JP2843986B2 - 平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本発明は、平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方
法、さらに詳しくはアルミニウム板を3極の電極を用い
て電解研磨(砂目立て)する平版印刷版用アルミニウム
支持体の製造方法に関する。
b. 従来の技術 従来、平版印刷版用支持体としてアルミニウム板が広
く使用されており、そのさい、感光膜の密着性を良好に
し、非画線部に保水性を与えるために、アルミニウム板
の表面を粗面化(砂目立て、あるいは研磨ともいう。)
するのが一般的であった。
アルミニウム板を粗面化する方法としては、ボール研
磨やブラシ研磨などによる機械的研磨方法、塩酸や硝酸
あるいはこれらを主体として含む電解液中でアルミニウ
ム板を電気化学的にエッチングすることによる電解粗面
化方法、化学薬品による化学エッチング、乾式あるいは
湿式のホーニング加工方法などがあり、さらに、これら
の方法を組み合わせた方法などが知られている。
これらのなかで、電解粗面化方法が近年注目されてお
り、その多くは塩酸または硝酸を主体とする電解液中に
おいて交流で電解処理を行なうものである。
電解により作られる砂目の形状および表面粗さは、電
解液組成および電気量などの電解条件を変えることによ
って、調整することができる。また、電解研磨の場合に
は、機械的研磨と違ってアルミニウム表面にピット
(孔)を作ることが可能であり、ピットの大きさ,深さ
をいろいろな形に作ることができる。このピットの大き
さ,深さ,さらにはピットの分布状態は、平版印刷版用
支持体としての特性に大いに影響を及ぼすことはよく知
られており、電解だけで平版印刷版用として満足いく砂
目、つまり平均粗さRaが0.4〜1.0μの砂目を作るには多
大な電気量を必要としていた。このことは印刷原版を製
造する上において大きな問題であった。
これらの欠点を解消すべく、ブラシ研磨による粗面化
と酸性電解液中での電解研磨による粗面化とを組み合せ
た粗面化処理方法(特開昭53−123204号);電流密度を
変化させて電解を2段階に分けて行なう方法(特公昭56
−51119号);機械的研磨を行なったのち交番波形電流
を加えて電解研磨処理を行なう方法(特開昭55−137993
号,特開昭55−142695号)などが公開されているが、い
ずれも電力の消費量が多く、また耐刷性や保水性,ある
いは不感脂性において十分満足できるものではなかっ
た。
したがって、ランニングコストが低く、しかも平版印
刷版としての優れた性能を備えた砂目表面を持つアルミ
ニウム支持体の製造方法の開発が強く要望されていた。
ところで、従来の電解粗面化方法は、第1図および第
2図に示すように、単相1極または単相2極で、交流に
より電解処理を行なうものであった。
第1図および第2図において、1はウェブ状のアルミ
ニウム板、2は給電ロール、3はガイドロール、5は電
極板、6は電源、7は電解液、8は電解槽、9は配線ケ
ーブルである。
第1図に示す方法は、アルミニウム板1への直接給電
方式であり、アルミニウム板1は給電ロール2から給電
され、ガイドロール3によって案内されながら電解液7
中を通過し、その間に電極板5との間で電解が生じ、ア
ルミニウム板1の表面が電解研磨される。
また、第2図に示す方法は、アルミニウム板1と電極
板5によって間接的に給電が行なわれる間接給電方式で
あり、2つの電極板5,5とアルミニウム板1との間で電
解が生じ、アルミニウム板1の表面が電解研磨される。
これらの方法で平版印刷版用支持体としての好ましい
性能を有する砂目を得るには、過去の例から見て、高電
流,高電力で電解を行なわないと均一なピット(孔)が
得られない。したがって、ランニングコストが高くなる
という欠点である。また、電解液組成においても、低い
酸性濃度液中で含有アルミニウムイオン濃度が低い状態
で行なわないと均一な径を持ったピットが得られない。
そのためにはたえず電解液を交換せねばならず、廃液と
して捨てた場合には、環境的な問題にもなるし、廃液に
含まれる酸類分を補給せねばならず、結局ランニングコ
ストの増大につながる。さらに、第2図に示す間接的給
