JPH08254840A - 電子写真感光体及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及び電子写真装置

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JPH08254840A
JPH08254840A JP7083174A JP8317495A JPH08254840A JP H08254840 A JPH08254840 A JP H08254840A JP 7083174 A JP7083174 A JP 7083174A JP 8317495 A JP8317495 A JP 8317495A JP H08254840 A JPH08254840 A JP H08254840A
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JP
Japan
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photosensitive layer
electrophotographic
film
film thickness
thin film
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Application number
JP7083174A
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English (en)
Inventor
Hisao Watanabe
久雄 渡辺
Masayuki Kobayashi
正幸 小林
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Yamanashi Electronics Co Ltd
Original Assignee
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Yamanashi Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接触帯電方式や接触現像方式に対応できる特
性の優れた有機感光ドラムを提供する。 【構成】 基体3上に成膜され、表面が有機薄膜5であ
る感光層6を有し、接触帯電方式の電子写真装置に使用
される電子写真感光体において、前記感光層6の膜厚を
9μmから20μmの範囲に成膜し、前記有機薄膜を分
子量40,000以上のポリカーボネート樹脂をバイン
ダーとして形成した。感光層6の膜厚が薄いのでその表
面電位を高くでき、電荷密度が大きい。また、有機薄膜
5のバインダー分子量が大きいので膜減りが少なく、使
用中に感光層6が部分的に薄くなって絶縁破壊耐圧が低
下することはない。前記基体3の表面粗さを0.8μm
以下にしておけば、基体の凹凸に起因した部分的な破壊
耐圧劣化がなくなるので、特に効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式の光プリ
ンター、複写機、ファックス等に用いられる電子写真感
光体にかかり、詳しくは、表面に有機薄膜が成膜され、
接触帯電による電圧印加で帯電させられる電子写真感光
体に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザー光やLEDアレイ光をイ
メージ光源とする電子写真画像プロセスを応用したプリ
ンター、複写機、及びファックスなどのOA出力機器が
近年急速に普及しており、それに伴い、無公害化、高精
細画質化、及び高速小型化が増々強く求められている。
【0003】このような要求に応えるために、感光体の
帯電方法が定電流制御電源方式から定電圧制御電源方式
に変更されるようになり、また、現像方法が2成分現像
方式や磁性トナー現像方式から、非磁性一成分トナーを
用いた接触現像方式に変更されるようになってきた。
【0004】ところで、電子写真画像形成プロセス要素
の一つである電子写真感光体には、アルミニウム合金か
