JPH10315651A - 平版印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法

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JPH10315651A
JPH10315651A JP13230897A JP13230897A JPH10315651A JP H10315651 A JPH10315651 A JP H10315651A JP 13230897 A JP13230897 A JP 13230897A JP 13230897 A JP13230897 A JP 13230897A JP H10315651 A JPH10315651 A JP H10315651A
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brush
treatment
lithographic printing
printing plate
bristle
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JP13230897A
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English (en)
Inventor
Mutsumi Matsuura
睦 松浦
Akio Uesugi
彰男 上杉
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関的粗面化処理において高い表面粗さを得
ることができ、しかもブラシ傷の発生も無く、また研磨
材の長寿命化を図ることができる平版印刷版用支持体の
製造方法を提供すること。 【解決手段】 アルミニウム板もしくはアルミニウム合
金板の表面に、研磨材を供給しつつブラシ毛を擦り当て
て粗面化処理を行う工程を含む平版印刷版用支持体の製
造方法において、複数本の毛素材により一本のブラシ毛
を構成したブラシを用いて前記粗面化処理を行うことを
特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平板印刷版用支持体
の製造方法に関し、特に汚れ難さ、耐刷性能、耐キズ性
等の諸特性に優れた平版印刷版用支持体を製造するため
に適した製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版用支持体として、従来からア
ルミニウム板またはアルミニウム合金板(以下、アルミ
ニウム板と呼ぶ。)が広く使用されている。このアルミ
ニウム板を平版印刷版用支持体として使用するために
は、感光材との適度な密着性と保水性とを有し、更に均
一に粗面化されていることが必要である。ここで、均一
に粗面化されているということは、生成されたピットの
大きさが適度に揃っており、かつそのようなピットが全
面に均一に分布していることを意味する。またこのピッ
トは、版材の印刷性能である汚れ難さ、耐刷性能等に著
しい影響を及ぼし、その良否は版材製造上重要な要素に
なっている。
【0003】従来よりアルミニウム板の粗面化は、機械
的粗面化処理、化学的エッチング処理、電気化学的粗面
化処理等を適宜組み合わせて行われている。例えば、特
開平6−92052号公報には、機械的粗面化処理に引
き続いて、化学的エッチング処理を行ない、次いでパル
ス通電により電解粗面化処理を行う工程が記載されてい
る。また、特開平7−97766号公報には、機械的粗
面化処理に引き続いて、化学的エッチング処理を行い、
次いで交番波形電流を用いて電解化学的処理を行うこと
が記載されている。また、特開平6−2146号公報に
は、機械的粗面化処理、化学的エッチング処理、電気化
学的粗面化処理における諸条件を特定した方法が記載さ
れている。更に、特開平7−137474号公報には、
機械的粗面化処理に好適なブラシが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】機械的粗面化処理は、
例えば図4に示す如く、アルミニウム板20の表面に研
磨材を含有する研磨スラリ液21を供給しつつ、多数本
のブラシ毛22が植設されたローラ状ブラシ23を擦り
当てることが行われ、その際ブラシ毛22の太さを変え
たり、ローラ状ブラシ23をアルミニウム板20に押し
当てる負荷(押圧力)を調整することにより粗面化の表
面粗さをコントロールしている。また、ブラシ毛22
は、図3に示す如く、所定直径に加工された一本の線状
物である。一般に、高い表面粗さ(Ra値が大きい粗
さ)を得るためには、ブラシ毛22の径を太くしたブラ
シが用いられる。しかしながら、ブラシ毛22の径を太
くするのに伴ってアルミニウム板20の表面に太くて深
いブラシ溝が形成されてブラシ傷となって現れ、支持体
