0321】しかし、現在の対話時の距離Tnと前回の
対話時の距離T(n−1)の差が0より大きい場合、ユ
ーザは非公開情報にアクセスしていると理解し話題を譲
歩した、と推測することができる(ステップS51
0)。これが例えば3回続いたら(ステップS51
2)、対人モデルの臨時修正を試みるなどと設定するこ
とも可能である(ステップS513)。
【0322】逆に、TnとT(n−1)の差が0以下の
状態が例えば3回以上を数えたら(ステップS51
1)、エージェントはユーザの欲求不満を推察し、直接
回線を開設する準備をする場合もある(ステップS50
7)。
【0323】次に、対人関係モデルとその編集履歴か
ら、次の要求内容を予測する。基本的に、話題ポイント
の前後に位置する話題が候補となる。例えば、テリトリ
外の話題だった場合、ユーザは肯定的な内容、あるいは
テリトリ、つまり話題軸の中心により近づいた内容を要
求する、と予測する。
【0324】また、テリトリ内の話題だった場合、エー
ジェントは情報公開に消極的になり、ユーザの後退を迫
る回答を示すが、これに対しユーザがどのように反応す
るかは2回目以降の話題設定で決まる。すなわち、2度
目の話題設定でユーザの要求話題がテリトリ内に居残る
場合、エージェントはユーザに話題の譲歩を迫り続ける
ため、ユーザが感情を害することが推測される。
【0325】そして、応答プラン生成部404では、情
報提供者の現況を動的に把握し、前述のユーザの意図解
析と感情解析の分析値を比較し直接回線を考慮する。
【0326】ここで、情報提供者の現況分析の例を示
す。情報提供者の状況として、例えば以下の例がある。
【0327】1:席をはずしている。 2:多忙で、直接回線で対応する時間的余裕がない。 3:直接回線での対応する余裕がある。
【0328】まず、状況確認としてデータ記憶部401
にあらかじめ登録してある情報提供者のスケジュールデ
ータを参照する。例えば、休暇中、会議中といったスケ
ジュールから対応がきまる。あるいは、カメラを通じて
席にいるかを確認する。
【0329】1でなかった場合、以下の手段が考えられ
る。
【0330】例えば、ユーザごとに図99の表に示す項
目ごとに設定した閾値を利用する方法がある。前述のユ
ーザ意図感情分析機能での分析項目の閾値を、ユーザ情
報として情報公開者があらかじめ設定しておく。閾値の
例を、図102に示す。前述[式1]で計算した、ある
項目のユーザ意図感情分析値U(J)を用いて、閾値と
の比較を行なう。例えば、ユーザの分析項目:緊急の値
が0.8だった場合、閾値0.3と比較し、ユーザの分
析値の方が大きいので直接回線の提案を準備する。また
は、閾値に近い値が複数の主要項目で計算された場合な
ども直接回線の開設を提案できる。
【0331】次に[式2]で求めた、質問優先度Qを利
用した例を示す。
【0332】まず、情報提供者の計算機利用状況を確認
する。UNIXのコマンド:psやUNIXのコマン
ド:fingerなどを用いて作業中か否か、未読メー
ルが累積しているか否かを確認する。さらに、UNIX
のコマンド:histroyなどを用いて履歴情報を確
認するなどがある。エージェントはこれらの操作によ
り、情報提供者が多忙か否かの判断をする。
【0333】例えば図104(a)のように、情報公開
者の状況をアナログ値で数値化する。情報提供者の現状
を把握するには、以下のような手段が考えられる。UN
IXのhistoryコマンドなどで、情報提供者が行
っている処理と時間を把握する。fingerコマンド
などで、メールを読んでいるか。未読メールがたまって
いれば忙しいと判断し表に1を登録する、など。カメラ
を介して獲得した情報提供者の表情を分析し、苛立ちが
認められれば1を書き込む、など。さらに、情報公開者
が登録したスケジュールの優先度を参照する。
【0334】これに、情報提供者は、図104(b)の
ように、各項目に対する重みづけをあらかじめ登録して
おく。
【0335】[式3] ・p:分析項目 ・W:重みづけ ・m:項目数 ・P:情報提供者の現況分析値 これを[式3]で計算し、情報提供者の現況分析値Pと
[式2]で求めたユーザの質問優先度Qを比較する。P
>Qであった場合に直接回線を提案する、などがある。
【0336】また、対人関係モデルの編集履歴を用い、
エージェントが話題をテリトリラインに戻そうとしてる
のにも関わらす、ユーザがテリトリ侵攻を続ける場合、
直接回線を開設する、などもある。
【0337】直接回線の開設以外の応答プラン生成の例
を示す。ここでは、感情確認プランを生成する例を示
す。この感情確認とは、話題の転換でユーザの反応を確
かめることをさす。例えば、以下の会話でcheck1
が話題の転換に相当する。これにより、ユーザのエージ
ェントに対する信頼が失われている。話題の転換は、f
回前の対話時に用意した回答候補群のなかで第3候補だ
った話題を利用する、などの例がある。
【0338】下の会話の場合、エージェントは、[そう
です]という回答が得られれば、感情を害すまでにはい
たっていないと判断する。感情認識1のように、直接回
線の提案を行う。それ以外の判断の場合は、感情認識2
のように引続きエージェントとの会話を続ける。
【0339】(sample1) ユーザ [先日安田さんは朝日会館にいきま
したよね。] エージェント [スケジュールを検索しますか] ユーザ [いえ、そうではなくて、朝日会館
の道順を知りたいのだけど。] エージェント [地図を表示しましょう。最寄り駅
の名前はわかりますか] ユーザ [駅名はわかりませんね] エージェント [朝日会館の住所はわかります
か。] ユーザ [住所…もわかりません] エージェント [TEL番号はわかりますか。] ユーザ [わからない] (感情認識1) 1:エージェント[講演会に参加するんですか] 確
認…check1 1:ユーザ […地図を見せてほしいんだけど] 1:エージェント[直接回線を結ぼうと思いますが、い
かがですか] …propose1 1:ユーザ [そうしてください] 1:エージェント[問い合わせます。少々お待ちくださ
い] (感情認識2) 2:エージェント[講演会に参加するんですか] 確認
…check1 2:ユーザ [そうです。初めて行く場所なんで
す] 2:エージェント[住所が書いてある講演案内は配布さ
れなかったのですか] 2:ユーザ [ああ、もらったなぁ] 2:エージェント[それで住所がわかりますね、住所を
教えてください] 2:ユーザ [はい、ちょっと待ってください。] 応答生成プラン生成部404内の交渉内容提示機能で
は、意図理解で抽出した内容つまり交渉録を図表化して
表示する。図105に、その交渉概要表示例を示す(図
中のMEMOとラベルづけされたボックス)。これによ
り、ユーザはエージェントの理解程度を確認しながら交
渉を続けることができる。また、この図表は、情報提供
者がユーザとエージェント間の交渉内容と過程を確認す
るために再利用される。ここで、エージェントは情報提
供者に直接回線を結ぶ確認をとる(図90のステップS
405)。
【0340】以下に、直接回線の開設を情報公開者に確
認する例を示す。ウインドウを開き、編集途中の図表化
した交渉録を提示する。そして、直接回線を開設するか
を情報提供者に尋ねる(図90のステップS406)。 エージェント[直接回線を至急結んでください]…緊急
時 エージェント[直接回線を結んでよろしいですか] OK:直接回線 開設 NO:応答表を参照し、質問の優先度を考慮しながら応
答を生成する。
【0341】直接回線開設確認ウィンドウの例を図10
6に示す。ウインドウ表示は、優先度によってアピール
方法を変える、例えば、音。色、点滅、文字の大きさ、
ウインドウを開く位置、ウインドウの大きさ。あるい
は、AGENTの表情。緊急度が高いのなら、刺激色を
多用するなど。
【0342】例えば、直接回線を結ぶかどうかの問い合
わせをする場合、緊急度が高い場合は、YESのボタン
を点滅させる。緊急度の高い表情。または、緊急度、優
先度をグラフ化して呈示するあるいは、動きを多くする
など。
【0343】上記の状況を考慮し、エージェントは以下
の回答文を組み合わせて呈示する。直接回線を結ばない
場合の回答文は、以下の組み合わせなどがある。
【0344】エージェント [申し訳ありません ●は
ただいま席をはずしています] エージェント [申し訳ありません ●はただいま特許
提案書執筆中で手が離せません] (スケジュール参照
例) エージェント [のちほどメールでサクラさんにご連絡
するよう伝えますが、いかがですか] エージェント [★さんもご存知のはずですので、そち
らのエージェントを呼びましょうか] なお、本実施例では、意図理解や感情分析は応答プラン
生成部404にて行なったが、意図理解や感情分析を要
求受付部403にて行なうようにしても良い。 (第5の実施例)次に、第5の実施例について説明す
る。
【0345】音声は人間によって最も自然かつ日常的な
コミュニケーションメディアであり、人間同士の対話で
は最も主要なものである。
【0346】しかし、従来は、ユーザの発話した音声の
言語的側面に注力して(すなわち非言語的側面を排除し
て)、音声認識理解システムが開発されてきたため、快
適でフレンドリーな音声メディアの特徴を活かしたシス
テムがなかった。
【0347】以下では、より円滑化なコミュニケーショ
ンを行なうための音声情報の利用の形態を示す。
【0348】本実施例においては、図107に示す様な
形態で、音声メディアの入出力(録音/再生)型あるい
は音声認識理解や音声合成を利用することができる。こ
のとき、本実施例において重要なのは、ユーザの音声入
力の言語的な内容理解に加えて、ユーザの意図や感情の
理解、あるいは音声合成の際に、意図や感情情報を付与
してユーザに提示する点である。
【0349】音声の意図・感情情報の認識理解や合成に
ついては、前述した金沢等(電子情報通信学会論文集D
−II Vol.J77−D−II,No.8,pp.15
12−1521)の研究やCahn等(“Genera
ting Expression in Synthe
sizod Speech”,TechnicalRe
port,Massachusett Institu
te of Technology、1990)の研究
が既に報告されている。これらは、音声信号のピッチや
アクセント等の「音声律情報」に着目して、怒り、喜
び、悲しみ、同意、感心、つなぎ等の意図や感情情報を
認識理解したり生成したりする。
【0350】一方、テキスト・すなわち、文字言語によ
っても感情語があり、特定の言葉により感情表現が可能
である。例えば、「いいなあ」「上手だね」「すごい」
「ひどい」「すき」「いやだ」「うまい」「ださい」
「うそー」「ほんとー」等と話手の意志を表現可能であ
る。しかし、これらの文字言語では、感情や意図情報を
抽出できるが、音声言語のように、心理状態を反映した
リアリティーのある表現はできない。
【0351】本実施例では、以上の点に着目し、要求受
付部103,403においてコミュニケーションの円滑
化のために、ユーザの音声言語から、ユーザの感情状態
や意図や状況を理解する。
【0352】図108は、本実施例の音声要求受付部5
00の構成を示す。この音声要求受付部500は、音声
入力部501、音声言語理解部502、音声感情理解部
503を備える。ここでは、音声入力から、言語情報の
内容を理解するとともに、ユーザの感情を理解する点が
特徴である。
【0353】音声入力部501では、入力音声をLPF
(ローパスフィルタ)を介して、標本化周波数12kH
z、量子化ビット数16bitsで、ディジタル交換
し、ディジタル信号処理により、スペクトル分析やピッ
チ抽出が行われる。例えば、金沢等の文献のように、F
FT分析をベースに、周波数領域での平滑化を行い対数
交換して16チャンネルのバンドパスフィルタ(BP
F)出力が8ms毎に得られる。このとき、FFTの生
スペクトルを帯域を50Hz〜1000Hzまで限って
認識に利用したりすることが可能である。
【0354】また、ケプストラム分析等してピッチ周波
数を求めることが可能である。
【0355】つまり、音声言語内容の理解と感情理解と
では前処理が異なるわけである。
【0356】図109は、感情単語音声スポッティング
と感情非言語音声スポッティングとを用いた音声感情理
解部503の構成例である。この音声感情理解部503
は、音声理解用音声前処理部505、感情単語検出部5
06、感情非言語検出部507、感情理解部508を備
えている。
【0357】前述したように、音声の言語的内容からも
ユーザの意図、感情理解が可能であり、特定の感情単語
を音声認識や自由発話理解で用いられているワードスポ
ッティングの手法により検出できる。これにより、「ひ
どい」「すき」「いや」「まずい」「やめてー」「うそ
ー」「もっとー」「だめだよー」等の感情単語から話し
手の感情が理解可能である。これらは、通常の音声認識
で用いられている隠れマルコフモデル(HMM)やニュ
ーラルネットワークなどによるワードスポッティング法
により実現できる。感情単語については、数百語以下で
十分であり、竹林の文献(電子情報通信学会論文誌、D
−II,Vol.J77−D−II,No.8,pp.