らなる導電性の基体上に、電荷発生層と電荷移動層とが
順次塗工された積層型有機感光ドラムが一般に用いられ
ているが、このような感光ドラムでは、前述の定電圧制
御電源方式と非磁性一成分トナーを用いる技術に関連し
て次のような問題が生じている。
【0005】(1)定電圧制御電源方式への対応 従来技術における電子写真感光体の帯電方法は、ワイヤ
ー放電器を用いて定電流帯電により行われていたが、無
公害化のために、オゾンレス接触帯電器を用いた定電圧
制御電源方式への変更が求められており、従来の非接触
のコロナイオンによる帯電から、導電性ブラシや導電性
弾性ゴムを放電電極子とした、放電を生じない接触帯電
方式が採用されることになった。これらの変更に伴い、
【0006】 定電圧帯電と定電流帯電の相違 この2つの帯電方法は基本原理が異なるため、後記詳述
するように、感光層の膜厚と電子写真感光体の表面の帯
電電位(表面電位)との関係が大きく変った。
【0007】 接触帯電と非接触帯電の相違 接触帯電方式では、電子写真感光体表面に直接高電圧が
印加されるので、感光層には従来以上の高い耐電圧性能
が要求されるようになった。
【0008】また、ブラシや弾性ゴムが常に感光層表面
と摩擦摺動するので、感光層の膜減りは非接触帯電を行
う場合よりも大きくなる。従って、感光層には高い耐摩
耗性(耐刷性)が要求される。
【0009】(2)非磁性一成分トナーを用いた接触現
像方式への対応 弾性ローラと電子写真感光体の表面とが所定のニップ幅
で直接接触して静電潜像を忠実にトナー潜像に変換させ
る方法であり、トナー飛散が少なく、極めて高精細な画
像品質を実現でき、また、磁性材料の混入を必要としな
いことから、カラー化が可能な点で優れた技術である。
【0010】しかし、 感光ドラム表面が、常に弾性ローラと接触させられ
るため、強い摩擦力が発生し、摩耗による感光層の膜減
り対策が不可欠となる。
【0011】 この現像方式の機構は大変シンプルで
ある分、電子写真感光体に形成される潜像に精密なコン
トラストが要求される。従って、感光層の膜厚均一性や
ギア精度等の機械的精度の他、高い電荷密度を保持する
ために、感光層が大きな静電容量を有することが求めら
れる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記接触帯電
方式や、接触現像方式に対応できる有機薄膜を有する電
子写真感光体、及びその電子写真感光体を使用した電子
写真装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、基体上に成膜され、表面が
有機薄膜である感光層を有し、接触帯電方式の電子写真
装置に使用される電子写真感光体において、前記感光層
の膜厚は9μmから20μmの範囲に成膜され、前記有
機薄膜は分子量40,000以上のポリカーボネート樹
脂をバインダーとして成膜されたことを特徴とし、
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の電
子写真感光体であって、前記基体は表面粗さが0.8μ
m以下に形成されていることを特徴とし、
【0015】請求項3記載の発明は、基体上に成膜さ
れ、表面が有機薄膜である感光層が成膜された電子写真
感光体を有し、前記電子写真感光体を接触帯電方式で帯
電させる電子写真装置であって、前記感光層の膜厚は9
μmから20μmの範囲に成膜され、前記有機薄膜は、
分子量40,000以上のポリカーボネート樹脂をバイ
ンダーとして成膜されたことを特徴とし、
【0016】請求項4記載の発明は、請求項3記載の電
子写真装置であって、前記基体は表面粗さが0.8μm
以下に形成されていることを特徴とする。
【0017】
【作用】一般的に、膜厚d、面積Sの感光層のキャパシ
タンスCは、誘電率をεとして、次式、 C = ε・S/d …… (1) で表せる。
【0018】この感光層に、電流I(t)で充電時間tの
間帯電させたとすると、該感光層の表面に現れる電圧V
P(表面電位)は、次式、
【0019】
【数1】
