JPH08245742A - 防水性を有するポリウレタンモ−ルド成形品 - Google Patents
防水性を有するポリウレタンモ−ルド成形品Info
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Abstract
ように、振動を伴う防水シ−ル部位で耐油性と高防水性
を必要とするシ−リング材や防音材の用途に最適な高防
水性ポリウレタンモ−ルド成形品に関する。 【構成】 ポリイソシアナ−トとポリオ−ルを触媒及び
発泡剤等の助剤の存在下でモ−ルド内にて発泡硬化させ
て得た密度0.04〜0.3g/cm3の自己スキン層
を有するポリウレタン発泡体よりなる防水性を有するポ
リウレタンモ−ルド成形品であって、該ポリウレタンモ
−ルド成形品は、 (1)水との接触角が85°以上 (2)コア部10mm厚さの通気度が10cc/cm2
/sec以下 (3)自己スキンは、厚さ50μm以下、開口率が10
%以下、好ましくは0、引張り弾性率が50g/mm2
以下、であることを特徴とする防水性を有するポリウレ
タンモ−ルド成形品である。
Description
車両や建設機械などのように常に振動を伴い、高防水性
と耐油性を必要とする部位に、シ−リング材や防音材と
して好適な防水性を有するポリウレタンモ−ルド成形品
に関する。
泡体は、スラブ状の製品として、或いは両面スキン層を
有する製品として連続方法で製造され、防水シ−リング
材、防音材、防振材として自動車や電車等の輸送車両、
建設機械、住宅建築、電気機器などで広く使用されてい
る。
合されたポリウレタン原料を流し出すことによって自由
発泡させて製造されるため、スラブ状の製品はスキン層
のない成形品として得られ、これを所望の形状に切り出
し、貼合わせ、熱圧縮成形しても、全面にわたり発泡体
コア部となって、その表面にはスキン層が形成されな
い。また、2つのベルトの間に混合されたポリウレタン
原料を塗布し、発泡するポリウレタンを上方のベルトで
高さ方向を規制して発泡させた発泡体成形品は、上下の
両面のスキン層が形成されるが、これより所望の形状に
切り出して製品とした場合、その切出し断面にはスキン
層がなく、自己スキンのない発泡体コア部となった。
体に自己スキン層を設けると、ポリウレタン発泡体の吸
油量(耐油性)、吸水量(吸水性)を減少させると共
に、発泡体の保護被覆層として作用し、該発泡体よりシ
−リング材を形成した場合、防水面との密着性が向上
し、特に振動を伴う自動車等の輸送車両、建設機械のシ
−リング材として極めて好適である。また密着性が向上
するため、振動防止効果、隙間からの音洩れ防止効果が
発揮され防音材としても好適である。従って、従来のポ
リウレタン発泡体よりなる成形体に自己スキン層を設け
ることが望まれた。従来のポリウレタン発泡体にスキン
層を形成することが考えられ、例えば、従来のスラブ状
の製品の表面にフィルム等を貼着、一体成形すると、フ
ィルム層自体及びフィルム層と発泡体の接合部が硬くな
り、防水面との馴染み性や防水面との密着性が劣り、馴
染み性、密着性が劣ると、シ−リングされる個所に隙間
が発生し、防水性が劣る等の欠点が生じ、十分な効果が
発揮できなかった。また、スラブ状の製品より所望の形
状のシ−リング材を製造するには切り出しを行うので、
発泡体の全面にはスキン層を設けられず、立体的な複雑
形状を再現することは難しく製造工程が複雑である等の
欠点があった。
−リング材を熱圧縮成形しても、発泡体の全面には自己
スキンが得られないのみならず、熱圧縮成形すると、発
