JPH1030200A - アルミニウム板の粗面化方法 - Google Patents

アルミニウム板の粗面化方法

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JPH1030200A
JPH1030200A JP18938496A JP18938496A JPH1030200A JP H1030200 A JPH1030200 A JP H1030200A JP 18938496 A JP18938496 A JP 18938496A JP 18938496 A JP18938496 A JP 18938496A JP H1030200 A JPH1030200 A JP H1030200A
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aqueous solution
aluminum plate
aluminum
roughening
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JP18938496A
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Atsuo Nishino
温夫 西野
Yoshitaka Masuda
義孝 増田
Akio Uesugi
彰男 上杉
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅成分を多く含有するアルミニウム材でもそ
の表面に均一なハニカムピットを形成できるアルミニウ
ム板の粗面化方法を提供する。 【解決手段】 硝酸を主体とする水溶液中で、アルミニ
ウム板を交流を用いて電気化学的に粗面化を行う方法に
おいて、電気化学的な粗面化に用いる交流の1サイクル
が、 アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反
応時間tcとの比(tc/ta)が1〜20、 アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード
時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、 アノード反応時間taが5〜1000msec、 であることを特徴とするアルミニウム板の粗面化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板の
電気化学的な粗面化方法に関するものである。特に、銅
を0.1wt%以上含有するアルミニウム板表面に、均
一なハニカムピットを形成させるのに好適な粗面化方法
に関する。本発明の粗面化方法により電気化学的な粗面
化を施したアルミニウム板を、更に陽極酸化処理・親水
化処理等を施すことにより、平版印刷版用アルミニウム
支持体を製造することができる。また、本発明の粗面化
方法は、塗装などの樹脂の被覆を形成させる前の下地処
理として用いることもできる。更に、機械的な粗面化や
化学的なエッチングと組み合わせて、平版印刷版用アル
ミニウム支持体の製造や塗装などの下地処理に好適な方
法を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来から金属板表面に、その深さや分布
を制御しながら均一な形状の凹凸を形成して表面積を増
加させ、被覆層の密着性や、表面の保水性を向上させる
方法が試みられている。そのひとつとして、機械的な粗
面化、化学的なエッチング、電気化学的な粗面化の1つ
以上を組み合わせた処理を施す方法が知られている。特
に、平版印刷版用アルミニウム支持体として好適な表面
形状を得る方法として硝酸または塩酸を主体とする水溶
液中で、交流または直流を用いた電気化学的な粗面化方
法が実用化されている。
【0003】交流を用いた電気化学的な粗面化で均一な
ハニカムピットを生成する方法として、特公平5−65
360号公報に記載された方法が知られている。前記公
報には、アルミニウム板のカソード時の電気量Qcとア
ノード時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が1〜2.
5の範囲であることが好適であり、2.5以上にすると
均一な砂目が形成されず、エネルギー効率が低下するこ
とが記載されている。また特開昭55−137993号
公報には、(Qc/Qa)が0.3〜0.95が好適で
あると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に記載の粗面化方法は、不純物の多い(特に銅を0.
1wt%以上含有)アルミニウム板や、銅などの金属間
化合物が偏析したり、結晶方向の局部的な不揃いなど、
電気化学的な粗面化を均一に行うことができない欠陥を
有するアルミニウム板には、均一なハニカムピットを生
成することが困難であった。
【0005】また、最近エネルギー資源の有効活用から
汎用材料の利活用が望まれており、平版印刷版用アルミ
ニウム支持体も例外でなく、従来用いられていたアルミ
ニウムの純度が高いJIS A 1050材に代えて、
缶材やフィン材として用いられているJIS A 30
04材やJIS A 1100材を用いることが望まま
れている。しかしながら、JIS A 3004材やJ
IS A 1100材は不純物が多く、特に銅成分が多
く含まれているために、上述したように平版印刷版用ア
ルミニウム支持体として好適な均一なハニカムピットを
有する粗面化を安定的に行うことができなかった。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、銅成分を多く含有するアルミニウム材でもそ
の表面に均一なハニカムピットを形成できるアルミニウ
ム板の粗面化方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
係る下記の粗面化方法により達成される。 (1)硝酸を主体とする水溶液中で、アルミニウム板を
交流を用いて電気化学的に粗面化を行う方法において、
電気化学的な粗面化に用いる交流の1サイクルが アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反
応時間tcとの比(tc/ta)が1〜20、 アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード
時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、 アノード反応時間taが5〜1000msec、 であることを特徴とするアルミニウム板の粗面化方法。 (2)粗面化されるアルミニウム板が、銅を0.1wt
%以上含有していることを特徴とする前記(1)記載の
アルミニウム板の粗面化方法。 (3)電気化学的な粗面化に用いる交流として、波形の
立ち上がり時間tpが1msec以上の台形波交流を用
いることを特徴とする前記(1)記載のアルミニウム板
の粗面化方法。 (4)アルミニウム板を順に (a)機械的な粗面化処理 (b)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (c)硝酸を主体とする水溶液中で、1サイクルが、 アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反
応時間tcとの比(tc/ta)が1〜20、 アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード
時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、 アノード反応時間taが5〜1000msec、 である交流を用いた電気化学的な粗面化処理 (d)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (e)陽極酸化処理 を行うことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
体の粗面化方法。 (5)アルミニウム板を順に (a)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (b)硝酸を主体とする水溶液中で直流を用いた電気化
