JP2000043441A - 平版印刷板用アルミニウム支持体の製造方法及びアルミニウム板のポリッシング方法 - Google Patents

平版印刷板用アルミニウム支持体の製造方法及びアルミニウム板のポリッシング方法

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JP2000043441A
JP2000043441A JP10367618A JP36761898A JP2000043441A JP 2000043441 A JP2000043441 A JP 2000043441A JP 10367618 A JP10367618 A JP 10367618A JP 36761898 A JP36761898 A JP 36761898A JP 2000043441 A JP2000043441 A JP 2000043441A
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polishing
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Atsuo Nishino
温夫 西野
Yoshitaka Masuda
義孝 増田
Akio Uesugi
彰男 上杉
Masahiro Endo
雅弘 遠藤
Hirokazu Sawada
宏和 澤田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストリーク、面質むらと呼ぶ結晶粒の方位差
によるアルミ溶解速度の差に起因する処理むらの発生が
し難い、良好な平版印刷版を与える、平版印刷版用アル
ミニウム支持体を、安定的に、低コスト製造する平版印
刷版用アルミニウム支持体の製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム板を粗面化処理した後に、
ポリッシング処理して平版印刷版用アルミニウム支持体
を製造するか、酸またはアルカリ水溶液中でアルミニウ
ム板をエッチング処理しながらポリッシング処理する。
ポリッシング処理後、陽極処理してもよく、またポリッ
シング処理後、粗面化処理し、再度ポリッシング処理す
るかしないで、陽極処理してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷板用支持体
およびその製造方法、及びアルミニウム板のポリッシン
グ方法に関する。特に本発明は、アルミニウム支持体表
面が均一に粗面化されており、そのため、その表面上に
平版印刷画像が形成された時に、検版性がよく、アルミ
ニウム支持体と感光層との密着性がよいので高い耐刷力
が得られ、保水性がよく、印刷時の版面の湿し水の量が
見やすい平版印刷版用アルミニウム支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版の分野ではアルミニウム支持
体の表面をポジ又はネガの感光性組成物で披覆し、その
乾燥させた組成物を化学放射線で露光し、現像して平版
印刷板を製造することが良く知られている。一般的に、
アルミニウム板を平版印刷板用の支持体として実際に使
用するには、幾つかの処理工程を必要とする。例えば、
機械的粗面化、化学的エヅチング、電気化学的な粗面化
など1つ以上を組み合わせて処理し、保水性および感光
層に対する密着性をを付与する。陽極酸化処理されてい
ないアルミニウム表面は,かなリ柔らかく、容易に摩耗
するので、通常は陽極酸化処理をして表面上に酸化物被
膜を形成させる。こうして処理したアルミニウム板の表
面は硬く、耐摩耗性が優れ、水の親和力および保持性が
良好であリ、感光層に対する密着性が良い。次いで、一
般的に表面を親水性付与組成物でシールし、感光性組成
物で披覆する。平版印刷版用アルミニウム支持体の粗面
化法としては、交流エッチング法が一般的に採用されて
おり、 電流としては、普通の正弦波交流、矩形波など
の特殊交番波形電流がもちいれている。そして、黒鉛等
の適当な電極を対極として交流電流により、アルミニウ
ム板の粗面化処理を行うもので、通常一回の処理で行わ
れているが、そこで得られるピット深さは全体的に浅
く、対印刷性の劣る物であった。このため、その直径に
比べて深さの深いピットが均一かつ緻密に存在する砂目
を有する印刷板用支持体として好適なアルミニウム板が
得られように、数々の方法が提案されている。その方法
としては、特殊電解電源波形を用いた粗面化方法(特開
昭53−67507号公報)、交流を用いた電解粗面化
時の陽極時と陰極時の電気量の比率(特開昭54−65
607号公報)、電源波形(特開昭56−25381号
公報)、単位面積あたりの通電量の組み合わせ(特開昭
56−29699号公報)などが知られている。一方、
アルミニウム支持体の製造方法としては、アルミニウム
のインゴットを溶解保持してスラブ(厚さ400〜60
0mm, 幅1000〜2000mm,長さ2000〜6
000mm)を製造し、スラブ表面の不純物組織部分を
面削機にかけて3〜10mmづつ切削する面削工程を経
た後、スラブ内部の応力の除去と組織の均一化の為、均
熱炉において480〜540℃、6〜12時間保持する
均熱化処理工程を行い、しかる後に熱間圧延を480〜
540℃で行う。熱間圧延で5〜40mmの厚みに圧延
した後、室温で所定の厚みに冷間圧延を行う。またその
後組織の均一化のため焼鈍を行い圧延組織等を均質化し
た後、規定の厚みに冷間圧延を行い、平坦度の良い板の
するため矯正する。この様にして作られたアルミニウム
支持体を平版印刷版用支持体としていた。平版印刷版用
アルミニウム支持体として、汎用のアルミニウム板やア
ルミニウム板の製造工程から中間焼鈍処理や均熱処理を
省略したアルミニウム板を用いることは省エネルギー、
資源の有効利用の観点から望まれている。しかしながら
前記アルミニウム板を用いて平版印刷版用アルミニウム
支持体を製造したとき、ストリークや面質むらと呼ばれ
る処理むらが発生しやすかった。これは、アルミニウム
の化学的な溶解反応が進む際に結晶方位によって溶解速
度が違うため、アルミニウムの電気化学的なピッティン
グ反応が進む際に結晶方位によって反応が違うためとい
われている。つまり、化学的な溶解反応での溶解速度差
でできた凹凸がストリーク・面質むらとしてみえたり、
結晶方位によるピッティング反応の差(ピット個数、大
きさの差)がストリーク・面質むらとして見える。印刷
板としたときに、印刷時に汚れにくさを向上するために
は、粗面化の後に化学的なエッチングを行うことが知ら
れている。また、校正印刷用PS板として使用するとき
は、湿し水を与えるスポンジのひっかかりにくさが重要
な印刷性能の一つとして挙げられる。スポンジがひっか
かりにくいと、スポンジのかすがでにくく、印刷板が汚
れにくくなる。粗面化の後のエッチング量を増やすと、
次のような利点と欠点がある。化学的なエッチング量を
増やすと、印刷物が汚れにくくなる反面、アルミニウム
の結晶方位に起因するアルミニウム溶解速度差により、
ストリークや画質むらが目立つようになる。また、感光
層とアルミニウム支持体の密着性が悪くなり、耐刷力が
悪くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記ストリ
ークや面質むらと呼ぶ故障の発生しない平版印刷版用ア
ルミニウム支持体の製造方法および平版印刷版用として
好ましい表面形状を有する平版印刷版用アルミニウム支
持体に関するものである。一般的に、平版印刷板用アル
ミニウム支持対は、粗面化されたあとに陽極酸化され、
白の外観を有することが好ましいとされている。そのた
め、その上に平版印刷画像を形成された時に、画像区域
と非画像区域の間の視覚的なコントラストが良く、印刷
者が画像の品質を評価するのが容易である。したがっ
て、良好な画像コントラストが得られる白い表面を有
し、且つ、粗面化およぴ陽極酸化された板表面の画像密
着性、および表面硬度を有するアルミニウム表面が望ま
れている。印刷板としたときに、印刷時の汚れにくさを
向上するためには、粗面化の後に化学的なエッチングを
行うことが知られている。また、校正印刷用PS板とし
て使用するときは、湿し水を与えるスポンジの引っかか
りにくさが重要な印刷性能の一つとして挙げられる。ス
ポンジが引っかかりにくいと、スポンジのかすがでにく
く、印刷板が汚れにくくなる。粗面化の後の化学的なエ
ッチング量を増やすと、次のような利点と欠点がある。
化学的なエッチング量を増やすと、印刷物が汚れにくく
なる反面、アルミニウムの結晶方位に起因するアルミニ
ウム溶解速度差により、ストリークや面質むら目立つよ
うになる。また、感光層とアルミニウム支持体の密着性
が悪くなり、耐刷力が悪くなる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、アルミニウム板を粗面化処理した後にポリッシン
グ処理を行うと、凸部が丸く削れ、粗面化の後のエッチ
ング量が少なくてもポンジの引っかかりにくさ、汚れに
くさが向上することを発見した。アルミニウム板に微細
な凹凸を付けた後に、酸性水溶液中で電気化学的に粗面
化処理し、さらにポリッシング理することで、アルミニ
ウム結晶方位に起因するストリークや面質むらと呼ぶ故
障が発生せず、汚れにくい平版印刷板用アルミニウム支
持体の製造方法を見出した。アルミニウム板に微細な凹
凸を付けることで、微細な凹凸が乱反射を招き、ストリ
ーク・面質むらが見えにくくなる。また、微細な凹凸が
存在することにより、更にその後に生成させる硝酸水溶
液中で0.1〜3μmのハニカムピットが結晶方位によ
らず均一に生成するという効果があるためストリーク、
面質むらが見えにくくなる。
【0005】
【発明の実施形態】本発明は、アルミニウム板を粗面化
処理した後に、ポリッシング処理すること、または、粗
面化処理とポリッシング処理を交互に行うことにより達
成できる。以下、本発明の粗面化方法の実施形態につい
て詳細に説明する。以下に、本発明のアルミニウム支持
体を粗面化するにあたり、とくに好ましい実施形態を示
す。
【0006】実施形態1 アルミニウム板を順に(1)粗面化処理し、(2)ポリ
ッシング処理し、ついで(3)陽極酸化処理する平版印
刷版用アルミニウム支持体の製造方法。 実施形態2 アルミニウム板を順に(1)粗面化処理し、(2)ポリ
ッシング処理し、(3)粗面化処理し、(4)ポリッシ
ング処理するか、またはポリッシング処理しないで、
(5)陽極酸化処理する平版印刷版用アルミニウム支持
体の製造方法。 実施形態3 アルミニウム板を順に(1)ポリッシング処理、また
は、バフ研磨処理を行い、(2)粗面化処理し、(3)
ポリッシング処理し、またはしないで、(4)陽極酸化
処理する平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
実施形態1乃至実施形態3において、ポリッシング処理
の前及び/又は後に化学的なエッチング処理を行うこと
が特に好ましい。尚、粗面化処理とは、機械的粗面化、
電気化学的粗面化、電解研磨または化学的エッチングの
1つか2つ以上を組み合わせた処理である。 実施形態4 アルミニウム板を順に(1)化学的なエッチング処理ま
たは電解研磨処理し、(2)塩酸を主体とする水溶液中
で、交流を用いて1〜300C/dm2の予備的な粗面
化処理し、(3)アルカリ水溶液中で、0.1〜1.0
g/dm2の化学的なエッチング処理し、(4)電気化
学的な粗面化処理し、(5)化学的なポリッシング処理
または電解研磨処理し、(6)ポリッシング処理し、
(7)陽極酸化処理する平版印刷版用アルミニウム支持
体の製造方法。 実施形態5 アルミニウム板を順に(1)機械的粗面化処理し。
(2)化学的なエッチング処理または電解研磨処理し、
(3)電気化学的な粗面化処理し、(4)化学的なエッ
チング処理または電解研磨処理し。(5)ポリッシング
処理し、次いで(6)陽極酸化処理する平版印刷版用ア
ルミニウム支持体の製造方法。
【0007】実施形態6 アルミニウム板を順に(1)機械的粗面化処理し、
(2)化学的なエッチング処理または電解研磨処理し、
(3)塩酸を主体とする水溶液中で、交流を用いて1〜
300C/dm2の予備的な電気化学的な粗面化処理
し、(4)アルカリ水溶液中で、0.1〜1.0g/d
2の化学的なエッチング処理し、(5)電気化学的な
粗面化処理し(6)化学的なエッチング処理または電解
研磨処理し、(7)ポリッシング処理し、次いで(8)
陽極酸化処理する平版印刷版用アルミニウム支持体の製
造方法。実施形態4乃至実施形態6において、事前にポ
リッシング処理、または、バフ研磨処理を行うことが特
に好ましい。
【0008】本発明においては、粗面化処理が、機械的
粗面化、電気化学的粗面化、電解研磨または化学的エッ
チングを一つ以上組み合わせた処理であることが好まし
い。また、粗面化処理が硝酸水溶液中で直流または交流
を用いて電気化学的に粗面化であるとき、硝酸水溶液中
で直流または交流を用いた電気化学的な粗面化処理の前
に微細な凹凸を生成する予備的な粗面化処理を行うこと
が好ましい。予備的な粗面化処理が、 塩酸を主体とする水溶液中で、交流を用いて1〜30
0C/dm2の予備的な電気化学的な粗面化を行い、 アルカリ水溶液中で、0.1〜1.0g/m2の化学
的なエッチングを行う、ことが好ましい。ポリッシング
処理の前または後またはその前後にアルミニウム板を
0.01〜30g/m2溶解する、化学的なエッチング
処理を行うことが好ましい。ポリッシング処理が、ナイ
ロンブラシ、ゴム、布、不織布、ナイロン不織布、スポ
ンジ、フェルト、革または琢磨布を用い、水またはアル
ミニウムをエッチング作用する液を吹き付けながら、ま
たは、水またはアルミニウムをエッチング作用する液中
で行うことが好ましい。また、本発明では、ポリッシン
グ処理が研磨剤を併用しながら行うことが好ましい。
【0009】本発明では、電解研磨処理の前、後、また
は前後に化学的なエッチング処理を行うことが好まし
い。さらに、化学的なエッチング処理の後に酸性水溶液
中でのデスマット処理をおこなうことが好ましい。ま
た、陽極酸化処理の後に親水化処理を行うことが好まし
い。平版印刷板用アルミニウム支持体の表面を、走査型
電子顕微鏡で観察し大きなうねりの凸部を数えたとき、
全体個数の約10%以上の角が丸く加工されていると、
湿し水を与えるスポンジの引っかかりにくさ、印刷物の
汚れにくさが向上した、好ましい平版印刷板用アルミニ
ウム支持体となる。さらに、最初の粗面化処理の前にポ
リッシング処理を行うことが好ましい。平版印刷板用ア
ルミニウム支持体の表面を、走査型電子顕微鏡で観察し
大きなうねりの凸部を数えたとき、全体個数の約10%
以上の角が、ポリッシング処理により丸く加工されてい
ると、湿し水を与えるスポンジの引っかかりにくさ、印
刷物の汚れにくさを向上した、好ましい平版印刷板用ア
ルミニウム支持体となる。本発明の粗面化方法に用いる
アルミニウム板、または本発明に記載された平版印刷板
用アルミニウム支持体は、DC鋳造法から中間焼鈍処
理、または、均熱処理、または、中間焼鈍処理と均熱処
理を省略して製造されたアルミニウム板、または、連続
鋳造法から中間焼鈍処理を省略して製造されたアルミニ
ウム板であり、アルミニウム合金の異元素の含有する割
合は、Siが0.05〜1.0wt%,Feが0.1〜
1.0wt%,Cuが0.01〜0.2%、Tiが0.