とした時の外観不良や、印刷版とした時の印刷汚れや耐
刷性の低下を招く。また、ブラシ毛22とアルミニウム
板20との間に入り込んだ研磨材にも大きな押圧力が加
わるため、研磨材の摩耗が激しくなり、研磨材の寿命が
短くなるという問題もあった。
【0005】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、機関的粗面化処理において高い表面粗さを得る
ことができ、しかもブラシ傷の発生も無く、また研磨材
の長寿命化を図ることができる平版印刷版用支持体の製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る平版印刷版用支持体の製造方法は、
(1)アルミニウム板の表面に、研磨材を供給しつつブ
ラシ毛を擦り当てて粗面化処理を行う工程を含む平版印
刷版用支持体の製造方法において、複数本の毛素材によ
り一本のブラシ毛を構成したブラシを用いて前記粗面化
処理を行うことを特徴とする。
【0007】また、上記(1)の平版印刷版用支持体の
製造方法において、(2)同一太さの毛素材を複数本撚
り合わせてなるブラシ毛を用いること、(3)芯材とな
る毛素材の周囲に前記芯材よりも細い毛素材を複数本撚
り合わせてなるブラシ毛を用いること、を特徴とする。
【0008】上記の如く、機械的粗面化処理に使用する
ブラシのブラシ毛を複数本、複数種の毛素材で構成する
ことにより、処理表面への研磨作用が分散されるため、
単一のブラシ毛からなる従来のブラシを使用した場合の
ように大きなブラシ溝が形成されず、ブラシ傷が付き難
くなる。また、研磨材に加わる負荷も低くなることか
ら、研磨材の摩耗を抑えることができる。従って、機械
的粗面化処理において、ブラシ傷を発生することなく高
い表面粗さを得ることができ、しかも研磨材の長寿命化
を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る平版印刷版
用支持体の製造方法における実施の形態に関して詳細に
説明する。本発明に係る平版印刷版用支持体の製造方法
において、使用されるアルミニウム板には、純アルミニ
ウム、アルミニウム合金が含まれる。先ず、アルミニウ
ム合金としては、種々な物が使用出来、例えば、珪素、
銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ニッ
ケル、ビスマス等の合金とアルミニウムの合金が用いら
れる。アルミニウム合金は、種々あるが、オフセット印
刷用版材として例えば、特公昭58−6635号公報で
は、FeとSi成分を限定し、金属間化合物を特定して
いる。また、特公昭55−28874号公報では、冷間
圧延率、中間鈍純を行い、電解粗面化の電圧印加方法を
限定している。特公昭62−41304、特公平1−4
6577、特公平1−46578、特公平1−4754
5、特公平1−35910、特公昭63−60823、
特公昭63−60824、特公平4−13417、特公
平4−19290、特公平4−19291、特公平4−
19293、特公昭62−50540、特開昭61−2
72357、特開昭62−74060、特開昭61−2
01747、特開昭63−143234、特開昭63−
143235、特開昭63−255338、特開平1−
283350各号公報、EP272528、米国特許4
902353、同4818300、EP394816、
米国特許5019188、西ドイツ特許323281
0、米国特許435230、EP239995、米国特
許4822715、西ドイツ特許3507402、米国
特許4715903、西ドイツ特許3507402、E
P289844、米国特許5009722、同4945
004、西ドイツ特許3714059、米国特許468
6083、同4861396、EP158941各号明
細書等に示されているアルミニウム合金のみならず、一
般的なものもすべて含まれる。
【0010】板材の製造方法としては、熱間圧延を使用
した方法とともに連続鋳造で行なう方法も最近出願され
ている。例えば東ドイツ特許252799号明細書で
は、双ロール方式で行なわれた板材が紹介されている。
EP223737、米国特許4802935、同480
0950号各明細書では、微量合金成分を限定した形で
出願されている。EP415238号明細書では、連
鋳、連鋳+熱延を提案している。本発明に係る製造方法
では、このようなアルミニウム板に各種表面処理、転写
等を行い、均一な凹凸を有する印刷原板を得ることが出
来、その上に、ジアゾ化合物等の感光層を設けることに
より、優れた感光性平版印刷版を得ることが出来る。何
れにおいても、適切な材料を選ぶことが必要である。
【0011】本発明に係る製造方法においては、機械的
粗面化処理の前に必要に応じて前処理が行われてもよ
