JPH08253676A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH08253676A
JPH08253676A JP5884495A JP5884495A JPH08253676A JP H08253676 A JPH08253676 A JP H08253676A JP 5884495 A JP5884495 A JP 5884495A JP 5884495 A JP5884495 A JP 5884495A JP H08253676 A JPH08253676 A JP H08253676A
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JP
Japan
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polyalcohol
inorganic filler
resin composition
ethylene
present
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JP5884495A
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Makio Tokoo
万喜雄 床尾
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一酸化炭素−エチレン系共重合体からなるポ
リケトンを還元した得たポリアルコール50〜99重量
%と無機フィラー50〜1重量%とからなる樹脂組成
物。 【効果】 本発明によれば、ガスバリヤー性が高く加熱
延伸操作時にピンホール、クラック、局所的偏肉などが
ない加工性に優れた樹脂組成物、その製法、およびこの
組成物を少なくとも1層含む積層体および加熱延伸多層
容器を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品などの包装用フィ
ルムや容器などに使用されるガスバリヤー性が高く、加
工性に優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品や医薬等の包装体において
は、その包装容器として金属缶、ガラスビン、各種プラ
スチック容器などが使用されているが、近年、軽量性、
形態の自由度、耐衝撃性、あるいはコストの面からプラ
スチック容器が各種の包装用容器として使用されてい
る。塩化ビニリデン系樹脂は、他の樹脂と比較して、優
れたガスバリヤー性、耐レトルト性を有すが、成形加工
時の押出安定性が悪く、また、良好な延伸性付与のため
に、多量の可塑剤や安定剤を添加するのが通常であり、
これらのものは衛生上好ましくなかったり、臭いや変色
の問題があったり、またフィルム成形した場合、黄色味
が強く食品の外観を損ねたり、屈曲に弱いという欠点が
ある。また、廃棄、焼却処理に関しても、近年の環境問
題・衛生上の問題を抱えている。
【0003】次に、エチレン−ビニルアルコール(以下
EVOHと記す)は、塩化ビニリデン系樹脂が有するよ
うな環境衛生上の問題がなく、また、ガスバリヤー性、
耐油性、保香性の極めて優れた溶融成形可能な熱可塑性
樹脂であるため、種々の包装分野の包装用フィルム、特
に食品包装用フィルム、シート、容器等の成形体に好適
に用いられている。しかし、このEVOHは外部の湿度
や温度という環境変化により成形体のヤング率や耐衝撃
性等の物性が大きく変化したり、特にガスバリヤー性の
吸湿による変化が大きく、高湿度の環境下でガスバリヤ
ー性が低下するという欠点を有している。
【0004】これらの欠点を改善することは、実用上極
めて重要である。該欠点を補うために、例えばポリエチ
レン、ポリプロピレンなどの低吸水性の樹脂をEVOH
フィルム、シートにラミネートして吸湿性を低下させる
方法(特開昭60−173038、同60−2866
1、同62−207338)あるいは、EVOHフィル
ム、シート表面をアセタール化して耐吸湿性を向上させ
る方法(特開昭55−2191、同53−65378)
あるいは、EVOHに乾燥剤(ベントナイト)を溶融混
練して、レトルト殺菌処理後のガスバリヤー性の劣化を
防止すること(米国特許第4425410号)が提案さ
れている。
【0005】しかし、前記したラミネート化の方法では
ラミネート加工操作を行う必要がある上に、得られたラ
ミネート成形体も徐々に吸湿し、その結果、EVOHの
ガスバリヤー性が低下し、本質的な解決にはならない。
また、アセタール化の手段はEVOHをフィルム、シー
トに成形後改めてアセタール化の処理工程が必要であ