【0020】で表せる。前記電流I(t)が、定電流であ
り、時間によらず、 I(t) = IP …… (3) であれば、上記(2)式は、 VP = (IP/C)・t ={IP・d/(ε・S)}・t …… (4) と書換えられる。
【0021】この(4)式から、前記表面電位VPは充電
時間tに比例して直線的に増加することが分かる。ま
た、充電時間tが一定であれば、感光層の膜厚dが大き
いほど前記表面電位VPが大きくなる。
【0022】しかしながら、出力電圧VEの定電圧電源
を使用して感光層を帯電させる場合にの感光層の表面電
位VPは、充電回路中の抵抗をRとし、
【0023】 VP = VE・{1−exp(−t/(C・R))} = VE・{1−exp(−t・d/(ε・S・R))} …… (6) と表せる。
【0024】上式の抵抗Rは、感光体薄膜が有する抵抗
Pと、接触帯電器の電極子の抵抗RCと、電源の出力抵
抗ROとの和である。
【0025】この(6)式では、表面電位VPの大きさは
充電時間tには比例しないが、他のパラメーターの大き
さが一定であれば、前記感光層の膜厚dが大きくなるほ
ど前記表面電位VPが大きくなることがわかる。これ
は、定電流充電の(4)式と同様である。
【0026】ところが、前記抵抗Rの成分中、前記電極
子の抵抗RCや前記出力抵抗ROの値は小さいが、前記感
光層の抵抗RPは大きく、その値は無視できない。
【0027】感光層の膜厚として、4、5、8、14、
19、及び24μmの6種類の厚み(有効画像幅を10
mm間隔で測定し、それを平均した値である。)の電子
写真感光体を用意し、各電子写真感光体に−1150V
の定電圧充電を行って感光層を帯電させ、そのときの表
面電位VPを測定した。測定結果を、横軸に前記感光層
の膜厚d(μm)をとり、縦軸に表面電位VP(V)をとっ
た図4のグラフ上に、黒丸をプロットして示す。比較例
として、前記図4のグラフ上の白丸をプロットで、各電
子写真感光体に−3.0μAの定電流充電を行った場合
の表面電位VPを示す。
【0028】従来法の定電流充電では、膜厚dが大きく
なると表面電位VPも大きくなるが、定電圧充電では膜
厚dが厚いほど表面電位VPの値が小さくなっており、
コロトロン帯電器やスコロトロン帯電器を用いたワイヤ
ー放電法による従来の定電流充電では生じなかった現象
が観察できる。
【0029】その理由は、膜厚dが厚くなると感光体薄
膜の抵抗RPの値は、それに比例して大きくなり、その
ため充電電流が大きく制限を受けるからである。従っ
て、前記膜厚dを大きくした場合に、帯電電位VPを向
上させる効果よりも、この充電電流の減少による帯電電
位VPの減少効果の方が大きくなる。なお、従来法の定
電流充電で膜厚5μm以下で直線関係が保たれていない
のは、高い電界によって漏洩電流が生じることが原因と
考えられる。
【0030】前記各電子写真感光体は、アルミニウム基
体上にポリビニルブチラールをバインダーとしてオキシ
チタニウムフタロシアニンを分散させて膜厚0.3μm
の電荷発生層を成膜し、次いで、ポリカーボネートをバ
インダーとしてブタジエン化合物(1,1−ビス(p−
ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,
3ブタジエン)とヒドラゾン化合物(o−メチル−p−
ジベンジルアミノベンズアルデヒド−(ジフェニルヒド
ラゾン))とを分散させて電荷移動層を成膜し、前記電
荷移動層と前記電荷発生層とで4〜24μmの厚みの感
光層を形成したものである。
【0031】ところで、感光層表面に接触帯電器の電極
子を接触させて基体と前記電極子の間に直流電圧を印加
すると微小電流が流れるのが観察される。この微小電流
を測定しながら印加電圧を徐々に上げていくと、微小電
流は印加電圧の大きさに比例して増加していくが、ある
印加電圧で絶縁破壊が生じ、流れる電流が急激に増加す
るのが観察できる。その電圧がその感光層の絶縁破壊電
圧であり、感光体の耐電圧性能を示す指標となる。
【0032】このような絶縁破壊は感光層の微小面積部
分で発生し、それが生じた部分の表面電位は低下するの