い。この前処理は、代表的には、トリクレン等の溶剤や
界面活性剤を用いてのアルミニウム板表面の圧延油の除
去や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ
エッチング剤を用いての清浄なアルミニウム板表面の露
出である。具体的には、溶剤脱脂方法としては、ガソリ
ン、ケロシン、ベンジン、ソルベントナフサ、ノルマル
ヘキサン等の石油系溶剤を用いる方法、トリクロルエチ
レン、メチレンクロライド、パークロルエチレン、1,
1,1−トリクロルエタン等の塩素系溶剤を用いる方法
がある。アルカリ脱脂方法としては、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム等のソーダ塩の水溶液を用いる方法、オルトケイ酸ナ
トリウム、メタケイ酸ナトリウム、二号ケイ酸ナトリウ
ム、三号ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩の水溶液を用い
る方法、第一燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第
二燐酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリ
ン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等の燐酸
塩水溶液を用いる方法等がある。アルカリ脱脂方法を用
いる場合、処理時間、処理温度によって、アルミニウム
表面が溶解する可能性があり得るので、脱脂処理につい
ては、溶解現象が伴わないようにする必要がある。界面
活性剤による脱脂処理としては、アニオン界面活性剤、
カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性
活性剤の水溶液が用いられ、各種の市販品等を用いるこ
とが出来る。脱脂方法としては、浸漬法、吹き付け法、
液を布等に含ませて擦る方法等用いることが出来る。ま
た、浸漬や吹き付け法には、超音波を用いてもよい。上
記脱脂処理に関して、例えば特開平2−26793号公
報を参照することができる。
【0012】次いで機械的粗面化処理が行われる。本発
明に係る製造方法における機械的粗面化処理は、図1に
示すように、同一径の毛素材2を撚り合わせてなるブラ
シ毛1を有するブラシを用いて行うことができる。この
ブラシ毛1の毛素材2は、従来のブラシ毛と同様に金属
や合成樹脂を線状に加工したものである。合成樹脂とし
ては、例えばナイロン等のポリアミド、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート等を
挙げることができる。また金属としては、ステンレスや
真鍮等を挙げることができる。そして、複数本の毛素材
2をブラシ毛1として所望する直径となるように本数を
調整して集成し、撚り合わせて一本のブラシ毛1とす
る。このような構成のブラシ毛1によれば、多数本の細
い毛素材2がアルミニウム板の表面と接触するため、ア
ルミニウム板の表面には細い研磨溝が密に形成され、ブ
ラシの押圧力を高めてもブラシ傷が発生し難い。
【0013】ここで、一般的な機械的粗面化処理に使用
されるブラシ毛は、曲げ弾性率として10,000〜4
0,000kg/cm2 、好ましくは15,000〜3
5,000kg/cm2 、毛腰の強さとして500g以
下、好ましくは400g以下が要求されており、本発明
においてもブラシ毛1として前記の機械的強度を満足す
るように毛素材2の直径が設定される。但し、毛素材2
の直径が増すほど機械的強度が高まるが、一方でブラシ
傷が発生しやすくなる。従って、上記の機械的強度を満
足し、かつブラシ傷が発生しない範囲で毛素材2の直径
を設定する必要がある。例えば、毛素材2としてナイロ
ン線を使用する場合、その直径は0.01〜0.5mm
程度である。
【0014】また、ブラシ毛1として、図2に示すよう
に、芯材3となる毛素材の周囲に芯材3よりも細い毛素
材2を撚り合わせて構成することもできる。芯材3及び
毛素材2のそれぞれの直径は、図1の構成と同様にブラ
シ毛1の機械的強度、所望とするブラシ毛1の直径を考
慮して適宜選択される。また、芯材3は単一である必要
はなく、複数本集成して構成してもよい。毛素材2も図
示のように芯材3の周囲に一重に配置される他、多重と
してもよい。図2に示すブラシ毛1によれば、大径の芯
材3により図1に示す構成のブラシ毛1に比べて高いR
a値が得られる。また、芯材3によりブラシ毛1全体と
しての毛腰強さが増強されるため、ブラシの耐久性を高
めることができる。
【0015】上記図1及び図2に示したブラシ毛1は、
従来のブラシ毛と同様に、例えば図4に示す如くローラ
状ブラシに加工され、機械的研磨装置に組み込まれる。
