JP2007035781A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャリアの分布の偏りを低減可能な半導体発光素子を提供する
【解決手段】 本発明の実施の形態の半導体発光素子は、n型クラッド層と、p型クラッド層と、活性層とを備える。活性層は、複数の井戸層と複数のバリア層とを含む多重量子井戸構造の活性層であり、n型クラッド層とp型クラッド層の間に設けられている。井戸層の伝導帯のポテンシャルエネルギーとバリア層の伝導帯のポテンシャルエネルギーとの差である伝導帯のエネルギー障壁差が、井戸層の価電子帯のポテンシャルエネルギーとバリア層の価電子帯のポテンシャルエネルギーとの差である価電子帯のエネルギー障壁差より小さい。第2の半導体発光素子では、複数のバリア層のうちp型クラッド層の側のバリア層の厚さが、n型クラッド層の側のバリア層の厚さより薄い。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ファイバ通信に用いられる半導体発光素子に関するものである。
半導体発光素子には、n型クラッド層(n型半導体層)、p型クラッド層(p型半導体層)と、多重量子井戸構造の活性層とを備えるものがある。活性層は、井戸層とバリア層とが交互に積層された構造を有しており、n型クラッド層とp型クラッド層の間に設けられている。かかる半導体発光素子では、複数のバリア層それぞれの層厚は均一であり、複数の井戸層それぞれの層厚も均一である(例えば、非特許文献1を参照)。
Matt Grupenand Karl Hess, IEEE Journal of Quantum Electronics, vol.34, no.1, pp.120-140,1998
上述した半導体発光素子では、活性層に注入されたキャリアの分布が不均一になる。その結果、電子のオーバーフローが生じて誘導再結合に寄与しない電子が発生する。また、電子密度が高い井戸層では、利得の飽和減少が生じて誘導再結合が小さくなる。
そこで、本発明は、キャリアの分布の偏りを低減可能な半導体発光素子を提供することを目的としている。
本発明の第1の半導体発光素子は、n型クラッド層と、p型クラッド層と、活性層とを備える。活性層は、複数の井戸層と複数のバリア層とを含む多重量子井戸構造の活性層であり、n型クラッド層とp型クラッド層の間に設けられている。第1の半導体発光素子では、井戸層の伝導帯のポテンシャルエネルギーとバリア層の伝導帯のポテンシャルエネルギーとの差である伝導帯のエネルギー障壁差が、井戸層の価電子帯のポテンシャルエネルギーとバリア層の価電子帯のポテンシャルエネルギーとの差である価電子帯のエネルギー障壁差より大きい。第1の半導体発光素子では、複数のバリア層のうちn型クラッド層の側のバリア層の厚さが、p型クラッド層の側のバリア層の厚さより薄い。
本発明の第2の半導体発光素子は、n型クラッド層と、p型クラッド層と、活性層とを備える。活性層は、複数の井戸層と複数のバリア層とを含む多重量子井戸構造の活性層であり、n型クラッド層とp型クラッド層の間に設けられている。第2の半導体発光素子では、井戸層の伝導帯のポテンシャルエネルギーとバリア層の伝導帯のポテンシャルエネルギーとの差である伝導帯のエネルギー障壁差が、井戸層の価電子帯のポテンシャルエネルギーとバリア層の価電子帯のポテンシャルエネルギーとの差である価電子帯のエネルギー障壁差より小さい。第2の半導体発光素子では、複数のバリア層のうちp型クラッド層の側のバリア層の厚さが、n型クラッド層の側のバリア層の厚さより薄い。
バリア層の厚さが均一であり、伝導帯における井戸層のポテンシャルエネルギーとバリア層のポテンシャルエネルギーとの差である伝導帯のエネルギー障壁差ΔEcが、価電子帯における井戸層のポテンシャルエネルギーとバリア層のポテンシャルエネルギーとの差である価電子帯のエネルギー障壁差ΔEvより大きいと、キャリアが活性層におけるn型クラッド層の側の井戸層にトラップされる。一方、バリア層の厚さが均一であり、伝導帯のエネルギー障壁差ΔEcが、価電子帯のエネルギー障壁差ΔEvより小さいと、キャリアがp型半導体層の側の井戸層にトラップされる。
本発明の第1の半導体発光素子では、伝導帯のエネルギー障壁差ΔEcが価電子帯のエネルギー障壁差ΔEvより大きいが、n型クラッド層の側のバリア層の厚さがp型半導体層の側のバリア層の厚さより薄くなっている。バリア層は、キャリアを一時的に蓄えて井戸層に供給する機能を有しており、厚さが厚い程、そのバリア層近傍の井戸層にキャリアを多く分布させることができる。したがって、第1の半導体発光素子によれば、活性層におけるキャリアの分布の偏りが低減される。
