JPH08240831A - ぶれ補正装置 - Google Patents

ぶれ補正装置

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JPH08240831A
JPH08240831A JP7043012A JP4301295A JPH08240831A JP H08240831 A JPH08240831 A JP H08240831A JP 7043012 A JP7043012 A JP 7043012A JP 4301295 A JP4301295 A JP 4301295A JP H08240831 A JPH08240831 A JP H08240831A
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Takeshi Morofuji
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ぶれ補正手段の温度、経時変化による軸摩
擦、変形等の機械的劣化に起因するぶれ補正特性の低
下、個体差によるばらつきを補正し、最適な駆動特性を
得ることにある。 【構成】 角速度検出手段1で検出した角速度を積分回
路203で積分して角変位信号に変換することによつて
ぶれ信号を生成し、このぶれ信号に基づいて可変頂角プ
リズムVAPを駆動することにより、ぶれによる画像の
動きを補正するぶれ補正装置において、可変頂角プリズ
ムに所定のテスト用駆動信号を供給したときの応答特性
から、周波数特性、駆動限界範囲、初期位置のオフセツ
トを検出し、これを補正するキヤリブレーシヨン機能2
07を備えたぶれ補正装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀塩カメラ、ビデオカ
メラ等の撮影装置、あるいは双眼鏡等の光学機器等に用
いて好適な画像の振れ補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、銀塩カメラ、ビデオカメラ等
の撮影装置の分野では、露出設定、焦点調節等、あらゆ
る点で自動化、多機能化が図られ、撮影環境に関わらず
常に良好な撮影を行うことができるようになっている。
【0003】しかしながら、実際に撮影画像の品位を著
しく低下させているのはカメラぶれであることが多く、
近年では、このカメラぶれを補正するぶれ補正装置が種
々提案され、注目を集めているところである。
【0004】ぶれ補正装置は、補正系では光学的補正
と、画像処理による電気的補正とに、また検出系では物
理的な振動検出と、画像の動きベクトル等を用いた画像
処理による検出とに大別される。そしてこれらの組み合
わせの形態が種々提案されている。
【0005】いま光学的ぶれ補正を例にして説明する
と、そのぶれ検出手段として例えば振動ジャイロ等の角
速度検出手段を備え、角速度センサから出力される速度
信号を積分して角変位信号に変換し、光軸方向を可変の
可変頂角プリズム等の光学的ぶれ補正手段を駆動してぶ
れを光学的に補正する構成がとられている。
【0006】このような光学的ぶれ補正装置は、通常ぶ
れ補正を行うためのぶれ補正用コントロール信号によつ
て可変頂角プリズムを駆動し、同時に可変頂角プリズム
の角変位を検出してコントロール信号に対応した位置と
なるまで駆動するようなフイードバツクループを有して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
可変頂角プリズムの様な光学的、機械的なぶれ補正手段
を用いるぶれ補正装置においては、特に機械的可動部分
の温度、経時変化により、軸摩擦、素子の変形等の機械
的劣化を伴い、比較的微小なぶれ(例えば光軸を微小
(後述の実施例では0.03deg程度)変位して偏光
する場合)に対し、制御上無視できないほどの応答(追
従)性の劣化が生じてしまう場合がある。また可変頂角
プリズム及びその駆動系の個体差も大きい。
【0008】これらの機械的な性能の低下、ばらつき
は、サーボ機構により制御される可変頂角プリズム用い
たぶれ補正装置においては、その制御上の中心位置が、
温度、経時劣化等の負荷変動の影響によりずれを生じる
不都合となる。
【0009】また可変頂角プリズムの駆動限界範囲が、
温度、経時による素子の変化あるいはバッテリーの消耗
により変動してしまう不都合を生じる。
【0010】また光軸調整時のばらつきが大きいため、
能力の高くない1チップ・マイクロコンピュータからの
出力信号のオフセットによる調整のみでは吸収しきれな
い場合がある。
【0011】そこで本発明における課題は、上述の問題
点を解決し、ぶれ補正手段の温度、経時変化による、軸
摩擦、素子の変形等の機械的劣化や、応答の遅れ等を補
正するとともに、駆動系の個体差によるばらつき等を補
正し、常に良好な応答特性を確保し得るようなぶれ補正
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本願の請求項1に記載された発明によれば、ぶれ
を検出するぶれ検出手段(実施例では角速度検出手段1
に相当する)と、前記ぶれ検出手段の出力に基づいて、
ぶれによる画像の動きを補正する動き補正手段(実施例
ではマイコン20内の主に積分手段203、位相/利得
補正手段204、ぶれ補正ブロツク30内の駆動回路
4、画像補正手段5に相当する)と、所定の駆動信号に
対する前記動き補正手段の応答特性を検出し、その検出
結果に基づいて前記動き補正手段の駆動特性を補正する
制御手段(実施例ではマイコン20内のキヤリブレーシ
ヨンブロツク207に相当する)とを備えたぶれ補正装
置を実現する。
【0013】また本願の請求項2に記載された発明によ
れば、請求項1において、前記制御手段(実施例ではマ
イコン20内のキヤリブレーシヨンブロツク207に相
当する)は、前記駆動信号に対する前記動き補正手段の
応答振幅及び位相ずれを検出し、該応答振幅及び位相ず
れに応じて、前記動き検出手段及び前記動き補正手段か
らなる制御系の伝達周波数特性を変更する(実施例では
位相/利得補正手段204の周波数特性を変更する処理
に相当する)ように構成されている。
【0014】また本願の請求項3に記載された発明によ
れば、請求項2において、前記制御手段(実施例ではマ
イコン20内のキヤリブレーシヨンブロツク207に相
当する)は、前記駆動信号に対する前記動き補正手段の
応答振幅及び位相ずれを検出し、該応答振幅及び位相ず
れに応じて、前記動き検出手段及び前記動き補正手段か
らなる制御系の伝達の利得及び位相を補正する(実施例
では位相/利得補正手段204の利得及び位相の周波数
特性を変更する処理に相当する)ように構成されてい
る。
【0015】また本願の請求項4に記載された発明によ
れば、請求項1において、前記制御手段(実施例ではマ
イコン20内のキヤリブレーシヨンブロツク207に相
