JPH1199758A - 平版印刷版用支持体の製造方法及び感光性平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法及び感光性平版印刷版

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JPH1199758A
JPH1199758A JP9261903A JP26190397A JPH1199758A JP H1199758 A JPH1199758 A JP H1199758A JP 9261903 A JP9261903 A JP 9261903A JP 26190397 A JP26190397 A JP 26190397A JP H1199758 A JPH1199758 A JP H1199758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷版用支持体の砂目のピット形成の均一
性保持、粗大ピット生成の抑制、小ピットの深さ/径を
0.2以下に制御の方策を提供し、高精細でのドットゲ
イン改善、ブランケット汚れの改善、水を絞った際の汚
れ難さ改善及びユポ紙(吸水性のない紙)印刷適性改善
する。 【解決手段】 アルミニウム又はその合金板を化学的に
表面を溶解処理するか、もしくは機械的粗面化、電解粗
面化又は化学的な表面溶解処理のうち2つ以上を組み合
せた処理の後、更に電解粗面化し、化学的に表面を溶解
処理し、陽極酸化処理をした支持体に、感光層を設けた
感光性平版印刷版において、該支持体が大小ピットの二
重構造を有し、大ピットが均一性を有しかつ小ピットの
平均開口径が0.2μm以上、0.8μm以下であり、
かつ小ピットの深さと開口径の比が0.2以下であるこ
とを特徴とする感光性平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体の製造方法とそれを用いた感光性平版印刷版に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、PS版等の平版印刷版用支持体の
粗面化処理方法のひとつとして電解処理による粗面化方
法が用いられてきたが、電解粗面化のみで、平版印刷版
用支持体に必要とされる表面粗さを得ようとした場合、
粗面の均一性が不十分であった。
【0003】特に、塩酸を主に含む電解液中での電解で
は、開口径10μmを超えるような粗大ピットが生成し
やすく、かつ3〜10μmのやや大きなピットが全く生
成しない平坦な部分も残り、不均一な粗面形状しか得ら
れなかった。また、硝酸を主に含む電解液中での電解で
は、開口径10μmを超えるような粗大ピットは生成し
にくいが、ピットの開口径の分布が1〜3μmに集中
し、1μm以下のピットの生成が少ないため、均一では
あるが、ブランケットが汚れ易い支持体しか得られなか
った。
【0004】こうした問題点を解決するために、やや大
きなピットは機械的な粗面化で形成し、1μm前後の小
さなピットを電解粗面化で形成する方法も行われてい
る。しかし、機械的粗面化で形成されるピットもしくは
うねりは10μm程度の開口径のピットに相当するもの
であり、更に3〜6μm程度の開口径のピットを形成す
ることはできなかった。また、電解粗面化による方法で
も、特公平7−98429号では、電解処理時間の途中
に、休止時間を少なくとも2回以上設けることで、開口
径10μm以上の粗大ピットの生成がなくなるとしてい
るが、特公平7−98429号に記載の方法では、まだ
十分な均一性が得られず、特に高精細でのドットゲイン
は満足できるものではなかった。また、ブランケット汚
れや水を絞った際の汚れ難さも不十分であり、特に吸水
性の悪い用紙(例えばユポ紙)を使用した際の印刷適性
は全く満足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点の解消策を提供することにあり、第1にPS版用
等の平版印刷版用支持体の砂目のピット形成の均一性保
持、粗大ピット生成の抑制、小ピットの深さ/径比率を
0.2以下に制御の方策を提供することにある。第2に
は、高精細でのドットゲイン改善、ブランケット汚れの
改善、水を絞った際の汚れ難さ改善及びユポ紙(吸水性
のない紙)印刷適性改善にある。
【0006】更に第3には、支持体粗面化処理安定性の
改善にもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成される。
【0008】1. アルミニウム又はその合金板を化学
