JP2001168470A - 半導体光素子の作製方法及び半導体光素子 - Google Patents

半導体光素子の作製方法及び半導体光素子

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JP2001168470A
JP2001168470A JP34999799A JP34999799A JP2001168470A JP 2001168470 A JP2001168470 A JP 2001168470A JP 34999799 A JP34999799 A JP 34999799A JP 34999799 A JP34999799 A JP 34999799A JP 2001168470 A JP2001168470 A JP 2001168470A
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Tomoshi Arakawa
智志 荒川
Norihiro Iwai
則広 岩井
Takuya Ishikawa
卓哉 石川
Akihiko Kasukawa
秋彦 粕川
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の混晶化技術による短波長シフト化とは
異なる手法で、短波長シフト化した、半導体光素子の作
製方法を提供することである。 【解決手段】 本作製方法は、n−InP基板52上
に、MOCVD法等によって、n−InPバッファー層
54、発光波長1550nmのGalnAsP系MQW
56、p−InP上部クラッド層58、p−GalnA
s中間層60、及びp−AllnAs被酸化層62を、
順次、エピタキシャル成長させて、積層構造を形成す
る。次いで、温度450℃の水蒸気下で積層構造のAl
InAs被酸化層52に表面酸化処理を施して、All
nAs被酸化層52中のAlを選択的に酸化して被酸化
層52全層をAl酸化層64に転化する。次いで、温度
650℃の窒素雰囲気下で熱処理を施す。これにより、
MQW56は、その発光波長が1450nmになって短
波長シフト化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体光素子及び
半導体光素子の作製方法に関し、更に詳細には、電流狭
窄機能及び横方向の屈折率型光閉じ込め機能を兼ね備え
た構造を有する半導体光素子及び半導体光素子の作製方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体光デバイスに設ける量子井戸構造
を形成する際の混晶化技術の一つとして、不純物を用い
ない空格子拡散(Impurity-Free Vacancy Diffusion )
が知られている。空格子拡散による混晶化とは、量子井
戸構造上の化合物半導体層に空格子を形成し、形成され
た空格子を量子井戸構造に熱拡散させることにより、量
子井戸構造の混晶化が行われる現象である。空格子拡散
は、例えば、図9に示すように、InP基板12上に、
順次、成膜された、InP下クラッド層14、GaIn
AsP(λg=1550nm)系多重量子井戸構造層
(以下、MQWと言う)16、InP上クラッド層1
8、及びGaInAs層20からなる積層構造の一部領
域上にSiO2 等の誘電体膜22を形成し、熱処理(ア
ニーリング)を施すと、GaInAs層20の結晶中の
GaがSiO2 膜22に吸い取られて、多数のGaの空
格子が、SiO2 層22下のGaInAs20の界面層
で形成される。図9は、空格子拡散による従来の混晶化
方法を説明する図である。
【0003】熱処理中、更に、空格子点が下方のMQW
16内に拡散するのに伴って、MQW16の井戸/障壁
の間での原子の相互拡散が引き起こされ、混晶化が誘起
される。一方、SiO2 膜22で覆われていない領域B
では、混晶化が起こらないので、選択的混晶化が可能で
ある。そして、井戸/障壁の間での原子の相互拡散によ
って、SiO2 膜22で覆った領域AのMQW16aで
は、その発光波長が、SiO2 膜22で覆っていない領
域BのMQW16bの発光波長1550nmから144
0nmに短波長シフトする。
【0004】例えば、IEEE Journal of Selected Topic
s in Quantum Electronics Vol. 4No. 4 p636におい
て、SiO2 膜を用いたMQWの内部拡散に関する報告
がなされている。これによると、SiO2 膜を形成後、
650℃の熱処理を施すことにより、量子井戸の波長が
1550nmから1440nmに約60meVの短波長
シフトが得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前掲文献に報
告されている短波長シフト方法を含め、従来の誘電体膜
を用いた混晶化による短波長シフト方法には、以下の問
題があた。第1には、スパッタリングやCVD法によっ
てSiO2 膜等の誘電体膜を半導体層上に形成すること
が必要であるから、製造プロセスが複雑になり、更に、
誘電体膜を成膜する際に、下地の化合物半導体層に損傷
を与えることが多いという問題である。第2には、誘電
体膜下の化合物半導体層の界面層に空格子を形成するた
めには、650℃以上の高温で熱処理を施す必要があ
る。その結果、熱処理中に、量子井戸構造層内で熱によ
