JPH08253548A - 水性組成物用のポリウレタンに基づく増粘剤 - Google Patents
水性組成物用のポリウレタンに基づく増粘剤Info
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- JPH08253548A JPH08253548A JP8037111A JP3711196A JPH08253548A JP H08253548 A JPH08253548 A JP H08253548A JP 8037111 A JP8037111 A JP 8037111A JP 3711196 A JP3711196 A JP 3711196A JP H08253548 A JPH08253548 A JP H08253548A
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- C08L75/04—Polyurethanes
Abstract
調製方法の提供。 【解決手段】 a)a1) C8〜30単官能性アルコール
またはアルキルフェノール30〜80モル%、 a2) NaOHかKOH2〜10モル%、 a3) 水10〜60モル%、 a4) 分子量が92〜600三価〜六価アルコール0〜1
0モル%からなる混合物を、エチレンオキシドまたはエ
チレンオキシドとアルキレンオキシドの全モル量に対し
て20モル%までのプロピレンオキシドとの混合物にて
アルコキシル化して得られるOH価が10〜30mgKOH/
g のポリエーテル成分〔a1) 〜a4) の%の合計は100
である〕を、 b)有機ジイソシアネート含有ポリイソシアネート成分
〔任意に前記ジイソシアネートを成分b)の全モル量に
対して20モル%までの二官能よりも多官能性のポリイ
ソシアネートと混合してもよい〕とNCO/OH当量比
0.9:1〜1.2:1で反応させる。
Description
した非常に有効なポリウレタンを容易に製造する方法、
この方法により得られるポリウレタン及びこのポリウレ
タンの増粘水性組成物への使用に関する。
行物に記載されている(例えば、ドイツ特許出願公開明
細書第1,444,243号、同第3,630,319
号、欧州特許出願公開明細書第0,031,777号、
同第0,307,775号、同第0,495,373
号、米国特許発明明細書第4,079,028号、同第
4,155,892号、同第4,499,233号また
は同第5,023,309号参照)。先行技術の増粘剤
は、通常、(i) 少なくとも50重量%の親水性セグメン
ト、(ii)多くとも10重量%の疎水性セグメント、及び
(iii) ウレタン基、を同時に含有するものである。この
増粘剤に含まれる「親水性セグメント」は、主に少なく
とも5個のアルキレンオキシド単位を鎖セグメントとし
て有するポリエーテル鎖であり、このアルキレンオキシ
ド単位のうち少なくとも60モル%がエチレンオキシド
単位であるものである。「疎水性セグメント」は、主に
少なくとも6個の炭素原子を有する炭化水素セグメント
である。
ように、充分なあるいは優れた増粘作用を有する増粘剤
は、以下の条件を満たす場合にのみ得られる。 (1) 任意に予め鎖長延長した親水性のポリエーテルセグ
メントが、少なくとも6,000、好ましくは10,0
00分子量単位の長鎖長を有するものでなければならな
い。 (2) 上記親水性ポリエーテルセグメントが、実質的にエ
チレンオキシドからなるものでなければならない。 (3) 疎水性セグメントが少なくとも12個の炭素原子を
有し、かつ少なくとも2個の鎖末端を有するものでなけ
ればならない。 (4) 親水性及び疎水性成分の含有比率が、それぞれ92
〜97重量%及び3〜8重量%でなければならない。増
粘剤は、また、できるだけ低い内部粘度(例えば10〜
50Pa.s/23℃)を有するものでなければならず、そ
の結果、適宜可能な最高濃度を有する溶液の状態で支障
なく処理(計量)することが可能になる。この要件によ
って、例えば長い親水性セグメントを比較的低分子量の
ポリエーテルジオールとジイソシイアネートとの鎖長延
長反応によって調製することができなくなる。これは、
ウレタン基の濃度が高くなる程、好ましくない粘度上昇
