JP3804032B2 - 平版印刷版用支持体の製造方法、平版印刷版用支持体及び感光性平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法、平版印刷版用支持体及び感光性平版印刷版 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版用支持体の製造方法、該方法により得られた支持体及び該支持体を用いた感光性平版印刷版に関するものである。詳しくはアルミニウム板よりなる平版印刷版用支持体の製造方法、該方法により得られた支持体及び該支持体を用いた感光性平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、平版印刷版用支持体として、アルミニウム又はアルミニウム合金が広く使用されている。そして、アルミニウム支持体の上に設けられる感光層との密着性を良好にし、かつ、アルミニウム支持体から製造される平版印刷版の非画像部の保水性を改善することを目的とし、アルミニウム支持体の表面は、平均粗さRaにして0.3〜1.0μm程度の粗面化処理がされている。該粗面化(砂目立て)方法としては、ボール研磨、ブラシ研磨、バフ研磨、ブラスト研磨等の機械的研磨(粗面化)方法と、電解研磨と称される電気化学的粗面化方法、あるいは化学的研磨(粗面化)方法、さらにはこれらの研磨方法を組み合わせた方法等がある。
【0003】
これらの研磨(砂目立て)方法の中では平版印刷版用支持体としての性能に優れ、かつまた大量生産に優れるという点からブラシ研磨による粗面化方法または電気化学的粗面化方法およびこの2種類の方法を組み合わせた粗面化方法が有利である。しかし、これらの方法には、それぞれ次のような問題点があった。
【0004】
ブラシ研磨では、ナイロンブラシのようなブラシの毛先と研磨材により、表面が複雑にかきむしられたような個所ができたり、アルミニウムが切削されずに盛り上がったようなバリ状の鋭い突起が出来たり、あるいは局部的に深く鋭い凹部ができる場合がある。それによりアルミニウム版の取扱いの際に表面が傷つきやすかったり、感光液を塗布する時に、鋭い突起のために感光液がはじいたり、塗布ムラが生じたりする。更に、感光液が塗布された感光性印刷版(PS版)においても、該PS版同士がこすれ合った時に、突起部分がキズ付いたり、感光膜が剥がれる等の問題点があった。
【0005】
一方、電気化学的粗面化(電解研磨)方法においても、電解研磨した時に発生するスマットを取り除くために、強度のアルカリ剤等による化学的研磨(エッチング)が必要であり、この時にエッチングによる部分的に鋭く尖った所がアルミニウム面上にでき、そのため、アルミニウム表面が傷付いたり、スポンジ等でこの版面上を拭いた時に、スポンジが鋭く尖った所にひっかかり、スムースに移動できなかったり、スポンジカスが版面上に残るなどの問題点があった。
【0006】
また、上記のブラシ研磨のような機械的研磨と電解研磨および化学的研磨を組合わせた粗面化方法においても、これらの問題点を解消することはできなかった。平版印刷版用支持体は、上記のような粗面化処理の後、陽極酸化処理、親水化処理などが行われ、その都度、水洗工程が組み込まれて製造されている。そして、各処理間には、通常、上下一対のローラーで仕切られており、使用されているローラーは、研磨面を傷つけないように柔らかいゴムロールとか柔らかいスポンージロールなどが用いられ、ロール間の圧力は、各処理液が液切れ出来る程度に軽く掛けられている。
【0007】
このような時に用いられるロールは、例えば1200〜1500mm幅の場合で、硬度は70度前後で、自重圧で掛けられるかあるいはロールがしならない程度の重量(50kg以下)を掛けて用いられているので、研磨処理で出来た砂目表面の鋭い突起物を平らにすることは出来ない。
また、アルミニウムを処理中、角度を変えるために、変換ロールを使用し、全圧力が数百kgの張力で引く場合があるが、この場合にはロールとアルミニウム板との接面積が大きいため、アルミニウム表面に出来た鋭い突起などを直すことは出来ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、適度の粗面化表面を有しているにもかかわらず、表面が滑らかで、滑りやすく、そのために表面が傷付きにくく、上記のようなスポンジカスが発生しない平版印刷版用支持体の製造方法及びその様にして得られたアルミニウム支持体を提供するものである。さらに別の目的は、感光液の塗布ムラやハジキがなく、印刷版として用いた場合に、耐刷性や汚れにくさにおいて優れた感光性平版印刷版を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、平版印刷版用支持体を製造する際、上記のような研磨後の数々の処理工程の途中に用いられる搬送ロールや仕切りロール部分に強い圧力を加え、更にロール径などをある数値以下にして、ロールとアルミニウム板との接面積を小さくすることによって、アルミニウム表面の鋭角な凸部を丸くすることが出来ることを見出し本発明に至ったものである。