り、経済的に不利であるため実用化されるに至っていな
い。また、乾燥剤を配合したEVOHでは、乾燥剤の吸
水能力により、ガスバリヤー性保持に限界があり好まし
くない。
【0006】なお、ここでいうEVOHとはエチレンと
酢酸ビニルを主体とする共重合体をけん化することによ
って得られる共重合体であり、本発明中のポリケトンを
還元して得られるポリアルコールとは本質的に異なるも
のである。
【0007】本発明中のポリケトンを還元して得られる
ポリアルコールに関しては、その製造方法に関する記載
(特開平1−149828、同2−232228、同5
−339367、同6−59203)はある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリア
ルコール単独では低湿度下のガスバリヤー性には優れて
いるものの、高湿度下でのガスバリヤー性低下が大きい
という欠点がある。しかして、本発明の目的は、ガスバ
リヤー性、溶融成形性に優れる樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、一酸化炭素
−エチレン系共重合体からなるポリケトンを還元した得
たポリアルコール50〜99重量%と無機フィラー50
〜1重量%とからなる樹脂組成物を提供することにより
達成される。
【0010】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
において、ポリアルコ−ルとは、一酸化炭素−エチレン
系共重合体からなるポリケトンを還元して得たポリアル
コールであり、特に式(I)で示される反復単位を80
%以上含むポリアルコールが、ガスバリヤー性、機械的
特性、成形性の点から好適である。上記反復単位は90
%以上含まれることがさらに好ましく、特に95%以上
含まれることが好ましく、さらには97%以上含まれる
ことが最適である。
【0011】
【化1】
【0012】前記のポリケトンとは、一酸化炭素−エチ
レン系共重合体であり、一酸化炭素−エチレン系共重合
体としては、一酸化炭素とエチレンとを共重合して得た
もの、または一酸化炭素とエチレンとを主体とし、これ
にエチレン以外の不飽和化合物とを共重合して得たもの
が代表例として挙げられる。ここで、エチレン以外の不
飽和化合物としては、炭素数3〜12個のオレフィン、
炭素数4〜12個のジエン、ビニルエステル、脂肪族不
飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸塩および脂肪
族不飽和カルボン酸エステルなどがあげられる。共重合
体としては、ランダム共重合体、交互共重合体などがあ
げられるが、カルボニル基の含有率が高くなる交互共重
合体が好ましい。
【0013】前記炭素数3〜12個のオレフィンとして
は、プロピレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1、ドデセン−1、スチレンなどがあげられるが、プ
ロピレン、炭素数4〜8個のオレフイン、またはプロピ
レンと炭素数4〜8個のオレフインとの併用系が好まし
い。また、炭素数4〜12個のジエンとしては、ブタジ
エン、イソプレン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オ
クタジエン、1,9−デカジエンなどがあげられる。ま
た、ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどがあげられる。また、
脂肪族不飽和カルボン酸、その塩およびそのエステルと
しては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、マレイン酸モノエステル、マレイン酸
ジエステル、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステ
ル、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル
(これらのエステルとしてはメチルエステル、エチルエ
ステルなどのアルキルエステルなど)、アクリル酸塩、
マレイン酸塩、イタコン酸塩(これらの塩としては1価
または2価の金属塩など)があげられる。
【0014】ポリケトンの製造法としては、公知の方
法、例えば、米国特許第2,495,286号および特
開昭53−128690号、特開昭53−128691
号、特開昭59−197427号、特開昭61−912
26号、特開昭62−232434号、特開昭62−5
3332号、特開昭63−3025号、特開昭63−1
