JPH08252989A - 平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法

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JPH08252989A
JPH08252989A JP5754195A JP5754195A JPH08252989A JP H08252989 A JPH08252989 A JP H08252989A JP 5754195 A JP5754195 A JP 5754195A JP 5754195 A JP5754195 A JP 5754195A JP H08252989 A JPH08252989 A JP H08252989A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷機上で、非画像部の汚れやシャドー部の
つまりがなく、優れた保水性と優れた耐刷力によって、
高品質で安定した印刷物を得る。 【構成】 アルミニウム板の表面を機械的粗面化の後、
化学的エッチングした後、低濃度硝酸液中で直流電解す
る電解粗面化の後、アルカリエッチングを施し、続いて
低濃度硝酸液中で交流電解する電解粗面化の後、アルカ
リエッチングを施し、更に陽極酸化処理することを特徴
とする平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷版用アルミニ
ウム支持体の製造方法に関するものであり、特にブラシ
グレイニング工程を始めとする全工程に特徴を有する平
板印刷版用アルミニウム支持体の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】平版印刷法とは、水と油が本質的に混じ
り合わないことを利用した印刷方式であって、これに使
用される平版印刷版の印刷版面には水を受容して油性イ
ンキを反撥する領域(以下、この領域を「非画像部」と
いう。)と、水を反撥して油性インキを受容する領域
(以下、この領域を「画像部」という。)が形成され
る。平版印刷版に使用されるアルミニウム支持体は、そ
の表面が非画像部を担うように使用されるため、親水
性、保水性が優れていること、更にはその上に設けられ
る感光層との密着性が優れていること等といった相反す
る種々の性能が要求される。支持体の親水性が低い場
合、印刷時非画像部にインキが付着するようになり、い
わゆる地汚れが発生する。支持体の保水性が低い場合、
印刷時湿し水を多くしないとシャドー部のつまりが発生
する。したがって、いわゆる水幅が狭くなる。
【0003】これらの性能の良好なアルミニウム支持体
を得るためには、アルミニウム板の表面を砂目立てして
微細な凹凸を付与するのが通例である。この砂目立てに
は、ボールグレイニング、ブラシグレイニング、ワイヤ
ーグレイニング、ブラストグレイニングなどの機械的粗
面化方法、塩酸及び/又は硝酸を含む電解液中でアルミ
ニウム板を電解エッチングする電解粗面化方法および米
国特許第4,476,006号明細書に記載されている
機械的粗面化方法と電解粗面化方法を組み合わせた複合
粗面化方法などが知られている。これらの砂目立て方法
の中では、平版印刷版用支持体としての性能に優れ、か
つまた大量生産性に優れるという点からブラシグレイニ
ングによる砂目立て方法およびブラシグレイニングと電
解粗面化方法とを組み合わせた砂目立て方法が有利であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、ブラシグ
レイニングにより砂目立てしたアルミニウム支持体又は
ブラシグレイニングと電解粗面化方法とを組み合わせた
マルチグレニング方法により砂目立てしたアルミニウム
支持体は、依然として親水性、保水性、密着性が十分で
ない。すなわち、親水性を好ましい程度に向上させるに
は、粗面の凹凸をある程度浅く滑らかにする必要がある
が、そうすると支持体の保水量が低下するし感光層との
密着も悪くなる。逆に粗面の凹凸を深くすると、保水性
すなわち水幅は広くなり、さらに感光層との密着性は向
上するが、地汚れが発生する。近年、平版印刷業界は、
高速化と自動化が急速に進んでおり、さらに熟練作業者
が不足している現状において、非熟練者にも印刷し易く
かつ今以上の高品質で安定した平版印刷版、すなわち水
幅が広くかつ汚れにくい平版印刷版が待ち望まれてい
た。
【0005】したがって本発明の目的は、保水性が高い
ため湿し水を少なくしてもシャドー部がつぶれることな
く、汚れが発生しにくく、さらに感光層との密着性がよ
い感光性平版印刷版用支持体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム板表面
を順に、(a)機械的に粗面化し、(b)0.5〜30g/m
2 の範囲で化学的にエッチングし、(c)30〜100A
/dm2 の電流密度、10〜200クーロン/dm2
電気量で酸性水溶液中において直流電解粗面化し、(d)
0.5〜10g/m2 の範囲で化学的にエッチングし、
(e)10〜50A/dm2 の陽極時電流密度、100〜
500クーロン/dm2 の陽極時電気量で酸性水溶液中
において交流電解粗面化し、(f)塩基によって0.1〜
10g/m2 の範囲で化学的にエッチングし、(g)陽極
酸化処理して陽極酸化被膜を形成させることを特徴とす
る平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法、によっ