01〜0.1wt%、Mnが0〜1.5wt%、Mgが
0.0〜0.3wt%,Znが0〜0.1wt%である
ことが特に好ましい。
【0010】本発明でいう機械的な粗面化とは、毛径が
0.2〜1.61mmの回転するナイロンブラシローラ
と、アルミニウム板表面に供給されるスラリー液で機械
的に粗面化処理することが有利である。研磨剤としては
公知の物が使用できるが、珪砂、石英、水酸化アルミニ
ウムまたはこれらの混合物が好ましい。これらについて
は、特開平6−135175号、特公昭50−4004
7号各公報に詳しく記載されている。スラリー液の比重
は1.05〜1.3が好ましい。勿論、スラリー液を吹
き付ける方式、ワイヤーブラシを用いる方式、凹凸を付
けた圧延ローラの表面形状をアルミニウム板に転写する
方式などを用いても良い。その他の方式としては、特開
昭55−074898号、特開昭61ー162351
号、特開昭63−104889号各公報等に記載されて
いる。本発明で言う電気化学的な粗面化処理とは、硝酸
または塩酸を主体とする水溶液中で、直流または交流を
用いて電気化学的に粗面化処理する方法をいう。本発明
で言う化学的なエッチング処理とは、酸またはアルカリ
水溶液を用いて化学的にアルミニウム板を溶解すること
をいう。本発明で言う電解研磨処理とは、酸またはアル
カリ水溶液中で、直流または交流を用いて電気化学的に
アルミニウム板を研磨することをいう。
【0011】本発明に使用されるアルミニウム板は、純
アルミニウム板、アルミニウムを主成分として微量の異
元素を含む合金板、またはアルミニウムがラミネートま
たは蒸着されたプラスチックフィルムの中から選ばれ
る。微量の異元素は、元素周期表に記載されているもの
の中から選択された、1種以上を、0.001wt%〜
1.5wt%含有する支持体である。該アルミニウム合
金に含まれる異元素の代表例には、珪素、鉄、ニッケ
ル、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビス
マス、チタン、バナジウムなどがある。通常はアルミニ
ウムハンドブック第4版(1990、軽金属協会)に記
載の、従来より公知の素材のもの、例えばJIS A
1050材、JIS A 3103材、JIS A 3
005材、JIS A 1100材、JIS A 30
04材または引っ張り強度を増す目的でこれらに5wt
%以下のマグネシウムを添加した合金を用いることが出
来る。とくに、結晶粒の方向起因の故障が発生するアル
ミニウム板の粗面化に好適である。 好ましいアルミニ
ウム合金の異元素の含有する割合は、Siが0.03−
1.0wt%、Feが0.05〜1.0wt%、Cuが
0.001〜0.2wt%,Tiが0.01〜0.1w
t%,Mnが0〜1.5wt%,Mgが0.0〜0.3
wt%,Znが0〜0.1wt%である。とくに好まし
いアルミニウム合金の異元素の含有する割合は、Siが
0.05−0.15wt%,Feが0.1〜0.3wt
%,Cuが0.1〜0.02wt%,Tiが0.02〜
0.03wt%.Mnが0.01〜0.03wt%,M
gが0.01〜0.03wt%,Znが0.01〜0.
02wt%である。
【0012】上記、微量元素が多く含まれると、酸性水
溶液中での電気化学的な粗面化で均一なハニカムピット
が生成しにくくなる。また、Si成分が多く含まれる
と、粗面化処理後に陽極酸化処理を施したときに、陽極
酸化皮膜の欠陥となり、欠陥部分の保水性が劣り、印刷
時に紙が汚れやすくなる。Cu成分が多く含まれると、
ハニカムピットが生成しない部分の面積が多くなり、外
観故障となる。Si成分が多く含まれるときは、陽極酸
化皮膜量が、重量法で測定したとき、3g/m2〜10
g/m2であることが特に好ましい。また、陽極酸化皮
膜量が多くなると、アルミニウムのエッジ部分へ酸化皮
膜が集中しやすくなるので、アルミニウム板のエッジの
部分と中心部分の酸化皮膜量の差は、1g/m2以下で
あることが好ましい。
【0013】陽極酸化処理の後には、珪酸を主体とする
水溶液中への浸せきによる、親水化処理がほどこされる
場合がある。蛍光X線装置でSi量を測定したとき、
0.1mg/m2〜100mg/m2であることが好まし
い。特に好ましくは1〜50mg/m2の範囲である。
上記アルミニウム板は通常のDC鋳造法によるアルミニ
ウム板の他、連続鋳造圧延法により製造されたものでも
良い。連続鋳造圧延の方法としては双ロール法、ベルト
キャスター法、ブロックキャスター法などを用いること
ができる。本発明に用いられるアルミニウム板の厚みは
およそ0.1〜0.6mm程度である。アルカリエッチ
ングで結晶粒の方位差によるアルミニウムの溶解速度差
に起因する処理ムラの発生しやすいアルミニウム板と
は、DC鋳造法から中間焼鈍処理、または、均熱処理、
または、中間焼鈍処理と均熱処理を省略して製造された
アルミニウム板、または、連続鋳造法から中間焼鈍処理
を省略して製造されたアルミニウム板であることが好ま
しい。本発明で用いる、アルカリエッチングで結晶粒の
方位差によるアルミ溶解速度差に起因する処理ムラの発
生しやすいアルミニウム板とは、アルカリエッチング処
理後に、ストリークと呼ぶスジ状の処理ムラや、面質ム
ラと呼ぶ欠陥の出やすいアルミニウム板をいう。
【0014】また、本発明の粗面化方法は、アルミニウ
ム板の表面をバフ研磨により鏡面仕上げし、アルミニウ
ム板を15g/m2溶解する目的で、苛性ソーダ水溶液
中ででアルカリエッチングし、酸性水溶液中でデスマッ
ト処理したアルミニウム板の表面をAFMで観察したと
き、エッチング速度差により発生した段差が0.01μ
m以上0.5μm以下、更に好ましくは0.02μm以
上0.2μm以下であるアルミニウム合金板を均一に粗
面化するのに好適である。 アルミニウム板をバフ研磨
処理し、フッ酸でエッチングした表面を観察したときの
圧延方向に長い結晶粒の幅は約0.01mm以上10m
m以下、長さは0.5mm以上300mm以下である。
圧延方向圧延方向に長い結晶粒の幅は5mm以下が好ま
しく、3mm以下が更に好ましい。本発明の直流または
交流を用いた電気化学的な粗面化または電解研磨処理に
用いる装置は、金属ウェブの連続的表面処理に使用する
公知のものがいずれも適用できる。
【0015】本発明によって粗面化されたアルミニウム
板は、アルミニウム板の表面の耐磨耗性を高めるために
陽極酸化処理が施されることが好ましい。陽極酸化処理
または陽極酸化処理と浸水化処理の後、常法に従い、感
光層または、中間層および感光層を塗布・乾燥すること
によって印刷性能が優れたPS版となる。感光層の上に
は真空焼き付け時のリスフィルムとの密着性を良好にす
るためにマット層を設けるなどしてもよい。現像時のア
ルミニウムの溶け出しを防ぐ目的で裏面にバックコート
層を設けてもよい。本発明は片面のみでなく両面を処理
したPS版の製造にも適応できる。本発明は、平版印刷
版用アルミニウム支持体の粗面化のみならず、あらゆる
アルミニウム板の粗面化にも応用できる。次に、本発明
におけるポリッシング処理について詳述する。本発明で
言うポリッシング処理とは、機械的、電気的、化学的、
または熱的なポリッシング処理をいう。機械的なポリッ
シング処理には、砥粒ジェット吹き付け、水ジェット吹
き付け、磁気的砥粒吹き付け、磁気研磨法、ベルト研
削、ブラッシング、液体ホーニングがある。電気的ポリ
ッシング処理には超音波方式がある。熱的なポリッシン
グ処理には、プラズマ、放電加工、レーザー加工による
ものがある。工業的には機械的なポリッシング方式が好
ましく、ナイロンブラシ、ゴム、布、不織布、ナイロン
不織布、スポンジ、フェルト、革または琢磨布を用いて
製作したホイールまたはローラを用いて、アルミニウム
表面をポリッシング処理することが好ましい。機械的な
ポリッシング処理は乾式よりも湿式が、外観故障となる
ような大きなきずが付きにくく好ましい。湿式で行うと
きは、水またはアルミニウムをエッチング作用する液を
吹き付けながら、または、水またはアルミニウムをエッ
チング作用する液中で行うことが好ましい。ポリッシン
グ処理は湿式でも乾式でも、研磨剤を併用しながら行う
ことが、少ないエネギーで表面を丸くする効果が高く好
ましい。酸またはアルカリ液を用いてアルミニウム板を
エッチング処理しながらポリッシング処理すると、アル
ミニウムの削れかすなどがエッチング液中に溶解し、ポ
リッシング中にきずが付きにくくなる。また、酸または
アルカリ液を用いてアルミニウム板をッチングしながら
ポリッシング処理することによって、きずが発生しても
エッチング液の溶解作用によりみえにくくなる。ポリッ
シング処理をしながらのアルミニウム板のエッチング量
は0,001〜4g/m2が特に好ましい。
【0016】ポリッシング処理を行った後には、削りか
すや研磨剤を除去する目的で、水洗処理、または、酸ま
たはアルカリ水溶液中でアルミニウム板を0.01〜1
g/m2溶解する化学的なエッチング処理を行うことが
好ましい。機械的なポリッシングをおこなう前に、酸又
はアルカリ水溶液を使ってアルミニウム板を0.01〜
30g/m2、特に好ましくは0.1〜3g/m2溶解す
るとアルミニウム板の表面が柔らかくなり、機械的なポ
リッシングが行われやすくなる。機械的なポリッシング
することで、粗面化処理されたアルミニウム支持体の凸
部が削れ、印刷時のインキが引っかかりにくくなって印
刷物が汚れにくくなったり、湿し水を与える際にスポン
ジが引っかかりにくくなるのであろう。機械的なポリッ
シングに用いるナイロンブラシ、スポンジ、ゴム、不織
布、革などで平面にアルミニウム板を擦るようにしても
良いし、ローラ状のものを使って回転させてもよい。ロ
ーラ状のものを作って回転させたときはアルミニウム板
とローラの外周とは速度差があることが好ましい。機械
的なポリッシングは平均粒径0.001〜0.1μm、
の研磨材を補助的に用いておこなうことが好ましい。ま
たは平均直径、0.1〜5mmのガラスやジルコニアの
球を補助的に用いても良い。研磨材の形状は、丸く、で
きるだけ角が尖っていないものが好ましい。乾式でも湿
式でも効果はあるが、きずが付きにくいと言う点で湿式
がとくに好ましい。湿式では液体が潤滑作用と削れカス
の洗浄作用を持つのできずが付きにくくなる。液体は水
が無害で好ましいが、アルミニウムイオンを0〜10w
t%含む、濃度0.01〜30wt%の酸またはアルカ
リ水溶液を用いても良い。酸またはアルカリ水溶液と
は、具体的には、苛性ソーダ、硫酸、燐酸、硝酸、塩
酸、クロム酸などをいう。アルカリ水溶液を用いて、エ
ッチング処理しながらポリッシング処理した後には、ス
マットが生成するので、通常のアルカリエッチング処理
後と同じように、硫酸、燐酸、硝酸、塩酸、クロム酸な
どの水溶液中でデスマット処理することが好ましい。
研磨材を含む液体を用いるときは、濃度0.1〜50w
t%の水溶液が好ましい。研磨材はアルミナ、シリカ、
水酸化アルミニウムなどが好ましい。湿式での液温は1
0℃〜90℃で行うことができる。ポリッシングの圧力
は0.001〜100kg/cm2、アルミニウム板と
の速度差0.001〜100m/秒で行う。ポリッシン
グのホイール、ローラまたはセクションは複数を組み合
わせても良い。複数を組み合わせるときは、その回転方
向は異なった工程を交互に組み合わせることが特に好ま
しい。水または酸またはアルカリの液体を、ポリッシン
グされているアルミニウム面に液体を吹き付けながら、
または、アルミニウム板を液中に浸漬してポリッシング
を行うとき、これらの液体の粘度は1〜200cp、特
に好ましくは1.5〜50cpであることが好ましい。
液体の粘度を上げるとアルミニウム表面に液膜が形成さ
れ易くなり、その結果アルミニウム表面にきずが付きに
くくなる。粘度を上げる方法としては増粘剤を添加する
ことによって行う。増粘剤としては、高分子化合物を用
いることが好ましい。ポリエチレングリコールを0.0
1〜60wt%添加したり、水処理・排水処理に用いる
高分子凝集剤を0.01〜5wt%添加して用いること
ができる。高分子凝集剤としてはノニオン系、アニオン
系、ポリアクリル酸系がある。市販品としては、栗田工
業(株)製の商品名、PN−161,PN−162,P
N−133,PN−171,PA−328,PA−37
1,PA−322,PA−331,PA−349,PA
−372,PA−318,PA−362,PA−36
3,PA−364,PA−365,PA−374,PA
−375,PA−376,PA−377,PA−37
8,PA−379,PA−312,LC−541,LC
−551などを用いることができる。
【0017】次に、本発明で行う、塩酸を主体とする水
溶液は、通常の直流または交流を用いた電気化学的な粗
面化処理に用いるものを使用でき、1〜100g/リッ
トルの塩酸水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウ
ム、硝酸アンモニウム、等の硝酸イオン、塩化アルミニ
ウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、等の塩酸イ
オンを有する塩酸または硝酸化合物の1つ以上を1g/
リットル〜飽和まで添加して使用することができる。塩
酸を主体とする水溶液中には、鉄、銅、マンガン、ニッ
ケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム
合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。次亜塩素
酸を添加してもよい。塩酸を主体とする水溶液中で、交
流を用いて予備的に微細な凹凸を生成するには、液温1
5〜45℃、塩酸を5〜15g/リットル含有する水溶
液にアルミニウム塩を添加してアルミニウムイオンが3
〜50g/リットルにした水溶液であることが特に好ま
しい。塩酸を主体とする水溶液中への添加物、装置、電
源、電流密度、流速、温度としては公知の電気化学的な
粗面化に使用するものが用いられ、硝酸または塩酸を主
体とする水溶液が好ましい。電気化学的な粗面化に用い
る電源は交流または直流が用いられるが、交流が特に好
ましい。塩酸を主体とする水溶液中での電気化学的な粗
面化でアルミニウム板が陽極反応にあずかる電気量は、
1〜300C/dm2の範囲から選択でき、5〜150
C/dm2が好ましく、10〜100C/dm2が特に好
ましい
【0018】電気化学的な粗面化で微細な凹凸を生成さ