る原子の内部拡散や、エピタキシャル成長層中のドーパ
ントが量子井戸構造層に拡散して、光デバイス特性の低
下を招くという問題である。
【0006】そこで、本発明の目的は、従来の混晶化技
術による短波長シフト化手法とは異なる新規な手法で多
重量子井戸構造層の発光波長をシフト化する工程を含む
半導体光素子の作製方法、及び新規な構成のシフト化半
導体光素子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、AlInA
s被酸化層中のAlを選択的に酸化してAl酸化層を形
成することにより電流狭窄構造を構成する一連の研究を
行っている過程で、特定の処理を施すことにより、Al
酸化層下のMQWが短波長シフト化されることを見い出
し、これを利用して上述した従来の短波長シフト化方法
に代わる新規な方法を着想した。即ち、MQWを有する
ダブルヘテロ接合の積層構造の一部領域上に、Alを含
む被酸化層を成膜し、高温の水蒸気雰囲気下で被酸化層
中のAlを選択的に酸化してAl酸化層を生成し、続い
て窒素雰囲気下で熱処理することにより、Al酸化層下
のMQWでは、原子の内部拡散が起き、発光波長が短波
長シフトすることを見い出した。
【0008】そこで、更に、以下に説明するような実験
を行って、この事実を検証し、短波長シフト化に影響す
る種々の因子を確認した。実験例1 実験例1の試料として第1の試料積層構造体を次のよう
にして作製した。参照する図10(a)及び(b)は、
それぞれ、第1の試料積層構造体を作製する際の工程毎
の基板断面図、及び図11は波長とPL強度との関係を
示すグラフである。先ず、図10(a)に示すように、
InP基板32上に、膜厚100nmのInPバッファ
層34、発光波長1550nmのGaInAsP系歪多
重量子井戸活性層(MQW)36、膜厚500nmのI
nPクラッド層38、膜厚50nmのGaInAs中間
層40、膜厚100nmのAlInAs被酸化層42を
順次成長させ、第1の試料積層構造体44Aを形成し
た。
【0009】次いで、温度450℃の水蒸気雰囲気下に
第1の試料積層構造体44Aを45分間保持した。これ
により、図10(b)に示すように、AlInAs被酸
化層42は、表面から約100nmの深さ、すなわちA
lInAs被酸化層42全層はAlが酸化され、Al酸
化層46が生成した。次に、温度600℃の窒素雰囲気
下に第1の試料積層構造体44Aを10分間保持して、
熱処理を施し、第1の試料積層構造体44を作製した。
【0010】第1の試料積層構造体44の作製途中、積
層構造体44Aを形成し、Al酸化層を生成する前の段
階で、MQW36の発光強度をフォトルミネッセンス
(PL)測定したところ、図11に示すように、PLピ
ーク波長が1550nmであった。次いで、Al酸化層
を生成し、窒素雰囲気下の熱処理を施し、第1の試料積
層構造体44を作製した段階で、MQW36のPLを測
定したところ、PLピーク波長は1450nmにシフト
し、100nm(約55meV)の短波長シフトが確認
された。
【0011】実験例2 次に、実験例2では、AlInAs被酸化層中のAlを
選択的に酸化して形成したAl酸化層の短波長シフト化
に対する効果を確認した。即ち、実験例1の第1の試料
積層構造体44Aと同様にして積層構造を形成した後、
水蒸気雰囲気下のAlInAs被酸化層の酸化工程を行
うことなく、600℃の窒素雰囲気下の熱処理を施した
第2の試料積層構造体を形成した。第2の試料積層構造
体のMQWのPLを測定したところ、PLピーク波長は
1542nmであって、第1の試料積層構造体44に比
べて、短波長シフト量が非常に小さかった。
【0012】実験例3 また、実験例3では、AlInAs被酸化層42を形成
していない積層構造について短波長シフト化の程度を調
べ、実験例2とは別の視点から、Al酸化層の短波長シ
フト化に対する効果を確認した。即ち、GaInAs中
間層20を最上層とした積層構造を形成し、またp−I
nPクラッド層を最上層とした積層構造を形成し、それ
ぞれ、第1の試料積層構造体44を作製した際と同様な
酸化処理及び熱処理を行っても、波長のシフト量は、僅
か5nm程度であった。5nmのシフトは、600℃で
の熱処理によるものであると推測できる。
【0013】実験例1から3の結果から、AlInAs
被酸化層等の表面酸化膜を形成し、次いで熱処理を行っ
た第1の試料積層構造体44のMQWのみで、大幅な短
波長シフトを確認することができ、Al酸化層は短波長
シフト効果を有することが判った。また、実験例1の短
波長シフトした第1の試料積層構造体44では、PL強
度の劣化は殆どなく、デバイス特性に好ましくない影響
を与えるような事象も無かった。そして、この短波長シ
フト化は、MQW内の原子の内部拡散によるものであ
り、SiO2 膜を表面に形成した従来の方法と同様に、
空格子拡散現象によるものと考えれる。
【0014】実験例4 本実験例では、実験例1で作製した第1の試料積層構造
体44を基にした半導体レーザ素子を試作し、そのレー
ザ特性を評価した。図12に示すように、InP基板及
びInPバッファ層にそれぞれn型不純物をドーピング
して、n−InP基板32及びn−InPバッファ層3
4を成膜し、InP上部クラッド層にp型不純物をドー
ピングしてp−InP上部クラッド層38を成膜したこ