て上記の目的が達成されることを見い出し本発明をなす
に至ったものである。
【0007】以下に本発明の平版印刷版用アルミニウム
支持体の製造方法について詳しく述べる。本発明に使用
されるアルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニ
ウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板又はアル
ミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチック
フィルムの中から選ばれる。該アルミニウム合金に含ま
れる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシ
ウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなど
がある。合金中の異元素の含有量は10重量%以下であ
る。本発明に好適なアルミニウムは純アルミニウムであ
るが、完全に純粋なアルミニウムは精練技術上製造が困
難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その
組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素
材のもの、例えばJIS A 1050、JIS A
1100、JIS A 3103、JIS A 300
5などを適宜利用することが出来る。本発明に用いられ
るアルミニウム板の厚みは、およそ0.1mm〜0.6
mm程度である。
【0008】まずアルミニウム板をブラシグレイニング
するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するた
めの脱脂処理、例えば界面活性剤、有機溶剤またはアル
カリ性水溶液などによる脱脂処理が行なわれる。但し、
程度によって脱脂処理は省略することが出来る。該グレ
イン時、図1に示すように、アルミニウム板1をはさん
でロール状ブラシ2及び4と、それぞれ二本の支持ロー
ル5、6及び7,8は互いの外面の最短距離がロール状
ブラシ2及び4の外径よりそれぞれ小なるように配置さ
れ、アルミニウム板1がロール状ブラシ2及び4により
加圧され、2本の支持ロール5、6及び7、8の間に押
し入れられる様な状態でアルミニウム板を一定速度で搬
送し且つ研磨スラリー液3をアルミニウム板上に供給し
てロール状ブラシを回転させることにより表面を研磨す
ることが好ましい。
【0009】本発明に用いられるブラシは、ロール状の
台部にナイロン、ポリプロピレン、動物毛、あるいは、
スチールワイヤ等のブラシ材を均一な毛長及び植毛分布
をもって植え込んだもの、台部に小穴を開けブラシ毛束
を植え込んだもの、又、チャンネルロール型のものなど
が好ましく用いられる。その中でも好ましい材料はナイ
ロンであり、好ましい植毛後の毛長は10〜200mm
である。なおブラシロールに植え込む際の植毛密度は1
cm2 当り30〜1000本が好ましく、さらに好まし
くは50〜300本である。
【0010】このようにアルミニウム板をブラシグレイ
ニングした後、次いで、アルミニウム板の表面を化学的
にエッチングしておくことが好ましい。この化学的エッ
チング処理は、ブラシグレイニング処理されたアルミニ
ウム板の表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑など
を取り除く作用を有し、その後に施される電気化学的な
粗面化をより均一に、しかも効果的に達成させることが
できる。かかる化学的エッチング方法の詳細は、より具
体的に説明すると、アルミニウムを溶解し得る溶液、よ
り具体的には酸または塩基の水溶液へ浸漬する方法であ
る。上記の酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗酸、燐
酸、硝酸、塩酸などが含まれ、上記の塩基としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三燐酸ナトリウ
ム、第三燐酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、メタ珪
酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが含まれる。これら
の内でも特に後者の塩基の水溶液を使用する方がエッチ
ング速度が早いので好ましい。化学的エッチングは、こ
れ等の酸またはアルカリの0.05〜40重量%水溶液
を用い40℃〜100℃の液温において5〜300秒処
理するのが一般的である。上記化学的エッチングを、塩
基の水溶液を用いて行なった場合には、一般にアルミニ
ウムの表面にスマットが生成するので、この場合には、
燐酸,硝酸,硫酸,クロム酸またはこれらの内の2以上
の酸を含む混酸で処理する。所謂デスマット処理を施す
ことが好ましい。
【0011】引き続き、アルミニウム表面を電気化学的
に粗面化処理する。この電気化学的な粗面化法としては
塩酸または硝酸電解液中で直流により行うものである。
塩酸、または硝酸の濃度は0.01〜3重量%の範囲で
使用することが好ましく、0.05〜2.5重量%であ
れば更に好ましい。また、この電解液には必要に応じて
硝酸塩、塩化物、モノアミン類、ジアミン類、アルデヒ