せた後にはスマットや酸化皮膜が生成するので、次の電
気化学的な粗面化を均一におこなうために、酸又はアル
カリ水溶液中でアルミニウム板を0.01〜3g/m2
溶解する軽度のエッチング処理6ることが好ましく、
0.01〜1.5g/m2が特に好ましい。塩酸を主体
とする水溶液中で、交流を用いる1〜300C/dm2
の電気量の予備的な電気化学的な粗面化は、未エッチン
グ部分が無く全面に均一にピットができていることが好
ましく、または、未エッチング部分が存在していても未
エッチング部分が均一に分散していることが特に好まし
い。
【0019】次に、 アルカリ水溶液中での電解研磨処
理について述べる。本発明で言うアルカリ水溶液中での
電解研磨処理は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウムおよびリン酸ナトリウムのようなアルカ
リ性物質の単独か、またはそれらの混合物、またはアル
カリ性物質と水酸化亜鉛、水酸化アルミニウムとの混合
物、またはこれらアルカリ性物質と塩化ナトリウムある
いは塩化カリウム等の塩類との混合物の水溶液を使用
し、しかも電気的に脱酸素材になるような電解液組成、
温度および濃度でアルミニウムを陽極にして電解処理す
る場合のことをいう。均一な酸化皮膜を安定的に生成す
るために、過酸化水素、りん酸塩などを1wt%以下の
濃度で添加してもよい。公知の電解研磨に用いる水溶液
が使用できるが、好ましくは水酸化ナトリウムを主体と
する水溶液である。好ましくは、水酸化ナトリウムを2
〜30wt%含有する水溶液であり、特に水酸化ナトリ
ウムを3〜20%含有する水溶液である。液温10〜9
0℃(好ましくは35〜60℃)、電流密度1〜200
A/dm2(好ましくは20〜80A/dm2)、電解時
間は1〜180秒の範囲から選択できる。 電流は直
流、パルス直流、交流を用いることが可能であるが、連
続直流が好ましい。電解処理装置はフラット型槽、ラジ
アル型槽など公知の電解処理に使われているものを用い
ることができる。処理が終了した後には、処理液を次工
程に持ち込まないためにニップローラーによる液切りと
スプレーによる水洗を行うことが好ましい電解研磨処理
の前または後、または前後には、アルミニウム板を0.
01〜3g/m2溶解する、酸またはアルカリ水溶液中
での化学的なエッチングを行うことが更に好ましい。ア
ルカリ水溶液には、増粘剤として水溶性高分子化合物を
0.1〜60wt%添加して電解液の粘度を増加するこ
とにより、電気化学的な粗面化で生成したピットの凸部
が優先的に溶解されやすくなり、少ないアルミニウム溶
解量で印刷時に汚れにくい印刷版とすることができる。
また界面活性剤などの光沢剤を0.001〜10g/リ
ットル添加することが更に好ましい。水溶性高分子化合
物としては、ポリビニルアルコールなどがある。平均分
子量は200〜20、000まで用いることができる
が、平均分子量600以下のものを用いると液状なので
特に好ましい。電解液の粘度を増加する方法として、そ
の他には、水処理・排水処理に用いる高分子凝集剤を
0.01〜5wt%添加して用いることができる。高分
子凝集剤としてはノニオン系、アニオン系、ポリアクリ
ル酸系がある。市販品としては、栗田工業(株)製の商
品名、PN−161,PN−162,PN−133,P
N−171,PA−328,PA−371,PA−32
2,PA−331,PA−349,PA−372,PA
−318,PA−362,PA−363,PA−36
4,PA−365,PA−374,PA−375,PA
−376,PA−377,PA−378,PA−37
9,PA−312,LC−541,LC−551などを
用いることができる。
【0020】次に、本発明で用いる酸性水溶液中での電
解研磨処理のついて述べる。本発明で言う酸性水溶液中
でアルミニウム板を電解研磨処理は公知の電解研磨に用
いる水溶液が使用できるが、好ましくは硫酸またはリン
酸を主体とする水溶液である。特に好ましくは、硫酸又
はリン酸を20〜90wt%(好ましくは40〜80w
t%)含有する水溶液である。液温10〜90℃(好ま
しくは50〜80℃)、電流密度1〜200A/dm2
(好ましくは5〜80A/dm2)、電解時間は1〜1
80秒の範囲から選択できる。前記水溶液中に、硫酸、
リン酸、クロム酸、過酸化水素、クエン酸、硼酸、フッ
化水素酸、無水フタール酸などを1〜50wt%添加し
ても良い。また、アルミニウムはもちろんアルミニウム
合金中に含有する合金成分が0〜10wt%含有してい
てよい。硫酸イオンまたはリン酸イオンの濃度と、アル
ミニウムイオン濃度は、常温でも晶析しない濃度で用い
ることが好ましい。電流は直流、パルス直流、交流を用
いることが可能であるが、連続直流が好ましい。電解処
理装置はフラット型槽、ラジアル型槽など公知の電解処
理に使われているものを用いることができる。処理が終
了した後には、処理液を次工程に持ち込まないためにニ
ップローラーによる液切りとスプレーによる水洗を行う
ことが好ましい電解研磨処理の前または後、または前後
には、アルミニウム板を0.01〜3g/m2溶解す
る、酸またはアルカリ水溶液中での化学的なエッチング
を行うことが更に好ましい。酸性水溶液中には、特開昭
57−44000号公報に記載のように、増粘剤として
水溶性高分子化合物を添加して電解液の粘度をアップす
ることにより、電気化学的な粗面化で生成したピットの
の凸部が優先的に溶解されやすくなり、少ないアルミニ
ウム溶解量で印刷時に汚れにくい印刷版とすることがで
きる。また界面活性剤などの光沢剤を0.001〜10
g/リットル添加することが更に好ましい。水溶性高分
子化合物としては、ポリビニルアルコールなどがある。
平均分子量は200〜20、000まで用いることがで
きるが、平均分子量600以下のものを用いると液状な
ので特に好ましい。
【0021】次に、本発明で用いられる、酸またはアル
カリ水溶液中での化学的なエッチング処理についてのべ
る。アルカリ水溶液の濃度は1〜30wt%が好まし
く、アルミニウムは勿論アルミニウム合金中に含有する
合金成分が0〜10wt%含有していてもよい。アルカ
リ水溶液としては、特に苛性ソーダを主体とする水溶液
が好ましい。液温は常温〜95℃で、1〜120秒間処
理することが好ましい。酸性水溶液に用いることのでき
る酸は、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸、塩酸、またはこ
れらの2以上の酸を含む混酸を用いることが出来る。酸
性水溶液の濃度は0.5〜65wt%が好ましく、アル
ミニウムはもちろんアルミニウム合金中に含有する合金
成分が0〜10wt%含有していてよい。液温は30〜
95℃で、1〜120秒間処理することが好ましい。酸
性水溶液としてはとくに硫酸が好ましい。硫酸濃度とア
ルミニウム濃度は常温で晶出しない範囲から選択するこ
とが好ましい。エッチング処理が終了した後には、処理
液を次工程に持ち込まないためにニップローラーによる
液切りとスプレーによる水洗を行うことが好ましい。次
に、酸性水溶液中でのデスマット処理について述べる。
化学的なエッチングをアルカリの水溶液を用いて行った
場合は、一般にアルミニウムの表面にはスマットが生成
するので、この場合には燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸、
塩酸またはこれらの2種以上の酸を含む混酸でデスマッ
ト処理する。酸性水溶液の濃度は0.5〜60wt%が
好ましい。さらに酸性水溶液中にはアルミニウムは勿
論、アルミニウム合金中に含有する合金成分が0〜5w
t%程度溶解していてもよい。液温は常温から95℃で
実施され、処理時間は1〜120秒が好ましい。デスマ
ット処理が終了した後には、処理液を次工程に持ち込ま
ないためにニップローラーによる液切りとスプレーによ
る水洗を行うことが好ましい。
【0022】硝酸を主体とする水溶液 本発明でいう硝酸を主体とする水溶液は、通常の直流ま
たは交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるもの
を使用でき、1〜400g/リットルの硝酸水溶液に、
硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウ
ム、等の硝酸イオン、塩化アルミニウム、塩化ナトリウ
ム、塩化アンモニウム、等の塩酸イオンを有する塩酸ま
たは硝酸化合物の1つ以上を1g/リットル〜飽和まで
添加して使用することができる。硝酸を主体とする水溶
液中には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグ
ネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金
属が溶解していてもよい。特に好ましくは、硝酸5〜2
0g/リットルの水溶液中にアルミニウムイオンが3〜
50g/リットルとなるように塩化アルミニウム、硝酸
アルミニウムを添加した液を用いることが好ましい。温
度は10〜95℃が好ましく、40〜80℃がより好ま
しい。
【0023】次に、本発明で用いる交流を用いた電気化
学的な粗面化について説明する。本発明でいう酸性水溶
液は、通常の直流または交流を用いた電気化学的な粗面
化処理に用いるものを使用できる。有利には、前記硝酸
を主体とする水溶液または塩酸を主体とする水溶液から
選ぶことができる。電気化学的な粗面化に用いる交流電
源波形は、サイン波、矩形波、台形波、三角波などを用
いることができるが、矩形波または台形波が好ましく、
台形波が特に好ましい。周波数は0.1〜250Hzが
好ましい。本発明で好ましく用いられる台形波の1例を
図1示した。台形波において、電流が0からピークに達
するまでの時間tpは0.1〜10msecが好まし
く、0.3〜2msecが特に好ましい。電源回路のイ
ンピーダンスの影響のため、tpが1未満であると電流
波形の立ち上がり時に大きな電源電圧が必要となり、電
源の設備コストが高くなる。10msecより大きくな
ると、電解液中の微量成分の影響を受けやすくなり均一
な粗面化が行われにくくなる。電気化学的な粗面化に用
いる交流の1サイクルの条件が、アルミニウム板のアノ
ード反応時間taとカソード反応時間tcの比tc/t
aが1〜20、アルミニウム板がアノード時の電気量Q
cとアノード時の電気量Qaの比Qc/Qaが0.3〜
20、アノード反応時間taが5〜1000msec、
の範囲にあることが好ましい。tc/taは2.5〜1
5であることがより好ましい。Qc/Qaは2.5〜1
5であることがより好ましい。電流密度は台形波のピー
ク値で電流のアノードサイクル側Ia、カソードサイク
ル側Icともに10〜200A/dm2が好ましい。I
c/Iaは0.3〜20の範囲にあることが好ましい。
電気化学的な粗面化が終了した時点でのアルミニウム板
のアノード反応にあずかる電気量の総和は1〜1000
C/dm2が好ましい。本発明で交流を用いた電気化学的
な粗面化に用いる電解槽は、縦型、フラット型、ラジア
ル型など公知の表面処理に用いる電解槽が使用可能であ
るが、特開平5−195300に記載のようなラジアル
型電解槽がとくに好ましい。電解槽内を通過する電解液
はアルミニウムウェブの進行とパラレルでもカウンター
でもよい。ひとつの電解槽には1個以上の交流電源が接
続することができる。電解槽は2個以上を用いることも
できる。交流を用いた電気化学的な粗面化には図2に示
した装置を用いることができる。電解槽を2つ以上用い
るときには電解条件は同じでもよいし異なっていてもよ
い。アルミニウム板Wは主電解槽50中に浸漬して配置
されたラジアルドラムローラ52に巻装され、搬送過程
で交流電源51に接続する主極53a、53bにより電
解処理される。電解液55は電解液供給口54からスリット
56を通じてラジアルドラムローラ52と主極53a、
53bとの間の電解液通路57に供給される。主電解槽
50で処理されたアルミニウム板Wは次いで補助陽極槽
60で電解処理される。この補助陽極槽60には補助陽
極58がアルミニウム板Wと対向配置されており、電解
液55が補助陽極58とアルミニウム板Wとの間の空間
を流れるように供給される。
【0024】直流を用いた電気化学的な粗面化 本発明で言う直流を用いた電気化学的な粗面化処理と
は、アルミニウム板とこれに対向する電極間に直流電流
を加え、電気化学的に粗面化する方法を言う。電解液
は、公知の直流または交流を用いた電気化学的な粗面化
処理に使用するものを用いることができる。有利には、
前記硝酸を主体とする水溶液または塩酸を主体とする水
溶液から選ぶことができる。温度は10〜80℃が好ま
しい。直流を用いた電気化学的な粗面化に用いる処理装
置は公知の直流を用いたものを使用することが出来る
が、特開平1ー141094に記載されているように一
対以上の陽極と陰極を交互に並べた装置を用いることが
好ましい。公知の装置の一例としては特開平6−328
876号、特開平8−67078号、特開昭61−19
115号、特公昭57−44760号各公報などに記載
されている。また、アルミニウム板に接触するコンダク
タロールと、これに対向する陰極との間に、直流電流を
加え、アルミニウム板を陽極にして電気化学的な粗面化
処理を行っても良い。電解処理が終了した後には、処理
液を次工程に持ち込まないためにニップローラーによる
液切りとスプレーによる水洗を行うことが好ましい。電
気化学的な粗面化に使用する直流はリップル率が20%
以下の直流を用いることが好ましい。電流密度は10〜
200A/dm2が好ましく、アルミニウム板が陽極時の
電気量は1〜1000C/dm2が好ましい。陽極はフェ
ライト、酸化イリジウム、、白金、白金をチタン、ニオ
ブ、ジルコニウムなどのバルブ金属にクラッドまたはメ
ッキしたものなど公知の酸素発生用電極から選定して用
いることが出来る。陰極はカーボン、白金、チタン、ニ
オブ、ジルコニウム、ステンレスや燃料電池用陰極に用
いる電極から選定して用いることができる
【0025】次に、本発明で用いられる、陽極酸化処理
について説明する。アルミニウム板の表面の耐磨耗性を
高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板
の陽極酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化
