JPH08251449A - ゴースト除去装置 - Google Patents

ゴースト除去装置

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JPH08251449A
JPH08251449A JP7047561A JP4756195A JPH08251449A JP H08251449 A JPH08251449 A JP H08251449A JP 7047561 A JP7047561 A JP 7047561A JP 4756195 A JP4756195 A JP 4756195A JP H08251449 A JPH08251449 A JP H08251449A
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JP
Japan
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signal
pulse width
ghost
pulse
reference signal
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Withdrawn
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JP7047561A
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English (en)
Inventor
Yoji Kanie
洋二 蟹江
Shinji Toyoyama
愼治 豊山
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部基準信号rのパルス幅を入力信号xの等
価パルスのパルス幅に一致させることにより、入力信号
xに含まれるゴースト成分のみを正確に除去することが
できるゴースト除去装置を提供することを目的としてい
る。 【構成】 逐次修正法により入力信号xと内部基準信号
rとの比較結果に基づいてフィルタ回路1のタップ係数
cを逐次修正するゴースト除去装置において、入力信号
x等価パルスのパルス幅を検出するパルス幅検出部2
と、このパルス幅検出部2が検出したパルス幅Lに応じ
て内部基準信号rのパルス幅を調整する内部基準信号発
生部4とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受像機な
どの受信信号に含まれるゴースト成分を除去するゴース
ト除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放送局の送信アンテナから送出さ
れた電波は、テレビジョン受像機の受信アンテナに直接
到来する他に、ビルディングなどの建造物や山などで一
旦反射されて遅れて受信アンテナに到来する場合があ
り、これらの電波が同時に受信されると、それぞれの電
波による画像が受信信号上でずれて重畳され、画面上に
多重像が現れるいわゆるゴースト障害が発生する。そし
て、テレビジョン受像機には、このようなゴースト障害
を解消するためにゴースト除去装置が設けられる場合が
ある。
【0003】ゴースト除去装置は、波形等価と同じ原理
により、ゴーストの発生原因となる伝送系の周波数特性
に対して逆の特性を有するフィルタ回路で処理すること
により、受信信号からゴースト成分のみを除去するもの
である。このようなフィルタ回路は、アナログ回路によ
って実現することも可能であるが、あまり実用的ではな
い。したがって、以降では、ディジタル方式によるゴー
スト除去装置について説明する。
【0004】ゴースト除去装置に用いられるフィルタ回
路は、種々のゴースト障害に対応するために周波数特性
が調整可能でなければならないので、一般に図4に示す
ようなトランスバーサルフィルタ11が用いられる。こ
のトランスバーサルフィルタ11は、タップ数をNとし
た場合、N−1個の遅延器11aとN個の記憶器11b
とN個の乗算器11cとN−1個の加算器11dとから
なるディジタルフィルタである。遅延器11aは、入力
信号を一定期間(例えば1サンプリング期間)ずつ順次
遅延させる回路であり、記憶器11bは、N個のタップ
係数c0〜cN-1をそれぞれ記憶する回路である。また、