05031号、特開昭63−154737号、特開平1
−149829号、特開平1−201333号、特開平
2−67319号などに記載されている方法があげられ
るが、特にそれに制限されるものではない。次に、上記
ポリケトン中のカルボニル基を還元してポリアルコール
を得る方法としては、ポリケトン中のカルボニル基の一
部または全部を水素などにより還元する方法、例えば、
特開平1−149828号、特開平2−232228
号、特開平5−339367号、特開平6−49203
号に記載されている方法、さらにはポリケトン中のカル
ボニル基の一部または全部を金属水素化合物で処理して
還元する方法、例えば特開平1−204929号に記載
されている方法などがあげられる。
【0015】ポリオ−ルの極限粘度〔η〕は、0.2〜
5dl/g,好ましくは0.5〜3dl/g(水15重
量%−フエノ−ル85重量%の混合溶媒中、30℃、オ
ストワルド粘度計で測定した値)である。
【0016】次に、本発明中で用いられる無機フィラー
について説明する。無機フィラーとしては重量平均フレ
ーク径が50μ以下であり、重量平均アスペクト比が3
以上であることが好ましく、またKett光電池式白度
計による反射率測定による白色度が80以上のものが望
ましい。この範囲のものは、ポリアルコールとのブレン
ド性、ブレンド後の成形性が良好であり、また色相の点
でも優れている。なお、上記した無機フィラーの重量平
均フレーク径およびアスペクト比は、ポリアルコールに
混合する前の原料無機フィラーの値と包装体中に存在す
る無機フィラーの値とはほとんど差のないことが走査型
電子顕微鏡により確認されている。
【0017】したがって、本発明において無機フィラー
の重量平均フレーク径および重量平均アスペクト比と
は、EVOHに混練する前の無機フィラーの値であるか
または容器中に存在する無機フィラーの値を意味する。
【0018】無機フィラーの重量平均フレーク径は好適
には30μ以下、さらに好適には20μ以下である。下
限値についてはとくに限定されないが、好適には1μ、
さらに好適には3μである。本発明における重量平均フ
レーク径とは粉体(ここでは無機フィラーのこと)を各
種の目開きのマイクロシーブまたはフルイで分級し、そ
の結果をRosin-Rammlar線図にプロットし、測定に供し
た粉体の全重量の50重量%が通過するマイクロシーブ
またはフルイの目開きL50に相当する値である。すなわ
ち粉体の重量平均フレーク径Lとは(IIまたは(II
I)式で定義される。 L = L50(マイクロシーブの場合) (II) L = 21/2・L50(フルイの場合) (III) ここで、粉体のうち粒度の大きい部分についてはフルイ
よって分級されるものであり、粒度の細かい部分につい
てはマイクロシーブによって分級されるものである。
【0019】重量平均アスペクト比については好適には
5以上、さらに好適には10以上である。上限値につい
てはとくに限定されない。本発明における粉体(無機フ
ィラー)の重量平均アスペクト比αとは重量平均フレー
ク径Lと、以下の方法により測定される粉体の重量平均
フレーク厚さdより(IV)式を用いて算出される値で
ある。 α = L/d (IV) (IV)式における粉体の重量平均フレーク厚さdは、
C.E.Capesらの報告による水面単粒子膜法{C.E.Capes a
nd R.C.Coleman. Ind. Eng. Chem. Fundam.,Vol.12,No.
1,p.124-126(1973)}により測定されるフレークの水
面での占有面積Sを用いて(V)式より算出される値で
ある。 d = W/ρ(1−ε)・S (V) ここでWは測定に供した粉体の重量、ρは粉体の比重、
(1−ε)は粉体が水面上で最密充填状態をとった場合
の占有率であり、粉体については一般に0.9を計算に
際して用いた。
【0020】本発明において無機フィラーとしては、タ
ルク、クレー、セリサイト、ガラスフレーク、ガラスフ
ァイバー、マイカなどがあげられるが、このうちタル
ク、クレーがポリアルコールとのブレンド性、熱成形
性、耐衝撃性の点で好適である。
【0021】該組成物における配合割合としては、該ポ
リアルコール50〜99重量%に対し、該無機フィラー
50〜1重量%の範囲、とくに50〜5重量%、とりわ
け40〜20重量%の範囲から選ばれる。該無機フィラ
ーの添加量が50重量%を超えると溶融時の流動性、ブ
レンド物の成形性および強度が低下し、製膜性も低下
し、また1重量%未満ではガスバリヤー性改質効果が十
分でなくなる。
【0022】次に樹脂組成物を得る方法について述べ
る。ポリアルコール中に無機フィラーが凝集することな