当する)は、前記駆動信号に対する前記動き補正手段の
駆動範囲を検出して所定の駆動範囲基準値に対するオフ
セツトを演算し、該オフセツトに応じて前記動き補正手
段の駆動限界範囲を補正する(実施例では位相/利得補
正手段204内のD/A変換器にリミツタを設け、VA
Pが所定範囲以上振れないように制限する処理に相当す
る)ように構成されている。
【0016】また本願の請求項5に記載された発明によ
れば、請求項1において、前記駆動信号は前記動き補正
手段を基準位置に位置させる信号であり、前記制御手段
(実施例ではマイコン20内のキヤリブレーシヨンブロ
ツク207に相当する)は、前記動き補正手段の前記基
準位置に対するオフセツトを検出し、該オフセツトに応
じて前記動き補正手段の初期位置を補正する(実施例で
は、駆動回路4内のD/A変換器4fによつて角変位エ
ンコーダ4eの出力にバイアスをかける処理に相当す
る)ように構成されている。
【0017】また本願の請求項6に記載された発明によ
れば、請求項1乃至5において、前記動き補正手段は、
可変頂角プリズムを含む光学的ぶれ補正手段とした。
【0018】また本願の請求項7に記載された発明によ
れば、請求項1において、前記動き補正手段の動作、非
動作を切り換える切換手段(ISスイツチ7に相当す
る)を備え、前記制御手段は、前記切換手段の切換動作
に応じて前記動き補正手段の駆動特性の補正を行うよう
に構成されている。
【0019】また本願の請求項8に記載された発明によ
れば、請求項1において、前記装置の内蔵電源の残量を
検出して表示する電源検出手段(実施例ではバツテリー
チエツクスイツチ8に相当する)を設け、前記制御手段
は、前記電源検出手段の動作に応じて前記動き補正手段
の駆動特性の補正を行うように構成されている。
【0020】また本願の請求項9に記載された発明によ
れば、請求項7または8において、前記ぶれ補正装置の
接眼部を操作者が観察していることを検出する検出手段
(実施例では観察者検知手段10に相当する)を設け、
前記制御手段(実施例ではマイコン20に相当する)
は、前記検出手段によつて前記操作者が観察しているこ
とが検出されているときには、前記動き補正手段(実施
例ではぶれ補正ブロツク30に相当する)の駆動特性の
補正を禁止するように構成されている。
【0021】また本願の請求項10に記載された発明に
よれば、装置本体と、前記撮像装置本体のぶれを検出す
るぶれ検出手段(実施例では角速度検出手段1に相当す
る)と、前記ぶれ検出手段の出力に基づいて、ぶれによ
る画像の動きを補正する動き補正手段(実施例ではマイ
コン20内の主に積分手段203、位相/利得補正手段
204、ぶれ補正ブロツク30内の駆動回路4、画像補
正手段5に相当する)と、所定の駆動信号に対する前記
動き補正手段の応答特性を検出し、その検出結果と所定
の基準値とのオフセツトを演算する特性検出手段(実施
例ではマイコン20内のキヤリブレーシヨンブロツク2
07に相当する)と、前記特性検出手段によつて演算さ
れたオフセツトを記憶する記憶手段(実施例ではEEP
ROMに相当する)と、前記記憶手段に記憶されたオフ
セツト情報に基づいて前記動き補正手段の駆動特性を補
正する制御手段(実施例ではマイコン20,キヤリブレ
ーシヨンブロツク207に相当する)とを備えた構成と
する。
【0022】また本願の請求項11に記載された発明に
よれば、請求項10において、前記特性検出手段は前記
駆動信号に対する前記動き補正手段の応答振幅及び位相
のオフセツトを検出し、前記制御手段は前記オフセツト
に応じて、前記動き検出手段及び前記動き補正手段から
なる制御系の伝達周波数特性を変更する(実施例では位
相/利得補正手段204の周波数特性を変更する処理に
相当する)ように構成されている。
【0023】また本願の請求項12に記載された発明に
よれば、請求項10において、前記特性検出手段は前記
駆動信号に対する前記動き補正手段の応答振幅及び位相
のオフセツトを検出し、前記制御手段は前記オフセツト
に応じて、前記動き検出手段及び前記動き補正手段から
なる制御系の伝達の利得及び位相を補正する(実施例で
は位相/利得補正手段204の周波数特性を変更する処
理に相当する)ように構成されている。
【0024】また本願の請求項13に記載された発明に
よれば、請求項10において、前記制特性検出手段は前
記駆動信号に対する前記動き補正手段の駆動範囲を検出
して所定の駆動範囲基準値に対するオフセツトを演算
し、前記制御手段は前記オフセツトに応じて前記動き補
正手段の駆動限界範囲を補正する(実施例では位相/利
得補正手段204内のD/A変換器にリミツタを設け、
VAPが所定範囲以上振れないように制限する処理に相
当する)ように構成されている。
【0025】また本願の請求項14に記載された発明に
よれば、請求項10において、前記駆動信号は前記動き
補正手段を基準位置に位置させる信号であり、前記特性
検出制御手段は前記動き補正手段の前記基準位置に対す
るオフセツトを検出し、前記制御手段は前記オフセツト
に応じて前記動き補正手段の駆動特性を補正する(実施
例では、駆動回路4内のD/A変換器4fによつて角変
位エンコーダ4eの出力にバイアスをかける処理に相当
する)ように構成されている。
【0026】
【作用】これによつて、本願の請求項1,2に記載の発
明によれば、ぶれ補正手段の所定のテスト用の駆動信号
に対する応答特性が検出され、理想的な周波数特性に対
する実際の応答特性のずれが補正される。温度、経時変
化による軸摩擦、素子の変形等の機械的誤差に起因する
特性変化が補正される。
【0027】また本願の請求項3に記載の発明によれ
ば、テスト用の駆動信号に対する前記動き補正手段の応
答振幅及び位相ずれを検出し、この応答振幅及び位相ず
れに応じて、前記動き検出手段及び前記動き補正手段か
らなる制御系の伝達の利得及び位相ずれが補正される。
【0028】また本願の請求項4に記載の発明によれ
ば、前記動き補正手段の駆動範囲基準値に対するオフセ
ツトが検出され、動き補正手段の駆動限界範囲が最適値
に補正される。
【0029】また本願の請求項5に記載の発明によれ
ば、前記動き補正手段の前記基準位置に対するオフセツ
トが検出され、前記動き補正手段の初期位置が補正さ
れ、動き補正の偏りが補正され、補正ダイナミツクレン
ジを広くとることができる。
【0030】また本願の請求項6に記載された発明によ
れば、可変頂角プリズムの温度、経時変化、素子の変形
等の機械的誤差による駆動特性の劣化及び変化が良好に
補正され、最適制御を図ることができる。
【0031】また本願の請求項7に記載された発明によ
れば、動き補正手段の駆動特性の検出、補正動作を、動
き補正手段の動作、非動作の切り換え時等にタイミング
良く行うことができる。
【0032】また本願の請求項8に記載された発明によ
れば、動き補正手段の駆動特性の検出、補正動作を、バ