皮膜を形成するものならば、いかなるものでも使用する
ことができる。一般には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロ
ム酸、またはそれらの混合液が用いられる。それらの電
解質の濃度は電解質の種類によって適宣決められる。陽
極酸化の処理条件は用いる電解質によって変わるので一
概に一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が
1〜80wt%、液温は5〜70℃、電流密度1〜60
A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜30
0秒の範囲にあれば適当である。硫酸法は通常直流電流
で処理が行われるが、交流を用いることも可能である。
陽極酸化皮膜の量は1〜10g/m2の範囲が適当であ
る。1g/m2よりも少ないと耐刷性が不十分であった
り、平版印刷版の非画像部に傷が付きやすくなって、同
時にきずの部分にインキが付着する、いわゆるきず汚れ
が生じやすくなる。陽極酸化処理が施された後、アルミ
ニウム表面は必要により親水化処理が施される。本発明
に使用される親水化処理としては、米国特許第2714
066号、第3181461号、第3280734号及
び第3902734号各明細書に開示されているような
アルカリ金属シリケート(例えば珪酸ナトリウム水溶
液)法がある。この方法においては、支持体が珪酸ナト
リウム水溶液中で浸漬されるか、また電解処理される。
他に特公昭36−22063号公報に開示されているフ
ッ化ジルコン酸カリウム、および、米国特許第3276
868、第4153461号および第4689272号
各明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸
で処理する方法などが用いられる。また、砂目立て処理
及び陽極酸化処理後、封孔処理を施したものも好まし
い。かかる封孔処理は熱水および無機塩または有機塩を
含む熱水溶液への浸漬ならびに水蒸気浴等によって行わ
れる。アルミニウム表面の有用な品質は、その表面構
造、平滑性および色特性により決定っれる。アルミニウ
ム支持体の表面の微細的構造は、平版印刷版の支持体と
して使用する板の性能に大きく影響する。本発明により
製造されたアルミニウム表面により、優れた平版印刷版
が得られることが分かった。これらのアルミニウム板
は、水に対する親和力および感光層に対する密着性が優
れ、硬く、耐久性のある表面を有する。さらに、本発明
によるアルミニウム板は、陽極酸化されても版面が白
く、むらがないので、それから製造される平版印刷版は
良好なコントラストを有する。画像区域と非画像区域の
間のコントラストが高いために、印刷者は画像区域の品
質を容易に検査することができる。さらに、この平版印
刷版は、表面構造を作り上げている山と谷の分布によ
り、画像区域が簡単に剥離しないので、印刷耐久性ニ優
れている。また、表面の光沢感が低く、光りにくいの
で、印刷時の湿し水の量が印刷機のオペレーターに分か
りやすい。そのため、粗面化された表面構造のパラメー
ターが、以下の範囲にあることが平版印刷版用アルミニ
ウム支持体として特に好ましい。そのため、粗面化され
た表面構造のパラメータが、以下の範囲にあることが平
版印刷板用アルミニウム支持体として特に好ましい。
【0026】粗面化され陽極酸化された表面を有する平
版印刷板用の支持体は、2次元粗さパラメータの、Ra
が0.1〜1μm、Ryが1〜10μm、Rzが1〜1
0μm、Smが5〜80μm、Sが5〜80μm、Rt
が1〜10μm、Rpが1〜10μm、Rvが1〜10
μmである。粗面化され陽極酸化された表面を有しする
平版印刷板用の支持体であって、3次元粗さパラメータ
の、SRpが1〜15μm、SRvが1〜20μm、S
Rmaxが5〜30μm、SRaが0.1〜2μm、S
Grが50〜500μm2、SSrが10〜90%、S
Rzが5〜30μm、SRqが0.5〜3μm、SRsk
が−0.9〜+0.9、Sデルタaが0.2〜1.5ラ
ジアン、Sラムダaが5〜20μmである。表面粗さの
パラメータの測定は、触針式粗さ計でも、光学式粗さ計
でもよい。印刷板として提供される表面の三刺激色座標
値L,aおよびbを測定したとき、Lが約35.00〜
約95.0であリ、aが約−4.00〜約+4.00で
あり、bが約−4.00〜約+4.00である。85度
光沢度が1〜40、75度光沢度が1〜15、60度光
沢度が1〜10、45度光沢度が1〜10、20度光沢
度が1〜5である。
【0027】なお、上記パラメータは次の通りである。 (1)2次元粗さパラメータ ・Ra 中心線平均粗さ 粗さ曲線から中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取
り、この抜き取り部分の中心線と粗さ曲線の偏差の絶対
値を算術平均した値。 ・Ry 最大高さ 粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取
り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線の間隔を、粗さ
曲線の縦倍率の方向に測定した値。 ・Rz 十点平均粗さ 粗さ曲線からその平均値の方向に基準長さだけ抜き取
り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定
いた、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(Y
p)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目まで
の標高(Yv)の絶対値の平均値との和をμmで表した
値。 ・Sm 凹凸の平均間隔 粗さ曲線からその平均値の方向に基準長さだけ抜き取
り、この抜き取り部分において一つの山及びそれに隣り
合う一つの谷に対応する平均線の和を求め、この多数の
凹凸の間隔の算術平均値をmmで表した値。 ・S 局部山頂の平均間隔 局部山頂間に対応する平均線の長さを求め、この多数の
局部山頂の間隔の算術平均値をmmで表した値。 ・Rt 最大高さ 粗さ曲線から基準長さだけ抜き取った部分の中心線に平
行な2直線で抜き取り部分を挟んだときの2直線の間隔
の値。 ・Rp 中心線山高さ 粗さ曲線からその平均値の方向に基準長さだけ抜き取
り、この抜き取り部分の平均線に平行で最高の山頂を通
る直線との間隔の値。 ・Rv 中心線谷深さ 粗さ曲線から中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取
り、この抜き取り部分の中心線に平行で最深の谷底を通
る直線との間隔の値。 (2) 3次元粗さパラメータ ・SRp 中心面山高さ 粗さ曲面の中心面から最大山頂と中心面の間隔。 ・SRv 中心面谷深さ 粗さ曲面の中心面から最大谷底と中心面の間隔。 ・SRmax 最大高さ 断面曲面の平均面に平行な2平面で断面曲面を挟んだと
きの間隔。 ・SRa 中心線平均粗さ 粗さ曲面の中心面上に直交座標軸X,Y軸を置き、中心
面に直交する軸をZ軸とし、粗さ曲面をf(X,Y),
基準面の大きさLx,Lyとして算出した値。 ・SGr 中心面面積率 粗さ曲面の中心面に現れる実体の切り口(パーティク
ル)の平均面積。 ・SSr 中心面積率 粗さ面積の中心面上の実体面積と基準面積の比を百分率
(%)で表す。 ・SRz 十点平均粗さ 断面曲面の平均面に対し高い方から5番目までの山頂の
平均高さと深い方から5番目までの谷底の平均深さの間
隔。 ・SRq 2次元粗さ曲線の、中心線からの振幅を実効値表現した
ものを、3次元的に算出した値。 ・SRsK 振幅分布曲線の、粗さ曲線の縦倍率方向の対称性を表す
値を3次元的に算出した値。 ・S△a 平均傾斜勾配 粗さ曲面の中心線上に直交座標軸X,Y軸を置き、中心
面に直交する軸をZ軸とし、粗さ曲面をf(X,Y),
基準面の大きさをLx,Lyとして算出した値。 ・Sλa 平均波長 π・SRa/S△a. である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 DC鋳造法で中間焼鈍処理と均熱処理を省略し、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチングでストリー
クス、面質むらが発生しやすくなった厚さ0.24m
m、幅1030mmの、JIS A 1050アルミニ
ウム板を用いて連続的に処理をおこなった。このアルミ
ニウム板に含まれる不純物微量成分は、Siが0.15
wt%、Feが0.28wt%、Cuが0.019wt
%、Tiが0.03wt%、Mnが0.02wt%、M
gが0.023wt%、Znが0.02wt%であっ
た。 (1)機械的な粗面化処理 比重1.12の珪砂と水の懸濁液を研磨スラリー液とし
てアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するロー
ラー状ナイロンブラシにより機械的な粗面化をおこなっ
た。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロンを使用
し、毛長50mm、毛の直径は0.48mmであった。
ナイロンブラシはΦ300mmのステンレス製の筒に穴
をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使
用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(Φ200m
m)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラ
シを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをア
ルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して6kwプ
ラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアル
ミニウム板の移動方向と同じであった。その後、水洗し
た。アルミニウム板の移動速度は50m/minであっ
た。 (2)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は10g/m2であった。その後、水洗処
理をおこなった。(3)デスマット処理 次に塩酸1wt%含有する水溶液、35℃に10秒間浸
漬してデスマット処理を行った。その後、水洗処理をお
こなった。 (4)塩酸水溶液中での予備的な電気化学的粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を1槽を用いて連続的に電気
化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩
酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%含
む)、液温35℃であった。交流電源波形は電流値がゼ
ロからピークに達するまでの時間TPが1msec、d
uty比1:1、60Hz、台形の矩形波交流を用い
て、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理
をおこなった。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で50A/dm2、電気量は
アルミニウム板が陽極時の電気量の総和で40C/dm
2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を
分流させた。その後、スプレーによる水洗をおこなっ
た。
【0029】(5)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は0.3g/m2であった。その後、水洗
処理を行った。 (6)デスマット処理 次に硝酸1wt%(アルミニウムイオン0.5wt%、
アンモニウムイオン0.007wt%含む)水溶液、3
5℃に10秒間浸漬してデスマット処理を行い、その
後、水洗処理を行った。 (7)硝酸水溶液中での電気化学的な粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を1槽用いて連続的に電気化
学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸
1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%、ア
ンモニウムイオン0.007wt%含む)、液温70℃
であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達
するまでの時間TPが1msec、duty比1:1、
60Hz、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を
対極として電気化学的な粗面化処理をおこなった。補助
アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピ
ーク値で50A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽
極時の電気量の総和で125C/dm2であった。補助
陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その
後、スプレーによる水洗を行った。
【0030】(8)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板を、NaOH26wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、45℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は1g/m2であった。その後、水洗処理
を行った。 (9)デスマット処理 その後、水洗処理を行い、次に硫酸25wt%含有する
水溶液、60℃に浸漬してデスマット処理を行った。そ
の後、水洗処理を行った。 (10)ポリッシング処理 1000rpmで回転する直径300mmのナイロン不
織布を材質とするローラ4本を用いて、ポリッシング処
