JP2009124008A - 光半導体装置 - Google Patents

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Takeshi Fujisawa
剛 藤澤
Takayuki Yamanaka
孝之 山中
Hiroshi Yasaka
洋 八坂
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Abstract

【課題】多重量子井戸層中の各量子井戸層のバリア層のバンドギャップ波長を不均一にすることで、各量子井戸層に分布するキャリアの量を均一化し、光出力及び変調特性を向上させた光半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板1、第一のクラッド層3、活性層及び第二のクラッド層4を備え、前記第一のクラッド層3と前記第二のクラッド層4のいずれか一方がn型、他方がp型であり、前記活性層は量子井戸層及びバリア層からなる多重量子井戸層2であり、前記多重量子井戸層2がAlを含む半導体であり、前記多重量子井戸層2において、少なくとも一部の前記バリア層のp側のバンドギャップ波長がn側のバンドギャップ波長より長くなるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、光半導体装置に関する。
現在のFTTH(Fiber To The Home)の広がりから、加入者系での高性能な光デバイスが強く求められており、光源である半導体レーザは、1.3μm付近の光が得られ、厳しい温度環境下で動作し(85℃以上)、高い変調周波数(微分利得)をもち(10Gb/s、40Gb/s)、なおかつ低消費電力であることが求められている。これまで、低消費電力で高い効率を有し、さらに温度特性の良い光半導体装置として、歪量子井戸半導体レーザが研究開発されてきた。
このような半導体レーザなどの光半導体装置は、半導体基板を用いて形成され、その基板上に結晶を成長する工程などを経て完成される。その結晶成長の際には、基板材料と格子定数が整合する材料を選択することが多いが、格子定数が異なった材料からなる歪量子井戸層も使用されている。
歪量子井戸層は、多元系材料の組成をバリア層や基板と格子整合しない条件にするとともに、その膜厚を薄くして、強制的に基板と同じ格子定数になるようにしたものである。このような歪量子井戸層は、例えば半導体レーザの活性層に適用されており、歪を加えることによってエネルギーバンド構造の状態密度が変化し、半導体レーザの特性が向上する。
また、光出力の向上のために複数の歪量子井戸層を、バリア層を隔てて成長する多重量子井戸構造が多くの半導体レーザで採用されている。この多重量子井戸構造(多重量子井戸層)に電流を注入すると、伝導帯の各量子井戸層には電子が、価電子帯の各量子井戸層には正孔(ホール)が捕獲され、伝導帯、価電子帯間でキャリアの再結合が発生し、発光が起きる。
InP基板上に形成された歪量子井戸層を用いることで、加入者系光通信で用いられる波長1.3μm付近の光を得ることができる。しかし、量子井戸層の材料にIn1-xGaxAsy1-yを用いると、バリア層、量子井戸層それぞれの伝導帯下端エネルギーの差(伝導帯バンドオフセット:ΔEc)と価電子帯バンドオフセットΔEvの比が4:6程度となり、ΔEcが小さく、高温では電子が量子井戸層から飛び出しやすくなり、しきい値電流の増大、共振周波数(微分利得)の減少(変調特性の劣化)など、性能が著しく劣化することが知られており、InGaAsP系の材料を用いて10Gb/s、40Gb/sという通信速度を実現することは困難であった。
そのため、より大きなΔEcをもつ材料系を用いて半導体レーザを作製するという試みがなされてきた。ΔEcを大きくすることで、高温時の電子の飛び出しによる特性劣化を防ぐことができ、また、常温の場合でも量子井戸層の利得、微分利得が向上することが知られている。下記非特許文献1では、量子井戸層、バリアの材料にΔEc:ΔEvが7:3程度となるIn1-x-yAlxGayAsを用いて、温度特性を改善した半導体レーザを作製している。
下記非特許文献1では、バリア層のIn1-x-yAlxGayAsのバンドギャップ波長が1.1μmである量子井戸層を活性層に用いているが、バリア層のバンドギャップ波長を短くすることでさらに大きなΔEcを得ることができる。
その他、GaAs基板に対してGaxIn1-xyAs1-y、In1-xGaxAs基板に対してIn1-xGaxAsy1-y及びIn1-x-yAlxGayAsなどが大きなΔEcをもつことが知られている。
Chung−En Zah、外13名、"High−Performance Uncooled 1.3μm AlxGayIn1-x-yAs/InP Strained−Layer Quantum−well Lasers for Subscriber Loop Applications"、IEEE Joumal of Quantum Electronics、1994年2月、Vol.30、No.2、p.511−523