泡体が熱劣化し、防水性が低下し、また、自己スキンの
開口率が増大し、耐油性及び防水性が低下するという欠
点があった。殊に、立体的な複雑形状を成形しようとし
ても再現出来ないので、防水面との密着性が劣り、密着
性や馴染み性が劣ると、隙間が発生し漏水し、その結
果、発泡体自身が有する防水性を十分に発揮できなかっ
た。また、両面スキン層を有する発泡体より熱圧縮成形
したものは、耐油性及び防水性を考慮した自己スキンと
は成っていない。ところで、近年、立体的な複雑形状を
した防水面への対応が望まれるように成った。例えば、
ドア−ミラ−とボディの接合部、テ−ルランプとボディ
の接合部、或いは、エンジンル−ム内等の防水防音材に
おいて、防水性の向上したシ−リング材が要求されるよ
うになった。そして、これらのシ−リング材などにおい
ては、エンジンオイル等の各種オイルが一時的に接触す
る可能性があり、また、新車納入時に、塗装保護剤を燈
油と界面活性剤からなるワックスリムバ−で洗車するた
め、防水性と共に耐油性をも必要となった。
上述の欠点を改良し、これらの要求を満足すべきシ−リ
ング材や防音材について、種々検討した結果、ポリウレ
タン発泡体をモ−ルド成形して特定の性質を付与した全
面に渡って自己スキン層を有する成形品が、従来技術の
欠点を改良し、耐油性と防水性を向上した防水性を有す
るポリウレタンモ−ルド成形品となることを見出し、本
発明を完成したもので、本発明の目的は耐油性と防水性
を向上した防水性を有し、全面に渡って自己スキン層を
有するポリウレタンモ−ルド成形品を提供するものであ
る。
イソシアナ−トとポリオ−ルを触媒、発泡剤等の助剤の
存在下でモ−ルド内にて発泡硬化させて得た密度0.0
4〜0.3g/cm3の自己スキン層を有するポリウレ
タン発泡体よりなる防水性を有するポリウレタンモ−ル
ド成形品であって、該ポリウレタンモ−ルド成形品は、 (1)水との接触角が85°以上 (2)コア部10mm厚さの通気度が10cc/cm2
/sec以下 (3)自己スキンは、厚さ50μm以下、開口率が10
%以下、好ましくは0、引張り弾性率が50g/mm2
以下、であることを特徴とする防水性を有するポリウレ
タンモ−ルド成形品である。
泡体の水との接触角及び通気度は、防水性を有するポリ
ウレタン発泡体をモ−ルド成形で得る上で重要な要素と
なるものであり、接触角が85°以上を有し、コア部1
0mm厚さの通気度が10cc/cm2/sec以下
(以下、単に通気度と言う)であるポリウレタン発泡体
を得ることで防水性を向上する。以下、本発明のそれぞ
れの特性と該特性を得る方法について説明する。
融点或いは軟化点が150℃以下である実質的に炭化水
素化合物からなる物質をポリウレタン原料中に添加し、
特定通気度以下にする。ただ、本発明はモ−ルド成形性
(スキン性)であるので、この点を考慮すると添加量の
少ないことが好ましく、まったく添加しない場合もあ
る。 (2)気泡生成に必要なシリコ−ン整泡剤として、その
分子末端に、ウレタンと反応性を有する水酸基、アミノ
基、カルボニル基、メルカプト基等の基を有する反応性
シリコ−ン整泡剤を使用することが好ましい。本発明で
は、モ−ルド成形性(収縮)を考慮すると、低通気度発
泡体と成り得る場合は、非反応性シリコ−ンで破泡剤と
働くポリジメチルシロキサンオイルを使用することがで
きる。
リエ−テルポリオ−ル、ポリブタジェンポリオ−ル、ダ
イマ−酸エステルポリオ−ル、ヒマシ油ポリオ−ルの単
独もしくはこれらの混合物として使用する。本発明で