が起こるためである。
す親水性/疎水性ポリウレタンの合成は、文献から公知
の各種方法にて行うことができる。一つの方法では、分
子量が10,000〜20,000であり、少なくとも
二個の末端水酸基を有するポリエチレンオキシドに基づ
くポリエーテルを当量の脂肪族モノイソシアネート(C
12〜C24)と反応させる。この合成は比較的容易なよう
に思えるが、それでも欠点がいくつか挙げられる。膨大
な費用をかけないと従来のポリエーテルの工業生産では
得られないような分子量を有するポリエーテルが必要な
のである。このようなポリエーテルを製造するために
は、通常、先ず水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム
の濃縮溶液を添加してエチレングリコールまたはオリゴ
マー(ジ−、トリ−またはテトラエチレングリコール)
からアルコラート混合物を調製し、続いて慎重に脱水す
る。次いで、90〜150℃にてエチレンオキシドを添
加し、中過剰圧(moderate excess pressure)下にて重合
を行う。この種のポリエーテルを調製する際に、最終段
階での重合を経済的に妥当な速度で行うためには、20
%を越えるアルカリ、好ましくは50%を越えるアルカ
リでOH基を「カバー」することが必要である。これ
は、水酸基1モル当たり20%を越える、好ましくは5
0%を越えるアルカリ水酸化物を用いることに相当す
る。このような高率のカバーは、出発材料として用いら
れる低分子量ジオールのみの反応を引き起こし、所望の
高分子量(MW)ポリエーテルアルコールをわずか1〜
2重量%しか含まない攪拌困難な不均一混合物を形成す
る。
は、反応の進行に伴う大幅な体積変化、及びそれに伴う
反応熱の放散に係わる問題のため、実際には複数の段階
にて行われる。即ち、例えばアルカリによるカバーが低
い(例えば5〜10%)第一段階では、平均MWが40
0〜800のポリエチレンオキシドが生成する。アルカ
リによるカバーが高い(例えば10〜20%)第二段階
では、MWが2,000〜4,000のポリエーテルが
生成する。最終的に、アルカリによるカバーが20〜6
0%の第三段階で、所望の高分子量ポリエーテルが生成
する。多官能性出発材料(グリセリン、ペンタエリスリ
トール、ソルビトール)を使用する場合にも、同様の工
程が必要である。この方法は、反応時間、脱水工程の反
復及び分析技術に関して比較的費用がかさむため、結果
として高コストを招く。反応時間が長く、かつ中断を繰
り返すことにより、非官能性末端基(例えば、ビニル基
またはカルボニル基)を形成する副反応が助長される
(例えば、空気の流入等のため)。疎水性基を導入する
ために使用されるモノイソシアネートは、市場が限られ
た高価で特殊な物質である。ポリエーテルは絶対に水を
含んでいてはならない。これは、水が含まれていると、
増粘すべき水系中に濁りと沈殿を生じる長鎖尿素がモノ
イソシアネートから形成されてしまうためである。
を有する脂肪アルコールまたはアルキルフェノールのエ
トキシル化により、分子量が5000〜10,000の
単官能性ポリエーテルアルコールを調製し、次いでジイ
ソシアネートと反応させる。ポリエーテルの調製に伴う
上述の問題は、ここでも問題となる。出発材料として用
いられるアルコラート混合物は、最終的に得られるポリ
エーテルアルコールの量の約3〜6重量%に相当し、反
応の最終段階に要する触媒カバーを最初に行うことは不
可能である。アルコール/水酸化ナトリウム溶液混合物
から脱水によってアルコラートを調製する場合、面倒な
出発材料の水蒸気蒸留と、カラム及び蒸留装置の冷却装
置内での析出(固体物質の場合)とが問題となる。
られるポリエーテルアルコールとジイソシアネートとか
らNCOプレポリマーを合成し、続いて12〜24個の
炭素原子を有する脂肪アルコールまたはアルキルフェノ
ールと反応させる。この方法では、高価なモノイソシア
ネートは使用しない。しかし、ポリエーテルの調製に伴
う問題は回避することができない。さらに、反応性の異
なるNCO基を有するジイソシアネート(例えば、2,
4−トリレンジイソシアネート)を使用する場合にの
