JPH082471B2 - 管状胴体の終端部分の断面を縮小する方法とこれに用いる装置 - Google Patents

管状胴体の終端部分の断面を縮小する方法とこれに用いる装置

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JPH082471B2
JPH082471B2 JP63164084A JP16408488A JPH082471B2 JP H082471 B2 JPH082471 B2 JP H082471B2 JP 63164084 A JP63164084 A JP 63164084A JP 16408488 A JP16408488 A JP 16408488A JP H082471 B2 JPH082471 B2 JP H082471B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、環状胴体の開口を絞るための方法と装置、
限定する意図はないが、その中でも特に、罐体に肩部と
ネックを成形する技術に係る。
〔従来の技術〕
ソフトドリンク用の罐は、罐口の直径を絞って罐体の
他の部分よりも径を細くしてある肩ネックとフランジを
備え、小さくて単価の安いアルミニウムまたはスチール
製の引裂き開口式の罐端部を取り付けることができる。
エアゾル容器も周知である。こうしたエアゾル容器は、
標準化された1インチ径のバルブキャップを嵌め込むた
めの、開口を縁取った肩部分を備えている。
例えば、米国特許第1,698,999号(Hothersall氏)ま
たは米国特許第4,527,412号(Stoffel氏その他)に記載
されているような周知のダイスネッキング加工法では、
個々のダイスはこのダイスに宛てがわれる管状胴体の直
径を僅かな範囲でしか縮径することができない。こうし
たダイスで得られる典型的な縮径量は、直径が38.1mm
(1.5インチ)のスチール製胴体の場合には最初のダイ
スで約3.1mm(0.122インチ)であり、後続のダイスによ
る縮径量はこの値よりもさらに少ないことが米国特許第
3,995,572号(Saunders氏)に述べられている。また英
国特許第2,083,382号(Metal Box)に記載されているよ
うに、ダイスネッキング工程の後に成形圧延加工を施せ
ば縮径量をさらに大きくすることができるが、ダイスネ
ッキング用装置と成形装置の両方を必要とするため、か
なり大がかりな資本投下を必要とする。
管の絞り成形技術において、絞り加工を行ない易くす
るためにプラグまたはダイスに超音波振動を加えること
が提案されてきている。米国特許第3,212,312号(Boyd
氏)には、プラグとダイスの両者を管の軸線に沿った向
きに振動させながら、管をプラグとダイスの間で絞って
縮径することが記載されている。このBoyd氏の特許は、
プラグとダイスの振動に特定の位相関係を意図的に設定
するドローベンチ(drawbench)に関係した技術であ
る。英国特許第1,378,234号(Dawson & Sansome)もプ
ラグとダイスの両者を軸方向に振動させるドローベンチ
について既述しており、またプラグとダイスの間の振動
の位相角度が0度でも180度でもない特定の時期に理想
的な性能が発揮され、位相角度がこれらの角度の間にあ
れば他の因子の影響を受けるものと結論づけている。
英国特許第1,389,214号(Sansome氏その他)は、円形
の金属ブランクをカップに絞り成形する装置を明らかに
している。この装置は、ダイス、ポンチおよびブランク
ホルダーから構成されている。ダイスとブランクホルダ
ーは一列になった変換器に連結されている。これらの変
換器はダイスとブランクホルダーに半径方向の振動を起
こし、ポンチをダイスに挿入しながらブランクを絞る成
形加工を容易に行なえるようにしている。
この従来技術のドローベンチは、ダイスの超音波振動
によりワークピースとダイスの接触面の摩擦を少なくで
きる利点のあることに言及しているが、罐体のような管
状胴体の一方の端部を局部的に変形させるのに適した工
具装置については何ら示唆するものはない。ソビエト・
エンジニアリング・リサーチ、Vol.3,No.12、54〜55ペ
ージ「超音波を利用したエアゾル容器の据込み加工」の
題名の付いた記事には、直径が45mmの円筒状容器胴体を
連続した複数のダイスを介して26.5mmの直径に縮小し、
エアゾル罐バルブキャップを巻き締める肩部とネックを
形成している。この装置はダイスに進入する短い円筒状
のプラグを備えている。また短い円筒状のプラグの周囲
には、ダイスに半径方向の振動を起こさせる3個の変換
器が等間隔に配置してある。しかしながら、変形過程の
初期段階に管状胴体を内側から支持していないために、
円筒状プラグが予定される性能を発揮していないことが
判明した。
〔課題を解決するための手段〕
従って、本発明の第1の形態によれば、管状胴体の終
端部分の断面を縮小するための方法が提供される。この
方法は、成形すべき縮小断面部の外面と同じ収束加工表
面に形成された外側ダイスを設置する段階と、成形すべ
き縮小断面部の内面と同じ形の加工表面を備えたプラグ
を設置する段階と、プラグをダイスの内部に位置決めし
て、成形すべき縮小断面部の形状および管状胴体の厚み
に実質的に等しい半径方向幅を有する通路間隙をこれら
プラグとダイスの間に形成する段階と、管状胴体の終端
部分を通路間隙内に挿入する段階と、同時に、終端部分
が通路間隙の形に次第に変形される間、超音波周波数で
ダイスに半径方向の振動を起こさせる段階とを含んでい
る。
本発明の第2の形態によれば、管状胴体の終端部分の
断面を縮小するための装置が提供される。この装置は、
外部に成形すべき縮小断面部の外面と同じ収束加工表面
に形成された外側ダイスと、成形すべき縮小断面部の内
面と同じ形の加工表面を備えたプラグと、ダイスの中心
にプラグを位置決めして縮小断面部の形状および厚みに
実質的に等しい形状と間隙幅を有する通路間隙を形成
し、プラグとダイスが相対運動する間プラグに軸心を合
わせてダイスを保持するための、ダイスホルダ及び装着