【0010】
本発明は、アルミニウム板の表面を機械的研磨および/または電気化学的研磨、次いで化学的研磨、陽極酸化処理を行う平版印刷用支持体の製造方法およびそのようにして得られた支持体において、前記諸工程の途中に、少なくとも一ヶ所以上、一対のローラーにて両面より圧する工程を入れることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法及びその様にして得られた支持体を提供するものであり、前記一対のローラーにおいて、研磨表面に来るロールが、金属ロールまたはJIS K 6301スプリング式硬さ試験に基づく硬度90度以上の樹脂ロールとし、裏面ロールが硬度50〜90度のゴムロールであり、前記一対のローラーにて両面より圧する圧が、ロール幅当たり0.8kg/cm以上であり、前記一対のローラーの径は100〜300mmとし、当該ローラーの周速度をアルミニウム板の搬送速度に対して±10%以内に変化させて処理する平版印刷版用支持体の製造方法であり、さらにその様にして得られた支持体に感光性組成物を塗設した感光性平版印刷版を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について順を追って詳しく説明する。本発明に使用されるアルミニウム板はアルミニウムを主成分とする純アルミニウムや微量の異原子を含むアルミニウム合金等の板状体である。このような異原子には、珪素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、チタンなどがある。本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものでなく、従来公知、公用の素材のものを利用することができる。本発明に用いられるアルミニウム板の厚さは、およそ0.1〜0.4mm程度が好適である。
【0012】
アルミニウム板は、圧延時に表面に付着した油分を除去するため、例えば、界面活性剤やアルカリ水溶液により脱脂処理が行われる。
次いで、水洗の後、粗面化処理が行われ、粗面化方法としては、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的に表面を粗面化する方法およびこの両者を組み合わせた方法がある。機械的に表面を粗面化する方法としては、ブラシ研磨、ボール研磨法、ブラスト研磨法等と称される公知の方法を用いることができるが、特にブラシ研磨法が大量生産の場合に有利である。また電気化学的に表面を粗面化する方法(電解研磨)としては、塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。
【0013】
このように粗面化されたアルミニウム板は、水洗され、アルカリエッチングのような化学的研磨(エッチング)が行われる。アルカリエッチングに使用するアルカリ剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、第三燐酸ナトリウム、第三燐酸カリウム、アルミニウムン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムなどが挙げられ、これらの単独液あるいは二種以上の混合液を用いることができる。
【0014】
アルカリエッチング液の濃度は、1〜60重量%が好ましく、30〜100℃の液温において、2〜60秒間処理し、0.5〜13g/m2 エッチングする。エッチングを行う方法としては、アルミニウム板をエッチング液浴に浸漬する方法、スプレーやノズルでエッチング液をかける方法などがある。
上記アルカリエッチングをした後、水洗し、必要に応じて硝酸、燐酸、硫酸またはこれらの二種以上の酸を含む混酸でデスマットするか、あるいは単なる水洗、場合によっては高圧力水洗を行ってスマット除去を行う。
【0015】
