JPH08250807A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JPH08250807A
JPH08250807A JP5254195A JP5254195A JPH08250807A JP H08250807 A JPH08250807 A JP H08250807A JP 5254195 A JP5254195 A JP 5254195A JP 5254195 A JP5254195 A JP 5254195A JP H08250807 A JPH08250807 A JP H08250807A
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弘美 大橋
卓夫 ▲廣▼野
Takuo Hirono
Shunji Seki
関  俊司
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多重量子井戸構造の活性層を有する半導体レ
ーザ装置において、量子井戸層の層数を増やして、高出
力化ができるようにすることを目的とする。 【構成】 量子井戸層41aは膜厚3.5nm、量子井
戸層41bは膜厚4.5nm、量子井戸層41cは膜厚
5.5nm、量子井戸層41dは膜厚6.5nm、量子
井戸層41eは膜厚7.5nmとする。そして、量子井
戸層41a〜41eは、n型領域である下部ガイド層3
に近いほどバンドギャップを広げるようにして、それぞ
れの量子準位が等しくなるようにすることで、その発振
波長が一致する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多重量子井戸構造の
活性層を有する高出力の半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ装置は、各種のレーザの中
でも大きさが微小なため、各種の装置に組み込みやすい
という大きな特徴を備えており、広範囲な応用例を有し
ている。その高性能化を一層進めるためには、低しきい
値化と高出力化が課題として挙げられる。これらの課題
のため、活性層に多重量子井戸構造を用いた、注入型の
半導体レーザ装置がある。
【0003】図7は、注入型の半導体レーザ装置の構成
を示す断面図である。同図において、1はn型のInP
からなる基板、2は基板1上にMOCVD法などにより
形成されたn型のInPからなる下部クラッド層、3は
同様にして下部クラッド層2上に形成されたInGaA
sPからなる下部ガイド層である。また、4aはInG
aAsPからなる量子井戸層とそれよりPが多いなどに
よりバンドギャップが広いInGaAsPからなる障壁
層とが複数形成された多重量子井戸構造となっている活
性層、5は活性層4a上に形成されたInGaAsPか
らなる上部ガイド層、6はp型のInPからなる上部ク
ラッド層、7はp型のInGaAsPからなるキャップ
層である。そして、8は下部電極、9は上部電極であ
る。
【0004】この半導体レーザ装置において、上部電極
9に(+)、下部電極8に(−)の順方向電圧を印加す
ることで、上部クラッド層6などのp型領域より活性層
4aに対して正孔が注入され、下部クラッド層2などの
n型領域より活性層4aに対して電子が注入される。そ
して、活性層4aとp型領域およびn型領域との間に
は、バンドギャップ差に基づく電位障壁が形成され、活
性層4aに電子および正孔が閉じ込められる。これらの
密度はわずかな電流で高くなり、光の増幅(誘導放出)
が生じやすい状態となり、そして、活性層4aにおいて
レーザが発振する。
【0005】このような半導体レーザ装置において、多
重量子井戸構造は、発振しきい値電流密度を低減化する
なかで、活性層の厚みを極限まで薄くできるという効果
がある。そして、これらのみならず、量子井戸構造にお
いては、電子や正孔が量子力学的な波動としての振る舞
いを示すことから、半導体レーザ装置のさらなる高性能
化に大きな効果をもたらしている。ここで、このような
半導体レーザ装置においては、多重量子井戸構造の量子
井戸の層数を増加させることで、実効的な光電変換部の
体積を増加させることができ、高出力化が期待できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多重量子井戸構造では、以下に示すような原因により、
量子井戸層の層数を増加させても、この層数がある程度
以上になると、期待どおりの高出力化が得られないとい
う問題があった。多重量子井戸構造において、その量子
井戸層数がある程度以上となっていくと、正孔の分布が
一様でなくなっていく。これは、正孔が電子に比較して
その有効質量がかなり大きく、拡散長が短いためであ
る。
【0007】そして、このために、多重量子井戸構造の
量子井戸層数を増加させると、p型領域から注入された
正孔が、活性層の中で全ての量子井戸層に行き渡り難く
なり、n型領域近くの量子井戸層には、正孔が注入され
難くなる。このことは、キャリアの注入効率の低下や、
光学的損失の増加を招くものであり、高出力化の妨げと
なっていた。
【0008】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、多重量子井戸構造の活性
層を有する半導体レーザ装置において、量子井戸層の層
数を増やして、高出力化ができるようにすることを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体レーザ