乗算器11cは、入力信号または各遅延器11aで遅延
された信号と各記憶器11bが記憶しているタップ係数
0〜cN -1とをそれぞれ乗算する回路であり、加算器1
1dは、これら乗算器11cの乗算結果を全て加算する
回路である。そして、これら加算器11dでの加算結果
が出力信号となる。また、各記憶器11bに記憶するタ
ップ係数c0〜cN-1を適宜変更することにより任意の周
波数特性を得ることができる。
【0005】フィルタ回路は、上記トランスバーサルフ
ィルタ11を図5に示すようにFIR[Finite Impulse
Response]型構成として用いたり、図6に示すようにI
IR[Infinite Impulse Response]型構成として用いた
り、図7に示すように、これらFIR型構成とIIR型
構成を組み合わせて用いる。FIR型構成は、入力信号
をトランスバーサルフィルタ11に入力し処理結果をそ
のまま出力するものである。したがって、k番目(例え
ばkサンプル目)の入力信号をxkで表すと、このフィ
ルタ回路のk番目の出力信号ykは数1で示され、イン
パルス応答が有限で安定なフィルタ回路となる。
【0006】
【数1】
【0007】また、IIR型構成は、トランスバーサル
フィルタ11の処理結果を入力信号にフィードバックす
るものであるため、インパルス応答は無限に連続するの
が通常であり、少ないタップ数で急峻な周波数特性を得
ることも可能となるかわりに、安定性を考慮する必要が
生じる。これらの各構成は、所望するフィルタ回路の仕
様に応じて適宜選択されるものであるが、基本的にはい
ずれの構成においてもほぼ任意の周波数特性を得ること
ができる。
【0008】ゴースト除去装置は、上記トランスバーサ
ルフィルタ11のタップ係数を修正することにより、フ
ィルタ回路に伝送系の周波数特性と逆の特性を持たせる
ことによりゴーストの除去を行う。そして、伝送系の周
波数特性は、入力信号中で波形が既知の部分を基準信号
とし、受信機内部で生成した本来の基準信号波形を有す
る内部基準信号とこの入力信号などとを比較することに
より検出する。基準信号としては、入力信号の垂直同期
信号期間に重畳された等価パルスや垂直同期信号の前縁
部などのように既存の波形の信号を用いる他に、ゴース
トの除去のために規格化されて新たに挿入されるGCR
[Ghost Cancelling Reference]信号を用いる場合もあ
る。また、この基準信号の比較に基づいてトランスバー
サルフィルタ11のタップ係数を決定する方法は、一括
演算法と逐次修正法とに大別される。一括演算法は、入
力信号と内部基準信号をフーリエ変換しものからフィル
タ回路が要求される周波数特性を算出し、これを逆フー
リエ変換した結果に基づいてトランスバーサルフィルタ
11のタップ係数を算出するものであり、1回の演算で
タップ係数を決定することができる。ただし、この一括
演算法では、処理時間を短縮しようとすると装置が高価
になるため、一般には逐次修正法を用いる場合が多い。
したがって、ここでは、逐次修正法に基づいて詳細に説
明する。
【0009】逐次修正法は、入力信号の基準信号が現れ
るたびにトランスバーサルフィルタ11のタップ係数を
少量ずつ修正することにより、フィルタ回路を要求され
る周波数特性に収束させるものである。即ち、i番目の
タップ係数ciのn回修正後の値をci (n)で表し、1回
の修正での変位量をdiで表すと、n+1回修正後の値
i (n+1)は数2で示される。
【0010】
【数2】
【0011】この際、変位量diの値は、タップ係数ci
が要求される値に収束し得るものでなければならない。
そして、このような変位量diの値を得るための方法と
して、数学的に収束が証明されているMSE[Mean Squa
re Error]法を用いるのが一般的であり、以降はこのM
SE法について説明する。まず、フィルタ回路の出力信
号yと内部基準信号rとの差から誤差信号eを数3で定
義し、
【0012】
【数3】
【0013】評価関数Eをこの誤差信号eの2乗積分値
として数4で定義する。
【0014】
【数4】
【0015】トランスバーサルフィルタ11のタップ係
数cは、最小2乗法によりこの評価関数Eが最小値とな
るように定めればよい。
【0016】ここで、数4の評価関数Eは、タップ係数
iをパラメータとした場合に唯一の極小点を持つこと