とを除いて、実験例1の第1の試料積層構造体44と同
じ構成の試料積層構造体を形成した。続いて、第1の試
料積層構造体44Aと同様にして酸化処理及び熱処理を
施して、短波長シフトさせた積層構造を形成した。次い
で、生成したAl酸化層46、未酸化のAlInAs被
酸化層42、及びGaInAs中間層40を積層構造か
らエッチング除去し、p−InPクラッド層38を露出
させた。続いて、p−InPクラッド層38全面に膜厚
2000nmのp−InP層48、及び膜厚300nm
のp−GaInAsコンタクト層49を、順次、成長さ
せ、図12に示す試料積層構造体を形成した。
【0015】次いで、試料積層構造体を共振器構造とす
る共振器長600μmの半導体レーザ素子を作製し、レ
ーザ特性の評価を行ったところ、レーザ発振の閾値電流
密度が、700A/cm2 であった。これは、短波長シ
フトさせていない同じ共振器構造の半導体レーザ素子の
650A/cm2 とほぼ同じ値である。すなわち、短波
長シフトさせたことによって、量子井戸構造のレーザ特
性が低下するようなことは殆どなく、光素子の作製に適
用する際に問題になるようなことはないと確認された。
【0016】次に、AlInAs被酸化層の酸化条件、
及び熱処理(アニール)条件に対する短波長シフト化の
依存性について説明する。実験例5 先ず、図13を参照して、熱処理前後でのMQWのバン
ドギャップ・エネルギーのシフト量ΔEg の酸化時間依
存性を説明する。図13は熱処理前後でのMQWのエネ
ルギーシフト量の酸化時間依存性を示すグラフである。
第1の試料積層構造体44Aを使って、酸化処理の酸化
温度を450℃、熱処理の温度を600℃、処理時間を
10分として、酸化時間を変化させて、酸化時間に対す
るAl酸化層の生成膜厚及びバンドギャップ・エネルギ
ーのシフト量ΔEg を求めた。その結果、図13に示す
ように、酸化時間が長くなるにつれて、酸化されるAl
InAs被酸化層の厚さが厚くなる。また、酸化時間の
長さに応じて、バンドギャップ・エネルギーのシフト量
ΔEg も、増大する。
【0017】実験例6 また、図14を参照して、熱処理時間に対する量子井戸
構造のバンドギャップ・エネルギーのシフト量ΔEg の
依存性を説明する。図14は熱処理時間に対する量子井
戸構造のバンドギャップ・エネルギーのシフト量ΔEg
の依存性を示すグラフである。第1の試料積層構造体4
4Aを使って、酸化処理の酸化温度を450℃、酸化処
理時間を30分間、熱処理の温度を600℃をとして、
熱処理の時間を変化させて、熱処理時間に対するバンド
ギャップ・エネルギーのシフト量ΔEg を求めた。その
結果、図14に示すように、熱処理時間が長くなるにつ
れて、バンドギャップ・エネルギーのシフト量ΔEg が
増大し、特に最初の5分間の変化量が大きかった。熱処
理時間が10分間以上では、バンドギャップ・エネルギ
ーのシフト量ΔEg の増大は略飽和状態に達している。
尚、熱処理時間が20分間以上になると、PL強度の低
下が観察された。
【0018】実験例7 次に、図15を参照して、熱処理温度に対するMQWの
バンドギャップ・エネルギーのシフト量ΔEg の依存性
を説明する。図15は熱処理温度に対する量子井戸構造
のバンドギャップ・エネルギーのシフト量ΔEg の依存
性を示すグラフである。第1の試料積層構造体44Aを
使って、酸化処理の酸化温度を450℃、酸化処理時間
を30分間、熱処理時間を10分として、熱処理の温度
を変化させて、熱処理温度に対するバンドギャップ・エ
ネルギーのシフト量ΔEg を求めた。その結果、図15
に示すように、熱処理温度が高くなるにつれて、バンド
ギャップ・エネルギーのシフト量ΔEg が増大し、60
0℃以上では略飽和状態に達する。この結果、600℃
の熱処理温度で、十分に大きなバンドギャップ・エネル
ギーのシフト量ΔEg を得ることができることが判っ
た。これは、SiO2 膜を用い、熱処理温度を650℃
にした従来の方法に比べて、熱処理温度を50℃程度低
く抑えることができる。これは、内部拡散のメカニズム
が若干異なっているためと考えられ、本発明の利点の一
つである。
【0019】以上のように、酸化条件や熱処理(アニー
ル)条件に依存して、バンドギャップ・エネルギーのシ
フト量、即ち短波長シフト量を制御できることが確認で
きた。また、上述の実験例では、熱処理を窒素雰囲気下
で行ったが、化合物半導体層からのガスの脱離を抑制す
る雰囲気下、例えばアルシン(AsH3 )もしくはホス
フィン(PH3 )等の雰囲気下で行った場合でも、問題
はなく、寧ろ、高温アニール時での表面荒れを抑える効
果を有することが判った。
【0020】前述の目的を達成するために、以上のよう
な知見に基づいて、本発明に係る半導体光素子の作製方
法(以下、第1の発明方法と言う)は、化合物半導体基
板上に、多重量子井戸構造層を有するダブルヘテロ接合
積層構造を形成する工程と、積層構造上に、空格子拡散
を行う特定元素を含む化合物半導体層、及びAlを含む
被酸化層を、順次、成長させる工程と、熱酸化処理を施
して、Alを含む被酸化層中のAlを選択的に酸化して
Al酸化層に転化する工程と、不活性ガス雰囲気下で熱
処理を施して、Al酸化層下の多重量子井戸構造層の発
光波長を短波長シフト化する工程とを備えていることを
