JP3938976B2 - 半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバー通信に使用される長波長帯半導体レーザ素子に関し、特に高温環境下での閾値電流、駆動電流特性に優れたものに関する。また、本発明は、そのような半導体レーザ素子を製造する半導体レーザ素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバーを使用した光通信システムでは、光源の発光波長として1.3μm帯或いは1.55μm帯が主に使用されている。この波長帯域で使用されている半導体レーザ素子として、従来よりInP基板上に作製されたInGaAsP系の半導体レーザ素子がある。しかしながらこの材料系を用いた半導体レーザ素子の欠点として活性層とクラッド層間の電子に対するバンド不連続量であるところのΔEcが100meVと非常に小さく、この為高温動作時に活性層に十分に電子を閉じ込める事ができないことにより温度特性として約60K程度のものしか得ることができていなかった。この為厳しい環境温度の下での使用においては冷却装置が必要となり、光通信装置の大型化,消費電力の増大等の問題があり、温度特性の良好な半導体レーザ素子の出現が望まれていた。
【0003】
この問題を解決する半導体レーザ素子としてGaAs基板に格子整合し活性層としてInGaAsN系を使用したものが特開平8−195522号公報で公開されており温度特性として約150K程度のものが期待されている。この系でのGaAs基板における格子整合条件近傍でのバンド構造を図5に示す。この図よりGaAsに対しインジウムを加えInGaAsとすることにより、GaAs格子定数に対して格子定数が大きくなり且つバンドギャップが小さくなるという傾向を有することがわかる(図5右半分)。
【0004】
同様にGaAsに対して窒素を加えをGaAsNとすることで、GaAs格子定数に対して格子定数が小さくなり且つバンドギャップが小さくなる傾向を有することがわかる(図5左半分)。即ちInGaAsに対して窒素を添加しInGaAsNとすることでバンドギャップの伝導帯はA→B→Cへ、価電子帯はD→E→Fへと変化しGaAsのバンドギャップである1.42eVより小さくなる即ち長波長帯で発光し、且つGaAsに格子整合する混晶材料のものが得られることがわかる。さらにGaAs基板に格子整合することにより、AlGaAs層を含んだ層構成による素子作製が可能となる。
【0005】
この材料系を用いた場合の活性層内の量子井戸構造の量子井戸活性層(602)及び量子障壁層(600)のバンド構造図を図6(a)、(b)に示す。図6(a)は量子障壁層としてGaAs層を用いた場合を示しており、バンド構造上十分なΔEc(400meV)を得ることができている。しかしながらGaAs障壁層の場合、量子井戸層と量子障壁層の正孔に対するバンド不連続量であるところの、ΔEvが数十meV程度しか取れず正孔に対して十分な閉じ込め構造を構成する事ができないことが、竹内らにより第56回秋期応用物理学会7P−KH−14で報告されている。この問題を改善するために図6(b)で示すように量子障壁層(601)としてGaAs層よりエネルギーギャップの大きいAlGaAs層、特にアルミニウムの混晶比を0.1程度とする又はGaAs基板に格
子整合したエネルギーギャップ1.47eV程度のIn0.05Ga0.95As0.90.1の層により量子井戸構造を作製していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図6(b)で示しているように活性領域内の量子井戸構造の量子障壁層としてAlGaAs層を用いて構成した場合、量子井戸構造内の量子障壁層の伝導帯の障壁高さが図6(a)で示しているようにGaAs層(600)より大きくなり、結果として井戸幅100nm程度の時、量子井戸構造内に量子準位が5程度形成されることにより注入された電子による利得が最大となる準位が順次変化する事で、発振波長が駆動電流により変化するという問題が有った。
【0007】