が最小2乗法において証明されている。そして、評価関
数Eをタップ係数ciで偏微分した値に応じて変位量di
を定めれば、数2による修正を繰り返すうちにこの評価
関数Eが極小点に到達することになる。数4の評価関数
Eをタップ係数ciで偏微分すると数5となり、
【0017】
【数5】
【0018】ここで偏微分される誤差信号ekに数3を
代入すると、内部基準信号rkはタップ係数ciに無関係
であるため出力信号ykの項のみが残り数6に変形され
る。
【0019】
【数6】
【0020】また、ここでは簡単のためフィルタ回路が
FIR型構成であるとすると、数6の出力信号ykは数
1で表され、ci・xk-i以外の項はタップ係数ciに無
関係であるため数7に変形される。
【0021】
【数7】
【0022】即ち、数4の評価関数Eのタップ係数ci
による偏微分は、誤差信号eとこれよりもi期間だけ進
んだ入力信号xとの相関によって表されることになる。
したがって、変位量diを数8のように定めると、数2
によって各タップ係数cを評価関数Eの偏微分の逆方向
に定数αに応じた量だけ変化させることになり、これを
繰り返すことにより数4の評価関数Eが最小値となるタ
ップ係数cを得てフィルタ回路を要求される周波数特性
に収束させることができる。
【0023】
【数8】
【0024】なお、数8の定数αの値は、数2の収束の
速さと安定性とのかねあいを考慮して経験的に定められ
る。即ち、定数αは、値が小さすぎると安定性が増す代
わりに収束に時間を要するようになるのに対して、値が
大きすぎると速やかに収束する場合もあるが、安定性が
悪くなって発振を起こすおそれも生じる。このため、定
数αは、十分な安定性を確保した上で出来るだけ短時間
に収束し得るような値に定められる。
【0025】上記逐次修正法に基づいてフィルタ回路の
タップ係数を決定する従来のゴースト除去装置の具体的
な構成を図8に示す。なお、フィルタ回路1は、簡単の
ため図5に示したFIR型構成であるとする。
【0026】テレビジョン受像機で受信されAD変換さ
れた入力信号xは、フィルタ回路1に入力されて、数1
で示す出力信号yとして出力される。内部基準信号発生
部4は、上記入力信号xに基準信号が現れるたびに、こ
の入力信号xに同期して内部基準信号rを発生させる。
そして、誤差信号演算部8は、添え字kの0〜N−1ま
での各値について、数3に基づきこれらの出力信号yと
内部基準信号rとの差から誤差信号eを計算する。相関
演算部9は、これらの誤差信号eと入力信号xとを一旦
記憶し、添え字iの0〜N−1までの各値について、数
8に基づき誤差信号eと入力信号xとの相関を計算し定
数α倍することにより変位量dを計算する。また、タッ
プ係数演算部7は、添え字iの0〜N−1までの各値に
ついて、数2に基づきこの変位量dとタップ係数cの初
期値または前回の算出値とから今回のタップ係数cを計
算し、フィルタ回路1のタップ係数cをこの計算結果で
更新する。そして、入力信号xに基準信号が現れるたび
にこの処理を数4の評価関数Eがある程度小さくなるま
で繰り返すと、フィルタ回路1の最終的なタップ係数c
が定まり、これによってゴーストの除去を行うことがで
きる。
【0027】上記ゴースト除去装置の具体的な動作例を
図9に基づいて模式的に示す。入力信号xには、基準信
号Rに対して2箇所にゴーストG1,G2が現れているも
のとする。また、フィルタ回路1のタップ係数cの初期
値は、タップ係数c0のみ1であり、他は全て0である
とする。したがって、タップ係数cの無修正での出力信
号yは、入力信号xと全く同じものとなる。内部基準信
号rは、入力信号xにおける基準信号Rの成分のみから
なる信号であり、誤差信号eは、この内部基準信号rと
出力信号yとの差であるから、ゴーストG1,G2の成分
のみからなる信号となる。そして、変位量dは、誤差信
号eのゴーストG1,G2が入力信号xの基準信号Rと高
い相関を有することから、これらゴーストG1,G2の位
置付近で絶対値が大きな値となり、タップ係数cもこれ
に応じて更新される。また、タップ係数cがこのように
して1回修正されると、次に入力信号xに基準信号Rが
現れたときの出力信号yは、ゴーストG1,G2が若干緩
和された波形となる。そして、このタップ係数cの修正
処理を数4の評価関数Eが十分に小さくなるまで繰り返
