JPH08244249A - インクジェット式印刷ユニットの保管ケース - Google Patents

インクジェット式印刷ユニットの保管ケース

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JPH08244249A
JPH08244249A JP7080819A JP8081995A JPH08244249A JP H08244249 A JPH08244249 A JP H08244249A JP 7080819 A JP7080819 A JP 7080819A JP 8081995 A JP8081995 A JP 8081995A JP H08244249 A JPH08244249 A JP H08244249A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノズル開口からのインクの蒸発を可及的に防
止しつつ、温度や気圧の変動に関わりなく、記録ヘッド
のメニスカスを印刷可能な状態に維持すること。 【構成】 印刷ユニット６を収容したとき記録ヘッド１
２が対向する位置に、ノズル開口との間に空間を形成す
るように上縁部４０ａが記録ヘッド１２に弾接し、かつ
流体抵抗路を介して大気に連通するキャップ４０を備え
たケース本体３０と、ケース本体に開閉可能に設けら
れ、印刷ユニット６をキャップ側に弾圧する板バネ４６
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット式記録
ヘッドとインクカートリッジとがセットに構成されてい
て、必要に応じてキャリッジに着脱できるインクジェッ
ト式印刷ユニットを保管するためのケースに関する。
【０００２】
【従来の技術】インクジェット式プリンタは、ノズル開
口からインク滴を吐出させて記録媒体にドットを形成し
ながら印刷を行うため、色の異なるインクを使用するこ
とにより簡単にモノクロ印刷やカラー印刷を行うことが
できる。このため、キャリッジにモノクロ用印刷の記録
ヘッドと、カラー印刷用の記録ヘッドとを着脱可能に搭
載したインクジェット式プリンタが実用化されている。
【０００３】このようなプリンタによれば一台でテキス
トの印刷やカラーグラフィックの印刷が可能となるもの
の、印刷に使用しない記録ヘッドは、ノズル開口のイン
クが乾燥して、使用不能となるのを防止するため、ノズ
ル開口面をキャッピングした状態で保管する必要があ
る。
【０００４】このため、例えば特開平5-270002号公報に
見られるように、インクジェット式記録ヘッドのノズル
開口面に当接してノズル開口を封止する弾性体からなる
封止部材と、開閉自在な蓋部材と、蓋の閉鎖状態で封止
部材による封止状態を維持しつつインクジェット式印刷
ユニットを弾性的に支持する弾性部材からなる収容ケー
スが提案されている。
【０００５】しかしながらノズル開口に封止部材を直接
当接させて、ノズル開口を封止している関係上、温度や
気圧の変化によりノズル開口から溢れ出たインクが封止
部材に付着したり、またノズル開口と封止部材との間に
存在する空気の膨張収縮によりメニスカスが後退してし
まう等の問題がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたものであって、その目的とするとこ
ろは保管中ノズル開口のメニスカスを長期間に亙って印
字可能な状態に維持することができるインクジェット式
印刷ユニットの保管ケースを提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、インク滴を吐出するノズル
開口を備えた記録ヘッドと、該記録ヘッドにインクを供
給するインクタンクとを一体に保持させたインクジェッ
ト式印刷ユニットを保管するケースにおいて、前記印刷
ユニットを収容したとき前記記録ヘッドが対向する位置
に、前記ノズル開口との間に空間を形成するように周縁
が前記記録ヘッドに弾接し、かつ流体抵抗路を介して大
気に連通するキャップを備えたケース本体と、前記ケー
ス本体に開閉可能に設けられ、前記印刷ユニットを前記
キャップ側に弾圧する弾性部材を備えるようにした。
【０００８】
【作用】流体抵抗路内にインク溶媒蒸気を停滞させてノ
ズル開口からのインクの蒸発を可及的に防止するととも
に、大気と連通させて温度や気圧の変動に関わりなく記
録ヘッドのメニスカスを印刷可能な位置に維持する。
【０００９】
【実施例】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。図１は本発明のインクジェット式
印刷ユニットが適用されるインクジェット式記録装置
で、図中符号１はキャリッジで、ガイド部材２に支持さ