又、伝導帯側は深い量子井戸構造で有るため、注入される電子が多重量子井戸に均一に注入せず、素子抵抗の増大或いは多重量子井戸構造による低閾値の効果が得られないと言う問題も有った。又、K.NakaharaらによりELECTRONICS LETTERS 1996,32,pp.1585−1586で報告されている様にInGaAsN系に於ける素子作製において、結晶内への窒素の取り込みを増加させる為には成長温度として500℃程度が最適とされる。
【0008】
これに対してAlGaAs系では最適結晶成長温度が700℃程度であるため、AlGaAs系で量子障壁層を構成した場合量子井戸層と量子障壁層界面で最適結晶成長温度への降温、昇温の為の待ち時間を設ける必要が生じていた。
【0009】
さらに同様の問題が活性領域とクラッド層界面や光導波路層、例えばGRIN−SCH(GRaded INdex−Separate Confinement Heterostructer)構造を作製する場合、図7で示すようにGRIN−SCH構造界面で基板温度降温、昇温の為の待ち時間を設ける必要が生じており、これに起因した結晶性の低下により閾値の増大や信頼性の十分なものが得られていなかった。
【0010】
同様に量子障壁層、光導波路層にInGaAsP系やInGaP系を用いた場合、図8で示すようにGaInNAs活性層に対してバンド構造上滑らかにつなぐ材料系が無いため量子障壁層、光導波路層に対して設計の自由度が少ないと言う問題や最適結晶成長温度の為の降温、昇温のための待ち時間を設ける必要があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の半導体レーザ素子は、半導体基板上に少なくとも第1の導電型のクラッド層と、量子井戸層と量子障壁層とが交互に積層された量子井戸構造を含む活性領域と、第2の導電型のクラッド層とをこの順に有し、前記量子井戸層がInxGa1-xAs 1- α α (0<x,α<1)からなり、前記量子障壁層が前記In x' Ga 1-x'-y' Al y' As 1- α ' α ' (0<x’,y’,α’<1)からなり、x=x ' 、かつα=α ' であることを特徴とする。これにより、InGaAsNの量子井戸層を有する半導体レーザ素子に対してバンド構造の設計の範囲が増し素子設計に於いて自由度を増すことができた。更に量子井戸障壁層の高さを最適化することが可能となり、各量子井戸内への不均一な電子の注入により生じる素子抵抗の増大等の問題も抑えることができた。さらに組成制御性において、AlGaAs系ではガリウム組成の変動1%に対してエネルギーギャップで0.012meV程度しか変動しないが、本材料系では窒素組成の変動1%に対してエネルギーギャップで0.15meVも変動することにより良好な量子障壁層を形成できなかったというような問題も、V族組成比を一定に保ちつつIII族組成のみを変化させることにより形成することで防ぐことができるという効果も得られた。
【0012】
また、前記量子障壁層が前記Inx'Ga1-x'-y'Aly'As 1- α ' α ' (0<x’,y’,α’<1)からなる層であることにより、量子井戸構造の設計の自由度を増すことができ、且つ成長層毎に結晶成長温度を変える必要が無く界面の結晶性の良好なものを得ることができた。
【0013】
一実施形態の半導体レーザ素子は、In x” Ga 1- x” - y” Al y” As 1- α” α” (0<x”,y”,α”<1)からなる光導波路層が、前記第1の導電型のクラッド層と前記活性領域との間、及び前記第2の導電型のクラッド層と前記活性領域との間にそれぞれ介挿され、x=x ' =x”、かつα=α ' =α”であり、前記各光導波路層内では、前記第1又は第2の導電型のクラッド層に近い側の部分のAl混晶比y”が、前記活性領域に近い側の部分のAl混晶比よりも高いことを特徴とする。これにより、バンド構造の設定の範囲が増し、光導波路層の設計の自由度を増すことが可能となった。
【0014】
この発明の半導体レーザ素子の製造方法は、上述の半導体レーザ素子を製造する半導体レーザ素子の製造方法であって、前記量子井戸層をなすInGa1−xAs 1−α α (0<x,α<1)と、前記In x' Ga 1-x'-y' Al y' As 1- α ' α ' (0<x’,y’,α’<1)または前記In x” Ga 1- x” - y” Al y” As 1- α” α” (0<x”,y”,α”<1)からなる層とを、同じ温度で結晶成長することを特徴とする。