み、合成によって制御された構造が得られる。これ以外
の場合では、第一段階でジイソソイアネートのかなりの
部分が未反応のまま残存し、第二段階でモノアルコール
との反応により水に不溶のジウレタンが生成してしま
う。反応性の異なるイソシアネート基を有するジイソシ
アネートを使用しても、この難点を完全に回避すること
は難しい。ポリウレタン増粘剤は、自動車用被膜及び工
業用被膜、仕上塗料及びペイント、印刷インキ及び織物
染料、顔料捺染ペースト、医薬品及び化粧品、植物保護
配合物及び充填剤分散液といった水系の流動特性を調整
する添加物質として適している。公知のポリウレタン増
粘剤は数多くの用途を有するものの、その増粘作用はそ
の用途の多くで低すぎることがままあり、さらに上述し
たように公知の増粘剤は複雑かつ不経済な方法でしか得
られないのである。
は、水系の増粘剤として有用なポリウレタンをさらに容
易に調製する方法を提供することである。前記ポリウレ
タンは、特に低剪断条件下で、従来のものと少なくとも
同等の増粘作用を有するものである。低剪断力下での優
れた増粘作用は、水性ラテックス塗料の流動性を向上さ
せるためには特に必要である。本目的は、以下にさらに
詳細に記載する本発明の方法にて達成される。
の増粘剤に適したポリウレタンを調製する方法に関する
ものであり、前記方法は、 a)a1) 8〜30個の炭素原子を有する単官能性アルコ
ールまたはアルキルフェノール30〜80モル%、 a2) 水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム2〜10モ
ル%、 a3) 水10〜60モル%、及び a4) 分子量が92〜600の三価〜六価アルコール0〜
10モル%からなる混合物を、エチレンオキシドまたは
エチレンオキシドとアルキレンオキシドの全モル量に対
して20モル%までのプロピレンオキシドとの混合物に
てアルコキシル化して得られるOH価が10〜30mgKO
H/g のポリエーテル成分〔ここで、a1) 〜a4) の%の合
計は100である〕を、 b)少なくとも1種の有機ジイソシアネートを含有する
ポリイソシアネート成分〔任意に前記ジイソシアネート
を成分b)の全モル量に対して20モル%までの二官能
よりも多官能性のポリイソシアネートと混合してもよ
い〕とNCO/OH当量比0.9:1〜1.2:1で反
応させるものである。本発明は、本方法によって得られ
るポリウレタン及び、このポリウレタンを任意に他の増
粘剤と組み合わせて水系用増粘剤として使用することに
も関する。
数多くの利点を有する。 (1) ポリエーテルの調製の際に、最終段階で必要となる
量のアルカリ触媒を反応の開始時から用いることが可能
である。 (2) 添加した水とアルカリ水酸化物自体から生ずる水が
出発材料として作用するため、反応開始時の脱水による
アルコラートの調製を省略することが可能である。 (3) アルカリカバー率が比較的高いにもかかわらず、反
応開始時に初期混合物の固化が起こらない。 (4) 出発混合物の量が最終生成物の重量に対して約3重
量%であり、一段階ワンポット反応に充分な量である。 (5) 本発明の方法では、分子量の増加を伴う有機ジイソ
シアネートとの反応によって非常に有効なポリウレタン
増粘剤に転化可能なポリエーテル混合物が得られる。従
って、単官能性及び多官能性ポリエーテルアルコールを
別々に調製する必要がない。
は、成分a1) を30〜80モル%、好ましくは40〜7
5モル%、さらに好ましくは50〜70モル%、成分a
2) を2〜10モル%、好ましくは5〜9モル%、さら
に好ましくは6〜9モル%、成分a3) を10〜60モル
%、好ましくは15〜50モル%、さらに好ましくは2
0〜45モル%、並びに成分a4) を0〜10モル%、好
ましくは0〜8モル%、さらに好ましくは0〜5モル%
含有する。成分a1) は、8〜30、好ましくは10〜2
4、さらに好ましくは12〜22個の炭素原子を有する
単官能性アルコールまたはアルキルフェノールから選ば
れる。例としては、異性オクタノール、異性ノナノー
ル、異性デカノール、異性ドデカノール、異性テトラデ
カノール、異性ヘキサデカノール、異性オクタデカノー