尚、ローラ状ブラシ等に加工される際のブラシ毛1の植
設の密度は従来のブラシ毛と同様で構わない。
【0016】機械的研磨処理に使用される研磨材は特に
制限されるものではなく、従来より機械的粗面化処理に
使用されている研磨材を使用することができる。具体的
には、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等か
らなる粒径20〜80μm、好ましくは30〜60μm
の微粒子である。使用に際して、上記研磨材はスラリ液
としてアルミニウム板の表面に供給される。
【0017】機械的粗面化処理は、例えば図4に示す装
置を使用して行うことができる。即ち、図1または図2
に示したブラシ毛1を有するローラ状ブラシ22を高速
回転させながらアルミニウム板20の表面に押し当てる
とともに、上記の研磨材を含有する研磨スラリ液21を
ローラ状ブラシ22に供給することにより行われる。こ
の時のローラ状ブラシ22の回転数や押圧力、研磨スラ
リ液の供給量等は特に制限されない。上記粗面化処理に
適した装置としては、図4に示す構成の他に例えば特公
昭50−40047号公報に記載された装置を挙げるこ
とができる。
【0018】機械的粗面化処理の後の粗面化工程は特に
制限されるものではなく、化学的エッチング処理、電気
化学的粗面化処理、電解研磨処理、陽極酸化処理等を適
宜組み合わせて行われる。以下に、その工程の一例を示
す。機械的粗面化処理を行った後、アルミニウム板の平
滑化、均斉化等を目的として、アルミニウム表面をpH
11以上、好ましくはpH13以上のアルカリ溶液を用
いて化学的エッチング処理を行う。使用可能なアルカリ
溶液として、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等のソーダ塩水
溶液、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウ
ム、二号ケイ酸ナトリウム、三号ケイ酸ナトリウム等の
ケイ酸塩水溶液、第一燐酸ナトリウム、第二燐酸ナトリ
ウム、第三燐酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウ
ム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム等の燐酸塩水溶液等を挙げることができる。処理条件
としては、アルカリ溶液の濃度0.01%〜50重量
%、液温20℃〜90℃、時間5秒〜5分間であり、上
記のエッチング量となるように適時選択される。
【0019】上記アルカリ溶液によりアルミニウム板表
面の化学的エッチング処理すると、その表面に不溶解残
渣部すなわちスマットが生成する。そこで、後述される
電解粗面化処理に使用される酸性溶液と同一組成の酸性
溶液を用いてスマットを除去する。処理条件は、例え
ば、液温30〜80℃、時間3秒〜3分とする事ができ
る。
【0020】次いで、このようにして処理されたアルミ
ニウム板に電解粗面化処理を行う。この電解粗面化処理
は、例えば、陰極電解処理の前後に酸性溶液中での交番
波形電流による第1及び第2の電解処理を行うことがで
きる。陰極電解処理により、アルミニウム板の表面にス
マットが生成するとともに、水素ガスが発生してより均
一な電解粗面化が可能となる。この電解粗面化処理は、
例えば特公昭48−28123号公報、英国特許896
563号明細書に記載されている電気化学的グレイン法
に従うことができる。この電解グレイニングは正弦波形
の交流電流を用いるものであるが、特開昭52−586
02号公報に記載されているような特殊な波形を用いて
行ってもよい。また、特開平3−79799号公報に記
載の波形を用いることもできる。また、特開昭55−1
58298、特開昭56−28898、特開昭52−5
8602、特開昭52−152302、特開昭54−8
5802、特開昭60−190392、特開昭58−1
20531、特開昭63−176187各号公報、特開
平1−5889、特開平1−280590、特開平1−
118489、特開平1−148592、特開平1−1
78496、特開平1−188315、特開平1−15
4797、特開平2−235794、特開平3−260
100、特開平3−253600、特開平4−7207
9、特開平4−72098、特開平3−267400、
特開平1−141094各号公報に記載の方法も適用で
きる。
【0021】電解液である酸性溶液としては、硝酸、塩
酸等の他、米国特許4671859、同466576、
同4661219、同4618405、同46262
8、同4600482、同4566960、同4566
958、同4566959、同4416972、同43
74710、同4336113、同4184932各号
明細書等の電解液も使用できる。酸性溶液の濃度は0.