理をおこなった。アルミニウム板とナイロン不織布ロー
ラとの間には1wt%の苛性ソーダ(0.1%のアルミ
ニウムイオンを含む)、30℃を吹き付けながらポリッ
シング処理した。このときアルミニウム溶解量は0.1
g/m2であった。その後、水洗し、更に硫酸15wt
%水溶液中(アルミニウムイオンを0.5wt%含む)
でデスマット処理した。 (11)陽極酸化処理 液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミニウム
イオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用い、電流
密度2A/dm2で陽極酸化皮膜量が2.4g/m2にな
るように陽極酸化処理を行った。その後、スプレーによ
る水洗を行った。このアルミニウム板の表面には結晶粒
の方位が起因のストリークス、面質むらは発生していな
かった。このアルミニウム板に中間層および感光層を塗
布、乾燥し、乾燥膜厚2.0g/m2のポジ型PS版を
作成した。このPS版を用いて印刷したところ、良好な
印刷版であった。この平版印刷版を校正機で使ったとこ
ろ、作業者がスポンジで湿し水を与えるときのスポンジ
引っかかりがなく、スポンジのかすが発生しにくい良好
な印刷版であった。また、ストリーク、面質むらが発生
していないので、アルミニウム板表面にむらが無く検版
性も良好であった。この支持体を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、大きなうねりの凸部の約25%が丸く加
工されていた。
【0031】実施例2 実施例1の陽極酸化処理後のアルミニウム基板に、親水
化処理する目的で、珪酸ソーダ2.5wt%、70℃の
水溶液に14秒間浸漬し、その後スプレーで水洗し、乾
燥した。各処理および水洗の後にはニップローラで液切
りをおこなった。この処理したアルミニウム板に中間層
とネガ型感光層を塗布、乾燥してPS版を作成した。こ
のPS版を印刷したところ良好な印刷版であった。
【0032】実施例3 実施例1(8)のアルカリ水溶液中での化学的なエッチ
ング処理のかわりに、苛性ソーダ9wt%、アルミニウ
ムイオン0.5wt%を含有する水溶液中35℃で、電
流密度は20A/dm2でアルミニウム板を陽極にし
て、アルミニウム溶解量は1g/m2となるように電解
研磨処理を行った以外は、実施例1と全く同じように粗
面化処理した。 この処理したアルミニウム板に中間層
とネガ型感光層を塗布、乾燥してPS版を作成した。こ
のPS版を印刷したところ良好な印刷版であった。
【0033】実施例4 実施例3の陽極酸化処理後の基板に、親水化処理する目
的で、珪酸ソーダ2.5wt%、70℃の水溶液に14
秒間浸漬し、その後スプレーで水洗し、乾燥した。各処
理および水洗の後にはニップローラで液切りをおこなっ
た。この処理したアルミニウム板に中間層とネガ型感光
層を塗布、乾燥してPS版を作成した。このPS版を印
刷したところ良好な印刷版であった。 実施例5 実施例1(10)のポリッシング処理に、水と平均粒径
0.05μmの研磨剤を併用した以外は実施例1と全く
同様に処理した。この処理したアルミニウム板に中間層
とポジ型感光層を塗布、乾燥してPS版を作成した。こ
のPS版を印刷したところ良好な印刷版であった。
【0034】実施例6 DC鋳造法で中間焼鈍処理と均熱処理を省略し、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチングでストリー
クス、面質むらが発生しやすくなった厚さ0.24m
m、幅1030mmの、JIS A 1050アルミニ
ウム板を用いて連続的に処理を行った。このアルミニウ
ム板に含まれる不純物微量成分は、Siが0.06wt
%、Feが0.1wt%、Cuが0.01wt%、Ti
が0.02wt%、Mnが0.01wt%、Mgが0.
01wt%、Znが0.01wt%であった。このアル
ミニウム板を実施例1と同じように粗面化処理を行っ
た。 (1)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は2g/m2であった。その後、水洗処理を
行った。 (2)デスマット処理 次に塩酸1wt%含有する水溶液、35℃に10秒間浸
漬してデスマット処理を行い。その後、水洗処理を行っ
た。 (3)塩酸水溶液中での電気化学的粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を2槽を用いて連続的に電気
化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩
酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%含
む)、液温35℃であった。交流電源波形は電流値がゼ
ロからピークに達するまでの時間TPが1msec、d
uty比1:1、60Hz、台形の矩形波交流を用い
て、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理
を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流
密度は電流のピーク値で50A/dm2、電気量はアル
ミニウム板が陽極時の電気量の総和で400C/dm2
であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分
流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0035】(4)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板を、NaOH26wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、45℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は0.3g/m2 であった。その後、水洗
処理を行った。 (5)デスマット処理 その後、水洗処理を行い、次に硫酸25wt%含有する
水溶液、60℃に浸漬してデスマット処理を行った。そ
の後、水洗処理を行った。 (6)ポリッシング処理 300rpmで回転する直径300mmのきめのナイロ
ン不織布を材質とするローラ4本を用いて、ポリッシン
グ処理を行った。アルミニウム板とナイロン不織布ロー
ラとの間には水を吹き付けながらポリッシング処理し
た。このときのアルミニウム溶解量は0.1g/m2
あった。その後水洗し、更に硫酸15WT%水溶液中
(アルミニウムイオンを0.5wt%含む)でデスマッ
ト処理を行った。ポリッシングに用いるローラは、順番
に、アルミニウムの進行方向に対して、正転・正転・逆
転・逆転と配置した。 (7)陽極酸化処理 液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミニウム
イオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用い、電流
密度2A/dm2で陽極酸化皮膜量が2.4g/m2にな
るように陽極酸化処理を行った。その後、スプレーによ
る水洗を行った。このアルミニウム板の表面には結晶粒
の方位が起因のストリークス、面質むらは発生していな
かった。このアルミニウム板に中間層および感光層を塗
布、乾燥し、乾燥膜厚2.0g/m2のポジ型PS版を
作成した。このPS版を用いて印刷したところ、良好な
印刷版であった。この平版印刷版を校正機で使ったとこ
ろ、作業者がスポンジで湿し水を与えるときのスポンジ
引っかかりがなく、スポンジのかすが発生しにくい良好
な印刷版であった。また、ストリーク、面質むらが発生
していないので、アルミニウム板表面にムラが無く検版性
も良好であった。
【0036】実施例7 実施例6の(1)、(2)、(3)の処理を以下のよう
に置き換えた以外は実施例6と全く同じように粗面化処
理した。 (1)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は8g/m2であった。その後、水洗処理
を行った。 (2)デスマット処理 次に硝酸1wt%含有する水溶液、35℃に10秒間浸
漬してデスマット処理を行った。その後、水洗処理を行
った。 (3)硝酸水溶液中での電気化学的粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を2槽を用いて連続的に電気
化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝
酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%含
む)、液温50℃であった。交流電源波形は電流値がゼ
ロからピークに達するまでの時間TPが1msec、d
uty比1:1、60Hz、台形の矩形波交流を用い
て、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理
をおこなった。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で50A/dm2、電気量は
アルミニウム板が陽極時の電気量の総和で250C/d
2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%
を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
このアルミニウム板の表面には結晶粒の方位が起因のス
トリークス、面質むらは発生していなかった。このアル
ミニウム板に中間層および感光層を塗布、乾燥し、乾燥
膜厚2.0g/m2のポジ型PS版を作成した。このPS版を
用いて印刷したところ、良好な印刷版であった。この平
版印刷版を校正機で使ったところ、作業者がスポンジで
湿し水を与えるときのスポンジ引っかかりがなく、スポ
ンジのかすが発生しにくい良好な印刷版であった。ま
た、ストリーク、面質むらが発生していないので、アル
ミニウム板表面にむらが無く検版性も良好であった。
【0037】実施例8 DC鋳造法で中間焼鈍処理と均熱処理を省略し、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチングでストリー
クス、面質むらが発生しやすくなった厚さ0.24m
m、幅1030mmの、JIS A 1050アルミニ
ウム板を用いて連続的に処理を行った。このアルミニウ
ム板に含まれる不純物微量成分は、Siが0.15wt
%、Feが0.28wt%、Cuが0.019wt%、
Tiが0.03wt%、Mnが0.02wt%、Mgが
0.023wt%、Znが0.02wt%であった。 (1)機械的な粗面化処理 比重1.12の珪砂と水の懸濁液を研磨スラリー液とし
てアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するロー
ラー状ナイロンブラシにより機械的な粗面化をおこなっ
た。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロンを使用
し、毛長50mm、毛の直径は0.48mmであった。
ナイロンブラシはΦ300mmのステンレス製の筒に穴
をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使
用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(Φ200m
m)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラ
シを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをア
ルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して6kwプ
ラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアル
ミニウム板の移動方向と同じであった。その後、水洗し
た。アルミニウム板の移動速度は50m/minであっ
た。 (2)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は2g/m2であった。その後、水洗処理
を行った。
【0038】(3)デスマット処理 その後、水洗処理を行った。次に硫酸15wt%含有す
る水溶液(アルミニウムイオンを0.5wt%含む)、
35℃に浸漬してデスマット処理を行った。その後、水
洗処理を行った。 (4)ポリッシング処理 2000rpmで回転する直径300mmのナイロン不
織布を材質とするスポンジローラ4本を用いて、ポリッ
シング処理を行った。アルミニウム板とナイロン不織布
ローラとの間には水を吹き付けながらポリッシング処理
した。その後水洗した。 (5)陽極酸化処理 液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミニウム
イオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用い、電流
密度2A/dm2で陽極酸化皮膜量が2.4g/m2にな
るように陽極酸化処理を行った。その後、スプレーによ
る水洗を行った。このアルミニウム板の表面には結晶粒
の方位が起因のストリークス、面質むらは発生していな
かった。このアルミニウム板に中間層および感光層を塗
布、乾燥し、乾燥膜厚2.0g/dm2のポジ型PS版
を作成した。このPS版を用いて印刷したところ、良好
な印刷版であった。この平版印刷版を校正機で使ったと
ころ、作業者がスポンジで湿し水を与えるときのスポン
ジ引っかかりがなく、スポンジのカスが発生しにくい良
好な印刷版であった。また、ストリーク、面質むらが発
生していないので、アルミニウム板表面にむらが無く検
版性も良好であった。DC鋳造法で中間焼鈍処理と均熱
処理を省略し、酸またはアルカリ水溶液中での化学的な
エッチングでストリークス、面質ムラが発生しやすくなっ
た厚さ0.24mm、幅1030mmの、JIS A
1050アルミニウム板を用いて連続的に処理を行っ
た。このアルミニウム板に含まれる不純物微量成分は、
Siが0.15wt%、Feが0.28wt%、Cuが
0.019wt%、Tiが0.03wt%、Mnが0.