1417−1428、等)による方法などの従来技術に
より対応できる。このとき、図109の感情理解用音声
前処理部505では、通常の音声認識と同じLPCケプ
ストラムやフィルタバンク出力を用いる。
【0358】感情単語音声検出部506による感情単語
音声認識は、音韻ベース、音節ベース、あるいは単語ベ
ースの何れの認識単位でも実現できる。
【0359】一方、感情非言語音声検出部507による
感情非言語認識も同様に、ワードスポッティングにより
行う。このとき、非言語音声とは、「え」、「あ」、
「ん〜」、「お〜」、「う〜」等の母音及び撥音の他
に、「あっはっは」「えっへっへ」等の笑い声や、
「ふ、ふ、ふ」などの笑い、「あ〜あ〜」等のあくび、
「あ〜」等のためいき、「ちぇっ」等の舌うち、等が含
まれる。
【0360】非言語音声の認識か言語音声の認識と異な
る点は、その特徴が音韻性、すなわち、周波数スペクト
ルの包絡(概形)にあるのではなく、音声のピッチ周波
数の変化やテンポや継続時間に現れる。
【0361】このため、本実施例では、金沢等の文献の
ようにFFTの生スペクトルやピッチ周波数、継続時間
を非言語音声の特徴パラメータとして用いる。そして、
非言語音声の検出は、例えばFFTの生スペクトルを用
いて単語単位のキーワードスポッティングにより非言語
音声を時間方向25点周波数方向(75−950Hz)
XX点のN次元の固定次元特徴ベクトルとして表わし、
有声/無声、有音/無音、ピッチの時間パターンを統合
してパターン照合する。高速の積和演算を用いれば、こ
の様な非言語音声は数十程度でありリアルタイム処理可
能である。
【0362】これらのスポッティング処理により、例え
ば図110のように、感情単語音声と感情非言語音声が
スコア付き尤度で検出される。
【0363】これらの感情単語音声候補と感情非言語音
声候補は、図109の感情理解部508に送られる。
【0364】感情候補理解部508では、スコア付きの
候補系列を処理して、ユーザの状況や意図および感情を
理解する。このとき感情単語音声の場合は、単語「チェ
ッ」と“いらいら”、「うそ〜」と“否定”、「いや
〜」と“否定”、「すき」と“肯定”がそれぞれリンク
している。
【0365】感情理解部508では、あるしきい値(例
えば80)を越える感情単語音声候補、あるいは、感情
非言語音声候補をピックアップし、ワードスポッティン
グの手法でそれらのうちの最大値を感情理解結果とす
る。
【0366】このような統合処理は、音声と画像の尤度
の合計(LT =LS +LV >QT )(例えば、しきい値
T =1.5))や、それぞれのしきい値QS 、QV
より決定できる。例えば、音声認識で「笑い」(尤度
0.9)、画像認識で「笑い」(尤度0.8)のとき
は、断定的に処理し、音声認識で「笑い」(尤度LV
0.9)、画像認識で「笑い」(尤度0.3)のとき
は、両方の尤度を合計して「笑い」とは判定しないよう
に制御する。あるいは、片方の尤度が低いので「笑い」
とは判定しないように制御可能である。
【0367】あるいは、複数の候補が競合するときに
は、それらを併用して続く処理に用いることも可能であ
る。さらに、感情単語の時間関係も、音声対話システム
TOSBURG(竹林、電子情報通信学会論文誌、D−
II,Vol.J77−D−II,No.8,pp.1
417−1428、等)のキーワード候補系列解析を利
用することにより、より深い理解が可能である。
【0368】以上のような実施例では、入力音声の言語
的内容を理解するとともに、ユーザの意図、感情、状況
の理解も行えるのでより適切な対話が実現できる。
【0369】感情理解部で求めるユーザの意図、感情、
状況は、次のような表現形式となる。 感情音声表現 (感情、状況分類 怒り) (尤度 0.9) (感情抽出手段 非言語音声) ここで、感情、状況分類では、怒りの他に、笑い、退
屈、同意などがあり、尤度には0〜1.0までの値が入
る。感情抽出手段には、非言語音声の他に言語音声、キ
ー入力、ペン入力等もある。また、同じ音声入力に対し
て、上記した竹林の文献等にあるような通常の発話意味
表現が抽出できる。本発明では、両者を並行に処理、す
なわちマルチモーダル処理する点が特徴である。また、
感情情報抽出手段には、画像メディアに基く表情理解や
動画像処理に基く状況理解等の既存の方法でも行なえ、
それらを統合して信頼性を高めることができる。
【0370】スポッティングをベースにした、安定でロ
バストな処理であり、自由発話に対して効果的であり、
フレンドリーで親しみのあるマルチモーダルインタフェ
ースに有用である。
【0371】次に、音声に加えて、他のメディアを利用
する場合の要求受付部の一例を説明する。
【0372】感情の認識理解については、「スマイルデ
ィテクタ」の表情認識の研究等がある。これは、顔の静
止画像を解析し表情を理解するものである。種々の研究
がこれまでなされているが、対話的なシステムを想定し
た場合、無言で表情を変えたのを認識するよりも音声入
力から感情認識する方が信頼性が増す。また、無言より
も手軽に「同意」やあ「驚き」、「肯定」、「疑問」等
を例えば「え〜」、「あっ」、「ん〜」、「えっ」等の
非言語音声を発話することにより、より多くのユーザの
意図感情に関する情報が送られるので信頼性が増す。そ
のときの表情と時間軸を同期させることにより信頼性が
増す。
【0373】また、単語認識や連続音声認識と表情認識
を併用する場合には、音声認識と唇の形状による音声認
識率の向上に加えて、音声と画像による感情認識が同時
に行えるという利点がある。
【0374】前述した感情単語音声と感情非言語音声は
ともにスポッティング処理であり、容易に視覚メディア
処理との統合が実現できる。
【0375】笑いの検出、怒りの検出、プラス(陽)の
感情、マイナス(陰)の感情、眠けの検出等は現状の技
術で対応可能であり、両者の統合の部分が重要となる。
すなわち、音声認識と画像認識の結果が一致し、例え
ば、「眠け」とか「笑い」と判定されたとき、対話処理
で、複数のメディア処理の結果により信頼性を向上さ
せ、断定的に応答を生成することが可能である。
【0376】図111は、本実施例の他の要求受付部の
要部構成例である。この要求受付部は、前述した音声感
情理解部503に加えて、入力表情画像からユーザの表
情を理解する表情理解部509と、両者の出力の整合
性、矛盾のチェックを行う統合部511から構成され
る。
【0377】図112は、キーボードとマウスとペンに
音声入力を併用したマルチモーダルインタフェース51
2の一例である。
【0378】キーボード、マウス、ペン 従来通りの
入力(図112(b)を参照) 音声 感情、意図情報の入力(図11
2(c)を参照) と目的を分けて入力する点である。
【0379】感情の理解は、前述の方法によって行え
る。すなわち、論理的あるいは目的達成のための入力は
キーボードかペン入力中心で入れて、自然言語インター
フェースにより形態素解析、構文解析、意味解析を行な
うか、あるいは、コマンド入力により処理を進める。そ
れと並行して、音声メディアの並行入力可能という特徴
を活かして付加的、補助的、人間的な情報を入力するも
のであり、感情単語音声検出と感情非言語音声検出によ
り実現できる。
【0380】以上のような方法により、前述した図90
のユーザ感情解析と要求意図解析(ステップS403)
を妥当で効率的に実現することができる。
【0381】なお、以上の処理を応答プラン生成部内で
行なうようにしても良い。
【0382】また、非言語感情音声の生成を同時に併用
するのも効果的である。
【0383】例えば、上記実施例により、言語情報入力
や音声非言語情報入力が次のような場合、以下に示すよ
うなコンピュータとの自然で心地良い対話を実現するこ
とができる。
【0384】・言語情報入力 ワープロで文
書作成(キーボード入力) ・音声非言語情報入力 「あ〜あ」…退屈、疲れを検
出 このような場合、リラックスやリフレッシュさせるため
に音楽を流したり、ユーザの好きなニュースをユーザに
提示指せることが、音声非言語情報による感情、状況理
解により可能となる。感情音声理解が効果的である。
【0385】・言語情報入力 マウスで感情
検索 ・音声非言語情報入力 「ん〜」「へえ〜」「関心」
「同意」 このような場合、興味が関心度が高いことを検出して、
さらに本人の興味が増す方向で、検索処理を行なう。感
情音声理解により初めて実現できる。
【0386】・言語情報入力 キーボード入
力/マウス入力でメールまたは音声メールを読む ・音声非言語情報入力 「えっ」「え〜」「うそ〜」
「怒り」「反感」「憎悪」 このような場合、ユーザのネガティブな状態、マイナス
な状態、怒りを検出し、心がなごむ表情をユーザに提示
したり、リラックスさせるための音楽を流したりして気
分転換させる。特に、メールでは、個人に対して悪い印
象を誤って持つことがあるので、メールの差し出し人の
良い面を表情や楽しい声の音声メッセージを出してユー
ザの感情を安定させる。
【0387】以上の例以外にも、キーボード、音声、マ
ウス、ペンで言語情報や指示コマンドを入力しながら、
同時に、ユーザは音声を介して非言語情報をコンピュー
タに送り、感情、状況理解により、コミュニケーション
を円滑化できる。
【0388】以上のように、本発明では、マルチメディ
アシステムにおいては、言語情報と非言語情報、ユーザ
の意図的情報と非意図的情報の並行処理が重要な点に着
目し、特に、音声メディアの並行性の性質を活かすこと
により、ユーザ中心のマルチモーダルインタフェースと
して、心地良く、自然で、暖かみのあるコンピュータと
の対話を実現した。特に、キーボード、マウス、ペン、
音声入力による言語情報、指示情報入力と音声を中心と
する非言語情報によるユーザの意図、感情、状況理解
は、ユーザの満足感や快適さを格段に向上させることが
できる。
【0389】本発明は、人間らしいコミュニケーション
を可能とするマルチモーダル情報入出力システムの実現
であり、人間社会へ与える効果は多大である。
【0390】(4)(第6の実施例) 次に、第6の実施例について説明する。
【0391】図113に、本実施例の情報公開装置の構
成を示す。
【0392】情報提供者の所有する種々の形式・内容の
データは、データ記憶部613に格納されている。この
データ記憶部613は複数存在する。データ検索提示部
612は、各データ記憶部613に対応して設けられ、
受け持っているデータ記憶部613に格納されているデ
ータを検索・提示するために用いられる。
【0393】情報公開装置は、データ検索提示部612
の1つまたは複数を選択して、各データ記憶部613に
格納されているデータを検索し提示するものである。
【0394】この情報公開装置600は、入力部60
1、出力部601、応答生成部603、ユーザ情報管理
部604、ユーザ情報記憶部605、データ情報管理部
606、データ情報記憶部607、応答履歴管理部60
8、応答履歴記憶部609を備えている。
【0395】入力部601は、情報要求者および情報提
供者の入力を受け付ける。
【0396】出力部602は、情報要求者および情報提
供者への応答を出力する。
【0397】応答生成部603は、情報要求者および情
報提供者からの要求を解釈して、複数存在する各データ
検索提示部612のうちから適切なものを選択し、これ
を利用して各データ記憶部613から適切なデータを検
索し提示する。また、応答生成部603は、必要に応じ
て情報要求者や情報提供者への応答を生成し、出力部6
02を用いて情報要求者や情報提供者へ出力する処理も
行う。応答生成部603が用いる情報は、情報要求者お
よび情報提供者に関するユーザ情報と、提示するデータ
に関するデータ情報であり、それぞれ、ユーザ情報記憶
部605と、データ情報記憶部607に格納されてい
る。
【0398】ユーザ情報管理部604は、ユーザ情報記
憶部605に記憶された情報の検索・作成・修正を行
う。
【0399】データ情報管理部606は、データ情報記
憶部607に記憶された情報の検索・作成・修正を行
う。
【0400】応答履歴記憶部609は、情報要求者、情
報提供者および情報公開装置自身の間の対話の履歴であ
る応答履歴情報を記憶する。
【0401】応答履歴管理部608は、該応答履歴情報
の記憶の開始、終了や過去の履歴の参照、削除などの管
理を行なう。
【0402】次に、図114に、データ情報記憶部60
7に格納されている各種データの意味的なカテゴリであ
る意味カテゴリの構造例を示す。図114において、
「著作物」(図中21)、「組織」(図中22)、「会
議」(図中23)といった個々の意味カテゴリは、その
意味の抽象−具体関係(図中実線)によって、ラティス
状の階層構造を成しており、図中左側がより上位の抽象