しかしながら、あまりにΔEcが大きくなると、注入されたキャリアが各量子井戸層に不均一に分布することが知られており、不均一の度合いはΔEcの大きさに比例する。図10は、従来構造での量子井戸層中のキャリア密度分布の概念図である。図10(a)に示すように、ΔEcが大きい量子井戸層に対しては、各量子井戸層に溜まる電子の密度は一定ではなく、nクラッド側の量子井戸層から線形に減少する。ここで、図10(b)に示すように3つの量子井戸層の場合を考え、各量子井戸層のもつキャリア密度がnクラッド側の量子井戸層から順に、N1、N2及びN3であるとする。
図11は、従来構造での量子井戸層の利得とキャリア密度の関係を示した図である。ここで、N1、N2及びN3に対する利得をG1、G2及びG3とする。良く知られているように、量子井戸層の利得はキャリア密度に対して線形には増加せず、キャリア密度が高い状態では図11のように飽和する。このとき、3つの量子井戸層の正味の利得はG1+G2+G3となり、キャリアが均一に分布した場合の正味の利得3×G2よりも小さくなる。
図12は、従来構造における微分利得の伝導体バンドオフセット依存性を示した図である。このとき、共振周波数と比例関係にある微分利得も減少するため、図12中に破線で示すように、微分利得はΔEcに対して、キャリアが均一に分布したときのように単調に増加せず、図12中に実線で示すように、ΔEcが大きくなると飽和していく。そのため、ΔEcを大きくしすぎると、キャリアの不均一な分布による量子井戸層の利得、微分利得の減少のため、量子井戸層が本来もっている性能と比較して、しきい値電流の増大や、変調特性の劣化を招くことになる。
以上のことから、本発明は、多重量子井戸層中の各量子井戸層のバリア層のバンドギャップ波長を不均一にすることで、各量子井戸層に分布するキャリアの量を均一化し、光出力及び変調特性を向上させた光半導体装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る光半導体装置は、
半導体基板、第一のクラッド層、活性層及び第二のクラッド層を備え、
前記第一のクラッド層と前記第二のクラッド層のいずれか一方がn型、他方がp型であり、
前記活性層は量子井戸層及びバリア層からなる多重量子井戸層であり、
前記多重量子井戸層がAlを含む半導体であり、
前記多重量子井戸層において、少なくとも一部の前記バリア層のp側のバンドギャップ波長がn側のバンドギャップ波長より長い
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第2の発明に係る光半導体装置は、第1の発明に係る光半導体装置において、
前記バリア層はIn1-x-yAlxGayAs(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)である
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第3の発明に係る光半導体装置は、第1の発明又は第2の発明に係る光半導体装置において、
前記半導体基板はInP、第一のクラッド層、活性層及び第二のクラッド層はIn1-x-yAlxGayAs(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)である
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第4の発明に係る光半導体装置は、第1の発明又は第2の発明に係る光半導体装置において、
前記半導体基板はIn1-xGaxAs(ここで、0≦x≦1)、第一のクラッド層、活性層及び第二のクラッド層はIn1-xGaxAsy1-y(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)又はIn1-x-yAlxGayAs(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)であり、
前記活性層の量子井戸層数は2から20である
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第5の発明に係る光半導体装置は、第1の発明又は第2の発明に係る光半導体装置において、
前記半導体基板はGaAs、活性層はGaxIn1-xyAs1-y(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)、第一のクラッド層及び第二のクラッド層はGaxIn1-xyAs1-y(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)、In1-xGaxAsy1-y(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)又はIn1-x-yAlxGayAs(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)である