また、本発明の第2の半導体発光素子では、伝導帯のエネルギー障壁差ΔEcが価電子帯のエネルギー障壁差ΔEvより小さいが、p型半導体層の側のバリア層の厚さがn型半導体層の側のバリア層の厚さより薄くなっている。したがって、第2の半導体発光素子によれば、活性層におけるキャリアの分布の偏りが低減される。
その結果、第1の半導体発光素子及び第2の半導体発光素子のいずれにおいても、キャリアのオーバーフロー、及び利得の飽和減少が発生し難く、高温での光出力の低下が抑制される。
第1の半導体発光素子では、複数の井戸層のうちn型クラッド層の側の井戸層の厚さが、p型クラッド層の側の井戸層の厚さより薄いことが好ましい。また、第2の半導体発光素子では、複数の井戸層のうちp型クラッド層の側の井戸層の厚さが、n型クラッド層の側の井戸層の厚さより薄いことが好ましい。
バリア層の厚さが薄くなると、当該バリア層の両側の井戸層の間でトンネル現象が生じる。これによって、当該井戸層の量子準位が低下し、多重量子井戸におけるバンドギャップエネルギが不均一になる。本発明の第1及び第2の半導体発光素子では、厚さが薄いバリア層の周囲の井戸層の厚さを薄くすることによって、当該井戸層の量子準位を高めることができる。したがって、多重量子井戸におけるバンドギャップエネルギを均一にすることができる。
第1の半導体発光素子では、複数の井戸層が、AlGaInAsを含むことができる。この構成では、複数の井戸層のうちp型クラッド層の側の井戸層のAl又はGaの組成が、n型クラッド層の側の井戸層の該組成より小さいことが好適である。
第2の半導体発光素子では、複数の井戸層が、GaInAsPを含むことができる。この構成では、複数の井戸層のうちn型クラッド層の側の井戸層におけるGa又はPの組成が、p型クラッド層の側の井戸層の該組成より小さいことが好適である。
また、第2の半導体発光素子では、AlGaInAsを含むことができる。この構成では、複数の井戸層のうちn型クラッド層の側の井戸層のAl又はGaの組成が、p型クラッド層の側の井戸層の該組成より小さいことが好適である。
上述したように、バリア層の厚さが薄くなると、当該バリア層の両側の井戸層の間でトンネル現象が生じ、井戸層の量子準位が低くなる。これによって、当該井戸層のバンドギャップエネルギが小さくなる結果、多重量子井戸におけるバンドギャップエネルギが不均一になる。
第1の半導体発光素子、及び第2の半導体発光素子では、その混晶中において格子定数の小さい原子の組成を大きくすることによって、その厚さが薄いバリア層の両側の量子井戸の量子準位を高めることができる。これによって、多重量子井戸におけるバンドギャップエネルギを、均一にすることができる。
本発明によれば、キャリアの分布の偏りを低減可能な半導体発光素子が提供される。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体発光素子の断面図である。図1に示す半導体発光素子10は、所謂半導体レーザであり、活性層12、n型クラッド層14、及びp型クラッド層16を備えている。
活性層12は、n型クラッド層14とp型クラッド層16の間に設けられている。n型クラッド層14及びp型クラッド層16は、活性層12にキャリアを注入する。
本実施の形態では、n型クラッド層14と活性層12の間に第1の光閉じ込め層18が設けられており、p型クラッド層16と活性層12の間に第2の光閉じ込め層20が設けられている。第1の光閉じ込め層18及び第2の光閉じ込め層20は、活性層12より低屈折率の半導体層であり、活性層12に発生した光を活性層12内に閉じ込める機能を有している。
n型クラッド層14は、n型の基板22の一方の主面上に設けられている。この基板22には、n型の不純物が高濃度にドープされている。本実施の形態においては、n型クラッド層14、第1の光閉じ込め層18、活性層12、及び第2の光閉じ込め層20がメサをなしている。このメサの周囲であって基板22の一方の主面上には、電流ブロック層24が設けられている。一方、基板22の他方の主面には、電極26が設けられている。
また、p型クラッド層16上には、コンタクト層28が設けられており、このコンタクト層28上には電極30が設けられている。