的なカテゴリ、右側がより下位の具体的で詳細なカテゴ
リである。個々の具体的なデータは、1つあるいは複数
の意味カテゴリに属するものとして分類されている(図
中点線)。すなわち、データ情報には各種データの意味
的な分類に関する情報を記述しており、たとえば、図中
「データ情報2」(図中24)は、意味カテゴリ「議事
録」(図中25)、「課」(図中26)に属するとされ
ている。
【0403】図115は、図114で示した意味カテゴ
リ構造の中の個々の意味カテゴリの内容を示した図であ
る。例えば(a)に示す意味カテゴリ「著作物」31に
は、その「上位カテゴリ」として「一般」カテゴリが、
「下位カテゴリ」として「論文」「特許」「報告書」の
それぞれの意味カテゴリが記述されている。また、「同
義語」項目には、その意味カテゴリを示し得る語を複数
記述する。例えば、意味カテゴリ「著作物」31の「同
義語」項目には「著作物」という語のほかに「文書」
「書類」「資料」といった語が記述されており、応答生
成部603は、これらの語に基づいて、情報要求者が要
求するデータの意味カテゴリを同定する。また、各意味
カテゴリには、それぞれ固有の属性項目を設定すること
ができる。例えば、意味カテゴリ「著作物」31には、
当カテゴリに共通な属性として、その著作物データの
「題名」「作成者」「作成日」を示す属性が設定されて
いる。これらの属性は意味カテゴリの上位−下位関係に
よって継承される。例えば、(c)に示す意味カテゴリ
「議事録」33は、(a)の意味カテゴリ「著作物」3
1と(b)意味カテゴリ「会議」32の下位カテゴリな
ので、両者の属性をそれぞれ継承して「題名」「作成
者」「作成日」「議題」「参加者」「会議日時」の6属
性を有している。
【0404】次に、図116に、データ情報記憶部60
7に格納されている各種データの形式についてのカテゴ
リである形式カテゴリの構造例を示す。図116におい
て、「テキスト」(図中41)、「静止画」(図中4
2)、「PSファイル」(図中43)といった個々の形
式カテゴリは、データ形式の抽象−具体関係(図中実
線)によって、ラティス状の階層構造を成しており、図
中左側がより上位の抽象的なカテゴリ、右側がより下位
の具体的で詳細なカテゴリである。個々の具体的なデー
タは、1つの形式カテゴリに属するものとして分類され
ている(図中点線)。すなわち、データ情報には前述の
意味的な分類に加えてデータ形式上の分類に関する情報
を記述しており、たとえば、図中44で示す「データ情
報1」は、形式カテゴリ「PSファイル」43に属する
とされている。
【0405】図117は、図116で示した形式カテゴ
リ構造の中の個々の形式カテゴリの内容を示した図であ
る。例えば、(a)に示す形式カテゴリ「テキスト」5
1には、その「上位カテゴリ」として「一般」カテゴリ
が、「下位カテゴリ」として「PSファイル」カテゴリ
が記述されている。また、「検索手段」項目には、その
データを検索するためのデータ形式固有の検索手段を記
述する。もっとも単純な検索手段としてはファイルシス
テムが挙げられるが、このような検索手段の他に、例え
ば、データベースシステムの検索手段などがこの項目に
設定できる。次の「提示手段」項目は、検索されたデー
タを提示するためのデータ形式固有の提示手段が設定さ
れている。例えば、(b)に示す形式カテゴリ「PSフ
ァイル」52は、その提示手段として「gs(Ghos
tscript)」というアプリケーション・プログラ
ムが使用できると指定されている。
【0406】次に、図118に、ユーザ情報記憶部60
5に格納されている、情報要求者・情報提供者の人物・
対人関係についてのカテゴリである人物カテゴリの構造
例を示す。図118において、「社内」(図中61)、
「社外」(図中62)、「課内」(図中63)といった
個々の人物カテゴリはその意味の抽象−具体関係(図中
実線)によって、ツリー状の階層構造を成しており、図
中左側がより上位の抽象的なカテゴリ、右側がより下位
の具体的で詳細なカテゴリである。個々の具体的なユー
ザ情報は、1つあるいは複数の意味カテゴリに属するも
のとして分類されている(図中点線)。すなわち、ユー
ザ情報には各ユーザの人物の分類に関する情報を記述し
ており、例えば、「ユーザ情報1」(図中64)は、人
物カテゴリ「課内」(図中63)、「上司」(図中6
5)、「知人」(図中66)、「異性」(図中67)、
「年上」(図中68)に属するとされている。
【0407】図119は、図118に示した人物カテゴ
リ構造の個々の人物カテゴリの内容を示した図である。
例えば、(b)に示す人物カテゴリ「社内」72には、
その「上位カテゴリ」として「一般」カテゴリが、「下
位カテゴリ」として「上司」「同僚」「部下」「部内」
「部外」のそれぞれの人物カテゴリが記述されている。
また、各人物カテゴリには、それぞれ固有の属性項目を
設定することができる。たとえば、人物カテゴリ「社
内」72には、当カテゴリに共通な属性として、そのユ
ーザの「氏名」「住所」「性別」「生年月日」「所属」
「役職」「社員番号」「内線」を示す属性が設定されて
いる。これらの属性は人物カテゴリの上位−下位関係に
よって継承される。例えば、(c)に示す人物カテゴリ
「上司」73は、人物カテゴリ「社内」72の下位カテ
ゴリなので、上記の8属性を有している。逆に、(a)
に示す人物カテゴリ「初対面」71は、「氏名」「住
所」といった基本的な属性しか有さない。人物カテゴリ
には、そのカテゴリに属するユーザの各種データに対す
る権限および熟知度のデフォルトの値を、前記意味カテ
ゴリ毎に記述してある。例えば、初対面の情報要求者に
はデータを提供すべきでないという立場からは、図に示
すように人物カテゴリ「初対面」71では、全ての意味
カテゴリに関してそのデフォルトの「権限」を0に設定
する。同様に、初対面の情報要求者はあらゆるデータに
関して全く熟知していないと見倣すべきであるという立
場から、人物カテゴリ「初対面」71では、全ての意味
カテゴリに関してその「熟知度」を0に設定する。これ
と比べ、人物カテゴリ「社内」72では、データの意味
カテゴリ「会社」に対して0より大きい値0.5が設定
されており、さらに人物カテゴリ「上司」72では、意
味カテゴリ「会社」に対してより大きい値0.6が設定
されている。
【0408】なお、本実施例では、データに対するユー
ザの「権限」「熟知度」という二つのパラメータと、ユ
ーザに対するデータの「機密度」「難易度」という二つ
のパラメータは、それぞれ、最低を0、最大を1として
正規化した連続値で表現しているが、特にこの方法に限
定せず、離散値であってもよい。
【0409】次に、図120、図121は、データ情報
記憶部607に記憶される個々のデータ情報の一部を例
示した図である。データ情報とは、データ記憶部613
に格納された各種データについて、当該データがどの意
味カテゴリおよび形式カテゴリに属するかの情報と、当
該データの機密度・難易度に関する情報、およびその他
の付随情報を記述したものである。例えば、図120
(a)のデータ名称「aoki/reports/me
eting/mr_94_11_1.ps」で示される
データのデータ情報(81)では、当該データが、「意
味カテゴリ」として「議事録」「課」「CAD」に、
「形式カテゴリ」として「テキスト」に属するものであ
ると記述されている。また、当該データは、「機密度」
が0.5、「難易度」が0.1である。「機密度」とい
うパラメータはユーザにおけるデータへの「権限」パラ
メータに対応するパラメータで、この例の場合、当該デ
ータは、「権限」が0.5以上のユーザにしか提示でき
ないことを示している。また、「難易度」というパラメ
ータは、ユーザにおけるデータへの「熟知度」パラメー
タに対応するパラメータで、この例の場合、当該ギアデ
ータは、「熟知度」が0.1以上のユーザに提示すると
理解されるが、「熟知度」が0.1以下のユーザに対し
て提示しても理解されないであろうということを示して
いる。データ情報には、これらの情報の他に、データの
属する意味カテゴリに固有の属性情報を、当データの付
随情報として記述する。例えば、データ情報(81)に
は、会議議事録である当データの「題目」として「シス
テム開発部 定例会議議事録(1)」が、「作成者」と
して「青木一郎」が設定されている。
【0410】次に、図122、図123は、ユーザ情報
記憶部605に記憶される個々のユーザ情報の一部を例
示した図である。ユーザ情報には、情報要求者および情
報提供者本人の個々人について、当ユーザがどの人物カ
テゴリに属するかの情報と、当ユーザが各種意味カテゴ
リのデータについてどの程度の権限・熟知度を持ってい
るかの情報、および、当ユーザについてのその他の付随
情報を記述したものである。例えば、図122(a)の
氏名「青木一郎」で示されるユーザ情報(91)は、
「人物カテゴリ」が「本人」に設定されているので、こ
のユーザ情報は情報公開装置の管理者たる情報提供者の
情報を示している。したがって、当該ユーザは、意味カ
テゴリ「個人情報」および「著作物」に属するデータの
所有者であるため、このユーザ情報においては、意味カ
テゴリ「個人情報」および「著作物」についての権限と
熟知度は最大値1に設定されている。また、人物カテゴ
リ「本人」であるために意味カテゴリ「会社」「スケジ
ュール」等に属するデータへの権限・熟知度も高い値に
設定されている。このような各種データの意味カテゴリ
別の権限・熟知度の情報に加え、ユーザ情報には、「住
所」「生年月日」「所属」などの諸属性が持たせてあ
る。図122(b)のユーザ情報「山田恭子」は、人物
カテゴリにおいて「本人」である「青木一郎」と「友
人」の関係にあるため、意味カテゴリ「個人情報」すな
わち「青木一郎」のプライベートなデータについては比
較的高い権限と熟知度を有すると設定されている。ま
た、図123(a)のユーザ情報「竹内登」は、人物カ
テゴリ「上司」に属しているので、意味カテゴリ「会
社」について本人「青木一郎」よりも高い権限・熟知度
が設定されている。逆に、図123(b)のユーザ情報
「後藤?」は、「知人」ではあるが「他社」の人物なの
で、各意味カテゴリに属するデータについての権限・熟
知度は低く、また、「住所」など属性値が未定のものが
ある。
【0411】次に、図124、図125に、情報公開装
置が行う情報公開の処理の流れを示す。情報公開装置
は、情報要求者と接続し(ステップS101)、その
後、要求されているデータの意味カテゴリの同定(ステ
ップS102〜)と、情報要求者を表すユーザ情報の同
定(ステップS107〜)と、応答履歴の記憶開始(ス
テップS1012〜)を行なう。
【0412】本実施例では、これらをそれぞれデータ情
報管理部606、ユーザ情報管理部605、応答履歴管
理部608で並列に行うが、本発明はこの方法に限定せ
ず、例えば、まず最初にユーザ情報の選択を行い、その
後に意味カテゴリの同定を行ってもよい。
【0413】データ情報管理部606では、要求されて
いるデータの意味カテゴリ同定のために、必要であるな
ら質問を発し(ステップS102)て、意味カテゴリの
抽象−具体階層および各意味カテゴリに記述されている
同義語により、一つあるいは複数の意味カテゴリの同定
を行う(ステップS103)。この処理に成功しなけれ
ば(ステップS104)、再び意味カテゴリ同定のため
の質問を行うが、同定不可能である場合(ステップS1
05)、たとえば指定された回数以上試行しても同定が
行えなかった場合には、情報提供者に直接介入させる処
理(ステップS106)に入る。
【0414】一方、ユーザ情報管理部604によるユー
ザ情報同定の処理(ステップS107)において、接続
した情報要求者のユーザ情報が存在していなければ(ス
テップS108)、その情報要求者の人物カテゴリを同
定するための質問を行い(ステップS109)、人物カ
テゴリを一つあるいは複数同定した後(ステップS10
10)、その人物カテゴリに属するユーザ情報を新規に
作成する(ステップS1011)。未知の情報要求者の
ユーザ情報を作成する場合は、基本的には人物カテゴリ
「初対面」に属するユーザとして作成し、さらに質問で
得られた情報から「社内」「社外」などの他の人物カテ
ゴリに属することが判明すれば、これらの人物カテゴリ
にも属させる。この際、ユーザ情報における各意味カテ
ゴリに対する権限・熟知度は、人物カテゴリ「初対面」
に設定されたデフォルトの値に準じて低く見積もって設
定する。複数の人物カテゴリに属するユーザ情報の場合
には、権限に関しては各々の人物カテゴリに設定された
前記デフォルト値のうち最小の値が採られ、熟知度の場
合には最大の値が採られる。
【0415】また、応答履歴管理部608では、情報要
求者と接続(ステップS101)してから接続を終了す