体即ち支持体を含む支持手段と、管状胴体の終端部分を
プラグとダイスの間の通路間隙内に挿入するための手段
と、終端部分が通路間隙の形に次第に縮小される間、超
音波周波数でダイスに半径方向の振動を起こさせる手段
とを含んでいる。
以下、添付図面に沿って本発明の種々の実施例につい
て詳細に説明する。
〔実施例〕
第1a図には、ブリキ製の周知のエアゾル罐が示されて
いる。このエアゾル罐は、ハンダ付けしてあるかまたは
溶接した側部シーム2が設けられた管状胴体1を備えて
いる。管状胴体1の一方の端部には、はぜ巻きシーム4
を介して半球形の底端部3が取り付けられている。また
管状胴体の反対側の端部には、はぜ巻きシーム6により
「コーン・トップ」5が取り付けられている。この「コ
ーン・トップ」5はシーム材料によって湾曲した壁を構
成し、裾壁は胴体につながっていて、この裾壁から軸方
向内向きに肩部または「コーン」部分が立ち上がり、外
に向いたカール7で終っている。カール7は、罐の上方
に描かれた標準タイプの1インチ径バルブキャップ8を
受け入れるように形作られている。
第1b図には、アルミニウム製の周知のエアゾル罐9が
示されている。このエアゾル罐は、アルミニウムのスラ
グ(slug)または円形ディスクの形をした原材料から押
出し成形され、円筒状管10は一方の端部が底壁11によっ
て閉じられている。開口端は、複数の外側絞りダイスを
用いて反曲線の形をした肩部12に絞り成形されている。
前記肩部12は短い円筒状ネックを支えている。ネックは
ダイスによって外向きに曲げられ、罐の上方に描かれた
バルブキャップを取り付ける第1b図に示す外に向いたカ
ール13を形成している。
第1c図は、管状胴体14を備えたエアゾル罐を示してい
る。この管状胴体14は、ブリキの矩形ブランクを管に折
り曲げ、溶接部2を介し隣接する縁を結合して作られて
いる。
図面に示すように、管状胴体の下側端部にはネッキン
グ加工が施され、半球形の底端部3を受け入れ、この管
状胴体の下側端部にはぜ巻きシーム4により固定するフ
ランジが設けられている。このはぜ巻きシームは胴体と
同一面である。ブリキ製の管状胴体の上側端部は以下に
説明する方法によりネッキング加工され、肩部17と内側
カール18を形成している。内側カール18は開口を縁取
り、罐体の上方に描かれた標準タイプのバルブキャップ
8を受け入れるように形作られている。
第1c図の罐を立ててみてもはぜ巻きシームが突出して
いないため、第1b図の高級なアルミニウム罐に感じが似
ている。典型的なブリキ製の管状胴体は約45mmの直径が
あり、アルブキャップのプラグ部分を受け入れる開口は
カールで縁取られ約25mmの直径がある。
超音波を利用した1回のダイスネッキング成形操作に
より、肩部17と縮径された(例えば31mm)のネックを成
形する技術について、従来から用いられてきた幾つかの
加工例と比較しながら以下に説明する。31mmの直径を持
つネックはカール成形ダイスにより半径方向内向きに変
形され、開口を縁取りした内側に向いたカール18を形成
し、25.4mm(1インチ)のエアゾルキャップ8を受け入
れることができる。
第1d図は、第1a図に形の似た溶接して作られたエアゾ
ル罐本体14aを示しており、これら罐体の同一の部分に
は同じ参照番号、すなわち底には3、底シームには4、
側部シームまたは溶接部には2が付されている。しかし
ながら、カール16は外に向けられている。従って、切断
縁は罐の外部にあって、罐内に詰められる腐蝕性のある
製品から隔てられている。肩輪郭部17aは罐の内側に向
けて縮小し、カールの表面を縁取っている内側「ネッ
ク」または開口を支えている。このため管状壁は45mmの
直径から25.4mm(1インチ)の直径まで絞り、しかも外
に折り曲げてカールを形作る必要がある。超音波を利用
した1つのダイスで先ず45mmから31mmのネックへの絞り
加工を行ない、次いで31mmのネックから、肩部を延ばし
ネックを直径が25.4mm(1インチ)に縮径する第2の絞
り操作が、第7a図により後に説明するようにして行なわ
れる。
第2図は、2つの操作状況を示した分割図である。こ
の図の上半分は、肩部17と短い円筒状ネック19を成形し
た加工後の管状胴体14を示している。引き続いて前記円
筒状ネック19はカール成形され、罐の開口が形成され
る。
第2図の下半分は、肩部17とネック19を成形するにあ
たり、スタート位置にある管状胴体14を示している。第
2図が示す装置は、内部に成形される縮小断面部の外面
に似た形の収束加工表面21を形成している外側ダイス20
と、外部に成形される縮小断面部の内面に似た形の加工
表面23を備えているプラグ22と、プラグおよびダイスが
相対運動するのに伴って、プラグをダイスに対し軸方向
に整合した状態に保持し、ダイス20内の中心にプラグ22
を位置決めして、縮小断面部の形状および厚みに実質的
に等しい形状および間隙幅の通路間隙を形成する手段
(第6図に詳しく示されている)と、管状胴体14の終端
部分をプラグ22およびダイス20の間の通路間隙内に押し
込むクロスヘッド手段24と、終端部分を通路間隔の形に
次第に縮小させる間、超音波周波数の縦波振動をダイス
20の半径方向から加えてダイス20を振動させ、ダイス20
に半径方向の膨張収縮を起こさせるホール26付き変換器
25とを備えている。
第2図の下半分に示すクロスヘッド24は、プラグ22と
ダイス20の間の通路間隙内に円筒状管14を押し込む準備
の整った引込み位置にある。
第2図の上半分に示すクロスヘッド24は、ダイス20に
向けて前進しながら、プラグ22とダイス20の成形加工表
面の間に円筒状管の終端部を押し込んでいる。こうした
構成により摩擦抵抗力はある程度分散され、過剰な摩擦
力が成形部に加わるのを阻止できるだけでなく、プラグ
22とダイス20の間にある金属板を周りから常に拘束し、
しわの発生を防いでいる。
ダイス20の半径方向モードで振動させることにより、
過剰な摩擦力の加わる危険性がない。第2図から明らか
なように、圧電変換器25がホール26に接続されている。
このホール26は、ダイスホルダー27の周囲の表面に対し