特徴としている。本発明方法の好適な実施態様では、A
l酸化層、未酸化のAlを含む被酸化層、及び特定元素
を含む化合物半導体層を除去する。
【0021】また、本発明方法の好適な実施態様では、
特定元素を含む化合物半導体層及びAlを含む被酸化層
を順次成長させる工程の後、Al酸化層に転化する工程
の前に、所定領域の化合物半導体層、及びAlを含む被
酸化層を除去して、積層構造の最上層を露出させる工
程、又は所定領域のAlを含む被酸化層を誘電体膜又は
別の化合物半導体層で覆う工程を備え、所定領域下の積
層構造の多重量子井戸構造層を短波長シフト化しないよ
うにすることもできる。この方法により、多重量子井戸
構造層の所定領域毎に発光波長を変えて、例えば横方向
の光閉じ込め構造を備えた半導体レーザ素子を作製する
こともできる。また、半導体レーザ素子と光導波路とを
組み合わせた光半導体装置を構成することもできる。
尚、部分的に化合物半導体層及びAlを含む被酸化層を
エッチング除去する代わりに、化合物半導体層を覆う際
には、InP層等や、SiN等の誘電体層で所定領域の
化合物半導体層を覆い、表面酸化を抑えて、部分的に短
波長シフトさせる。
【0022】本発明に係る半導体光素子の別の作製方法
(以下、第2の発明方法と言う)は、化合物半導体基板
上に、多重量子井戸構造層を有し、かつ多重量子井戸構
造層の基板とは反対側に、空格子拡散を行う特定元素を
含む化合物半導体層、及びAlを含む被酸化層を、順
次、有する、ダブルヘテロ接合積層構造を形成する工程
と、積層構造をエッチングして、ストライプ状リッジ又
はエアポストに加工する工程と、熱酸化処理を施して、
リッジ側面又はエアポスト側面から内方に所定幅のAl
を含む被酸化層中のAlを選択的に酸化して、Al酸化
層に転化する工程と、不活性ガス雰囲気下で熱処理を施
して、Al酸化層下の多重量子井戸構造層の発光波長を
短波長シフト化する工程とを備えていることを特徴とし
ている。
【0023】第1及び第2の発明方法を適用した際の多
重量子井戸構造層のバンドギャップ・エネルギーのシフ
ト量は、空格子拡散を行う特定元素を含む化合物半導体
層及びAl酸化層の膜厚及び組成に依存している。Al
酸化層は、Al組成が小さすぎると、酸化反応が十分に
進まず、Al酸化層の膜厚が薄くなるので、Al組成は
0.3以上、好ましくは0.5以上とする。また、Al
酸化層の膜厚が薄いと、短波長シフト量が十分な大きさ
にならないので、Al酸化層の膜厚は20nm以上が良
い。但し、Al酸化層の膜厚が厚すぎると、薄い場合と
同様に、短波長シフト量が十分な大きさにならないの
で、Al酸化層の最適な膜厚は、20nm以上200n
m以下である。
【0024】空格子拡散を行う特定元素を含む化合物半
導体層は、GalnAsの方が、InP基板との格子整
合条件を満足するInPやGalnAsPより、短波長
シフト化が進み易い。傾向としては、化合物半導体層の
Ga組成が大きいほど、短波長シフトが起き易くなる傾
向にある。これは、化合物半導体層の組成により量子井
戸の内部拡散を引き起こす空格子の生成量が変化するた
めであると考えられる。また、化合物半導体層の膜厚の
厚薄も短波長シフト量に影響するので、膜厚は、30n
m以上300nm以下の範囲にあることが好ましい。
【0025】第1及び第2の発明方法では、特定元素
は、例えばGaである。また、特定元素を含む化合物半
導体層は、例えばGaInAs層、及びAlを含む被酸
化層が例えばAlInAs層である。また、不活性ガス
に代えて、アルシン又はホスフィン雰囲気下で熱処理を
施すこともできる。これにより、熱処理時の表面荒れを
抑えることができる。
【0026】第1及び第2の発明方法は、材料系に制約
なく適用できる。例えば、InP基板上のAlGaAs
系やAlGaInP系多重量子井戸構造層に適用でき、
被酸化層としてはAlInAsに加えて、AlGaAs
やAlGaInPを使うこともできる。第1及び第2の
発明方法を適用することにより、Al酸化層で電流狭窄
構造を構成し、発光波長の異なる多重量子井戸構造層に
より横方向の光閉じ込め構造を備えた半導体光素子を作
製することができる。
【0027】本発明に係る半導体光素子は、多重量子井
戸構造層を有し、ストライプ状リッジ又はエアポストと
して形成されたダブルヘテロ接合の積層構造を化合物半
導体基板上に備え、積層構造は、多重量子井戸構造層の
基板とは反対側に、空格子拡散を行う特定元素を含む化
合物半導体層、及び化合物半導体層に重ねてAlを含む
被酸化層を有し、かつリッジ側面又はエアポスト側面か
ら内方に所定幅の被酸化層が、被酸化層中のAlを選択
的に酸化して形成したAl酸化層に転化しており、Al
酸化層下の多重量子井戸構造層は短波長シフト化されて
いることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、実施形態例を挙げ、添付
図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細
に説明する。実施形態例1 本実施形態例は、第1の発明方法に係る半導体光素子の
作製方法の実施形態の一例であって、図1は、本実施形
態例の方法に従って半導体光素子を作製した際の要部の
構成を示す断面図である。以下に、図1を参照して、実
施形態例1の半導体光素子の作製方法を説明する。先