る(ステップS1017)までの情報要求者、情報公開
装置、および、情報提供者自身が介入した場合には情報
提供者の、三者の応答の履歴を記憶する(ステップS1
012、S1013)。
【0416】情報公開装置は、情報要求者のユーザ情報
の同定あるいは新規作成、および、情報要求者が要求す
るデータの意味カテゴリの同定が成功すると、当意味カ
テゴリに属するデータ情報のうち、情報要求者のユーザ
情報に記述された、当情報要求者の当意味カテゴリに対
する権限・熟知度に応じて、それらの値を越えない機密
度・難易度を有するデータ情報を選択し、そのデータ情
報が示すデータ本体を検索・提示する(ステップS10
14)。ここで、ユーザ情報に当意味カテゴリに対する
権限・熟知度が記述されていない場合には、当意味カテ
ゴリの上位カテゴリを再帰的にたどって当ユーザ情報に
記述されている意味カテゴリを探索し、その権限・熟知
度を当ユーザの当下位意味カテゴリの権限・熟知度とす
る。ステップS103で同定された意味カテゴリが複数
の場合、あるいは上位カテゴリを辿る際に複数の上位意
味カテゴリが探索された場合には、それら複数の意味カ
テゴリそれぞれに対してユーザ情報に記述されている権
限・熟知度のうち最小の値を、情報要求者の権限・熟知
度とする。また、データの検索・提示には、当データの
データ情報が属する形式カテゴリに記述されたデータ検
索提示部612を利用する。データの検索・提示に成功
しなければ(ステップS1015)、情報提供者に直接
介入させる処理(ステップS106)に入る。成功すれ
ば、提示したデータに情報要求者が満足したかどうかを
質問し、満足したとの旨の返答があった場合には(ステ
ップS1016)情報要求者との接続を終了する(ステ
ップS1017)。
【0417】情報要求者が提示したデータに不満である
場合、もし、提示したデータが自分の権限に不相応であ
るとの返答が情報要求者から返されたなら(ステップS
1018)、やはり情報提供者に直接介入させる処理
(ステップS106)に入る。情報公開装置がステップ
S1014およびステップS1020において情報提供
者に提示するデータは、ユーザ情報に記述された権限よ
りも機密度の低いデータなので、これに対し情報提供者
が不満を示した場合にも、より機密度の高いデータを提
示することは許されていない。したがって、情報提供者
に直接介入させて応答させることが必要となる。
【0418】一方、提示したデータが自分の熟知度に不
相応であるとの返答が情報要求者から返された場合(ス
テップS1019)には、同定されている意味カテゴリ
に属するデータ情報のうち提示したものとは熟知度の異
なるデータ情報を探し、このデータ情報が示すデータを
検索・提示する(ステップS1020)。すなわち、情
報要求者が提示されたデータが難解であると返答した場
合には、より難易度の低いデータを検索し、逆に提示さ
れたデータが易し過ぎると返答した場合には、より難易
度の高いデータを検索する。この処理に成功したなら
(ステップS1021)、再びステップS1016に戻
り、失敗、すなわち、提示できるような難易度の異なる
データが存在しないなら、やはり情報提供者に直接介入
させる処理(ステップS106)に入る。
【0419】ステップS106にて、情報提供者に介入
を要請し、現在介入可能であるならば、情報提供者は自
らデータを検索し提示する(ステップS1022)。こ
の際、今までの情報要求者と情報公開装置の応答の履歴
が記憶されているので、情報提供者はこれを参照して必
要とされているデータを検索し提示することができる。
また、ステップS1022にて情報提供者が行うデータ
の検索・提示操作は、やはり応答の履歴として記憶され
る。情報提供者自身によってデータが提示された後に
も、情報要求者が満足したかどうかを調べるために、ス
テップS1016へ戻る。
【0420】最終的に情報要求者の満足が得られた場
合、あるいは情報提供者が介入不能の場合には、情報要
求者との接続を終了し(ステップS1017)、それと
同時に応答履歴を記憶する処理を終了する(ステップS
1013)。
【0421】上述の情報公開の処理中、情報要求者から
発せられた不満は、情報公開装置が有するユーザ情報お
よびデータ情報の不備が原因である可能性があるので、
これを修正するための処理を接続終了後の事後処理とし
て行う(ステップS1023)。
【0422】図126、図127は、この処理の流れを
示すフローチャートである。
【0423】図126、図127の処理において、情報
公開装置は、応答履歴記憶部609に記憶された応答履
歴情報に基づいて各情報の不備を同定して情報提供者に
その修正案を提案する。情報要求者に満足できるデータ
を提示できなかった原因としては、意味カテゴリの同定
に失敗した場合(ステップS111)、同定された意味
カテゴリに属するデータ情報の選択に失敗した場合(ス
テップS112)、選択されたデータ情報が示すデータ
本体の検索・提示に失敗した場合(ステップS11
3)、提示したデータが情報要求者の権限に対して不適
切な場合(ステップS114)、提示したデータが情報
要求者の熟知度に対して不適切な場合(ステップS11
5)、に分類される。これらの原因は、以下に説明する
ようにさらに詳細に分類されるが、この原因同定の処理
は、基本的には応答履歴記憶部609に記憶された応答
履歴情報に基づいて自動的に行なわれ、同定不可能な場
合には、情報提供者との対話により同定する。
【0424】ステップS111において、意味カテゴリ
の同定に失敗した場合には、適切な意味カテゴリは存在
しているがその同義語に不備があった場合(ステップS
116)と、適切な意味カテゴリそのものが存在してい
なかった場合(ステップS117)が考えられる。ステ
ップS116の場合には、情報提供者に当意味カテゴリ
の同義語を追加させる(ステップS118)。一般的に
は、応答履歴中、情報要求者が発した要求には要求する
データを表現する語が含まれているので、情報要求者は
そのような語を切り出して同義語として設定することが
できる。また、ステップS117の場合には、情報提供
者は新規の意味カテゴリを作成する(ステップS11
9)。この場合には、情報公開装置は、意味カテゴリの
同定には至らなかったが意味カテゴリの階層構造での探
索中に候補となった意味カテゴリがある場合にはこれを
提示し、その下位カテゴリとして新規意味カテゴリを作
成することを提案することもできる。
【0425】ステップS112において、データ情報の
選択に失敗した場合には、適切なデータ情報は存在して
いるがその意味カテゴリが不適切だったために同定され
た意味カテゴリからは選択できなかった場合(ステップ
S1110)と、データ情報そのものが存在しなかった
場合(ステップS1111)が考えられる。ステップS
1110の場合には、情報提供者は、提示すべきであっ
たデータのデータ情報を、適切な意味カテゴリに属する
ように設定する(ステップS1112)。ステップS1
111の場合には、情報提供者は、提示すべきであった
データのデータ情報を新規に作成する(ステップS11
13)。すなわち、図124、図125の処理中、情報
提供者が介入して情報要求者にデータを直接提示した場
合には、提示したデータのデータ名称が応答履歴情報と
して蓄えられているので、当データを示すデータ情報を
そのデータ名称をキーにして探し、データ情報が存在す
ればその意味カテゴリとして、同定された意味カテゴリ
あるいはステップS119にて作成された意味カテゴリ
を設定し(ステップS1112)、データ情報が存在し
なければ、提示したデータ用のデータ情報を作成する
(ステップS1113)。
【0426】ステップS113において、データそのも
のの検索・提示に失敗した場合には、当データのデータ
情報において形式カテゴリが適切でなく、形式カテゴリ
にて指定されたデータ検索提示部612では検索・提示
が行なえなかった場合(ステップS1114)と、デー
タそのものがなかった場合(ステップS1115)が考
えられる。ステップS1114の場合には、情報提供者
は、不備があったデータ情報の形式カテゴリを修正する
必要があるが、これには、当データ情報に設定されてい
る形式カテゴリを別の形式カテゴリに設定し直す場合
と、新規の形式カテゴリを作成してこれを当データ情報
の形式カテゴリに設定する場合がある。いずれの場合に
も、結果として、当データを検索・提示可能な手段を設
定する(ステップS1116)。ステップS1115の
場合としては、たとえば、データが初めから存在しなか
った場合やデータの名称や記憶場所が変更されていた場
合、データそのものが消去されていた場合などが考えら
れる。これらの場合への対処は情報提供者に委ねられる
ものであるが、必要なデータならこれを新規に作成する
(ステップS1117)。
【0427】ステップS114において、提示したデー
タが情報要求者の権限に不相応であった場合、すなわ
ち、情報要求者の権限に比べてより低い機密度のデータ
しか提示せず、情報要求者から不満が発せられた場合に
は、その原因として、当データのデータ情報に設定され
た機密度が不適切で高すぎる場合(ステップS111
8)と、当情報要求者のユーザ情報に設定された当デー
タの意味カテゴリに対する権限が不適切で低すぎる場合
(ステップS1119)が考えられる。この両者の場合
のうちいずれが原因であるかは、情報要求者が選択す
る。そして、ステップS1118に相当する場合には、
当データ情報の機密度を修正する(ステップS112
0)。データの機密度は時間により動的に変化し、例え
ば、以前は機密度の高かったデータでも時間が経つと機
密度が低くなる場合が考えられる。ステップS1120
の処理は、このような機密度の時間的変化に対処するも
のである。また、ステップS1119に相当する場合に
は、情報要求者は、当情報要求者のユーザ情報の、当意
味カテゴリに対する権限を修正する(ステップS112
1)。情報要求者の権限も時間により動的に変化するの
で、ステップS1121の処理は、これに対処して情報
要求者の権限を適切な値に修正するためのものである。
【0428】ステップS115において、提示したデー
タが情報要求者の熟知度に不相応であった場合、すなわ
ち、情報要求者の熟知度に比べて難解すぎるデータや容
易すぎるデータしか提示せず、情報要求者から不満が発
せられた場合には、その原因として、当データのデータ
情報に設定された難易度が不適切な場合(ステップS1
122)と、当情報要求者のユーザ情報に設定された当
データの意味カテゴリに対する熟知度が不適切で低すぎ
る場合(ステップS1123)が考えられる。この両者
の場合のうちいずれが原因であるかは、情報要求者が選
択する。そして、ステップS1122に相当する場合に
は、当データ情報の難易度を修正し(ステップS112
4)、ステップS1123に相当する場合には、当情報
要求者のユーザ情報の、当意味カテゴリに対する熟知度
を修正する(ステップS1125)。
【0429】以上の処理において、情報要求者から発せ
られた不満の原因を同定する処理は、情報公開装置と情
報提供者の両者の対話により行なう。その方法として
は、可能性のある原因を提示して情報提供者に選択させ
たり、原因を絞り込むための質問を発することが可能で
あるが、本実施例ではその効果的な方法を以下で述べる
が、本発明はその方法を特定しない。また、上に述べた
データ情報やユーザ情報の作成・修正に際して、情報公
開装置は、作成・修正が必要な情報やそのテンプレート
を提示して情報提供者に作成・修正を促すが、そのため
の視覚的インターフェイスの形態についても、本実施例
ではその効果的な方法を以下で述べるが、本発明はその
方法を特定しない。
【0430】なお、今までに説明した中では、ユーザ情
報は、情報要求者の各種データに対する権限・熟知度を
記述するために用いられるものであったが、このユーザ
情報をより積極的に利用する方法として、情報要求者の
要求に応じてユーザ情報自体を提示することも可能であ
る。図122、図123で示したように、ユーザ情報に
は、そのユーザがどの人物カテゴリに属しているかの情
報や、「住所」や「所属」といった付属情報が記述され
ているので、例えば、「山田さんの住所は?」といった
質問に関しては、「山田さん」に相当するユーザ情報を
選択してその「住所」のデータを提示するということが
可能であろう。ユーザ情報自体を提示データとしての用
途に利用するためには、上で説明した人物カテゴリ、ユ
ーザ情報の記述方法を一部変形するだけでよい。すなわ
ち、人物カテゴリ階層をデータの意味カテゴリ階層の一
部として構成し、さらに、各ユーザ情報に、データ情報
と同様に、少なくとも機密度を設定すればよい。難易度
を設定すると有用である場合には、これも設定すべきで
