JP3497290B2 - 半導体結晶構造体、半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents
半導体結晶構造体、半導体レーザおよびその製造方法Info
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子井戸結晶や歪量子井戸半導体レーザおよびその製造方
法に関するものである。
よび図9に示す。(テムキン他、アフ゜ライト゛フィシ゛ックスレター Appl.
Phys. Lett. 56,1210(1990))。
れ、その両側を電流ブロック層7で覆った構成になって
いる。共振器端面はSiO2およびSiO2/Si/Si
O2でコーティングされており、p側にはp側電極8、
基板1側にはp側電極9が形成されている。図9には活
性領域10のエネルギーバンドギャップ構造が示されて
いる。InP基板1上に、第1の導波路層2、歪井戸層
3とバリア層4からなる多重量子井戸5、第2の導波路
層6が順次積層されている。
をp側電極8からn側電極9へ流すことで、電流ブロッ
ク層で狭搾された電流は歪井戸層3に注入される。歪井
戸層3内ではキャリアの再結合によりレーザ発振を生ず
る。
戸層3の膜厚が5〜6nmのとき、1%の圧縮歪の導入
できる井戸層数はわずか3層であると報告されている。
つまり、井戸層を3層にして歪の量をパラメータにする
と、1%以上の歪を井戸層に導入する多重量子井戸の結
晶性が劣化する。したがって、結晶性のよい状態で、こ
れ以上の歪を井戸層に導入できないし、井戸層数を増や
すこともできない。
ことにより、結晶のオーダリングの発生等による結晶性
の劣化を抑制し、歪の量を多くでき、しかも井戸層数も
多くできる半導体結晶構造体、およびそれを用いた半導
体レーザ、ならびにその製造方法を提供することを目的
とする。
に本発明では、井戸層と、前記井戸層とは格子定数の異
なるバリア層とを交互に積層した歪量子井戸構造であっ
て、前記井戸層数が10以上20以下であり、前記井戸
層への格子歪量が1.0%以上である半導体結晶構造体
とする。
の異なるバリア層とを交互に積層した歪量子井戸構造で
あって、前記井戸層数が5以上10以下であり、前記井
戸層への格子歪量が1.4%以上である半導体結晶構造
体とする。
量子井戸構造と、前記歪多重量子井戸構造を挟む導波路
層とを含む半導体レーザとする。
の異なるバリア層とを交互に積層した歪量子井戸構造で
あって、前記井戸層数が30以上であり、前記井戸層へ
の格子歪量が0.8%以上1.0%以下である半導体結
晶構造体とする。
光導波路とする。また上記半導体結晶構造体、半導体レ
ーザおよび光導波路の結晶構造体の、成長温度を650
℃以上とする。
は格子定数の異なるバリア層とを交互に積層した歪量子
井戸構造を結晶成長する工程と、前記結晶成長工程で積
層した層をストライプ状にエッチングする工程と、前記
ストライプの両側に、電流ブロック層を成長する工程と
を含み、前記歪量子井戸構造の成長を、その成長温度が
650℃以上で行う半導体レーザの製造方法とする。
を1%以上にできなかった。このことについて考察して
いくと、これは結晶成長温度が625℃と低温であり、
実際の基板上の温度はさらに低かったためであると考え
られる。そこで本発明では、結晶成長温度を650℃〜
700℃程度の高温とすることで、オーダリング等によ
る結晶性の劣化を抑制することができた。その結果、歪
井戸結晶に導入できる井戸層数と歪量が増大させること
ができる。この歪井戸結晶を半導体レーザの活性層に用
いることで、しきい値キャリア密度を小さくでき、利得
が大きくできるので、レーザの高出力化が図れレーザ特
性が向上する。
物とBCという化合物の混晶を作製した場合には、通常
はA原子とB原子が均一に混ざり合った(AB)C2と
いう混晶となる。しかしながら、A原子とB原子が均一
に混ざり合わないでACという化合物とBCという化合
物が層状に積層された混晶となったものである。
ギー状態が変化する。オーダリングは結晶内に均一に発
生しないため、結晶内のエネルギー状態が面内で部分的
に揺らいで、発光特性が劣化する。結晶性劣化の基準は
ホトルミネッセンス発光ピークを77Kで測定し、その
ときの半値幅が30meV以上となる場合とした。
25℃程度で結晶成長を行っていたために、歪量は1%
以下の領域で結晶成長を行ってきた(領域A)。一方、
特願平6−203844号では、結晶成長温度を下げた
り、大きな歪を導入することで、オーダリングを発生さ
せてレーザの温度特性向上を図った(領域B)。今回
は、結晶成長温度を上昇する事で、図中の従来導入でき
なかった歪量および井戸層数の導入が可能となった(領
域C)。結晶成長温度を650〜700℃の高温にする
と、井戸層の数を増やせ、歪量を大きくできることにつ
いて実験的には確認したが、そのメカニズムについては
まだわかっていない。ただオーダリングした結晶中に歪
による転位が入ると結晶性が劣化してしまうのではない
かと考えられる。
晶を用いた半導体結晶構造体について、図面を参照しな
がら説明する。
結晶構造体の構成図を示すものである。SnドープIn
P基板1上に、厚み150nmのn−InGaAsP導
波層路層2、厚み6nmの1.4%圧縮歪をもつInG