て速度変成器として作用する。点線Wは変換器からダイ
スに伝えられる縦振動の振幅の分布を示しており、ダイ
ス20の中心部には波の節Nが位置している点が注目され
る。
ダイスを横切って伝達される縦振動の振幅の分布は、
第2図のように、波動即ち振動の振幅Wのかなりな部分
がダイス20の成形加工面21に作用している。前記ダイス
20はダイスホルダーにより所定位置に保持されている。
ダイスホルダーを横切って例えば第14図に示す1.5倍波
長を与える高調波を用いることもできるが、1/2波長が
エネルギーの有効利用の上から効果的である。
ダイスホルダー27を固定するのに用いた装着体により
超音波の減衰が起きないようにするために、管状の装着
体28が設けられている。装着体の一方の端部はダイスホ
ルダー27の凹所内に嵌まっており、また反対の端部は自
由端となっている。点線は装着体が(a)で示す1/2波
長で振動したり、あるいは(b)で示す好ましい3/4波
長モードで振動できることを表わしている。こうした場
合、波の腹はダイスホルダー27の位置で励起され、また
第1の節は固定点にあり、さらに第2図の節がダイスと
装着体の間に位置している。こうした状態は、管状装着
体28の長さの中間点でこの管状装着体のフランジ29をク
ランプし、装着体の一方の端部をダイスに係合させるこ
とにより実現される。
フランジ29は、フレーム部分30にボルト止めされたク
ランプリング31を介して、フレーム部分の凹所内に保持
されている。
第2図に示すように装着体の中間点をクランプする方
法は、共振装着体を波の節の位置でクランプすることを
実際には意味しており、第2図に示した共振装着体の端
から右に向けて1/2の位置にクランプを設けることが重
要なのではない。
装着体にとって波の節の位置でクランプすることが望
ましいことは勿論である。この位置にクランプしなけれ
ば、加工時にスラスト力を受ける固定箇所にはクランプ
を緩めようとする力が作用し、通路間隙に悪い影響が及
ぶ。
第2図の装置により肩部とネックができ上がれば、プ
ラグ22は(第2図で見て左向きに)完全に後退し、一方
の端部に縮径された肩部とネックを持つ円筒状胴体14を
取り出すことができる。
第2図の装置によれば、1回の操作で45mm直径の円筒
状胴体を31mmのネックに絞ることができる。これは約30
%の絞り比に相当しており、従来のダイスネッキングで
は少なくとも2つのダイスを必要としている。
第3図は、第2図の装置がどのようにして飲料用罐の
肩部とネックを成形するかの方法について明らかにして
いる。これらの罐は普通68mmの直径(2.69インチ)があ
り、ネックの位置で60mm直径(2.38インチ)に絞られ、
比較的小さいアルミニウム製の引裂き開口式の罐端部を
装着することができる。
第3図には、収縮可能なマンドレル33が広がった状態
に示されている。このマンドレル33はダイス34の内側表
面と共に通路間隙を形成し、側壁35を絞りそしてしごき
加工するアルミニウム製またはブリキ製の罐が、終端部
が押し板36によって前記通路間隙内に押し込まれる。押
し板36は罐と一体の底壁37に作用するようになってい
る。肩部38はネック39ができ上がれば、マンドレル37は
収縮され、押し板36を後退させて絞り加工された罐を取
り出すことができる。引き続いて、ネック39には新たな
工程によりフランジが付けられ、はぜ巻きシームを介し
て固定する罐端部を受け入れることができる。
円筒状管14の直径が漸進的に絞られ図示のような肩部
17とネック19を形成するのに伴い、金属は厚みが増して
いく。一定幅の通路間隙を使用する場合、金属は伸びよ
うとするが、円筒状管の外面とダイスの輪郭表面21の間
および管の内側表面をプラグの輪郭表面23との間の境界
面に作用する摩擦力により、この伸びは抵抗を受ける。
これに対し、プラグとダイスの輪郭形状を、通路間隙の
入口では供給される管の壁厚にほぼ等しい幅とし、この
幅を(通例では元の壁厚の約15%増し)広げていき、金
属を厚くできるように形作ると都合のよいことが判明し
た。間隙は、しわの起きにくい箇所では最も厚く、しわ
の起きる箇所では材料厚を薄くして、材料が厚みを増し
ていけるように選択されている。なお、材料がプランジ
ャを押し戻す場合には、プランジャのセットの仕方によ
り間隙を変えられる。
第4図は、第2図のプラグとダイスの変形例を示して
いる。第4図では、プラグ42は長いロッドすなわちプラ
ンジャ43に支持されている。ダイス44の内側表面とプラ
グ42の外側表面により形成された通路間隙は、入口付近
では溶接された金属円筒体の厚みtに等しい幅を備えて
いるが、ネックの付近では広がっていてt+の厚みとな
っている。このように通路間隙幅を増加させるやり方
は、溶接された側部シーム46を持つ円筒体45に縮径され
た肩部とネックを成形する際には特に望ましい。通例で
は、溶接部46には鍛造ラップ溶接部(例えば、“WTMA"
[商標]Soundronic A.G.から販売されている装置を用
いて形成された溶接部)が形成されている。しかしなが
ら、レーザービーム溶接により形成される突合わせ溶接
部も利用することができる。
第5図は、円筒体を絞り成形する加工工程(1−5)
を概略的に示しており、複雑な第6a図と第6b図を理解す
る上で参考となる。これら第6a図と第6b図は、実際に使
われる工作機械の例を明らかにしている。この工作機械
により、溶接された45mmの直径の装飾(例えば、白色の
外面塗装を施された)ブリキの円筒体は、肩部および標
準25.4mm(1インチ)直径のバルブキャップを受け入れ
る25.4mm直径のネックを備えたエアゾル罐体に絞り成形
される。
第5図の(1)において、プラグ42は引込み位置にあ
り、このプラグの成形加工部はダイス20の開口からほぼ
罐体の長さに相当する距離をおいてクロスヘッド24内に
位置している。またエジェクタ46がダイスの右側に設置
されている。円筒状胴体45はクロスヘッドとダイスの間
に配置されている。
第5図の(2)において、プランジャ/プラグは円筒
状胴体を通じて前進送りされ、プラグとダイスの輪郭に