く均一に分散して存在するようにするためには、樹脂組
成物の混練操作はきわめて重要である。ポリアルコール
と無機フィラー(とくにタルク)をポリアルコールの融
点以上で溶融混練する方法(溶融混練法)がまずあげら
れ、この方法としてはポリアルコールの粉末状物、ペレ
ット状物と無機フィラーを通常の混合機、たとえばヘン
シエルミキサー、スーパーミキサー中で混合するか、ま
たはポリアルコール溶融物に無機フィラーを混合してマ
スターをつくり、これをポリアルコールの粉末状物、ペ
レット状物、溶融物に混合し、次にこの混合物を、ポリ
アルコールの融点以上で混練する方法があげられる。ポ
リアルコールと無機フィラーを前記のように予め混合す
ることなく、ポリアルコールと無機フィラーを直接混練
機に導入して混練することもできる。無機フィラーの凝
集体のない、高度な分散を有する組成物を得るための混
練機としては、連続式インテンシブミキサー、ニーデイ
ングタイプ二軸押出機(同方向、あるいは異方向)など
の連続型混練機が最適であるが、バンバリーミキサー、
インテンシブミキサー、加圧ニーダーなどのバッチ型混
練機を用いることもできる。
【0023】この中で、本発明の目的に好ましいものし
て、ニーディングディスクあるいは混練用ロータを有す
る二軸混練押出機、例えば(株)日本製鋼所のTEX、
Werner & Pfleiderer社のZSK、東芝機械(株)のT
EM、池貝鉄鋼(株)のPCMも本発明の混練の目的に
用いられる。
【0024】もう一つの該組成物を得る方法は、ポリア
ルコールと無機フィラーをメチルアルコールなどのポリ
アルコールの溶剤を使用して配合する方法(溶剤法)で
ある。配合の順番としてはポリアルコールが溶解した溶
液に無機フィラーを添加する方法、あるいはその逆に無
機フィラーが分散した溶剤にポリアルコールを添加・溶
解する方法、または同時に添加する方法いずれの方法で
も構わない。配合後は日本特許725,520号に開示
されたストランド状に析出させ、無機フィラーが配合さ
れたポリアルコールを分離する方法などが適用できる。
析出単離後は、必要に応じて方法で水洗、酸処理等の処
理を行い、次いで乾燥を行なっても構わない。
【0025】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的が
阻害されない範囲において他の熱可塑性樹脂、充填剤、
可塑剤、滑材、乾燥剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収材、着色剤などを配合することは自由である。
【0026】本発明の樹脂組成物は、単層のフィルム、
積層体の少なくとも一層、なかんずく中間層として、ま
た溶液コーティング用などとして使用される。フィルム
成形においては、通常の方法で未延伸フィルムまたは延
伸フィルムに成形され、その製造条件については特に制
限はない。また、積層体の一部として使用される場合、
積層体(シート)から容器の成形を行う際に発生する未
使用部分を有効利用するための回収層を必要に応じて設
けても構わない。
【0027】本発明の好ましい多層形態の1つとして
は、該組成物を中間層とし、この両側に耐湿性熱可塑性
樹脂の層を有することである。耐湿性熱可塑性樹脂の層
を該組成物層の片側のみに設けたものでは、例えば、レ
トルト殺菌処理におけるような熱と水分が同時に作用す
る、つまり高温、高湿度下で使用する場合において、保
存性、包装体外観形態に優れた包装体を得ることができ
ない場合がある。耐湿性熱可塑性樹脂の層を形成する樹
脂としては、疎水性樹脂、とくに上記したポリオレフィ
ン系樹脂が代表的なものとしてあげられる。ポリオレフ
ィン系樹脂としては、高密度、中密度あるいは低密度の
ポリエチレン、高密度、中密度あるいは低密度のポリプ
ロピレン、ポリブテン、また酢酸ビニル、アクリル酸エ
ステル、あるいはブテン、ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテンなどのα−オレフィン類を共重合したポリエチ
レン、アイオノマー樹脂、ポリプロピレンホモポリマ
ー、エチレンをグラフト共重合したポリプロピレン、あ
るいはエチレン、ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン
などのα−オレフィン類を共重合したポリプロピレン、
ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、
あるいは上述のポリオレフィンに無水マレイン酸などを
作用させた変性ポリオレフィンなどを含んでいる。この