ある。人物カテゴリ階層を意味カテゴリ階層の一部とし
て構成し、必要に応じて人物カテゴリ毎にその同義語を
設定することにより、図124、図125で説明した処
理と同様の処理によって、情報要求者が要求するユーザ
情報の人物カテゴリ(すなわち意味カテゴリ)を同定
し、同定された人物カテゴリに属するユーザ情報を選択
することができる。また、ユーザ情報に機密度を設定し
ているので、情報要求者の権限に応じてユーザ情報の提
示を抑制することができる。
【0431】ユーザ情報のより高度な利用方法として、
例えば、「このカテゴリの情報はこの人が詳しい」、
「この情報を提示する権限はこの人にある」といった情
報を情報公開装置が情報要求者に提供することも可能で
ある。すなわち、各ユーザ情報には、情報提供者本人を
含めた多数の人物について、データの意味カテゴリ毎に
権限・熟知度が設定されているので、例えば、情報提供
者自身が熟知度の低い意味カテゴリに属するデータの提
示を求められた場合には、より熟知度の高いユーザをユ
ーザ情報群から検索してその人名などを提示することが
できる。また、情報提供者本人が提示する権限を与えら
れていないようなデータを提示することを要求された場
合には、そのデータの所有者といった、より権限の高い
ユーザのユーザ情報を検索して提示することができる。
ただし、権限のない情報要求者にはユーザ情報を提示す
べきでないので、このような人物紹介の処理は、情報要
求者のユーザ情報に対する権限に応じて行なわれる。
【0432】以下、図126、図127に示した処理の
流れについて、情報公開装置と情報要求者ならびに情報
提供者の間の対話を例にとって説明する。
【0433】以下の対話例は、図122(a)のデータ
情報(91)に示される情報提供者(青木)の情報公開
装置(公開)に、図128のデータ情報(1201)に
示される情報要求者(高橋)が接続してきた場合の対話
である。以下、この対話の例をもとに、本発明を実施す
る方法について説明する。
【0434】図129は、前記情報公開装置における、
情報公開装置と情報要求者ならびに情報提供者との間の
対話の一例を示したものである。
【0435】まず、要求者(高橋)が「先月、そちらの
テーマの打ち合わせで使った資料について聞きたいんだ
けど」という文章(メッセージ2003)で、情報公開
装置に要求者(高橋)の必要とする情報を入力する。情
報公開装置は、この文章を解析し、要求者(高橋)が要
求している情報が、情報データ記録装置内で、「会議日
時」属性が「平成6年11月」で、「参加者」属性に自
テーマの人物が属しているような意味カテゴリ「会議」
に関係する情報データであって、また意味カテゴリ「著
作物」にも関係する情報データであることを理解する。
自然言語での入力文から、このような意味構造を理解す
ることは、竹林の論文(電子情報通信学会論文誌、D−
II,Vol.J77−D−II,No.8,pp.1
417−1428)の手法を用いることにより実現可能
である。ここで、図114の意味カテゴリの構造では、
「会議」カテゴリ23と「著作物」カテゴリ21に関係
するカテゴリとして「議事録」カテゴリ25が存在する
ため、「議事録ですか?」と要求者(高橋)に問い返し
て(メッセージ2004)、検索対象となるカテゴリを
詳細化を図る。要求者の「うん」(メッセージ200
5)という入力で検索対象を「議事録」カテゴリに関係
するデータに限定する。(ステップS102〜S10
5)。ここで、検索されたデータ群の例を図120、図
121に示す。図120、図121に示すように「議事
録」カテゴリに属するデータが複数あるため、公開装置
は「どの会議でしょうか?」(メッセージ2006)と
要求者に問い返すことによりさらに検索対象の詳細化を
図る。ここで要求者(高橋)が与えた入力(メッセージ
2007)を解釈することにより、「特許」という単語
に関係づけされている「議事録」のデータを検索し、図
120、図121のデータ群のなかで、「議題」属性に
「特許」という単語が使われているデータ83であるこ
とを特定する。ところで、このデータ83の機密度は
0.7であり、ユーザ情報記憶部605に記憶された要
求者(高橋)の権限が0.5であることから、このデー
タ83は要求者(高橋)に提示すべきでないという判断
を下して、公開装置は要求者(高橋)の要求をみたすデ
ータ情報が存在しないということを返答する(メッセー
ジ2008、ステップS1014、ステップS101
5)。ここで、要求するデータが得られなかった要求者
(高橋)が議事録を全部見せることを要求した場合(メ
ッセージ2009)、公開装置は要求者(高橋)が直前
に提示した情報に対し満足していないということを認識
する(ステップS1018)とともに、要求に従い、要
求者(高橋)に対して公開可能な議事録の全候補を提示
する(メッセージ2010)。図130はこのデータの
公開方法の例である。しかし、ここでも要求者(高橋)
の権限とデータの機密度を比較し、要求者に提示すべき
でないデータは提示しないため、提示されたデータ群の
中にデータ83は存在しない。要求者(高橋)は要求し
た議事録のデータが得られないため、さらに他のデータ
を提示することを要求する(メッセージ2011)。す
でに検索範囲が特定されており、要求者が要求したカテ
ゴリに属するデータをすべて提示した状態で、同じ検索
範囲での他のデータを要求されたことにより、情報公開
装置は要求者が不満な状態にあると認識し(ステップS
1016)、提供者(青木)に対話に介入するかどうか
の確認メッセージを送る。図131は確認メッセージの
一例である。提供者(青木)は確認メッセージから要求
者(高橋)と要求の内容、それに対して情報公開装置が
提示したデータの内容を一覧できる。この確認メッセー
ジによりそれまでの対話の状況を把握した提供者(青
木)は、要求者(高橋)の要求するデータを提示するた
めの指示を公開装置に与えるか、あるいは、対話に介入
して情報公開装置のかわりに直接要求者(高橋)と対話
を行なうという選択ができる。図131の例では、ま
ず、(a)に示すように、情報公開装置と要求者との対
話で問題となっている部分の概略(図中1501)を情
報提供者に提示し、それに対して、提供者が対話に介入
するかどうかを選択できるようになっている他、図中1
502で示すボタンを指示することにより、(b)のよ
うに、より詳細な対話の履歴(1503)が表示できる
ようになっている。この他、提供者が端末の前におら
ず、介入できない場合や、提供者が他の作業で手が離せ
ず対話に介入することができない場合がある(ステップ
S106)。以下、図132〜図134で、それぞれの
場合の対話の例を示す。ここまで説明してきたように、
この例で、情報公開装置が要求者(高橋)の要求するデ
ータを提示しなかったのは、要求者(高橋)が要求して
きた議事録のデータ83(図121(a))の機密度
が、要求者のユーザ情報に記載された権限より大きかっ
たためである。これは、データ83として保存されてい
る議事録は特許に関するものであったために、提供者の
テーマ以外のユーザには公開できないように機密度が設
定してあったからである。しかし、この例では、この議
事録で検討された特許については、要求者(高橋)が議
事録の提示を要求してきた時点ではすでに提案がなされ
ており、公開することが可能な議事録になっていて、デ
ータの機密度の設定が、この状況の変化に対応していな
かったものとする。図132は、情報提供者(青木)が
対話には介入せず公開装置に指示を与えるか、情報公開
装置を直接操作して、情報を提示する場合の対話列の一
例である。
【0436】情報提供者(青木)は情報公開装置により
提示された確認メッセージの対話履歴部分を参照し、要
求者(高橋)が満足しないのはデータ83を提示しなか
ったためであることを理解する。提供者(青木)は、状
況の変化によりこのデータ83を要求者(高橋)に公開
しても問題がないことを理解しているので、公開装置に
対してデータ83を要求者(高橋)に提示することを指
示する。公開装置は指示にしたがってデータ83を要求
者に提示し、対話が要求者の満足のうちに終了したこと
を確認する(ステップS1016、S1017)が、提
供者の指示により提示したデータ83の機密度が、要求
者(高橋)の権限を超えていることも併せて記憶する。
図134は、情報提供者(青木)が対話に介入し、公開
装置の代わりに情報を提示した場合の対話の一例であ
る。図133は、情報提供者(青木)が対話への介入を
拒否した場合、あるいは不在で対話に介入できる状態に
なかった場合の対話の一例である。
【0437】図132、図134それぞれの場合におい
て、情報公開装置は提供者が介入確認のメッセージを受
けとった後に選択した操作、ならびに入力した応答メッ
セージ、それに対して要求者(高橋)が入力したメッセ
ージを応答履歴記憶部609に記憶する。
【0438】以下、ここまで説明した対話の例におい
て、情報公開装置が、応答履歴記憶部609に記憶した
応答履歴をもとにデータ情報記憶部609ならびにユー
ザ情報記憶部605に記憶されたデータの更新あるいは
新規作成を対話的に行なう手順について図126、図1
27のフローチャートに従って説明する。
【0439】図132、図134の例では、どちらの例
においても、情報公開装置は要求者の要求した意味カテ
ゴリの特定には成功しており(ステップS111〜S1
13)、また、提供者が介入した後には、既存のデータ
を提示することにより、要求者(高橋)の要求を満足さ
せている。また、提示したデータ83(図121
(a))の意味カテゴリは公開装置が同定したカテゴリ
を満足させている。したがって、情報公開装置は、デー
タ83の機密度あるいは難易度、および要求者(高橋)
のユーザ情報1201(図128)の権限あるいは熟知
度が適切ではないものと仮定する。提示されたデータ8
3の機密度と、ユーザ情報1201の権限の値を比較す
ることにより、機密度あるいは権限の設定が不適切であ
ることが情報公開装置がデータの提示に失敗した原因で
あることが特定できる。(ステップS114)そこで、
情報公開装置は、要求者(高橋)のユーザ情報1201
とデータ83のデータ情報を提供者に提示し、機密度と
権限の少なくともどちらか片方を修正する必要があるこ
とを提案する(ステップS1118〜S1121)。図
135は、提案を表示する方法の一例である。まず、
(a)の1901で示すように、データ情報とユーザ情
報で矛盾が発生していることの概略を提示し、データ情
報、ユーザ情報のぢちらを変更するのか、あるいは変更
を行なわないのかを提案者に選択させる。提供者は、機
密度および権限のどちらか一方あるいは両方を変更する
か、あるいはデータ情報ならびにユーザ情報の変更を行
なわないことが選択できる。例えば、図135(a)中
1902で示すボタンを指示することにより、(b)の
1903で示すように、ユーザ情報を修正するウィンド
ウが呼び出される。この中で(b)の1904で示すボ
タンを指示することにより、さらに詳細なユーザ情報を
表示し、その修正を行なうことも可能である。
【0440】図136は、情報公開装置における情報公
開装置と情報要求者ならびに情報提供者との間の対話の
別の例を示したものである。情報提供者、および情報要
求者は、図129の例の場合と同様である。
【0441】この対話例では、まず、情報要求者(高
橋)が「知識処理のプログラムについて書いた本を探し
ているんだけど」(メッセージ2102)という文章
で、情報公開装置に要求を入力する。情報公開装置は、
この文章を解析することにより、要求者(高橋)の要求
する情報が「知識処理」カテゴリと「書籍」カテゴリに
関係する情報データであることを理解する。さらに、
「知識処理」カテゴリに属するデータは「C++言語」
カテゴリ、「Lisp言語」カテゴリという2種類のカ
テゴリにより詳細化されるので、「Lispの本がいい
ですか?」(メッセージ2103)と問い返すことによ
って検索対象のデータを詳細化する。要求者(高橋)の
返答(メッセージ2104)により、検索対象となるデ
ータは「知識処理」カテゴリと「C++言語」カテゴリ
に関係するものであると同定できる。(ステップS10
2〜S105)。このカテゴリに関係するデータを検索
した結果の例が、図137、図138である。このデー
タ群のうち、情報公開装置は意味カテゴリ「知識処理」
ならびに「C++」の難易度の値を、ユーザ情報記憶部
605に記憶された情報要求者(高橋)のユーザ情報デ
ータ1201(図128)の熟知度の値と比較し、デー
タ情報の前記2つのカテゴリに対応する難易度の値がデ
ータ1201の熟知度と一致するかあるいはデータ12
01のものより大きいものを取り出して提示する。この
例では要求者(高橋)のデータ1201の熟知度が0.