ず、図1に示すように、n−InP基板52上に、MO
CVD法等によって、膜厚100nmのn−InPバッ
ファー層54、発光波長1550nmのGalnAsP
系多重量子井戸構造層(以下、MQWと言う)56、膜
厚500nmのp−InP上部クラッド層58、膜厚5
0nmのp−GalnAs中間層60、及び膜厚100
nmのp−AllnAs被酸化層62を、順次、エピタ
キシャル成長させて、積層構造を形成する。
【0029】次いで、温度450℃の水蒸気/窒素雰囲
気下で積層構造のAlInAs被酸化層52に表面酸化
処理を45分間施して、AllnAs被酸化層52中の
Alを選択的に酸化して被酸化層52全層をAl酸化層
64に転化する。次いで、温度650℃の窒素雰囲気下
で熱処理を10分間施す。以上の工程を経ることによ
り、MQW56は、その発光波長が1450nmになっ
て短波長シフト化される。
【0030】別の態様として、エピタキシャル成長さ
せ、積層構造を形成した段階で、フォトリソグラフィ及
びエッチング処理により、図2に示すように、領域Bの
中間層60及び被酸化層62を除去して、InP上部ク
ラッド層58を露出させた後、実施形態例1と同様に、
表面酸化処理及び窒素雰囲気下の熱処理を施した。尚、
図2は、領域A及びBの積層構造の構成を示す断面図で
ある。そして、領域A及び領域Bの発光波長をPL波長
測定したところ、図3に示すように、領域Aでは、MQ
W56aが短波長シフト化され、MQW56aの発光波
長は、1450nmに短波長シフトしており、一方、領
域BのMQW56bのPL波長は、本来の1550nm
であった。そして、その境界領域では、PL波長は急峻
な曲線で変化している。尚、図3は、領域A及びBの積
層構造中のMQW56a、56bの発光波長を示すグラ
フである。この手法を用いることにより、半導体光素子
の高機能化や集積化が可能となる。例えば、領域Bを幅
5μmのストライプとして、酸化処理及び熱処理を行っ
た場合、5μm幅以外の領域が短波長化するため、それ
に伴う屈折率の低下も得られ、実屈折率導波型光導波路
を形成することができる。
【0031】実施形態例2 本実施形態例は、第1の発明方法に係る半導体光素子の
作製方法の実施形態の別の例であって、図4は本実施形
態例の方法で作製した半導体光素子の要部の構成を示す
断面図である。本実施形態例の半導体光素子の作製方法
で作製した要部70は、図4に示すように、n−InP
基板72上に、膜厚100nmのn−InPバッファー
層74、GalnAsP系MQW76、膜厚300nm
のp−InP上部クラッド層78、膜厚2000nmの
p−InP層80、及びp−GaInAsコンタクト層
82からなる積層構造である。MQW76は、発光波長
が本来の1540nmであって、幅3μmのストライプ
状に延在する中央領域のMQW76bと、その両側にあ
って、発光波長が1450nmに短波長シフトされてい
るMQW76aとから構成されている。これによって、
半導体光素子はMQW76自体に横方向の光閉じ込め構
造を備えたことになる。
【0032】以下に、図5を参照して、半導体光素子7
0の作製に適用した本実施形態例の作製方法を説明す
る。図5(a)から(c)は、本実施形態例の方法で半
導体光素子を作製した際の工程毎の基板の断面図であ
る。本実施形態例の半導体光素子70を作製するには、
図5(a)に示すように、実施形態例1と同様に、n−
InP基板72上に、MOCVD法等によって、膜厚1
00nmのn−InPバッファー層74、発光波長15
50nmのGalnAsP系MQW76、膜厚300n
mのp−InP上部クラッド層78、膜厚50nmのp
−GalnAs中間層84、及び膜厚100nmのp−
AllnAs被酸化層86を、順次、エピタキシャル成
長させて、積層構造を形成する。
【0033】次いで、図5(b)に示すように、被酸化
層86及び中間層84をパターニングして、幅3μmの
ストライプ状の露出領域をp−InP上部クラッド層7
8の中央に形成すると共に露出領域の両側にAlInA
s被酸化層を残した積層構造を形成する。続いて、実施
形態例1と同様にして、被酸化層86中のAlを選択的
に酸化して、Al酸化層88を形成し、更に、熱処理を
施して、Al酸化層88の下のMQW76bを短波長シ
フト化する。尚、露出領域下のMQW76aは短波長シ
フト化されることなく、本来のPL波長である1550
nmのままである。続いて、図5(c)に示すように、
露出領域の両側のAl酸化層88及び中間層84を除去
して、基板全面にp−InP上部クラッド層78を露出
させる。次いで、p−InP上部クラッド層78全面
に、順次、膜厚2000nmのp−InP層84、及び
膜厚300nmのp−GaInAsコンタクト層86を
成膜することにより、図4に示す半導体光素子70を形
成することができる。
【0034】これにより、埋め込み成長工程を実施する
ことなく、横方向に屈折率差があって、屈折率差により
光を閉じ込める実屈折率導波型の半導体レーザ素子を容
易に作製することができる。
【0035】また、図6に示すように、図2に示す領域
Aの積層構造と同様な積層構造で半導体レーザ素子やホ
トダイオードを領域Aに形成し、図2に示す領域Bの積
層構造と同様な積層構造で光導波路を領域Bに形成した
とき、領域BのMQWは、領域Aの積層構造で構成され