すと、タップ係数cがゴーストG1,G2の位置でそれぞ
れ振幅のピークを有し遠ざかるほど減衰する値となり、
これによって出力信号yからゴーストG1,G2が除去さ
れる。
【0028】なお、上記ゴースト除去装置では、フィル
タ回路1をFIR型構成としたが、IIR型構成やこれ
らを組み合わせた構成の場合にも同様に実現することが
できる。この場合には、例えばタップ係数演算部7で算
出したFIR型構成用のタップ係数cを同様の周波数特
性を有する他の構成のタップ係数cに変換したり、数8
を他の構成のフィルタ回路1に応じた数式に差し替えれ
ばよい。
【0029】また、上記逐次修正法を高速化した図10
に示すようなゴースト除去装置も従来から提案されてい
る。このゴースト除去装置では、入力信号xをフィルタ
回路1に送り出力信号yとして出力させると共に、この
入力信号xを中間信号演算部3にも送るようになってい
る。中間信号演算部3は、添え字kの0〜N−1までの
各値について、この入力信号xと内部基準信号rとの差
から数9に示すように中間信号zを計算すると共に、こ
の中間信号zを一旦記憶する。
【0030】
【数9】
【0031】この際、内部基準信号rは、図8で示した
ものと同様の内部基準信号発生部4によって発生され
る。そして、相関演算部5において、この中間信号zを
順次ずらしながら内部基準信号rとの相関sを計算す
る。即ち、内部基準信号rの発生期間数(例えばサンプ
リング回数)をMとすると、添え字iの0〜N−1まで
の各値について数10の計算を行う。
【0032】
【数10】
【0033】さらに、この相関sのうちで絶対値が最大
値または極大値となる添え字iの値を最大・極大検出部
6で検出し、ここで検出された添え字iの値に対応する
タップ係数ciをタップ係数演算部7において数11に
基づき算出する。
【0034】
【数11】
【0035】上記タップ係数演算部7でいずれかのタッ
プ係数ciが算出されると、これにしたがってフィルタ
回路1の当該タップ係数ciを更新すると共に、このタ
ップ係数ciを中間信号演算部3にも送る。中間信号演
算部3では、記憶している中間信号zのうちこのタップ
係数ciにより変化する部分だけを更新する。そして、
更新された中間信号zについて再度上記処理を行い、数
4に示した評価関数Eがある程度小さくなるまでこれを
繰り返すと、フィルタ回路1の最終的なタップ係数cが
定まり、これによってゴーストの除去を行うことができ
る。
【0036】上記ゴースト除去装置の具体的な動作例を
図11に基づいて模式的に示す。入力信号xと内部基準
信号rとフィルタ回路1のタップ係数cの初期値は、図
9に示した場合と同じであるとする。したがって、無修
正での出力信号yは、入力信号xと全く同じものとな
り、無修正での中間信号zは、図9に示した誤差信号e
と同じものとなる。そして、この中間信号zと内部基準
信号rとの相関sの絶対値は、中間信号zのゴーストG
1とゴーストG2の位置が内部基準信号rの基準信号Rの
位置までずれたときにそれぞれ極大値となるので、まず
ゴーストG1の位置で極大値となる相関siに基づいてタ
ップ係数ciを算出しフィルタ回路1の更新を行う。す
ると、この1回修正後の入力信号xに対するフィルタ回
路1の出力信号yは、ゴーストG1が除去されたものと
なる筈である。次に、中間信号zを更新して相関sを再
計算すると、その絶対値はゴーストG2の位置で極大値
となり、以降この処理を繰り返すことにより、各ゴース
トの位置に対応するタップ係数cが更新されて出力信号
yから全てのゴーストが除去される。
【0037】以上説明した中間信号zを用いるゴースト
除去装置によれば、入力信号xに基準信号Rが1回現れ
るだけでフィルタ回路1のタップ係数cを決定すること
ができるので、誤差信号eを用いる本来の逐次修正法の
ように基準信号Rが適宜回数以上現れるのを待つ必要が
なくなり処理を高速化することができる。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記基準信
号として等価パルスを用いる場合には、この基準信号の
取り込みを短時間で行えるため処理の高速化が図れるだ
けでなく、GCR信号のような特別の信号が付加されて
いない従来からの映像信号にも適用できるという利点を
有する。
【0039】ところが、実際の映像信号に含まれる等価