電方式では第1図に示す方法と比較して約2倍の電圧が
かかり、その分だけ電力の消費量が増えるので高コスト
になるし、その割りには良い砂目が得られない。
c. 発明が解決しようとする課題 本発明は、上記のごとき課題に鑑みてなされたもので
あり、3相交流にてアルミニウム板を少ない消費電力に
て電解研磨し、平版印刷版用支持体としての優れた性能
を備えた砂目表面をもつアルミニウム支持体を製造する
方法を提供しようとするものである。
d. 課題を解決するための手段 本発明は、アルミニウム板の連続電解処理を行なうに
あたり、2つの電極を同一電解槽中に配置し、残り1つ
の電極をアルミニウム板に接続させて三相交流によりア
ルミニウム板を電解することを特徴とする平版印刷版用
アルミニウム支持体の製造方法を提供するものである。
上記アルミニウム板には、純アルミニウムおよびアル
ミニウム合金が含まれる。
本発明方法においては、まず始めにアルミニウム板の
表面の圧延油を除去し、清浄なアルミニウム面を表出さ
せるために、アルミニウム板の表面の前処理を行なう。
前処理の方法としては、例えば溶剤,界面活性剤による
洗浄あるいはアルカリ剤によるエッチング洗浄などの方
法がある。
引き続いて電解処理を行なうが、その前に電解におけ
る消費電力を節約し、砂目をより複雑にする目的で機械
的に研磨をする場合もある。この機械的な研磨方法は特
に限定されないが、製作上の便、あるいはコイル状アル
ミニウム板を研磨するような場合を考慮すると、ブラシ
研磨法が好ましい。機械的研磨は、得られる中心線平均
粗さ(Ra)が0.3〜0.7μとなるように実施することが好
ましい。
このような機械的研磨を行なった場合は、研磨剤の除
去や、アルミの研磨カスの除去の目的でアルミニウム板
の表面を化学的にアルカリエッチングしておくほうがよ
い。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム,水酸化カ
リウム,第三燐酸ナトリウム,第三燐酸カリウム,アル
ミン酸ナトリウム,炭酸ナトリウム,メタケイ酸ナトリ
ウム,オルトケイ酸ナトリウムなどがあり、これらの単
独液あるいは二種以上の混合物液を用いることができ
る。
アルカリエッチング液のアルカリ濃度は、1〜60重量
%が好ましく、30〜100℃の液温において、2〜60秒間
処理し、2〜13g/m2エッチングする。エッチングを行な
う方法としては、アルミニウム板をエッチング浴に浸漬
する、スプレーやノズルでアルカリエッチング液をかけ
る、スリット状口から液をかけて流してエッチングする
などの方法がある。上記アルカリエッチングを施こした
のち、硝酸,燐酸,硫酸,クロム酸またはこれらの2種
以上の酸を含む混酸でデスマットするか、あるいは単な
る水洗、場合によっては高圧水洗(3kg/cm2以上)を行
なってスマット除去する。
これらの処理に引き続いて本発明の電解処理を行う。
電解処理に使用する電気としては、三相交流で10Hz〜
200Hz範囲内の正弦波,サイリスターなどにより交流の
一部をカットした波形,(+)(−)比が30%以内の非
対称波,対称形正弦波、および10Hz以上の非正弦波,対
称形非正弦波などの電流を主として用いることができ
る。
アルミニウム板に印加される電力は砂目の形状および
経済的な見地から本発明者らが数多く実験を重ねた結
果、電圧が約1〜50V、より好ましくは5〜35Vで、電流
密度が約5〜50A/dm2、より好ましくは10〜40A/dm2であ
り、電気量が約50〜4000クーロン、より好ましくは100
〜3000クーロンである。また電解浴の温度は約10〜60
℃、より好ましくは20〜50℃であり、電極とアルミニウ
ム板との距離は1〜10cm、より好ましくは2〜5cmであ
る。
また電解液としては、硝酸もしくはその塩、塩酸もし
くはその塩などの一種または二種以上の混合液を用いる
ことができる。さらに必要に応じて、電解液には硝酸,
燐酸,クロム酸,ホウ酸,硝酸塩,塩化物,アルミニウ
ム塩,アミン類,その他の腐食促進剤,腐食抑制剤,安
定化剤などを加えても差し支えない。
電解液濃度としては、上記の酸類を0.1〜10重量%の
範囲で含有し、電解液中のアルミニウムイオン濃度を0
〜10g/、より好ましくは2〜8g/の範囲で一定に維
持したものが望ましい。