た半導体レーザ素子から発光されたレーザ光に対して透
明となるので、領域Bの積層構造は、良好な導波路特性
を示す光導波路となる。尚、図6は領域Aと領域Bの平
面的配列を示す配列図である。このように、本実施形態
例の半導体光素子及び作製方法は、光集積回路を形成す
る基本的な技術として応用できる。
【0036】実施形態例3 本実施形態例は、本発明に係る半導体光素子の実施形態
の一例であって、図7は本実施形態例の半導体光素子の
構成を示す断面図である。本実施形態例の半導体光素子
90は、次の実施形態例4の方法によって作製された、
ストライプ状リッジ内にMQWを有する半導体レーザ素
子である。半導体レーザ90は、図7に示すように、n
−InP基板92上に、膜厚100nmのn−InPバ
ッファ層94、GalnAsP系MQW96、膜厚15
0nmのp−InP第1上部クラッド層98、膜厚50
nmのp−GalnAs中間層100、膜厚100nm
のp−AllnAs被酸化層102、膜厚2000nm
のp−InP第2上部クラッド層104、及び膜厚30
0nmのp−GalnAsコンタクト層106からなる
積層構造を備えている。
【0037】積層構造、即ちバッファ層94、活性層9
6、第1上部クラッド層98、中間層100、被酸化層
102、第2上部クラッド層104、及びコンタクト層
106は、ストライプ状メサ又はリッジとして形成され
ている。リッジ内のMQW96の幅は12μmである。
被酸化層102は、所定幅の中央領域ではAlInAs
被酸化層102のままであり、リッジ側面から内方に向
かってAlInAs被酸化層102までの領域では、領
域中のAlが選択的に酸化されてAl酸化層108に転
化している。また、MQW96は、AlInAs被酸化
層102の下方領域では、MQW本来の発光波長、15
50nmであって、非短波長シフト化MQW96bであ
る。非短波長シフト化領域96bの両側の領域、即ちA
l酸化層108の下方領域のMQW96aは、短波長シ
フト化され、発光波長が1450nmの短波長シフト化
領域となっている。
【0038】以上の構成により、Al酸化層108によ
って電流狭窄が行われ、加えて、非短波長シフト化領域
96bの両側の領域、即ち短波長シフト化領域96a
と、非短波長シフト化領域96aとの屈折率差によって
横方向の光閉じ込めが行われる。これにより、MQWの
横方向の電流狭窄及び屈折率導波が可能な、リッジ型半
導体レーザ素子が実現されている。
【0039】実施形態例4 本実施形態例は、第2の発明方法に係る半導体光素子の
作製方法を実施形態例3の半導体レーザ素子の作製に適
用した実施形態の一例である。図8(a)から(c)は
本実施形態例の方法に従って半導体光素子を作製する際
の工程毎の断面図である。以下に、図8を参照して、本
実施形態例の半導体光素子の作製方法を説明する。先
ず、図8(a)に示すように、n−InP基板92上
に、膜厚100nmのn−InPバッファ層94、発光
波長が1550nmのGalnAsP系MQW96、膜
厚150nmのp−InP第1上部クラッド層98、膜
厚50nmのp−GalnAs中間層100、膜厚10
0nmのp−AllnAs被酸化層102、膜厚200
0nmのp−InP第2上部クラッド層104、及び膜
厚300nmのp−GalnAsコンタクト層106を
エピタキシャル成長させ、積層構造を形成する。
【0040】次いで、図8(b)に示すように、コンタ
クト層106、第2上部クラッド層104、被酸化層1
02、中間層100、第1上部クラッド層98、活性層
96、及びバッファ層94をエッチングして、MQW9
6の幅が12μmのストライプ状リッジとして形成す
る。
【0041】続いて、450℃の水蒸気雰囲気下で積層
構造に酸化処理を施し、図8(c)に示すように、リッ
ジ両側面から内側に向かって所定幅の被酸化層102中
のAlが選択的に酸化してAl酸化層108に転化する
と共に、所定幅の中央領域の被酸化層102を未酸化の
ままに維持する。酸化処理の処理時間を調整することに
より、所定幅の被酸化層102中のAlが選択的に酸化
してAl酸化層108を生成することができる。本実施
形態例の酸化処理では、温度450℃の水蒸気雰囲気で
3時間保持することにより、幅がリッジ側面から5μm
の被酸化層102をAl酸化層108に転化している。
未酸化の被酸化層102の幅は2μmである。Al酸化
層108を形成することにより、例えばElectronics Le
tters 9th july 1998 Vol.34,No.14,1427-1429に報告さ
れているように、電流狭窄を行うことができる。
【0042】次いで、温度600℃の窒素雰囲気下で1
0分間の熱処理を施し、図7に示すように、被酸化層1
02の下方領域のMQW96aを除くMQW96b、即
ちAl酸化層108の下方領域のMQW96bを短波長
シフト化して、PL波長が1450nmに短波長シフト
化領域96bにする。非短波長シフト化領域96aは活
性層本来のPL波長が1550nmの領域である。
【0043】本実施形態例の積層構造を基に半導体レー
ザ素子を作製した場合、短波長シフト化していない場合
に比べ、しきい値電流Ithが、10mAから7mAに
低減する。すなわち、このように内部酸化層を用いるこ
とにより、半導体レーザ素子のレーザ特性を向上させる
ことができる。尚、内部酸化層の場合、MQWからの距