学的な粗面化処理 (c)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (d)硝酸を主体とする水溶液中で、1サイクルが、 アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反
応時間tcとの比(tc/ta)が1〜20、 アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード
時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、 アノード反応時間taが5〜1000msec、 である交流を用いた電気化学的な粗面化処理 (e)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (f)陽極酸化処理 を行うことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
体の粗面化方法。 (6)アルミニウム板を順に (a)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (b)硝酸を主体とする水溶液中で、1サイクルが、 アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反
応時間tcとの比(tc/ta)が1〜20、 アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード
時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、 アノード反応時間taが5〜1000msec、 である交流を用いた電気化学的な粗面化処理 (c)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (d)陽極酸化処理 を行うことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
体の粗面化方法。 (7)前記(4)、(5)または(6)に記載された粗
面化方法により処理されたアルミニウム板を、更に陽極
酸化処理した後に親水化処理を行うことを特徴とする平
版印刷版用アルミニウム支持体の粗面化方法。
【0008】本発明によれば、アルミニウム板、特に銅
を0.1wt%以上含有しているアルミニウム板でもそ
の表面に均一なハニカムピットを生成することができ
る。
【0009】
【発明の実施の態様】以下、本発明の粗面化方法に関し
て詳細に説明する。本発明が対象とするアルミニウム板
は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分として微
量の異元素を含む合金板、またはアルミニウムがラミネ
ートまたは蒸着されたプラスチックフィルムの中から選
ばれる。該アルミニウム合金に含まれる異元素には、珪
素、鉄、ニッケル、マンガン、銅、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、ビスマス、チタン、バナジウムなどがある。
通常はアルミニウムハンドブック第4版(1990、軽
金属協会)に記載の、従来より公知の素材のもの、例え
ばJIS A 1050材、JIS A 3103材、
JIS A 3005材、JIS A 1100材、J
IS A 3004材または引っ張り強度を増す目的で
これらに5wt%以下のマグネシウムを添加した合金を
用いることが出来る。尚、以降の説明において、上記の
アルミニウム合金板やラミネート板を含めてアルミニウ
ム板と呼ぶことにする。
【0010】上記アルミニウム板は通常のDC鋳造法に
よるアルミニウム板の他、連続鋳造圧延法により製造さ
れたものでも良い。連続鋳造圧延の方法としては双ロー
ル法、ベルトキャスター法、ブロックキャスター法など
を用いることができる。本発明に用いられるアルミニウ
ム板の厚みも特に制限されるものではなく、使用目的に
応じて適宜設定された厚さで構わない。例えば平版印刷
版用支持体として使用する場合には、およそ0.1〜
0.6mm程度である。
【0011】本発明の交流を用いた電気化学的な粗面化
に用いる装置は、アルミニウムを初めとする金属ウェブ
の連続的表面処理に使用する公知のものがいずれも適用
できる。即ち、陽極並びに陰極とを備え、電解液を貯留
した電解槽中で、交流電流をを供給しながらアルミニウ
ム板を陽極と陰極とを交互に通過させる構成の装置を用
いて行われる。電解槽は、縦型、フラット型、ラジアル
型など公知の表面処理に用いる電解槽が使用可能である
が、特開平5−195300号公報に記載のようなラジ
アル型電解槽が特に好ましい。また、電解槽内を通過す
る電解液は、アルミニウム板の進行とパラレルでもカウ
ンターでもよい。ひとつの電解槽には、1個以上の交流
電源が接続することができる。
【0012】本発明でいう硝酸を主体とする水溶液は、
通常の交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるも
のを使用でき、1〜100g/lの濃度の硝酸水溶液
に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニ
ウム、等の硝酸イオン、塩化アルミニウム、塩化ナトリ
ウム、塩化アンモニウム、等の塩酸イオンを有する塩酸
または硝酸化合物の1つ以上を1g/l〜飽和濃度まで
添加して使用することができる。また、この硝酸を主体
とする水溶液中には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チ
タン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に
含まれる金属が溶解していてもよい。好ましくは、硝酸
0.5〜2wt%水溶液中にアルミニウムイオンが3〜
50g/lとなるように塩化アルミニウム、硝酸アルミ
ニウムを添加した液を用いることが好ましい。液温は1
0〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。
【0013】上記硝酸を主体とした水溶液中での電気化
学的な粗面化では、平均直径0.5〜3μmのピットが
1×105 〜6×106 個/mm2 の割合でピットが生
成していることが好ましい。但し、電気量を比較的多く
した時は、電解反応が集中し、3μmを越えるハニカム
ピットも生成する。
【0014】本発明の粗面化方法は、電気化学的な粗面
化に用いる交流の1サイクルの条件が、図1に模式的に
示されるように、アルミニウム板のアノード反応時間t
aとカソード反応時間tcとの比(tc/ta)が1〜
20、アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノ
ード時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、
アノード反応時間taが5〜1000msec、の範囲
にあることを特徴とする。ここで、前記(tc/ta)
は2.5〜15であることがより好ましく、前記(Qc
/Qa)は2.5〜15であることがより好ましい。
【0015】アルミニウム板表面に均一なハニカムピッ
トを生成させるためには、アルミニウム板表面の酸化皮
膜の分布と水酸化アルミニウムを主体とするスマットの
生成され方のバランスが重要になってくる。酸化皮膜の
分布は、アルミニウム板のアノード反応の時のピッティ
ング反応の開始点の分布を意味する。スマットの生成の
され方は、一度ピッティング反応が起こった部分に再度
ピッティング反応が起こることを阻止し、ハニカムピッ
トを分散するうえで重要な役割を担っている。スマット
は、アルミニウム板がアノード反応の時も反応が起きて
いる界面近傍のアルミニウムイオン濃度がリッチにな
り、水酸化アルミニウムとなって析出する。また、アル
ミニウム板がカソード反応の時に水素ガスが発生し、界
面のPHがアルミニウム析出領域となって析出する。ま
た、スマットは特にカソード反応の直前のアノード反応
でピッティングが行われた部分に析出し易く、ピットに
ふたをするような形で生成するため、その部分には電流
が流れにくく、電流を集中させない役目をする。電気化
学的な粗面化が終了したアルミニウム板の表面には0.