装置は、活性層を構成する量子井戸層は、n型半導体領
域側よりp型半導体領域側になるにつれて、それぞれの
量子準位が一致した状態でその膜厚が薄くなっていくこ
とを特徴とする。また、この発明の半導体レーザ装置
は、活性層を構成する障壁層は、n型半導体領域側より
p型半導体領域側になるにつれて、その膜厚が薄くなっ
ていくことを特徴とする。また、この発明の半導体レー
ザ装置は、活性層を構成する障壁層は、n型半導体領域
側よりp型半導体領域側になるにつれて、そのバンドギ
ャップが小さくなっていくことを特徴とする。そして、
この発明の半導体レーザ装置は、活性層を構成する障壁
層中に、それよりバンドギャップが小さい材料からなる
中間層を有し、この中間層の量子準位が障壁層より小さ
く活性層を構成する量子井戸層より高いことを特徴とす
る。
【0010】
【作用】量子井戸層の膜厚やバンドギャップをn型半導
体領域側よりp型半導体領域側にかけて変化させるよう
にしたので、p型半導体領域側の量子井戸層における注
入された正孔の捕獲確率が低くなる。また、障壁層の膜
厚やバンドギャップをn型半導体領域側よりp型半導体
領域側にかけて変化させるようにしたので、p型半導体
領域側の障壁層における正孔のトンネリングの確率が高
くなる。そして、障壁層中に、中間層を設けるようにし
たので、p型半導体領域側の障壁層における正孔のトン
ネリングの確率が高くなる。
【0011】
【実施例】まず、この発明の1実施例の説明の前に、本
発明の概要について説明する。量子井戸構造内でのキャ
リア(電子,正孔)の挙動は、拡散方程式で取り扱うこ
とができ、正孔は量子井戸構造内をp型領域からn型領
域へ拡散する。正孔の拡散には複数の過程が考えられ、
量子井戸層で捕獲される確率と量子井戸層に捕獲された
ものが一部障壁層に染み出し、隣の量子井戸層にトンネ
リングする確率が含まれる。正孔が量子井戸層に捕らわ
れる捕獲確率は、その量子井戸層の膜厚に関係し、厚い
ほどその捕獲確率が大きいことが知られている。
【0012】ここで、この発明は、正孔がp型領域から
n型領域へ拡散することを助長させるための手段の1つ
として、例えば量子井戸層の膜厚をそれぞれ異なるもの
にし、p型領域の近くの層はその膜厚を最小として正孔
の捕獲確率を低減する。この場合、各量子井戸層は、p
型領域からn型領域に近づくに従って、遷移波長が短波
長化するようにして量子準位を一致させ、それぞれの発
振波長が一致するようにする。このことによって、発振
波長を単一に保ったまま、n型領域に近い部分に正孔が
分布する確率を増加させる作用を与える。
【0013】また、同様な作用を得られる手段として、
障壁層の膜厚をそれぞれ異なるものとし、p型半導体領
域の近くの層の膜厚を最小とし、n型領域に近づくに従
ってその膜厚を厚くするようにしてもよい。この場合、
量子井戸内の正孔が染み出して隣の量子井戸層へトンネ
リングする確率を、p型領域に近いほど高くしておくこ
とになり、正孔の拡散を助長することになる。
【0014】さらに同様な作用を得られる手段として、
障壁層を構成する材料の組成比をそれぞれ異なるものと
するようにしても良い。この場合、p型領域に近い障壁
層ほど、その障壁エネルギーを低くするように、バンド
ギャップが小さくなるような組成比とすればよい。正孔
は、障壁エネルギーが低いほど、隣の量子井戸層に拡散
しやすくなり、結果として、多重量子井戸構造の活性層
内におけるn型領域近傍への正孔の拡散過程を助長する
ことになる。
【0015】また、同様な作用を得られる手段として、
量子障壁層に極めて薄い中間層を設けると、正孔がn型
領域に拡散しやすい作用を与えることができる。一般
に、量子井戸構造内のキャリアの存在確率は量子井戸層
内にほとんど集中するが、前述したように、これら正孔
の一部が障壁層へ染み出し、この染み出した正孔がある
一定の割合で隣の量子井戸層へトンネリングする。ここ
で、障壁層中に、この障壁層よりバンドギャップエネル
ギーが小さく、かつ、量子準位の低い中間層を設けてお
くと、そのトンネリングの確率をより高くすることがで
きる。なお、この中間層の量子準位は量子井戸層よりは
高いものである。
【0016】バンドギャップエネルギーが小さい材料、
例えば量子井戸層に用いる材料における量子準位は、そ
の厚さによって変化するものであり、薄いほど高いもの
となる。すなわち、障壁層の中に形成する中間層とし
て、例えば、より薄い量子井戸層を設けるようにすれば
よい。以上のことにより、正孔がp型領域からn型領域
へ拡散することを助長し、多重量子井戸構造の活性層内
におけるn型領域近傍への正孔の拡散過程を助長するこ
とになる。ただし、この中間層は幅が狭く、電子の量子
準位が障壁層における電子の量子準位とほぼ一致するた
め、量子井戸層とは異なり、レーザ発振には寄与しな
い。
【0017】以下この発明の1実施例を図を参照して説
明する。 実施例1.図1は、この発明の1実施例における、多重
量子井戸構造の活性層におけるバンドギャップの状態を
示す説明図である。同図において、同一符号は図7と同
様であり、41a〜41eは活性層4を構成するInG
aAsPからなる量子井戸層である。また、42は、量
子井戸層41a〜41eよりはバンドギャップが広いI
nGaAsPからなり、活性層4を構成する膜厚10n
mの障壁層である。
【0018】そして、膜厚が、量子井戸層41aは3.