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第6の発明に係る光半導体装置は、第1の発明から第5の発明のいずれかひとつに係る光半導体装置において、
前記活性部の量子井戸層数が2から20である
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第7の発明に係る光半導体装置は、第1の発明から第6の発明のいずれかひとつに係る光半導体装置において、
ギャップ波長差は10から100nmである
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第8の発明に係る光半導体装置は、第1の発明から第7の発明のいずれかひとつに係る光半導体装置において、
前記多重量子井戸層中の前記量子井戸層には、利得が最大となる波長を1.25から1.35μmとなるように、材料を選択して厚み及び歪を設定する
ことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第9の発明に係る光半導体装置は、第1の発明から第8の発明のいずれかひとつに係る光半導体装置において、
前記多重量子井戸層の両側を絶縁体で埋め込む場合に、ルテニウムをドーピングした埋め込み層を用いる
ことを特徴とする。
本発明によれば、光出力及び変調特性を向上させた光半導体装置を実現することができる。
以下、本発明に係る光半導体装置の実施形態について説明する。
図8は、本発明に係る光半導体装置における量子井戸層のポテンシャルエネルギー分布の概念図である。上述したキャリアの不均一分布による性能劣化を防ぐために、本発明では、図8に示すように、多重量子井戸層のポテンシャル分布を設定する。ここで、λwは量子井戸層のバンドギャップ波長、λBiはnクラッド側からi番目のバリア層のバンドギャップ波長、Nは量子井戸層の数を意味する。
図9は、本発明に係る光半導体装置における量子井戸層中のキャリア密度分布を示した図である。従来構造ではλBiは全て等しいため、キャリアが不均一に分布することになる。そこで、本発明では、図9に示すように、nクラッド側のバリアバンドギャップ波長を小さく、pクラッド側のバリアバンドギャップ波長を大きくする。つまり、λB1<λB2<・・・<λBN+1とする。nクラッドから注入されたキャリアはエネルギーの低いところへと向かうので、バリア層が均一な構造に比べて、nクラッドから遠い量子井戸層にもキャリアを捕獲させ、不均一分布を解消することが可能となる。
以下、本発明に係る光半導体装置の第1の実施例について説明する。
図1は、本発明に係る光半導体装置の第1の実施例における半導体層構造を示した図である。図1に示すように、半導体基板1、量子井戸層及びバリア層を含む多重量子井戸層2、クラッド層3,4からなっている。
図2は、本発明に係る光半導体装置の第1の実施例におけるファブリ・ペロ型半導体レーザを示した縦方向断面図である。図2に示すように、n型のInP基板1上に厚さ1.5μmのn−InPクラッド3、InAlGaAsバリア及びInAlGaAs量子井戸層からなる3層の多重量子井戸活性層2、厚さ1.5μmのp−InPクラッド4からなる。なお、本実施例では、量子井戸層数は3としたが、量子井戸層数は、2〜20の範囲で設定してもよい。また、n−InAlGaAsクラッド3及びp−InAlGaAsクラッド4としてもよい。
p−クラッド4をエッチングによって削り、リッジ幅2μmのリッジ構造としている。本実施例では、InPクラッド、InAlGaAsバリアに対しては、InP基板1との歪が0となるような組成とし、バリア厚は10nmとしている。InAlGaAs量子井戸層に対しては、発振波長が1.3μmとなるように、厚さを6nmとし、1%の圧縮歪が加えられる。なお、本実施例では、発振波長が1.3μmとなるようにしたが、発振波長が1.25〜1.35μmとなるように、材料を選択し、厚さ及び歪を設定してもよい。
図3は、従来構造の微分利得のバリアバンドギャップ波長依存性を示した図である。図3中、実線は均一量子井戸構造(λB1=λB2=λB3)でキャリアが均一に分布した場合の、しきい値利得を典型的な値である500cm-1としたときの、しきい値利得での微分利得のバリアバンドギャップ波長依存性を示している。ここに、縦軸の値はλB=0.9μmの場合の微分利得で規格化している。図3中、破線は従来構造(λB1=1.1μm)での微分利得を示す。
バリアのバンドギャップ波長を小さくしていくと微分利得は大きくなっていき、λB=0.9μmの場合には従来構造に比べて15%程度微分利得が増加するが、上述したようにキャリアの不均一な分布によりバンドギャップ波長が小さいところでは利得、微分利得が減少する。なお、本実施例に係る量子井戸層の特性は、半導体量子井戸の特性を極めて良く予測するk・p摂動理論を用いて算出している。