aAsP歪井戸層3、厚み10nmのInGaAsP
(λg=1.05μm)バリア層4が積層されている。
歪多重量子井戸5は井戸数10の歪井戸層3とバリア層
4を交互に積層して構成されている。さらに歪多重量子
井戸5の上に、厚み100nmのp−InGaAsP導
波路層6が積層されている。
0℃より100℃高い700℃とした。図3に結晶特性
の劣化しない最大歪量の成長温度依存性を示す。
ことで、導入できる歪量が増大する。たとえば井戸層数
が30の場合、成長温度が600℃から700℃になる
にしたがい、最大歪量が0.2から1.0へと大きくな
ることが分かる。井戸層数が10層の場合も同様に、成
長温度を700℃にすることにより、最大歪量は従来技
術で説明した1%から1.4%に増大した。
には、導入できる歪量が増大していることが分かる。今
回の実施例では、井戸層の厚みを6nmとしたが、井戸
層厚を減少することでさらに大きな歪や井戸層数を導入
することができる。
歪量を与える式を示す。 歪量(%)=1.0−0.10×(井戸層数) 成長温
度=580℃ 歪量(%)=1.2−0.02×(井戸層数) 成長温
度=620℃ 歪量(%)=1.6−0.02×(井戸層数) 成長温
度=700℃ 図4に歪量を1.0%としたときの最大井戸層数の成長
温度依存性を示す。図4の横軸は井戸層数であり、縦軸
はPL(フォトルミネッセンス)の半値幅である。半値
幅は狭いほど(値が小さいほど)結晶性は良好であり、
広くなるほど(値が大きいほど)結晶性はよくない。成
長温度Tsが580℃のデータに着目すると、井戸層数
が10以下でも半値幅は50程度もあり大きく、結晶性
の劣化がみられ井戸層を大きくできないことがわかる。
Tsを690℃に着目すると井戸層数が1から30まで
増加しても半値幅をそんなに増加しない。これは井戸層
数を増加させても結晶性の劣化はほとんどないことを示
している。
のもとで導入できる井戸層数が、成長温度を上昇させる
ことで大きくなり、成長温度を660℃以上とすること
で歪量が1%の場合でも30層以上の井戸層を積層する
ことができる。
示すように、成長温度Ts、井戸層数、歪量を選択する
ことで所望の歪量子井戸結晶構造体を得ることができ
る。
量子井戸結晶を用いた半導体レーザの構造図を示すもの
である。
に、厚み150nmのn−InGaAsP(λg=1.
05μm)第1の導波路層2、厚み6nmの1.4%圧
縮歪をもつInGaAsP歪井戸層3、厚み10nmの
InGaAsP(λg=1.05μm)バリア層4が積
層されている。歪多重量子井戸5は井戸数10の歪井戸
層で歪井戸層3とバリア層4を交互に積層して構成され
ている。厚み100nmのp−InGaAsP第2の導
波路層6である。7はp,n,p-InP電流狭搾層、8はp側
電極、9はn側電極である。
度を700℃とした。半導体レーザの井戸層数が10層
程度でよい為に、導入できる最大の歪を導入した。図3
より歪量1.4%を井戸層が導入でき、歪井戸層3とす
ることができた。
れた電流は、電流狭搾層7で狭搾された後、歪井戸層5
に注入される。井戸層の膜厚は井戸層の組成において
1.31μmの発光波長が得られるよう6nmに設定し
た。歪量が1%から1.4%へ増大したことで、緩和振
動周波数は2.0GHz/mA1/2から2.4GHz/
mA1/2へ増大する。この最大歪量の増大は、成長温度
を上昇することでオーダリングが抑制され、結晶性が向
上したためと考えられる。
しきい値キャリア密度を小さくでき、利得が大きくとれ
るので、その結果、高出力のレーザ発光が可能な半導体
レーザとすることができる。
量子井戸結晶を用いた光導波路の構造図を示すものであ
る。
板、2は厚み50nmInGaAsP導波層路層であ
る。3は厚み6nmの1.0%圧縮歪をもつInGaA
sP歪井戸層、4は厚み10nmのInGaAsP(λ
g=1.05μm)バリア層である。5は井戸数30の
歪多重量子井戸で歪井戸層3とバリア層4を交互に積層
して構成されている。6は厚み50nmのInGaAs
P導波路層である。10はInP装荷構造である。
た。光導波路や光変調器では光の閉じ込めを大きくする
ために、井戸層数が30層程度必要となる。その結果、
図1より導入する歪は1%とした。
量子井戸5に導入する。井戸層数が30層のため歪多重
量子井戸5の全層厚は450nmとなり、光はほぼ完全
に歪多重量子井戸5内に閉じこめられる。歪多重量子井
戸5では損失は2〜3cm-1程度と小さいために、低損
失で数cm程度の光の電播が可能となる。
構造とし、電極に逆電圧をかけることで、伝播する光を
吸収減衰することができる。この場合には、歪多重量子
井戸を伝播する光のみ吸収減衰するため、歪量子井戸層
の膜厚は400nm以上程度必要となる。本実施例の導
波路を光変調器に応用することで消光比の大きい光変調
器を実現することができる。
る半導体レーザの製造方法を示すものである。
を用いて膜厚150nmのn-InGaAsP(λg=1.05μm)導波
路層2を成長する。次に、膜厚6nmで圧縮歪1.4%
を有するGa0.2In0.8As0.4P0.6歪井戸層3、厚み1
0nmの格子整合したInGaAsP(λg=1.05μm)バリア層4
を1ペアとして、歪井戸層3とバリア層4を10層繰り
返し成長し、ペア数10の歪多重量子井戸5とする。