的に表面を溶解処理するか、もしくは機械的粗面化、電
解粗面化又は化学的な表面溶解処理のうち2つ以上を組
み合せた処理の後、更に電解粗面化し、化学的に表面を
溶解処理し、陽極酸化処理をした支持体に、感光層を設
けた感光性平版印刷版において、該支持体が大小ピット
の二重構造を有し、大ピットが均一性を有しかつ小ピッ
トの平均開口径が0.2μm以上、0.8μm以下であ
り、かつ小ピットの深さと開口径の比が0.2以下であ
ることを特徴とする感光性平版印刷版。
【0009】2. 大ピットの平均開口径が3μm以
上、6μm以下であることを特徴とする1に記載の感光
性平版印刷版。
【0010】3. アルミニウム又はその合金板ウエブ
を機械的粗面化或いは脱脂後電解粗面化し、アルカリで
表面溶解処理(1)を施し、酸で中和し、酸性電解液中
で電解粗面化し、更にアルカリで表面溶解処理(2)を
施し、酸で中和する平版印刷版用支持体の製造方法にお
いて、該酸性電解液が塩酸と酢酸を含み、アルカリ表面
溶解処理(1)での表面溶解量を3.0〜10.0g/
2、アルカリ表面溶解処理(2)での表面溶解量を
0.6〜3.0g/m2としたことを特徴とする平版印
刷版用支持体の製造方法。
【0011】4. アルミニウム又はその合金板ウエブ
をアルカリで表面を溶解処理し、酸で中和し、酸性電解
液中で電気化学的に粗面化し、更にアルカリで表面を
0.6〜3.0g/m2溶解処理し、酸で中和する平版
印刷版用支持体の製造方法において、該酸性電解液が塩
酸と酢酸を含み、連続的に搬送されながら処理される電
気化学的粗面化の全工程中で電解処理の進行が速い部分
と電解処理の進行が遅いかもしくは停止する部分とを交
互に複数回通過するように電解処理し、かつ、電解処理
の進行が速い部分一工程での電解処理の電気量が平均で
100C/dm2以下であることを特徴とする平版印刷
版用支持体の製造方法。
【0012】5. 電解処理の進行が遅いかもしくは停
止する部分に要する時間が0.6秒以上、5秒以下であ
ることを特徴とする4に記載の平版印刷版用支持体の製
造方法。
【0013】6. 酸性電解液の塩酸の含有量が7〜1
5g/l、酢酸の含有量が10〜40g/lである3、
4又は5に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【0014】7. 電解前のアルカリでの溶解量が1.
0〜4.0g/m2であり、かつその中和に使用する酸
が塩酸又は酢酸を含むことを特徴とする4、5又は6に
記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
【0015】本発明者らは、電解粗面化の分割処理に着
目し、さまざまな検討を行なった結果、砂目の均一性に
密接に関係するのは休止の回数ではなく、電解処理一工
程で印加する電気量であること、及び、各電解処理間で
の休止時間が0.5秒以下では均一化の効果が現れない
こと、休止時での電解の電流を完全に遮断しなくても均
一化が可能であることを見出した。
【0016】更に、使用する電解液が塩酸及び酢酸を特
定量含み、かつ電解後のアルカリでの表面溶解処理量を
特定量とすることで、小ピットが開口径に対して深さの
浅い形状に制御できることを見出した。
【0017】この砂目均一化、すなわち大ピットの径と
分布の制御により、特に高精細でのドットゲインが改善
でき、更に小ピットを前述の形状とすることでブランケ
ット汚れ、水を絞った際の汚れ難さ、及び吸水性の悪い
用紙を使用した際の印刷適性の改善に著しい効果が得ら
れることを見出し、本発明をなすにいたった。
【0018】また、不特定の方法で数μm単位の均一な
粗さを形成した後、特定量アルカリで表面を溶解処理
し、更に塩酸及び酢酸を特定量含む電解液を使用して電
解粗面化を行い、電解後のアルカリでの表面溶解処理量
を特定量とすることで開口径に対して深さの浅い形状の
小ピットを形成することによっても同様の効果が得られ
ることを見出し、本発明をなすにいたった。
【0019】以下本発明を詳述する。
【0020】本発明は、アルミニウム又はその合金板を
化学的に表面を溶解処理するか、もしくは機械的粗面
化、電解粗面化又は化学的な表面溶解処理のうち2つ以
上を組み合せた処理の後、更に電解粗面化し、化学的に
表面を溶解処理し、陽極酸化処理をした支持体か又は更
に親水化処理を施した支持体に、感光層を設けた平版印
刷版において、該支持体が大小ピットの二重構造を有
し、かつ小ピットの平均開口径が0.2μm以上、0.