れ、タイミングベルト３を介してステップモータ４に接
続されていて、プラテン５に平行に往復動可能に構成さ
れている。
【００１０】キャリッジ１には後述するインクジェット
式印刷ユニット６が着脱自在に設けられていて、モノク
ロ印刷、及びカラー印刷に対応して印刷ユニットを交換
できるように構成されている。キャリッジ１に搭載され
た印刷ユニット６は、一端が図示しない記録ヘッド駆動
回路に、また他端がキャリッジ１に固定されたフレキシ
ブルケーブル７を介して駆動信号が供給されるようにな
っている。
【００１１】なお、図中符号８は、非印字時に記録ヘッ
ドを封止するキャッピング手段を、また９は記録用紙を
示す。
【００１２】図２は、インクジェット式印刷ユニット６
の一実施例を示すものであって、図中符号１０は、印刷
ユニット本体を構成するフレームで、大略インクカート
リッジ２０を収容するインクカートリッジ収容室１１を
形成する容器として構成されていて、キャリッジ５に対
向するフレーム１０の底面にはインクジェット式記録ヘ
ッド１２が設けられ、また上部の開口にはインクカート
リッジ２０を固定するとともに、収容室１１からインク
カートリッジ２０を引き上げるインクカートリッジ固定
レバー１３が設けられている。
【００１３】図３は、インクカートリッジ２０を収容し
た状態を示すものであって、フレーム１０にはその底部
にインク供給針１４が立設されていて、インクカートリ
ッジ２０がカートリッジ収容室１１にセットされると、
インク供給針１４がインク供給口２１に液密に嵌合し、
インク供給路１５を介して記録ヘッド１２にインクカー
トリッジ２０からインクを供給できるように構成されて
いる。
【００１４】記録ヘッド１２は、フレキシブルケーブル
１６を介して端子基板１７に接続されていて、キャリッ
ジ１に設けられた接続端子を介して駆動回路からの信号
を受けるようになっている。
【００１５】図４、図５は上述した印刷ユニット６を保
管するケースの一実施例を示すものであって、図中符号
３０は、印刷ユニット６が載置されるケース本体で、こ
れの一側上端には軸３１により回動可能に蓋部材３２が
取り付けられている。
【００１６】ケース本体３０は、印刷ユニット６を挿入
したとき、記録ヘッド１２をガイドする上方に拡開し、
ガイド面３３を備えた凹部３４が設けられ、その底面に
後述するキャッピング手段３５が形成されている。
【００１７】また印刷ユニット６の本体の底面が対向す
る上面３６には、図６に示したように凹部３４を挟むよ
うにして奥側（図中、右側）には印刷ユニット６の幅よ
り若干狭めの間隔で２つの突起３７、３７がガイド面３
３の上端の稜線３３ａに合わせて形成され、また手前側
（図中、左側）には印刷ユニット６と直接接触する対称
線上に形成された凸条体３８ａと、これよりも若干高さ
が低い第２の凸条体３８ｂが形成されている。
【００１８】これら突起３７、３７と凸条体３８ａとに
より印刷ユニット６を３点で支持して、記録ヘッド１２
のノズルプレート面が後述するキャッピング手段３５に
平行に当接するように位置決めされる。なお、第２の凸
条体３８ｂは、印刷ユニット６が大きく傾くのを防止す
るためのものである。
【００１９】またケース本体３０の手前側には蓋部材３
２と係合して、蓋部材３２を閉止状態に保持するととも
に、凸部３９ａの押圧により係合を解除する鉤部材３９
が設けられている。
【００２０】一方、蓋部材３２には、一端が固定され、
また蓋部材３２が閉じられたときに他端が印刷ユニット
６の上面に弾接する片持梁状の板バネ４６が設けられて
いる。
【００２１】次ぎに前述のキャッピング手段３５を図５
に基づいて説明する。図中符号４０は、ゴム等の弾性材
料により構成されたキャップで、ノズル開口面の周囲に
弾接する上縁部４０ａを備え、ノズルプレートのノズル
開口を気密状態に維持するカップ状に形成され、また底
部には後述するキャップホルダ４１の通孔４１ｂを有す
る突起４１ｃが表面まで到達するように挿通孔４０ｂが
穿設されている。
【００２２】４１は、キャップホルダで、キャップ４０
の上縁部４０ａを残して周囲を支持する枠体として形成
され、上端４１ａをケース本体に形成された爪３０ａに
より保持されて凹部３４に収容、固定されている。
【００２３】キャップホルダ４１の裏面４１ｄには、図
７に示したように一端が通孔４１ｂに、他端が大気開放
口４２に連通する蛇行する溝４３を設け、これの開口面
を同図（ロ）に示したようにフィルム４４で封止して流
体抵抗路としてのキャピラリを形成するように構成され
ている。なお、図中４１ｂは、挿通孔４０ｂと溝４３と
を接続する孔を示す。
【００２４】この実施例において、蓋部材３２を開けて
記録ヘッド１２を凹部３４に合わせて印刷ユニット６を
挿入すると、記録ヘッド１２の周囲が斜面３３、３３‥