で、反転現像を行う場合には画像上で黒点となってしま
う。また、絶縁破壊が生じた微小面積部分がピンホール
になることもあり、ピンホーールは永久欠陥なので、画
像上で回復のできない黒点を生じてしまう。
【0033】一般に、印加電圧が一定であれば、感光層
が薄いほど、感光層の単位膜厚当りの電界強度が増大す
る。特に、5〜20μmの膜厚の感光層に−1,200
Vの電圧を印加して帯電させる場合には、電界強度の大
きさは従来法の2〜4倍にもなり、それだけ絶縁破壊が
生じやすくなる。しかも、接触帯電方式や接触現像方式
に使用される電子写真感光体では、その電子写真感光体
を使用するつれて感光層が膜減りし、電界強度が増大し
てしまう。
【0034】しかしながら電界強度を減少させるために
感光層の膜厚を厚くした場合には、前述したように感光
層の表面電位が低下し、カブリ等の画像欠陥が生じてし
まう。
【0035】そこで、感光層の膜厚を薄くし、しかも絶
縁破壊耐圧を向上させるために、感光層に絶縁破壊が生
じるメカニズムの研究を行ったところ、従来の低分子量
のバインダーを使用した感光層表面では、膜減り量が大
きく、しかも膜減りが大きい部分と小さい部分とが面内
で混在し、表面全域にわたって均一に膜減りをしていな
いことが観察された。
【0036】このような不均一な膜減りが生じた感光層
では、膜減りの大きい部分の膜厚が薄くなるので、定電
圧帯電を行った場合には、その薄くなった部分における
電界強度が他の部分に比べて大きくなり、その部分で絶
縁破壊が発生し、そのときの電圧が絶縁破壊電圧となっ
てしまう。
【0037】一方、分子量の大きいバインダーで構成さ
れた感光層では、膜減り量が少ないばかりでなく、表面
全域にわたってほぼ均一に膜減りし、感光層の表面粗さ
も小さく、絶縁破壊耐圧も大きかった。
【0038】また、感光層が均一に膜減りし、感光層表
面に凹凸が観察されない場合でも、感光層が成膜される
基体表面に凹凸があった場合には、その基体凸部上の膜
厚が薄くなるため、その部分で絶縁破壊が生じてしまう
ことも分かった。
【0039】以上により、蓄積電荷量を増やすと共に表
面電位を上げるためには感光層の膜厚を薄くすればよ
く、そのような薄い感光層の絶縁破壊電圧を高くするた
めには、均一な膜減りと、感光層の表面や基体表面の粗
さを小さくすればよい。
【0040】なお、定電流充電では、現像後に除電器で
感光層から残留電位リップルを取り除いておかないと、
次の帯電の際に残留電位リップル上に電荷が重畳され、
ゴーストやメモリーと呼ばれる残像現象が発生してしま
うが、定電圧充電では残留電位リップルが平滑化される
ので、除電器は必ずしも必要ではない。
【0041】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。図
1を参照し、2は本発明の一実施例の電子写真感光体で
あり、アルミニウムから成り、外形30mmφで、表面
の荒さRz(本発明では、表面粗さにJISB0601
十点平均粗さRzを用いる)が0.5〜0.7μmの
範囲になるように加工された円筒形の基体3を有してい
る。
【0042】前記基体3上に、ポリビニルブチラールを
バインダーとし、オキシチタニウムフタロシアニンを分
散させて0.3μmの膜厚に電荷発生層4を成膜した。
【0043】次いで、分子量が40,000、及び8
0,000の2種類のポリカーボネートを用意し、それ
ぞれのポリカーボネートをバインダーとして、有機薄膜
である電荷移動層5を成膜した。この電荷移動層5の膜
厚は、前記電荷発生層4と前記電荷移動層5とで構成さ
れる感光層6の膜厚が15μmになるようにし、本発明
の一実施例の電子写真感光体2のサンプルS1-3、S1-4
を作成した。
【0044】また、分子量が10,000と20,00
0の2種類のポリカーボネートをバインダーとして、感
光層6の膜厚が15μmになるように電荷移動層5を成
膜した比較例の電子写真感光体のサンプルS1-1、S1-2
を作成した。
【0045】なお、前記電荷移動層5には、ブタジエン