パルスは、放送局などによってパルス幅が一定していな
い。したがって、例えば図12に示すように、入力信号
の基準信号Rである等価パルスのパルス幅がテレビジョ
ン受像機内部で生成される所定の内部基準信号rのパル
ス幅よりも広かったとすると、この等価パルスを完全に
相殺することができないために、中間信号zに不要なパ
ルスQが現れる。そして、相関sにもこのパルスQの位
置に極大値が生じるので、フィルタ回路1に不要なタッ
プ係数cが設定されることになる。
【0040】このため、等価パルスを基準信号とする従
来のゴースト除去装置では、この等価パルスのパルス幅
が適合しない場合にゴーストを誤検出し、本来のゴース
トを十分に除去できなくなるだけでなく、実際には存在
しないゴーストを付加するおそれも生じるという問題が
あった。
【0041】なお、上記問題は、中間信号zを用いるゴ
ースト除去装置のみならず、誤差信号eを用いる本来の
逐次修正法によるゴースト除去装置にも共通であり、ま
た、逐次修正法に限らず一括演算法を用いるゴースト除
去装置の場合にも共通するものである。
【0042】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、等価パルスのパルス幅を検出することにより、この
パルス幅が適合しない場合にも正確にゴーストを除去す
ることができるゴースト除去装置を提供することを目的
とする。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明のゴースト除去装
置は、受信信号をフィルタ回路で処理することによりゴ
ースト成分を除去するものであって、該受信信号の垂直
同期信号期間に重畳された等価パルスを基準信号とし、
該受信信号または該受信信号をフィルタ回路で処理した
出力信号と受信機内部で生成した内部基準信号との比較
結果に基づいて該フィルタ回路のタップ係数を定めるゴ
ースト除去装置において、受信信号の等価パルスのパル
ス幅を検出するパルス幅検出手段と、該パルス幅検出手
段が検出したパルス幅に応じて内部基準信号のパルス幅
を調整するパルス幅調整手段とを備えたものであり、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0044】また、好ましくは、本発明のゴースト除去
装置におけるパルス幅検出手段が、受信信号における等
価パルス付近の信号と受信機内部で生成した等価パルス
の標準的な立ち下がり波形を示す立下信号との相関が最
大となる立下位置を検出する立下位置検出手段と、該受
信信号における等価パルス付近の信号と受信機内部で生
成した等価パルスの標準的な立ち上がり波形を示す立上
信号との相関が最大となる立上位置を検出する立上位置
検出手段と、該立下位置検出手段が検出した立下位置と
該立上位置検出手段が検出した立上位置との差を求めて
受信信号の等価パルスのパルス幅を算出するパルス幅算
出手段とからなる。
【0045】
【作用】上記構成により、パルス幅検出手段が受信信号
の等価パルスのパルス幅を検出し、このパルス幅に応じ
てパルス幅調整手段が内部基準信号のパルス幅を調整す
るので、等価パルスのパルス幅が標準のものとは異なる
場合にも内部基準信号のパルス幅をこれに一致させるこ
とができる。したがって、受信信号またはフィルタ回路
の出力信号における本来の等価パルスがこの内部基準信
号によって確実に相殺され、フィルタ回路のタップ係数
を正確に算出してゴーストのみを確実に除去することが
できるようになる。
【0046】また、パルス幅検出手段は、受信信号にお
ける等価パルスの立下位置と立上位置を標準的な立ち下
がり波形と立ち上がり波形との相関に基づいて立下位置
検出手段と立上位置検出手段によって検出し、これら立
下位置と立上位置の差をパルス幅算出手段によって計算
する。したがって、受信信号の等価パルスに多少の歪み
が生じたとしても、標準的な波形との相関演算によって
最も妥当な立下位置と立上位置が検出されるので、この
等価パルスのパルス幅を正確に検出することができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0048】図1〜図3は本発明の一実施例を示すもの
であって、図1はゴースト除去装置の構成を示すブロッ
ク図、図2は修正前の内部基準信号の波形を示すタイム