中でポリプロピレン(PP)類が最も適している。さら
に耐湿性熱可塑性樹脂の層を形成する樹脂としては、ポ
リ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタ
レート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エ
チレンテレフタレート/イソフタレート)などに代表さ
れるポリエステル系樹脂やポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体など
のポリスチレン系樹脂またはポリカーボネート系樹脂や
ナイロン−6およびナイロン−6,6などのポリアミド
等、またはこれらの混合物などがあげられる。また、上
記した耐湿性熱可塑性樹脂の層を形成する樹脂は内外層
とも同一でもよいし、異なっていても構わない。さら
に、耐湿性熱可塑性樹脂の層を形成する樹脂には、成形
性が損なわれない範囲で上述した無機フィラー、例えば
タルクを配合しても構わない。さらには、本発明の樹脂
組成物に加えて、他のバリヤー性材、例えばポリビニル
アルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポ
リ塩化ビニリデン等をさらに積層しても構わない。
【0028】本発明の樹脂組成物は、これらの熱可塑性
樹脂との積層が容易であり、さらにこれらの熱可塑性樹
脂を積層することにより、本発明の樹脂組成物が保護強
化され、高湿度下のガスバリヤー性の劣化を防ぐととも
に、優れた機械的強度も付与される。
【0029】また、これらの樹脂と本発明の樹脂組成物
との層間接着力が十分でない場合は、接着性樹脂層を設
けることが好ましい。接着性樹脂としては、実用段階で
デラミネーションを起こさないものであればよく、特に
限定はされないが、不飽和カルボン酸またはその無水物
をオレフィン系重合体(例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、オレフィンを
主体とする共重合体)に化学的に(例えば付加反応、グ
ラフト反応)結合させて得られる、カルボキシル基を含
有する変性オレフィン系重合体が挙げられる。具体的に
は無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレ
イン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グ
ラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無
水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合
体から選ばれた1種または2種の混合物が好適なものと
して挙げられる。またこれらの接着性樹脂にはポリアル
コールを本発明の効果が損なわれない範囲で混合するこ
とも可能である。
【0030】本発明の樹脂組成物層を少なくとも1層と
する積層体を得る方法は、特に限定はされないが、共押
出法、共射出法、サンドラミネーション法、溶液コーテ
ィング法、押出ラミネーション法、ドライラミネーショ
ン法等が挙げられる。共押出法においては、各樹脂層に
対応する押出機で溶融混練後、T−ダイ、サーキュラー
ダイ等の多層多重ダイスを通して所定の形状に押出す。
また、共射出法においては、各樹脂層に対応する射出機
で溶融混練後、金型中に射出し、多層の容器または容器
用のプリフォームを製造する。本発明の樹脂組成物は、
単層または積層体として通常の方法により加熱延伸によ
る二次加工が実施でき、加熱延伸多層構造体が得られ
る。ここで、本発明における加熱延伸多層構造体とは、
加熱延伸することにより得られるカップ、ボトルなどの
容器やシート、フィルム状物であり、また加熱とは該多
層構造体を加熱延伸に必要な温度に所定時間放置し、該
多層構造体が熱的にほぼ均一になるようにヒーター加熱
などにより操作する方法である。延伸操作とは熱的に均
一に加熱された多層構造体をチャック、プラグ、真空
力、圧空力などにより容器、カップ、ボトル、フィルム
状に均一に成形する操作をいう。なお、本発明におい
て、樹脂組成物の水分率については特に限定されるもの
ではない。このようにして得られた成形品は、一般食品
包装用、レトルト食品包装用、医薬品包装容器として好
適であり、さらには、燃料パイプおよびタンク、フロア
ーヒーティングパイプ、バッグインボックス、農業用フ
ィルムの使用においても好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれによって何ら限定を受けるもの