ツテリーチエツク時等の非撮影時にタイミング良く行う
ことができる。
【0033】また本願の請求項9に記載された発明によ
れば、前記ぶれ補正装置の接眼部を操作者が観察してい
ることが検出された場合には、前記動き補正手段の駆動
特性の検出及び補正動作を禁止され、撮影動作を妨げる
ことがなく、常に良好な撮影を行うことが可能となる。
【0034】また本願の請求項10,11に記載の発明
によれば、ぶれ補正手段の所定のテスト用の駆動信号に
対する応答特性が検出され、理想的な周波数特性に対す
る実際の応答特性のオフセツトが検出され、その伝達特
性が補正される。またこのオフセツト情報が記憶されて
以後の制御に用いられるので、常に動き補正手段の動作
を最適な特性で行われ、温度、経時変化による軸摩擦、
素子の変形等の機械的誤差に起因する特性変化が補償さ
れる。
【0035】また本願の請求項12に記載の発明によれ
ば、テスト用の駆動信号に対する前記動き補正手段の応
答振幅及び位相ずれを検出し、この応答振幅及び位相ず
れに応じて、前記動き検出手段及び前記動き補正手段か
らなる制御系の伝達の利得及び位相ずれが補正される。
【0036】また本願の請求項13に記載の発明によれ
ば、前記動き補正手段の駆動範囲基準値に対するオフセ
ツトが検出され、動き補正手段の駆動限界範囲が最適値
に補正される。
【0037】また本願の請求項14に記載の発明によれ
ば、前記動き補正手段の前記基準位置に対するオフセツ
トが検出され、前記動き補正手段の初期位置が補正さ
れ、動き補正の偏りが補正され、補正ダイナミツクレン
ジを広くとることができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を各図を参照しながらその実施
例について詳細に説明する。
【0039】(第1の実施例)図1は本発明におけるぶ
れ補正装置をビデオカメラあるいはカメラ一体型VTR
に適用した構成を示すブロツク図である。
【0040】同図において、1はカメラ等の撮影装置に
取り付けられた振動ジヤイロ等の角速度センサで、角速
度検出手段を構成する。2は角速度検出手段1から出力
される角速度信号の直流成分を遮断するDCカツトフイ
ルタ(あるいは、任意の帯域で信号を遮断するハイパス
・フイルタ(以下、HPFと称す))、3は角速度信号
を適当な感度に増幅するアンプである。
【0041】20はアンプ3より出力された角速度信号
を入力して、後述のぶれ補正ブロツク30内の画像補正
手段としての可変頂角プリズム(以下VAP:Variable
angle prismと称す)を駆動するためのぶれ補正信号を
演算して出力する制御手段としてのマイクロコンピユー
タ(以下マイコンと称す)であり、その内部構成はソフ
トウエアによつて実現されるが、本実施例においては、
本発明を構成する手段及び機能を明瞭とするため、各機
能ごとにブロツクで示すことにする。
【0042】したがつて、マイコン20内の各種ブロツ
ク以外の領域は、図示した各種ブロツクと各種データ及
び指令の通信及び制御を行い、システム全体を総合的に
統括し制御するシステムコントロール部を示すものであ
る。
【0043】マイコン20内において、201はアンプ
3より出力された角速度信号をデジタル信号に変換する
A/D変換器、202は任意の帯域で特性を可変する機
能を有するとともに位相補償の可能なHPFで、ぶれと
して検出する周波数成分を通過させる。
【0044】203は角速度信号を積分してぶれ補正量
に相当する角変位信号に変換するための積分手段(積分
器)、204は積分手段6の出力側に配され、角速度信
号を積分して角変位信号に変換してぶれ補正量を演算す
る系の位相及び利得を補正する位相/利得補正手段を構
成する。
【0045】尚、位相/利得補正手段(回路)204内
には不図示のD/A変換器を備えており、アナログ出力
に変換して出力することができる。そしてこのD/Aの
出力にリミツタをかけてぶれ補正用のコントロール信号
の振幅を制限することにより、後述の可変頂角プリズム
VAPの駆動範囲を制限して温度、経時変化等機械的な
オフセツトを補正し、また双眼鏡の実施例においては、
左右のぶれ補正手段のバランス調節を行うことができ
る。このような駆動範囲補正も制御データ線Cを介して
行うことができる。
【0046】30はマイコン20内の位相/利得補正手
段204より出力された、角変位信号に基づいて、その
ぶれによる画像の動きを補正するぶれ補正ブロツクを示
し、その内部には、画像ぶれを補正する素子、機構及び
これを駆動するアクチユエータ等からなる画像補正手段
5と、この画像補正手段5を駆動するための駆動手段と
しての駆動回路4が設けられている。
【0047】画像補正手段は、駆動回路4の出力にした
がつてぶれによる画像の動きを補正するための駆動用ア
クチユエータを含む可変頂角プリズム5が設けられてお
り、これによつてぶれによる動きを打ち消す方向に光軸
を変位させることによつてぶれによる画像の動きを補正
するものである。
【0048】ここで再びマイコン20内の構成について
説明すると、205はパンニング、チルテイング及び撮
影状態を判別するパン/チルト判別手段(回路)、20
6は角速度信号よりぶれの周波数及び振幅を検出する周
波数/振幅検知手段(回路)である。
【0049】このパン/チルト判別手段205は、HP
F202からの角速度信号と、積分手段(積分器)20
3から出力された角変位信号を入力し、たとえば角速度
信号が一定で、角変位信号が一定の方向に単調増加ある
いは減少している場合に、パンニングあるいはチルテイ
ングを判別することができる。
【0050】またこの判別の際に、同時に周波数/振幅
検知手段206によつて角速度信号及び角変位信号の振
幅及び周波数が検出され、ぶれ周波数が低く、振幅が一
方向に増加あるいは減少している場合に、パンニングあ
るいはチルテイングを判別することができ、この情報は
パン/チルト判別手段205へと供給される。
【0051】そしてパン/チルト判別手段205及び周
波数/振幅検知手段206によつてパンニング,チルテ
イングが検出された場合には、積分手段の積分特性すな
わち低域のカツトオフ周波数を高域側にシフトして低域
のぶれ補正機能を低下させ、パンニング及びチルテイン
グ動作時の動き補正を低下させ、可変頂角プリズムの片
寄りを防止する。
【0052】また周波数/振幅検知手段206によつて
ぶれの周波数を検出することにより、積分手段203の
周波数特性をぶれの中心周波数に設定することにより、
ぶれ周波数が変化しても、そのぶれ周波数に対して最大
のぶれ補正効果が得られるように動作させることがで
き、ぶれの状態に対して最適ぶれ補正制御を行うことが
できる。
【0053】また周波数/振幅検知手段206によつて
検出されたぶれの周波数及び振幅の情報は、位相/利得
補正手段204へと供給され、ぶれ周波数及び振幅に応