チャート、図3は内部基準信号のパルス幅の修正手順を
示すタイムチャートである。なお、図10に示した従来
例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記す
る。
【0049】本実施例のゴースト除去装置は、中間信号
を用いて逐次修正法を高速化したものについて説明す
る。テレビジョン受像機で受信されAD変換された入力
信号xは、このゴースト除去装置に入力され、図1に示
すように、フィルタ回路1とパルス幅検出部2と中間信
号演算部3とに送られる。フィルタ回路1は、FIR型
構成若しくはIIR型構成またはこれらを組み合わせた
構成のいずれでもよいが、ここでは簡単のためFIR型
構成のものとする。入力信号xは、このフィルタ回路1
でフィルタ処理されて出力信号yとして出力される。そ
して、この出力信号yが入力信号xからゴーストを除去
した信号として以降の回路に送られる。
【0050】パルス幅検出部2は、入力信号xの基準信
号である等価パルスのパルス幅を検出する回路である。
即ち、このパルス幅検出部2は、まず数12の演算によ
って、入力信号xにおける等価パルス付近の信号とこの
等価パルスの標準的な立ち下がり波形を示す立下信号と
の相関s1を算出すると共に、
【0051】
【数12】
【0052】数13の演算によって、入力信号xにおけ
る等価パルス付近の信号とこの等価パルスの標準的な立
ち上がり波形を示す立上信号との相関s2を算出する。
【0053】
【数13】
【0054】立下信号と立上信号は、図2に示すよう
に、等価パルスの標準的なパルス幅と波形を有する調整
前の内部基準信号rにおける立ち下がり波形の中心位置
1から前後に幅w1の範囲の信号と、この内部基準信号
rにおける立ち上がり波形の中心位置p2から前後に幅
2の範囲の信号を用いる。ただし、これらの立下信号
と立上信号は、内部基準信号rの実際の値からそれぞれ
数14と数15に示す平均値r1,r2を差し引いて正
規化したものを用いる。
【0055】
【数14】
【0056】
【数15】
【0057】数12と数13に示すように、添え字iの
0〜N−1までの各値について、入力信号xをこの添え
字iの値に応じてずらしながらそれぞれこの立下信号と
立上信号との相関s1,s2を計算する。ここで、相関
s1は、図3に示すように、入力信号xにおける等価パ
ルスの立ち下がり位置で最大値となり、等価パルスの立
ち上がり位置で最小値となる。また、相関s2は、入力
信号xにおける等価パルスの立ち上がり位置で最大値と
なり、等価パルスの立ち下がり位置で最小値となる。
【0058】次に、パルス幅検出部2は、上記で求めた
相関s1,s2のそれぞれの最大値の位置(添え字iの
値)を検出し、これらの位置の差から入力信号xにおけ
る等価パルスのパルス幅Lを算出する。このようにして
相関s1,s2を用いると、ゴーストやその他の伝送系
の特性によって入力信号xの等価パルスに歪みが生じた
場合にも、この等価パルスの正確なパルス幅Lを得るこ
とができる。そして、このパルス幅Lは、内部基準信号
発生部4に送られる。
【0059】内部基準信号発生部4は、標準的な等価パ
ルスの波形を有する内部基準信号rを適宜のタイミング
で繰り返し発生させる回路である。また、この内部基準
信号発生部4は、図3に示すように、発生させる内部基
準信号rのパルス幅を中間信号演算部3から送られて来
るパルス幅Lと一致するように調整する。したがって、
この内部基準信号発生部4は、入力信号xの等価パルス
が標準的なパルス幅とは異なる場合にも、常にこの入力
信号xの等価パルスと同じパルス幅Lの内部基準信号r
を発生させることができる。そして、このパルス幅Lを
調整した内部基準信号rは、中間信号演算部3と相関演
算部5とに送られる。
【0060】中間信号演算部3は、数9に示したよう
に、添え字kの0〜N−1までの各値について、上記入
力信号xと内部基準信号rとの差から中間信号zを計算
すると共にこの中間信号zを一旦記憶する回路である。
この中間信号zは、内部基準信号rのパルス幅が調整さ
れるので、入力信号xから本来の等価パルスを確実に除
去したものとなり、図12に示したような不要なパルス
Qが現れることはない。このようにして算出された中間
信号zは相関演算部5に送られる。相関演算部5は、数