ド類、リン酸、クロム酸、ホウ酸、シュウ酸アルミニウ
ム塩類等の腐食抑制剤(または安定化剤)、砂目の均一
化剤などを加えることができる。また電解液中には、適
当量(1〜10g/l)のアルミニウムイオンを含んで
いてもよい。電解液の温度は通常10〜60℃で処理さ
れる。この際に使用される直流電流は、連続、パルスで
も用いることができる。また電流密度は、30〜100
A/dm2 で、10〜200クーロン/dm2 処理する
ことが望ましい。前工程までに作られた平均径10〜1
2μmのピットの上に、この工程で平均径3〜8μmの
ピットを生成させ、保水性、耐刷性を向上させることが
できる。
【0012】次に直流電解粗面化によってできた平均径
3〜8μmのビットに付着したすまっとを除去すると共
に、その後に施される電気化学的な粗面化をより均一
に、しかも効果的に行うために、化学的エッチングを行
うが、かかる化学的エッチング方法の詳細は、米国特許
第3,834,998号明細書に記されている。より具
体的に説明すると、アルミニウムを溶解し得る溶液、よ
り具体的には酸または塩基の水溶液へ浸漬する方法であ
る。上記の酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗酸、燐
酸、硝酸、塩酸などが含まれ、上記の塩基としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三燐酸ナトリウ
ム、第三燐酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、メタ珪
酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが含まれる。これら
の内でも特に後者の塩基の水溶液を使用する方がエッチ
ング速度が早いので好ましい。化学的エッチングは、こ
れ等の酸またはアルカリの0.05〜40重量%水溶液
を用い40℃〜100℃の液温において5〜300秒処
理するのが一般的である。上記化学的エッチングを塩基
の水溶液を用いて行なった場合には、一般にアルミニウ
ムの表面にスマットが生成するので、この場合には、燐
酸、硝酸、硫酸、クロム酸またはこれらの内の2以上の
酸を含む混酸で処理する、所謂デスマット処理を施すこ
とが好ましい。
【0013】引き続き、アルミニウム表面を電気化学的
に粗面化処理する。電気化学的な粗面化法としては塩酸
または硝酸電解液中で交流により行う方法である。ま
た、特開昭54−63902号公報に開示されているよ
うに直流と交流とを組み合わせた方法も利用することが
出来る。塩酸、または硝酸の濃度は0.01〜3重量%
の範囲で使用することが好ましく、0.05〜2.5重
量%であれば更に好ましい。また、この電解液には必要
に応じて硝酸塩、塩化物、モノアミン類、ジアミン類、
アルデヒド類、リン酸、クロム酸、ホウ酸、シュウ酸ア
ルミニウム塩等の腐食抑制剤(または安定化剤)、砂目
の均一化剤などを加えることが出来る。また電解液中に
は、適当量(1〜10g/l)のアルミニウムイオンを
含んでいてもよい。電解液の温度は通常10〜60℃で
処理される。この際に使用される交流電流は、正負の極
性が交互に交換されたものであれば、矩形波、台形波、
正弦波いずれのものも用いることができ、通常の商用交
流の単相及び三相交流電流を用いることができる。また
電流密度は、5〜100A/dm2 で、10〜300秒
間処理することが望ましい。この工程で1〜2μmのビ
ットを生成させることで、保水性、耐刷性に加え、汚れ
防止性を向上させる作用がある。
【0014】このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じて10〜50%の熱硫酸(40〜60
℃)や希薄なアルカリ(水酸化ナトリウム等)により表
面に付着したスマットが除去されるのが好ましい。アル
カリで除去した場合は、引き続いて洗浄のため酸(硝酸
または硫酸)に浸漬して中和する。
【0015】次に、表面の保水性や耐摩耗性を高めるた
めに陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸
化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を形
成するものならばいかなるものでも使用することがで
き、一般には硫酸,リン酸,シュウ酸、クロム酸あるい
はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は
電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処理
条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し
得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶
液、液温は5〜70℃,電流密度1〜60A/dm2
電圧1〜100V,電解時間10秒〜5分の範囲にあれ
ば適当である。硫酸法は通常直流電流で処理が行われる
が、交流を用いることも可能である。硫酸の濃度は5〜
30%で使用され、20〜60℃の温度範囲で5〜25
0秒間電解処理される。この電解液には、アルミニウム
イオンが含まれている方が好ましい。さらにこのときの
電流密度は1〜20A/dm2 が好ましい。リン酸法の
場合には、5〜50%の濃度、30〜60℃の温度で1