じて制御系の積分特性の周波数特性を変化させた際の位
相及び利得の補償を同時に行っているので、常に制御系
の安定性を保つことができ、いかなるぶれに対しても高
い補正能力を実現できるとともに、高精度かつ安定で信
頼性の高いシステムを実現することができる。
【0054】このように、マイコン20内では、A/D
変換器201で、角速度信号(アンプ3出力)をデジタ
ル値に変換し、積分手段203において、角変位信号に
変換する。
【0055】またパン/チルト判別手段205はA/D
変換器201後の角速度信号と積分手段203の出力す
る角変位信号を用いたパン/チルト及び撮影状態の判別
手段を構成し、その判断結果に基づき、積分手段203
の周波数特性を上述のようにパンニング/チルテイング
時に高域側にシフトするように変更し、可変頂角プリズ
ムのパンニング(チルテイング)方向と逆方向の端への
つき当たりを防止し、パンニング中でも高域側でのぶれ
補正を可能とする。
【0056】したがつて、ここでの積分手段203とし
ては、低周波数域の遮断特性を有したものを想定してい
る。
【0057】また周波数/振幅検知手段206は、角速
度信号(A/D変換器201の出力)と角変位信号(積
分手段203の出力)を入力とした周波数および振幅検
出手段であり、その検出周波数、検出振幅により、位相
/利得補正手段204において補正が行われる。
【0058】その補正が施された角変位信号が位相/利
得補正手段204内の不図示のD/A変換器によりアナ
ログ値に変換され、あるいは、PWM等のパルス出力と
してマイコン20から出力され、ぶれ補正ブロツク30
内の駆動回路4へと供給され、VAPからなる画像補正
手段5が駆動される。これによつてぶれが抑制され、安
定した画像を得ることができる。
【0059】尚、上記位相及び利得の補正を、位相/利
得補正手段204で行わずに、図1に点線で示すよう
に、HPF2の周波数特性を可変して行うこともでき
る。
【0060】また7はぶれ補正機能の動作、非動作を選
択するISスイツチで、そのON/OFF状態は、デー
タ線T1によつてマイコン20内に取り込まれる。
【0061】また電源ONはpower on信号となつてデー
タ線T5よりマイコン20内に取り込まれる。
【0062】また8はバツテリーの残量をチエツクする
バツテリーチエツク動作を行うバツテリーチエツクスイ
ツチで、その操作状態はデータ線T2によつてマイコン
20内に読み込まれる。
【0063】また9は後述する本発明の特徴部分である
キヤリブレーシヨン動作を行うためのキヤリブレーシヨ
ンスイツチで、データ線T3によつてマイコン20内に
読み込まれる。
【0064】また10は、操作者(観察者)の眼が本発
明のビデオカメラの接眼部に近づいたことを検出して装
置を動作状態にするための観察者検知手段である。この
検知手段は、図12に示すように、たとえばビデオカメ
ラあるいは双眼鏡等の接眼部130に投受光センサ13
1を設け、赤外線を操作者の眼球EYEに照射し、その
反射光から眼球が近づいたことを知るような構成が用い
られ、近年カメラのオートフオーカス用の測距領域等の
設定に用いられている視線検出装置によつて実現するこ
とができる。またこの検知手段の状態はデータ線T4に
よつてマイコン20内に読み込まれる。
【0065】そしてISスイツチのOFF→ONへの変
更時、あるいは電源投入時等に、HPF2(あるいはH
PF202)、積分回路203の特性(遮断周波数)を
可変制御する。
【0066】また、これらは、後述の記憶手段としての
EEPROM6を用いて、可変頂角プリズム等の個体差
を吸収するため、任意の設定を行ったり、補正関数を変
更する事も可能である。
【0067】ここで、補正ブロツク30内の画像補正手
段として用いられている光学的に光軸方向を変位させて
ぶれを相殺するVAPすなわち可変頂角プリズムについ
て説明する。
【0068】画像補正手段としてVAPを使用した場合
の構成例を図5に示す。これはプリズムの駆動にボイス
コイル型のモーターを使用し、プリズムの角変位をエン
コーダにより検出して帰還をかける閉ループ制御の構成
としたものである。
【0069】図8に示すように、VAPは、対向した2
枚の透明平行板106a、106bの間に透明な高屈折
率(屈折率n)の弾性体または不活性液体117を狭持
し、その外周を樹脂フイルム等の封止材116にて弾力
的に封止して成り、透明平行板106a、106bが揺
動可能に構成されている。
【0070】図9は、図8の可変頂角プリズム106の
一方の透明平行板106aを揺動軸101(111)の
回りに角度σだけ回動させたときの入射光束119の通
過状態を示した図であり、同図に示すように、光軸34
3に沿って入射してきた光束119は楔形プリズムと同
じ原理により、角度φ=(n−1)σだけ偏向されて出
射する。即ち、光軸118は118aで示すように、角
度φだけ偏心(偏向)される。
【0071】図11の説明に戻ると、以上、述べてきた
VAP106を保持枠107を介して101,111を
軸として回動し得るよう、鏡筒102に固定している。
【0072】113はヨーク、115はマグネツト、1
12はコイルであり、コイル112に電流を流すことに
より111を中心としてVAPの頂角を可変し得る、ボ
イスコイル型のアクチュエータとなっている。110は
スリツトであり、回転軸111と同一に動く。
【0073】108は発光ダイオード、109はPSD
(Position Sensing Detecto
r)であり、110のスリツトと合わせて、VAP頂角
の角変位を検出するエンコーダを構成している。そし
て、VAP106によって入射角度が変えられた光束は
103のレンズによって104のCCD面上に結像す
る。なお、105はもう片軸の中心軸を示している。
【0074】これらを用いた基本的な制御系の例を図6
にブロツク図で示す。
【0075】121はアンプ、122はドライバー、1
23はアクチュエータ、124はVAP、125はVA
Pの頂角を検出する角変位エンコーダであり、ぶれ補正
用のコントロール信号120と角変位エンコーダ125
からの出力信号とが加算器126で逆極性で加算され
る。
【0076】したがSつて、コントロール信号120と
角変位エンコーダ125の出力信号とが等しくなるよう
に制御が働くので、結果としてコントロール信号120
がエンコーダ125の出力と一致するように作用する。
【0077】しかしながら、実際は、図5、図6に示す
VAPユニツト(速度フイードバツク補償無し)の周波
数特性は、図10に示す程度のものであり、光軸をそれ
ぞれ0.03deg偏光する場合と、0.1deg偏光
する場合とでは、その周波数特性(利得、位相)が大き
く異なってしまう(図にはないが低周波数帯域ではほぼ
同一の応答を見せる)。
【0078】すなわち、10Hzでは、0.1deg偏
光時に対し、0.03deg偏光時の位相が7deg遅