より通路間隙が形成されている。プラグ42の端面はエジ
ェクタ46の端面に当接している。
第5図の(3)において、クロスヘッド24は前進し、
ポンチとダイスによって形成された通路間隙内に円筒状
胴体の一方の端部を押し込む一方で、15kHzから40kHzの
半径方向モードの超音波周波数によりダイス20は振動さ
れる。
第5図の(4)において、クロスヘッド24とプランジ
ャ/プラグ42は、ダイス内に新たに成形された肩部とネ
ックから離され引き戻される。
第5図の(5)において、エジェクタ46は新たに成形
された肩部とネックを押してダイスから外し、肩部17と
ネック19を備えた円筒体47を装置から取り外すことがで
きる。
第6a図は、第5図の(5)に対応している。ネックを
設けられた円筒状胴体47は、クロスヘッド24に固定され
ているロッド49が支持した湾曲部材48から取り外されつ
つある状態が示されている。ネックの形成された胴体を
取り外した後に、装置はネッキング加工する新たな管状
胴体の受入れを準備する。
第6a図において、装置は超音波周波数で振動するよう
にホール26に作動連結されたダイスホルダー27に装着さ
れているダイス20と、当該ダイス20に近付くかまたは遠
ざかる向きに移動可能な湾曲支持体48を備えたクロスヘ
ッド24と、液圧シリンダ(図示せず)によりダイスに出
入りすることのできる成形プラグ42を端部に備えたプラ
ンジャ43と、使用時にプラグ42の端面に当たり、また空
気圧によってダイス20内に進入してネックの形成された
罐体を取り外し、ばね圧により引き戻されるようになっ
たエジェクタパッド46とを備えていることが図面から判
断できる。
プランジャ、クロスヘッドダイスおよびエジェクタ
は、支柱とクロスプレートにより軸方向に整合した状態
に保持させている。前記支柱はそのうちの1本が第6b図
に参照番号50で表わされており、またクロスプレートは
参照番号51で表わされてる。
第6b図を参照する。プランジャ43は既に移動してお
り、プラグ42をダイス20内に保持して通路間隙を形成し
ている。クロスヘッド24は前進し、円筒状罐体の後尾縁
を通路間隙内に押し込んでおり、ホーン26から供給され
るエネルギーがダイスを励起して15kHzから40kHzの範囲
の超音波周波数の半径方向モードでダイスを振動させ
る。ある特定の電力設定の下でダイス20の加工表面を最
大振幅で振動させ、耳ざわりなノイズをできるだけ少な
くするために、20kHzから22kHzの範囲の周波数を選択使
用している。
例えば40kHzの高周波数の振動によれば小型のダイス
を使用することができるが、第8図に基づいて説明され
ているように、好ましくないモードで振動する危険性が
高まることになる。しかしながら、ダイスが大きくなれ
ば(他の因子すべてが変化しなければ)それだけ振動に
要するエネルギーも増加していく。第6b図の装置におい
て、45mm直径の溶接されたブリキ管はプラグとダイスが
形成した通過間隙内に押し込まれ、31mm直径(30%の直
径絞り比)の円筒状ネックを支えている肩部が形成され
る。プランジャ/プラグ43/42を後退させる段階にきて
おり、このプランジャ/プラグを後退させた後、エジェ
クタ46はピストン部分52に下側から加わる空気圧により
持ち上げられる。ピストンはエジェクタハウジング53内
を移動して、成形を終えた罐体を排出しながらエジェク
タ戻しばね54を圧縮する。罐体の排出を終えると空気圧
は減圧され、戻しばね54はエジェクタ46を押圧して第6a
図に示す位置まで後退させることができる。エジェクタ
の工程量はピストンストロークによって決まる。第6a図
にだけ示すように、ねじ55がエジェクタハウジングの側
壁を通り抜けてエジェクタの側壁に設けらたスロット56
内に入り込み、リテーナとして機能している。
第6a図、第6b図の装置を用いて製造された罐体47は引
き続いて周知のダイスカール成形装置に通され、ネック
の先端を内向きに変形させて、第1図に示したようなエ
アゾル罐体の開口(25.4mm直径)を縁取る内側に向いた
カール18が成形されている。さらに底壁が取り付けられ
罐体が完成する。底壁は従来形式のはぜ巻きシームを用
いて取り付けることができ、あるいは第1c図に示すよう
なネックを成形し、罐体を立てた場合に内側に折り曲げ
たシームが目立たないようにすることもできる。
30%を超えて直径を縮小する必要があれば、超音波を
利用した最初のネッキング加工で製造したネック付き製
品を、再び超音波を利用した第2のネッキング操作を加
えて縮径することもできる。最初のネッキング操作によ
り成形された肩部材料は、後続の操作に伴いこれを支持
する必要のあることが判明している。この支持は成形ス
リーブを用いて行なわれる。成形スリーブは、第2の成
形操作に伴い、第7a図から第7f図に基づいて説明するよ
うにプラグを取り囲んでいる。
第7a図に示した作業手順を参照すれば、次のようにな
る。
1.ネックの設けられた円筒体47を、クロスヘッド60と第
2の加工用ダイス61の間の空間に挿入する。
2.第2の加工用プランジャ62と包囲支持スリーブ63を前
進させてネックの設けられたシリンダ47に挿入し、支持
スリーブ63をネックの設けられた円筒体の肩部17に宛て
がう。そして、プランジャの端部のプラグ部分64をネッ
ク19に通し、ダイス61の中央に配置して通路間隙を形成
し、またエジェクタ65に当接させる。
3.続いて、クロスヘッド60と内側支持スリーブ63を共に
前進させ、円筒体47のネックの設けられた部分を通路間
隙内に押し込んで、縮径された第2の加工ネック66が形
成される。この第2の加工ネック66は第2の肩部67に支
えられており、この第2の肩部67は第1のネッキング操
作で形成した肩部に符号している。第7d図は、工程の途
中における支持体、プラグおよびダイスの状態を示して
いる。
4.次に、クロスヘッド、プランジャ/プラグおよび支持
スリーブを後退させ、新たに成形されたダイス61内のネ
ック66と肩部67からこれら要素を引き離す。
5.引き続いてエジェクタ65を前進させ、2次加工を加え