以下、活性層12について詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る活性層のバンド図である。図2において、X方向はp型クラッド層16からn型クラッド層14に向かう方向、即ち第2の光閉じ込め層20から第1の光閉じ込め層18に向かう方向である。図2では、縦軸が電子のエネルギーEになっている。また、図2の上側には、伝導帯のバンド図が示されており、下側には価電子帯のバンド図が示されている。
図2に示すように、活性層12は、多重量子井戸構造(以下、「MQW」という)の活性層であり、複数のバリア層32〜32と複数の井戸層34〜34とを有している。バリア層32〜32と井戸層34〜34は、交互に積層されている。ここで、Nは層数を示す1以上の整数であり、本実施の形態では、N=6である。また、Mは層数を示す1以上の整数であり、本実施の形態では、M=5である。なお、バリア層の層数及び井戸層の層数は、これに限定されるものではなく、例えば、5層〜15層の井戸層が設けられていてもよい。また、光閉じ込め層18、20に隣接するバリア層32、34は、無くても良い。
活性層12では、伝導帯におけるバリア層32〜32のポテンシャルエネルギーと井戸層34〜34のポテンシャルエネルギーとの差である伝導帯のエネルギー障壁差ΔEcが、価電子帯におけるバリア層32〜32のポテンシャルエネルギーと井戸層34〜34のポテンシャルエネルギーとの差である価電子帯のエネルギー障壁差ΔEvより小さくなっている。
かかる活性層12を含む半導体発光素子10の各層の材料を以下の通り例示される。ただし、活性層の遷移波長が1.25μm〜1.63μmとなるように、井戸層およびバリア層の組成、厚みがそれぞれ調整される。
バリア層32〜32:GaInAsP(λg 1.0〜1.3μm)
井戸層34〜34:GaInAsP
n型クラッド層14:InP
p型クラッド層16:InP
第1の光閉じ込め層18:GaInAsP(λg 1.0〜1.3μm)
第2の光閉じ込め層20:GaInAsP(λg 1.0〜1.3μm)
基板22:InP
コンタクト層28:InGaAs
本実施の形態では、複数のバリア層32〜32のうち、p型クラッド層16の側のバリア層の厚さが、n型クラッド層14の側のバリア層の厚さより薄くなっている。本実施の形態では、バリア層32〜32の厚さは、n型クラッド層14からの距離が大きくなるにつれて、4nm〜50nmの範囲で、薄くなっている。一方、複数の井戸層34〜34それぞれの厚さは、4nm〜10nmの範囲で略同一である。
また、本実施の形態では、各井戸層のGa組成は同じである。しかし、複数の井戸層34〜34のうち、p型クラッド層16の側の井戸層におけるGaの組成が、n型クラッド層14の側の井戸層におけるGaの組成より大きくなっていてもよい。即ち、本実施の形態では、複数の井戸層34〜34のGaの組成は、n型クラッド層14からの距離が大きくなるにつれて、大きくなっていてもよい。
上述したように、従来の半導体発光素子では、複数のバリア層それぞれの厚さが略同等である。この従来の構造では、エネルギー障壁差ΔEcがエネルギー障壁差ΔEvより小さいと、p型クラッド層の側の井戸層にキャリアが多く分布し、活性層におけるキャリアの分布に偏りが生じる。
一方、本実施の形態の半導体発光素子10では、複数のバリア層32〜32のうち、p型クラッド層16の側のバリア層の厚さが、n型クラッド層14の側のバリア層の厚さより薄くなっている。バリア層は、キャリアを一時的に蓄えて量子井戸に供給する機能を有しており、バリア層が厚い程、そのバリア層近傍の井戸層にキャリアを多く分布させることができる。したがって、半導体発光素子10によれば、活性層12におけるキャリアの分布の偏りを低減することができる。
図3は、本発明の実施の形態に係る半導体発光素子の電流−光出力特性を示す図である。従来の量子井戸構造の半導体発光素子では、図3に示す特性Aのように、キャリアのオーバーフローが生じ、利得の飽和現象が発生する。また、高温でのレーザの出力低下が生じる。一方、半導体発光素子10では、キャリアの分布の偏りが低減されるので、図3に示す特性Bのように、キャリアのオーバーフローが生じ難く、利得の飽和現象も発生し難い。また、高温での光出力も低下し難くなる。
また、本実施の形態では、各井戸層のGa組成は同じである。