【0015】
また、この発明の半導体レーザ素子の製造方法は、上述の半導体レーザ素子を製造する半導体レーザ素子の製造方法であって、前記量子井戸層をなすInGa1−xAs 1−α α (0<x,α<1)と、前記In x' Ga 1-x'-y' Al y' As 1- α ' α ' (0<x’,y’,α’<1)または前記In x” Ga 1- x” - y” Al y” As 1- α” α” (0 <x”,y”,α”<1)からなる層とを、連続的に結晶成長することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明の第1の実施例を示す。図1(a)、図1(b)に本実施例における素子構造図及び活性領域の構造図を示す。n型のGaAs基板上(100)に、例えばIII族原料としてGa、Al、Inの固体原料を、V族原料としてAs、プラズマセルによるN2源を使用したMBE(分子線エピタキシー)法により、基板温度700℃にて0.3μm層厚のn型GaAsバッファ層(101)、1.0μm層厚のn型Al0.3Ga0.7As下クラッド層(102)、続いて基板温度を500℃に下げ、図1(b)に示す様に6周期の基板に格子整合した70nm層厚の量子井戸活性層un−In0.06Ga0.94As0.9750.025(109)/120nm層厚の量子障壁層un−In0.06Ga0.74Al0.2As0.9750.025(110)、その後再び基板温度を700℃に上げ、1.0μm層厚のp型Al0.3Ga0.7As上クラッド層(104)、p型GaAsキャップ層(106)を形成する。ここで、量子井戸層としての量子井戸活性層(109)の組成をIn x Ga 1-x As 1- α α (0<x,α<1)と表すと、x=0.06、α=0.025である。また、量子障壁層(110)の組成をIn x' Ga 1-x'-y' Al y As 1- α ' α ' (0<x’,y’,α’<1)と表すと、x ' =0.06、y’=0.2、α ' =0.025である。つまり、x=x ' 、かつα=α ' になっている。
【0017】
続いてレジスト膜をストライプ状に形成後、これをマスク材として塩素のRIBE(反応性イオンビームエッチング)によりリッジ形状を作製する。その後ストライプ領域を除きSiO2膜(105)を形成、素子両面に通常の蒸着手段によりn,p側の電極(107)、(108)をそれぞれ形成する。
【0018】
ここでInGaAlAsN混晶系のバンド構造は、図2で示すようにInGaAlAsに窒素を加えることで、伝導帯はA'→B'→C'へ、価電子帯はD'→E'→F'へと変化する。これによりGaAs基板に格子整合しつつ、且つ価電子帯のΔEvが同程度で伝導帯のΔEcが小さい構造を有するAlGaAsよりもバンドギャップの小さいものを得ることができる(図中△はAlGaAsのエネルギーギャップ)。
【0019】
例えばIn0.06Ga0.74Al0.2As0.9750.025層等の本混晶系を量子障壁層に使用することにより、従来のAl0.2Ga0.8As層の量子障壁層(図1(b)の点線)に比べて伝導帯のΔEcを小さくすることが可能となり(図1(b)の実線)、従来構造で問題となっていた井戸内の量子障壁層のエネルギーギャップが大きいことにより生じていた多数の量子準位を基底準位のみとなるように調整することができた。この効果により半導体レーザ素子の駆動電流に対して順次高次の量子準位で発振していくことによる、発振波長の変化を防ぐことができた。
【0020】
更に量子井戸障壁層の高さを最適化することが可能となり、各量子井戸内への不均一な電子の注入により生じる素子抵抗の増大等の問題も抑えることができた。さらに組成制御性において、AlGaAs系ではガリウム組成の変動1%に対してエネルギーギャップで0.012meV程度しか変動しないが、本材料系では窒素組成の変動1%に対してエネルギーギャップで0.15meVも変動することにより良好な量子障壁層を形成できなかったというような問題も、V族組成比を一定に保ちつつIII族組成のみを変化させることにより形成することで防ぐことができるという効果も得られた。