‥にガイドされながら降下して、奥側を突起３７と突起
３７に、また手前側を凸条体３８ａの３点で支持され、
ノズルプレートがキャップ４０に平行に位置決めされて
キャップ４０の上縁部４０ａがノズルプレートに弾接す
る。
【００２５】この挿入の過程で、記録ヘッド１２のノズ
ルプレートが凸条体３８ａ、３８ｂに当たったとして
も、比較的広い面で受け止めるため、ノズルプレートに
損傷を与えることはない。なお、奥側に形成されている
突起３７、３７は、ケース本体３０に壁面３０ｂに近い
ため、印刷ユニットが壁面３０ｂに当たるため、ノズル
プレートに対向することはない。
【００２６】この状態で蓋部材３２を閉めると、ケース
本体３０の鉤部材３９が係合する。これにより印刷ユニ
ット６は、その上面を板バネ４６により下方に弾圧され
るから、ノズル開口を取り囲むようにキャップ４０の上
縁部４０ａがノズルプレートに弾接して、ノズル開口が
キャップ４０により封止される。
【００２７】ノズル開口から蒸発したインク溶媒は、通
孔４１ｂから蛇行して形成された溝４３に流れ込み、こ
の溝４３内で停滞し、キャップ４０内には高い分圧のイ
ンク溶媒が存在することになり、記録ヘッド１２からの
インクの蒸発が可及的に抑制される。
【００２８】一方、気温や、大気圧が変動すると、キャ
ップ４０内は蛇行する溝４３を介して大気開放口４２と
呼吸してインクカートリッジ２０内の圧力と平衡が保た
れることになり、ノズル開口に形成されているメニスカ
スの突出や、後退が防止される。
【００２９】保管されている印刷ユニット６を取り出す
場合には、凸部３９ａを押圧して鉤部材３９と蓋部材３
２との係止を解くと、板バネ４６の付勢力により蓋部材
３２が自動的に上方に移動して開放される。
【００３０】なお、上述の実施例においてはキャピラリ
を、キャップホルダ４１の裏面側に溝４３を形成し、こ
れをフィルム４４により封止して構成しているが、図８
に示したようにキャップ４０とキャップホルダ４１との
当接面の一方、例えばキャップ４０の裏面に溝４５を形
成し、この溝４５を他方の部材の面、この実施例ではキ
ャップホルダ４１の上面で封止したり、また一端がキャ
ップ４０内に連通するようにキャピラリチューブそのも
のを接続しても同様の作用を奏する。
【００３１】図９は、本発明の第２実施例を示すもので
あって、図中符号５０は、フエルト等の多孔質材からな
るインク吸収剤で、キャップホルダ４１の下方の周縁に
充填されている。
【００３２】この実施例によれば、記録ヘッド１２から
漏れ出したインクは、通孔４２から溝４３に流れ込み、
大気開放口から外部に流れ出すが、ここに在るインク吸
収剤に吸収されて保管ケースの外部に漏れ出すのが防止
される。
【００３３】図１０は、上述したようにインク吸収材を
用いる場合に適したキャピラリの一実施例を示すもので
あって、大気開放口４２の近傍に分岐４７を設けて、こ
の分岐４７からインク吸収材５０までの第２の溝４８を
形成してその端部４９をインク吸収材５０に当接させる
ようにしたものである。
【００３４】この実施例において、記録ヘッド１２から
漏れ出したインクがキャップ４０に流れ込むと、このイ
ンクは溝４３を通って分岐４７まで移動し、一方の溝４
８に連通するインク吸収材５０に吸収される。
【００３５】このようにして溝４３、４８内のインクが
吸収され終わると、分岐４７が大気開放口４２と連通す
るため、液体の毛細管力が無くなり、記録ヘッド１２か
ら無用にインクを吸い出してしまうのを防止することが
できる。
【００３６】図１１は本発明の第３の実施例を示すもの
であって、図中符号５２は、インク溶媒の蒸発を抑止す
る液体、例えば水ｗを貯蔵するタンクで、必要に応じて
フエルト等の多孔質材５３が収容されていて、チューブ
等の流路５４によりキャップ４０に連通されている。な
お、図中符号５５は、タンク５２に形成された連通孔を
示す。
【００３７】この実施例によれば、タンク５２の液体の
気化によりキャップ４０内がインク溶媒相当の気体の分
圧が可及的に高く維持されるから、記録ヘッド１２から
のインクの蒸発を抑止することができる。
【００３８】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において
は、印刷ユニットを収容したとき記録ヘッドが対向する
位置に、ノズル開口との間に空間を形成するように周縁
が記録ヘッドに弾接し、かつ流体抵抗路を介して大気に
連通するキャップを備えたケース本体と、ケース本体に
開閉可能に設けられ、印刷ユニットをキャップ側に弾圧
する弾性部材を備えたので、ノズル開口からのインクの
蒸発を可及的に防止しつつ、温度や気圧の変動に関わり