ブラシ研磨と電解研磨を併用する場合には、ブラシ研磨の後アルカリエッチングし、次いで、電解研磨し、アルカリエッチングする工程を行う。当然ながら、各処理間には必ず水洗工程を入れて処理を行う。
【0016】
以上の各処理および水洗の前後には、液切りのために、必ず一対のローラー等で仕切られており、本発明はこの仕切りローラーあるいはその後の少なくとも一ヶ所以上の個所において、圧ロールを設置し、表面に出来た突起物を潰すことにより表面を滑らかにする方法である。
【0017】
本発明の圧ロールに掛けられる圧力としては、ロール幅当たり0.8kg/cm以上であり、上限は使用するロールによっても異なるが、ロール受け軸が破壊したり、ロールがしなかったり、アルミニウムを圧延する程の圧は好ましくない。圧する圧力が、ロール幅当たり0.8kg/cm未満の場合には、表面に出来た突起物を潰すことが出来ないので好ましくない。圧は、エヤーシリンダーまたは油圧等によって加えられるが、ロールの自重が十分重い場合には、自重圧でも良い。
【0018】
アルミニウム表面に接する上ロールは、金属ロールまたは硬度90度以上の樹脂ロールが好ましい。なお、本願明細書における硬度とは、JIS K 6301スプリング式硬さ試験に記載する試験方法により試験機A形を用いて得た数値である。
上記金属ロールとは、一般的には鉄および鉄合金のクロームメッキ仕立てのものが使用できる。
また、硬度90度以上の樹脂ロールに加工できる樹脂としては、ポリアセタール樹脂、テフロン樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、高分子ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、エボナイトなどが挙げられ、硬度の上限としては100度である。
【0019】
アルミニウムの裏面に接する下ロールとしては、硬度90度以下のゴムロールが望ましい。より好ましくは、80〜50度である。硬度が90度をこえると、上下共に硬くなるので、液切れが悪くなり、硬度が50度未満の場合には、上から圧力をかけても下のロールにめり込んで、表面を平らにすることが出来なくなるので好ましくない。
下ロール用のゴムロールの材質としては、スチレンゴム、ニトリルゴム、ネオプレンゴム、シリコンゴム、ブチルゴム、天然ゴムなどが挙げられる。
【0020】
上記圧ロールの径は、300mm以下が好ましく、より好ましくは250〜100mmである。径が300mmをこえると、アルミニウム板との接面積が大きくなり、圧を掛けても表面の小さな突起物を潰すことが出来ず、100mm未満の場合には、ロールがしなり、中心部の圧が弱くなり、突起物を潰すことが出来ず、また液切れも悪くなるので好ましくない。
【0021】
上記圧ロールの周速度は、処理するアルミニウム板の搬送速度に対して、±10%以内に速度を変化させると、圧ロールとアルミニウム板との間に僅かなズレが生じ、表面の突起物をよりきれに潰すことが出来る。速度変化が±10%をこえると、逆にズレ幅が大きくなり、表面にキズが発生するので好ましくない。より好ましい範囲としては、±5%以内である。
【0022】
以上のように処理されたアルミニウム板は、表面の耐摩耗性や印刷時の保水性や耐刷性をアップさせる目的で陽極酸化処理される。この時使用される電解質としては、一般に硫酸、燐酸、シュウ酸、クロム酸あるいはこれらの混酸が用いられる。
【0023】
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々かわるので特性し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜50重量%、液温は5〜45℃、電流密度が1〜40A/dm2 、電圧5〜50Vおよび処理時間5秒〜5分の範囲ならば好適である。
陽極酸化皮膜の量は0.5g/m2 以上が好適であるが、より好ましくは1.0〜4.0g/m2 の範囲である。陽極酸化皮膜が0.5g/m2 未満の場合には、表面に傷がつき易くなり、印刷時に、傷の部分にインキが付着して、汚れになり易くなる。また逆に陽極酸化皮膜が4.0g/m2 をこえると、現像速度が遅くなり、感度の低下が生じるので好ましくない。
【0024】