ル、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物、並びに
各種商品名にて入手可能な同等の平均鎖長を有する工業
脂肪アルコール混合物等が挙げられる。さらに、異性オ
クチル−、異性ノニル−、異性デシル−、または異性ド
デシル−フェノール等のアルキルフェノールも例として
挙げられる。12〜18個の炭素原子を有する一価脂肪
族アルコール及びその混合物がさらに好適である。ステ
アリルアルコールが最も好適である。
化カリウムである。成分a3) は水である。成分a2) 及び
a3) は好ましくは組み合わせて、即ち、市販の濃縮アル
カリの状態である。成分a4) は、分子量が92〜60
0、好ましくは92〜400、さらに好ましくは92〜
200の三価〜六価アルコールから選ばれる。例として
は、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール及び/またはソルビトール等が挙げられる。
グリセリンまたはトリメチロールプロパンが好適であ
る。
ンオキシドはエチレンオキシドまたはエチレンオキシド
とアルキレンオキシドの全モル量に対して20モル%ま
でのプロピレンオキシドとの混合物である。アルキレン
オキシドは好ましくはエチレンオキシドのみである。ア
ルコキシル化反応を行うためには、先ず出発成分a1) 〜
a3) 及び任意にa4)から「出発混合物」を調製し、次い
で常法にてアルコキシル化を行う。アルキレンオキシド
は、例えば混合(攪拌)しながら連続的に添加すること
ができる。アルコキシル化反応は、過剰圧力、80〜1
50℃、好ましくは100〜120℃にて行うことがで
きる。アルコキシル化物のOH価が所望の10〜30、
好ましくは12〜26、さらに好ましくは15〜22mg
KOH/g となるように、共反応物の量比を調整する。反応
停止後、後処理を常法にて行う、即ち、例えば20%硫
酸を用いて触媒を中和する。触媒の中和にて生成した塩
を濾過により任意に除去した後、アルコキシル化物を使
用前に好ましくは真空(例えば、1〜10mbar、100
〜150℃)にて脱水する。実質的に化学量論量の酸に
て塩基性触媒の中和を行わなけらばならない一方(中和
後のpHは約6〜7)、中和により生成した塩を濾過に
て除去することは必ずしも必要というわけではない。こ
れは、中和により生成した塩の濃度が低いため、得られ
る生成物またはその用途に悪影響を及ぼさないからであ
る。
イソシイアネートから選ばれる。ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、1−イソシアナト−3,3,5
−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン
(IPDI)、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキ
シルメタン(HMDI)、2,4−ジイソシアナトトル
エン及び2,4−ジイソシアナトトルエンと混合物の重
量に対して35重量%までの2,6−ジイソシアナトト
ルエンとの混合物、4,4’−ジイソシアナトジフェニ
ルメタン及び4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタ
ンと2,4’−及び任意に2,2’−ジイソシアナトジ
フェニルメタンとの混合物、並びに前記ジイソシアネー
トの混合物等の市販のジイソシアネートが好適である。
イソシアネート成分b)は、ジイソシアネートの他に、
成分b)の全重量に対して20モル%までの二官能より
も多官能性のイソシアネートを含有することもできる。
多官能性イソシアネートには、アニリン/ホルムアルデ
ヒト縮合物のホスゲン化の際に、上述のジフェニルメタ
ン系のジイソシアネートと共に生成するジフェニルメタ
ン系の多官能性ポリイソシアネートが含まれる。多官能
性ポリイソシアネートには、特に、ウレタン基、アロフ
ァネート基、ビウレット基及び/またはイソシアヌレー
ト基を含有する公知のコーティングポリイソシアネー
ト、特にHDIに基づくものも含まれる。好ましくは、
イソシアネート成分b)は上述の脂肪族ポリイソシアネ