離を制御する、特に距離を小さくすることができるの
で、内部拡散する領域と、しない領域との境界における
発光波長の変化を急峻にできる利点もある。
【0044】また、Al酸化層の下側のみにGalnA
s層等の中間層を設け、上側には加えないことにより、
MQW側とは反対の側では、内部拡散を引き起こす空格
子の形成を抑制できるため、効率的な量子井戸の内部拡
散が引き起こせることができる。換言すれば、Galn
As層等の中間層を無くしたり、他の組成にする等によ
り、アニールをしても量子井戸の内部拡散を抑制し、短
波長シフト量を制御することが可能となる。本実施形態
例はストライプ状リッジ型の半導体レーザ素子を例に上
げて本発明を説明したが、酸化狭窄型の面発光レーザ
(VCSEL: Vertical cavity surface emmiting la
sers)への応用も可能であり、同様にレーザ特性の向上
が得られる。以上の説明から判るように、実施形態例1
から実施形態例4では、半導体光素子の作製プロセスの
簡便化が図れるとともに、電流狭窄構造とMQW自体に
横方向の光閉じ込め構造を備え、良好な光デバイス特性
を有する半導体光素子を形成することができ、しかも、
内部酸化を用いることにより、SiO2 等の誘電体膜を
用いる方法では得られない利点を有している。
【0045】
【発明の効果】本発明方法によれば、Alを含む被酸化
層中のAlを選択的に酸化してAl酸化層に転化する工
程と、不活性ガス雰囲気下で熱処理を施して、Al酸化
層下の多重量子井戸構造層の発光波長を短波長シフト化
する工程とを備えることにより、容易に電流狭窄構造と
多重量子井戸構造層自体に横方向の光閉じ込め構造を有
する半導体光素子を作製することができる。本発明は、
電流狭窄構造と多重量子井戸構造層自体に横方向の光閉
じ込め構造を有し、簡単なプロセスで作製できる半導体
光素子を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の方法に従って半導体光素子を作
製した際の要部の構成を示す断面図である。
【図2】領域A及びBの積層構造の構成を示す断面図で
ある。
【図3】領域A及びBの積層構造中のMQW56a、5
6bのPL波長を示すグラフである。
【図4】実施形態例2の方法で作製した半導体光素子の
要部の構成を示す断面図である。
【図5】図5(a)から(c)は、実施形態例2の方法
で半導体光素子を作製した際の工程毎の基板の断面図で
ある。
【図6】領域Aと領域Bの平面的配列を示す配列図であ
る。
【図7】実施形態例3の半導体光素子の構成を示す断面
図である。
【図8】図8(a)から(c)は、それぞれ、実施形態
例4の方法に従って半導体光素子を作製する際の工程毎
の断面図である。
【図9】空格子拡散による従来の混晶化方法を説明する
図である。
【図10】図10(a)及び(b)は、それぞれ、第1
の試料積層構造体を作製する際の工程毎の断面図であ
る。
【図11】波長とPL強度との関係を示すグラフであ
る。
【図12】実験例4の試料半導体レーザ素子の構成を示
す断面図である。
【図13】熱処理前後でのMQWのエネルギーシフト量
の酸化時間依存性を示すグラフである。
【図14】熱処理時間に対する量子井戸構造のバンドギ
ャップ・エネルギーのシフト量ΔEg の依存性を示すグ
ラフである。
【図15】熱処理温度に対する量子井戸構造のバンドギ
ャップ・エネルギーのシフト量ΔEg の依存性を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
12 InP基板 14 InP下クラッド層 16 MQW 18 InP上クラッド層 20 GaInAs層 22 SiO2 等の誘電体膜 32 InP基板 34 InPバッファ層 36 MQW 38 InP上部クラッド層 40 GaInAs中間層 42 AlInAs被酸化層 44 第1の試料積層構造体 46 Al酸化層 48 p−InP層 49 p−GaInAs層 52 n−InP基板 54 n−InPバッファー層 56 MQW 58 p−InP上部クラッド層 60 p−GalnAs中間層 62 p−AllnAs被酸化層 64 Al酸化層 70 実施形態例2の作製方法で作製した半導体光素子
の要部 72 n−InP基板 74 n−InPバッファー層 76 GalnAsP系MQW 78 p−InP上部クラッド層 80 p−InP層 82 p−GaInAsコンタクト層 84 p−GalnAs中間層 86 p−AllnAs被酸化層 88 Al酸化層 90 実施形態例3の半導体光素子 92 n−InP基板 94 n−InPバッファ層 96 MQW 98 p−InP第1上部クラッド層 100 p−GalnAs中間層 102 p−AllnAs被酸化層 104 p−InP第2上部クラッド層 106 p−GalnAsコンタクト層 108 Al酸化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 卓哉 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 粕川 秋彦 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA05 AA12 AA74 CA12 DA16 DA27