5nm、量子井戸層41bは4.5nm、量子井戸層4
1cは5.5nm、量子井戸層41dは6.5nm、量
子井戸層41eは7.5nmである。また、量子井戸層
41a〜41eは、n型領域である下部ガイド層3に近
いほどバンドギャップを広げるようにして、それぞれの
量子準位が等しくなるようにすることで、その発振波長
が一致するようにしている。このバンドギャップを広げ
るためには、例えばPの組成比を多くするようにすれば
よい。
【0019】以上の構成で、共振器長を500μmと
し、発振するレーザの室温における特性を調べた。この
結果、発振波長は1.53μmであり、図2の相関図に
実線で示すように、注入電流の増加に対して、光出力も
増加している。そして、図2において、破線で示す従来
構成の半導体レーザ装置の特性に比較して、高出力とな
っていることが分かる。
【0020】実施例2.ところで、上記実施例において
は、量子井戸層をp型領域側よりn型領域側へとその状
態を変化させるようにしたが、これに限るものではな
い。図3に示すように、まず、膜厚6nmの量子井戸層
41は、上部ガイド層5側から下部ガイド層3側にかけ
て、膜厚など同一の特性としておく。そして、膜厚10
nmの障壁層42a〜42cは、上部ガイド層3側ほ
ど、そのバンドギャップが小さくなるように構成してあ
る。このように構成することで、活性層4の上部ガイド
層5側では、このp型領域から注入される正孔の拡散を
助長することになる。そして、活性層4では、下部ガイ
ド層3近くまで正孔が注入されやすくなる。
【0021】実施例3.また、障壁層の厚さをp型領域
に近いほど薄くするようにしても良い。図4に示すよう
に、障壁層42a’〜42c’を、上部ガイド層5側よ
り下部ガイド層3側にかけて、その膜厚が4nmから1
0nmまで変化するように構成する。このことにより、
活性層4のp型領域である上部ガイド層5側では、トン
ネリングにより正孔が障壁層を通り抜ける確率が高くな
り、下部ガイド層3近くまで正孔が注入されやすくな
る。
【0022】実施例4.図5は、この発明の第4の実施
例における、多重量子井戸構造の活性層におけるバンド
ギャップの状態を示す説明図である。同図において、同
一符号は、図1と同様であり、41はInGaAsPか
らなる膜厚5.5nmの活性層4を構成する量子井戸層
である。また、42’は中間層51が挿入された膜厚1
3nmの障壁層である。中間層51は量子井戸層41と
同一材料により形成し、その膜厚を2nmとする。そし
て、2つの中間層51を3nmの間隔をあけて、均等に
障壁層42’内に配置する。
【0023】この結果、障壁層42’の中に、量子準位
の低い部分が形成される。すなわち、中間層51におけ
る電子の量子準位52aは、障壁層42’の量子準位よ
りも低く、正孔の量子準位52bも障壁層のそれより低
い。ただし、電子の量子準位52aは量子井戸41にお
ける電子の量子準位53aより高く、また、正孔の量子
準位52bも量子井戸41における正孔の量子準位53
bより高くしておく。これは、バンドギャップのせまい
材料が、形成膜厚に依存してその量子準位を変化させる
特性を利用したものである。膜厚が薄いほど量子準位は
高くなり、障壁層のそれに近づく。
【0024】このように、障壁層42’の中に、量子準
位の低くなった領域を設けておくことで、障壁層42’
における正孔のトンネリングの確率が高くなり、結果と
して、n型領域側の量子井戸層41にまで正孔が注入さ
れやすくなる。以上の構成で、共振器長を500μmと
し、発振するレーザの室温における特性を調べた。この
結果、発振波長は1.53μmであり、上記実施例と同
様に、注入電流の増加に対して光出力も増加し、従来構
成の半導体レーザ装置の特性に比較して、より高出力と
なった。
【0025】ここで、その中間層の厚さを変化させたと
きの、光出力の変化の状態を調べた。図6は、その結果
を示す特性図である。ここでは、1つの障壁層全体の厚
さは13nmと一定にして、中間層の厚さを変化させ
た。例えば、中間層の厚さが1nmの場合、障壁層内に
2つの中間層を11/3nmの間隔で均一に配置した。
【0026】この結果、中間層の厚さが1〜2.5nm
の範囲である場合に、効果を発揮していることが分か
る。中間層の厚さが2.5nm以上に厚くなると量子準
位が低くなり、量子井戸層の量子準位に近くなり、正孔
拡散の助長効果が無くなってくる。また、中間層を1n
mよりも薄くすると、中間層における量子準位が障壁層