たネック付きの円筒体68をダイスとクロスヘッドの間の
空間内に押し戻し、取り出すための準備が整えられる。
6.続いて、エジェクタをダイスから後退させ、再び工程
を開始する準備が整えられる。
工程1から6は、第7b図、第7c図に示した装置で行な
われる。第7b図の装置は、支柱50により離して保持した
第1の端板51と第2の端板を備えている点が、第6a図と
第6b図の装置に類似している。第1の端板51はエジェク
タハウジング53、ダイス支持体68およびダイスホルダー
71のダイス61を支持している。第2の端板69はエアーシ
リンダ70を支持している。このエアーシリンダ70は、プ
ランジャ62をダイス61に向けて、またはこのダイスから
遠ざかる向きに移動させるようになっている。支柱50は
クロスヘッド72を支持している。第7b図において、プラ
ンジャ62は端部にプラグ64を備えている。このプラグ64
は、ダイスと共に第2の加工用通路間隙を形成する外側
輪郭形状を備え、製造しようとする縮径された肩部とネ
ックの形状を形取っている。プランジャ62は支持スリー
ブ63により取り囲まれている。この支持スリーブ63は、
最初の加工により絞られた円筒体47の肩部の内側表面に
嵌るようになった一方の端部を備えている。
支持スリーブ63はプランジャ62上を滑るように取り付
けられ、第7a図〜第7f図に示すようなプランジャにより
クロスヘッド60を通り抜けて支持スリーブ63を後退さ
せ、円筒体47の供給操作を行なうことができる。また支
持スリーブ63はクロスヘッド60を通じて前進送りされ、
第7b図に示す位置で円筒体をクロスヘッドに保持し、引
き続いてこの円筒体をクロスヘッドと共に搬送し、ダイ
スに向けて押し出すようになっている。
第7d図は、予備成形された円筒体47のネックが通路間
隙に進入していく際、クロスヘッド60が円筒体を徐々に
ダイス内に押し込み、内側支持スリーブ63が予備成形さ
れた肩部を支持してこの肩部がつぶれるのを防いでい
る。
第7c図は、支持スリーブ63がキーホール形の開口を備
えた板72を用いて支持スリーブ63をクロスヘッド60に掛
止する方法を概略的に示している。この板72は、クロス
ヘッドの一方の側部に取り付けられたエアーシリンダに
より掛止位置へと動かされる。必要に応じて、ソレノイ
ド装置のようなその他の掛止手段を用いることもでき
る。
第7e図は、ある形態をした支持スリーブ63とプランジ
ャ62の詳細構造を示している。プランジャ62は一方の端
部にねじ山の付いた凹所74を備え、作動用エアーシリン
ダ70に至る連結ロッドを受け入れている。プラグ64は、
反対の端部がキャップヘッドねじによりプランジャに取
り付けられている。支持スリーブ63は、プランジャ部分
にねじ込まれた肩成形部76を備えている。従って、この
肩成形部76は摩耗すれば取り換えることができる。支持
スリーブ63は、ばね78を収容する縦方向ボア77を形成し
ている。前記ばね78は、プランジャ部分の突起79とスリ
ーブの突起80との間で圧縮されている。
プラグ64はエアーシリンダに直接連結されている。こ
れに対し、スリーブ63はばねを介してエアーシリンダに
連結されている。このばねはスリーブを常に前方に向け
て押しており、プラグ64に超過移動させることができ
る。罐体がダイスに初めて進入する際、プラグは所定位
置になくてはならないが、スリーブは(クロスヘッドに
掛止されて)引き戻され、ばねを圧縮するようになる。
第8図は、変換器により環状ダイスに振動を加えた場
合に起こり得るモードの幾つかを示している。第8a図
は、振動がダイスの廻りに均等に分散され、ダイスのス
ティクション作用(stiction effects)と摩擦力が均一
に減少することから、使用に適している好ましい基本的
な半径方向モードを明らかにしている。
第8b図は、好ましくない高調波モードの第1の例を示
している。半径方向モードの節Nは直径方向に向かい合
った位置に生じ、これら節の点ではダイスの摩擦力を減
少させることができないためである。このモードは、節
の生じる直径方向に向かい合った位置AとBに、直径に
対し90度の角度で変換器を設置すれば調整することがで
きる。
第8c図は、4箇所に生じて調整するのが困難な高調波
の第2の例を示している。第1と第3の高調波は、周波
数が基本波に近づく傾向があるため問題となる。
第8d図は、6箇所に節の生じる高調波モードの第3の
例を示している。
基本モードの振動を一定に保つために、ダイスは基本
モードが高調波に近づかないように寸法が決められてい
る。
第9図は、最初の加工に用いられるダイスの基本エレ
メントについての解析図である。
組立体は、軸対称のエレメントを用いて2次元で表わ
されており、組立体の斜線域は断面の部分である。中心
軸はY軸線に沿っている。
ダイス20は、外側表面に加わる半径方向(水平な矢
印)の力により運動を起こすようになる。肉薄の管状装
着体28はダイスの下側表面に固定され、第2図に基づい
て既に説明したようにフランジ29に保持されている。フ
ランジは、振動ダイス20と静止した機械の間でリンクを
形成している。
装着体は20kHzで共振する。装着体は低周波では振動
を起こしにくいが、この周波数にはよく共振する。ダイ
スの半径方向モードの振動により半径方向とある程度の
縦方向の振動が管状支持体に生じ、ダイスと支持体の接
合箇所で振動の向きが変化するようになっている。
第2図、第6図および第7図の管状支持体はダイスを
プラグと同軸的に保持する働きをし、作業荷重のスラス
トを支え、またダイスの装着箇所に作用する半径方向の
振動の損失量をできるだけ少なくして、第9図の矢印M
で示した位置に支持するようになっている。
第10図は、半径方向にダイスを振動することが好まし
いとする理由を明らかにしている。
第10(1)図には、ダイスをワークピースの表面に平
行に軸方向に振動させた場合、ダイスDとワークピース
Wの間の摩擦領域の周期的な往復運動が描かれている。
振動の最大速度がワークピースの運動速度よりも大きけ
れば、相対速度(および摩擦)は振動サイクルの途中で
逆転する。
第10(2)図は、ダイスとワークピースの間の境界面