れてしまっている。
【0079】これは軸摩擦の影響、VAP素子の出来に
起因するもので、機械的改良等により解決されるのが好
ましいことではある。
【0080】しかし、上記によりぶれ補正性能上無視で
きないほどの応答性の劣化が生じてしまうので、制御上
の対策として、後述の図7のフローチヤートで示すよう
に、ぶれ振幅に応じて適当な利得を設定し、機器に加わ
る周期的ぶれの振幅により利得を変更する手段を用いて
いる。
【0081】このような手法を駆使することにより、こ
のように光軸の偏光を機械的駆動により行う機構を持つ
ぶれ補正装置と現状の振動ジヤイロの特性を起因とし
て、比較的不得意とする10Hz以上のぶれでも、良好
な補正が可能となっている。
【0082】実際には、位相進み補正の補正値により、
どのあたりの周波数に当てるかで補正効果は異なってく
る(10Hzに最適化可能である)が、手ぶれ補正を主
体に考えると(周波数適応制御を行わない場合)、10
Hz以上の周波数に対する補正効果は低下してしまう。
【0083】ここで、上記のVAPを画像補正手段とし
て用いた本実施例の制御系を、以下に説明すると、図1
のHPF202、積分手段203、位相/利得補正手段
204は、その特性をマイコン20内において実現する
ためには、デジタル・フイルタを用いれば良く、この様
なデジタルフイルタには、例えば、図11に示す1次I
IRフイルタを使用するなら、 u0 = a0・w0 + a1・w1 w0 = e0 + a2・w1 w1 = w0 (w1は状態変数) e0 : 入力 u0 : 出力 a0,a1,b1:フイルタ係数 の演算により実現でき、フイルタ係数a0,a1,a2
を変えることにより、周波数特性を設定できるので、対
応したフイルタ係数a0,a1,a2のデータをテーブ
ルとして用意し、そのテーブルを検索して得られるフイ
ルタ係数で上記のIIRフイルタの演算を行えばよい。
【0084】そして、HPF202,積分手段203,
位相/利得補正手段204は、ここではデジタルフイル
タ等を使用して実現するので、サンプリング時間が比較
的高くなければならない(例えば1kHz以上)が、パ
ン/チルト及び撮影状態の判別を行うパン/チルト判別
手段205、周波数/振幅検知手段206は比較的遅い
周期(例えば100Hz)の処理に設定すれば良い。
【0085】次に、この回路構成におけるマイコン20
の処理動作について、図7(a),(b)のフローチヤ
ートにより説明する。
【0086】まず、図7(a)は、VAP等の画像補正
手段を駆動制御するぶれ角変位信号演算に関するフロー
チヤートである。
【0087】ステツプS100で処理を開始する。
【0088】ステツプS101でHPF2,アンプ3を
介して角速度検出手段1を構成する角速度センサからの
角速度信号をA/D変換器201によつてデジタル信号
に変換してマイコン20内部に取り込み、ストアする。
【0089】ステツプS102でHPF202の演算係
数(図11の各フイルタ係数に相当する)を不図示のR
OMよりロードする。
【0090】ステツプS103でステツプS101の入
力角速度信号に対してHPF演算を施し、直流成分、オ
フセツト成分を除去する。
【0091】ステツプS104で積分手段203の積分
演算係数を不図示のROMより読み出してロードし、積
分手段203の特性を設定する。
【0092】ステツプS105では、ステツプS103
でHPF演算の施された角速度信号を積分回路203で
上記積分係数による積分演算を行い、角変位信号に変換
する。
【0093】この際、前述したように、周波数/振幅検
知手段206によつて検出したぶれ周波数及び振幅に応
じたぶれ補正特性を積分手段203に持たせることがで
き、ぶれ周波数に応じた最適のぶれ補正信号を得ること
ができる。
【0094】ステツプS106でステツプS104で求
められた角変位信号をストアする。
【0095】ステツプS107で位相/利得補正手段2
04の位相及び利得補正係数をロードし、位相/利得補
正手段204の補正特性を決定し、制御系の特性に最適
な位相/利得補正を行う。
【0096】ステツプS108でステツプS105で得
られた角変位信号に、振動周波数・振幅、撮影状態の判
断に応じた補正演算を施し、ぶれ補正用のコントロール
信号を生成する。
【0097】具体的には、ぶれの中心周波数を検出して
その周波数にぶれ補正手段のぶれ抑制力の周波数特性を
合わせる。これによつてそのぶれ周波数に対して効果的
にぶれ補正を行うことができる。
【0098】ステツプS109では、ステツプS108
で得られたコントロール信号を、位相/利得補正回路内
のD/A変換器(不図示)によりアナログ値に変換し、
あるいは、PWM等のパルス出力(不図示)としてマイ
コン20より出力する。
【0099】ステツプS110では、後述の図10
(b)の処理において用いられる、振動周波数及び振幅
検出等の演算に使用する角速度信号に、ノイズが大きい
場合に、そのノイズを除去するために、角速度信号にL
PF演算を施す。
【0100】ステツプS111では、ステツプS110
で求めた角速度信号をストアし、次の動作に備える。
【0101】ステツプS112は、処理の終了を示すも
のである。
【0102】次に、パン/チルト判別回路205及び周
波数/振幅検知手段206による振動周波数・振幅検
出、パン/チルト及び撮影状態の検知、各演算係数の設
定等に関する処理を、図7(b)のフローチヤートに示
す。
【0103】ステツプS113で、処理を開始する。
【0104】ステツプS114では、図7(a)のステ
ツプS111でストアされた角速度信号をロードする。
【0105】ステツプS115では、ステツプS106
でストアされた角変位信号を読み出してロードする。な
お、ステツプS114,S115の順序は逆でもよい。
【0106】ステツプS116では、ステツプS11
4、S115の角速度信号、角変位信号を入力として、
機器に加わっているぶれ中心周波数及び振幅を検出す
る。
【0107】ぶれ振幅は、サーボ機構で駆動されるVA
P等の画像補正装置で、微小な振幅でサーボ特性が低下
(追従振幅の減少すなわち不感帯内で追従できなくな
る)したときの補正処理などに有効である。
【0108】例えば、サーボ機構により制御されるVA
Pを用いたぶれ補正装置では、機械的構造、軸摩擦等に
より比較的微小なぶれ(例えば0.03deg以下)に
対し、ぶれ補正性能上無視できないほどの応答性の劣化
が生じてしまうので、ぶれ振幅に応じて適当な利得を設
定し、機器に加わる周期的ぶれの振幅により利得を変更
する手段を用いている。
【0109】ステツプS117では、ステツプS11
4、S115の角速度信号、角変位信号、ステツプS1
16で検出したぶれ中心周波数及び振幅を入力として、
パン/チルト及び撮影状態の判断を行う。
【0110】ステツプS118では、パン/チルト及び