散抑制層の一部の20nmのInGaAsP(λg=1.05μm)層6
を連続的に成長して結晶成長工程(図7(a))とする。
つぎに、導波路層6からn-InGaAsP導波路層2をメサ状
にエッチングするメサエッチング工程とする(図7
(b))。
P層7を成長したのち(図7(c)),最後に、p側電極1
1とn側電極12を蒸着により形成する電極蒸着工程
(図7(d))を行いレーザ構造を得る。結晶成長工程に
おけるガスの全流量は22L/min、成長温度は70
0℃である。
縮歪を有する歪井戸層としたが引張り歪の歪井戸層にお
いて使用してもよい。レーザ構造をSCHレーザとした
が、DFBレーザ、DBRレーザなど付加価値の高いレ
ーザへの適応が可能である。また、埋め込み層の構造を
PBHタイプとしたが、その他の構造でもよい。さら
に、受光素子や電子素子等への適応が可能である。
650℃から700℃とすることで歪量が大きく井戸層
数が多い歪量子井戸構造を実現させることができる。
活性層に用いることで、緩和振動周波数の大きい、高出
力のレーザを提供することができる。
の範囲を説明する図
結晶構造の構成断面図
レーザの構造斜視図およびエネルギーバンド図
断面図
製造工程断面図
Claims (6)
- 【請求項1】In1-aGaaAsbP1-b(0<a<1、0
<b<1)系化合物半導体である井戸層と、前記井戸層
とは格子定数の異なるIn1-cGacAsdP1-d(0<c
<1、0<d<1)系化合物半導体であるバリア層とを
交互に積層した歪量子井戸構造であって、前記歪量子井戸構造は650℃以上の温度で成長したも
のであるとともに、 前記井戸層数が10以上30以下であり、前記井戸層へ
の格子歪量が1.0%以上であって、オーダリングして
いないことを特徴とする、半導体結晶構造体。 - 【請求項2】In1-aGaaAsbP1-b(0<a<1、0
<b<1)系化合物半導体である井戸層と、前記井戸層
とは格子定数の異なるIn1-cGacAsdP1-d(0<c
<1、0<d<1)系化合物半導体であるバリア層とを
交互に積層した歪量子井戸構造であって、 前記歪量子井戸構造は650℃以上の温度で成長したも
のであるとともに、 前記井戸層数が5以上10以下であり、前記井戸層への
格子歪量が1.4%以上であって、オーダリングしてい
ないことを特徴とする、半導体結晶構造体。 - 【請求項3】In1-aGaaAsbP1-b(0<a<1、0
<b<1)系化合物半導体である井戸層と、前記井戸層
とは格子定数の異なるIn1-cGacAsdP1-d(0<c
<1、0<d<1)系化合物半導体であるバリア層とを
交互に積層した歪量子井戸構造であって、前記歪量子井戸構造は650℃以上の温度で成長したも
のであるとともに、 前記井戸層数が30以上であり、前記井戸層への格子歪
量が0.8%以上1.0%以下であって、オーダリング
していないことを特徴とする、半導体結晶構造体。 - 【請求項4】 請求項2に記載の半導体結晶構造体でな
る歪多重量子井戸構造と、前記歪多重量子井戸構造を挟
む導波路層とを含む半導体レーザ。 - 【請求項5】 請求項3に記載の半導体結晶構造体を導
波路層としたことを特徴とする光導波路。 - 【請求項6】 請求項5に記載の光導波路と、電極を有
する光変調器。
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JP21722695A JP3497290B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | 半導体結晶構造体、半導体レーザおよびその製造方法 |
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JPH0964474A JPH0964474A (ja) | 1997-03-07 |
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JP21722695A Expired - Fee Related JP3497290B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | 半導体結晶構造体、半導体レーザおよびその製造方法 |
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JP2007165798A (ja) * | 2005-12-16 | 2007-06-28 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 半導体レーザ素子 |
JP2010283104A (ja) * | 2009-06-04 | 2010-12-16 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光半導体装置 |
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-
1995
- 1995-08-25 JP JP21722695A patent/JP3497290B2/ja not_active Expired - Fee Related
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