ートのみを含有する。イソシアネート成分b)としては
HDIが最も好適である。
タン酸スズまたはジラウリン酸ジブチルスズ等の触媒の
存在化で常法にて行う。反応は好ましくは溶剤を用いず
に60〜150℃、好ましくは80〜120℃にて、ほ
ぼ当量の出発成分を使用して行う(NCO/OH当量比
=0.9:1〜1.2:1、好ましくは0.95:1〜
1.1:1)。残存している微量の水による悪影響を相
殺するために、わずかに過剰のイソシアネートを用いる
ことができる。反応は、成分a)を60〜80℃にて容
器に投入し、次いで成分b)を同時に攪拌して行うこと
ができる。成分b)の添加と同時にまたは添加後に、反
応混合物の重量に対して0.05〜0.3重量%の触媒
を任意に加えることができる。100〜120℃にて反
応を続ける。通常3〜6時間で反応が終了する。反応終
了はIR分光法にて確認可能である。得られる生成物
は、通常、40〜80℃の温度範囲に軟化点または軟化
点範囲を有する無色〜黄色のワックスである。用途に合
わせて、本発明のポリウレタンと添加剤(配合剤、溶
剤、水、乳化剤または安定化剤等)とを混合して液状配
合物を形成するのが有利である。
ペースト及び顔料ペースト、充填剤分散液及び顔料分散
液等の水系または実質的な水系用の増粘剤として適して
いる。また、織物、皮革及び紙用の添加物質、石油製造
用の配合物、洗剤、接着剤、研磨用ワックスの配合物、
医薬品及び獣医薬品、植物保護配合物及び化粧品にも適
している。水を本発明のポリウレタン増粘剤にて増粘
し、次いでさらに添加剤と配合または水性配合物に添加
することも可能である。本発明の増粘剤は、ポリアクリ
レート、セルロース誘導体または無機増粘剤といった他
の増粘剤と混合して用いることもできる。本発明によっ
て増粘可能な水系の例としては、水性ポリアクリレート
分散液、オレフィン系不飽和モノマーからなる混合ポリ
マーの水性分散液、水性ポリ酢酸ビニル分散液、水性ポ
リウレタン分散液、水性ポリエステル分散液、及び特に
このような分散液に基づく上述の配合物が挙げられる。
は顆粒状態または任意に粉末状態で使用することもでき
る。しかしながら、本発明のポリウレタンの他に、水、
溶剤(ブチルジグリコール、イソプロパノール、酢酸メ
トキシプロピル、エチレングリコール及び/またはプロ
ピレングリコール等)、非イオン性乳化剤、界面活性剤
及び/または任意に他の添加剤を含む液状配合物を用い
るのが好ましい。これは、本発明の増粘剤を水系または
実質的な水系へかなり容易に混入することが可能なため
である。本発明による増粘剤の配合物は、特に好ましく
は固形分10〜80重量%、好ましくは30〜60重量
%、さらに好ましくは40〜50重量%の水溶液または
水性分散液である。所望の増粘性を得るために水系また
は実質的な水系へ添加する本発明の増粘剤の量は、その
用途に依存し、簡単な予備試験で求めることができる。
本発明の増粘剤の使用量は、通常、0.05〜10重量
%、好ましくは0.1〜4重量%、さらに好ましくは
0.1〜1重量%である。%は増粘剤の固形分及び増粘
されるべき水系の固形分に基づく。
説明する。本発明の増粘剤の活性(粘度)の評価及び無
水ポリウレタンの粘度測定は、市販の Haake回転粘度計
を使用して行った。分子量は全てアルコールの平均分子
量であり、OH含有量及びOH官能価から計算すること
ができる。特に記載がないかぎり、%は全て重量に基づ
くものである。
熱ジャケット、底部に馬蹄形攪拌機、及び還流凝縮器
(ブライン冷却−30℃)を備えた100リットルタン
ク中で溶融した。次いで50%KOH136.3g
(1.215モルKOH、3.785モルH2 O)を窒
素雰囲気下で添加し、混合物を2バールの過剰圧力下で
110〜115℃に加熱した。エチレンオキシド58,
730g(2.8%の過剰)を同温度で10時間にわた
って添加した。さらに2時間反応を続け、混合物を80
℃まで冷却し、20%H2 SO4 にてpHを6.5に調
整した。120℃/10ミリバールにて2時間水を留去
し、混合物をザイツフィルター(細孔径20μm )上で
圧搾した。OH価が18.5、75℃での粘度が330
mPa.s のほぼ無色のワックス(fp60℃)を得た。ポリ