【0021】
以上の効果により、従来のAlGaAs量子障壁層による素子の室温時における閾値電流を20mAから15mA程度へと低減することができたと共に、素子抵抗としても10Ωから5Ωへと低減することができ、特性の良好な半導体レーザ素子を得ることができた。本実施例では、GaAs基板に格子整合した量子障壁層についての記載のみであるが、歪み量子井戸層に対してそれを補償するような歪みInGaAlAsN量子障壁層で構成しても良く、又素子作製方法としてMOCVD法,素子構造としてリッジ構造素子としているが、他の成長方法や埋め込み構造でも同様の効果が得られることは明らかである。
【0022】
(実施例2)
本発明の第2の実施例の素子構造及び活性領域の構造を図3(a)、(b)に示す。p型GaAs基板(300)上に、例えばIII族原料としてトリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルインジウム、V族原料としてアルシン、フォスフィン、ジメチルヒドラジンを用いたMOCVD(有機金属気相成長)法により基板温度700℃で0.3μm層厚のp型GaAsバッファ層(301)、1.0μm層厚のp型Al0.3Ga0.7As下クラッド層(302)、基板温度を500℃に下げ、光導波路層となる構造を有するAl混晶比yが0.4から0.2に変化するように形成された0.15μm層厚のp型In0.06Ga1-yAlyAs0.9750.025光導波路層(308)、続いて3周期の基板に格子整合した70nm層厚の量子井戸活性層In0.06Ga0.94As0.9750.025(306)/120nm層厚の量子障壁層にIn0.06Ga0.74Al0.2As0.9750.025(307)、その後Al混晶比yが0.2から0.4へと変化する0.15μm層厚のn型In0.06Ga1-yAlyAs0.9750.025光導波路層(308)、その後再び基板温度を700℃に上げ、1.0μm層厚のn型Al0.3Ga0.7As上クラッド層(304)、n型GaAsキャップ層(305)を形成する。ここで、量子井戸層としての量子井戸活性層(306)の組成をIn x Ga 1-x As 1- α α (0<x,α<1)と表すと、x=0.06、α=0.025である。また、量子障壁層(307)の組成をIn x' Ga 1-x'-y' Al y As 1- α ' α ' (0<x’,y’,α’<1)と表すと、x ' =0.06、y’=0.2、α ' =0.025である。さらに、二つの光導波路層(308)の組成をそれぞれIn x” Ga 1- x” - y” Al y” As 1- α” α” (0<x”,y”,α”<1)と表すと、x”=0.06、y”=0.2〜0.4、α”=0.025である。つまり、x=x ' =x”、かつα=α ' =α”になっている。
【0023】
続いてレジスト膜をストライプ状に形成後、これをマスク材としてウエットエッチングによりリッジ形状を作製する。その後ストライプ領域を除きSiO2膜(105)を形成、素子両面に通常の蒸着手段によりn,p側の電極(107)、(108)をそれぞれ形成する。
【0024】
図3(b)に本構造の活性領域(303)の詳細図を示す。光導波路層から活性領域となる量子障壁層をInGaAlAsN混晶比で構成することにより、従来の場合と比べて図中の点線で示している箇所即ち、活性層近傍である量子井戸構造と光導波路成長界面での最適結晶成長温度にするための基板温度の昇温,降温が無くなり、これにより界面での結晶性の不良に起因した閾値電流の増加を防ぐことができ、従来のAlGaAs光導波路構造を有した半導体レーザ素子の閾値電流15mAから10mAへと低減することができた。
【0025】
さらに本混晶系を用いた場合Ga0.7Al0.3Asにインジウムと窒素を適宜加えることでGa0.8Al0.2Asと同じバンドギャップを有する層が構成できることから、光導波路層とGaAlAsクラッド層をなめらかにつなぐバンド構造のものが得られる。さらに他の組成を一定に保ちつつ、ガリウムとアルミニウムの組成比のみを変化させることで基板に格子整合させつつ且つAlGaAsクラッド層とGaInNAs活性層の中間程度のバンドギャップを持った層を容易に形成することができる為、図3(b)で示す様な光導波路層を形成することができた。同様にしてInGaPクラッド層の場合はInGaAsPN混晶系により中間のバンドギャップを有した構造を形成することができる。