8μm以下であり、かつ小ピットの深さと開口径の比が
0.2以下であることを特徴とする印刷版である。
【0021】尚、本発明において、機械的粗面化とは、
物理的な力を加える支持体表面を削り取る粗面化方法で
ある。これに対し、化学的な表面溶解処理とは、主に酸
又はアルカリによる表面溶解処理で、化学的粗面化とも
呼ばれる。脱脂とはこれに加え、溶剤による洗浄をも含
む。又、電界粗面化とは、酸性、電解液中で交流電流を
印加し、支持体表面を電気化学的にピット状に溶解して
粗面化する方法をいう。
【0022】本発明においては、又、大ピットの平均開
口径が3μm以上、6μm以下であることが好ましい。
【0023】ここで、大ピットの平均開口径は全ピット
中、開口径が2μmよりも大きく、かつ、その内部に更
に2μm以下のピットが存在する二重構造のピットの開
口径を平均したものである。また、小ピットの平均開口
径は全ピット中、開口径が2μm以下で、かつ、その内
部に更に小さなピットが存在しない構造のピットの開口
径を平均したものである。
【0024】ブランケット汚れは、非画線部砂目の比較
的鋭角な突起部分がインキローラーと接触した際に、イ
ンキ層中に侵入し、インキローラーから離れる際にその
鋭角な突起先端にインキを付着させ、次いでブランケッ
トと接触した際にそのインキがブランケット側に移動
し、これを繰り返すことでブランケット上にインキが堆
積していく現象であると考えることができる。
【0025】この場合の突起の鋭さとは、数μmオーダ
ーでの凹凸に対してのみならず、サブμmの凹凸に対し
ても関係していることが判明した。粗面化方法を特定す
るものではないが、形成された粗面化形状の小ピットが
上記条件を満たした、浅い小ピット同士が密集状につき
合わさって形成されていると、ピットエッジは鈍角であ
り、インキローラーと接触した際にインキ層中に侵入す
ることがなく、ピットエッジ先端にインキが付着し難
い。このことによりブランケット汚れは著しく改善され
る。小ピットの深さと開口径の比が0.2よりも大きい
場合は、ピットエッジが鋭角になる方向であり、ブラン
ケット汚れ改善の効果がなくなる。
【0026】また、本発明の小さく浅いピットの容積は
小さく、少ない水量で表面全体を被覆することが可能と
なり、水を絞っていっても汚れ難くなる。特に水インキ
バランスの調整が困難な吸水性の悪い用紙を使用した印
刷においては、水を絞った状態で汚れない安定した印刷
条件が容易に確保でき、印刷適性は著しく向上する。
【0027】小ピットの平均開口径が0.8μmよりも
大きくなると、ピット容積は大きくなる方向であり、表
面全体を被覆するのに必要な水量も多くなり、水を絞っ
た際の汚れ難さの改善効果が小さくなる。また、0.2
μmよりも小さい場合はピット容積が小さくなりすぎて
有効な水膜を保持することができず、汚れ易くなる。
【0028】小ピット形状に加えて、大ピットの形状を
上記のように特定することで、特に高精細でのドットゲ
インが向上する。これは、粗面が適度に緻密で均一な構
造となることで、微細なドットの形成が安定し、形状が
揃うことに起因する。平均開口径が6μmよりも大きく
なると、微細なドットの形状がピット輪郭に沿って変形
する等の現象が生じ、結果としてドットゲインが劣化す
ることもある。また、平均開口径が3μmよりも小さく
なると、大ピットとしてのピット容積が小さくなり過ぎ
て、保水量の低下として現れ、やはり、ドットゲインが
劣化することもある。
【0029】また、本発明は、アルミニウム又はその合
金板ウエブを機械的粗面化或いは脱脂後電解粗面化し、
アルカリで表面溶解処理(1)を施し、酸で中和し、酸
性電解液中で電解粗面化し、更にアルカリで表面溶解処
理(2)を施し、酸で中和する方法において、該酸性電
解液が塩酸と酢酸を含み、アルカリ表面溶解処理(1)
での表面溶解量を3.0〜10.0g/m2、アルカリ
表面溶解処理(2)での表面溶解量を0.6〜3.0g
/m2としたことを特徴とする支持体の製造方法にもあ
る。
【0030】第一の粗面化として粗面化方法は特定しな
いが、起伏の周期が3〜6μmとなるように粗面化を行
うことが高精細でのドットゲインを良好とするために必
要である。次いでアルカリ表面溶解処理(1)として表
面を3.0〜10.0g/m2溶解することで、第一の
粗面化で形成された鋭角な形状を溶解し、大ピットが密
集した構造とする。溶解量が3.0g/m2よりも少な
いと鋭角な形状が残り、ブランケット汚れに悪影響を与
える。10.0g/m2よりも多いと、形成した粗さを
滑らかにし過ぎて耐刷力が低下するうえ、製造上非効率
である。
【0031】次に塩酸と酢酸を含む電解液中で交流を用
いて電解粗面化を行うことによって、大ピットに重畳し
て小ピットが密集状に形成される。次いで施されるアル
カリ表面溶解処理(2)での表面溶解量は0.6〜3.