に直交した振動により、表面同志が周期的に分離する様
子を示している。サイクルの途中で表面は分離し、摩擦
を零まで減少させることができる。
第10(3)図は、ワークピースの表面に直交した向き
にダイスが振動することにより、潤滑油の「ポンプ輸
送」が行なわれる様子を概略的に表わしている。振動に
よって潤滑油は表面の廻りに均等に分散され、大きな圧
力の加わる箇所で潤滑油のフィルムが途切れてしまうこ
とがない。
第10(2)図の周期的な分離作用、とりわけ第10
(3)図のポンプ輸送作用は、壁厚の薄い管状要素の直
径を絞る上で非常に有益であることが明らかとなってい
る。こうしたことを念頭において基本的な半径方向モー
ドを選択し、幾何学的に適正な最大振動を得るようにし
ている。
第11図は、45mm直径の円筒体をプロットされているネ
ック寸法に絞るのに要する力をkNでグラフに表わしたも
のである。グラフ(a)は、超音波振動を用いない場合
に必要とされる力を示している。またグラフ(b)は、
1.5kW出力の磁気ひずみ変換器により20kHzの超音波振動
を半径方向に加えた場合に必要とされる力を表わしてい
る。しかしながら、低出力の圧電変換器を同じ周波数で
用いても同様の結果が得られる。
第9図の解析においては、ダイスと支持体は第6図と
第7図に示すような単一構造体として取り扱われてい
る。実際に、これら要素を単一構造体として構成するこ
ともできる。
第12図は、節が中央にあってしかも波の腹が周縁部に
位置するようにして振動されるダイス82を示している。
このダイスの通路間隙を形成する作業表面83には、ダイ
ス側部に描かれた1/2波長Wから明らかなように、振幅
のかなりな部分が作用している。管状支持体84はダイス
に当接しており、また薄い壁厚の第1の部分85と装着用
フランジとを備えている。前記薄い壁厚の第1の部分
は、薄い壁厚の管状部分から軸方向に整合した状態に延
びている厚い壁厚の第2の管状部分86に接している。ま
た前記装着用フランジは、薄い壁厚と厚い壁厚の円筒状
部分の接続箇所を取り囲んでいる。薄い壁厚の管状部分
は半径方向の振動に同調し、伝わった振動は薄い壁厚の
部分に縦方向の振動を生じさせる。この薄い壁厚の部分
に生じた振幅は、支持体がダイスの位置に波の腹をまた
装着フランジの位置に節がくるように弱められる。
第13図は、中空支持体89に一体化されたダイス88を示
している。ダイス88は内側作業表面90を備えている。こ
の内側作業表面90は、輪郭形状が補完関係にあるプラグ
に向き合わせる際、円筒状のワークピースの外側部に肩
部とネックを形成するように形作られている。
支持体は第1の部分91を備えている。この第1の部分
91はダイスに連続していて、軸方向に延びている。また
環状断面は円筒状の形をした第2の部分92に向けて縮小
している。この第2の部分92はダイスと軸方向に整合
し、第1の部分よりも細いボアを備えている。第1と第
2の部分がつながる箇所に環状フランジ93が位置してい
る。この環状フランジは支持体を取り囲み、これら第1
と第2の部分を機械本体に固定できるようになってい
る。従来までは、こうした支持体とダイスが一体化され
たものを円筒体ポンチに組み合わせて使用し、平らなブ
ランクからカップを絞り加工しながら、Aで示す軸方向
に生じた振動を第2の部分を通じて加えるようになって
いる。
この一体化されたダイスと支持体は、図示されている
ような適当な作業表面を備えていて、前述したような補
完関係の形状を備えたプラグが組み合わされる場合に
は、円筒体にネックを成形する目的で使用できることが
判明した。ただし、ダイスはBで示す半径方向に振動さ
れ、軸方向には振動されない。
第14図は、飲料用罐の開口を68mm(2.69インチ)の直
径から57mm(2.25インチ)または60mm(2.38インチ)の
直径に縮径するのに必要とされる、大きな直径を備えた
ダイス94を示している。ダイスは、前述したような節の
位置でクランプされる管状支持体95によって支えられて
いる。ただし、ダイスの上方に描かれた波形から明らか
なように、支持体は節Nの位置でダイスと連結されるた
め、ダイスから支持体に誘導されるエネルギーは極く僅
かである。
こうした状態は、中心部に節を設けてダイスを振動さ
せると共に、ダイスの上方に描かれた波形から明らかな
ように、ダイスの周囲にも節がくるようにすることで実
現される。このダイスは、第14図に示すような半径方向
モードで高周波に共振させることもできる。ただし、基
本波が反社会的な騒音レベルの音を発することもある。
第15図は、截頭円錐形の外側表面97を持つダイス96を
示している。この外側表面97には、変換器98から超音波
振動15を加えることができる。既に述べたように、ダイ
スは節が中心部にくるように振動され、振幅の一部が内
側加工表面に分布する。また振動の加わる向きが傾斜し
ているために、このダイスにはある程度の半径方向振動
と軸方向振動の2つが作用する。必要とあらば第2の変
換器99をダイスに設け、倍波長またはねん回(twistin
g)のような変則的な標遊振動モードでダイスを振動さ
せることもできる。
第16図は、既に述べたようにフランジをクランプしな
いで、ダイス支持体とダイスを保持する他の手段を示し
ている。第16図のダイス100は、ベース板102を備えた管
状支持体101により支持されている。このベース板102
は、管状支持体の直径よりも事実上広い区域にわたって
設けられている。ベース板102は、複数の通路103を通じ
て支承板105の環状凹所104内に送り込まれた流体に載っ
ていて、ベース板と支承板の間を広げている。
第17図の装置は第16図の装置と同じように機能する
が、環状の支承板107に環状の分配通路106を備えてい
る。加圧流体は前記分配通路106から複数の通路108に流
れていき、ダイス109を支持するようになっている。ダ
イスと支承板の周縁部は、可撓性のあるシール110によ
り密封されている。こうしてダイスは振動できるように
流体によって支持され、振動エネルギーを無駄に消費す
ることがない。