化合物として1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−4,4−ジフェニル−1,3ブタジエンを分散さ
せ、また、ヒドラゾン化合物としてo−メチル−p−ジ
ベンジルアミノベンズアルデヒド−(ジフェニルヒドラ
ゾン)を分散させた。
【0046】まず、前記各サンプルS1-1〜S1-4の表面
の粗さを測定したところ、各感光層の膜厚偏差(最大膜
厚と最小膜厚との差)の値は1.5μmであり、表面粗
さRzの値は0.15μmであった(表面粗さは株式会
社小坂研究所製SE−30Dを用いて測定した)。
【0047】次に、各サンプル表面の感光層の膜削れ量
を、図2に示す測定系を用いて測定した。図2を参照
し、8は膜削れ試験装置(トレック社製プロセスローラ
特性測定システム MODEL ELYSIA−N3)で
あり、帯電ローラ12と現像ローラ20とを有してい
る。前記帯電ローラ12と前記現像ローラ20とは、回
転軸14、21を中心に、それぞれ回転可能に設けられ
ており、該帯電ローラ12と該現像ローラ20に、まず
サンプルS1-3の前記電子写真感光体2を密着させると
共に、回転軸13を中心として回転可能に取り付け、前
記帯電ローラ12と前記電子写真感光体2とを均一に圧
接した。
【0048】この圧接方法を説明すると、図3を参照
し、10はロールホルダーであり、前記帯電ローラ12
の回転軸14を回転可能に保持するものである。該ロー
ルホルダー10は、該試験装置8の図示しない筺体に固
定されたスライドシャフト23に、ベアリング24を介
して直線移動可能に取付けられている。
【0049】前記スライドシャフト23には滑車22が
軸支されており、該滑車22には紐19が掛けられてい
る。前記紐19の一端は前記ロールホルダー10に取付
けられ、他端は重り21が吊り下げられており、前記重
り21が前記滑車22を介して前記帯電ローラ14を引
っ張り、該帯電ローラ14が前記電子写真感光体2に圧
接されるように構成されている。前記ロールホルダー1
0の裏面にも同様に、重りと紐と滑車とが設けられてお
り、ここでは各々の紐に750gの重りを1個ずつ釣り
下げて、前記電子写真感光体2と前記帯電ローラ12と
が、1500gの圧力で圧接されるようにされている。
なお、前記現像ローラ20も、同様に、滑車と紐と重り
により、前記電子写真感光体2に圧着されている。
【0050】前記帯電ローラ12は、電流制限抵抗18
を介して直流電圧源25の一端に接続され、前記電子写
真感光体2は、電流計16を介して前記直流電圧源25
の他端に接続されると共に接地されており、前記直流電
圧源25を起動して−1200Vの電圧を出力させ、前
記電子写真感光体2を回転線速度39.27mm/se
cで図面反時計回方向91の向きに回転させると共に、
前記帯電ローラ12を、前記回転線速度の0.7倍の回
転線速度で、図面時計回り方向92の向きに回転させ、
互いに摺擦させながら、前記電子写真感光体2表面が負
電位に帯電されるようにした。
【0051】なお、前記帯電ローラ12と前記電子写真
感光体2とが互いに接するニップ幅は一般的には1〜2
mmに設定され、線速度を大きくした場合にはこのニップ
幅も大きくし、線速度を小さくした場合にはこのニップ
幅も小さくし、接触時間が略一定になるようにされてい
る。なお、11は電位計プローブであり、電位計本体1
7に接続されている。15は除電器である。
【0052】ところで、一般的には有機感光層を有する
電子写真感光体には、A4版で20,000枚の用紙に
印刷できる寿命が求められており、これを30mmφの
電子写真感光体に換算すると60,000回転に相当す
る。
【0053】そこで、前記サンプルS1-3の電子写真感
光体を前記回転速度で前記帯電ローラと摺接させながら
60,000回転させる寿命試験を行った後、感光層の
膜厚を測定した。また、サンプルS1-4、及び比較例の
サンプルS1-1、S1-2も前記膜削れ試験装置8にセット
し、同じ条件で60,000回転させる寿命試験を行っ
た後、感光層の膜厚を測定した。測定結果を、次の表1
に示す。