撮影状態の判断結果から、HPF演算係数及びの積分手
段の積分演算係数の設定を行う。すなわちパン/チルト
状態であつた場合には、積分手段の低域カツトオフ周波
数を高域側にシフトし、低域のぶれに対する積分を抑制
する。これによつて直流分を含む超低域の振動(パンニ
ング/チルテイング)に対する補正が行われなくなり、
VAPの端へのつき当たりが防止される。
【0111】また、ステツプS116で求められたぶれ
中心周波数、振幅により、周波数補正係数を設定する。
【0112】以上の処理を行って、ステツプS119で
一連の処理を終了する。
【0113】なお、これらのパン/チルト及び撮影(観
察)状態に応じた係数は経験上求められ、予め用意され
たデータ・テーブルを検索する。これに対して、周波数
補正係数は予め周波数毎に設定されたデータテーブルよ
り検索される。そして図11で示すようなマイコン20
ないに形成されたデジタルフイルタの係数を変更して周
波数特性を変更する。
【0114】しかしながら、上述のように、ぶれ補正ブ
ロツク30内において、画像補正手段5としての可変頂
角プリズムを駆動するアクチユエータとしては、ボイス
コイルモータ等を使ったサーボ機構により駆動される頂
角プリズム(光学的駆動手段)では、コントロール信号
への追従性を向上させるために、サーボ制御の手法であ
る位相進み遅れ補償、速度フイードバツク補償とループ
ゲインの変更を用いて周波数特性の向上(追従性の向
上)が図られているが、機械的構造、軸摩擦等により比
較的微小なぶれ(例えば0.03deg以下)に対し、
ぶれ補正性能上無視できないほどの応答性の劣化が生じ
てしまう。
【0115】そこで、ぶれ振幅に応じて適当な利得を設
定し、機器に加わる周期的ぶれの振幅により利得を変更
している。
【0116】しかしながら、上述のように、温度や経時
変化に起因した、軸摩擦、素子の変形等の機械的劣化に
より、比較的微小なぶれ(例えば0.03deg以下)
に対し、性能上無視できないほどの応答(追従)性の劣
化が生じてしまう場合があるとともに、VAP間のばら
つきも大きい。
【0117】またサーボ機構により制御されるVAPを
用いたぶれ補正装置においては、その制御上の中心位置
が、温度、経時劣化等の負荷変動によりずれてしまうこ
ともあり、またVAPの駆動限界範囲が、温度、経時に
よる素子の変化、バツテリーの消耗によつて変動してし
まう。
【0118】また光軸調整時のばらつきが大きいため、
1チツプマイクロコンピユータからの出力信号のオフセ
ツトによる調整のみでは、吸収しきれない場合がある。
【0119】これらの多くの問題を解決するために、本
発明の実施例によれば、以下に示すような、ぶれ補正特
性測定機能、キヤリブレーシヨン機能を導入している。
【0120】このキヤリブレーシヨン機能は、マイコン
20内に設けられたキヤリブレーシヨンブロツク207
によつて実現され、このキヤリブレーシヨンブロツク2
07は、ぶれ補正ブロツク30内の駆動回路4と制御及
びデータバスBによつて接続されて双方向に通信可能に
構成されており、駆動回路4へと画像補正手段5内の可
変頂角プリズムを任意の周波数及び振幅の基準駆動信号
で強制的に駆動するためのテスト信号を供給し、その応
答特性を受信して可変頂角プリズムのばらつき、経年変
化、各種特性のずれを補正する動作を行うものである。
【0121】またキヤリブレーシヨンブロツク207は
VAPの応答特性を検出して、制御系の周波数特性(利
得、位相)を補正するため、位相/利得補正手段204
の周波数特性を変更する手段を有しており、その制御指
令は、バスBから分岐して位相/利得補正手段204へ
と接続される制御データ線Cによつて供給される。これ
によつてVAPの位相遅れ、利得の誤差が補正される。
【0122】またISスイツチ7、バツテリーチエツク
スイツチ8、キヤリブレーシヨンスイツチ9、撮影者検
知手段10の操作状態を示すデータ線T1〜T5は、キ
ヤリブレーシヨンブロツク207へと供給されており、
これらの信号に応じてキヤリブレーシヨン動作を行うこ
とが可能である。
【0123】またいずれのスイツチに応じてキヤリブレ
ーシヨンを行うかは、自由に設定することができる。詳
細は後述する。
【0124】キヤリブレーシヨンブロツクは、VAPを
任意の周波数及び振幅で駆動し、基準駆動信号に対する
応答振幅及び位相ずれを検出し、その応答振幅及び位相
ずれに応じ、制御データ線Cを用いて補正係数を位相及
び利得補正手段204へと送信し、その周波数特性を変
更し、利得、位相ずれを補正する。
【0125】この基準駆動信号は、予めマイコン内蔵R
OMに波形を書き込んでおき、測定時に読み出して使用
し、同じく内蔵のA/D変換器を使って応答波形を取り
込み、基準信号との比較により周波数特性を求めれば良
い。よって、キヤリブレーシヨン機能の追加による素子
の増加を伴うことは無い。
【0126】尚、図1から明らかなように、ぶれ検出系
及びぶれ補正系は、YAW方向と、PITCH方向の2
系統が設けられており、それぞれ独立してぶれを検出
し、補正する動作を行うが、補正するぶれの方向が異な
るだけで、その制御系の構成自体は全く同一でよい。
【0127】したがつて、本実施例では、YAW方向の
ぶれ補正系についてのみ説明し、PITCH方向につい
ては、YAW方向の構成に対応させて各構成要素に符号
を付し、符号にダツシュ『 ’』をつけて図示し、説明
は省略する。
【0128】またYAW方向とPITCH方向とで、画
像補正手段を別個に設けているが、VAP等のぶれ補正
手段はもちろん共通のもので、各ぶれ補正方向に対し、
VAP駆動用のアクチユエータが別個に設けられている
ことは言うまでもない。
【0129】またさらに図13,図14に示すような双
眼鏡に本発明を適用した場合には、VAPを含むぶれ補
正系を左右で2系統備えているため、図1のYAW方
向、PITCH方向いおけるぶれ補正系がもう1組設け
られているが、構成自体は同一であるため、図示及び説
明を省略し、図18にその概略のみ図示し、後述する。
【0130】また図1において、208は通常のぶれ補
正動作を行う場合には、位相/利得補正手段204の出
力をぶれ補正ブロツク30へと供給し、後述のキヤリブ
レーシヨン動作を行う場合は、キヤリブレーシヨンブロ
ツク207より出力される駆動波形をぶれ補正ブロツク
30へと供給すべく、バスBをぶれ補正ブロツクに接続
するよう、各種制御及びデータ線を切り換える切換ブロ
ツクである。この切換ブロツク28がぶれ補正ブロツク
30に対する入出力ポートとなる。
【0131】図2に、特性測定、キヤリブレーシヨン動
作を行うキヤリブレーシヨンブロツク207及びぶれ補
正ブロツク30内の駆動回路4の内部構成及び接続関係
をブロツク図で示す。
【0132】キヤリブレーシヨンブロツク207内の構
成について見ると、ROM207aには予めテスト用の
VAP駆動波形が記憶されており、駆動信号発生回路2