電解液中には電解が進むにつれて、アルミニウムイオ
ンが溶け込んでくるので、電解液が所定の設定濃度範囲
からはずれた場合には、電解液の一部を廃棄しながら酸
類の新液を補給していく。なお、一度廃棄した電解液
は、イオン交換樹脂膜に接触させたり、隔膜法を用いた
りして、液中のアルミニウムイオンを除去し、同時に酸
類を再生させることにより、再度使用することができ
る。
上記の如くして電解されたアルミニウム板は、十分に
水洗したのち、場合によっては1〜8g/m2程度の少量の
溶液でアルカリエッチングを行ない、電解によるピット
の径を開かすようにする。このとき使用するアルカリ剤
としては、上記の機械的研磨後に使用したアルカリエッ
チング液とほぼ同じものが使用できる。
このようなアルカリエッチングを行なった場合には、
アルカリエッチングにより生じたスマットを高圧洗浄水
て洗浄するか、あるいは前記の種々の酸でデスマットす
ることが望ましい。
次いでアルミニウム板は、表面のキズを防止するため
および感光層をより強固に密着させるために、陽極酸化
処理およびその後の化成処理などの処理を施す場合もあ
る。
陽極酸化処理方法としは、従来から公知の方法を用い
ることができる。例えば硫酸,燐酸,クロム酸,シュウ
酸など、あるいはこれらの2種以上を組み合わせた水溶
液を浴として、直流または交流をアルミニウム板に流
し、アルミニウム板の表面に陽極酸化皮膜を形成させる
方法を用いることができる。
陽極酸化処理されたアルミニウム板には、さらに必要
に応じてケイ酸ナトリウム、またはケイ酸カリウムなど
によりシリケート処理を施こす場合もある。
このようにして得られた本発明の平版印刷版用支持体
に、従来より知られている感光層を設けることにより、
平版印刷版あるいは感光性平版印刷版(PS版)を作るこ
とができる。例えばポリビニルアルコールと重クロム酸
塩類あるいは水溶性ジアゾ樹脂よりなるアルミ平凹版、
あるいはまたアルミ卵白版、さらには水溶性ジアゾ樹脂
とラッカーよりなるアルミワイポン版などに使用でき
る。
感光性平版印刷版(PS版)用感光層としては、溶剤可
溶性ジアゾ樹脂とアクリル酸エステル類との混合物から
なるネガ型感光層、o−キノンジアジド化合物とノボラ
ック型フェノールまたはクレゾール樹脂との混合物から
なるポジ型感光層、さらにはフェニレンジアクリル酸の
ような光架橋性フォトポリマーを用いた感光層、付加重
合性エチレン化合物とアルカリ可溶性樹脂からなる光重
合型フォトポリマー組成物の感光層、アジド感光物とノ
ボラック型フェノール樹脂からなる感光層などを使用す
ることができる。また、酸化亜鉛系材料や有機光導電体
を感光材料として用いてフラッシュ露光あるいはレーザ
ースキャニング露光などを行なう電子写真方式において
用いる平版印刷版用の支持体としても使用できる。
第3図および第4図は、本発明の平版印刷版用アルミ
ニウム支持体の製造方法において電解処理を行なう装置
の概念図である。
第3図および第4図に示す装置においては、ウェブ状
のアルミニウム板1の一端が給電ロール2とガイドロー
ル31により挟まれており、アルミニウム板1の中央部10
はガイドロール32,33により案内されて電解液7を入れ
た電解槽8中に浸漬されており、アルミニウム板1の他
端はガイドロール33によって案内されている。そして、
アルミニウム板1は給電ロール2およびガイドロール
31,32,33によって図中に矢印Aにて示す方向に搬送でき
るように構成されている。
上記装置では、三相交流の1極は給電ロール2に接続
されており、残り2つの電極51,52は電解槽8中に配置
されている。第4図に示す装置では電極51と電極52の間
に遮蔽板(絶縁物)4が設けられている。
なお、第3図および第4図において、6は三相交流の
電源であり、9は配線ケーブルである。
第3図および第4図に示す装置を用いて電解処理を行
なうと、アルミニウム板1と電極51,52の間で電解が行
なわれる。
これらの方法で電解を行なった場合には、前記第1図
および第2図に示すような単相交流による方法と比較し
て、同じ電気量をかけた場合、単相以上に細かで数が多
く、しかも均一なピット(孔)が形成される。このこと
は単に3相の効率の良さのみでなく、ピット数にしても
少なくとも2倍以上になることが本発明者らによって発