【0054】
【表1】
【0055】バインダーの分子量と感光層の膜減り量の
間には密接な関係があり、分子量が大きくなると膜減り
量は小さくなることがわかる。前記寿命試験後に、サン
プルS1-1〜S1-4の電子写真感光体の印刷試験を行った
ところ、バインダー分子量10,000のサンプルS1-
1では、カブリ、黒点、現像ヌケが発生していた。
【0056】また、絶縁破壊電圧を測定したところ−4
00Vと小さな値であった。バインダー分子量20,0
00の比較例のサンプルS1-2では、黒点が発生してお
り、絶縁破壊耐圧も−1,000Vと小さな値であっ
た。この黒点は絶縁破壊に起因する画像欠陥である。
【0057】一方、バインダー分子量が40,000の
サンプルS1-3と80,000のサンプルS1-4では膜減
りは少なく、印刷試験を行っても画像欠陥は観察されな
かった。また、絶縁破壊耐圧も−2,000Vかそれ以
上の値が測定でき、充分な大きさであった。
【0058】前記寿命試験後の各サンプルの表面の粗さ
を測定したところ、サンプルS1-3、S1-4では膜厚偏差
の値は、寿命試験前の値の1.5μmと変化なく、ま
た、表面粗Rzの値も、図6に示すように、0.23μ
mであり、寿命試験前の値の0.15μmと大差なかっ
た。比較例のサンプルS1-1、S1-2では、膜厚偏差の値
が6.0μmと大きく、また、表面粗さRzの値も、図
7に示すように、0.75μmと大きかった。
【0059】また、寿命試験後の各サンプルの表面状態
を観察したところ、図6、図7からも分かるが、サンプ
ルS1-3、S1-4では、感光層表面全域で均一に膜減りし
ていたが、比較例のサンプルS1-1、S1-2では、膜減り
が非常に大きい部分と小さい部分とが混在しており、絶
縁破壊耐圧は、膜減りが大きく感光層の膜厚が薄くなっ
ている部分で生じていることが観察された。
【0060】このように、分子量40,000以上のポ
リカーボネートをバインダーに使用すれば画像欠陥がな
く、また感光層の絶縁破壊耐圧も高い。特に膜減りを少
なくするためには、分子量80,000以上のポリカー
ボネートをバインダーに使用すればよい。また、前記サ
ンプルS1-3、S1-4では感光層6の膜厚が薄いので静電
容量が大きく、充分な電荷密度を確保でき、鮮明な潜像
を得られた。
【0061】なお、前記サンプルS1-3、S1-4と、前記
比較例のサンプルS1-2と同じ電子写真感光体を用意
し、寿命試験を行わず、プリンター(カシオ計算機(株)
社製「CP−500」)にセットして、A4版の用紙に
連続して20,000枚印刷する実機印刷試験を行っ
た。このときの膜減りの経過を図5に示す。前記表1に
示した結果と同様に、バインダー分子量40,000、
80,000のサンプルS1-3、S1-4では膜減りが少な
いことが分る。
【0062】次に、本発明の他の実施例を説明する。前
述のサンプルS1-3、S1-4の電子写真感光体と同様に、
アルミニウムから成り、外形30mmφの円筒形で、表
面の荒さRzが0.5〜0.7μmの範囲になるように
加工された基体3上に、バインダーであるポリビニルブ
チラール中にオキシチタニウムフタロシアニンを分散さ
せて膜厚0.3μmに電荷発生層4を成膜し、更に、該
電荷発生層4上に、バインダーとして、分子量80,0
00のポリカーボネートを使用して、電荷移動層5を成
膜した。
【0063】該電荷移動層5の膜厚は、前記電荷発生層
4と該電荷移動層5とで構成される感光層6の膜厚が、
7、8、12、14、15、17、19、及び22μm
になるように成膜し、本発明の実施例である電子写真用
感光体2の8個のサンプルS2-3〜S2-10を作成した。
【0064】また、前記サンプルS2-3〜S2-10と同じ
組成、構造で、感光層6の膜厚が4、5、及び24μm
の、比較例の電子写真感光体のサンプルS2-1、S2-2、
S2-11を作成した。
【0065】各サンプルを前記膜削れ試験装置8にセッ
トし寿命試験を行った。条件は、上記実施例と同様に、
合計1,500gの加重で圧着させ、−1,200Vの