第18a図と第18b図は、ハウジング112内に空気静力学
的に支持されたダイス111を示している。前記ハウジン
グ112は、管状の側壁113と底壁114とを備えている。側
壁113はダイス111の円筒壁を伴って環状空所を形成して
いる。この環状空所内には圧縮空気が導入され、半径方
向支持体を形成している。
ダイス111のベースと底壁114の凹所は別の空所を形成
している。この空所内に圧縮空気が導入され、作業荷重
に抗してダイスを支持するようになっている。
第18b図を参照すれば、ハウジングの側壁113は一部が
切除され、変換器ホーン115を挿入してダイスに作動係
合させてある。さらに、必要ならば第2の変換器116を
用いることもできる。
ここまではエアゾル罐並びに飲料用罐を例にとって本
発明を説明してきたが、一方の端部の直径を縮小させる
同じようなニーズのある灌漑用のパイプや雨水用の物品
等の、延性のある材料で作られた各種の製品にも利用す
ることができる。
第19a図と第19b図に示す、円筒状ネック66を変形して
外に向いたカールを形成する装置は、カールの外側表面
を形作る環状溝121を備えたダイス120と、円筒状ネック
を支持しこの円筒状ネックを環状溝内に押し込むマンド
レル手段122と、第19b図の矢印Aで示すように、ネック
の軸線に平行な向きにダイスを振動させる手段とを有し
ている。第19b図に見られるように、ネックを溝内に押
し込むにつれて漸進的にアーチ状の断面のカールが形成
されていく。
第19a図を参照すれば、ダイスはホーン123に支持され
ている。ホーン123は、変換器124に軸方向に整合された
状態で作動連結されている。変換器124は圧電式のもの
が好ましく、18kHzから25kHzの間の周波数、好ましい値
は20kHzから22kHzの周波数の第1の高調波モードを発生
することができる。ホーン123とホーン支持プレート125
は、ロッド126を介してプレート127から吊り下げられて
いる。このプレート127は支柱128によって支持されてい
る。また、支柱128はクロスヘッド129を通り抜け、クロ
スヘッドはこの支柱に沿って摺動可能である。
クロスヘッド129は、押し板130とマンドレル122を支
持している。マンドレル122は、クロスヘッド129と押し
板130を通じて移動することができ、罐胴体131はダイス
120および押し板130の軸線に軸方向に整合している。カ
ール成形操作に際し、罐131の肩部67はマンドレル122の
肩部上で支持され、第19b図に拡大して示すように、前
進送りされるのに伴ってネック部分66はダイス120の環
状溝121内に押し込まれる。ダイスは、20kHzから22kHz
の周波数で軸方向に振動される。押し板130とマンドレ
ル122をさらに前進送りして、ネックに第19a図に示すよ
うな外に向いた形のカールを仕上げることができる。
超音波振動をカーリングダイスに利用すれば摩擦力が
減少し、必要ならば、第6図の装置で作られたネックを
受け入れるように形成されたダイスを第1c図のような内
側向きのカールを成形するのに用いることができること
は明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1a図は、周知のエアゾル罐とバルブキャップの一部分
を断面で示す側面図である。 第1b図は、肩部と縮径されたネックを備えている、押出
し成形された周知のアルミニウムエアゾル罐の一部分を
断面で示す側面図である。 第1c図は、肩部とネックが内側に向いたカールを支えし
かも縮径されている胴体を備えた、溶接エアゾル罐の一
部分を断面で示す側面図である。 第1d図は、外に向いたカールを備えている、溶接罐の一
部分を断面で示す側面図である。 第2図は、第1b図と第1c図の罐体を製作するのに適した
装置の概略側面図である。 第3図は、ダイスと組立てマンドレルによる肩部とネッ
クの成形に伴って、絞り成形されまた壁をしごかれてい
る飲料用罐を断面で示す側面図である。 第4図は、ダイスと後退可能なマンドレルによる肩部と
ネックの成形に伴う、溶接管状胴体を断面で示す側面図
である。 第5図は、第4図の装置による肩部とネックの成形操作
の個々の工程を概略的に示す説明図である。 第6a図は、第5図の工程を行なう装置の、開放位置にあ
る状態を断面で示す詳細側面図である。 第6b図は、閉鎖位置にある第6a図の装置の詳細側面図で
ある。 第7a図は、必要に応じて行なわれる第2のネッキング成
形操作を概略的に示す説明図である。 第7b図は、第7a図の工程を実施する装置を示す側面図で
ある。 第7c図は、成形工程完了後の第7b図の装置の側面図であ
る。 第7d図は、第2のネッキング成形操作に伴う、プラグと
ダイスの詳細図である。 第7e図は、第7b図のプラグとダイスが開放された状態を
断面で示す側面図である。 第7f図は、第2の成形操作に伴う、プラグとダイスの詳
細図である。 第8図は、ダイスに加えることのできる半径方向モード
の振動の実施を示す概略図である。 第9図は、超音波振動ダイスの構成要素の解析図であ
る。 第10図は、ダイスの超音波振動による摩擦軽減効果のメ
カニズムを概略的に示す説明図である。 第11図は、45mm直径の罐体を通路間隙vに押し込んでネ
ックを縮径する際の、2つの方法による力の比較を行な
ったグラフである。 第12図は、半径方向に振動するダイス用の共振リング支
持体を断面で示す側面図である。 第13図は、軸方向かつ半径方向に振動するダイス用のリ
ング支持体を断面で示す側面図である。 第14図は、面積の大きいダイスと支持体を断面で示す側
面図である。 第15図は、変換器を角度を設けて取り付ける截頭円錐形
の壁を備えたダイスを断面で示す側面図である。 第16図は、ダイス支持体とダイス用の面積の大きい流体
ベアリングを断面で示す側面図である。 第17図は、ダイスを支持する環状流体ベアリングを断面
で示す側面図である。 第18a図は、空気静力学的な支持構造をなすダイスと支
持体を断面で示す側面図である。 第18b図は、その平面図である。 第19図は、超音波を利用したカール成形装置を断面で示