0g/m2である。
【0032】これにより、小ピット形状は平均開口径が
0.2μm以上、0.8μm以下であり、かつ深さと開
口径の比が0.2以下であるように制御される。0.6
g/m2でよりも少ない場合は開口径が0.2μmより
も小さくなり、3.0g/m2でよりも多いと0.8μ
mよりも大きくなったり、或いは小ピットのピットエッ
ジが不明確になるほど表面が滑らかになって水を保持で
きなくなって水を絞った際に汚れ易くなる。
【0033】また、電解液が塩酸のみで酢酸を含まない
場合は、小ピットの開口径に対する深さの比が大きくな
り、アルカリ溶解処理では平均開口径が0.2μm以
上、0.8μm以下であり、かつ深さと開口径の比が
0.2以下であるように制御できず、酢酸を含む場合よ
りもブランケット汚れ及び水を絞った際の汚れの改善効
果は小さい。
【0034】更に、本発明は、アルミニウム又はその合
金板ウエブをアルカリで表面を溶解処理し、酸で中和
し、酸性電解液中で電気化学的に粗面化し、更にアルカ
リで表面を0.6〜3.0g/m2溶解処理し、酸で中
和する方法において、該酸性電解液が塩酸と酢酸を含
み、電気化学的粗面化の全工程中で電解処理の進行が速
い部分と電解処理の進行が遅いかもしくは停止する部分
とが交互に複数回存在するように電解処理し、かつ、電
解処理の進行が速い部分一工程での電解処理の電気量が
平均で100C/dm2以下であることを特徴とする支
持体の製造方法によってその目的を達成出来る。
【0035】此の場合、電解処理の進行が遅いかもしく
は停止する部分に要する時間が0.6秒以上、5秒以下
であることが好ましい。
【0036】電解処理の進行が速い部分と電解処理の進
行が遅いかもしくは停止する部分とが交互に複数回存在
するようにするには、例えば、図1に示すような連続式
の電解装置において、電極の配置をまばらに配置して図
2のようにすることで行なうことができる。図1におい
て、1が電解槽であり、これに電解液7が満たされてい
る。この液中を支持ロール2,3,4,5によって支持
されたアルミ合金板ウエブ6が図の左側から右側に搬送
される。その間に電極a〜xとアルミ合金板ウエブとの
間に交流電源からの電流が流れる。
【0037】ここで、電解処理の進行が速い部分とは電
極に正対しているウエブ部分を指し、電解処理の進行が
遅いかもしくは停止する部分とは、電極が存在していな
いウエブ部分を指す。電極が存在していないウエブ部分
であっても近傍の電極からの漏れ電流が流れる個所もあ
り、その部分全体で電解処理が停止するわけではない
が、電解処理の進行が速い部分一工程での電解処理の電
気量が平均で100C/dm2以下とすることで、均一
な砂目が得られる。
【0038】また、図3のように電極のない部分にロー
ル8〜13を接触させる等により、電流を実質的に遮断
することもできる。その他の方法によって、例えば処理
の回数分だけ電解槽を設けて、その電解槽間の渡り部分
で電解処理を停止させるような方法をとっても、一工程
での電解処理の電気量が平均で100C/dm2以下と
すれば同様の効果が得られることは言うまでもない。こ
の方法により、粗大ピットの生成が抑制され、大ピット
の径がほぼ一定となり均一な粗面が得られる。本方法の
効果は、特に塩酸を主に含む電解液を使用した際に著し
い。電解処理の進行が遅いかもしくは停止する部分に要
する時間が0.5秒以下では、粗大ピットの生成はやや
抑制されるものの十分な分割処理効果が得られない。
0.6秒以上とすることで、大ピットの平均開口径が3
〜6μmで均一にそろい、大ピットの偏在に起因する平
坦部分のない、粗面を得ることができる。この時間を長
くしても同様の効果を得ることができるが、5秒よりも
長い停止時間では生産適性が著しく低下するので、5秒
以下とするのが好ましい。
【0039】本発明では、塩酸と酢酸を含む電解液を用
いることで、上記大ピットの形成と同時に大ピットに重
畳して密集状の小ピットを形成することができる。小ピ
ット形状の制御は上記で説明した内容と同様である。ま
た、バッチ式の電解処理であれば、電解電源の電流密度
を時間に対して変化させることで、全電解工程中で電解
処理の進行が速い部分と電解処理の進行が遅いかもしく
は停止する部分とが交互に複数回存在するようにして
も、一工程での電解処理の電気量が平均で100C/d
2以下とすることで、粗大ピットの生成が抑制され、
均一な粗面が得られる。電解処理の進行が遅いかもしく
は停止する部分での電流密度は0〜10A/dm2であ
り、好ましくは0〜2A/dm2である。電解処理の進
行が遅いかもしくは停止する時間については前述の通り
で、0.5秒以下では、粗大ピットの生成はやや抑制さ
れるものの十分な分割処理効果が得られないことがあ
る。0.6秒以上とすることで、大ピットの平均開口径
が3〜6μmで均一にそろい、大ピットの偏在に起因す
る平坦部分のない、粗面を得ることができる。この時間
を長くしても同様の効果を得ることができるが、5秒よ
りも長い停止時間では生産適性が著しく低下するので、
5秒以下とするのが好ましい。
【0040】更に、本発明は、酸性電解液の塩酸の含有
量が7〜15g/l、酢酸の含有量が10〜40g/l
であることがこのましい。塩酸を7〜15g/l含むこ
とで電解粗面化処理のみでも大ピットに小ピットが重畳
された二重構造を形成することができ、更に酢酸を10
〜40g/l含むことで開口径に対して深さの浅いピッ
トを形成することが可能となる。塩酸が7g/lよりも
少ないと電解を分割して行っても大ピットが粗大化する
ことがある。15g/lよりも多くなると電流密度や電
解液温度によってはピットが生成しない場合が生じ、製
造上の条件範囲が狭くなる。酢酸が10g/lよりも少
ないと、浅いピットを形成する効果が低いことがあり、
40g/lよりも多く添加しても実質的な効果の向上は
見られず意味が少くなる。更に、此の場合本発明は、電