図4は、本発明の第1の実施例に係るIn0.68Al0.15Ga0.17As量子井戸層をもつ3層多重量子井戸層のポテンシャルエネルギー分布を示した図である。図4に示すように、この組成に対して、量子井戸層のバンドギャップ波長はλw=1.47μmとなっており、発振波長が1.3μmとなるように組成を調整している。バリア層はn側から順に、In0.52Al0.44Ga0.04As、In0.53Al0.42Ga0.05As、In0.53Al0.4Ga0.07As及びIn0.53Al0.38Ga0.09Asであり、対応するバンドギャップ波長はそれぞれ、0.9、0.92、0.94及び0.96μmである。
以後、半導体の組成比は歪とバンドギャップ波長によって特定することとし、組成比を直接には述べない。ここで、最大及び最小バンドギャップ波長をもつバリア層のバンドギャップ波長差をΔλBと定義すると、この場合ΔλB=60nmとなる。ΔλB=60nmとすると、pクラッド側でΔEcを約60meV低くすることが可能である。
図5は、本発明の第1の実施例に係る量子井戸層の微分利得のλBとΔλB依存性を示した図である。図5中、1点鎖線は、本実施例に係る量子井戸層でλB1=0.9μmとした場合の、しきい値利得を典型的な値である500cm-1としたときの、しきい値利得での微分利得のΔλB依存性を示している。図5中、実線及び破線は図3のものと同じである。図5より、ΔλB=120nm程度までは、本実施例に係る量子井戸層は従来構造のものよりも微分利得を大きくすることができる。よって、キャリアの不均一な分布を解消し、なおかつ微分利得を高くするには、ΔλBは10から100mmの間にとるのが良い。
以上のように、多重量子井戸層のバリア層のバンドギャップ波長を不均一とし、その変動量を10から100nmとすることで、バリア層が均一な構造に対して利得、微分利得の劣化を3%以下に抑えつつ、キャリアの不均一な分布を緩和し、半導体レーザの性能を向上することが可能となる。
以下、本発明に係る光半導体装置の第2の実施例について説明する。
図6は、本発明に係る光半導体装置の第2の実施例における半導体レーザを示した断面図である。図6に示すように、n型のInP基板1上に厚さ1.5μmのn−InPクラッド3、InAlGaAsバリア及びInAlGaAs量子井戸層からなる3層の多重量子井戸活性層2、厚さ1.5μmのp−InPクラッド4、前記積層構造の両側をルテニウムなどをドープした半絶縁性結晶を用いた埋め込み層5からなっている。
なお、バリア層及び量子井戸層の組成並びに厚さは第1の実施例と同様である。このデバイスに対しては、微分利得に関して第1の実施例と同様の効果を得ることができるとともに、ルテニウムのドーピングによって放熱性が改善し、第1の実施例よりも温度特性を改善することが可能である。
以下、本発明に係る光半導体装置の第3の実施例について説明する。
図2は、本発明に係る光半導体装置の第3の実施例におけるファブリ・ペロ型半導体レーザを示した縦方向断面図である。図2に示すように、n型のInGaAs基板1上に厚さ1.5μmのn−InGaPクラッド3、InAlGaAsバリア及びInGaAs量子井戸層からなる3層の多重量子井戸活性層2、厚さ1.5μmのp−InGaPクラッド4からなる。なお、本実施例では、量子井戸層数は3としたが、量子井戸層数は、2〜20程度の範囲で設定してもよい。
p−クラッド4をエッチングによって削り、リッジ幅2μmのリッジ構造としている。ここで、基板のIn組成は0.15、量子井戸層の厚さ及び歪はそれぞれ10nm及び2.05%(圧縮)であり、発振波長は1.3μmである。なお、本実施例では、発振波長が1.3μmとなるようにしたが、発振波長が1.25〜1.35μmとなるように、材料を選択して、厚さ及び歪を設定してもよい。
なお、第1の実施例と同様に、nクラッドからpクラッドに向かってバリア層の組成比をIn0.15Al0.11Ga0.74As(0.9μm)、In0.15Al0.09Ga0.76As(0.92μm)、In0.15Al0.07Ga0.78As(0.94μm)及びIn0.15Al0.05Ga0.8As(096μm)とすることによって、第1の実施例と同様の効果を得ることができるとともに、InGaAs基板を用いることで、第1の実施例のInP基板上の量子井戸層に比べて、ΔEcを大きくして温度特性を改善することが可能である。
以下、本発明に係る光半導体装置の第4の実施例について説明する。
図6は、本発明に係る光半導体装置の第4の実施例における半導体レーザを示した断面図である。図6に示すように、n型のInGaAs基板1上に厚さ1.5μmのn−InGaPクラッド3、InAlGaAsバリア及びInGaAs量子井戸層からなる3層の多重量子井戸活性層2、厚さ1.5μmのp−InGaPクラッド4、前記積層構造の両側をルテニウムなどをドープした半絶縁性結晶を用いた埋め込み層5からなっている。なお、本実施例では、量子井戸層数は3としたが、量子井戸層数は、2〜20程度の範囲で設定してもよい。
ここで、基板のIn組成は0.15、量子井戸層の厚さ及び歪はそれぞれ10nm及び2.05%(圧縮)であり、発振波長は1.3μmである。なお、本実施例では、発振波長が1.3μmとなるようにしたが、発振波長が1.25〜1.35μmとなるように、材料を選択して、厚さ及び歪を設定してもよい。