5であるため、難易度が0.5であるようなデータ20
1(図138(a))を提示する。しかし、ここで提示
されたデータ201は既に要求者(高橋)が所有してい
るものであったため、要求者(高橋)は「もっと詳しい
やつはないかな?」(メッセージ2106)と入力する
ことにより、難易度の値が提示されたデータより高いも
のを要求する。そこで、情報公開装置は、提示の基準と
なる難易度を0.5より0.6に上げて検索を再実行
し、結果として得られたデータ202(図138
(b))を提示する(ステップS1019〜S102
1、メッセージ2107)。しかし、これも要求者(高
橋)を満足させることはできなかった(メッセージ21
08)ため、情報公開装置はさらに難易度を上げて検索
を再実行するが、指定された難易度を満足するデータは
存在しないため、検索は失敗する。情報公開装置は要求
者(高橋)が不満な状態にあると認識し、提供者(青
木)に対話に介入するかどうかの確認メッセージを送る
(ステップS106)。図129の対話例と同様に、提
供者(青木)は介入して直接要求者(高橋)との対話を
行なうか、要求者の要求したデータを提示するための指
示を情報公開装置に与えることができる。この対話の例
においては、要求者(高橋)の要求を満足するデータ情
報がデータ記憶部613の中に存在しない。この場合、
情報公開装置は、要求者により要求された難易度のデー
タ情報を提示する代わりに、ユーザ情報記憶部605内
に記憶されたユーザ情報の中で、要求された難易度を満
足する熟知度をもつユーザ情報を検索し、該当するユー
ザ情報の中で、情報要求者に近い関係にあるユーザ情報
を情報要求者に提示することにより、情報要求者の要求
を満足させるデータを所有している可能性のある他のユ
ーザを紹介することができる。
【0442】例えば、上記の対話例の場合、情報要求者
(高橋)の要求を満足させる可能性のあるユーザの集合
として、情報公開装置は「知識処理」カテゴリならびに
「C++言語」カテゴリの熟知度が0.6以上であるユ
ーザ情報を検索する。検索した結果を図139、図14
0に示す。このユーザ情報の集合のうち、情報要求者に
近い関係にあるユーザを選択する基準として、ユーザ情
報のうち「人物カテゴリ」と「所属」の共通性に着目す
る。例えば、図139(b)の例においては、「人物カ
テゴリ」(図中の204)の「知人」「同僚」「同性」
「課外」が共通であり、ならびに「所属」が共通である
ユーザ田中のユーザ情報(図中の205)を選択する。
この選択した情報を要求者(高橋)に提示することが可
能であるかどうかを情報提供者(青木)に確認し、提供
者(青木)の確認を得た後に、情報要求者に提示する。
図141が、この場合の対話の一例である(メッセージ
2111、2113)。図142の対話例は、情報提供
者(青木)がデータ記憶部613に記憶されていない情
報を、情報要求者の直接対話の中で提示し(メッセージ
2119)、情報要求者の要求を満足させた例である。
【0443】次に、図136、図142に示した対話が
終了した後に、情報公開装置が応答履歴記憶部609に
記憶した応答履歴をもとに、図126、図127に示し
たアルゴリズムに従って、データ情報記憶部607なら
びにユーザ情報記憶部605に記憶されたデータの更新
あるいは新規作成を対話的に行なう手順について説明す
る。この対話例においては要求者(高橋)の要求に対応
したカテゴリの特定には成功していたが、ユーザ情報の
熟知度に従ってデータを提示した結果、提示したデータ
の難易度が要求者の要求したものより低いという要求者
(高橋)の不満が発生していた。(ステップS11
5)。したがって、情報公開装置はユーザ情報の熟知度
およびデータ情報の難易度の値が不適切であることを認
識し、前記ユーザ情報およびデータ情報を提示して、ユ
ーザ情報の熟知度とデータ情報の難易度の少なくともど
ちらか片方を変更する必要のあることを提案する(ステ
ップS1122〜S1125)。図143は、提案を表
示する方法の一例である。提供者は、熟知度と難易度の
どちらか一方あるいは両方を変更するか、あるいは両者
とも変更を行なわないことが選択できる。
【0444】次に、図136、図142に示した対話が
終了した後に、情報公開装置が行なう処理について説明
する。この対話例の場合には、情報提供者(青木)が情
報公開装置と要求者(高橋)との対話に介入した後に、
データ記憶部613には記憶されていないデータを直接
の対話の中で要求者(高橋)に与えている(メッセージ
2119)。情報公開装置は、応答履歴記憶部609に
記憶された応答履歴のうち、提供者(青木)が入力した
部分の内容がデータ記憶部613内に記憶されていない
場合には、この入力を新たなデータとしてデータ記憶部
613内に記録するかどうかを提供者に問い合わせ、記
憶する場合には意味カテゴリ、形式カテゴリの特定を促
す(ステップS1113)。図144は、図136およ
び図142の対話において、提供者(青木)がメッセー
ジ2119で要求者(高橋)に与えたデータをデータ情
報に追加する場合の表示方法および入力方法の一例であ
る。メッセージ2119は、意味カテゴリが「書籍」
「知識処理」「C++言語」で、難易度が0.7以上の
データを要求者が要求してきた時に提示されたデータで
ある。すなわち、図141の対話が行なわれている状況
から推定できるデータ情報の属性の値を自動的に補完し
たもの(図144(a)中の2602)を、ウィンドウ
((a)の2601)で情報提供者(青木)に提示して
いる。また、メッセージ2119の内容を解釈すること
により、提示されたデータ情報の属性「題名」と「著
者」の値が推論できるので、その値((a)の260
3)も補完して提示している。さらに、ボタン((a)
の2604)を指示することにより、意味データのカテ
ゴリの構成を、図114(b)に示すようなツリー構造
で表示したウィンドウ(2605)が表示される。これ
により、追加するデータの意味カテゴリを選択する際
に、他のカテゴリとの関係が把握しやすくなる。また、
対話に失敗した理由は、図136の例と同様であるので
情報公開装置はユーザ情報およびデータ情報を提示して
少なくともどちらか片方の熟知度あるいは難易度を変更
する必要のあることを提案する(ステップS115、S
1122〜S1125)。
【0445】図145は、情報公開装置における情報公
開装置と情報要求者ならびに情報提供者との間の対話の
別の例を示したものである。情報提供者、および情報要
求者は図129の例の場合と同様である。
【0446】この対話例では、要求者(高橋)が入力し
た要求の文章(メッセージ2202)を情報公開装置が
解析することにより、要求者(高橋)の要求するデータ
が「情報学会」カテゴリと「論文」カテゴリに関係する
情報データであることを同定し、検索を行なうが、検索
した範囲に情報データが存在しないため、検索に失敗す
る。要求者にカテゴリの確認を行なった(メッセージ2
203)結果、要求するデータが「論文」カテゴリでな
く「出張報告書」カテゴリに関係がある可能性が出てき
た(メッセージ2204)ため、検索範囲を変更して検
索を行なった結果、図146(a)のデータ(211)
を検索結果として得る。このデータ211を要求者(高
橋)に提示する(メッセージ2205)が、このデータ
211も要求者(高橋)が要求してきたものではない
(メッセージ2206)ため、検索範囲の特定に失敗し
たものと判断して、情報提供者(青木)に対話に介入す
るかどうかの確認メッセージを送る。これまでの対話例
の説明と同様に、提供者(青木)は介入して直接要求者
(高橋)との対話を行なうか、要求者(高橋)の要求し
たデータを提示するための指示を情報公開装置に与える
かの選択を行なうことができる。
【0447】ここで、情報公開装置が情報要求者の要求
を満足させる検索を行なうことができなかった理由を、
図146を用いて説明する。図146(b)に示された
データ(212)は、今回の対話で情報要求者(高橋)
が本当に必要としている、情報学会に投稿された論文の
データである。しかし、情報提供者(青木)がこのデー
タ212をデータ記憶部613に記憶させる際に、「論
文」カテゴリとの関係づけは行なったのだが、「情報学
会」カテゴリとの関係づけを行なわずに登録してしまっ
ている。そのため、「情報学会」カテゴリと「論文」カ
テゴリとの関係のあるデータとして検索した場合にはデ
ータ212は検索はできない。「論文」カテゴリの全デ
ータを提示すれば、その中から求めるデータ212を得
ることはできたのであるが、情報公開装置からの確認を
受けた時点で、要求者(高橋)が「論文」カテゴリでな
く「出張報告書」カテゴリに検索範囲を変更してしまっ
たために、データ212を検索することができなくなっ
てしまったのである。
【0448】情報提供者は対話に介入した後、要求者の
要求するデータを「論文」カテゴリ内で検索し、得られ
たデータ212を提示することにより、要求者の満足を
得ている。(メッセージ2210) 次に、この対話例において、情報公開装置が対話の終了
後に、応答履歴記憶部609に記憶した応答履歴をもと
にデータ情報記憶部607ならびにユーザ情報記憶部6
05に記憶されたデータの更新あるいは新規作成を対話
的に行なう手順について説明する。この例においては、
情報提供者が提示して情報要求者の満足を得たデータ2
12は、データ記憶部613に記憶されているものなの
であるが、要求者から最初に与えられた要求より生成さ
れた検索範囲(「情報学会」カテゴリと「論文」カテゴ
リに関係づけられているデータ)では検索できないデー
タであるので、情報公開装置は要求者によって指定され
た検索範囲と、データ212の関係するカテゴリ、さら
にデータ212が検索範囲内に存在しなかったことを警
告するメッセージを表示することにより、情報提供者に
データ212の意味カテゴリを変更する必要のあること
を提案する。図147は、データ情報の意味カテゴリを
変更する場合の表示方法の一例である。ウィンドウ(図
147(a)中の2901)には、意味カテゴリを変更
するデータ情報の属性が表示される。図144の例と同
様に、ボタン((a)の2902)を指示することによ
り、カテゴリをツリー構造状に表現したウィンドウ
((b)の2903)が表示できる。
【0449】以上、情報公開装置と情報要求者、情報提
供者の実際的な対話例を用いて説明したように、本実施
例によれば、個人が所有するデータの意味的なカテゴ
リ、形式的なカテゴリ、機密度・難易度、および、情報
要求者の権限・熟知度を、情報公開処理が失敗した場合
の応答の履歴を用いて、容易に作成・修正することがで
きる。本実施例によれば、ユーザ情報の人物カテゴリを
作成・修正することも、同様の枠組で可能である。これ
らは、本情報公開装置が、以上で説明したようなデータ
情報・ユーザ情報およびそれらのカテゴリについての情
報を体系立てて記憶し利用していることと、情報公開処
理中での失敗の原因が緻密に分類されており、かつ、そ
の原因に対してデータ情報・ユーザ情報の不備を同定す
る機能を具備していることにより実現可能となってい
る。
【0450】なお、本発明は、個人間の詳細な対人関係
に基づかなくとも行なえるような情報提供サービス、す
なわち、従来からのデータベース・サービスやCAIシ
ステムのような、不特定の情報要求者への情報提供サー
ビスにも容易に適用可能である。この場合には、情報要
求者の権限や熟知度に関する情報が不必要となるか、あ
るいは、従来技術におけるような、情報要求者の権限・
熟知度に関する大まかな分類情報でよい。例えばデータ
ベース・サービスにおいては契約上の分類、CAIの場
合には「初級」「中級」「上級」といった熟知度上の大
まかな分類のみでよい。また、情報要求者に関する情報
を作成・修正する作業も不必要、あるいは、頻度の少な
いものとなるため、以上の実施例で説明したような、情
報要求者に関する情報の不備を同定してこれを作成・修
正するための処理を省略することが可能である。したが
って、この場合には、情報公開装置の構成および処理
は、以上の実施例で説明した構成・処理より簡略なもの
とすることができる。
【0451】具体的には、図113のユーザ情報管理部
604およびユーザ情報記憶部605を省略できるか、
あるいは、より簡単な手段により実現できる。また、図
124、図125における情報公開処理も簡略化でき、
ステップS107、108、109、1010、101
1の、ユーザ情報の同定および作成のための処理が、場
合によって省略できる。また、同図のステップS101
4、1020における、情報提供者の権限・熟知度に応
じた情報を提示する処理や、ステップS1018、10
21における、情報提供者の不満要因を特定するための
ステップSも適宜省略できる。さらに、図126、図1