解前のアルカリでの溶解量が1.0〜4.0g/m2
あり、かつその中和に使用する酸が塩酸又は酢酸を含む
ことがこのましい。溶解量が1.0g/m2よりも少な
いとAl原反表層の不均一な組織が残り、電解での均一
なピット生成に悪影響を及ぼすこともある。4.0g/
2より多くしても電解を分割して行う場合の均一性向
上には実質的な寄与は少くなく非効率である。また、ア
ルカリ溶解処理後の中和をその次の工程である電解処理
の電解液と同様の組成で行うことにより、電解液組成が
安定し、粗面形状も安定する。
【0041】支持体に関する本発明に使用されるアルミ
ニウム支持体には、純アルミニウム及びアルミニウム合
金よりなる支持体が含まれる。アルミニウム合金として
は種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、
マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの
合金が用いられる。アルミニウム支持体は、粗面化に先
立ってアルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂
処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリク
レン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、
トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン
脱脂処理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソ
ーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂
処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上
記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去
することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ
水溶液を用いた場合には、燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、ク
ロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を
施すことが好ましい。中和処理の次に電気化学的粗面化
を行なう場合は、中和に使用する酸を電気化学的粗面化
に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
【0042】支持体の粗面化としては本発明の方法での
電解粗面化を行なうが、その前処理として、適度な処理
量の化学的粗面化や機械的粗面化を適宜くみあわせた粗
面化を行なってもよい。化学的粗面化は脱脂処理と同様
に苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いる。処理後に
は燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそ
れらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0043】中和処理の次に電気化学的粗面化を行なう
場合は、中和に使用する酸を電気化学的粗面化に使用す
る酸に合わせることが特に好ましい。機械的粗面化法は
特に限定されないがブラシ研磨、ホーニング研磨が好ま
しい。ブラシ研磨では、例えば毛径0.2〜1mmのブ
ラシ毛を植毛した円筒状ブラシを回転し、接触面に研磨
材を水に分散させたスラリーを供給しながら、支持体表
面に押しつけて粗面化を行う。ホーニング研磨では、研
磨材を水に分散させたスラリーをノズルより圧力をかけ
射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行
う。研磨材としては、火山灰、アルミナ、炭化珪素等の
一般に研磨に使用されるものがあげられ、その粒度は#
200〜#2000、好ましくは#400〜#800で
ある。
【0044】機械的に粗面化された支持体は、支持体の
表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑等を取り除い
たり、ピット形状をコントロールする等のために、酸又
はアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングするこ
とが好ましい。酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗
酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が含まれる。
これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好まし
い。上記をアルカリの水溶液で浸漬処理を行った場合に
は、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれら
の混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処
理の次に電気化学的粗面化を行なう場合は、中和に使用
する酸を電気化学的粗面化に使用する酸に合わせること
が特に好ましく、また、中和処理の次に陽極酸化処理を
行なう場合は、中和に使用する酸を陽極酸化処理に使用
する酸に合わせることが特に好ましい。
【0045】電気化学的粗面化は一般に酸性電解液中で
交流電流を用いて粗面化を行う。本発明での電解処理に
は塩酸及び酢酸を含む電解液を用いる。塩酸の含有量が
7〜15g/l、酢酸の含有量が10〜40g/lであ
ることが特に好ましい。電解に使用する電源波形は、矩