0〜300秒間、1〜15A/dm2 の電流密度で処理
される。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2 以上が好適
であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2 の範
囲である。陽極酸化皮膜が1.0g/m2 より少ないと
耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷
が付き易くなって、印刷時には傷の部分にインキが付着
するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0016】陽極酸化処理を施された後、アルミニウム
表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用
される親水化処理としては、米国特許第2,714,0
66号,同第3,181,461号,同第3,280,
734号および同第3,902,734号各明細書に開
示されているようなアルカリ金属シリケート(例えば珪
酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法に於いては、
支持体が珪酸ナトリウム水溶液中で浸漬処理されるかま
たは電解処理される。他に、特公昭36−22063号
公報に開示されている弗化ジルコン酸カリウムおよび米
国特許第3,276,868号,第4,153,461
号および第4,689,272号各明細書に開示されて
いるようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが
用いられる。また、砂目立て処理及び陽極酸化後、封孔
処理を施したものも好ましい。かかる封孔処理は熱水及
び無機塩または有機塩を含む熱水溶液への浸漬ならびに
水蒸気浴などによって行われる。
【0017】平版印刷版用アルミニウム支持体は上記表
面処理が行なわれた後に下塗りを行い感光層が塗布され
る。有機下塗層、感光層については、特開平6−135
175号公報に開示されているものを使用することがで
きる。
【0018】
【実施例】
(実施例−1)厚さ0.24mmのJIS A 105
0アルミニウム板を、ナイロンブラシと平均粒径約21
μのパミストンと水の懸濁液を用いてブラシグレイニン
グ処理し、引き続きよく水洗した後、26重量%水酸化
ナトリウムに60℃で35秒間浸漬してエッチングし、
さらに流水で水洗後30%硫酸で中和洗浄、水洗した。
これらを、表1に示す条件で直流電解粗面化処理を行っ
た。水洗した後、引き続いて26重量%水酸化ナトリウ
ムに60℃で15秒間浸漬してエッチングし、さらに流
水で水洗後30%硫酸で中和洗浄、水洗をした。これら
を、台形波の交流波形電流(図2)を用いて、1%硫酸
水溶液中で160クーロン/dm2 の陽極時電気量で電
解粗面化処理を行った。引き続いて5重量%水酸化ナト
リウム水溶液に35℃、40秒浸漬後、30%硫酸水溶
液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した
後、20%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2 におい
て1.6g/dm2 の酸化皮膜重量になるように直流で
陽極酸化し、基板を作成した。
【0019】このように処理された基板の表面に下記組
成の下塗り液を塗布し、80℃、30秒間乾燥した。乾
燥後の被覆量は30mg/m2 であった。 (下塗液処法) アミノエチルホスホン酸 0.10g フェニルホスホン酸 0.15g β−アラニン 0.10g メタノール 40g 純 水 60g このようにして基板を作製した。
【0020】次にこの基板上に次の感光液を塗布し、1
10℃で1分間乾燥してポジ型感光性平版印刷版を得
た。乾燥後の塗布量は1.7g/m2 であった。 (感光液) 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国特 許第3,635,709号明細書の実施例1に記載され ているもの) 0.45g クレゾール−ホルムアルデヒドノポラック樹脂(メタ,パ ラ比;6対4、重量平均分子量3,000、数平均分子 量1,100、未反応のクレゾールを0.7%含有) 1.1g m−クレゾール−ホルムアルデヒドノポラック樹脂(重量 平均分子量1,700、数平均分子量600、未反応の クレゾールを1%含有) 0.3g ポリ(N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルア ミド−コーノルマルブチルアクリレート−コージエチレ ングリコールモノメチルエーテルメタクリレート)特願 平3−311241号公報に記載さているもので、各モ ノマーのモル比は順に40:40:20、重量平均分子 量40,000、数平均分子量20,000) 0.2g p−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂 (米国特許第4,123,279号明細書に記載されて いるもの) 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロラ イド 0.01g テトラヒドロ無水フタル酸 0.1g 安息香酸 0.02g 4−(p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)ア