5〜2.5重量%が好ましいが、上記のスマット除去処
理での使用を考慮すると、0.7〜2.0重量%が特に
好ましい。また、液温は20〜80℃、特に30〜60
℃が好ましい。
【0022】電解槽、電源としては、色々提案されてい
るが、米国特許4203637号明細書、特開昭56−
123400、特開昭57−59770、特開昭53−
12738、特開昭53−32821、特開昭53−3
2822、特開昭53−32823、特開昭55−12
2896、特開昭55−132884、特開昭62−1
27500、特開平1−52100、特開平1−520
98、特開昭60−67700、特開平1−23080
0、特開平3−257199各号公報等に記載のものが
ある。また、前掲の明細書あるいは公報に記載された以
外にも、色々提案されている。例えば、特開昭52−5
8602、特開昭52−152302、特開昭53−1
2738、特開昭53−12739、特開昭53−32
821、特開昭53−32822、特開昭53−328
33、特開昭53−32824、特開昭53−3282
5、特開昭54−85802、特開昭55−12289
6、特開昭55−132884、特公昭48−2812
3、特公昭51−7081、特開昭52−13383
8、特開昭52−133840、特開昭52−1338
44、特開昭52−133845、特開昭53−149
135、特開昭54−146234各号公報に記載のも
の等ももちろん適用できる。
【0023】電解処理は、陽極電気量50〜400C/
dm2 、好ましくは70〜200C/dm2 で行うこと
ができる。電解粗面化処理の後、アルミニウム板をpH
11以上の酸性溶液を用いて第2の化学的エッチング処
理を行うことができる。この第2の化学的エッチング処
理に使用されるpH11以上の酸性溶液は、上記第1の
化学的エッチング処理で使用される酸性溶液と同一で構
わないし、異なる酸性溶液を用いてもよい。但し、エッ
チング量は第1の化学的エッチング処理とは異なり、
0.1〜8g/m2 、好ましくは0.2〜3.0g/m
2 である。
【0024】上記の化学的エッチング処理によりスマッ
トが生成するため、アルミニウム板は、硫酸を主体とす
る溶液を用いてスマットの除去を行う。ここで、硫酸を
主体とする溶液とは、硫酸単独溶液の他、燐酸、硝酸、
クロム酸、塩酸等を適宜混合してなる混合溶液である。
この硫酸を主体とする溶液を用いるスマット除去は、例
えば特開昭53−12739号公報を参照することがで
きる。また、アルカリ処理を組み合わせてもよく、例え
ば特開昭56−51388号公報を参照することができ
る。更に、特開昭60−8091、特開昭63−176
188、特開平1−38291、特開平1−12738
9、特開平1−188699、特開平3−17760
0、特開平3−126891、特開平3−191100
各号公報等に記載された方法を併用することもできる。
【0025】次いで、アルミニウム板の表面に、陽極酸
化皮膜を形成する。この陽極酸化皮膜を、硫酸濃度50
〜300g/lで、アルミニウム濃度5重量%以下の溶
液中で、アルミニウム板を陽極として通電して形成す
る。前記溶液には燐酸、クロム酸、しゅう酸、スルファ
ミン酸、ベンゼンスルホン酸等を配合してもよい。形成
される酸化皮膜量は、1.0〜5.0g/m2 、特に
1.5〜4.0g/m2 であることが好ましい。陽極酸
化の処理条件は、使用される電解液によって種々変化す
るので、一概にいえないが一般的には、電解液の濃度が
1〜80重量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜6
0A/cm2 、電圧1〜100V、電解時間15秒〜5
0分の範囲であり、上記の被膜量となるように調整され
る。電解装置としては、特開昭48−26638、特開
昭47−18739、特公昭58−24517各号公報
等に紹介されている。また、特開昭54−81133、
特開昭57−47894、特開昭57−51289、特
開昭57−51290、特開昭57−54300、特開
昭57−136596、特開昭58−107498、特
開昭60−200256、特開昭62−136596、
特開昭63−176494、特開平4−176897、
特開平4−280997、特開平6−207299、特
開平5−24377、特開平5−32083、特開平5
−125597、特開平5−195291各号公報書に