ではない。
【0032】実施例1 一酸化炭素−エチレン共重合体を還元して得たポリアル
コール{(I)式で示される反復単位96%、その他4
%からなり、極限粘度[η]0.8dl/g}85部
と、重量平均フレーク径が10μ、重量平均アスペクト
比が15、白色度95のタルク粉体15部をヘンシエル
ミキサー内で予備混合後、高速混合を実施して混合体を
得た。続いて、ニーディングタイプの二軸異方向連続押
出機を使用して混練押出ペレット化を実施して組成物の
ペレットを得た。
【0033】続いて、該ブレンドペレットを中間層とす
る3種5層の積層シートを、分岐したメルトチャンネル
を有した内外層用押出機、中間層用押出機および接着層
用押出機の分岐したメルトチャンネルを有した押出機の
組合せと、Tダイを用いて得た。成形に使用した樹脂は
中間層が前記ブレンドペレット、内外層はポリプロピレ
ン(三菱油化、ノーブレンPY220)、接着層は無水
マレイン酸で変性されたポリプロピレン(三井石油化
学、アドマーQF500)である。成形温度は中間層用
押出機170〜230℃、内外層用押出機200〜23
0℃、接着層用押出機200〜230℃、Tダイ230
℃である。積層シートの厚さ構成は外層/接着層/中間
層/接着層/内層として、50/10/20/10/5
0(μ)(P)および425/50/50/50/42
5(μ)(Q)であった。
【0034】フィルム(P)について、Modern
Control社製のOX−TRAN 2/20を使用
し、20℃で、65%RHおよび85%RHの条件下で
酸素透過量OTRを測定した。また、フィルム(Q)に
ついて、(株)浅野研究所製の真空圧空成形機を使用し
てこの多層シートの熱成形を190℃で実施し、底面が
半径33mm、上部開口部が半径37mmの円形で高さ
が37mmのカップ型容器を得た。カップはクラック、
偏肉などの延伸むらもなく外観も良好であった。結果を
表1に示す。
【0035】実施例2 ポリアルコールとタルクのブレンド割合を、表1に示す
割合で変えた以外は実施例1と同様にしてテストを実施
した。成形加工時に特に変化は認められなかった。結果
を表1中に示す。
【0036】比較例1 実施例1において、タルクをブレンドしなかった以外は
実施例1と同様にしてテストを実施した。結果を表1中
に示す。
【0037】比較例2〜3 実施例1において、タルクのブレンド比を変えた以外は
実施例1と同様にしてテストを実施した。結果を表1中
に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、ガスバリヤー性が高く
加熱延伸操作時にピンホール、クラック、局所的偏肉な
どがない加工性に優れた樹脂組成物、その製法、および
この組成物を少なくとも1層含む積層体および加熱延伸
多層容器を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素−エチレン系共重合体からな
    るポリケトンを還元した得たポリアルコール50〜99
    重量%と無機フィラー50〜1重量%とからなる樹脂組
    成物。
JP5884495A 1995-03-17 1995-03-17 樹脂組成物 Pending JPH08253676A (ja)

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JP5884495A JPH08253676A (ja) 1995-03-17 1995-03-17 樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6153714A (en) * 1998-03-31 2000-11-28 Cryovac, Inc. Regio-regular copolymer and methods of forming same
US6203923B1 (en) 1998-09-29 2001-03-20 Cryovac, Inc. Regio-regular functionalized polymeric packaging material
KR101867937B1 (ko) 2016-12-30 2018-06-15 주식회사 효성 내수성 및 내열성이 뛰어난 폴리케톤 조성물을 포함하는 수도용 볼 밸브
KR101867936B1 (ko) 2016-12-30 2018-07-17 주식회사 효성 치수안정성이 높은 폴리케톤 조성물을 포함하는 수도 파이프 캡

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