【0026】
(参考例)
本発明の参考例を図4に示す。p型GaAs基板上(300)に例えばMOMBE(有機金属分子線エピタキシー)法により基板温度500℃で0.3μm層厚のp型InGaPバッファ層(400)、1.0μm層厚のp型InGaAsPN下クラッド層(401)、続いて活性領域として基板に対して圧縮歪みを有する70nm層厚の単一量子井戸活性層In0.06Ga0.94As0.980.02/量子障壁層InGaAsPN(402)、1.0μm層厚のn型InGaAsPN上クラッド層(403)を形成し、ストライプ上の誘電体マスクを形成し、通常のエッチングプロセスにてメサ構造を形成後、この誘電体マスクを利用した選択成長により電流狭窄を有するn型InGaP層(404)、p型InGaP層(405)、n型InGaP層(406)を形成した後、n型InGaAsPN上クラッド層(407)、n型GaAsコンタクト層(408)を形成後、両面にn、p型電極(107)、(108)をそれぞれ形成する。
【0027】
本参考例の様にクラッド層からInGaAsPN層により構成することで第1の導電型のクラッド層から活性領域及び第2の導電型のクラッド層まで5元の材料の混晶比を適宜調整することにより素子構造を作製することが可能となり、従来の様に各層において最適成長温度の為の昇温或いは降温に伴う待ち時間を設ける必要が無くなり、これに起因した界面での結晶欠陥を低減することが可能となり、従来のクラッド層と活性領域界面で待ち時間を設けた素子構造に比べて寿命(駆動電流が初期電流の20%上昇する時間)を10000時間から20000時間へと改善することができた。
【0028】
【発明の効果】
本発明により、活性層に少なくともInGaAsN層を含んだ半導体レーザ素子において、量子障壁層にInGaAlAsN層を使用することで正孔のバンド不連続差であるΔEvを保持しつつ電子のバンド不連続量であるΔEcを調節する事が可能となった。これにより量子井戸内の量子準位を基底準位のみに設計する或いは注入された電子が均一になるように量子障壁層の障壁の高さを調整することが可能となり、駆動電流による発振波長の変動の低減及び閾値の低減が実現でき素子特性の向上が図れた。
【0029】
また量子井戸層と量子障壁層界面で成長温度最適化の為の待ち時間を設ける必要が無くなった為、結晶性の向上が図れ低閾値化及び信頼性の改善が図れた。
【0030】
さらに光導波路層をInGaAlAsN層で構成することにより量子井戸構造と光導波路層の界面で成長温度最適化の為の待ち時間を設ける必要が無く結晶性の向上により低閾値化が図れると共に、光導波路層の層構造の設計の自由度が増した。InGaAlAsN層で構成した場合、界面でV族組成を変えることなくバンドギャップの異なる光導波路層を形成することができ、組成制御性が向上した。
【0031】
さらにクラッド層をInGaAlAsN層で構成することにより成長温度を各層毎に最適温度に変える必要がなく、混晶比を変化させるだけで素子が構成でき、この為従来の構造ものに比べ界面での結晶性が向上でき素子寿命を改善することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の第1の実施例を示した図であり、(b)は本発明の第1の実施例における量子井戸構造の構成図である。
【図2】 GaAlAs系への窒素,インジウム添加におけるバンドギャップの関係を示す図である。
【図3】 (a)は本発明の第2の実施例を示した図であり、(b)は本発明の第2の実施例における量子井戸構造の構成図である。
【図4】 本発明の参考例を示した図である。
【図5】 InGaAsN系の窒素、インジウム濃度によるバンドギャップの関係を示す図である。
【図6】 (a)は従来のInGaAsN系半導体レーザ素子における量子井戸構造において、GaAs層を量子障壁層に使用した場合のバンド構造図であり、(b)は従来のInGaAsN系半導体レーザ素子においる量子井戸構造において、AlGaAs層を量子障壁層に使用した場合のバンド構造図である。