27で説明した、データ情報・ユーザ情報の修正・新規
作成を行う処理において、ユーザ情報を修正する必要が
ないようなサービスの場合には、ステップS1119と
1121、ステップS1123と1125の、ユーザ情
報の修正を行なう処理がそれぞれ省略できる。以上のよ
うに、本発明の構成を、ユーザ情報の管理・記憶手段
と、ユーザ情報の作成・修正の処理を省略した構成とし
た場合でも、本発明の有用性は十分高いものである。な
ぜならば、本発明によれば、提示するデータに関する情
報すなわちデータ情報を記憶・管理する手段と、データ
情報の不備を情報要求者との応答の履歴に基づいて同定
する処理、および、この不備を修正・作成する作業を支
援する処理が実現されているからである。データベース
・サービスやCAIシステムなどような不特定の情報要
求者にデータを提供するサービスにおいても、提供する
データは、時間に応じて追加・変更・消去されていくも
のであるため、本発明による、情報提供に失敗した際に
その応答の履歴からデータ情報の不備を同定し修正する
処理は、このような情報提供サービスにおいても有用性
が高い。
【0452】また、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々
変形して実施することができる。
【0453】
【発明の効果】
(1)本発明によれば、個人用の情報公開装置を実現す
ることができる。公開先のユーザや状況ごとに情報の公
開方法を変えることもできる。相手によって情報を隠ぺ
いすることもできる。応答知識を増設していくことによ
り、徐々に広範な質問に答えられるようになる。応対特
徴情報を変更することにより、公開元のユーザは情報公
開装置を自分の好みで作りかえることができる。
【0454】(2)本発明によれば、ユーザが発信した
情報(ユーザの入力文、音声、映像など)の記録にはユ
ーザの許可が必要になり、ユーザは失敗や、記録の悪用
をおそれず、気軽に情報公開装置との対話を行うことが
できるようになる。特に、ユーザが情報提供者にとって
不快な表情や言動をした場合、これを残すと、情報提供
者とユーザの間に不必要な行き違いを起こすことになり
かねない。ユーザと情報提供者が直接応答をした場合よ
り誤解や感情的なもつれを引き起こしやすいが、本発明
により未然に防ぐことができる。ユーザが応答履歴の一
部を編集・削除する機能も持たせることにより、応答履
歴記録の許諾をとりやすくなり、履歴を用いた応答性能
の向上も望める。
【0455】また、不要な応答履歴や画像はユーザが削
除するため、データ記憶領域を占有しないし、情報提供
者があとでデータを見るときに時間を無駄にせずにす
む。
【0456】(3)本発明によれば、情報公開装置が直
接回線を結ぶ前に情報提供者の状況を察し、臨機応変に
対応することは情報提供者にとって、直接回線開始によ
る業務効率低下を防ぐための有効な策である。また、ユ
ーザに対して臨機応変な対応が可能なことは、ユーザの
情報公開装置に対する信頼感を維持することができる有
効な手段である。
【0457】また、本発明によれば、マルチメディアシ
ステムにおいては、言語情報と非言語情報、ユーザの意
図的情報と非意図的情報の並行処理が重要な点に着目
し、特に、音声メディアの並行性の性質を活かすことに
より、ユーザ中心のマルチモーダルインタフェースとし
て、心地良く、自然で、暖かみのあるコンピュータとの
対話を実現することができる。特に、キーボード、マウ
ス、ペン、音声入力による言語情報、指示情報入力と音
声を中心とする非言語情報によるユーザの意図、感情、
状況理解は、ユーザの満足感や快適さを格段に向上させ
ることができる。 (4)本発明によれば、情報要求者と情報公開装置と情
報提供者の対話の履歴に基づき、情報要求者の権限・熟
知度およびデータ自体の機密度・難易度を記述する情報
を変更・作成する作業が自動的あるいは対話的に行なえ
る。情報公開装置は、現在のデータ情報あるいはユーザ
情報のうち、どの部分に不備があるかを、実際の情報公
開処理の成功/失敗の履歴により同定し、これを修正せ
しめるように情報提供者をガイドするので、情報提供者
は、情報公開装置のガイドに従って各種情報を適宜修正
するだけで、同じ失敗を繰り返さず、より適切な情報公
開処理を実行するように情報公開装置をカスタマイズし
ていくことが容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る情報公開装置を含む基
本システムの構成を示す図
【図2】第1の実施例に係る情報公開装置の構成を示す
【図3】同実施例の処理の流れを示すフローチャート
【図4】ユーザとの応答例を示す図
【図5】公開エージェントの状態遷移図の一例を示す図
【図6】ユーザの状態遷移図の一例を示す図
【図7】ユーザ履歴情報テーブルの一例を示す図
【図8】ユーザ情報登録テーブルの一例を示す図
【図9】アクセス許可レベル決定規則の一例を示す図
【図10】公開許可範囲テーブルの一例を示す図
【図11】応答形態を決定する方法の一例を説明するた
めの図
【図12】応答プラン一覧表の一例を示す図
【図13】応答作成規則の一例を示す図
【図14】挨拶の応答プランの一例を示す図
【図15】用語登録表の一例を示す図
【図16】ユーザの要求項目の一例を示す図
【図17】ユーザとの応答例を示す図
【図18】ユーザの発話文から得られる発話意図の一例
を示す図
【図19】ユーザとの応答で抽出されるユーザの要求テ
ーブルの一例を示す図
【図20】ユーザとの応答で抽出されるユーザの要求テ
ーブルの一例を示す図
【図21】ユーザとの応答例を示す図
【図22】ユーザとの応答例を示す図
【図23】ユーザとの応答で抽出されるユーザの要求テ
ーブルの一例を示す図
【図24】ユーザとの応答例を示す図
【図25】ユーザとの応答で抽出されるユーザの要求テ
ーブルの一例を示す図
【図26】ユーザとの応答例を示す図
【図27】初めてのユーザとの応答例を示す図
【図28】初めてのユーザとの応答例を示す図
【図29】複数の公開エージェントとユーザの応答例を
示す図
【図30】イメージ検索の公開エージェントとユーザの
応答例を示す図
【図31】情報提供者を交えた応答例を示す図
【図32】情報提供者を交えた応答例を示す図
【図33】第1の実施例の1つの変形例を示す図
【図34】公開エージェントの一覧機能を示す図
【図35】公開エージェントの一例を示す図
【図36】公開エージェントの他の例を示す図
【図37】第1の実施例の他の変形例を示す図
【図38】第1の実施例のさらに他の変形例を示す図
【図39】公開エージェントの一例を示す図
【図40】表情入力を受け付ける公開エージェントの一
例を示す図
【図41】第2の実施例に係る情報公開装置の構成を示
す図
【図42】同実施例の興味情報の一例を示す図
【図43】第3の実施例に係る情報公開装置およびクラ
イアント装置の構成を示す図
【図44】同実施例の処理の流れの一例を示すフローチ
ャート
【図45】同実施例の処理の流れの他の例を示すフロー
チャート
【図46】ユーザとの応答例を示す図
【図47】情報公開エージェントの状態遷移図の一例を
示す図
【図48】ユーザの状態遷移図の一例を示す図
【図49】ユーザの発話意図例を示す図
【図50】ユーザの要求例を示す図
【図51】要求テーブル(レベル1)の一例を示す図
【図52】要求達成プランテンプレートの一例を示す図
【図53】要求テーブル(レベル2)の一例を示す図
【図54】要求テーブル(レベル2)の一例を示す図
【図55】要求テーブル(レベル3)の一例を示す図
【図56】要求テーブル(レベル2)の一例を示す図
【図57】要求テーブル(レベル3)の一例を示す図
【図58】要求テーブル(レベル1)の一例を示す図
【図59】ユーザとの応答例を示す図
【図60】ユーザとの応答例を示す図
【図61】一次応答履歴管理テーブルのデータ構造の一
例を示す図
【図62】要求類義語テーブルの一例を示す図
【図63】要求テーブル(レベル1)の一例を示す図
【図64】要求テーブル(レベル2)の一例を示す図
【図65】応答履歴提示用インタフェースの例を示す図
【図66】応答履歴提示用インタフェースの例を示す図
【図67】応答履歴提示用インタフェースの例を示す図
【図68】応答履歴提示用インタフェースの例を示す図
【図69】一次応答履歴管理テーブルのデータ構造の一
例を示す図
【図70】応答履歴提示用インタフェースの例を示す図
【図71】応答履歴提示用インタフェースの例を示す図
【図72】応答履歴編集用インターフェースの一例を示
す図
【図73】応答履歴編集用インターフェースの一例を示
す図
【図74】応答履歴編集用インターフェースの一例を示
す図
【図75】応答履歴編集用インターフェースの他の例を
示す図
【図76】応答履歴編集用インターフェースの他の例を
示す図
【図77】応答履歴編集用インターフェースの他の例を
示す図
【図78】応答履歴編集用インターフェースの他の例を
示す図
【図79】応答履歴編集用インターフェースの他の例を
示す図
【図80】応答履歴編集用インターフェースの他の例を
示す図
【図81】一次応答履歴管理テーブルのデータ構造の一
例を示す図
【図82】途中で履歴の編集を行う場合の処理の流れの
一例を示すフローチャート
【図83】途中で履歴の編集を行う場合のユーザとの応
答例を示す図
【図84】途中で履歴の編集を行う場合のユーザとの応
答例を示す図
【図85】履歴の削除部分を自動的に判別する場合の処
理の流れの一例を示すフローチャート
【図86】履歴の削除部分を自動的に判別する場合のユ
ーザとの応答例を示す図
【図87】はじめに履歴の記録を行う許可を求める場合
の処理の流れの一例を示すフローチャート
【図88】はじめに履歴の記録を行う許可を求める場合
のユーザとの応答例を示す図
【図89】第4の実施例に係る情報公開装置の構成を示
す図
【図90】同実施例の処理の流れを示すフローチャート
【図91】画面イメージの一例を示す図
【図92】ユーザ人物カテゴリの一例を示す図
【図93】公開情報カテゴリの一例を示す図
【図94】対人関係モデルの一例を示す図
【図95】対人関係モデルの一例を示す図
【図96】対人関係のパターンの一例を示す図
【図97】対人関係モデルの臨時修正の一例を示す図
【図98】ユーザモデル再構成インターフェースの一例
を示す図
【図99】ユーザの意図と感情分析の項目と手法例を説
明するための図
【図100】ユーザの意図と感情分析の項目と手法例を
説明するための図
【図101】ユーザの意図と感情分析の項目と手法例を
説明するための図
【図102】ユーザの意図と感情分析の項目と手法例を
説明するための図
【図103】対人関係モデルを用いたユーザ交渉決定処
理の流れを示すフローチャート
【図104】情報公開者の現況分析例を説明するための
【図105】交渉概要提示例を示す図
【図106】直接回線の開設を情報公開者に確認する例
を説明するための図
【図107】要求者と情報公開エージェントと提供者の
対話形態を示す図
【図108】第5の実施例に係る音声要求受付部の構成
を示す図
【図109】同実施例の音声要求受付部内部の音声感情
理解部の構成を示す図
【図110】感情単語音声と感情非言語音声の検出結果
の一例を示す図
【図111】同実施例に係る他の音声要求受付部の要部
構成を示す図
【図112】キーボードとマウスに音声入力を併用した
マルチモーダルインタフェースの一例を示す図
【図113】第6の実施例に係る情報公開装置の構成を
示す図
【図114】データ情報記憶手段に記憶される意味カテ
ゴリの構造の一例を示す図
【図115】個々の意味カテゴリの一例を示す図
【図116】データ情報記憶手段に記憶されるデータ形
式カテゴリの構造の一例を示す図
【図117】個々のデータ形式カテゴリの一例を示す図
【図118】ユーザ情報記憶手段に記憶される人物カテ
ゴリの構造の一例を示す図
【図119】個々の人物カテゴリの一例を示す図
【図120】データ情報の一例を示す図
【図121】データ情報の一例を示す図
【図122】ユーザ情報の一例を示す図
【図123】ユーザ情報の一例を示す図
【図124】情報公開装置が行う情報公開の処理の流れ
を示すフローチャート
【図125】情報公開装置が行う情報公開の処理の流れ
を示すフローチャート
【図126】データ情報またはユーザ情報の修正または
新規作成を行う処理の流れを示すフローチャート
【図127】データ情報またはユーザ情報の修正または
新規作成を行う処理の流れを示すフローチャート
【図128】情報公開装置に接続する情報要求者のユー
ザ情報の一例を示す図
【図129】情報公開装置と情報要求者の対話の一例を
示す図
【図130】情報公開装置の情報提示方法の一例を示す
【図131】情報公開装置と情報要求者の対話への情報
提供者の介入を要請する画面の表示例を示す図