02wt%、Mgが0.023wt%、Znが0.02
wt%であった。
【0039】実施例9 実施例8と同様なアルミニウム板を用いて連続的に処理
を行った。 (1)機械的な粗面化処理 比重1.12の珪砂と水の懸濁液を研磨スラリー液とし
てアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するロー
ラー状ナイロンブラシにより機械的な粗面化をおこなっ
た。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロンを使用
し、毛長50mm、毛の直径は0.48mmであった。
ナイロンブラシはΦ300mmのステンレス製の筒に穴
をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使
用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(Φ200m
m)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラ
シを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをア
ルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して6kwプ
ラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアル
ミニウム板の移動方向と同じであった。その後、水洗し
た。アルミニウム板の移動速度は50m/minであっ
た。 (2)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は10g/m2であった。その後、水洗処
理を行った。 (3)デスマット処理 次に硝酸1wt%(アルミニウムイオン0.5wt%、
アンモニウムイオン0.007wt%含む)水溶液、3
5℃に10秒間浸漬してデスマット処理を行った。その
後、水洗処理を行った。 (4)硝酸水溶液中での電気化学的な粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を2槽用いて連続的に電気化
学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸
1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%、ア
ンモニウムイオン0.007wt%含む)、液温50℃
であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達
するまでの時間TPが1msec、duty比1:1、
60Hz、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を
対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノ
ードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク
値で50A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時
の電気量の総和で230C/dm2であった。補助陽極
には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、
スプレーによる水洗を行った。
【0040】(5)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板を、NaOH26wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、45℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は1g/m2であった。その後、水洗処理
を行った。 (6)デスマット処理 その後、水洗処理を行い、次に硫酸25wt%含有する
水溶液、60℃に浸漬してデスマット処理を行った。そ
の後、水洗処理を行った。 (7)ポリッシング処理 1000rpmで回転する直径300mmのナイロン不
織布を材質とするナイロン不織布ローラ3本を用いて、
ポリッシング処理を行った。アルミニウム板とナイロン
不織布ローラとの間には水を吹き付けながらポリッシン
グ処理した。 (8)陽極酸化処理 液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミニウム
イオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用い、電流
密度2A/dm2で陽極酸化皮膜量が2.4g/m2にな
るように陽極酸化処理を行った。その後、スプレーによ
る水洗を行った。このアルミニウム板の表面には結晶粒
の方位が起因のストリークス、面質むらは発生していな
かった。このアルミニウム板に中間層および感光層を塗
布、乾燥し、乾燥膜厚2.0g/m2のポジ型PS版を
作成した。このPS版を用いて印刷したところ、良好な
印刷版であった。この平版印刷版を校正機で使ったとこ
ろ、作業者がスポンジで湿し水を与えるときのスポンジ
引っかかりがなく、スポンジのかすが発生しにくい良好
な印刷版であった。また、ストリーク、面質むらが発生
していないので、アルミニウム板表面にむらが無く検版
性も良好であった。
【0041】実施例10 DC鋳造法で中間焼鈍処理と均熱処理を省略し、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチングでストリー
ク、面質むらが発生しやすくなった厚さ0.24mm、
幅1030mmの、JIS A 1050アルミニウム
板を用いて連続的に処理を行った。このアルミニウム板
に含まれる不純物微量成分は、Siが0.15wt%,
Feが0.28wt%、Cuが0.019wt%、Ti
が0.03wt%、Mnが0.02wt%、Mgが0.
023wt%、Znが0.02wt%であった。 (1)ポリッシング処理 1000rpmで回転する直径300mmの研磨剤を接
着したナイロン不織布を材質とするローラ4本を用い
て、ポリッシング処理を行った。アルミニウム板とナイ
ロン不織布ローラとの間には水を吹き付けながらポリッ
シング処理した。 (2)機械的な粗面化処理 比重1.12の珪砂と水の懸濁液を研磨スラリー液とし
てアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するロー
ラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。ナ
イロンブラシの材質は6・10ナイロンを使用し、毛長
50mm、毛の直径は0.48mmであった。ナイロン
ブラシは直径300mmのステンレス製の筒に穴をあけ
て密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用し
た。ブラシ下部の2本の支持ローラ(直径200mm)
の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを
回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミ
ニウム板に押さえつける前の負荷に対して6kwプラス
になるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニ
ウム板の移動方向と同じであった。その後、水洗した。
アルミニウム板の移動速度は50m/分であった。
【0042】(3)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板を、NaOH27wt%,アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液に70℃で浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は10g/m2 であった。その後、水洗処
理を行った。 (4)デスマット処理 次に、該アルミニウム板を塩酸1wt%含有する水溶液
に、35℃で10秒間浸漬してデスマット処理を行っ
た。その後、水洗処理を行った。 (5)塩酸水溶液中での予備的な電気化学的粗面化処理 図1の向流電圧と図2の装置を用いて連続的に電気化学
的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸1
wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%含
む)、液温35℃であった。交流電源波形は、電流値が
ゼロからピークに達するまでの時間TPが1msec,
duty比1:1、60Hz,台形の矩形波交流を用い
て、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理
を行った。補助あのーどにはフェライトを用いた。電流
密度は、電流のピーク値で50A/dm2、電気量はア
ルミニウム板が陽極時の電気量の総和で40C/dm2
であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分
流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。 (6)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は0.3g/m2であった。その後、水洗
処理を行った。 (7)デスマット処理 次に硝酸1wt%(アルミニウムイオン0.5wt%、
アンモニウムイオン0.007wt%含む)水溶液、3
5℃に10秒間浸漬してデスマット処理を行った。その
後、水洗処理を行った。
【0043】(8)硝酸水溶液中での電気化学的な粗面
化処理 図1の交流電圧と図2装置を2槽用いて連続的に電気化
学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸
1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%、ア
ンモニウムイオン0.007wt%含む)、液温50℃
であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達
するまでの時間TPが1msec、duty比1:1、
60Hz、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を
対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノ
ードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク
値で50A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時
の電気量の総和で190C/dm2であった。補助陽極
には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、
スプレーによる水洗を行った。 (9)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH26wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、45℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は0.7g/m2であった。その後、水洗
処理を行った。 (10)デスマット処理 その後、水洗処理を行い、次に硫酸25wt%含有する
水溶液、60℃に浸漬してデスマット処理を行った。そ
の後、水洗処理を行った。 (11)ポリッシング処理 1000rpmで回転する直径300mmのナイロン不
織布を材質とするナイロン不織布ローラ4本を用いて、
ポリッシング処理を行った。アルミニウム板とナイロン
不織布ローラとの間には水を吹き付けながらポリッシン
グ処理した。 (12)陽極酸化処理 液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミニウム
イオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用い、電流
密度2A/dm2で陽極酸化皮膜量が2.4g/m2にな
るように陽極酸化処理を行った。その後、スプレーによ
る水洗を行った。このアルミニウム板の表面には結晶粒
の方位が起因のストリーク、面質むらは発生していなか
った。このアルミニウム板に中間層および感光層を塗
布、乾燥し、乾燥膜厚2.0g/m2のポジ型PS版を
作成した。このPS版を用いて印刷したところ、良好な
印刷版であった。この平版印刷版を校正機で使ったとこ
ろ、作業者がスポンジで湿し水を与えるときのスポンジ
引っかかりがなく、スポンジのかすが発生しにくい良好
な印刷版であった。また、ストリーク、面質むらが発生
していないので、アルミニウム板表面にむらが無く検版
性も良好であった。この支持体を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、大きなうねりの凸部の約25%が丸く加
工されていた。
【0044】実施例11 実施例10の陽極酸化処理後の基板に、浸水化処理する
目的で、珪酸ソーダ2,5wt%、70℃の水溶液に1
4秒間浸漬し、その後スプレーで水洗し、乾燥した。各
処理及び水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
この処理したアルミニウム板の中間層とネガ型感光層を
塗布、乾燥してPS版を作成した。このPS版を印刷し
たところ良好な印刷版であった。
【0045】実施例12 DC鋳造法で中間焼鈍処理と均熱処理を省略し、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチングでストリー
ク、面質むらが発生しやすくなった厚さ0.24mm、
幅1030mmの、JIS A 1050アルミニウム
板を用いて連続的に処理を行った。このアルミニウム板
に含まれる不純物微量成分は、Siが0.06wt%,
Feが0.1wt%、Cuが0.01wt%、Tiが
0.02wt%、Mnが0.01wt%、Mgが0.0
1wt%、Znが0.01wt%であった。このアルミ
ニウム板を実施例1と同様に粗面化処理を行った。 (1)ポリッシング処理 1000rpmで回転する直径300mmの研磨剤を接
着したナイロン不織布を材質とするローラ3本を用い
て、ポリッシング処理を行った。アルミニウム板とナイ
ロン不織布ローラとの間には水を吹き付けながらポリッ
シング処理した。 (2)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH27wt%,アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液に70℃で浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は3g/m2 であった。その後、水洗処理
を行った。 (3)塩酸水溶液中での予備的な電気化学的粗面化処理 図1の向流電圧と図2の装置を用いて連続的に電気化学
的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸1
wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%含
む)、液温35℃であった。交流電源波形は、電流値が
ゼロからピークに達するまでの時間TPが1msec,
duty比1:1、60Hz,台形の矩形波交流を用い
て、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理
を行った。補助あのーどにはフェライトを用いた。電流
密度は、電流のピーク値で50A/dm2、電気量はア
ルミニウム板が陽極時の電気量の総和で40C/dm2
であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分
流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0046】(4)アルカリ水溶液中でのエッチング処
理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は0.3g/m2であった。その後、水洗
処理を行った。 (5)デスマット処理 次に硝酸1wt%(アルミニウムイオン0.5wt%、
アンモニウムイオン0.007wt%含む)水溶液、3
5℃に10秒間浸漬してデスマット処理を行った。その
後、水洗処理を行った。 (6)デスマット処理 次に硝酸1wt%含有する水溶液、35℃に10秒間浸
漬してデスマット処理を行った。その後、水洗処理を行
った。 (7)硝酸水溶液中での電気化学的な粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を2槽用いて連続的に電気化
学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸
1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%、ア
ンモニウムイオン0.007wt%含む)、液温50℃
であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達
するまでの時間TPが1msec、duty比1:1、
60Hz、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を
対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノ
ードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク
値で50A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時
の電気量の総和で250C/dm2であった。補助陽極
には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、
スプレーによる水洗を行った。 (8)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH26wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、45℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は0.5g/m2であった。その後、水洗
処理を行った。 (9)デスマット処理 その後、水洗処理を行い、次に硫酸25wt%含有する
水溶液、60℃に浸漬してデスマット処理を行った。そ
の後、水洗処理を行った。 (10)ポリッシング処理 1000rpmで回転する直径300mmのナイロン不
織布を材質とするナイロン不織布ローラ3本を用いて、
ポリッシング処理を行った。アルミニウム板とナイロン
不織布ローラとの間には水を吹き付けながらポリッシン
グ処理した。 (11)陽極酸化処理 液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミニウム
イオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用い、電流
密度2A/dm2で陽極酸化皮膜量が2.4g/m2にな
るように陽極酸化処理を行った。その後、スプレーによ
る水洗を行った。このアルミニウム板の表面には結晶粒
の方位が起因のストリーク、面質むらは発生していなか
った。このアルミニウム板に中間層および感光層を塗
布、乾燥し、乾燥膜厚2.0g/m2のポジ型PS版を
作成した。このPS版を用いて印刷したところ、良好な
印刷版であった。この平版印刷版を校正機で使ったとこ
ろ、作業者がスポンジで湿し水を与えるときのスポンジ
引っかかりがなく、スポンジのかすが発生しにくい良好
な印刷版であった。また、ストリーク、面質むらが発生
していないので、アルミニウム板表面にむらが無く検版
性も良好であった。
【0047】実施例13 実施例12の陽極酸化処理後の基板に、浸水化処理する
目的で、珪酸ソーダ2.5wt%,70℃の水溶液に1
4秒間浸漬し、その後スプレーで水洗し、乾燥した。各