形波、台形波、のこぎり波等さまざまな波形を用いるこ
とができるが、特に正弦波が好ましい。
【0046】電気化学的粗面化において印加される電圧
は、1〜50Vが好ましく、5〜30Vが更に好まし
い。電流密度(ピーク値)は、10〜200A/dm2
が好ましく、20〜150A/dm2が更に好ましい。
電気量は全処理工程を合計して、100〜2000C/
dm2が好ましく、200〜1000C/dm2が更に好
ましい。温度は、10〜50℃が好ましく、15〜45
℃が更に好ましい。電解液には、必要に応じて更に硝酸
塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム
酸、ホウ酸、蓚酸等を加えることが出来る。電気化学的
に粗面化された支持体は、表面のスマット等を取り除い
たり、ピット形状をコントロールする等のために、酸又
はアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングするこ
とが好ましい。酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗
酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が含まれる。
これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好まし
い。上記をアルカリの水溶液で浸漬処理を行った場合に
は、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれら
の混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処
理の次に陽極酸化処理を行なう場合は、中和に使用する
酸を陽極酸化処理に使用する酸に合わせることが特に好
ましい。
【0047】粗面化処理の次に、陽極酸化処理を行い、
続いて、封孔処理、親水化処理を行う。本発明で用いら
れる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方
法を用いることができる。陽極酸化処理により支持体上
には酸化皮膜が形成される。本発明において、陽極酸化
処理には、硫酸及び/又は燐酸等を10〜50%の濃度
で含む水溶液を電解液として、電流密度1〜10A/d
2で電解する方法が好ましく用いられるが、他に米国
特許第1,412,768号明細書に記載されている硫
酸中で高電流密度で電解する方法や、米国特許第3,5
11,661号明細書に記載されている燐酸を用いて電
解する方法等を用いることができる。
【0048】陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ
封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処
理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロ
ム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処
理等公知の方法を用いて行うことができる。
【0049】支持体には更に、親水性層を設けることが
好ましい。親水性層の形成には、米国特許第3,18
1,461号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国
特許第1,860,426号明細書に記載の親水性セル
ロース、特開昭60−149491号公報、特開昭63
−165183号公報に記載のアミノ酸及びその塩、特
開昭60−232998号公報に記載の水酸基を有する
アミン類及びその塩、特開昭62−19494号公報に
記載の燐酸塩、特開昭59−101651号公報に記載
のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等
を用いることができる。
【0050】親水化処理後に、次いで、感光層が塗布さ
れる。感光層塗設量は乾燥重量で0.8〜1.8g/m
2が好ましく、更に好ましくは1.2〜1.6g/m2
ある。必要に応じてマット剤を付与することができる。
更に、感光性平版印刷版を重ねたときの感光層への擦れ
傷を防ぐために、また、現像時、現像液中へのアルミニ
ウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50−15113
6号、特開昭57−63293号、特開昭60−735
38号、特開昭61−67863号、特開平6−351
74号の各公報等に記載されている、支持体裏面に保護
層を設ける処理を行うことが出来る。
【0051】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0052】<実施例1/比較例1>厚さ0.24mm
のアルミニウムウエブ(材質1050、調質H16)
を、50℃に保たれた1%水酸化ナトリウム水溶液中に
浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行
い水洗した後、25℃に保たれた次に行う電解処理と同
組成の水溶液に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗し
た。次いでこのアルミニウムウエブを、図1、2及び3
に示した電解装置を使用し、表1に示した電解液・電極
配置・その他の条件で連続的に電解粗面化処理を行なっ
た(図1〜3に示した電解装置は、搬送方向への長さが
20cmで取り外し可能な24枚電極を有するものであ
る)。
【0053】この際の電極とウエブ表面との距離は10
mmに維持した。電解粗面化後は、50℃に保たれた1
%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、溶解量が2.