記載されている方法も使用できる。
【0026】上述の様に、陽極酸化皮膜を形成した後、
各支持体と感光組成物との密着を最適なものとするため
に、陽極酸化皮膜をエッチングした後、水蒸気並びに、
熱水で封孔処理をして、経時安定性の良い、現像性の良
好な、非画像部の汚れのない感光性印刷版を与える支持
体の封孔処理装置(特公昭56−12518号公報)を
用いて皮膜生成後処理を行なっても良い。また、特開平
4−4194号公報、特開平5−202496、特開平
5−179482各号公報等に記載の装置、方法で封孔
処理を行なっても良い。
【0027】他に、米国特許第2946638号明細書
に記載されている弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米
国特許第3201247号明細書に記載されているホス
ホモリブデート処理英国特許第1108559号に記載
されているアルキルチタネート処理、独国特許第109
1433号明細書に記載されているポリアクリル酸処
理、独国特許第1134093号明細書や英国特許第1
230447号明細書に記載されているポリビニルホス
ホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されて
いるホスホン酸処理、米国特許第3307951号明細
書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16
893号や特開昭58−18291号の各公報に記載さ
れている親油性有機高分子化合物と2価の金属との塩に
よる処理や、米国特許第3860426号明細書に記載
されているように、水溶性金属塩(例えば酢酸亜鉛な
ど)を含む親水性セルロース(例えばカルボキシメチル
セルロースなど)の下塗り層を設けたり、特開昭59−
101651号公報に記載されているスルホン酸基を有
する水溶性重合体の下塗りによって親水化処理を行った
ものや、特開昭62−019494号公報に記載されて
いるリン酸塩、特開昭62−033692号公報に記載
されている水溶性エポキシ化合物、特開昭62−097
892号公報に記載のリン酸変性デンプン、特開昭63
−056498号公報に記載のジアミン化合物、特開昭
63−130391号公報記載のアミノ酸の無機または
有機酸、特開昭63−145092号公報に記載のカル
ボキシル基または水酸基を含む有機ホスホン酸、特開昭
63−165183号公報に記載のアミノ基とホスホン
酸基を有する化合物、特開平2−316290号公報に
記載の特定のカルボン酸誘導体、特開平3−21509
5号公報に記載のリン酸エステル、特開平3−2615
92号公報に記載の1個のアミノ基とリンの酸素酸基1
個を持つ化合物、特開平3−215095号公報に記載
のリン酸エステル、特開平5−246171号公報に記
載のフェニルホスホン酸などの脂肪族または芳香族ホス
ホン酸、特開平1−307745号公報に記載のチオサ
リチル酸のようなS原子を含む化合物、特開平4−28
2637号公報に記載のリンの酸素酸のグループを持つ
化合物などの下塗りや、特開昭60−64352号公報
に記載されている酸性染料による着色を行なう事もでき
る。
【0028】上記のように製造した支持体に、感光材を
塗設して感光性平板印刷板とすることができる。
【0029】
【実施例】本発明に係る平板印刷版用支持体の製造方法
に関して、下記の実施例並びに比較例により更に詳細に
説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定される
ものではない。
【0030】アルミニウム板として1S材を使用し、そ
の表面をブラシグレインにて機械的粗面化処理を施し
た。装置は、図4に示す構成のものを使用した。その
際、実施例1として図1に示す構成のブラシ毛(直径
0.2mmの毛素材を25本撚り合わせ:断面積0.7
85mm2 )、実施例2として図2に示す構成のブラシ
毛(直径0.6mmの芯材の周囲に直径0.1mmの毛
素材を64本撚り合わせ:断面積0.785mm2 )を
用いた。また、比較例1として直径0.2mmのブラシ
毛(断面積0.0314mm2 )、比較例2として直径
1.0mmのブラシ毛(断面積0.785mm2 )を用
いた(何れも図3参照)。尚、ブラシ毛の素材は実施
例、比較例ともにナイロンであり、各ブラシ毛を同一密
度で植設したローラ状ドラム5本(250prm、押し