処理及び水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
この処理したアルミニウム板に中間層とネガ型感光層を
塗布、乾燥してPS版を作成した。このPS版を用いて
印刷したところ、良好な印刷版であった。
【0048】実施例14 DC鋳造法で中間焼鈍処理と均熱処理を省略し、酸また
はアルカリ水溶液中での化学的なエッチングでストリー
クス、面質むらが発生しやすくなった厚さ0.24m
m、幅1030mmの、JIS A 1050アルミニ
ウム板を用いて連続的に処理をおこなった。このアルミ
ニウム板に含まれる不純物微量成分は、Siが0.06
wt%、Feが0.1wt%、Cuが0.01wt%、
Tiが0.02wt%、Mnが0.01wt%、Mgが
0.01wt%、Znが0.01wt%であった。この
アルミニウム板を実施例1と同じように粗面化処理をお
こなった。 (1)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は5g/m2であった。その後、水洗処理
をおこなった。 (2)デスマット処理 次に塩酸1wt%含有する水溶液、35℃に10秒間浸
漬してデスマット処理を行った。その後、水洗処理をお
こなった。 (3)塩酸水溶液中での予備的な電気化学的粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を1槽を用いて連続的に電気
化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩
酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%含
む)、液温35℃であった。交流電源波形は電流値がゼ
ロからピークに達するまでの時間TPが1msec、d
uty比1:1、60Hz、台形の矩形波交流を用い
て、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理
をおこなった。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で50A/dm2、電気量は
アルミニウム板が陽極時の電気量の総和で40C/dm
2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を
分流させた。その後、スプレーによる水洗をおこなっ
た。 (4)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH27wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は0.3g/m2であった。その後、水洗
処理をおこなった。 (5)デスマット処理 次に硝酸1wt%含有する水溶液、35℃に10秒間浸
漬してデスマット処理を行った。その後、水洗処理をお
こなった。 (6)硝酸水溶液中での電気化学的粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を2槽を用いて連続的に電気
化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝
酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%含
む)、液温50℃であった。交流電源波形は電流値がゼ
ロからピークに達するまでの時間TPが1msec、d
uty比1:1、60Hz、台形の矩形波交流を用い
て、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理
をおこなった。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で50A/dm2、電気量は
アルミニウム板が陽極時の電気量の総和で250C/d
2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%
を分流させた。その後、スプレーによる水洗をおこなっ
た。 (7)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH26wt%、アルミニウム
イオン6.5wt%含有する水溶液、45℃に浸漬して
アルミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウ
ム板の溶解量は0.1g/m2であった。その後、水洗
処理をおこなった。 (8)デスマット処理 その後、水洗処理をおこなった。次に硫酸25wt%含
有する水溶液、60℃に浸漬してデスマット処理を行っ
た。その後、水洗処理をおこなった。 (9)ポリッシング処理 1000rpmで回転する直径300mmのきめの細かい
ナイロン不織布を材質とするロール3本を用いて、ポリ
ッシング処理をおこなった。アルミニウム板とナイロン
不織布ローラとの間には1wt%の苛性ソーダ(0.1
wt%のアルミニウムイオンを含む)、30℃を吹き付
けながらポリッシング処理した。このときのアルミニウ
ム溶解量は0.1g/m2であった。その後、水洗し、
更に硫酸15wt%水溶液中(アルミニウムイオンを
0.5wt%含む)でデスマット処理した。 (10)陽極酸化処理 液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミニウム
イオンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用い、電流
密度2A/dm2で陽極酸化皮膜量が2.4g/m2にな
るように陽極酸化処理をおこなった。その後、スプレー
による水洗をおこなった。このアルミニウム板の表面に
は結晶粒の方位が起因のストリーク、面質むらは発生し
ていなかった。このアルミニウム板に中間層および感光
層を塗布、乾燥し、乾燥膜厚2.0g/m2のポジ型P
S版を作成した。このPS版を用いて印刷したところ、
良好な印刷版であった。この平版印刷版を校正機で使っ
たところ、作業者がスポンジで湿し水を与えるときのス
ポンジ引っかかりがなく、スポンジのかすが発生しにく
い良好な印刷版であった。また、ストリーク、面質むら
が発生していないので、アルミニウム板表面にむらが無
く検版性も良好であった。機械的なポリッシングによる
きずの発生も無かった。
【0049】実施例15 実施例1の機械的な粗面化処理の前に、1000rpm
で回転する直径300mmの研磨剤を接着したナイロン
不織布を材質とするローラ3本を用いて、ポリッシング
処理をおこなった。アルミニウムとナイロン不織布ロー
ラとの間には水を吹き付けながらポリッシング処理し
た。それ以外は実施例1と全く同様に粗面化処理した。
このアルミニウム板の表面を観察したところ、最終冷間
圧延の仕上げローラで発生するきずが見えなくなってい
た。その結果、製品の得率が上がった。 実施例16 実施例3(1)、実施例4(1)のアルカリエッチング
処理の前に1000rpmで回転する直径300mmの研
磨剤を接着したナイロン不織布を材質とするローラ3本
を用いて、ポリッシング処理をおこなった。アルミニウ
ムとナイロン不織布ロールとの間には水を吹き付けなが
らポリッシング処理した。それ以外は実施例3、実施例
4と全く同様に粗面化処理した。このアルミニウム板の
表面を観察したところ、最終冷間圧延の仕上げローラで
発生するきずが見えなくなっていた。その結果、製品の
得率が上がった。
【0050】実施例17 実施例1(8)、実施例3(4)、実施例4(6)のア
ルカリ水溶液中での化学的なエッチング処理の代わり
に、苛性ソーダ9wt%、アルミニウム0.5wt%、
平均分子量200のポリエチレンリコールを250q/
リットル含有する35℃の水溶液中で、アルミニウム板
を陽極にして電解研磨処理をおこなった。電源は直流を
用いて、電流密度20A/dm2であった。アルミニウ
ム溶解量は実施例1(8)、実施例3(4)、実施例4
(6)と同じになるように通電時間を調整した。その結
果、実施例1、実施例3、実施例4よりも更にストリー
クが見えにくく、なおかつ更に白い検版性の良い平版印
刷版用アルミニウム支持体を製造できた。DC鋳造法で
中間焼純処理と均熱処理を省略し、酸またはアルカリ水
溶液中での化学的なエッチングでストリーク、画質ムラ
が発生しやすくなった厚さ0.24mm、幅1030m
mの、JIS A 1050アルミニウム板を用いて連
続的に処理をおこなった。このアルミニウム板に含まれ
る不純物微量成分は、Siが0.15wt%、Feが0.
28wt%、Cuが0.019wt%、Tiが0.03wt
%、Mnが0.02wt%、Mgが0.023wt%、Zn
が0.02wt%であった。 (1)機械的な粗面化処理 比重1.12の珪砂と水の懸濁液を研磨スラリー液とし
てアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するロー
ラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化をおこなっ
た。ナイロンブラシの材質は、6・10ナイロンを使用
し、毛長50mm、毛の直径は0.48mmであった。
ナイロンブラシはΦ300mmのステンレス製の筒に穴
をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使
用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(Φ200m
m)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラ
シを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをア
ルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して6kwプ
ラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアル
ミニウム板の移動方向と同じであった。その後、水洗し
た。アルミニウム板の移動速度は50m/minであっ
た。 (2)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH2 7wt%、アルミニウムイ
オン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬してアル
ミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウム板
の溶解量は10g/m2 であった。その後、水洗処理を
おこなった。 (3)デスマット処理 次に塩酸1wt%含有する水溶液、35℃に10秒間浸漬
してデスマット処理を行った。その後、水洗処理をおこ
なった。 (4)塩酸水溶液中での予備的な電気化学的粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を1槽を用いて連続的に電気
化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩
酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%含
む)、液温35℃であった。交流電源波形は電流値がゼ
ロからピークに達するまでの時間TPが1msec、d
uty比1:1、60Hz、台形の矩形波交流を用い
て、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理
をおこなった。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で50A/dm2 、電気量は
アルミニウム板が陽極時の電気量の総和で40C/dm
2 であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を
分流させた。その後、スプレーによる水洗をおこなっ
た。 (5)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH2 7wt%、アルミニウムイ
オン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬してアル
ミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウム板
の溶解量は0.5g/m2 (実施例1−1)、1g/m
2 (実施例1−2)、2g/m2 (実施例1−3)、4
g/m2 (実施例1−4)であった。その後、水洗処理
をおこなった。 (6)デスマット処理 次に硝酸1wt%(アルミニウムイオン0.5wt%、アン
モニウムイオン0.007wt%含む)水溶液、35℃に
10秒間浸漬してデスマット処理を行った。その後、水
洗処理をおこなった。 (7)硝酸水溶液中での電気化学的な粗面化処理 図1の交流電圧と図2装置を1槽を用いて連続的に電気
化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝
酸1wt%水溶液(アルミニウムイオン0.5wt%、アン
モニウムイオン0.007wt%含む)、液温50℃であ
った。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達する
までの時間TPが1msec、duty比1:1、60
Hz、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極
として電気化学的な粗面化処理をおこなった。補助アノ
ードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク
値で50A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時
の電気量の総和で210C/dm2 であった。補助陽極
には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、
スプレーによる水洗をおこなった。 (8)アルカリ水溶液中でのエッチング処理 アルミニウム板を、NaOH2 7wt%、アルミニウムイ
オン6.5wt%含有する水溶液、70℃に浸漬してアル
ミニウム板のエッチング処理を行った。アルミニウム板
の溶解量は0.8g/m2 であった。その後、水洗処理
をおこなった。
【0051】(9)デスマット処理 その後、水洗処理をおこなった。次に硫酸25wt%含有
する水溶液、60℃に浸漬してデスマット処理を行っ
た。その後、水洗処理をおこなった。 (10)ポリッシング処理 200rpmで回転する直径300mmのきめ細かいナ
イロン不織布を材質とするローラ4本を用いて、ポリッ
シング処理をおこなった。図3に示したように、アルミ
ニウム板とナイロン不織布ロールは液中に浸漬されてい
る装置を用いた。液温は35℃であった。液には栗田工
業製高分子凝集剤PA−362を井水に0.02wt%添
加し、粘度20cpとした。 (11)陽極酸化処理 液温35℃の硫酸濃度15wt%水溶液(アルミニウムイ
オンを0.5wt%含む)で、直流電圧を用い、電流密度
2A/dm2 で陽極酸化皮膜量が2.4g/m 2 になる
ように陽極酸化処理をおこなった。その後、スプレーに
よる水洗をおこなった。このアルミニウム板の表面にポ
リッシング工程で発生するきずが全く発生していなかっ
た。このアルミニウム板に中間層および感光層を塗布、
乾燥し、乾燥膜厚2.0g/m2 のポジ型PS版を作成
し、印刷したところ、良好な印刷版であった。この平版
印刷版を校正機で使ったところ、作業者がスポンジで湿
し水を与えるときのスポンジの引っかかりがなく、スポ
ンジのかすが発生しにくい良好な印刷版であった。ま
た、ストリーク、画質むらが発生していないので、アル
ミニウム板表面にむらが無く検版性も良好であった。
【0052】実施例18 実施例10(10)のポリッシングに用いる装置を図4
とした以外は実施例10と全く同様にポリッシング処理
した。このアルミニウム板の表面にポリッシング工程で
発生するキズが全く発生していなかった。このアルミニ
ウム板に中間層および感光層を塗布、乾燥し、乾燥膜厚
2.0g/m2 のポジ型PS版を作成し、印刷したとこ
ろ、良好な印刷版であった。この平版印刷版を校正機で
使ったところ、作業者がスポンジで湿し水を与えるとき
のスポンジ引っかかりがなく、スポンジのかすが発生し
にくい良好な印刷版であった。また、ストリーク、画質
ムラが発生していないので、アルミニウム板表面にむら
が無く検版性も良好であった。このアルミニウム板の表
面をAFMで測定した。本実施例で測定に使用した原子
間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)は、セイコ
ー電子工業(株)製SP13700で、測定は1cm角
の大きさに切り取ったアルミニウム板試料ビエゾスキャ
ナー上の水平な試料台にセットし、カンチレバーを試料
表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したとこ
ろで、XY方向にスキャンし、その際、試料の凹凸をZ
方向のビエゾの変位でとらえた。ビエゾスキャナーはX
Y150μm、Z10μm走査可能なものを使用した。
カンチレバーはNANOPROBE 社製SiカンチレバーSI−
DF20で共振周波数120〜150kHz、バネ定数
12〜20N/mのもので、DFMモード(Dynamic Fo
rce Mode) で測定した。また、得られた3次元データを
最小二乗近似することにより試料のわずかの傾きを補正
し、基準面を求めた。大波の起伏、平均表面粗さおよび
傾斜度計測の際は、測定領域50μm角を4視野、すな
わち、100μm角の測定を行った。XY方向の分解能
は0.1μm、Z方向の分解能は1nm、スキャン速度
は25μm/secであった。大波の起伏のピッチは三
次元データを周波数分析することにより算出した。平均
粗さは、JIS B0601で定義されている中心線平
均粗さRaを三次元に拡張したものである。表面傾斜度
は、三次元データより隣り合う3点を抽出し、その3点
で形成する微小三角形と基準面とのなす角を全データに
ついて算出し、傾斜度分布曲線を求め、これより傾斜度
45度以上の割合を出した。測定に使用した原子間力顕
微鏡は、セイコー電子工業(株)製SPI3700で、
測定は1cm角の大きさに切り取ったアルミニウム板試
料ピエゾスキャナー上の水平な試料台にセットし、カン
チレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領
域に達したところ、XY方向にスキャンし、その際、試
料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえた。ピエゾス
キャナーはXY150μm、Z10μm走査可能なもの
を使用した。カンチレバーはNANOPROBE 社製Siカンチ
レバーSI−DF20で共振周波数120〜150kH
z、バネ定数12〜20N/mのもので、DFMモード
(Dynamic Force Mode) で測定した。また、得られた3
次元データを最小二乗近似することにより試料のわずか
の傾きを補正し、基準面を求めた。大波の起伏、平均表
面粗さおよび傾斜度計測の際は、測定領域50μm角を
4視野、すなわち、100μm角の測定を行った。XY
方向の分解能は0.1μm、Z方向の分解能は1nm、
スキャン速度は25μm/secであった。大波の起伏
のピッチは三次元データを周波数分析することにより算
出した。平均粗さは、JIS B0601で定義されて
いる中心線平均粗さRaを三次元に拡張したものであ
る。表面傾斜度は、三次元データより隣り合う3点を抽
出し、その3点で形成する微小三角形と基準面とのなす
角を全データについて算出し、傾斜度分布曲線を求め、
これより傾斜度45度以上の割合(%)を出した。また
比表面積ΔSについては、平面の表面積S1、粗面化さ
れた表面の表面積S2としたとき、S2の増加割合をパ
ーセントで示した。このアルミニウム板の表面をAFM
で測定したとき、Raは0.48μm、a45は13
%、ΔSは19.8であった。 比較例1 実施例10のポリッシング処理を行わなかった以外は、
実施例10と全く同様に粗面化処理した。このアルミニ
ウム板は湿し水を与えるスポンジが引っかかりやすく、
なおかつ実施例10に比べて汚れやすかった。このアル
ミニウム板の表面をAFMで測定したとき、Raは0.