上記のように陽極酸化処理され、水洗されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化または不活性化のために沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸塩処理、燐酸塩処理あるいは親水性高分子化合物を含有する水溶液中への浸漬処理等を行うことができる。このようにして得られたアルミニウム板には、常法に従って感光性組成物を設けて感光性平版印刷版を得ることができる。
【0025】
ここで適用される感光性組成物は、特に限定されるものでなく、一般的に周知のものが適用でき、例えば、o−キノンジアジド化合物を主成分とするポジ型のもの、ジアゾ樹脂を主成分とするネガ型のもの、不飽和二重結合含有モノマーを主成分とする光重合性化合物、桂皮酸またはジメチルマレイミド基を含む光架橋性化合物のもの、あるいはヒートモード書込み型化合物などを感光物とするネガまたはポジ型のものが用いられる。また特開昭55−161250号、特開平4−100052号等に記載の電子写真感光層や物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を設けた銀錯塩拡散転写法を利用した感光層も使用することができる。
【0026】
上記感光性組成物は、通常、水、有機溶剤またはこれらの混合物の溶液として、本発明による支持体上に塗布して、乾燥されて感光性平版印刷版が作成されるが、本発明の支持体上に塗布される感光性組成物の塗布量が1〜5g/m2 の場合には、総ての塗布液は、均一にきれいに塗布される。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
なお、実施例に記載された硬度とは、JIS K 6301に記載するスプリング式硬さ試験方法によりA形試験機を用いて得た数値である。表面粗さに関して、平均粗さRaは通常の中心線平均粗さを示し、最大山高さRpは粗さ曲線(断面曲線)の中心線と最高山頂の間隔を意味する。従って、最大山高さRpは、粗さ曲線の最高山頂と最深谷底の間隔であるRmax とは異なる。
【0028】
実施例1、比較例1
厚さ0.24mm、幅1000mmのアルミニウム板を良く脱脂、水洗したのち、ナイロンブラシとパーミストンの水懸濁液を用いて、その表面をブラシ研磨し、水洗した。次いで、15重量%水酸化ナトリウムに80℃で10秒間浸漬してアルカリエッチングし、水洗の後、20重量%硝酸70℃で10秒間酸洗浄してから水洗した。この水洗水の水切りロール用として、上下共に幅1200mm、ロール径120mm、自重45kg、硬度65度のニトリルゴムを使用し、かける圧は自重程度の幅当たり0.4kg/cmで水切りした。その後で、上ロールとして、幅1200mm、ロール径180mm、自重120kgの鉄ロールにクロームメッキした金属ロールを用い、下ロールは、上ロールと同じ幅と径を有する硬度70度の天然ゴムロールを用い、エヤーシリンダーで圧を全重量250kg掛けた。この時の圧は、ロール幅当たり2kg/cm強になった。また、この時の上下ロールの周速度は、アルミニウム板の搬送速度より、5%遅くして回転させた。このようにして処理した支持体を実施例1(基板I)とする。
【0029】
なお、上記水切りロールを通った後、圧ロールを掛けず、圧ロールをパスして作製した支持体を比較例1(基板II)とする。
その後、(基板I)、(基板II)を15重量%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行い、水洗の後乾燥した。この時の陽極酸化皮膜厚は2.0g/m2 であった。この時の(基板I)、(基板II)の表面粗さを測定し、平均粗さRaと最大山高さRpの数値で表1に示す。また、表面を電子顕微鏡(SEM)による3000倍での観察した様子を表1に示す。
表1より、基板IのRp値が低いことは、鋭く突起した個所が少ないことを示している。
【0030】
このようにして作製した(基板I)、(基板II)に下記組成の感光液(1)を乾燥後の塗布重量が1.8g/m2 となるように塗布して感光層を設けた。
感光液(1)
ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライドと
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとのエステル化物 2.5g
m−クレゾール・ホルムアルデヒドノボラック樹脂 6.0g
ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロライド 0.1g
オイルブルー613(オリエント化学工業社製) 0.2g
メチルセロソルブ 50g