は、特にエチレンオキサイドを5モル%以上を含有する
ポリエ−テルポリオ−ルを使用すると、モ−ルド成形性
が良く好ましい。エチレンオキサイドが20モル%を超
えると吸水性が悪化するので好ましくない。エチレンオ
キサイドが10モル%を超えると吸水性が上昇する傾向
にあり、この場合、イソシアナ−トは、MDIを使用す
るか、TDIとMDIを併用することが好ましい。 (4)発泡体の通気度は、10cc/cm2/sec以
上の時、吸水性が増大する。本発明では、通気度の調整
は、ポリオ−ルの種類及び触媒や発泡剤等の助剤の種類
や添加量、攪拌条件、溶存エア−量(原料中に溶存する
エア−量)、反応温度等において変化するので、これら
を調整して、10cc/cm2/sec以下とする。
自己スキンの厚さ、開口率、引張り弾性率の相互のバラ
ンスにおいて、高防水性と耐油性とを向上させること
と、防水面との馴染み性及び密着性を向上し高防水性を
発揮させる等で重要な要素となるものである。自己スキ
ン層は、厚さ50μm以下、開口率が10%以下、好ま
しくは0、引張り弾性率が50g/mm2以下とするこ
とによって、所期の目的を達成することができる。 (1)自己スキンの厚さが50μm以上の場合には、厚
さが増す程、自己スキンが硬く、防水面との馴染み性が
損われポリウレタン発泡体自身が有する防水性能が十分
に発揮しできず、漏水の発生が生じやすい。また、開口
率が増す程、耐油性と防水性が悪化する。本発明では、
自己スキンの厚さの調整は、モ−ルド内への原料注入量
(パック率)、成形温度(型温度)、触媒や発泡剤等の
助剤の種類や添加量、反応温度等によって調整する。ま
た、開口率の調整は、モ−ルド成形時に使用する離型剤
の種類や塗布量、ポリオ−ルのエチレンオキサイド含有
量、助剤の種類や添加量等によって行う。
/mm2以上の場合は、自己スキンが硬いものとなり防
水面との馴染み性が損われポリウレタン発泡体自身が有
する防水性能を十分に発揮し得ない。後述の馴染み指数
で6mm以上となり好ましくない。本発明では、引張り
弾性率の調整は、自己スキンの厚さ調整とポリオ−ル、
イソシアナ−ト、その他助剤の種類や添加量等において
変化するので、これらを調整する。これらの調製によ
り、自己スキンの厚さが50μm以下、開口率が10%
以下、引張り弾性率が50g/mm2以下、(馴染み指
数6mm以下)を満足する場合において、耐油性と防水
性が向上するのである。
明する。各特性の測定は、厚さ20mm×220mm×
220mのモ−ルド成形品を試験片として使用。 密度は、JISK−6401に準拠し試験片として測
定。 通気度は、JISL−1004に準拠し、東洋精機社
製の通気度試験機No.869を用い試験片の自己スキ
ンを上下面各5mmを除去した発泡体コア部10mm厚
さとして測定。
上下面各5mmを除去した発泡体コア部より厚さ10m
m×50mm×50mmを採取し、アルミ箔に挟み温度
180〜200℃、圧力50〜60kg/cm2で熱プ
レスすることで表面平滑なフィルム状とし協和科学社製
の協和接触角計CA−Aを用い測定。 自己スキンの厚さと表面開口率は、走査型電子顕微鏡
にて写真撮影して測定する。自己スキンの厚さの測定に
ついては、試料1のモ−ルド成形品の中央部を長さ方向
に切断し、端部から10mm位置を基準に50mmピッ
チで自己スキン断面部の拡大写真を5点撮影し、隣合わ
せのリブ2とリブ3の中心線4に接する自己スキンの厚
さ5を測定し5点の平均厚さを求める。図1は走査型電
子顕微鏡写真の模式図であって、その測定法をに示す。