0g/m2になるようにエッチングし、次いで25℃に
保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処
理した後水洗した。次いで、20%硫酸水溶液中で、温
度25℃、電流密度5A/dm2の条件で30秒間陽極
酸化処理を行い、支持体を得た。
【0054】支持体表面の大ピットの均一性、大ピット
の平均開口径、小ピットの平均開口径及び開口径に対す
る深さの比を下記の方法により評価/測定した。結果は
表1,2に示したごとくである。
【0055】[物性評価方法]大ピットの均一性の評価
及び、大ピットの平均開口径、小ピットの平均開口径及
び開口径に対する深さの比の測定何れも支持体表面のS
EM写真を撮影し、評価、測定した。
【0056】ここで、大ピットとは全ピット中、開口径
が2μmよりも大きく、かつ、その内部に更に2μm以
下のピットが存在する二重構造のピットのこととし、ま
た、小ピットとは全ピット中、開口径が0.1μm以
上、2μm以下で、かつ、その内部に更に小さなピット
が存在しない構造のピットのこととする。0.1μm未
満のピットは無視した。
【0057】大ピットの均一性は500倍のSEM写真
を用い、目視で良好/不良の評価を行なった。大ピット
の平均開口径は1000倍のSEM写真を用い、輪郭が
明確に判別できるピット一つずつについて長径と短径と
を測定して平均して開口径とし、更に測定した全大ピッ
トの平均を求めた。小ピットの平均開口径は5000倍
のSEM写真を用い、大ピットと同様の手法で平均を求
めた。小ピットの開口径に対する深さの比は断面の50
00倍〜20000倍のSEM写真を用いて断面がピッ
トのほぼ中央を分断しているピットを選んで測定した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】<実施例2/比較例2>表3,4におい
て、ブラシ研磨の有無の項目に無と記載されたものは、
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調
質H16)を、50℃に保たれた1%水酸化ナトリウム
水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶
解処理を行い水洗した後、25℃に保たれた次に行う電
解処理と同組成の水溶液に10秒間浸漬し、中和処理し
た後水洗した。表のブラシ研磨の有無の項目に有りと記
載されたものは、同様のアルミニウム板を#800のア
ルミナの15wt%スラリーと円筒型回転ナイロンブラ
シを用いてブラシ研磨を行った後、50℃に保たれた1
%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が5g/
2になるように溶解処理を行い水洗した後、25℃に
保たれた次に行う電解処理と同組成の水溶液に10秒間
浸漬し、中和処理した後水洗した。
【0061】次いでこのアルミニウム板を、バッチ式の
電解装置を使用し、表3に示した電解液組成・一回の処
理電気量・その他の条件で電解粗面化処理を行なった。
この際の電極とウエブ表面との距離は10mmとした。
電解粗面化後は、50℃に保たれた1%水酸化ナトリウ
ム水溶液中に浸漬して、溶解量が2.0g/m2になる
ようにエッチングし、次いで25℃に保たれた10%硫
酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗し
た。次いで、20%硫酸水溶液中で、電流密度5A/d
2の条件で30秒間陽極酸化処理を行い、支持体を得
た。支持体表面の大ピットの均一性、大ピットの平均開
口径、小ピットの平均開口径及び開口径に対する深さの
比を上記の方法により評価/測定した。結果は表3,4
に示したようになった。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】<実施例3/比較例3>電解粗面化は表5
に示したように、実施例1/比較例1もしくは実施例2
/比較例2と同様の条件で行なった。電解粗面化後は、
50℃に保たれた1%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬
して、溶解量が表5に示した値になるようにエッチング
し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10
秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。次いで、20%
硫酸水溶液中で、電流密度5A/dm2の条件で30秒
間陽極酸化処理を行なった。次いで、90℃に保たれた
0.1%の酢酸アンモニウム水溶液中に10秒間浸漬し
封孔処理を行い、80℃で5分間乾燥してそれぞれのア
ルミニウム支持体を得た。支持体表面の大ピットの均一
性、小ピットの平均開口径及び開口径に対する深さの比
を表5に示した。
【0065】次に、それぞれの支持体に下記組成の感光
性組成物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃
で乾燥し、感光性平版印刷版を得た。このとき、感光性
組成物塗設量は乾燥重量として1.6g/m2となるよ
うにした。
【0066】 ポジ型感光層 ノボラック樹脂(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が 10/54/36でMwが4000)ピロガロールアセトン樹脂 (Mw:3000) 6.70g O−ナフトキノンジアジドー5ースルホニルクロリドの縮合物 (エステル化率30%) 1.50g ポリエチレングリコール#2000 0.20g ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学製) 0.08g 2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(P−メトキシスチリル)−S −トリアジン 0.15g FC−430(住友3M製) 0.03g cis−1,2シクロヘキサンジカルボン酸 0.02g メチルセロソルブ 100ml 感光性平版印刷版の作製 得られたそれぞれの感光性平版印刷版を、光源として4
kWメタルハライドランプを使用し、8MW/cm2
60秒間照射することにより露光した。この露光済みの