8g/m2 以上の水酸化アルミニウムを主体とするスマ
ットが生成されている時、平均直径0.5〜3μmのハ
ニカムピットが均一に分散している。
【0016】上記した交流1サイクルの条件において、
(tc/ta)が1未満であると、アルミニウム板のア
ノード反応で生成した酸化皮膜の溶解による、ピッティ
ング反応の開始点が少なくなり、均一なハニカムピット
が生成できなくなる。他方、(tc/ta)が20より
大きいと、アルミニウム板のアノード反応で生成した酸
化皮膜が溶解されすぎ、ピッティング反応の開始点が多
くなりすぎ、均一なハニカムピットが生成されず、表面
積が増えなくなる。また、(Qc/Qa)が2未満であ
ると、アルミニウム板のアノード反応で生成した酸化皮
膜の溶解による、ピッティング反応の開始点が少なくな
り、均一なハニカムピットが生成できなくなる。他方、
(Qc/Qa)が20より大きいと、アルミニウム板の
アノード反応で生成した酸化皮膜が溶解されすぎ、ピッ
ティング反応の開始点が多くなりすぎ、均一なハニカム
ピットが生成されず、表面積が増えなくなる。
【0017】また、上記の交流は、その波形がサイン
波、矩形波、台形波、三角波などのものを用いることが
できるが、矩形波または台形波が好ましく、台形波が特
に好ましい。台形波において、電流が0からピークに達
するまでの時間tpは1msecが好ましく、特に1〜
10msecが好ましい。電源回路のインピーダンスの
影響のため、tpが1msec未満であると電流波形の
立ち上がり時に大きな電源電圧が必要となり、電源の設
備コストが高くなる。10msecより大きくなると、
ある一定の電気量を加えるための時間が長くかかり、電
気化学的な粗面化に用いる設備の大型化につながり、設
備コストがかさむ。
【0018】また、電流密度は、台形波のピーク値で電
流のアノードサイクル側Ia、カソードサイクル側Ic
ともに10〜200A/dm2 が好ましい。また、それ
らの比(Ic/Ia)は0.3〜20の範囲にあること
が好ましい。電気化学的な粗面化が終了した時点でのア
ルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和は
10〜1000C/dm2 が好ましく、100〜600
C/dm2 が特に好ましい。
【0019】本発明の粗面化方法は、機械的な粗面化、
化学的なエッチング、陽極酸化処理、親水化処理などの
うち1つ以上と組み合わせて表面処理することにより、
平版印刷版用支持体として好適な表面を有するアルミニ
ウム板を得ることができる。以下に、本発明の粗面化方
法を併用した平版印刷版用アルミニウム支持体の製造工
程を説明する。
【0020】[製造工程−その1]アルミニウム板を下
記の(a)〜(e)の順に処理する。 (a)機械的な粗面化処理:毛径が0.2〜0.9mm
の回転するナイロンブラシロールと、アルミニウム板表
面に供給されるスラリー液で機械的に粗面化処理するこ
とが有利である。もちろんスラリー液を吹き付ける方
式、ワイヤーブラシを用いた方式、凹凸を付けた圧延ロ
ールの表面形状をアルミニウム板に転写する方式などを
用いても良い。ここで、研磨剤としては公知の物が使用
できるが、珪砂、石英、水酸化アルミニウムまたはこれ
らの混合物が好ましい。この機械的な粗面化処理に関し
ては、例えば特開平6−135175号公報、特公昭5
0−40047号公報に記載された処理条件を好適に採
用することができる。 (b)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理:この
処理は、上記の機械的な粗面化により生成した凹凸のエ
ッジ部分を溶解し、滑らかなうねりを持つ表面を得、汚
れ性能がよい平版印刷版用を得る目的で行われる。この
ときのアルミニウム板の溶解量は、5〜20g/m2
好ましい。 (c)本発明に係る電気化学的な粗面化処理:この処理
は、上記処理されたアルミニウム板の表面に、平均直径
約0.5〜3μmのハニカム状のピットを30〜100
%の面積率で生成する目的で行われる。また、この処理
は、平版印刷版の非画像部の汚れにくさと耐刷力を向上
する作用がある。 (d)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理:この
処理は、上記の交流を用いた電気化学的な粗面化処理の
際に生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット
成分の除去と、生成したピットのエッジ部分を滑らかに
し、平版印刷版とした時の汚れ性能を良化させる目的で
行われる。この時のアルミニウム板の溶解量は0.05
〜5g/m2 溶解することが好ましく、0.1〜3g/
2 溶解することがより好ましい。 (e)陽極酸化処理:この処理は、アルミニウム板の表
面の耐磨耗性を高めるために、陽極酸化皮膜を成膜する
ために行われる。
【0021】[製造工程−その2]アルミニウム板を下
記の(f)〜(k)の順に処理する。 (f)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理:この
処理は、アルミニウム板表面の圧延油、自然酸化皮膜、
汚れなどを除去し、次の電気化学的な粗面化を均一に行
う目的で行われる。このときのアルミニウム板の溶解量
は、1〜30g/m2 溶解することが好ましく、1.5
〜20g/m2 溶解することがより好ましい。 (g)硝酸を主体とする水溶液中での直流を用いた電気
化学的な粗面化処理(但し、本発明外):この処理は、
上記処理されたアルミニウム板の表面に平均直径約1〜
20μmのハニカム状のピットを30〜100%の面積
率で生成し、平版印刷版の非画像部の汚れにくさと耐刷
力を向上させる目的で行われる。 (h)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理:この
処理は、上記の直流を用いた電気化学的粗面化処理によ
り生成したスマットと、ピットのエッジ部分またはピッ
トが生成していないプラトーな部分の溶解を行い、滑ら
かな凹凸を持つ表面を得る目的で行われる。またこの処
理は、平版印刷版の非画像部の汚れにくさと耐刷力を向
上する作用がある。このときのアルミニウム板の溶解量
は、1〜30g/m2 溶解することが好ましく、1.5
〜20g/m2 溶解することがより好ましい。 (i)本発明に係る電気化学的な粗面化処理:この処理
は、アルミニウム板の表面に平均直径約0.5〜3μm
のハニカム状のピットを30〜100%の面積率で生成
する目的で行われる。また、この処理は、平版印刷版の
非画像部の汚れにくさと耐刷力を向上する作用がある。 (j)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理:この
処理は、上記の本発明による電気化学的粗面化処理の際
に生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成
分の除去と、生成したピットのエッジ部分を滑らかに
し、平版印刷版としたときの汚れ性能を良化させる目的