なく、記録ヘッドのメニスカスを印刷可能な状態に維持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】交換可能な印刷ユニットを使用するインクジェ
ットプリンタの一実施例を示す図である。
【図２】同上印刷ユニットの一実施例を示す斜視図であ
る。
【図３】インクカートリッジを収容した状態での同上印
刷ユニットの構造を示す断面図である。
【図４】本発明の保管ケースの一実施例を示す斜視図で
ある。
【図５】本発明の保管ケースの一実施例を示す断面図で
ある。
【図６】同上保管ケースの上面の構造を示す図である。
【図７】同図（イ）、（ロ）は、それぞれキャップ手段
に形成されたキャピラリを構成する溝と、これのシール
構造を示す図である。
【図８】キャピラリの他の実施例を示す図である。
【図９】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図１０】キャピラリの他の実施例を示す図である。
【図１１】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
１ キャリッジ ６ 印刷ユニット １０ フレーム １１ インクカートリッジ収容室 １２ インクジェット式記録ヘッド １３ インクカートリッジ固定レバー １４ インク供給針 ２０ インクカートリッジ ２１ インク供給口 ３０ 保管ケース本体 ３２ 蓋部材 ３５ キャッピング手段 ３７ 突起 ３８ａ、３８ｂ 凸条体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯野 正博 長野県諏訪市大和３丁目３番５号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 望月 聖二 長野県諏訪市大和３丁目３番５号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 インク滴を吐出するノズル開口を備えた
    記録ヘッドと、該記録ヘッドにインクを供給するインク
    タンクとを一体に保持させたインクジェット式印刷ユニ
    ットを保管するケースにおいて、 前記印刷ユニットを収容したとき前記記録ヘッドが対向
    する位置に、前記ノズル開口との間に空間を形成するよ
    うに上周縁が前記記録ヘッドに弾接し、かつ流体抵抗路
    を介して大気に連通するキャップを備えたケース本体
    と、前記ケース本体に開閉可能に設けられ、前記印刷ユ
    ニットを前記キャップ側に弾圧する弾性部材を備えた蓋
    部材とからなる保管ケース。
  2. 【請求項２】 前記キャップは、上周縁を露出させるよ
    うにホルダに収容されてケース本体に設けられている請
    求項１の保管ケース。
  3. 【請求項３】 前記流体抵抗路が、前記キャップとホル
    ダとの対向面の少なくともいずれか一方の面、または前
    記ホルダの裏面に蛇行する溝により形成されている請求
    項１の保管ケース。
  4. 【請求項４】 前記流体抵抗路が、キャピラリチューブ
    により構成されている請求項１の保管ケース。
  5. 【請求項５】 前記キャップの下方周縁にインク吸収材
    が配置されている請求項１の保管ケース。
  6. 【請求項６】 前記流体抵抗路が大気に連通する流路と
    前記インク吸収材に連通する流路に分岐されている請求
    項５の保管ケース。
  7. 【請求項７】 インク滴を吐出するノズル開口を備えた
    記録ヘッドと、該記録ヘッドにインクを供給するインク
    タンクとを一体に保持させたインクジェット式印刷ユニ
    ットを保管するケースにおいて、 前記印刷ユニットを収容したとき前記記録ヘッドが対向
    する位置に、前記ノズル開口との間に空間を形成するよ
    うに上周縁が前記記録ヘッドに弾接し、かつ流体貯蔵手
    段に連通するキャップを備えたケース本体と、前記ケー
    ス本体に開閉可能に設けられ、前記印刷ユニットを前記
    キャップに弾圧する弾性部材を備えた蓋部材とからなる
    保管ケース。
  8. 【請求項８】 前記印刷ユニットのノズルプレート以外
    の底面と対向する領域には、前記キャップを挟むように
    して一定の間隔をおいた２つの突起と、対称線上に位置
    する凸条体とからなる位置決め部材が形成されている請
    求項１又は請求項７の保管ケース。
JP08081995A 1995-03-13 1995-03-13 インクジェット式印刷ユニットの保管ケース Expired - Fee Related JP3324629B2 (ja)

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