自己スキンの開口率は、モ−ルド成形品の中央部を長さ
方向において端部から10mm位置を基準に50mmピ
ッチで自己スキン部の拡大写真を5点撮影し、個々の1
mm角における開口部分の面積比を測定し、5点の平均
開口率を求める。 自己スキンの引張り弾性率は、JIS K−7127
に準拠し、自己スキンを有する表面部分を厚さ約2mm
にスライスしたあと、ダンベル1号打ち抜き試験片をオ
リエンテック社製のテンシロン万能試験機UCT500
を用い引張り速度50mm/分で5%伸長した時の引張
り応力−ひずみ曲線の初めの直線部分における単位面積
当りの荷重を測定。 尚、引張り弾性率は、次式より求める。 引張り弾性率Em=Δδ/Δε Δδ=直線上の2点間の元の平均断面積による応力の差
(g/mm2) Δε=同じ2点間のひずみの差 馴染み指数は、図2に示すように、鉄板製の試験片保
持台6の上に試験片1を載せ、試験片1の表面に直径2
mmの鋼球7を乗せた後、50mm×50mmで厚さ1
mmのガラス板8を試験片1の表面に置き、その際、鋼
球2が圧縮挿入されて発生した空間凹みの直径dを5秒
後にミリメ−トル単位で測定し、その数値を馴染み指数
とする。
験に準拠した装置を使用して測定する。図3はその装置
の概略図であって、45度に傾けて試験台9に載せた試
験片1上に、高さ150mm位置から精製水250cc
を25〜30秒でスプレ−した後、表面に付着した余分
な精製水を叩き落とした後の吸水重量を測定、得られた
測定値をもって吸水性を表した。スプレ−ノズル10の
形状は図3aに示すように前面は半径32mmの曲面で
あって、その中心部に径0.9mmの孔を1つ、中心円
10mmの位置に径0.9mmの孔を6つ、中心円21
4mmの位置に径0.9mmの孔を12設けてある。 耐油性は、防水性の同様に45度に傾けた試験台9に
載せた試験片1上に、高さ150mm位置からエンジン
オイル(10W−40)250ccを約30秒でノズル
11より滴下した後、表面に付着した余分なエンジンオ
イルをポリエチレン製へらにて軽くかき取った後の吸油
重量を測定、その測定値をもって耐油性を表した。使用
したノズルの形状は図3bに示すように全長50mmで
径が9mmの円筒状であって、ノズル先端部に行くにし
たがってその径が絞られ、ノズルの直径は6mmであ
る。 実用防水性は、外側に内径236mmの半割アクリル
製管と内側に外径200mmの半割アクリル製管の隙間
で試験片1が10%圧縮される様にセットした後、内側
の管中央部に設けた直径10mmの穴に水圧15cmを
5分間かけた後、水の浸透距離が20mm以下、吸水性
の吸水重量が0.5g以下を満足することを良好と判
定。 吸音性はJISA−1405の垂直入射法吸音率に準拠
し、試験片から打ち抜いた厚さ20mmの100mm丸
形として吸音率を測定。さらに、自己スキンが吸音率に
及ぼす影響を比較するための試験片は、測定面の自己ス
キンをサンドペ−パ−で除去し測定。
的に説明するが本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。部及び%は重量基準とする。各実施例で