07bは、ROM207aよりVAP駆動波形を読み出
して、所定の周波数及び振幅のVAP駆動波形をバスB
を介して駆動回路4へと出力する。またこのテスト用V
AP駆動波形は後述のオフセツト補正回路207cにも
供給される。
【0133】207cは駆動信号発生回路207bによ
つて発生されたテスト用VAP駆動波形に対するVAP
の実際の応答特性を検出する周波数特性検出手段と、V
AP駆動波形とその応答特性とを比較してその制御系の
位相、周波数のずれ、VAPの光軸中心のずれ、VAP
の駆動範囲のずれ等を検出し、これらのオフセツトを補
正するオフセツト補正手段からなるオフセツト補正回路
である。
【0134】またオフセツト補正回路207cは、VA
Pの駆動系の周波数,位相特性を検出した結果をEEP
ROM6に記憶し、またその記憶した特性すなわちオフ
セツト情報を次回の使用の際に読み出して、VAP駆動
回路の特性を補正し、常にVAPが最適な特性で駆動さ
れるように制御する。
【0135】またオフセツト補正回路207cは、テス
ト用VAP駆動信号と、これに対する実際のVAPの応
答信号を角変位エンコーダ4eより読み込み、図3で見
て振動波形の中心が0レベルからオフセツトしていた場
合には、テスト用VAP駆動信号とVAPの応答波形の
振動の中心となる基準レベル(0レベル)が等しくなる
ように、テスト用VAP駆動信号のレベルをシフトさせ
るよう、そのオフセツト量の情報を駆動信号発生手段2
07bへと供給する。
【0136】これによつて、図3において、テスト用V
AP駆動波形と応答波形との位相遅れを正確に検知する
ことができる。
【0137】このEEPROM6内の記憶値は、キヤリ
ブレーシヨン動作を行う度に更新されるため、経時変化
や温度変化等の環境変化に際しても最適の駆動状態を得
ることができる。また製造時から変化しない情報は、変
更を要しない。
【0138】一方、駆動回路4内の構成について見る
と、4aは位相補償回路、4bはアンプ、4cは画像補
正手段5としてのVAPを駆動するためのドライバーで
ある。
【0139】4dはVAPの角速度を検出する角速度エ
ンコーダであり、この角速度を図の様にアンプ4の入力
側に加算器4hによつてフイードバツクすることで速度
フイードバツク補償を行っている。
【0140】4eは画像補正手段5としてのVAPの移
動量を検出する角変位エンコーダであり、図のように位
相遅れ進み補償回路4aの入力側にフイードバツクし、
変位ループが構成されている。
【0141】この角変位エンコーダ4eの出力値のオフ
セツト調整、D/A変換器25により角変位エンコーダ
4eにバイアスを与えることにより、VAPの頂角変位
を変更し、光軸ずれを補正することができる。
【0142】また角変位エンコーダ4eの出力は、キヤ
リブレーシヨンブロツク207内のオフセツト補正回路
207cへと供給され、角変位エンコーダ4eから供給
された信号と、VAP駆動波形とを比較し、駆動回路4
を含むVAPの周波数特性を演算し、かつ光軸のオフセ
ツトを補正する。この光軸補正はD/A変換器4fを介
して角変位エンコーダ4eにバイアスを与えることによ
つて頂角を可変して行う。EEPROM6はこれらの調
整値すなわちオフセツト情報を記憶する。
【0143】図3に位相遅れの測定方法の一例を示す。
まずキヤリブレーシヨンブロツク207より出力される
テスト用のVAP駆動波形(疑似ぶれ信号)に対するV
AP応答波形のオフセツトをキヤンセルする。
【0144】図3に示すように、疑似ぶれ信号及びVA
P応答波形各々の中心値とクロスするタイミングの時間
差tnを測定し、設定期間Tでの平均により算出する。
【0145】また、特性測定、キヤリブレーションを行
うタイミングとしては、単独で専用スイツチ(キヤリブ
レーシヨンスイツチ9)を設け、任意の時刻にキヤリブ
レーシヨンを行うようにすることができる他、観察者検
知手段10のように、図12に示すような投受光センサ
131で眼球EYEの反射を検出して撮像動作が行われ
ようとしていることを検出する視線検知手段等を使用し
て観察者が覗いているか否かを判断し、観察者が覗かず
に、ISスイツチ7、バツテリーチエツクスイツチ8が
押された場合に、キヤリブレーシヨンを開始し、該応答
振幅及び位相ずれの検出を行うことが考えられる。
【0146】すなわち観察者が撮影あるいは被写体を見
ている状態ではキヤリブレーシヨンは行わず、観察者が
見ていないときに行うようにすることにより、不自然な
画像を見ることを防止している。
【0147】次に、この実施例における特性測定、キヤ
リブレーシヨン動作時のマイコン20の処理について、
図2のフローチヤートにより説明する。これはキヤリブ
レーシヨン用に専用のON/OFFスイツチ(キヤリブ
レーシヨンスイツチ9)を用いずにキヤリブレーシヨン
を行っている例である。
【0148】ステツプ200で処理を開始する。
【0149】ステツプ201では、ISスイツチ7の状
態が検出され、ONであれば次のステツプ202へ進
む。
【0150】ステツプ202では、観察者検知手段(接
眼部センサー)10により、操作者(観察者)によりフ
アインダの観察が行われているか否かを判断し、観察が
行われていれば、ステツプ211に示す通常のぶれ補正
動作ルーチンに移行する。観察が行われていなければ、
ステツプ203へと移行して、キヤリブレーシヨン動作
が実行される。
【0151】ここで、誤操作等により、ある一定時間内
に何回もキヤリブレーシヨン動作を行わないように、2
回目以降はステツプ203へと移行せずに、ステツプ2
01へと復帰するように構成してもよい。
【0152】ステツプ203では、マイコン20内のキ
ヤリブレーシヨンブロツク207より、VAPの光軸が
撮像系の光軸と一致するようなVAPセンター基準保持
信号を出力する。初期調整では、この時VAPの偏光が
光学中心となっているが、図5に示すような、サーボ機
構により制御されるVAPでは、温度、経時変化による
軸摩擦、素子の変形等の機械的劣化等を主要因として、
実際には制御位置がずれてしまう。
【0153】これによりVAPをその光軸中心に位置さ
せるセンター基準位置保持信号を加えた場合、光束が光
学中心から偏光した状態となる。
【0154】ステツプ204は、光学偏光のオフセツト
補正を行う処理である。すなわち、上記の現象に対応す
るため、頂角センサーの出力が、初期調整で得た光学中
心位置の記憶値となるようにように、VAPセンター基
準保持信号にオフセツトを加え補正する。この補正オフ
セツト値をEEPROM6等に記憶する。
【0155】ステツプ205では、マイコン20内のキ
ヤリブレーシヨンブロツク207より疑似駆動波形を出
力する。
【0156】この時、疑似駆動波形をキヤリブレーシヨ
ンブロツク207内のROM207a上に記憶しておく
ことにより、種々の駆動波形(振幅、周波数)を設定可