で行われる。このときのアルミニウム板の溶解量は、
0.05〜5g/m2 溶解することが好ましく、0.1
〜3g/m2 溶解することがより好ましい。 (k)陽極酸化処理:この処理は、アルミニウム板の表
面の耐磨耗性を高めるために、陽極酸化皮膜を成膜する
ために行われる。
【0022】[製造工程−その3]アルミニウム板を下
記の(l)〜(o)の順に処理する。 (l)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理:この
処理は、アルミニウム板表面の圧延油、自然酸化皮膜、
汚れなどを除去し、次の電気化学的な粗面化を均一に行
う目的で行われる。このときのアルミニウム板の溶解量
は、1〜30g/m2 溶解することが好ましく、1.5
〜20g/m2 溶解することがより好ましい。 (m)本発明に係る電気化学的な粗面化処理:この処理
は、アルミニウム板の表面に平均直径約0.5〜3μm
のハニカム状のピットを30〜100%の面積率で生成
する目的で行われる。また、この処理は、平版印刷版の
非画像部の汚れにくさと耐刷力を向上する作用がある。 (n)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理:この
処理は、上記の本発明による電気化学的粗面化処理の際
に生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成
分の除去と、生成したピットのエッジ部分を滑らかに
し、平版印刷版としたときの汚れ性能を良化させる目的
で行われる。このときのアルミニウム板の溶解量は、
0.05〜5g/m2 溶解することが好ましく、0.1
〜3g/m2 溶解することがより好ましい。 (o)陽極酸化処理:この処理は、アルミニウム板の表
面の耐磨耗性を高めるために、陽極酸化皮膜を成膜する
ために行われる。
【0023】上記に挙げた各処理工程において、本発明
に係る電気化学的粗面化以外は、従来より平版印刷版用
アルミニウム支持体の製造に用いられている処理条件で
構わないが、以下にその代表的なものを述べる。
【0024】前記処理(b)、(h)、(j)及び
(n)の電解研磨に用いる水溶液は、好ましくは硫酸ま
たはリン酸を主体とする水溶液である。この水溶液の硫
酸またはリン酸濃度は20〜90wt%、好ましくは4
0〜80wt%であり、その他の成分として硫酸、リン
酸、クロム酸、過酸化水素、クエン酸、硼酸、フッ化水
素酸、無水フタール酸などを1〜50wt%含有してい
ても良い。また、アルミニウムはもちろんアルミニウム
合金中に含有する合金成分が0〜10wt%含有してい
てよい。また、液温は10〜90℃、好ましくは50〜
80℃である。電解は、電流密度1〜100A/d
2 、好ましくは5〜80A/dm2 で、1〜180秒
行われる。電流は直流、パルス直流、交流を用いること
が可能であるが、連続直流が好ましい。電解処理装置は
フラット型槽、ラジアル型槽など公知の電解処理に使わ
れているものを用いることができる。流速はアルミニウ
ム板に対して、パラレルフロー、カウンターフローどち
らでもよく、0.01〜10000cm/minの間か
ら選定される。アルミニウム板と電極との距離は0.3
〜10cmが好ましく、0.8〜2cmがとくに好まし
い。給電方法はコンダクタロールを用いた直接給電方式
を用いてもよいし、コンダクタロールを用いない間接給
電方式(液給電方式)を用いても良い。使用する電極材
質、構造は電解処理に使われている公知のものが使用可
能であるが、陰極材質はカーボン、陽極材質はフェライ
ト、酸化イリジウムまたは白金が好ましい。アルミニウ
ム板の処理面は、上面でも下面でも両面でもよい。
【0025】また、同じく前記処理(b)、(h)、
(j)及び(n)の、アルカリ水溶液中での化学的なエ
ッチング処理については、米国特許第3834398号
明細書に記載の他に公知の手段を用いることが出来る。
酸性水溶液に用いることのできる酸またはアルカリとし
ては、特開昭57−16918号公報などに記載されて
いるものを単独または組み合わせて用いることが出来
る。液温は40〜90℃で、1〜120秒間処理するこ
とが好ましい。酸性水溶液の濃度は0.5〜25wt%
が好ましく、さらに酸性水溶液中に溶解しているアルミ
ニウムは0.5〜5wt%が好ましい。アルカリ水溶液
の濃度は5〜30wt%が好ましく、さらにアルカリ水
溶液中に溶解しているアルミニウムは1〜30wt%が
好ましい。エッチング処理が終了した後には、処理液を
次工程に持ち込まないためにアルミニウム板をニップロ
ーラーによる液切りとスプレーによる水洗を行うことが
好ましい。化学的なエッチングを塩基の水溶液を用いて
行った場合、一般にアルミニウムの表面にはスマットが
生成するので、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸、塩酸また
はこれらの2以上の酸を含む混酸で処理する。さらに酸
性水溶液中には、アルミニウムが0〜5wt%が溶解し
ていても良い。液温は常温から70℃で実施され、処理
時間は1〜30秒が好ましい。デスマット処理が終了し
た後には、処理液を次工程に持ち込まないためにアルミ
ニウム板をニップローラーによる液切りとスプレーによ
る水洗を行うことが好ましい。
【0026】前記処理(g)の直流を用いた電気化学的
な粗面化処理とは、アルミニウム板とこれに対向する電
極間に直流電流を加え、電気化学的に粗面化する方法を
言う。硝酸を主体とする水溶液は、通常の交流を用いた
電気化学的な粗面化処理に用いるものを使用でき、1〜
100g/lの塩酸または硝酸水溶液に、硝酸アルミニ
ウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、等の硝酸イ
オン、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモ
ニウム、等の塩酸イオンを有する塩酸または硝酸化合物
の1つ以上を1g/l〜飽和濃度まで添加して使用する
ことができる。また硝酸を主体とする水溶液中には、
鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、
シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解し
ていてもよい。好ましくは、硝酸0.5〜2wt%水溶
液中にアルミニウムイオンが3〜50g/lとなるよう
に塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムを添加した液を
用いることが好ましい。温度は10〜60℃が好まし
く、25〜50℃がより好ましい。この直流を用いた電
気化学的な粗面化に用いる処理装置は、この種の公知の
装置を使用することが出来るが、特開平1ー14109
4号公報に記載されているように一対以上の陽極と陰極
を交互に並べた装置を用いることが好ましい。その他の
公知の装置の例としては特願平5−68204号、特願
平6−205657号、特願平6−21050号各明細