使用した原料を列記すると次の通りである。 ポリオ−ルA グリセリン/ポリエチレングリコ−ルにプロピレンオキサイド とエチレンオキサイド付加 OH価40,EO18.9モル%,f2.7 ポリオ−ルB グリセリンにプロピレンオキサイド付加 OH価56, f3.0 ポリオ−ルC グリセリンにプロピレンオキサイドとエチレンオキサイド付加 OH価40,EO26.5モル%,f3.0 脂環族石油樹脂 FTR−6100, 三井石油化学工業(株) シリコ−ン整泡剤 軟質発泡ポリウレタン用シリコ−ン(OH基含有) カ−ボンブラック着色剤 発泡剤(水) 精製水 アミン触媒 カオ−ライザ−No.12P, 花王石鹸(株) スズ触媒 ネオスタンU−100(DBT),日東化成(株) TDI−65 コロネ−トT−65, 日本ポリウレタン工業(株) MDI A ジフェニルメタンジイソシアナ−トを用いた末端NCOプレポ リマ− NCO23%,品名タケネ−トSI−45PA,武田 薬品工業(株) MDI B 粗製ジフェニルメタンジイソシアナ−ト NCO31%,品名 タケネ−トISO−01P,武田薬品工業(株) 離型剤 中京油脂(株) 品名B−269 融点106〜114℃ コニシ(株) 品名URH513 融点 89〜98℃ 本発明の防水性を有するポリウレタン発泡体の成形品に
おいて、ポリウレタン発泡体は、水との接触角が85°
以上、好ましくは90°以上を有し、コア部10mmの
通気度10cc/cm2/sec以下となるように配合
し発泡硬化したものを使用するものである。各配合例及
び得られた成形品の物性を表1に示す。
方、アルミ製モ−ルド(厚さ20mm×220×220
mm)にワックス系離型剤(中京油脂(株)製B−26
9)を塗布、110±4℃に加熱して剥離処理した後、
40〜45℃に温調し、これに前記の配合原料の所定量
を移し、該モ−ルド内で発泡硬化を行った。得られた発
泡体の密度は0.1g/cm3であった。得られた自己
スキン付きウレタン発泡体は、接触角93°、自己スキ
ンは厚さが20μ、開口率4%、引張り弾性率が28、
かつ馴染み指数3mmと極めて馴染み性の良いものであ
り、吸水性、耐油性ともに良好な値であった。
1と同様の剥離処理を行ったモ−ルド内への充填率を高
めて発泡硬化を行った。得られた発泡体の密度は0.2
g/cm3であった。得られた自己スキン付きウレタン
発泡体は、吸水性、耐油性ともに良好な値であった。 実施例3 実施例1に石油樹脂を添加した以外は、実施例1と同様
の処理を施したモ−ルドを使用し、これにポリウレタン
原料を注入し、実施例1と同様に発泡硬化を行った。得
られた発泡体の密度は0.1g/cm3であった。この
自己スキン付き発泡体は、吸水性、耐油性ともに良好な
値であった。
した以外は、実施例1と同様に発泡硬化を行った。得ら
れた発泡体の密度は、0.1g/cm3であった。この
自己スキン付き発泡体は、吸水性、耐油性ともに良好な
値であった。次に本発明の要件を具備しない場合を比較
例として示す。比較例の配合例及びそれぞれの物性を表
2に示す。
発泡体で自己スキンの無いス−パ−シ−ルWB(日本発
条(株)社製)を使用した。この発泡体は、自己スキン
が無いため、吸水性、耐油性が劣る結果であった。 比較例2 比較例1の発泡体を厚さ10mmにスライスしたサンプ
ル上に厚さ50μのポリウレタンフィルム、シリコ−ン
処理したPETフィルムを順に乗せ、温度180〜20
0℃、圧力50kg/cm2、圧縮率50%で3〜5秒
間熱プレスして積層体を作製した。フィルム付き発泡体
は、フィルム面に限り吸水性、耐油性があるものの、他
の面は発泡体コア部となり、これら面では、比較例1同
様に吸水性、耐油性が劣る結果であった。さらにフィル
ム面は、引張り弾性率が60、かつ馴染み指数10mm
と極めて馴染み性が悪いため、実用防水性が劣る結果で
あった。
モ−ルドを30〜35℃に温調を下げた以外は実施例2
と同様の条件で発泡した。得られた発泡体の密度は0.