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体基板上に、多重量子井戸構
    造層を有するダブルヘテロ接合積層構造を形成する工程
    と、 積層構造上に、空格子拡散を行う特定元素を含む化合物
    半導体層、及びAlを含む被酸化層を、順次、成長させ
    る工程と、 熱酸化処理を施して、Alを含む被酸化層中のAlを選
    択的に酸化してAl酸化層に転化する工程と、 不活性ガス雰囲気下で熱処理を施して、Al酸化層下の
    多重量子井戸構造層の発光波長をシフト化する工程と を備えていることを特徴とする半導体光素子の作製方
    法。
  2. 【請求項2】 Al酸化層、未酸化のAlを含む被酸化
    層、及び特定元素を含む化合物半導体層を除去する工程
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体
    光素子の作製方法。
  3. 【請求項3】 特定元素を含む化合物半導体層、及びA
    lを含む被酸化層を、順次、成長させる工程の後、Al
    酸化層に転化する工程の前に、 所定領域の化合物半導体層、及びAlを含む被酸化層を
    除去して、積層構造の最上層を露出させる工程、又は所
    定領域のAlを含む被酸化層を誘電体膜又は別の化合物
    半導体層で覆う工程を備え、 所定領域下の積層構造の多重量子井戸構造層の発光波長
    をシフト化しないようにしたことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の半導体光素子の作製方法。
  4. 【請求項4】 化合物半導体基板上に、多重量子井戸構
    造層を有し、かつ多重量子井戸構造層の基板とは反対側
    に、空格子拡散を行う特定元素を含む化合物半導体層、
    及びAlを含む被酸化層を、順次、有する、ダブルヘテ
    ロ接合積層構造を形成する工程と、 積層構造をエッチングして、ストライプ状リッジ又はエ
    アポストに加工する工程と、 熱酸化処理を施して、リッジ側面又はエアポスト側面か
    ら内方に所定幅のAlを含む被酸化層中のAlを選択的
    に酸化して、Al酸化層に転化する工程と、 不活性ガス雰囲気下で熱処理を施して、Al酸化層下の
    多重量子井戸構造層の発光波長をシフト化する工程とを
    備えていることを特徴とする半導体光素子の作製方法。
  5. 【請求項5】 特定元素がGaであることを特徴とする
    請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の半導体光
    素子の作製方法。
  6. 【請求項6】 特定元素を含む化合物半導体層がGaI
    nAs層、及びAlを含む被酸化層がAlInAs層で
    あることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか
    1項に記載の半導体光素子の作製方法。
  7. 【請求項7】 不活性ガスに代えて、アルシン又はホス
    フィン雰囲気下で熱処理を施すことを特徴とする請求項
    1から6のうちのいずれか1項に記載の半導体光素子の
    作製方法。
  8. 【請求項8】 多重量子井戸構造層を有し、ストライプ
    状リッジ又はエアポストとして形成されたダブルヘテロ
    接合の積層構造を化合物半導体基板上に備え、 積層構造は、多重量子井戸構造層の基板とは反対側に、
    空格子拡散を行う特定元素を含む化合物半導体層、及び
    化合物半導体層に重ねてAlを含む被酸化層を有し、か
    つリッジ側面又はエアポスト側面から内方に所定幅の被
    酸化層が、被酸化層中のAlを選択的に酸化して形成し
    たAl酸化層に転化しており、 Al酸化層下の多重量子井戸構造層の発光波長はシフト
    化されていることを特徴とする半導体光素子。
  9. 【請求項9】 特定元素がGaであることを特徴とする
    請求項8に記載の半導体光素子。
  10. 【請求項10】 特定元素を含む化合物半導体層がGa
    InAs層、及びAlを含む被酸化層がAlInAs層
    であることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体
    光素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012059964A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 半導体光素子の発光波長調整方法およびそれを用いた半導体光素子の製造方法
JP2012059963A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 半導体光集積素子の製造方法
JP2013038163A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体素子、多波長半導体レーザ、多波長半導体レーザモジュール、ガスセンシングシステム及び半導体素子の製造方法

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