書、特開昭61−19115号、特公昭57−4476
0号公報などに記載されている装置を挙げることができ
る。また、アルミニウム板に接触するコンダクタロール
と、これに対向する陰極との間に、直流電流を加え、ア
ルミニウム板を陽極にして電気化学的な粗面化処理を行
っても良い。また、使用する直流はリップル率が20%
以下であることが好ましい。電流密度は10〜200A
/dm2 が好ましく、アルミニウム板が陽極時の電気量
は100〜1000C/dm2 が好ましい。陽極はフェ
ライト、酸化イリジウム、、白金、白金をチタン、ニオ
ブ、ジルコニウムなどのバルブ金属にクラッドまたはメ
ッキしたものなど公知の酸素発生用電極から選定して用
いることが出来る。陰極はカーボン、白金、チタン、ニ
オブ、ジルコニウム、ステンレスや燃料電池用陰極に用
いる電極から選定して用いることができる。この粗面化
処理が終了した後には、処理液を次工程に持ち込まない
ためにアルミニウム板をニップローラーによる液切りと
スプレーによる水洗を行うことが好ましい。
【0027】前記(e)、(k)及び(o)の陽極酸化
処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形
成するものならば、いかなるものでも使用することがで
き、一般には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸、また
はそれらの混合液が用いられる。また、それら電解質の
濃度は電解質の種類によって適宣決められる。陽極酸化
の処理条件は、用いる電解質によって変わるので一概に
特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80w
t%、液温は5〜70℃、電流密度1〜60A/d
2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜300秒の
範囲にあれば適当である。硫酸法は通常直流電流で処理
が行われるが、交流を用いることも可能である。陽極酸
化皮膜の量は、1〜10g/m2 の範囲が適当である。
1g/m2 よりも少ないと耐刷性が不十分であったり、
平版印刷版の非画像部に傷が付きやすくなって、同時に
キズの部分にインキが付着する、いわゆるキズ汚れが生
じやすくなる。
【0028】陽極酸化処理が施された後、アルミニウム
板の表面には必要により親水化処理が施される。本発明
に使用される親水化処理としては、米国特許第2714
066号、第3181461号、第3280734号及
び第3902734号各明細書に開示されているような
アルカリ金属シリケート(例えば珪酸ナトリウム水溶
液)法がある。この方法においては、アルミニウム板が
珪酸ナトリウム水溶液中で浸漬されるか、また電解処理
される。他に特公昭36−22063号公報に開示され
ているフッ化ジルコン酸カリウム、および、米国特許第
3276868、第4153461号および第4689
272号各明細書に開示されているようなポリビニルホ
スホン酸で処理する方法などが用いられる。また、粗面
化処理及び陽極酸化処理後、封孔処理を施したものも好
ましい。かかる封孔処理は、熱水および無機塩または有
機塩を含む熱水溶液への浸漬ならびに水蒸気浴等によっ
て行われる。
【0029】上記の如く本発明に係る粗面化処理と各種
処理とを組み合わせのアルミニウム板の表面処理によ
り、下記の物性値の範囲にある優れた平版印刷版用アル
ミニウム支持体を製造することができる。 (1)AFM(原子間力顕微鏡)で測定した値を用いて
定義した表面形状が下記の範囲にある。 水平(X,Y)方向の分解能が0.1μmとしたAF
Mを用いて100μm角の測定範囲で測定し、近似三点
法により求めた表面積をa、上部投影面積をbとしたと
き、a/bの値(比表面積)が1.15〜1.5。 水平(X,Y)方向の分解能が1.9μmとしたAF
Mを用いて240μm角の測定範囲で測定した平均表面
粗さが0.35〜1.0μm 水平(X,Y)方向の分解能が1.9μmとしたAF
Mを用いて240μm角の測定範囲で測定した傾斜度が
30度以上の割合が5〜40%。 (2)感光層を塗布する前のJIS Z9741−19
83に規定の85度光沢度が30以下。 (3)走査型電子顕微鏡で、倍率750倍で観察したと
き、80μmの視野の中に、平均直径0.5〜20μm
のハニカムピットが占める面積の割合が30〜100%
の物性値を満足する。 (4)水平(X,Y)方向の分解能が0.1μmまたは
1.9μmとしたAFMを用いて100μm角または2
40μm角の測定範囲で測定したボックスカウンティン
グ法、スケール変換法、カバー法、回転半径法、密度相
関関数法などで求めたフラクタル次元が2.1〜2.5
である。
【0030】このようにして得られた平版印刷版用支持
体の上には、従来より知られている感光層を設けて、感
光性平版印刷版を得ることができ、これを製版処理して
得た平版印刷版は優れた性能を有している。この感光層
中に用いられる感光性物質は特に限定されるものではな
く、通常、感光性平版印刷版に用いられているものを使
用できる。例えば特開平6−135175号公報に記載
のような各種のものを使用することが出来る。また、感
光層はネガ型でもポジ型でもよい。アルミニウム板は感
光層を塗布する前に必要に応じて有機下塗層(中間層)
が設けられる。この下塗層に設けられる有機下塗層とし
ては従来より知られているものを用いることができ、例
えば特開平6−135175号公報に記載のものを用い
ることができる。また、感光層の上には真空焼き付け時
のリスフィルムとの密着性を良好にするために、マット
層を設けるなどしてもよい。更に、現像時のアルミニウ
ムの溶け出しを防ぐ目的で、裏面にバックコート層を設
けてもよい。
【0031】更に、本発明の粗面化方法は、片面のみで
なく両面を処理した平版印刷版の製造にも適応できる。
【0032】以下の実施例により、本発明をより明確に
することができる。但し、本発明はこれら実施例により
何ら制限されるものではない。 (実施例1)厚さ0.24mm、幅1030mmの、J
IS A 3004材からなるアルミニウム板を用いて
以下の処理を行った。分析したところ、このアルミニウ
ム板中には銅が0.25wt%含有していた。 (a)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26wt%、ア
ルミニウムイオン濃度6.5wt%、液温70℃の水溶
液でエッチング処理を行い、アルミニウム板を6.0g
/m2 溶解した。その後、水洗を行った。 (b)液温60℃の硫酸濃度25wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)で、デスマット処理
をおこない、その後水洗した。 (c)硝酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5
wt%、アンモニウムイオン0.007wt%含む)、
液温45℃で、カーボン電極を対極として、台形波交流