感光性平版印刷版を、市販されている現像液(SDR−
1、コニカ製、6倍に希釈、現像時間20秒、現像温度
27℃)で現像した。
【0067】このようにして得られたそれぞれのポジ型
平版印刷版について、下記の方法により印刷評価を行っ
た結果を表5に示した。
【0068】[印刷評価方法]高精細でのドットゲイン
の評価得られた平版印刷版を、印刷機(三菱重工業製D
AIYA1F−1)にかけコート紙、湿し水(東京イン
キ製エッチ液SG−51 濃度1.5%)、インキ(東
洋インキ製造 製ハイプラスM紅)を使用して印刷を行
い、画像部の濃度を1.6にして印刷を行ったときの、
印刷物状のスクリーン線数600line/inchの
50%網点の面積を測定しゲイン量を評価した。
【0069】面積の測定はマクベス濃度計で行った。ブ
ランケット汚れの評価ドットゲイン評価と同様の印刷条
件で5000枚印刷した後のブランケット上のインキ汚
れ(版上では非画像部に対応する個所)をセロテープを
用いて剥離し、白紙上に貼り付けて汚れの程度を目視で
比較、良好/不良の評価を行なった。水を絞った際の汚
れ難さの評価ドットゲイン評価と同様の印刷条件で水を
絞っていった場合の汚れ難さを比較し、良好/不良の評
価を行なった。吸水性の悪い用紙を用いた場合の印刷適
性はドットゲイン評価と同様の印刷条件で用紙としてユ
ポ紙を用い、印刷適性を比較し、良好/不良の評価を行
なった。
【0070】
【表5】
【0071】実施例3−1〜3−10に示す本発明内の
ものはゲイン量、ブランケット汚れ、水を絞った際の汚
れ難さ、吸水性の悪い用紙を用いた場合の印刷適性がす
べて良好であるが、本発明外の比較例3−1〜3−5は
何れかの特性に問題があることがわかる。
【0072】
【発明の効果】本発明により、第1にPS版用等の印刷
版用支持体の砂目のピット形成の均一性保持、粗大ピッ
ト生成の抑制、小ピットの深さ/径を0.2以下に制御
の方策を提供することが出来る。第2には、高精細での
ドットゲイン改善、ブランケット汚れの改善、水を絞っ
た際の汚れ難さ改善及びユポ紙(吸水性のない紙)印刷
適性改善することが出来る。
【0073】更に第3には、支持体粗面化処理安定性の
改善も図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電解処理を行う電解装置の概要断
面図。
【図2】本発明に係る電解処理を行う電解装置の概要断
面図。
【図3】本発明に係る電解処理を行う電解装置の概要断
面図。
【符号の説明】
1 電解槽 2,3,4,5 支持ロール 6 アルミ合金板ウエブ a〜x 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/09 501 G03F 7/09 501

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はその合金板を化学的に
    表面を溶解処理するか、もしくは機械的粗面化、電解粗
    面化又は化学的な表面溶解処理のうち2つ以上を組み合
    せた処理の後、更に電解粗面化し、化学的に表面を溶解
    処理し、陽極酸化処理をした支持体に、感光層を設けた
    感光性平版印刷版において、該支持体が大小ピットの二
    重構造を有し、大ピットが均一性を有しかつ小ピットの
    平均開口径が0.2μm以上、0.8μm以下であり、
    かつ小ピットの深さと開口径の比が0.2以下であるこ
    とを特徴とする感光性平版印刷版。
  2. 【請求項2】 大ピットの平均開口径が3μm以上、6
    μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の感光
    性平版印刷版。
  3. 【請求項3】 アルミニウム又はその合金板ウエブを機
    械的粗面化或いは脱脂後電解粗面化し、アルカリで表面
    溶解処理(1)を施し、酸で中和し、酸性電解液中で電
    解粗面化し、更にアルカリで表面溶解処理(2)を施
    し、酸で中和する平版印刷版用支持体の製造方法におい
    て、該酸性電解液が塩酸と酢酸を含み、アルカリ表面溶
    解処理(1)での表面溶解量を3.0〜10.0g/m
    2、アルカリ表面溶解処理(2)での表面溶解量を0.
    6〜3.0g/m2としたことを特徴とする平版印刷版
    用支持体の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム又はその合金板ウエブをア
    ルカリで表面を溶解処理し、酸で中和し、酸性電解液中
    で電気化学的に粗面化し、更にアルカリで表面を0.6
    〜3.0g/m2溶解処理し、酸で中和する平版印刷版
    用支持体の製造方法において、該酸性電解液が塩酸と酢
    酸を含み、連続的に搬送されながら処理される電気化学
    的粗面化の全工程中で電解処理の進行が速い部分と電解
    処理の進行が遅いかもしくは停止する部分とを交互に複
    数回通過するように電解処理し、かつ、電解処理の進行
    が速い部分一工程での電解処理の電気量が平均で100
    C/dm2以下であることを特徴とする平版印刷版用支
    持体の製造方法。
  5. 【請求項5】 電解処理の進行が遅いかもしくは停止す
    る部分に要する時間が0.6秒以上、5秒以下であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の平版印刷版用支持体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 酸性電解液の塩酸の含有量が7〜15g
    /l、酢酸の含有量が10〜40g/lである請求項
    3、4又は5に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
  7. 【請求項7】 電解前のアルカリでの溶解量が1.0〜
    4.0g/m2であり、かつその中和に使用する酸が塩
    酸又は酢酸を含むことを特徴とする請求項4、5又は6
    に記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
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