バリア層の厚さが薄くなると、このバリア層を挟む二つの井戸層の間でトンネル現象が発生し、当該井戸層の量子準位が低下する。活性層12では、その厚さが薄いバリア層の両側に位置する井戸層の混晶中において、格子定数の小さい原子Gaの組成が大きくなっているので、当該井戸層における量子準位を高めることができる。したがって、活性層12におけるバンドギャップエネルギを均一にすることができる。なお、Gaの組成に代えて、複数の井戸層におけるPの組成が、同様に変化していてもよい。
以上、本発明の第1の実施の形態について説明したが、GaInNAs、又はAlGaInAsによって構成される多重量子井戸構造の活性層であっても、その組成によって、エネルギー障壁差ΔEc<エネルギー障壁差ΔEvとなり、本実施の形態と同様の構造を採用することができる。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る活性層のバンド図である。第2の実施の形態の半導体発光素子10は、第1の実施の形態の活性層12に代わる活性層12Bを備えている。第2の実施の形態の半導体発光素子10のその他の構成、及び、第2の実施の形態の半導体発光素子の構成材料は、第1の実施の形態のものと同様である。
図4に示すように、活性層12Bは、複数のバリア層32B〜32Bと複数の井戸層34B〜34Bとを有している。バリア層32B〜32Bと井戸層34B〜34Bとは、交互に積層されている。活性層12Bにおいても、エネルギー障壁差ΔEcが、エネルギー障壁差ΔEvより小さくなっている。
活性層12Bでは、活性層12と同様に、複数のバリア層32B〜32Bのうち、p型クラッド層16の側のバリア層の厚さが、n型クラッド層14の側のバリア層の厚さより薄くなっている。即ち、バリア層32B〜32Bの厚さは、n型クラッド層14からの距離が大きくなるにつれて、4nm〜50nmの範囲で、薄くなっている。したがって、第2の実施の形態の半導体発光素子10でも、活性層12Bにおけるキャリアの分布の偏りを低減することができる。
一方、複数の井戸層34B〜34Bそれぞれの厚さについても、p型クラッド層16の側の井戸層の厚さが、n型クラッド層14の側の井戸層の厚さより薄くなっている。なお、井戸層34B〜34Bそれぞれの組成は、第1の実施の形態と異なり、略同一である。
バリア層の厚さが薄くなると、上述したように、当該バリア層の両側の井戸層の間でトンネル現象が生じる。これによって、当該井戸層の量子準位が低下し、多重量子井戸におけるバンドギャップエネルギが不均一になる。第2の実施の形態の半導体発光素子10では、厚さが薄いバリア層の周囲の井戸層の厚さを薄くすることによって、当該井戸層の量子準位を高めることができる。したがって、多重量子井戸におけるバンドギャップエネルギを均一にすることができる。
[第3の実施の形態]
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る活性層のバンド図である。第3の実施の形態の半導体発光素子10は、第1の実施の形態の活性層12に代わる活性層12Cを備えている。
活性層12Cでは、伝導帯におけるバリア層32C〜32Cのポテンシャルエネルギーと井戸層34C〜34Cのポテンシャルエネルギーとの差である伝導帯のエネルギー障壁差ΔEcが、価電子帯におけるバリア層32C〜32Cのポテンシャルエネルギーと井戸層34C〜34Cのポテンシャルエネルギーとの差である価電子帯のエネルギー障壁差ΔEvより大きくなっている。
かかる活性層12Cを含む半導体発光素子10の各層の材料を以下の通り例示される。ただし、活性層の遷移波長が1.25μm〜1.63μmとなるように、井戸層およびバリア層の組成、厚みがそれぞれ調整される。
バリア層32C〜32C:AlGaInAs(λg 1.0〜1.3μm)
井戸層34C〜34C:AlGaInAs
n型クラッド層14:InP
p型クラッド層16:InP
第1の光閉じ込め層18:AlGaInAs(λg 1.0〜1.3μm)
第2の光閉じ込め層20:AlGaInAs(λg 1.0〜1.3μm)
基板22:InP
コンタクト層28:InGaAs
本実施の形態では、複数のバリア層32C〜32Cのうち、n型クラッド層14の側のバリア層の厚さが、p型クラッド層16の側のバリア層の厚さより薄くなっている。本実施の形態では、バリア層32〜32の厚さは、p型クラッド層16からの距離が大きくなるにつれて、4nm〜50nmの範囲で、薄くなっている。一方、複数の井戸層34C〜34Cそれぞれの厚さは、4nm〜10nmの範囲で略同一である。