す側面図である。 14……管状胴体、17……管状胴体の肩部、18……ネック
に形成されたカール、19……ネック、20……外側ダイ
ス、21……外側ダイスの収束加工表面、22……プラグ、
23……プラグの加工表面、24……クロスヘッド、25……
変換器、26……ホーン、27……ダイスホルダー、28……
管状装着体、29……管状装着体のフランジ、30……フラ
ンジ支持用のフレーム部分、31……クランプリング、46
……エジェクタ。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管状胴体の終端部分の断面を縮小するため
    の方法にして、成形すべき縮小断面部の外面と同じ収束
    加工表面に形成された外側ダイスを設置する段階と、成
    形すべき縮小断面部の内面と同じ形の加工表面を備えた
    プラグを設置する段階と、プラグをダイスの内部に位置
    決めして、成形すべき縮小断面部の形状および管状胴体
    の厚みに実質的に等しい半径方向幅を有する通路間隙を
    これらプラグとダイスの間に形成する段階と、管状胴体
    の終端部分を前記通路間隙内に挿入する段階と、同時
    に、前記終端部分が前記通路間隙の形に次第に変形され
    る間、超音波周波数でダイスに半径方向の振動を起こさ
    せる段階と、を含む管状胴体の終端部分の断面を縮小す
    るための方法。
  2. 【請求項2】管状胴体が金属ブランクから絞りまたは押
    出し成形された底壁と側壁を持つ缶体であり、プラグが
    収縮可能なマンドレルである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】管状胴体が、シート状金属の矩形ブランク
    の両側の縁を溶接して作られた円筒体である請求項1記
    載の方法。
  4. 【請求項4】ダイスが支持手段によりプラグと軸心を合
    わせて保持され、該支持手段自体は、前記通路間隙に入
    り込む管状胴体の加工推力に抗するため、該支持手段の
    振動の節の位置で保持されている請求項1,2又は3記載
    の方法。
  5. 【請求項5】前記支持手段は管状をなしており、その長
    さの中間で保持されている請求項1,2,3又は4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】ダイスにおける振動の周波数が、15kHzか
    ら40kHzの範囲内にある請求項1,2,3,4又は5記載の方
    法。
  7. 【請求項7】前記振動の周波数が、20kHzから30kHzの範
    囲にある請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】管状胴体の終端部分の断面を縮小するため
    の装置にして、成形すべき縮小断面部の外面と同じ収束
    加工表面に形成された外側ダイスと、成形すべき縮小断
    面部の内面と同じ形の加工表面を備えたプラグと、ダイ
    スの中心にプラグを位置決めして、縮小断面部の形状お
    よび厚みに実質的に等しい形状と間隙幅を有する通路間
    隙を形成し、プラグとダイスが相対運動する間プラグに
    軸心を合わせてダイスを保持するための、ダイスホルダ
    及び装着体即ち支持体を含む支持手段と、管状胴体の終
    端部分をプラグとダイスの間の前記通路間隙内に挿入す
    るための手段と、前記終端部分が前記通路間隙の形に次
    第に縮小される間、超音波周波数でダイスに半径方向の
    振動を起こさせる手段と、を含む管状胴体の終端部分の
    断面を縮小するための装置。
  9. 【請求項9】前記収束加工表面をなすダイス内面が、軸
    方向断面がアーチ状をなす入口環状部分から変曲部分を
    経てほぼ円筒形の部分に連続している請求項8記載の装
    置。
  10. 【請求項10】プラグはダイスの前記収束加工表面と形
    状が補完関係にある加工表面を有し、プラグとダイスの
    加工表面との間の前記通路間隙が、長手方向に管状胴体
    の厚みよりも次第に増加し、成形されたネックの位置で
    は厚みの増加分を収容するように形成されている請求項
    9記載の装置。
  11. 【請求項11】ダイスが、振動の節の位置で保持された
    前記支持手段によりプラグと軸心を合わせて保持されて
    いる請求項8,9又は10記載の装置。
  12. 【請求項12】前記支持手段の支持体が管状をなしてお
    り、その長さの中間で保持されている請求項11記載の装
    置。
  13. 【請求項13】前記支持手段が複数のロッドからなり、
    その個々のロッドはその長さの中間で保持されている請
    求項12記載の装置。
  14. 【請求項14】前記支持手段が、圧縮されたエアーかま
    たはオイルのような流体を収容している請求項13記載の
    装置。
  15. 【請求項15】前記請求項1から7の何れか一つに記載
    の方法によってすでに終端部分の断面が縮小され、即ち
    肩部とネックを成形された管状胴体が、引き続いて該管
    状胴体内肩部まで挿入されたマンドレルに支持され、環
    状のカール成形溝を備えたカール成形ダイスに向けて押
    し進められ、前記ネックを次第にカールさせながら、前
    記カール成形ダイスに軸線方向の超音波振動を加える缶
    体の製造方法。
  16. 【請求項16】さらに、管状胴体のすでに成形された円
    筒状ネックを外向きのカールに変形させるための手段を
    備え、該変形手段が、断面アーチ状の環状溝を有するダ
    イスと、前記円筒状ネックを支持し、かつダイスの前記
    環状溝内へ押し込むマンドレル手段と、ある超音波周波
    数で前記ネックの軸線方向に、前記カール成形ダイスを
    振動させる手段とを有している請求項8,9,10,12,13又は
    14記載の装置。
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