10に示したように、添え字iの0〜N−1までの各値
について、この中間信号zと内部基準信号rとの相関s
を計算する回路である。内部基準信号rは、本来の等価
パルス成分のみからなる信号であり、中間信号zは、入
力信号xからこの本来の等価パルス成分を除去しゴース
ト成分のみを残した信号である。したがって、これら中
間信号zと内部基準信号rとの相関sは、中間信号zに
おける各ゴーストの位置での値の絶対値が大きくなる。
そして、この相関演算部5で算出された相関sは最大・
極大検出部6に送られる。最大・極大検出部6は、相関
sのうちで絶対値が最大値または極大値となる添え字i
の値を検出する回路であり、これによって信号成分の大
きいゴーストの位置が検出される。
【0061】最大・極大検出部6で検出された相関sの
値の絶対値が最大値または極大値となる添え字iの値
は、タップ係数演算部7に送られる。タップ係数演算部
7は、数11に示したように、最大・極大検出部6で検
出された添え字iの値に対応するタップ係数ciを算出
する回路である。そして、ここでタップ係数ciが算出
されると、上記フィルタ回路1に送られて当該タップ係
数ciの値を更新すると共に、中間信号演算部3にも送
られる。中間信号演算部3では、記憶している中間信号
zのうちこのタップ係数ciにより変化する部分だけを
更新する。この中間信号zの更新は、フィルタ回路1に
おける特定のタップ係数ciのみの変更による処理結果
の相違を中間信号zに反映させるものである。したがっ
て、図11に示した例では、1回目の修正で最初に更新
されたタップ係数ciにより、中間信号zからゴースト
1の成分が除去されることになる。
【0062】このようにして中間信号演算部3が中間信
号zの更新を行うと、この中間信号zが再び相関演算部
5に送られて再度上記処理が行われる。そして、数4に
示した評価関数Eがある程度小さくなるまでこれを繰り
返すと、フィルタ回路1の最終的なタップ係数cが定ま
り、図11に示した例のように出力信号yから全てのゴ
ーストを除去することができる。
【0063】以上説明したように、本実施例のゴースト
除去装置によれば、内部基準信号rのパルス幅を入力信
号xに応じて調整することにより、中間信号zから本来
の等価パルス成分を確実に除去することができるので、
入力信号xに含まれるゴーストのみを正確に除去するこ
とができるようになる。
【0064】なお、本実施例では、各機能ブロックを図
1に示すように分割して構成したゴースト除去装置を示
したが、これら全ての機能を備えた1個の処理回路のみ
で構成したり、他の機能ブロックごとに分割した複数の
処理回路によって構成することもできる。さらに、これ
ら全ての機能または一部の機能を汎用のCPU[Central
Processing Unit]やDSP[Digital Signal Processo
r]と処理プログラムとの組み合わせによって構成するこ
ともできる。
【0065】また、本実施例の数12および数13で
は、入力信号xについてはそのまま相関計算を行った
が、信号の直流的な変動の影響を排除するために、これ
についても入力信号xの平均値を差し引いた値について
相関計算を行うようにすることができる。
【0066】さらに、本実施例では、フィルタ回路1を
FIR型構成としたが、IIR型構成やこれらを組み合
わせた構成の場合にも同様に実現することができる。こ
の場合には、例えばタップ係数演算部7で算出したFI
R型構成用のタップ係数cを同様の周波数特性を有する
他の構成のタップ係数cに変換したり、数11を他の構
成のフィルタ回路1に応じた数式に差し替えればよい。
【0067】さらに、本実施例では、中間信号zを用い
て逐次修正法を高速化するゴースト除去装置について示
したが、誤差信号eを用いる本来の逐次修正法によるゴ
ースト除去装置や一括演算法を用いるゴースト除去装置
にも同様に実施することができる。また、本実施例で
は、処理回路をディジタル化したゴースト除去装置につ
いて説明したが、アナログ回路を用いたゴースト除去装
置にも同様に実施可能である。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、等価パル
スのパルス幅が相違する場合にも、パルス幅を調整した
内部基準信号に基づいてフィルタ回路のタップ係数を正