なお、第1の実施例と同様に、nクラッドからpクラッドに向かってバリア層の組成比をIn0.15Al0.11Ga0.74As(0.9μm)、In0.15Al0.09Ga0.76As(0.92μm)、In0.15Al0.07Ga0.78As(0.94μm)、In0.15Al0.05Ga0.8As(0.96μm)とすることによって、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
このデバイスに対しては、微分利得に関して第1の実施例と同様の効果を得ることができるとともに、InGaAs基板を用いることで、第2の実施例のInP基板上の量子井戸層に比べてΔEcを大きくし、さらに、ルテニウムのドーピングによって放熱性が改善し、第3の実施例よりも温度特性を改善することが可能である。
以下、本発明に係る光半導体装置の第5の実施例について説明する。
図2は、本発明に係る光半導体装置の第5の実施例におけるファブリ・ペロ型半導体レーザを示した縦方向断面図である。図2に示すように、n型のGaAs基板1上に厚さ1.5μmのn−InGaPクラッド3、AlGaAsバリア及びGaInNAs量子井戸層からなる3層の多重量子井戸活性層2、p−InGaPクラッド4からなる。なお、本実施例では、量子井戸層数は3としたが、量子井戸層数は、2〜20の範囲で設定してもよい。
p−クラッド4をエッチングによって削り、リッジ幅2μmのリッジ構造としている。ここで、量子井戸層の厚さ及び歪はそれぞれ7nm及び2.19%(圧縮)であり、発振波長は1.3μmである。なお、本実施例では、発振波長が1.3μmとなるようにしたが、発振波長が1.25〜1.35μmとなるように、材料を選択して、厚さ及び歪を設定してもよい。
なお、第1の実施例と同様に、nクラッドからpクラッドに向かってバリア層の組成比をAl0.07Ga0.93As(0.8μm)、Al0.05Ga0.95As(0.82μm)、Al0.03Ga0.97As(0.84μm)、Al0.01Ga0.99As(0.86μm)とすることによって、第1の実施例と同様の効果を得ることができるとともに、GaAs基板を用いることで、第1の実施例のInP基板上の量子井戸層に比べて、ΔEcを大きくして温度特性を改善することが可能である。
以下、本発明に係る光半導体装置の第6の実施例について説明する。
図6は、本発明に係る光半導体装置の第6の実施例における半導体レーザを示した断面図である。図6に示すように、n型のGaAs基板1上に厚さ1.5μmのn−InGaPクラッド3、AlGaAsバリア及びGaInNAs量子井戸層からなる3層の多重量子井戸活性層2、p−InGaPクラッド4からなる。なお、本実施例では、量子井戸層数は3としたが、量子井戸層数は、2〜20程度の範囲で設定してもよい。
p−クラッド4前記積層構造の両側をルテニウムなどをドープした半絶縁性結晶を用いた埋め込み層5からなっている。ここで、量子井戸層の厚さ及び歪はそれぞれ7nm及び2.19%(圧縮)であり、発振波長は1.3μmである。なお、本実施例では、発振波長が1.3μmとなるようにしたが、発振波長が1.25〜1.35μmとなるように、材料を選択し、厚さ及び歪を設定してもよい。
なお、第1の実施例と同様に、nクラッドからpクラッドに向かってバリア層の組成比をAl0.07Ga0.93As(0.8μm)、Al0.05Ga0.95As(0.82μm)、Al0.03Ga0.97As(0.84μm)、Al0.01Ga0.99As(0.86μm)とすることによって、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
このデバイスに対しては、微分利得に関して第1の実施例と同様の効果を得ることができるとともに、InGaAs基板を用いることで、第2の実施例のInP基板上の量子井戸層に比べてΔEcを大きくし、さらに、ルテニウムのドーピングによって放熱性が改善し、第5の実施例よりも温度特性を改善することが可能である。
以上のように、本発明によれば、多重量子井戸層のバリア層のバンドギャップ波長を不均一とし、その変動量を10から100nmとすることで、バリア層が均一な構造に対して利得、微分利得の劣化を3%以下に抑えつつ、キャリアの不均一な分布を緩和し、半導体レーザの性能を向上することが可能となり、近い将来のアクセス系の通信などで需要の大きい10Gb/s、40Gb/sの変調性能をもつ半導体レーザの実現が可能となる。
図7は、本発明に係る光半導体装置における、多重量子井戸層内のバリア波長の変化の付け方の概念図である。なお、以上では、多重量子井戸層内のバリア波長の変化の付け方に関して、図7(a)のような線形関数の場合の結果のみを示したが、図7(b)及び(c)のような2次曲線型や、図7(d)のようなtanh型など、どのようなバリア波長の変化のさせ方を用いても、同様の効果を得ることができる。また、バリア波長の変化は多重量子井戸層全体において変化させるだけでなく、図7(e)、(f)及び(g)のように多重量子井戸層の一部において変化させても良い。