見されたものである。
単相による電解では、部分的かつ集中的にピットが生
じるのに対して、理論的には不明だか、本発明の場合に
は1つの電極下でピット(孔)ができ、他の電極下でさ
らに他のアルミニウム表面上の箇所にピットができるた
めか、ピットの数が2倍以上になると考えられる。
したがって、従来と同じ電気量をかけた場合には、従
来の印刷版用支持体と比べてピット数の多い砂目表面が
得られ、このことは保水性、および感光層との密着性が
より優れた印刷版用支持体が得られることとなる。
また、本発明者らは、本発明方法で電解を行なった場
合には、電解層中の含有アルミニウムイオン濃度が従来
より多くても、均一で細かなピットが得られることも発
見した。このことは電解液の交換を従来より少なくする
ことができることを意味しており、ランニングコストを
低く抑えられることができる長所となる。
第3図および第4図に示す装置を用いる電解は、一見
ショートのように見えるが、第3図の装置において、電
極間距離を電解液の水深より約5倍以上とれば、漏れ電
流を無視できることが本発明者らの実験によって判明し
ている。
第4図に示す装置においては、中間に遮蔽板(絶縁
物)4を入れてある。これによって各電極間の漏れ電流
をほとんど無視できる程度まで減少させることができ
る。
以下、図面を参照しつつ実施例に基づいて本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はその要旨をこえない限
り、これらの実施例に限定されるものではない。なお、
実施例中%は重量%を示す。
実施例1;比較例1,2 厚さ0.24mm、幅1000mmのアルミニウム板(材質1050)
をアルカリ脱脂後、よく水洗した。次いで70℃、20%の
カセイソーダ液を5秒間かけ流し、表面をエッチングし
たのち、流水で水洗し、各種電解槽にて表−1に示す条
件で、ほぼ同じ電気量をかけて電解を行なった。次いで
水洗の後、70℃、20%のカセイソーダ液をかけ流して表
面をエッチングし、さらに水洗を行ない、次いで30℃の
10%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行なって、2.5g/m2
の酸化皮膜を形成させた。得られたアルミニウム板の表
面砂目形状および表面粗さの評価結果を表−1に示す。
さらに、表面の電子顕微鏡写真を第5図(実施例1)、
および第6図(比較例1)に示す。
実施例1は本発明方法により電解したものであり、比
較例1は比較のために従来の直接給電方式により電解し
たものであり、電解液組成および電気量を実施例1と同
じくしたものである。第5図および第6図から明らかな
ように、本発明方法で得られたアルミニウム板の表面
(第5図)には均一な孔が全面的に均一に形成されてい
る。これに対して、比較例1(第6図)では孔が不均一
で、極端に大きかったり、深かったりしているために、
大きな孔の中へインキが詰まって汚れやすくなる恐れが
あり、印刷版として好ましくない。また、第1図に示す
方式を用い電圧,電流を上げた比較例2の場合において
も、よい砂目は得られなかった。
第1図に示す方式で印刷版用支持体として適するよう
な砂目を作るには、含有アルミイオン濃度を2g/以下
にし、かつ電圧を本発明方法より約2倍以上かけなけれ
ばならなかった。このことは多くの電力を必要とし、頻
繁に電解液の交換を行なわなければならないことを意味
しており、実施例1,2と比較してランニングコストの増
大につながる。
実施例2,3;比較例3,4 厚さ0.24mm、幅1000mmのアルミニウム板(材質1050)
をアルカリ脱脂したのち、パーミストンの水懸濁液をか
けながらナイロンブラシで表面を粗面化し、その後よく
水洗した。次いで70℃、20%のカセイソーダ液を5秒間
かけ流し、表面をエッチングしたのち、流水で水洗し、
各種電解槽にて表−2に示す条件で、同じ電気量をかけ
て電解を行なった。次いで水洗の後、70℃、20%のカセ
イソーダ液をかけ流して表面をエッチングし、さらに水
洗を行ない、次いで30℃の10%硫酸水溶液中で陽極酸化
処理を行なって、2.5g/m2の酸化皮膜を形成させた。得
られた表面砂目形状および表面粗さの評価結果を表−2
に示す。
実施例2および比較例4で得られたアルミニウム板の