2g/cm3であった。得られた自己スキン付き発泡体
は、接触角93°、自己スキンは厚さが60μ、開口率
1%であり、引張り弾性率が60、かつ馴染み指数10
mmと極めて馴染性が悪く、吸水性、耐油性は良いもの
の実用防水性が劣る結果であった。
エチレンオキサイドを26.5モル%に高めたほかは、
実施例1と同様のポリウレタン原料を使用し、同様の処
理を施したモ−ルドを使用して同様の条件で発泡した。
得られた発泡体の密度は0.1g/cm3であった。得
られた自己スキン付き発泡体は接触角74°、自己スキ
ンは厚さが20μ、開口率3%であり、引張り弾性率が
26、かつ馴染み指数4mmと馴染性が良いにも関わら
ず、発泡体の疎水性が著しく低下することで吸水性が劣
る結果であった。
製モ−ルドにはワックス系離型剤としてコニシ(株)製
URH−513を用い実施例1と同様の剥離処理を施し
た。このモ−ルド内に上記のポリウレタン原料を注入
し、実施例1と同様の発泡条件で発泡した。得られた発
泡体の密度は0.1g/cm3であった。得られた自己
スキン付き発泡体は、接触角93°、自己スキンは厚さ
が25μ、開口率20%であり、引張り弾性率が28、
かつ馴染み指数が5mmと馴染み性は良いが吸水性、耐
油性が劣る結果であった。
発泡体について吸音試験を行いその結果を図4に示し
た。図4において実施例1で得られた自己スキン付きウ
レタン発泡体は、自己スキンの厚さ20μと薄いため、
開口率2%と低いにも関わらず、良好な吸音性を有する
ことが判った。比較例3で得られた自己スキン付きウレ
タン発泡体は、自己スキンの厚さ60μと厚く、吸音性
が劣る結果であった。なお、参考のため、実施例1でえ
られた自己スキン付きウレタン発泡体の吸音率測定面の
自己スキンをサンドペ−パ−にて除去し、スキン無しと
したウレタン発泡体の吸音率を併記した。
を有するポリウレタン発泡体をモ−ルド成形にて、立体
的な複雑形状をした防水面との馴染み性及び密着性に優
れる自己スキンを全面に形成させてなる耐油性と防水性
を兼ね備えた高防水性ポリウレタンモ−ルド成形品が容
易に得られる。これらは、優れた耐油性と防水性を有す
るので、自動車、電車等の輸送車両や建設機械等のよう
な振動を伴う防水シ−ル部位の防水シ−ル材として有用
である。さらに本発明のポリウレタン発泡体は、自己ス
キンが薄くかつ柔軟であるためにスキンを有していても
吸音性に優れる。また、振動面に対し密着性が良いため
に制振効果が大きいなどの防音材として優れた性能を発
揮する。
図
明図で(a)は吸水性を測定する際に使用するノズルの
形状図、(b)は吸油性を測定する際に使用するノズル
の形状図
鋼球 8 ガラス板 9 試験台 10 スプレ−ノ
ズル 11 耐油性用ノズル
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリイソシアナ−トとポリオ−ルを触媒
及び発泡剤等の助剤の存在下でモ−ルド内にて発泡硬化
させて得た密度0.04〜0.3g/cm3の自己スキ
ン層を有するポリウレタン発泡体よりなる防水性を有す
るポリウレタンモ−ルド成形品であって、該ポリウレタ
ンモ−ルド成形品は、 (1)水との接触角が85°以上 (2)コア部10mm厚さの通気度が10cc/cm2
/sec以下 (3)自己スキンは、厚さ50μm以下、開口率が10
%以下、好ましくは0、引張り弾性率が50g/mm2
以下、であることを特徴とする防水性を有するポリウレ
タンモ−ルド成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5411795A JP3561813B2 (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 防水性を有するポリウレタンモ−ルド成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5411795A JP3561813B2 (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 防水性を有するポリウレタンモ−ルド成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08245742A true JPH08245742A (ja) | 1996-09-24 |
JP3561813B2 JP3561813B2 (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=12961663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5411795A Expired - Lifetime JP3561813B2 (ja) | 1995-03-14 | 1995-03-14 | 防水性を有するポリウレタンモ−ルド成形品 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3561813B2 (ja) |
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