よりも高くなり、正孔のトンネリングの確率を高くする
効果はなくなる。すなわち、中間層においては、量子準
位を量子井戸層より高く、障壁層より低くしておく必要
がある。
【0027】なお、上記実施例4において、障壁層に中
間層を2層配置するようにしたが、これに限るものでは
ない。障壁層中に中間層を1層配置するようにしても、
同様に効果が得られる。ただし、中間層1層の場合、中
間層と量子井戸層との距離が離れるため、中間層2層を
配置して、中間層と量子井戸層との距離を縮めるように
した方が、より高い効果が得られる。通常、障壁層とし
ては、最低10nm程度あった方がよい。ここで、厚さ
2.5nmの中間層を1つだけ厚さ10nmの障壁層内
に配置した場合、中間層と量子井戸層との距離は3.2
5nmとなり、上記実施例2の場合より離れることにな
る。
【0028】ところで、上記実施例においては、量子井
戸層のみを変化させたり、障壁層のみを変化させるよう
にしたが、これらを組み合わせるようにしても良い。例
えば、p型半導体領域の近くの量子井戸層の膜厚を最小
とし、n型領域に近づくに従ってその膜厚を厚くするこ
とに加え、p型半導体領域近くの障壁層の膜厚を最小と
し、n型領域に近づくに従ってその膜厚を厚くするよう
にしてもよい。また、例えば、実施例2に示した図5の
構成において、p型半導体領域側になるにつれて、それ
ぞれの量子準位が一致した状態で量子井戸層41の膜厚
を薄くしていくようにしても良い。
【0029】なお、上記実施例では、量子井戸層と障壁
層にPの濃度を変えたInGaAsPを用いるようにし
たが、これに限るものではない。量子井戸層としてIn
AsPを用い、障壁層にInGaAsPを用いるように
しても良い。また、量子井戸層にGaAs,障壁層にA
lGaAs、量子井戸層にInGaAlP,障壁層にI
nGaAlP、量子井戸層にInGaP,障壁層にIn
GaP、また、量子井戸層にInGaP,障壁層にIn
GaAlPを用いるようにしても良い。ここで、量子井
戸層と障壁層とで、同一組成の材料を用いる場合、その
組成比を変えて、障壁層に用いる材料の方のバンドギャ
ップを大きくすればよい。すなわち、量子井戸層に用い
る材料より、障壁層に用いる材料の方をバンドギャップ
の大きいものとし、かつ、それらが格子整合する関係に
あればよい。
【0030】また、上記実施例4において、中間層に量
子井戸層と同一の材料を用いるようにしたが、これに限
るものではない。障壁層と格子整合し、バンドギャップ
が小さい材料を用いるようにすれば、同様の効果を奏す
る。ところで、上記実施例においては、説明を簡略にす
るために、4,5層の量子井戸から構成されている多重
量子井戸構造の場合について説明した。実際には、8層
以上の量子井戸からなる多重量子井戸構造の活性層にお
いて、顕著な効果を発揮するものである。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、多重量子井戸構造の活性層における量子井戸層を、
この活性層を挾むn型領域側よりp型領域側になるにつ
れて、その量子準位が一致した状態で膜厚を薄くなって
いくようにし、バンドギャップが小さくなっていくよう
にした。また、多重量子井戸構造の活性層における障壁
層を、この活性層を挾むn型領域側よりp型領域側にな
るにつれて、バンドギャップが小さくなるようにした
り、膜厚が薄くなるようにした。そして、多重量子井戸
構造の活性層における障壁層の中に、障壁層より量子準
位が低い中間層を設けるようにした。
【0032】それらの結果、多重量子井戸構造の活性層
において、この活性層を挾むp型領域側より注入された
正孔が、n型領域側の量子井戸にまで、より均一に注入
されるようになる。このため、量子井戸層の層数が多い
場合でも光出力を低下させず、量子井戸層の層数を増や
して、高出力化ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の1実施例における多重量子井戸構
造の活性層におけるバンドギャップの状態を示す説明図
である。
【図2】 注入電流と光出力の関係を示す相関図であ
る。
【図3】 この発明の他の実施例における多重量子井戸
構造の活性層におけるバンドギャップの状態を示す説明
図である。
【図4】 この発明の他の実施例における多重量子井戸
構造の活性層におけるバンドギャップの状態を示す説明
図である。
【図5】 この発明の第2の実施例における多重量子井