表面の電子顕微鏡写真を第7図および第8図に示す。こ
れらの比較からも明らかなように、実施例2のアルミニ
ウム板は比較例4のアルミニウム板よりも表面に孔(ピ
ット)が多く形成されている。
比較例3および4において、アルミニウム板の表面に
印刷版として良好なる砂目形状を形成するには、第1図
または第2図に示す方式において含有アルミイオン濃度
を2g/以下にし、かつ電圧を実施例2および3の約2
倍以上かけなければならなかった。このことは、ランニ
ングコストの増大につながる。
上記実施例1〜3および比較例1〜4で得られたアル
ミニウム板に下記組成液を塗布することにより、乾燥重
量が2.0g/m2の感光層を有するポジ型PS版を作製した。
得られたPS版をポジフィルム下で3KW高圧水銀灯を用
いて距離1mより60秒露光した。次に下記組成を有する25
℃の現像液に20秒浸漬して画像を形成した。
水洗後、アラビヤガム液で不感脂化した後、各アルミ
ニウム板をそれぞれ印刷機にかけ、版面に水を与えない
でインキローラーを落とし、画像部および非画像部の全
面にインキを付着させた。その後水棒を落とし、非画像
のインキが完全に取れ、汚れのない印刷物が得られるま
での枚数(以下、損紙枚数という。)を調べた。この場
合、損紙枚数の少ない版ほど優秀なものである。また、
その逆に正常に印刷されている状態で水棒を上げ、水を
与えないでインキが非画像部に付き始め、印刷物が汚れ
始めるまでの枚数(以下、汚れ出し枚数という。)を調
べた。
この場合、この枚数が多いほど非画像部の保水性が優
秀なものである。
さらに画像部の耐刷力も同時に調べた。これらの結果
を表−3に示す。
表−3に示す結果から明らかなように、実施例1〜3
の方法で得られた印刷版は、保水性および耐刷性に優れ
た版である。
f. 発明の効果 本発明によれば、低電力量にて、保水性がよく、しか
も耐刷力の優れた支持体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は従来の電解処理装置の概念図、第
3図および第4図は本発明方法における電解処理装置の
概念図、第5図は実施例1において得られるアルミニウ
ム板の表面の金属組織を示す顕微鏡写真、第6図は比較
例1において得られるアルミニウム板の表面の金属組織
を示す顕微鏡写真、第7図は実施例2において得られる
アルミニウム板の表面の金属組織を示す顕微鏡写真、第
8図は比較例4において得られるアルミニウム板の表面
の金属組織を示す顕微鏡写真である。 1……ウェブ状アルミニウム板 2……給電ロール、3……ガイドロール 4……遮蔽板(絶縁物)、5……電極板 6……電源、7……電解液 8……電解槽、9……配線ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−157997(JP,A) 特開 昭64−38291(JP,A) 特開 昭52−133838(JP,A) 特開 平1−249390(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41N 3/03

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム板の片面の連続電解処理を行
    なうにあたり、2つの電極を同一電解槽中に該アルミニ
    ウム板の処理を施す面側に配置し、残り1つの電極をア
    ルミニウム板に接続させて、三相交流によりアルミニウ
    ム板を電解することを特徴とする平版印刷版用アルミニ
    ウム支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】上記2つの電極の間の距離を電解液の水深
    より約5倍以上とすることを特徴とする請求項1に記載
    の平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】上記2つの電極の間に、絶縁物を配置する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の平版印
    刷版用アルミニウム支持体の製造方法。
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