圧6kw)を通過させた。また、研磨材は実施例及び比
較例ともにパミスを用いた。この機械的粗面化処理後の
ブラシ傷の発生状況及びRa値を表1に示す。
【0031】また、上記機械的粗面化処理に引き続き、
エッチング処理(アルミニウム溶解量10g/m2 )、
デスマット処理、電解粗面化処理を順次行い、その後、
更に後処理のエッチング処理(アルミニウム溶解量1g
/m2 )、デスマット処理、アノダイズ処理(陽極酸化
被膜量2g/m2 )を行った。これら一連の工程におけ
る処理条件は以下の通りである。 <処理条件> エッチング処理:NaOH 20%、60℃、10g/
2 デスマット処理:HNO3 1%、10秒 電解粗面化処理:HNO3 2%、40℃、60Hz交
流電解、電流密度20A/dm2 、電気量200C/d
2 後処理エッチング:NaOH 20%、35℃ デスマット処理:H2SO4 20%、60℃、10秒 アノダイズ処理:H2SO4 10%、30℃、2g/m
2
【0032】そして、感光材を塗設して平版印刷版を作
成し、その印刷性能として耐刷性並びに汚れ難さの評価
を行った。評価結果を表1に併記する。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、同一断面積のブ
ラシ毛を用いて、同一条件で機械的粗面化処理を行って
も、実施例1,2によるアルミニウム板にはブラシ傷は
ほとんど見られず、また高い表面粗さを得ることができ
た。特に、芯材を用いた構成の実施例2では、比較例2
の単一の大径のブラシ毛を用いた場合よりも高い表面粗
さ(高Ra値)が得られた。また、耐刷性、汚れ難さに
ついても、実施例は両比較例よりも優れていた。また、
ほぼ同じ程度の表面粗さを得ることのできた実施例2と
比較例2とにおいて、研磨剤の摩耗程度を比較したとこ
ろ、実施例2の方が摩耗が少ないことが判った。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る平版
印刷版用支持体の製造方法は、機械的粗面化処理に使用
するブラシのブラシ毛を複数本、複数種の毛素材で構成
することにより、処理表面への研磨作用が分散されるた
め、単一のブラシ毛からなる従来のブラシを使用した場
合のように大きなブラシ溝が形成されず、ブラシ傷が付
き難くなる。また、研磨剤に対する負荷も低くなること
から、研磨剤の摩耗を抑えることができる。従って、機
械的粗面化処理において、ブラシ傷を発生することなく
高い表面粗さを得ることができ、しかも研磨剤の長寿命
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平版印刷版用支持体の製造方法に
おいて使用されるブラシ毛の一実施形態を示す部分斜視
図である。
【図2】本発明に係る平版印刷版用支持体の製造方法に
おいて使用されるブラシ毛の他の実施形態を示す部分斜
視図である。
【図3】従来のブラシ毛の構造を示す部分斜視図であ
る。
【図4】機械的研磨処理に使用される装置の一例を示す
構成概略図である。
【符号の説明】
1 ブラシ毛 2 毛素材 3 芯材 20 アルミニウム板 21 研磨スラリ液 22 ブラシ毛 23 ローラ状ブラシ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板もしくはアルミニウム合
    金板の表面に、研磨材を供給しつつブラシ毛を擦り当て
    て粗面化処理を行う工程を含む平版印刷版用支持体の製
    造方法において、 複数本の毛素材により一本のブラシ毛を構成したブラシ
    を用いて前記粗面化処理を行うことを特徴とする平版印
    刷版用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 同一太さの毛素材を複数本撚り合わせて
    なるブラシ毛を用いることを特徴する請求項1に記載の
    平版印刷版用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 芯材となる毛素材の周囲に前記芯材より
    も細い毛素材を複数本撚り合わせてなるブラシ毛を用い
    ることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版用支持
    体の製造方法。
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