を用いて電気化学的な粗面化処理を行った。使用した交
流のtp値は2msecであった。この時のアルミニウ
ム板に加える電流は、1サイクルの条件で、アルミニウ
ム板のアノード反応時間taとカソード反応時間tcと
の比、アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノ
ード時の電気量Qaとの比並びにアノード反応時間ta
は、それぞれ表1に示したとおりである。また、電流密
度は電流のピーク値で25A/dm2 であった。アルミ
ニウム板がアノード反応にあずかる電気量の総和は、2
00C/dm2 になるまでそれぞれの条件で電流のサイク
ルを繰り返した。その後、水洗を行った。このアルミニ
ウム板を、液温60℃の硫酸濃度25wt%水溶液(ア
ルミニウムイオンを0.5wt%含む)に60秒間浸漬
してデスマット処理を行い、水洗した後に、走査型電子
顕微鏡を用いて倍率750倍で表面を観察し、その表面
に平均直径約0.5〜3μmの均一なハニカムピットが
生成しているかどうか評価した。評価結果を表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】平均直径約0.5〜3μmのハニカムピッ
トが均一に生成している(tc/ta)は1〜20、ま
た(Qc/Qa)は2〜20の範囲にあることが分か
る。
【0035】(実施例2)厚さ0.24mm、幅103
0mmの、JIS A 3004材からなるアルミニウ
ム板を用いて以下の処理を行った。 (a)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26wt%、ア
ルミニウムイオン濃度6.5wt%、液温75℃の水溶
液でエッチング処理を行い、アルミニウム板を6.0g
/m2 溶解した。その後、水洗を行った。 (b)液温60℃の硫酸濃度25wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)で、スプレーによる
デスマット処理を行い、その後水洗した。 (c)硝酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5
wt%、アンモニウムイオン0.007wt%含む)、
液温45℃で、カーボン電極を対極として、台形波交流
を用いて88秒間の電気化学的な粗面化処理を行った。
使用した交流のtp値は2msecであった。この時の
アルミニウム板に加える電流は、1サイクルの条件で、
アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反応
時間tcとの比が10、アルミニウム板がアノード時の
電気量Qcとアノード時の電気量Qaとの比が10、ア
ノード反応時間taは50msecであった。また、電
流密度は、電流のピーク値でアノード反応側、カソード
反応側ともに25A/dm2 であった。アルミニウム板
がアノード反応にあずかる電気量の総和は200C/d
2 であった。その後、水洗を行った。 (d)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度5wt%、アル
ミニウムイオン濃度0.5wt%の水溶液を用いてスプ
レーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を
0.1g/m2 溶解し、前段の交流を用いて電気化学的
な粗面化を行った時に生成した水酸化アルミニウムを主
体とするスマット成分の除去と、生成したピットのエッ
ジ部分を溶解し、エッジ部分を滑らかにした。その後、
スプレーで水洗した。 (e)液温60℃の硫酸濃度25wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)で、スプレーによる
デスマット処理を行い、その後スプレーによる水洗を行
った。 (f)液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用
い、電流密度2A/dm2 で陽極酸化皮膜量が2.4g
/m2 になるように陽極酸化処理を行った。その後、ス
プレーによる水洗を行った。 (g)親水化処理する目的で、珪酸ソーダ2.5wt
%、70℃の水溶液に14秒間浸漬し、その後スプレー
で水洗し、乾燥した。処理されたアルミニウム板の表面
を走査型電子顕微鏡で観察したところ平均直径0.5〜
3μmのハニカムピットが生成していた。このアルミニ
ウム板に、中間層および感光層を塗布、乾燥し、乾燥膜
厚2g/m2 のネガ型平版印刷版を作成した。この平版
印刷版を用いて印刷したところ、良好な印刷画像が得ら
れた。
【0036】(実施例3)厚さ0.3mm、幅1030
mmの、JIS A 1100材からなるアルミニウム
板を用いて以下の処理を行った。 (a)比重1.12の研磨剤(水酸化アルミニウム)と
水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の
表面に供給しながら、回転するローラー状ナイロンブラ
シにより機械的な粗面化を行った。ナイロンブラシの材
質は6・10ナイロンを使用し、毛長50mm、毛の直
径は表1に示したとおりであった。ナイロンブラシは、
直径300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密にな
るように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ
下部の2本の支持ローラ(直径200mm)の距離は3
00mmであった。ブラシローラを、ブラシを回転させ
る駆動モータの負荷が該ブラシローラをアルミニウム板
に押さえつける前の負荷に対して7kwプラスになるま
で押さえつけた。ブラシの回転方向は、アルミニウム板
の移動方向と同じであった。 (b)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26wt%、ア
ルミニウムイオン濃度6.5wt%、液温75℃の水溶
液でエッチング処理を行い、アルミニウム板を15g/
2 溶解した。その後、水洗を行った。 (c)液温30℃の硝酸濃度1wt%水溶液(アルミニ
ウムイオンを0.5wt%含む)で、スプレーによるデ
スマット処理を行い、その後水洗した。 (d)硝酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5
wt%、アンモニウムイオン0.007wt%含む)、
液温45℃の水溶液で、カーボン電極を対極として、台
形波交流を用いて40秒間の電気化学的な粗面化処理を
行った。使用した交流のtp値は2msecであった。
この時のアルミニウム板に加える電流は、1サイクルの
条件で、アルミニウム板のアノード反応時間taとカソ
ード反応時間tcとの比が4、アルミニウム板がアノー
ド時の電気量Qcとアノード時の電気量Qaとの比が
4、アノード反応時間taは25msecであった。ま
た、電流密度は、電流のピーク値でアノード反応側、カ
ソード反応側ともに25A/dm2 であった。アルミニ