戸構造の活性層におけるバンドギャップの状態を示す説
明図である。
【図6】 中間層の厚さを変化させたときの、光出力の
変化の状態を示す特性図である。
【図7】 従来の注入型の半導体レーザ装置の構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
2…下部クラッド層、3…下部ガイド層、4…活性層、
5…上部ガイド層、6…上部クラッド層、41,41a
〜41e…量子井戸層、42,42a〜42c,42’
…障壁層、51…中間層。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型半導体領域とn型半導体領域に挟ま
    れ、前記p型半導体領域より順方向電圧が加えられたと
    き、前記p型半導体領域より正孔が注入される多重量子
    井戸構造の活性層を有する半導体レーザ装置において、 前記活性層を構成する量子井戸層は、前記n型半導体領
    域側よりp型半導体領域側になるにつれて、それぞれの
    量子準位が一致した状態でその膜厚が薄くなっていくこ
    とを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 p型半導体領域とn型半導体領域に挟ま
    れ、前記p型半導体領域より順方向電圧が加えられたと
    き、前記p型半導体領域より正孔が注入される多重量子
    井戸構造の活性層を有する半導体レーザ装置において、 前記活性層を構成する障壁層は、前記n型半導体領域側
    よりp型半導体領域側になるにつれて、その膜厚が薄く
    なっていくことを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 p型半導体領域とn型半導体領域に挟ま
    れ、前記p型半導体領域より順方向電圧が加えられたと
    き、前記p型半導体領域より正孔が注入される多重量子
    井戸構造の活性層を有する半導体レーザ装置において、 前記活性層を構成する障壁層は、前記n型半導体領域側
    よりp型半導体領域側になるにつれて、そのバンドギャ
    ップが小さくなっていくことを特徴とする半導体レーザ
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の半導体レーザ装置におい
    て、 前記障壁層は、前記n型半導体領域側よりp型半導体領
    域側になるにつれて、そのバンドギャップが小さくなっ
    ていくことを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体レーザ装置におい
    て、 前記活性層を構成する障壁層は、前記n型半導体領域側
    よりp型半導体領域側になるにつれて、その膜厚が薄く
    なっていくことを特徴とする半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項5記載の半導体レ
    ーザ装置において、 前記活性層を構成する障壁層は、前記n型半導体領域側
    よりp型半導体領域側になるにつれて、そのバンドギャ
    ップが小さくなっていくことを特徴とする半導体レーザ
    装置。
  7. 【請求項7】 p型半導体領域とn型半導体領域に挟ま
    れ、前記p型半導体領域より順方向電圧が加えられたと
    き、前記p型半導体領域より正孔が注入される多重量子
    井戸構造の活性層を有する半導体レーザ装置において、 前記活性層を構成する障壁層中に、それよりバンドギャ
    ップが小さい材料からなる中間層を有し、 前記中間層の量子準位が前記障壁層より小さく前記活性
    層を構成する量子井戸層より高いことを特徴とする半導
    体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の半導体レーザ装置におい
    て、 前記活性層を構成する量子井戸層は、前記n型半導体領
    域側よりp型半導体領域側になるにつれて、それぞれの
    量子準位が一致した状態でその膜厚が薄くなっていくこ
    とを特徴とする半導体レーザ装置。
JP05254195A 1995-03-13 1995-03-13 半導体レーザ装置 Expired - Lifetime JP3249999B2 (ja)

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