エーテルは、単官能性(MW3000程度)及び二官能
性(MW6000程度)ポリオキシエチレンをモル比
2:1で混合した混合物に相当した。
囲気下にて溶融し、1ミリバール/120℃にて2時間
微量の水を除去した。ポリエーテルを80℃まで冷却
し、次いでヘキサメチレンジイソシアネート168g
(1モル)を添加して混合物を同温度で2時間攪拌し
た。ジオクタン酸スズ5gを添加した後、120℃でさ
らに2時間攪拌を続けた。以後、IR分光法でNCOは
検出されなくなった。生成物を金属プレート上に流し込
んだ。軟化点が65℃、75℃での粘度が250mPa.s
の淡黄色ワックスを得た。純粋なポリウレタンの粘度
(水溶液での粘度と異なる)は、粘度測定時に加わる剪
断力とは実質的に無関係であり、75℃にて測定した。
これは、以下に示す本発明の無水生成物の粘度データで
も同様である。
た。ポリウレタン配合物中に残存する残留水含有量
(0.01%)を、10%モル過剰のヘキサメチレンジ
イソシアネートを添加することで相殺した。最終生成物
の粘度はわずかに上昇し、75℃で280mPa.s を示し
た。
ポリエーテルをポリエーテルAと同様に調製した。
施例1と同様に調製し、反応完了後にプロピレングリコ
ール/水(重量比=6:4)に溶解して25%溶液を調
製した。
シアネート、一価及び二価ポリエーテルアルコールとの
モル比は同一)。
5,410g(20モル)を溶融し、50%KOH13
6.3gを窒素雰囲気下で添加した。10ミリバール、
105℃にて8時間にわたって水を留去してアルコール
をアルコラートに変換した。その際、ステアリルアルコ
ールが凝縮器内で析出した。次いで100℃、2Pa.sに
てエチレンオキシド55,000gを6時間にわたって
添加した。OH価は18.4であった。実施例1と同様
に後処理を行った。OH価が17.6のほぼ無色のワッ
クスを得た。
818g(7.29モル)をジエチレングリコール6,
360g(60モル)に添加し、脱水にてアルコラート
に変換した。次いでエチレンオキシド59.5kgを添加
し、さらに4時間反応させた。OH価は114であっ
た。次いでポリエーテル50.5kg(全体の約5/6)
を取り出し、空気を厳重に除去して貯蔵した。エチレン
オキシド50kgを残りのポリエーテル(全体の約1/
6)に添加し、ポリエーテルAの調製に用いた方法にな
らって重合を行った。同様に後処理を行った後、OH価
が17.8の黄色のワックスを得た。
増粘剤の調製 ポリエーテルa2 6,303g(1モル)を1mPa.s 、
120℃にて2時間慎重に脱水し、60℃に冷却した
後、2,4−トリレンジイソシアネート348g(2モ
ル)を添加した。同温度で6時間反応混合物を攪拌した
後、NCO含有量は1.25%(計算値1.26%)で
あった。次いで別に脱水した単官能性ポリエーテルa1
6,374g(2モル)を80℃で液体状態にて攪拌
し、混合物を80℃で3時間、120℃で3時間さらに
攪拌した。以後、IR分光法でNCOは検出されなくな
った。生成物を金属プレート上に取り出し、軟化点が6
7℃、75℃での粘度が3,000mPa.s の黄色ワック
スを得た。
した加工特性(例えば、沈降安定性、適用性、膜厚の厚
い被膜を形成する際の流動性及び安定性)を示すラテッ
クス塗料を調製した。本発明の増粘剤を用いて調製した
塗料の粘度及びその降伏価を1s-1、10s-1、104
s-1にて Haake粘度計を用いて測定した。
トに基づくラテックス艶塗料を調製した。
は、水性塗料用の増粘剤として向上した安定性を有して
いることが判明した。実施例6(使用実施例17)のポ
リウレタンが他の実施例に比べて低い増粘作用を示した
のは、他の実施例よりも短鎖の一価アルコールa1)(ド
デシルアルコール)を用いたためと考えられる。しかし
ながらこの欠点は、対応する塗料の特に好ましい流動性
にて相殺されている。
載してきたが、このような詳細は単に発明を明らかにす
るためのものにすぎず、当業者であれば、特許請求の範
囲で制限される範囲を除いて、本発明の思想及び範囲か
らはずれることのない様々な態様も実施可能である。
Claims (9)
- 【請求項1】 水性組成物用の増粘剤に適したポリウレ