また、本実施の形態では、各井戸層のAl組成は同じである。しかし、複数の井戸層34C〜34Cのうち、n型クラッド層14の側の井戸層におけるAlの組成が、p型クラッド層16の側の井戸層におけるAlの組成より大きくなっていてもよい。即ち、本実施の形態では、複数の井戸層34〜34のAlの組成は、p型クラッド層16からの距離が大きくなるにつれて、大きくなっていてもよい。
上述したように、従来の半導体発光素子では、複数のバリア層それぞれの厚さが略同等である。この従来の構造では、エネルギー障壁差ΔEcがエネルギー障壁差ΔEvより大きいと、n型クラッド層の側の井戸層にキャリアが多く分布し、活性層におけるキャリアの分布に偏りが生じる。
一方、本実施の形態の半導体発光素子10では、複数のバリア層32C〜32Cのうち、n型クラッド層14の側のバリア層の厚さが、p型クラッド層16の側のバリア層の厚さより薄くなっている。したがって、第3の実施の形態の半導体発光素子10によれば、活性層12Cにおけるキャリアの分布の偏りを低減することができる。
また、上述したように、バリア層の厚さが薄くなると、このバリア層を挟む二つの井戸層の間でトンネル現象が発生し、当該井戸層の量子準位が低下する。活性層12Cでは、その厚さが薄いバリア層の両側に位置する井戸層の混晶中において、格子定数の小さい原子Alの組成が大きくなっているので、当該井戸層における量子準位を高めることができる。したがって、活性層12Cにおけるバンドギャップエネルギを均一にすることができる。なお、Alの組成に代えて、複数の井戸層におけるGaの組成が、同様に変化していてもよい。
以上、本発明の第3の実施の形態について説明したが、GaInNAs、又はGaInAsPによって構成される多重量子井戸構造の活性層であっても、その組成によって、エネルギー障壁差ΔEc>エネルギー障壁差ΔEvとなり、本実施の形態と同様の構造を採用することができる。
[第4の実施の形態]
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る活性層のバンド図である。第4の実施の形態の半導体発光素子10は、第3の実施の形態の活性層12Cに代わる活性層12Dを備えている。第4の実施の形態の半導体発光素子10のその他の構成、及び、第4の実施の形態の半導体発光素子の構成材料は、第3の実施の形態のものと同様である。
図6に示すように、活性層12Dは、複数のバリア層32D〜32Dと複数の井戸層34D〜34Dとを有している。バリア層32D〜32Dと井戸層34D〜34Dとは、交互に積層されている。活性層12Dにおいても、エネルギー障壁差ΔEcが、エネルギー障壁差ΔEvより大きくなっている。
活性層12Dでは、活性層12Cと同様に、複数のバリア層32D〜32Dのうち、n型クラッド層14の側のバリア層の厚さが、p型クラッド層16の側のバリア層の厚さより薄くなっている。即ち、バリア層32D〜32Dの厚さは、p型クラッド層16からの距離が大きくなるにつれて、4nm〜50nmの範囲で、薄くなっている。したがって、第4の実施の形態の半導体発光素子10でも、活性層12Dにおけるキャリアの分布の偏りを低減することができる。
一方、複数の井戸層34D〜34Dそれぞれの厚さについても、n型クラッド層14の側の井戸層の厚さが、p型クラッド層16の側の井戸層の厚さより薄くなっている。なお、井戸層34D〜34Dそれぞれの組成は、第3の実施の形態と異なり、略同一である。
バリア層の厚さが薄くなると、上述したように、当該バリア層の両側の井戸層の間でトンネル現象が生じる。これによって、当該井戸層の量子準位が低下し、多重量子井戸におけるバンドギャップエネルギが不均一になる。第4の実施の形態の半導体発光素子10では、厚さが薄いバリア層の周囲の井戸層の厚さを薄くすることによって、当該井戸層の量子準位を高めることができる。したがって、多重量子井戸におけるバンドギャップエネルギを均一にすることができる。