【図132】情報公開装置と情報要求者の対話の一例を
示す図
【図133】情報公開装置と情報要求者の対話の一例を
示す図
【図134】情報公開装置と情報要求者ならびに情報提
供者の対話の一例を示す図
【図135】ユーザ情報の属性値を変更する画面の表示
例を示す図
【図136】情報公開装置と情報要求者の対話の一例を
示す図
【図137】情報要求者の要求により情報公開装置が検
索を行なった結果の一例を示す図
【図138】情報要求者の要求により情報公開装置が検
索を行なった結果の一例を示す図
【図139】情報要求者の要求により情報公開装置が検
索を行なった結果の一例を示す図
【図140】情報要求者の要求により情報公開装置が検
索を行なった結果の一例を示す図
【図141】情報公開装置と情報要求者の対話の一例を
示す図
【図142】情報公開装置と情報要求者の対話の一例を
示す図
【図143】ユーザ情報の属性値を変更する画面の表示
例を示す図
【図144】データ情報の追加を入力する画面の表示例
を示す図
【図145】情報公開装置と情報公開装置が検索を行な
った結果の一例を示す図
【図146】データ情報の一例を示す図
【図147】データ情報の修正を入力する画面の表示例
を示す図
【符号の説明】
1…情報公開装置、2…データ記憶部、3…ネットワー
ク、4…要求者側端末、5…検索部、101…データ記
憶部、102…検索部、103…要求受付部、104…
応答プラン作成部、105…応答生成部、106…応答
規則記憶部、107…応答規則管理部、111…通信処
理部、116…応答規則記憶部、161…通信処理部、
162…対話処理部、163…要求受付部、164…情
報収集処理部、165…特徴情報抽出部、166…関心
分野情報管理部、167…データ記憶部、168…興味
情報記憶部、208…応答特徴情報記憶部、209…応
答特徴情報管理部、218…応答特徴情報記憶部、22
0…状況判断部 301…データ記憶部、302…検索部、304…応答
プラン作成部、306…応答規則記憶部、311…デー
タ通信部、312…履歴記憶部、321…データ通信
部、323…要求受付部、325…応答生成部、326
…履歴管理編集部、327…一次履歴記憶部 401…データ記憶部、402…データ検索管理部、4
03…要求受付部、404…応答プラン作成部、405
…対人関係モデル編集管理部、406…応答生成部、4
07…情報提供者状況分析部、408…直接回線決定
部、409…直接回線開設部、410…入力部 1001…要求者、1002…情報公開エージェント、
1003…提供者、500…音声要求受付部、501…
音声入力部、502…音声言語理解部、503…音声感
情理解部、505…音声理解用音声前処理部、506…
…感情単語検出部、507…感情非言語検出部、508
…感情理解部、509…表情理解部、511…統合部、
512…要求受付処理部、513…通常入力処理部 601…入力手段、602…出力手段、603…応答生
成手段、604…ユーザ情報管理手段、605…ユーザ
情報記憶手段、606…データ情報管理手段、607…
データ情報記憶手段、608…応答履歴管理手段、60
9…応答履歴記憶手段、612…データ検索提示部、6
13…データ記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝崎 靖代 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 笹氣 光一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 後藤 和之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 大嶽 能久 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の情報形態のデータを記憶するデータ
    記憶手段と、 前記データ記憶手段に格納された前記データを検索する
    情報検索手段と、 情報要求者から情報公開の要求を受け付けるための要求
    受付手段と、 前記情報要求者に応じた応答を生成するための一般的な
    知識および前記データを所有する情報提供者側のユーザ
    と前記情報要求者側のユーザとの間の特有の対人関係に
    関する対人関係情報を格納する応答規則記憶手段と、 前記要求受付手段によって受理された前記要求に応答し
    て、前記応答規則記憶手段に格納された前記知識および
    前記対人関係情報に基づいて、前記情報検索手段によっ
    て前記データ記憶手段に記憶された前記データを検索し
    て得られたデータを、前記情報要求者に呈示するための
    応答を計画する応答プラン作成手段と、 前記応答プラン作成手段により作成された計画に従っ
    て、前記情報要求者への応答を生成する応答生成手段と
    を備えたことを特徴とする情報公開装置。
  2. 【請求項2】前記対人関係情報は、前記情報提供者側の
    ユーザと前記情報要求者側のユーザとの間の社会的関係
    に関する情報または個人的関係に関する情報の少なくと
    も一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報公
    開装置。
  3. 【請求項3】前記応答プラン作成手段は、前記対人関係
    情報に応じて、前記情報要求者に公開するデータの範囲
    または前記情報要求者へのメッセージの内容を計画する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報公開装置。
  4. 【請求項4】前記応答規則記憶手段には、前記データ記
    憶手段に他の情報公開装置から得たデータを記憶する
    際、当該他の情報公開装置への接続方法を格納してお
    き、 前記応答プラン作成手段は、前記情報要求者から前記他
    の情報公開装置から得たデータに関連する要求があった
    場合、前記応答規則記憶手段を参照して、前記他の情報
    公開装置への前記接続方法を提供する応答を計画するこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の情報公開装置。
  5. 【請求項5】前記情報要求者側のユーザが興味を有する
    対象分野に関する特徴情報を管理する手段と、前記特徴
    情報を前記情報公開装置に開示する手段とをさらに備え
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載の情報公開装置。
  6. 【請求項6】所定の情報形態によって入力される要求者
    の要求を受け付ける要求受付手段と、 前記要求者または状況に応じた応答を生成するための一
    般的な知識を格納する応答規則記憶手段と、 前記要求受付手段によって受理された前記要求に応答し
    て、前記応答規則記憶手段に格納された前記知識を用い
    て前記要求者に呈示するための応答を計画する応答プラ
    ン作成手段と、 前記応答プラン作成手段により作成された前記計画に従
    って、前記要求者への応答を生成する応答生成手段と、 前記要求受付手段により受け付けられた前記要求者の要
    求と、前記応答生成手段により生成された前記要求者へ
    の応答とを対応付けて記憶する履歴記憶手段と、 前記履歴記憶手段に記憶された前記履歴情報の記録、変
    更および削除の少なくとも1つを前記要求者からの指示
    に応じて行なう履歴編集手段とを備えたことを特徴とす
    る情報公開装置。
  7. 【請求項7】所定の情報形態のデータを記憶するデータ
    記憶手段と、 情報要求者から情報公開の要求を受け付けるための要求
    受付手段と、 前記要求受付手段によって受理された前記要求に応じ
    て、前記データ記憶手段から前記データを検索する検索
    手段と、 前記要求受付手段によって受理された前記要求に応じ
    て、前記情報要求者側のユーザに関する意図と感情を分
    析する分析手段と、 前記分析手段による分析結果に基づいて、前記情報要求
    者に対する応答を計画する応答プラン作成手段と、 前記応答プラン生成手段により生成された前記計画に従
    って、前記情報要求者への応答を生成する応答生成手段
    とを備えたことを特徴とする情報公開装置。
  8. 【請求項8】前記情報要求者と前記データを所有する情
    報提供者との間で直接回線を開設することができるか確
    認する状況確認手段をさらに備え、 前記分析手段による分析結果および前記状況確認手段に
    よる確認結果に基づいて、前記情報提供者側と前記デー
    タを所有する情報提供者側との間で直接回線を開設する
    ことを決定する直接回線開設決定手段と、 前記直接回線開設決定手段の結果に応じて、直接回線を
    開設する直接回線開設実行手段とをさらに備えたことを
    特徴とする請求項7に記載の情報公開装置。
  9. 【請求項9】所定の形態のデータを記憶するデータ記憶
    手段と、 前記データ記憶装置に記憶された個々のデータについ
    て、当該データの機密度および難易度を記述したデータ
    情報を記憶するデータ情報記憶手段と、 個々の情報要求者の各データに対する権限および熟知度
    を記述したユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段
    と、 前記情報要求者からのデータ提示要求に対して、前記デ
    ータ情報に基づいて、データを検索し提示する検索提示
    手段と、 前記情報要求者および当該情報公開装置を管理する情報
    提供者との入出力を行う入出力手段と、 前記入出力手段を用いた当該情報公開装置と前記情報要
    求者および前記情報提供者の間での応答の履歴である応
    答履歴情報を記憶する応答履歴記憶手段と、 前記情報要求者の要求に対して満足できるデータを提示
    不可能であり、前記情報提供者が当該情報要求者に対し
    て直接応答および要求データの提示を行った場合に、前
    記応答履歴情報に基づき、前記データ情報を作成または
    変更する編集手段とを備えたことを特徴とする情報公開
    装置。
  10. 【請求項10】所定の形態のデータを記憶するデータ記
    憶手段と、 前記データ記憶装置に記憶された個々のデータについ
    て、当該データの機密度および難易度を記述したデータ
    情報を記憶するデータ情報記憶手段と、 個々の情報要求者の各データに対する権限および熟知度
    を記述したユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段
    と、 前記情報要求者からのデータ提示要求に対して、当該情
    報要求者に対応する前記ユーザ情報と前記データ情報に
    基づき、当該情報要求者の権限および熟知度に応じた機
    密度および難易度のデータを検索し提示する検索提示手
    段と、 前記情報要求者および当該情報公開装置を管理する情報
    提供者との入出力を行う入出力手段と、 前記入出力手段を用いた当該情報公開装置と前記情報要
    求者および前記情報提供者の間での応答の履歴である応
    答履歴情報を記憶する応答履歴記憶手段と、 前記情報要求者の要求に対して満足できるデータを提示
    不可能であり、前記情報提供者が当該情報要求者に対し
    て直接応答および要求データの提示を行った場合に、前
    記応答履歴情報に基づき、前記データ情報および当該情
    報要求者の前記ユーザ情報を作成または変更する編集手
    段とを備えたことを特徴とする情報公開装置。
  11. 【請求項11】音声入力を含む少なくとも1つの形態の
    入力メディアを介してユーザの言語情報および指示情報
    の少なくとも一方を入力する手段と、入力された該言語
    情報または指示情報に対して、蓄積処理、加工処理、認
    識処理および理解処理の少なくとも1つを施す手段とを
    備えたマルチモーダル情報入出力システムにおいて、 前記ユーザの音声入力からユーザの意図、感情および状
    況の少なくとも1つを理解する手段を備えたことを特徴
    とするマルチモーダル情報入出力システム。
  12. 【請求項12】システム側からユーザに対して、感情情
    報を伴う言語音声および感情情報を伴う非言語音声の少
    なくとも一方を提示する手段をさらに備えたことを特徴
    とする請求項11項に記載のマルチモーダル情報入出力
    システム。
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