【図7】 GRIN−SCH構造作製における基板温度のシーケンスである。
【図8】 GaInNAs層に対するAlGaAs、InGaAsP層のバンド構造図である。
【符号の説明】
100 n型GaAs基板
101 n型GaAsバッファ層
102 n型Al0.3Ga0.7Asクラッド層
103 量子井戸活性層
104 p型Al0.3Ga0.7Asクラッド層
105 SiO2
106 p型GaAs層
107 n型電極
108 p型電極
109 量子井戸層
110 量子障壁層
300 p型GaAs基板
301 p型GaAsバッファ層
302 p型Al0.3Ga0.7Asクラッド層
303 量子井戸活性層
304 n型Al0.3Ga0.7Asクラッド層
305 n型GaAs層
306 量子井戸層
307 量子障壁層
308 光導波路層
400 p型InGaPバッファ層
401 p型InGaAsPN下クラッド層
402 量子井戸構造活性層
403 n型InGaAsPN上クラッド層
404 n型InGaP電流光閉じ込め層
405 p型InGaP電流光閉じ込め層
406 n型InGaP電流光閉じ込め層
407 n型InGaAsPN上クラッド層
408 n型GaAsコンタクト層
600 GaAs量子障壁層
601 AlGaAs量子障壁層
602 InGaAsN活性層

Claims (4)

  1. 半導体基板上に少なくとも第1の導電型のクラッド層と、量子井戸層と量子障壁層とが交互に積層された量子井戸構造を含む活性領域と、第2の導電型のクラッド層とをこの順に有し、
    前記量子井戸層がInxGa1-xAs 1- α α (0<x,α<1)からなり、
    前記量子障壁層が前記In x' Ga 1-x'-y' Al y' As 1- α ' α ' (0<x’,y’,α’<1)からなり、
    x=x ' 、かつα=α '
    であることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 請求項1に記載の半導体レーザ素子において、
    In x” Ga 1- x” - y” Al y” As 1- α” α” (0<x”,y”,α”<1)からなる光導波路層が、前記第1の導電型のクラッド層と前記活性領域との間、及び前記第2の導電型のクラッド層と前記活性領域との間にそれぞれ介挿され、
    x=x ' =x”、かつα=α ' =α”
    であり、
    前記各光導波路層内では、前記第1又は第2の導電型のクラッド層に近い側の部分のAl混晶比y”が、前記活性領域に近い側の部分のAl混晶比よりも高いことを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 請求項1または2に記載の半導体レーザ素子を製造する半導体レーザ素子の製造方法であって、
    前記量子井戸層をなすIn Ga 1−x As 1−α α (0<x,α<1)と、前記In x' Ga 1-x'-y' Al y' As 1- α ' α ' (0<x’,y’,α’<1)または前記In x” Ga 1- x” - y” Al y” As 1- α” α” (0<x”,y”,α”<1)からなる層とを、同じ温度で結晶成長することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の半導体レーザ素子を製造する半導体レーザ素子の製造方法であって、
    前記量子井戸層をなすIn Ga 1−x As 1−α α (0<x,α<1)と、前記In x' Ga 1-x'-y' Al y' As 1- α ' α ' (0<x’,y’,α’<1)または前記In x” Ga 1- x” - y” Al y” As 1- α” α” (0<x”,y”,α”<1)からなる層とを、連続的に結晶成長することを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
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