48μm、a45は15%、ΔSは21%であった。
【0053】
【発明の効果】本発明により、ストリーク、画像むらと
呼ぶ結晶粒の方位差によるアルミニウム溶解速度の差に
起因する処理むらの発生し難いアルミニウム支持体の処
理方法を安定的に、低コストで提供する。また、本発明
によるアルミニウム支持体を用いた印刷版を通常の印刷
機に用いたとき耐刷、汚れ性能が良く、校正板用の印刷
機に用いたときも、湿し水を与えるときのスポンジが引
っかかりにくい印刷版である。また、本発明により、酸
またはアルカリ水溶液中でアルミニウム板をエッチング
処理しながらポリッシング処理することで、ポリッシン
グ工程できずが発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気化学的粗面化に好ましく用いられ
る台形波形交流電流電源波形の一例を示す波形図であ
る。
【図2】本発明の電気化学的粗面化に用いられる電解装
置の一例を示す概略図である。
【図3】本発明に用いるポリッシング装置の一例を示す
側断面図である。
【図4】本発明に用いるポリッシング装置の他の一例を
示す側断面図である。
【符号の説明】
ta アノード反応時間 tb カソード反応時間 tc 電流が0からピークに達するまでの時
間 Ia アノードサイクル側のピーク時の電流 Ic カソードサイクル側のピーク時の電流 50 主電解槽 51 交流電源 52 ラジアルドラムローラ 53a,53b 主極 54 電解液供給口 55 電解液 56 補助陽極 60 補助陽極槽 W アルミニウム板
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/00 503 G03F 7/00 503 7/09 501 7/09 501 // C23F 1/00 C23F 1/00 Z (72)発明者 上杉 彰男 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 遠藤 雅弘 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 澤田 宏和 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム板を粗面化処理した後に、ポ
    リッシング処理することを特徴とする平版印刷版用アル
    ミニウム支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】粗面化処理とポリッシング処理を交互に行
    うことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】アルミニウム板を順に(1)粗面化処理
    し、(2)ポリッシング処理し、(3)陽極酸化処理す
    ることを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】アルミニウム板を順に(1)粗面化処理
    し、(2)ポリッシング処理し(3)粗面化処理し、
    (4)ポリッシング処理し、またはおこなわないで、
    (5)陽極酸化処理することを特徴とする平版印刷版用
    アルミニウム支持体の製造方法。
  5. 【請求項5】アルミニウム板を順に(1)ポリッシング
    処理し(2)粗面化処理し、(3)ポリッシング処理
    し、またはおこなわないで、(4)陽極酸化処理するこ
    とを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】粗面化処理が、機械的粗面化、電気化学的
    粗面化、電解研磨または化学的エッチング処理を一つ以
    上組み合わせた処理であることを特徴とする請求項1〜
    請求項5のいずれかの項に記載の平版印刷版用アルミニ
    ウム支持体の製造方法。
  7. 【請求項7】粗面化処理が硝酸水溶液中で直流または交
    流を用いて電気化学的に粗面化であるとき、硝酸水溶液
    中で直流または交流を用いた電気化学的な粗面化処理の
    前に微細な凹凸を生成する予備的な粗面化処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかの項に記
    載の平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
  8. 【請求項8】予備的な粗面化処理が、 塩酸を主体とする水溶液中で、交流を用いて1〜30
    0C/dm2の予備的な電気化学的な粗面化をおこな
    い、 アルカリ水溶液中で、0.1〜1.0g/m2の化学
    的なエッチングを行うことを特徴とする請求項7に記載
    の平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
  9. 【請求項9】アルミニウム板を順に(1)化学的なエッ
    チング処理または電解研磨処理し、(2)塩酸を主体と
    する水溶液中で、交流を用いて1〜300C/dm2
    予備的な電気化学的粗面化処理し、(3)アルカリ水溶
    液中で、0.1〜1.0g/m2の化学的エッチング処
    理し、(4)電気化学的な粗面化処理し、(5)化学的
    エッチング処理または電解研磨処理し、(6)ポリッシ
    ング処理し、(7)陽極酸化処理することを特徴とする
    平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
  10. 【請求項10】アルミニウム板を順に(1)機械的粗面
    化処理し、(2)化学的なエッチング処理または電解研
    磨処理し、(3)電気化学的な粗面化処理し、(4)化
    学的なエッチング処理または電解研磨処理し、(5)ポ
    リシング処理し、次いで(6)陽極酸化処理することを
    特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方
    法。
  11. 【請求項11】アルミニウム板を順に(1)機械的粗面
    化処理し、(2)化学的なエッチング処理または電解研
    磨処理し、(3)塩酸を主体とする水溶液中で、交流を
    用いて1〜300C/dm2の予備的な電気化学的な粗
    面化処理し、(4)アルカリ水溶液中で、0.1〜1.
    0g/m2 化学的なエッチング処理し、(5)電気化学
    的な粗面化処理し、(6)化学的なエッチング処理また
    は電解研磨処理し、(7)ポリッシング処理し、次いで
    (8)陽極酸化処理することを特徴とする平版印刷版用
    アルミニウム支持体の製造方法。
  12. 【請求項12】電解研磨に用いる電解液の粘度が1〜2
    00cpであることを特徴とする請求項9〜11のいず
    れかの項に記載の平版印刷版用アルミニウム支持体の製
    造方法。
  13. 【請求項13】ポリッシング処理の前または後または前
    後に化学的なエッチング処理を行うことを特徴とする請
    求項1〜請求項11のいずれかの項に記載の平版印刷版
    用アルミニウム支持体の製造方法。
  14. 【請求項14】ポリッシング処理が、ナイロンブラシ、
    ゴム、布、不織布、ナイロン不織布、スポンジ、フェル
    ト、革または琢磨布を用い、水またはアルミニウムを化
    学的にエッチングする液を吹き付けながら、または、水
    またはアルミニウムを化学的にエッチングする液中で行
    うことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかの
    項に記載の平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方
    法。
  15. 【請求項15】ポリッシング処理が研磨剤を併用しなが
    ら行うことを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれ
    かの項に記載の平版印刷版用アルミニウム支持体の製造
    方法。
  16. 【請求項16】電解研磨処理の前、後、または前後に化
    学的なエッチング処理を行うことを特徴とする請求項1
    〜11のいずれかの項に記載の平版印刷版用アルミニウ
    ム支持体の製造方法。
  17. 【請求項17】化学的なエッチング処理の後に酸性水溶
    液中でのデスマット処理を行うことを特徴とする請求項
    1〜14のいずれかの項に記載の平版印刷版用アルミニ
    ウム支持体の製造方法。
  18. 【請求項18】陽極酸化処理の後に親水化処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1〜17のいずれかの項に記載の
    平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
  19. 【請求項19】DC鋳造法から中間焼鈍処理、または、
    均熱処理、または、中間焼鈍処理と均熱処理を省略して
    製造されたアルミニウム板、または、連続鋳造法から中
    間焼鈍処理を省略して製造されたアルミニウム板であ
    り、アルミニウム合金の異元素の含有する割合は、Si
    が0.03〜1.0wt%,Feが0.05〜1.0w
    t%,Cuが0.001〜0.2wt%,Tiが0.0
    1〜0.1wt%、Mnが0〜1.5wt%、Mgが
    0.0〜0.3wt%,Znが0〜0.1wt%である
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項18のいずれかの
    項に記載の平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方
    法。
  20. 【請求項20】最初の粗面化処理の前にもポリッシング
    処理を行うことを特徴とする請求項1〜請求項19のい
    ずれかの項に記載の平版印刷版用アルミニウム支持体の
    製造方法。
  21. 【請求項21】事前にポリッシング処理、または、バフ
    研磨処理を行う請求項1〜20のいずれかの項に記載の
    平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
  22. 【請求項22】酸またはアルカリのエッチング液を吹き
    付け、または、酸またはアルカリのエッチング液中で、
    アルミニウム板を溶解しながらポリッシング処理する工
    程を1つ以上含む請求項1〜21のいずれかの項に記載
    の平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
  23. 【請求項23】電解研磨処理で、電解研磨に用いる電解
    液の中に増粘材として高分子化合物を添加する、請求項
    1〜22のいずれかの項に記載の平版印刷版用アルミニ
    ウム支持体の製造方法。
  24. 【請求項24】粘度が1〜200cpの液を、ポリッシ
    ングされているアルミニウム面に液体を吹き付けなが
    ら、または、アルミニウム板を粘度が1〜200cpの
    液中に浸漬してポリッシング処理を行うことを特徴とす
    る請求項1〜23のいずれかに記載の平版印刷版用アル
    ミニウム支持体の製造方法。
  25. 【請求項25】電解研磨の用いる電解液の粘度が1〜2
    00cpであることを特徴とする請求項1〜23のいず
    れかの項に記載の平版印刷版用アルミニウム支持体の製
    造方法。
  26. 【請求項26】走査型電子顕微鏡で観察して大きなうね
    りの凸部を数えたとき、全体個数の約10%以上の角が
    丸く加工されていることを特徴とする平版印刷板用アル
    ミニウム支持体。
  27. 【請求項27】走査型電子顕微鏡で観察して大きなうね
    りの凸部を数えたとき、全体個数の約10%以上の角が
    丸く加工されていることを特徴とする、請求項1〜23
    のいずれかの項に記載の方法により粗面化処理された、
    平版印刷板用アルミニウム支持体。
  28. 【請求項28】DC鋳造法から中間焼鈍処理、または、
    均熱処理、または、中間焼鈍処理と均熱処理を省略して
    製造されたアルミニウム板、または、連続鋳造法から中
    間焼鈍処理を省略して製造されたアルミニウム板であ
    り、アルミニウム合金の異元素の含有する割合は、Si
    が0.03〜1.0wt%,Feが0.05〜1.0w
    t%,Cuが0.001〜0.2wt%,Tiが0.0
    1〜0.1wt%、Mnが0〜1.5wt%、Mgが
    0.0〜0.3wt%,Znが0〜0.1wt%である
    ことを特徴とする、は請求項26または27に記載の平
    版印刷板用アルミニウム支持体。
  29. 【請求項29】アルミニウム板をポリッシングする方法
    において、酸またはアルカリのエッチング液を吹き付
    け、または、酸またはアルカリのエッチング液中で、ア
    ルミニウム板を溶解しながらポリッシング処理すること
    を特徴とするアルミニウム板のポリシング方法。
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US09/320,445 US6596150B2 (en) 1998-05-28 1999-05-27 Production method for an aluminum support for a lithographic printing plate
EP99110430A EP0960743B1 (en) 1998-05-28 1999-05-28 Aluminum support for lithographic printing plate and production method thereof
AT99110430T ATE288836T1 (de) 1998-05-28 1999-05-28 Aluminiumträger für flachdruckplatten und verfahren zur herstellung
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005015912A (ja) * 2003-05-30 2005-01-20 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 平版印刷版用アルミニウム合金板
JP2008141220A (ja) * 2008-01-16 2008-06-19 Denso Corp 半導体装置
JP2012216513A (ja) * 2011-03-29 2012-11-08 Fujifilm Corp 集電体用アルミニウム基材、集電体、正極、負極および二次電池

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