確に算出することができるので、受信信号に含まれる本
来のゴーストのみを確実に除去することができるように
なる。また、この等価パルスのパルス幅は、標準波形と
の相関演算によって正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであって、ゴース
ト除去装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例を示すものであって、修正前
の内部基準信号の波形を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の一実施例を示すものであって、内部基
準信号のパルス幅の修正手順を示すタイムチャートであ
る。
【図4】トランスバーサルフィルタの構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】FIR型構成のフィルタ回路を示すブロック図
である。
【図6】IIR型構成のフィルタ回路を示すブロック図
である。
【図7】FIR型構成とIIR型構成とを組み合わせた
フィルタ回路を示すブロック図である。
【図8】第1従来例を示すものであって、本来の逐次修
正法によるゴースト除去装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図9】第1従来例を示すものであって、本来の逐次修
正法によるゴースト除去装置の動作を示すタイムチャー
トである。
【図10】第2従来例を示すものであって、中間信号を
用いた逐次修正法によるゴースト除去装置の構成を示す
ブロック図である。
【図11】第2従来例を示すものであって、中間信号を
用いた逐次修正法によるゴースト除去装置の動作を示す
タイムチャートである。
【図12】第2従来例を示すものであって、基準信号の
パルス幅が異なる場合のゴースト除去装置の動作を示す
タイムチャートである。
【符号の説明】
1 フィルタ回路 2 パルス幅検出部 4 内部基準信号発生部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号をフィルタ回路で処理すること
    によりゴースト成分を除去するものであって、該受信信
    号の垂直同期信号期間に重畳された等価パルスを基準信
    号とし、該受信信号または該受信信号をフィルタ回路で
    処理した出力信号と受信機内部で生成した内部基準信号
    との比較結果に基づいて該フィルタ回路のタップ係数を
    定めるゴースト除去装置において、 受信信号の等価パルスのパルス幅を検出するパルス幅検
    出手段と、 該パルス幅検出手段が検出したパルス幅に応じて内部基
    準信号のパルス幅を調整するパルス幅調整手段とを備え
    たゴースト除去装置。
  2. 【請求項2】 前記パルス幅検出手段が、 前記受信信号における等価パルス付近の信号と受信機内
    部で生成した等価パルスの標準的な立ち下がり波形を示
    す立下信号との相関が最大となる立下位置を検出する立
    下位置検出手段と、 該受信信号における等価パルス付近の信号と受信機内部
    で生成した等価パルスの標準的な立ち上がり波形を示す
    立上信号との相関が最大となる立上位置を検出する立上
    位置検出手段と、 該立下位置検出手段が検出した立下位置と該立上位置検
    出手段が検出した立上位置との差を求めて受信信号の等
    価パルスのパルス幅を算出するパルス幅算出手段とから
    なる請求項1記載のゴースト除去装置。
JP7047561A 1995-03-07 1995-03-07 ゴースト除去装置 Withdrawn JPH08251449A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020034301A (ja) * 2018-08-27 2020-03-05 株式会社東芝 電子装置および距離測定方法

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JP2020034301A (ja) * 2018-08-27 2020-03-05 株式会社東芝 電子装置および距離測定方法

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