以上、本発明の第1〜第4の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、上記の実施の形態では、複数のバリア層の厚さは、n型クラッド層14またはp型クラッド層16からの距離が大きくなるにつれて、変化している。しかしながら、n型クラッド層14の側の数層のバリア層の厚さと、p型クラッド層16の側の残りの数層のバリア層の厚さとが異なっていてもよい。即ち、複数のバリア層の厚さが、n型クラッド層14またはp型クラッド層16からの距離に応じて2段階に変化していてもよい。また、複数のバリア層の厚さが、n型クラッド層14またはp型クラッド層16からの距離に応じて多段階に変化していてもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体発光素子の断面図である。 図2は、第1の実施の形態に係る活性層のバンド図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る半導体発光素子の電流−光出力特性を示す図である。 図4は、第2の実施の形態に係る活性層の断面図である。 図5は、第3の実施の形態に係る活性層のバンド図である。 図6は、第4の実施の形態に係る活性層のバンド図である。
符号の説明
10…半導体発光素子、12,12B,12C,12D…活性層、14…n型クラッド層、16…p型クラッド層、18…第1の光閉じ込め層、20…第2の光閉じ込め層、22…基板、24…電流ブロック層、26…電極、28…コンタクト層、30…電極、32−32,32B−32B、32C−32C、32D−32D…バリア層、34−34,34B−34B、34C−34C、34D−34D…井戸層

Claims (7)

  1. n型クラッド層と、
    p型クラッド層と、
    複数の井戸層と複数のバリア層とを含む多重量子井戸構造を有しており、前記n型クラッド層と前記p型クラッド層の間に設けられた活性層と、
    を備え、
    前記井戸層の伝導帯のポテンシャルエネルギーと前記バリア層の伝導帯のポテンシャルエネルギーとの差である伝導帯のエネルギー障壁差は、前記井戸層の価電子帯のポテンシャルエネルギーと前記バリア層の価電子帯のポテンシャルエネルギーとの差である価電子帯のエネルギー障壁差より大きく、
    前記複数のバリア層のうち前記n型クラッド層の側のバリア層の厚さが、前記p型クラッド層の側のバリア層の厚さより薄い、
    半導体発光素子。
  2. 前記複数の井戸層のうち前記n型クラッド層の側の井戸層の厚さが、前記p型クラッド層の側の井戸層の厚さより薄い、請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記複数の井戸層は、AlGaInAsを含んでおり、前記複数の井戸層内における電子の量子準位と正孔の量子準位間の遷移エネルギーがほぼ同一となるように、前記複数の井戸層のうち前記p型クラッド層の側の井戸層のAl又はGaの組成が、前記n型クラッド層の側の井戸層の該組成より小さい、
    請求項1記載の半導体発光素子。
  4. n型クラッド層と、
    p型クラッド層と、
    複数の井戸層と複数のバリア層とを含む多重量子井戸構造を有しており、前記n型クラッド層と前記p型クラッド層の間に設けられた活性層と、
    を備え、
    前記井戸層の伝導帯のポテンシャルエネルギーと前記バリア層の伝導帯のポテンシャルエネルギーとの差である伝導帯のエネルギー障壁差は、前記井戸層の価電子帯のポテンシャルエネルギーと前記バリア層の価電子帯のポテンシャルエネルギーとの差である価電子帯のエネルギー障壁差より小さく、
    前記複数のバリア層のうち前記p型クラッド層の側のバリア層の厚さが、前記n型クラッド層の側のバリア層の厚さより薄い、
    半導体発光素子。
  5. 前記複数の井戸層のうち前記p型クラッド層の側の井戸層の厚さが、前記n型クラッド層の側の井戸層の厚さより薄い、請求項4記載の半導体発光素子。
  6. 前記複数の井戸層は、GaInAsPを含んでおり、前記複数の井戸層内における電子の量子準位と正孔の量子準位間の遷移エネルギーがほぼ同一となるように、前記複数の井戸層のうち前記n型クラッド層の側の井戸層におけるGa又はPの組成が、前記p型クラッド層の側の井戸層の該組成より小さい、
    請求項4記載の半導体発光素子。
  7. 前記複数の井戸層は、AlGaInAsを含んでおり、前記複数の井戸層内における電子の量子準位と正孔の量子準位間の遷移エネルギーがほぼ同一となるように、前記複数の井戸層のうち前記n型クラッド層の側の井戸層のAl又はGaの組成が、前記p型クラッド層の側の井戸層の該組成より小さい、
    請求項4記載の半導体発光素子。
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