ウム板がアノード反応にあずかる電気量の総和は200
C/dm2 であった。その後、水洗を行った。 (e)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26wt%、ア
ルミニウムイオン濃度6.5wt%の水溶液でエッチン
グ処理を行い、アルミニウム板を1g/m2 溶解し、前
段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行った時に生成
した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分の除
去と、生成したピットのエッジ部分を溶解し、エッジ部
分を滑らかにした。その後、水洗した。 (f)液温60℃の硫酸濃度25wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)でデスマット処理を
行い、その後水洗を行った。 (g)液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用
い、電流密度2A/dm2 で陽極酸化皮膜量が2.4g
/m2 になるように陽極酸化処理を行った。その後、水
洗を行った。処理されたアルミニウム板の表面を走査型
電子顕微鏡で観察したところ、5〜30μmの大きなう
ねりに、平均直径0.5〜3.0μmのハニカムピット
が重畳していた。また、平均直径0.5〜3.0μmの
ピットが生成していた。このアルミニウム板に中間層お
よび感光層を塗布、乾燥し、乾燥膜厚1.8g/m2
ポジ型平版印刷版を作成した。この平版印刷版を用いて
印刷したところ、良好な印刷画像が得られた。
【0037】(実施例4)厚さ0.24mm、幅103
0mmの、JIS A 3004材からなるアルミニウ
ム板を用いて以下の処理を行った。 (a)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26wt%、ア
ルミニウムイオン濃度6.5wt%、液温75℃の水溶
液でスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウ
ム板を6.0g/m2 溶解し、圧延油や自然酸化皮膜を
除去した。その後、水洗を行った。 (b)液温60℃の硫酸濃度25wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)でデスマット処理を
行い、その後水洗した。 (c)電解液中に陽極と陰極を交互に配置し、直流電源
が接続された陽極と陰極に対して一定間隔を保ってアル
ミニウム板を走行させる、直流電圧を用いて連続的に電
気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、
硝酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt
%、アンモニウムイオン0.007wt%含む)、液温
45℃であった。電解には、リップル率20%以下の直
流電圧を用いた。電流密度50A/dm2 で、アルミニ
ウム板がアノード時の電気量の総和は400C/dm2
であった。 (d)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26wt%、ア
ルミニウムイオン濃度6.5wt%、液温75℃の水溶
液でエッチング処理を行い、アルミニウム板を5g/m
2 溶解した。その後、水洗を行った。 (e)液温30℃の硝酸濃度1wt%水溶液(アルミニ
ウムイオンを0.5wt%含む)で、スプレーによるデ
スマット処理を行い、その後水洗した。 (f)硝酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5
wt%、アンモニウムイオン0.007wt%含む)、
液温45℃で、カーボン電極を対極として、台形波交流
を用いて40秒間の電気化学的な粗面化処理を行った。
使用した交流のtp値は2msecであった。この時ア
ルミニウム板に加える電流は、1サイクルの条件で、ア
ルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反応時
間tcとの比が4、アルミニウム板がアノード時の電気
量Qcとアノード時の電気量Qaとの比が4、アノード
反応時間taは25msecであった。また、電流密度
は、電流のピーク値でアノード反応側、カソード反応側
ともに25A/dm2 であった。アルミニウム板がアノ
ード反応にあずかる電気量の総和は200C/dm2
あった。その後、水洗を行った。 (g)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度5wt%、アル
ミニウムイオン濃度0.5wt%の水溶液でスプレーに
よるエッチング処理を行い、アルミニウム板を0.1g
/m2 溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化
を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とす
るスマット成分の除去と、生成したピットのエッジ部分
を溶解し、エッジ部分を滑らかにした。その後、水洗し
た。 (h)液温60℃の硫酸濃度25wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)で、デスマット処理
を行い、その後水洗した。 (i)液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミ
ニウムイオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用
い、電流密度A/dm2 で陽極酸化皮膜量が2.4g/
2 になるように陽極酸化処理を行った。その後、水洗
を行った。 (j)親水化処理する目的で、珪酸ソーダ2.5wt
%、70℃の水溶液に14秒間浸漬し、その後スプレー
で水洗し、乾燥した。処理されたアルミニウム板の表面
を走査型電子顕微鏡で観察したところ、5〜30μmの
大きなうねりに、平均直径0.5〜3.0μmのハニカ
ムピットが重畳していた。また、平均直径0.5〜3.
0μmのピットが生成していた。このアルミニウム板に
中間層および感光層を塗布、乾燥し、乾燥膜厚2g/m
2 のネガ型平版印刷版を作成した。この平版印刷版を用
いて印刷したところ、良好な印刷画像が得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明を実施することで、アルミニウム
板、特に従来の方法では困難であった銅を0.1wt%
以上含有するアルミニウム材料に均一なハニカムピット
を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いる台形の交流電流波形の一例で
ある
【符号の説明】