定電圧を印加して感光層6の表面を帯電させ、表面電位
を測定した。
【0066】次に、この条件で60,000回転させる
寿命試験を行った後に、同様に、感光層6の表面電位を
測定した。また、寿命試験後の前記感光層6の膜厚も測
定した。
【0067】前記各サンプルS2-1〜S2-11の、前記寿
命試験前の感光層6の初期膜厚とその表面の初期電位
と、寿命試験後の感光層6の最終膜厚とその表面の最終
電位、及び発生した画像欠陥とを次の表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】この寿命試験の結果を見ると、比較例のサ
ンプルS2-2では、最終膜厚が2.5μmと薄くなり、
また、前記最終電位が−340Vと小さくなってしまっ
ているため、寿命試験後に行った印刷試験ではカブリが
発生している。しかも現像ヌケ、黒点も観察されること
から、感光層の膜厚が薄くなりすぎて部分的な絶縁破壊
が生じているものと考えられる。
【0070】また、比較例のサンプルS2-11では、感光
層の初期膜厚が厚すぎて初期電位が小さく、しかも寿命
試験後でも22.1μmの厚みがあり、厚すぎるために
最終電位も−430Vと小さくなってしまい、カブリが
発生している。
【0071】それに対し、最終膜厚が5.0μm以上あ
り、且つ20.0μm以下であるサンプルS2-3〜S2-1
0の電子写真感光体であれば、最終電位の大きさも充分
大きく、また、膜厚も薄すぎないので、絶縁破壊が生じ
ていない。このように、初期膜厚が7〜20μmの範囲
に感光層を成膜しておけば、60,000以下の回転数
では5〜20μmの膜厚が維持でき、絶縁破壊も画像欠
陥も生じない。
【0072】表1に記載したサンプルS1ー3、S1-4から
分かるように、分子量40,000のバインダーを使用
したときは、分子量80,000のバインダーを使用し
たときに比べて膜削れ量は約2μmだけ大きくなる。従
って、感光層の初期膜厚を9〜20μmの範囲に成膜し
ておけば、60,000回転以下の回転数であれば5〜
20μmの膜厚が維持でき、絶縁破壊も画像欠陥も生じ
ない。
【0073】電荷移動層の電荷移動材料としては、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ピラゾリン、トリフェニル
アミン、ヒドラゾン化合物、ブタジエン化合物等を用い
ることが可能である。
【0074】また、電荷発生層のバインダーとして上記
実施例ではポリビニルブチラールを用いたが、その他
に、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル、ポリ
アミド等の熱可塑性樹脂や、エポキシ、ウレタン、シリ
コン樹脂等の熱硬化性樹脂も使用でき、更に、それら樹
脂を混合して使用することも可能であり、この電荷発生
層の膜厚は0.1〜3.0μm程度にするのが好まし
い。なお、電荷発生層に分散する電荷発生材料には、上
述したオキシチタニウムフタロシアニンの他、ジスア
ゾ、ペリレン、ベンズイミダゾール等の有機顔料や、セ
レン等の無機電荷発生材料も用いることができる。
【0075】更にまた、上記実施例ではアルミニウムを
基体とし、該基体上に直接電荷発生層を成膜したが、基
体と電荷発生層の間に下引き層を設け、接着機能、バリ
アー機能、導電性基体表面の欠陥の被覆機能等を付与し
てもよく、その材料としてはニトロセルロース、ポリウ
レタン、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66)等の有
機薄膜や、酸化アルミ等の無機薄膜を使用できる。
【0076】その場合には、下引き層と感光層とで9〜
20μmの厚みになるようにすればよく、また、基体材
料はアルミニウムやアルミニウム合金に限定されるもの
ではなく、ニッケル等の金属材料の他、プラスチック表
面にアルミニウム薄膜や銅薄膜、又はニッケル薄膜等の
導電性薄膜を真空蒸着等によって成膜したものも使用可
能であり、更に、プラスチック材料にカーボン等の導電
性粉末を混入したものでもよい。いずれの場合でも、表