タンを調製する方法であって a)a1) 8〜30個の炭素原子を有する単官能性アルコ
ールまたはアルキルフェノール30〜80モル%、 a2) 水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム2〜10モ
ル%、 a3) 水10〜60モル%、及び a4) 分子量が92〜600の三価〜六価アルコール0〜
10モル%からなる混合物を、エチレンオキシドまたは
エチレンオキシドとアルキレンオキシドの全モル量に対
して20モル%までのプロピレンオキシドとの混合物に
てアルコキシル化して得られるOH価が10〜30mgKO
H/g のポリエーテル成分〔ここで、a1) 〜a4) の%の合
計は100である〕を、 b)少なくとも1種の有機ジイソシアネートを含有する
ポリイソシアネート成分〔任意に前記ジイソシアネート
を成分b)の全モル量に対して20モル%までの二官能
よりも多官能性のポリイソシアネートと混合してもよ
い〕とNCO/OH当量比0.9:1〜1.2:1で反
応させることからなる上記方法。 - 【請求項2】 成分a1) が、12〜18個の炭素原子を
有する一価脂肪族アルコールまたはその混合物からなる
請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 成分b)が、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメ
タン、1−イソシアナト−3,3,5−イソシアナトメ
チルシクロヘキサン及びこれらの混合物からなる群から
選ばれる請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 成分b)が、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメ
タン、1−イソシアナト−3,3,5−イソシアナトメ
チルシクロヘキサン及びこれらの混合物からなる群から
選ばれる請求項2に記載の方法。 - 【請求項5】 水性組成物用の増粘剤に適したポリウレ
タンであって a)a1) 8〜30個の炭素原子を有する単官能性アルコ
ールまたはアルキルフェノール30〜80モル%、 a2) 水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム2〜10モ
ル%、 a3) 水10〜60モル%、及び a4) 分子量が92〜600の三価〜六価アルコール0〜
10モル%からなる混合物を、エチレンオキシドまたは
エチレンオキシドとアルキレンオキシドの全モル量に対
して20モル%までのプロピレンオキシドとの混合物に
てアルコキシル化して得られるOH価が10〜30mgKO
H/g のポリエーテル成分〔ここで、a1) 〜a4) の%の合
計は100である〕を、 b)少なくとも1種の有機ジイソシアネートを含有する
ポリイソシアネート成分〔任意に前記ジイソシアネート
を成分b)の全モル量に対して20モル%までの二官能
よりも多官能性のポリイソシアネートと混合してもよ
い〕とNCO/OH当量比0.9:1〜1.2:1で反
応させて調製される上記ポリウレタン。 - 【請求項6】 成分a1) が、12〜18個の炭素原子を
有する一価脂肪族アルコールまたはその混合物からなる
請求項5に記載のポリウレタン。 - 【請求項7】 成分b)が、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメ
タン、1−イソシアナト−3,3,5−イソシアナトメ
チルシクロヘキサン及びこれらの混合物からなる群から
選ばれる請求項5に記載のポリウレタン。 - 【請求項8】 成分b)が、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメ
タン、1−イソシアナト−3,3,5−イソシアナトメ
チルシクロヘキサン及びこれらの混合物からなる群から
選ばれる請求項6に記載のポリウレタン。 - 【請求項9】 請求項5に記載のポリウレタンを増粘剤
として含有する水性組成物。
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