プロピレングリコールモノメチルエーテル 50g
この時の(基板I)、(基板II)の感光液塗布状況を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003804032
【0032】
(基板I)および(基板II)から得られた感光性平版印刷版に網点及び細線を有するポジ原稿フィルムを密着し、光源として3kwメタルハライドランプを使用し、距離1mより40秒間照射することにより露光した。この露光済みの感光性平版印刷版を、市販されている現像液(シルバンポジ現像液No.4、岡本化学工業社製、主成分として水酸化カリウムと珪酸ナトリウムおよび水から成る現像液)の10倍希釈液で25℃で30秒間浸漬現像した。得られた平版印刷版を用いて、校正刷り並びに印刷機により印刷を行い、下記の評価方法によりスポンジ適性、耐刷性、汚れ性において評価を行った。その結果を表2に示す。
【0033】
〔スポンジ適性の評価〕
校正機上に(基板I)および(基板II)から得られた印刷版を置き、水を含んだスポンジで前後左右数回擦った。
○:表面の滑り性が良く、スポンジカスがでない。
△:スポンジカスは出ないが、表面の滑り性が悪い。
×:表面の滑り性が悪く、スポンジカスがでる。
【0034】
〔耐刷性の評価〕
(基板I)および(基板II)から得られた印刷版をオフセット印刷機にかけ、約2万部刷った後、画像部を評価する。
○:画像部には何ら異常なく、インキの乗りも良く、高耐刷性が見込まれる。
×:画像部のベタ部に、非常に細かいが、画像が剥がれて砂目が見える個所が有り、印刷物中、その部分がピンホール状にヌケている。
【0035】
〔汚れ性の評価〕
(基板I)および(基板II)から得られた印刷版をオフセット印刷機にかけ、2万部刷った後、非画像部を評価する。
○:非画像部には何ら異常なく、点々状の汚れもない。
×:非画像部の細かい一部に、表面が摩耗して光っている所があり、その部分が点々状に汚れる。
【0036】
【表2】
Figure 0003804032
【0037】
実施例2、比較例2
実施例1と同様にアルミニウム板を、ブラシ研磨とアルカリエッチングした後、実施例1と同じ圧ローラーで、同じように圧を掛け、次いで1N塩酸浴中で200クーロン/dm2 で電解研磨した。水洗の後、実施例1と同じ組成でアルカリエッチングし、水洗後、水切りロールと兼用に硬度95度の樹脂ロールを上ロールに用い、下ロールには硬度70度のニトリルゴムロールを用いて、全重量100kg圧で、幅1cm当たり0.8kg加えた。この上下ロールの周速度は、アルミニウム板の搬送速度より、5%早くして回転させた。このように2回の圧ロールを掛けて処理した支持体を実施例2(基板III)とする。これら2回の圧ロールを掛けず、圧ロールをパスして処理した支持体を比較例2(基板IV)とする。その後、(基板III)、(基板IV)を実施例1と同じように陽極酸化処理し、水洗乾燥した。この時の(基板III)、(基板IV)の表面粗さを測定し、平均粗さRaと最大山高さRpの数値で表1に示す。また、表面を電子顕微鏡(SEM)による3000倍での観察した様子を表1に示す。
表1より、基板III のRp値が低いことは、鋭く突起した個所が少ないことを示している。
【0038】
引き続き、下記組成の感光液(2)を乾燥後の塗布重量が1.8g/m2 となるようにゴムコーターにて塗布して感光層を設けた。
感光液(2)
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート/アクリロニトリル=30/20/5/20/25重量比の共重合体: 30g
4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドの縮合物の2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルベンゼンスルホン酸: 3g
ビクトリアピュアーブルーBOH(保土ヶ谷化学工業社製): 0.1g
シュウ酸: 0.3g
エチレングリコールモノメチルエーテル: 90g
N,N−ジメチルホルミアミド 10g
【0039】
この時の(基板III)、(基板IV)の感光液塗布状況を表1に示す。