面粗さが0.8μm以下に形成するのが望ましい。ま
た、基体の形状は円筒形に限定されるものではなく、平
面的なものであっても差し支えがなく、更には、柔軟性
があってもよい。
【0077】上記実施例では、電荷移動層が帯電ローラ
と直接接触したが、ポリビニルホルマール、ポリカーボ
ネート、フッ素樹脂等の有機薄膜を表面保護膜として設
けることもでき、この保護膜と感光層、またはそれらに
前記下引き層を加えた構造でもよく、いずれの場合で
も、多層膜全体で9〜20μmの厚みになるように成膜
すればよい。
【0078】上記実施例では電荷発生層上に電荷移動層
を成膜したが、電荷移動層上に有機薄膜の電荷発生層を
設けた構造でもよく、また、電荷発生材料と電荷移動材
料とを有機薄膜中に混合分散させて単層膜で感光層を形
成した構造でもよい。なお、上記膜減り試験器では接触
帯電器に帯電ローラを使用したが、ブラシ帯電器を用い
ることもできる。
【0079】
【発明の効果】電子写真感光体の表面電位を高くでき、
また、絶縁破壊耐圧を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電子写真感光体図
【図2】電子写真感光体の試験装置のブロック図
【図3】その試験装置の圧接方法を説明するための図
【図4】膜厚と表面電位の関係を説明するための図
【図5】印刷枚数と膜減りの関係を説明するための図
【図6】本発明の一実施例の電子写真感光体の表面粗さ
を示す図
【図7】比較例の電子写真感光体の表面粗さを示す図
【符号の説明】
2……電子写真感光体 3……基体 4……電
荷発生層 5……電荷移動層 6……感光層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に成膜され、表面が有機薄膜であ
    る感光層を有し、接触帯電方式の電子写真装置に使用さ
    れる電子写真感光体において、 前記感光層の膜厚は9μmから20μmの範囲に成膜さ
    れ、 前記有機薄膜は分子量40,000以上のポリカーボネ
    ート樹脂をバインダーとして成膜されたことを特徴とす
    る電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記基体は表面粗さが0.8μm以下に
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子写
    真感光体。
  3. 【請求項3】 基体上に成膜され、表面が有機薄膜であ
    る感光層が成膜された電子写真感光体を有し、 前記電子写真感光体を接触帯電方式で帯電させる電子写
    真装置であって、 前記感光層の膜厚は9μmから20μmの範囲に成膜さ
    れ、 前記有機薄膜は、分子量40,000以上のポリカーボ
    ネート樹脂をバインダーとして成膜されたことを特徴と
    する電子写真装置。
  4. 【請求項4】 前記基体は表面粗さが0.8μm以下に
    形成されていることを特徴とする請求項3記載の電子写
    真装置。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61270764A (ja) * 1985-05-27 1986-12-01 Canon Inc 電子写真感光体
JPH04368956A (ja) * 1991-06-18 1992-12-21 Canon Inc 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ
JPH05305311A (ja) * 1992-01-31 1993-11-19 Canon Inc アルミニウム管の製造方法、その製造方法により製造された電子写真感光体およびその電子写真感光体を有する電子写真装置
JPH06317917A (ja) * 1993-04-30 1994-11-15 Canon Inc 電子写真感光体、それを有する電子写真装置及びファクシミリ

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