ta ・・アノード反応時間 tc ・・カソード反応時間 Ia ・・アノードサイクル側電流密度 Ic ・・カソードサイクル側電流密度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25F 3/20 C25F 3/20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸を主体とする水溶液中で、アルミニ
    ウム板を交流を用いて電気化学的に粗面化を行う方法に
    おいて、電気化学的な粗面化に用いる交流の1サイクル
    が、 アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反
    応時間tcとの比(tc/ta)が1〜20、 アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード
    時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、 アノード反応時間taが5〜1000msec、 であることを特徴とするアルミニウム板の粗面化方法。
  2. 【請求項2】 粗面化されるアルミニウム板が、銅を
    0.1wt%以上含有していることを特徴とする請求項
    1記載のアルミニウム板の粗面化方法。
  3. 【請求項3】 電気化学的な粗面化に用いる交流とし
    て、波形の立ち上がり時間tpが1msec以上の台形
    波交流を用いることを特徴とする請求項1記載のアルミ
    ニウム板の粗面化方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム板を順に (a)機械的な粗面化処理 (b)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
    はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (c)硝酸を主体とする水溶液中で、1サイクルが、 アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反
    応時間tcとの比(tc/ta)が1〜20、 アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード
    時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、 アノード反応時間taが5〜1000msec、 である交流を用いた電気化学的な粗面化処理 (d)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
    はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (e)陽極酸化処理 を行うことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
    体の粗面化方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウム板を順に (a)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
    はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (b)硝酸を主体とする水溶液中で直流を用いた電気化
    学的な粗面化処理 (c)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
    はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (d)硝酸を主体とする水溶液中で、1サイクルが、 アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反
    応時間tcとの比(tc/ta)が1〜20、 アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード
    時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、 アノード反応時間taが5〜1000msec、 である交流を用いた電気化学的な粗面化処理 (e)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
    はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (f)陽極酸化処理 を行うことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
    体の粗面化方法。
  6. 【請求項6】 アルミニウム板を順に (a)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
    はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (b)硝酸を主体とする水溶液中で、1サイクルが、 アルミニウム板のアノード反応時間taとカソード反
    応時間tcとの比(tc/ta)が1〜20、 アルミニウム板がアノード時の電気量Qcとアノード
    時の電気量Qaとの比(Qc/Qa)が2〜20、 アノード反応時間taが5〜1000msec、 である交流を用いた電気化学的な粗面化処理 (c)酸性水溶液中での電解研磨処理、または、酸また
    はアルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理 (d)陽極酸化処理 を行うことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
    体の粗面化方法。
  7. 【請求項7】 請求項4、請求項5または請求項6に記
    載された粗面化方法により処理されたアルミニウム板
    を、更に陽極酸化処理した後に親水化処理を行うことを
    特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体の粗面化方
    法。
JP18938496A 1996-07-18 1996-07-18 アルミニウム板の粗面化方法 Pending JPH1030200A (ja)

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EP2551385A2 (en) 2011-07-29 2013-01-30 Fujifilm Corporation Method and apparatus for electrolytic surface roughening treatment of aluminium and method and apparatus for manufacturing planographic printing plate precursor

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