(基板III)および(基板IV) から得られた感光性平版印刷版に網点及び細線を有するネガ原稿フィルムを密着し、光源として3kwメタルハライドランプを使用し、距離1mより40秒間照射することにより露光した。この露光済みの感光性平版印刷版を、市販されている現像液(シルバンネガ現像液、岡本化学工業社製、主成分としてフェニルセロソルブと珪酸カリウムと陰イオン界面活性剤および水から成る現像液)の2倍希釈液で25℃で30秒間浸漬現像した。得られた平版印刷版を用いて、校正刷り並びに印刷機により印刷を行い、実施例1と同じくスポンジ適性、耐刷性、汚れ性において評価を行った。その結果を表2に示す。
なお、評価基準は実施例1と同じである。
【0040】
実施例3、比較例3
厚さ0.30mm、幅1000mmのアルミニウム板を良く脱脂、水洗したのち、1.5重量%硝酸浴中で1800クーロン/dm2 で電解研磨した。水洗の後、実施例1と同じ組成で5g/m2 アルカリエッチングし、水洗後、30重量%硝酸で酸洗浄し、水洗の後、上ローラーとして、実行幅1200mmで、鉄芯径150mmにMCナイロン(日本ポリペンコ社製)を15mm被せたものを使用し、下ロールには硬度65度のニトリルゴムを用いて、全重量200kg加重で、幅1cm当たり1.5kg以上にして圧を掛けた。この上下ロールの周速度は、アルミニウム板の搬送速度より、3%遅くして回転させた。この圧ロールを掛けて処理した支持体を実施例3(基板V)とする。一方、この圧ロールを掛けず、圧ロールをパスして処理した支持体を比較例3(基板VI)とする。その後、(基板V)、(基板VI)を実施例1と同じように陽極酸化処理し、水洗乾燥した。
【0041】
この時の(基板V)、(基板VI)の表面粗さを測定し、平均粗さRaと最大山高さRpの数値で表1に示す。また、表面を電子顕微鏡(SEM)による3000倍での観察した様子を表1に示す。
表1より、基板VのRp値が低いことは、鋭く突起した個所が少ないことを示している。引き続き、上記感光液(1)を乾燥後の塗布重量が1.8g/m2 となるようにゴムコーターにて塗布して感光層を設けた。
この時の(基板V)、(基板VI)の感光液塗布状況を表1に示す。
【0042】
(基板V)および(基板VI)から得られた感光性平版印刷版を、実施例1と同様に露光、現像した。得られた平版印刷版を用いて、校正刷り並びに印刷機により印刷を行い、実施例1と同じくスポンジ適性、耐刷性、汚れ性において評価を行った。その結果を表2に示す。
なお、評価基準は実施例1と同じである。
【0043】
【発明の効果】
本発明の平版印刷版用支持体は、表面の滑り性が良く、そのために表面のスリ傷も少なく、スポンジ適性も優れ、更に当該支持体に感光性組成物を塗布した場合には、塗布ムラやハジキもなく、印刷時には耐刷性や点々状の汚れもない優れた版となる。

Claims (7)

  1. アルミニウム板の表面を機械的研磨および/または電気化学的研磨し、次いで化学的研磨し、陽極酸化処理を行う平版印刷版用支持体の製造方法において、前記諸工程の途中に、少なくとも一ヶ所以上、一対のローラーにて両面より圧する工程が含まれ、アルミニウム板の表面に出来た突起物を潰すことにより表面を滑らかにし、最大山高さRpを1.62〜1.90μmとすることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法。
  2. 上記一対のローラにおいて、上記アルミニウム板の研磨表面に接するロールが金属ロールまたはJIS K 6301スプリング式硬さ試験に基づく硬度が90度以上の樹脂ロールとし、上記アルミニウム板の裏面に接するロールが硬度50〜90度のゴムロールであることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  3. 上記一対のローラーにて両面より圧する圧が、ロール幅当たり0.8kg/cm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  4. 上記一対のローラーの径が100〜300mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  5. 上記一対のローラーの周速度をアルミニウム板の搬送速度に対して±10%以内に変化させて処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の平版印刷版用支持体の製造方法を用いて得られた平印刷版用支持体。
  7. 請求項6に記載の平版印刷版用支持体に感光性組成物を塗設した感光性平版印刷版。
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