本発明は、例えば、光半導体装置、特に、歪量子井戸層を有する半導体レーザや半導体光増幅器に利用することが可能である。
本発明に係る光半導体装置の第1の実施例における半導体層構造を示した図である。 本発明に係る光半導体装置の第1、3及び5の実施例におけるファブリ・ペロ型半導体レーザを示した縦方向断面図である。 従来構造の微分利得のバリアバンドギャップ波長依存性を示した図である。 本発明の第1の実施例に係るIn0.68Al0.15Ga0.17As量子井戸層をもつ3層多重量子井戸層のポテンシャルエネルギー分布を示した図である。 本発明の第1の実施例に係る量子井戸層の微分利得のλBとΔλB依存性を示した図である。 本発明に係る光半導体装置の第2、4及び6の実施例における半導体レーザを示した断面図である。 本発明に係る光半導体装置における、多重量子井戸層内のバリア波長の変化の付け方の概念図である。 本発明に係る光半導体装置における量子井戸層のポテンシャルエネルギー分布の概念図である。 本発明に係る光半導体装置における量子井戸層中のキャリア密度分布を示した図である。 従来構造での量子井戸層中のキャリア密度分布の概念図である。 従来構造での量子井戸層の利得とキャリア密度の関係を示した図である。 従来構造における微分利得の伝導体バンドオフセット依存性を示した図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 多重量子井戸層
3 下部クラッド層
4 上部クラッド層
5 回折格子層
6 ルテニウム等をドープした半絶縁性結晶による埋め込み層

Claims (9)

  1. 半導体基板、第一のクラッド層、活性層及び第二のクラッド層を備え、
    前記第一のクラッド層と前記第二のクラッド層のいずれか一方がn型、他方がp型であり、
    前記活性層は量子井戸層及びバリア層からなる多重量子井戸層であり、
    前記多重量子井戸層がAlを含む半導体であり、
    前記多重量子井戸層において、少なくとも一部の前記バリア層のp側のバンドギャップ波長がn側のバンドギャップ波長より長い
    ことを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記バリア層はIn1-x-yAlxGayAs(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  3. 前記半導体基板はInP、第一のクラッド層、活性層及び第二のクラッド層はIn1-x-yAlxGayAs(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光半導体装置。
  4. 前記半導体基板はIn1-xGaxAs(ここで、0≦x≦1)、第一のクラッド層、活性層及び第二のクラッド層はIn1-xGaxAsy1-y(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)又はIn1-x-yAlxGayAs(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光半導体装置。
  5. 前記半導体基板はGaAs、活性層はGaxIn1-xyAs1-y(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)、第一のクラッド層及び第二のクラッド層はGaxIn1-xyAs1-y(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)、In1-xGaxAsy1-y(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)又はIn1-x-yAlxGayAs(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光半導体装置。
  6. 前記活性部の量子井戸層数が2から20である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光半導体装置。
  7. 前記多重量子井戸層中の最大及び最小バンドギャップ波長を持つ前記バリア層のバンドギャップ波長差は10から100nmである
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光半導体装置。
  8. 前記多重量子井戸層中の前記量子井戸層は、利得が最大となる波長を1.25から1.35μmとなるように、材料を選択して厚み及び歪を設定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光半導体装置。
  9. 前記多重量子井戸層の両側を絶縁体で埋め込む場合に、ルテニウムをドーピングした埋め込み層を用いる
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光半導体装置。
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