ミノフェニル)−2,6−ビス(トリクロロメチル)− S−トリアジン 0.01g 4−(p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェ ニル)−2,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリ アジン 0.02g 2−トリクロロメチル−5−(4−ヒドロキシスチリル) −1,3,4−オキサジアゾール 0.01g ビクトリアピュアブル−BOHの対アニオンを1−ナフタ レンスルホン酸にした染料 0.02g モディバー−F−200(日本油脂(株)製フッ素系界面活性 剤、30重量%のメチルエチルケトンとメチルイソブチ ルケトン混合溶剤溶液) 0.06g メガファックF177(大日本インキ化学工業(株)製フッ素 系界面活性剤、20重量%のメチルイソブチルケトン溶 液) 0.02g メチルエチルケトン 15g 1−メトキシ−2プロパノール 10g
【0021】この様にして塗布された感光層の上に特公
昭61−28986号公報実施例1に記載の方法にもと
ずいて、(メチルメタクリレート/エチルアクリレート
/アクリル酸ソーダ=68/20/12)の共重合体水
溶液を静電スプレーすることによりマット層を設けた。
【0022】このようにして作られた感光性平板印刷版
を、真空焼枠中で、透明ポジティブフィルムを通して1
mの距離から3kwのメタルハライドランプにより、5
0秒間露光を行なったのち、現像液としてSiO2 /N
2 Oのモル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26
%水溶液(pH=12.7)を、リンス液として富士写
真フィルム(株)製FR−3(1:7)を仕込んだ富士
写真フィルム(株)製自動現像スタブロン900Dに通
して処理した。この平版印刷版を1日放置後、印刷評価
した。印刷機はハリス オーレリア A−125を、湿
し水は富士写真フィルム(株)製EU−3(1:10
0)を、インキは東洋インキ(株)製マークファイブニ
ュー墨を用いた。
【0023】印刷機上で湿し水を絞って非画像部のイン
キの汚れ方を目視で観察して、A・・・優、B・・・
良、C・・・やや不良、D・・・不良、で評価した。シ
ャドー部のツマリに関しては、湿し水を絞った時2%の
網点が開いているかどうかで判断した。なおツマリの程
度は以下の表示で示す。 A・・・完全に開いている。 B・・・ほぼ開いてい
る C・・・ややつまっている D・・・つぶれている なお汚れ、シャドー部のツマリ共、好ましい印刷物が得
られるのはB以上のレベルである。その結果、本発明の
製造方法により作られた支持体を使用した平板印刷版は
地汚れが発生しにくくかつ、湿し水を少なくしてもシャ
ドー部のつまりが発生しなかった。なお10万枚印刷し
ても良好な印刷物が得られた。結果をまとめて表1に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】(比較例−1)直流電解粗面化処理を行わ
ない他は、実施例−1と同様に処理した。処理工程及び
結果を表1に示す。表1に示すように本発明の実施例
〜で示される支持体を用いた平版印刷版は比較例〜
のものと比べて地汚れしにくく、シャドー部のつまり
が発生せず、良好な性能を示した。
【0026】
【発明の効果】本発明のブラシグレイニング処理したア
ルミニウム支持体を用いたPS版から作製された印刷版
は印刷機上で、地汚れやシャドー部のつまりが発生しに
くいため、非熟練者にも印刷しやすく、かつ従来のもの
より高品質で安定した印刷物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程の一部であるブラシグレインの一
実施例の側面図
【図2】本発明に用いる交流電解粗面化時の台形波電流
の一実施例の波形図
【符号の説明】 1・・・アルミニウム板 2・・・第1ブラシロール 3・・・研磨スラリー液供給装置 4・・・第2ブラシロール 5、6、7、8・・・支持ロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板の表面を順に、 (a)機械的に粗面化し、 (b)0.5〜30g/m2 の範囲で化学的にエッチング
    し、 (c)30〜100A/dm2 の電流密度、10〜200
    クーロン/dm2 の電気量で酸性水溶液中において直流
    電解粗面化し、 (d)0.5〜10g/m2 の範囲で化学的にエッチング
    し、 (e)10〜50A/dm2 の陽極時電流密度、100〜
    500クーロン/dm2 の陽極時電気量で酸性水溶液中
    において交流電解粗面化し、 (f)塩基によって0.1〜10g/m2 の範囲で化学的
    にエッチングし、 (g)陽極酸化処理して陽極酸化被膜を形成させることを
    特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方
    法。
JP05754195A 1995-03-16 1995-03-16 平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 Expired - Fee Related JP3522881B2 (ja)

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