能である。
【0157】ステツプ206では、VAPの頂角変位を
検出する角変位エンコーダ4eから出力された角変位信
号をバスBを介してA/D変換器(オフセツト補正回路
207eに内蔵)によりオフセツト補正回路207e内
部に取り込む。
【0158】ステツプ207では、駆動波形発生回路2
07bより供給したVAP駆動波形(疑似駆動波形)
と、これに対するVAPの応答波形とを比較し、図3で
説明したように、応答特性のずれ、すなわち利得及び位
相遅れを求める。
【0159】ステツプ208では、ステツプ207で検
出されたVAPの応答特性すなわち周波数特性を演算
し、その演算結果から、最適な補正パラメータ(周波数
特性補正係数)を予め用意された複数の周波数補正係数
を格納したデータテーブルより選びだす。
【0160】ステツプ209では、その周波数補正係数
をEEPROM6等に記憶する。すなわち通常のぶれ補
正動作のルーチンにおいては、前記EEPROM6内に
記憶された補正パラメータ(データテーブル)を用いて
制御され、機械的誤差、素子自体の経時変化があつて
も、その誤差を補正して最適な特性で動作させることが
できる。
【0161】ステツプ210でキヤリブレーシヨン動作
を終了し、処理を終わる。
【0162】上述のキヤリブレーシヨン動作において、
VAP駆動波形(疑似駆動波形)の測定周波数及び振幅
は任意に設定可能であるが、特性を認識するのに代表的
な周波数、振幅にしたがつて、1,2点測定すれば良
い。例えば、図10に示す程度の特性であれば、10H
z、±0.1degでの測定により補正パラメータを選
べば良いであろう。
【0163】以上の構成により、温度、経時変化によ
る、軸摩擦、素子の変形等の機械的劣化に対応した、最
適なぶれ補正(適応制御)が可能となる。
【0164】(第2の実施例)以上は、主に周波数特性
に関するキヤリブレーシヨン手段であるが、この他、駆
動範囲に対するキヤリブレーシヨンも有効である。
【0165】すなわちVAP素子等の、温度、経時劣化
により、駆動範囲(偏光可能範囲)が初期状態と比べ、
狭まってしまう場合があるからである。これは、VAP
ユニツトを単一で使用する場合においては、ぶれ補正範
囲の低下が主問題となるが、特に以下に示すような複数
組のVAPユニツトを使用する双眼鏡では、左右の光学
系の間で観察視野の違い等を引き起こし、観察者に不快
感を与えかねなくなる。
【0166】まず独立した2組以上の画像補正手段を有
する光学機器の一例として、図13に、左右独立した2
組の可変頂角プリズムユニツトを内蔵した双眼鏡の斜視
図を示す。
【0167】同図において、400は双眼鏡本体、40
1L,401Rは対物レンズユニツト、402L,40
2Rは双眼鏡本体400に設けられた一対の接眼プリズ
ムユニツト本体である。
【0168】また、対物レンズユニツト401L,40
1Rとの間には視度・フォーカス調整機構403が設け
られている。
【0169】また404はフォーカス調整リング、40
5は視度調整リングである。
【0170】そして、双眼鏡本体200には垂直方向の
ぶれを検出するぶれ検出センサ、水平方向のぶれを検出
する検出センサが固定されている。
【0171】また、7はぶれ補正の動作・非動作を操作
する補正操作スイツチであり、例えば、押圧により操作
される。
【0172】ここで、ぶれ補正装置の双眼鏡への配置例
について図14に示す。301はフォーカスレンズを含
む対物レンズ群、302LはVAPユニツト、303は
正立プリズム、304は接眼レンズ群、306は制御回
路基板、305はぶれ補正装置に電力を供給するバツテ
リーである。
【0173】VAPユニツト302L,302Rはレイ
アウト上、機械構造的に、対称に配置されている。つま
り、構造的に、左右の慣性力が異なってしまう場合があ
る。
【0174】以下にマイコン20によるキヤリブレーシ
ヨン動作を説明するが、本実施例は、双眼鏡であり、図
1に示すようなYAW、PITCH方向のぶれ補正ブロ
ツクを左右2組備えている。
【0175】したがつて、前述の第1の実施例に示すよ
うなぶれ補正系が単独(VAP単体のキヤリブレーシヨ
ン)の場合だけでなく、左右のぶれ補正系のバランス調
節が重要である。
【0176】図1では、単一のぶれ検出補正系しか記載
していないが、マイコン20内には、図1に示す単一の
ぶれ検出補正系がもう1系統設けられており、それぞれ
双眼鏡の左右のぶれ検出補正系を構成している。そして
この左右のバランス調節もマイコン20によつて行われ
る。
【0177】図18は双眼鏡のぶれ検出補正系の概念を
示すブロツク図である。同図において、右側光学系につ
いて見ると、1R,1R’はそれぞれYAW、PITC
H方向の角速度検出手段、30R,30R’はそれぞれ
YAW、PITCH方向のぶれ補正ブロツクで、右側V
APに接続されている。
【0178】またマイコン20内では、それぞれYA
W、PITCH方向の積分手段203R,203R’、
それぞれYAW、PITCH方向の位相/利得補正手段
204R,204R’が設けられている。
【0179】また左側光学系について見ると、YAW、
PITCH方向の角速度検出手段1L,1L’は、右側
光学系の角速度検出手段1R、1R’と兼用されてい
る。これによつて左右の光学系に対し、左右でばらつく
ことなく同じ角速度信号を供給することができる。30
L,30L’はそれぞれYAW、PITCH方向のぶれ
補正ブロツクで、左側VAPに接続されている。
【0180】またマイコン20内では、それぞれYA
W、PITCH方向の積分手段203L,203L’、
それぞれYAW、PITCH方向の位相/利得補正手段
204L,204L’が設けられている。
【0181】またキヤリブレーシヨンブロツク207は
それぞれ、右側ぶれ補正系のYAW、PITCH方向の
キヤリブレーシヨン及び左側ぶれ補正系のYAW、PI
TCH方向のキヤリブレーシヨンを行い、これらの各キ
ヤリブレーシヨン動作におけるテスト用駆動信号及び通
常ぶれ補正動作時における位相/利得補正手段204
R、204R’、204L、204L’の出力はそれぞ
れ切換ブロツク208でその動作モードに応じて適宜切
換られ、ぶれ補正ブロツクへと供給される。
【0182】またEEPROM6も、これらの計4系統
のオフセツト情報を記憶している。
【0183】マイコン20は、このように左右の光学系
それぞれについてYAW、PITCH方向の位相及び利
得の周波数特性のずれ、駆動範囲の基準値からのずれ、
初期位置(基準位置)からのずれ当からなるオフセツト
情報を検出して、そのオフセツト情報の補正を行うこと
により、左右のぶれ検出補正系個々の駆動特性の補正及
び左右のバランス調整を行うものである。
【0184】以下、本第2の実施例における特性測定、
キヤリブレーシヨン動作時のマイコン上の処理につい
て、図15のフローチヤートにより説明する。ここで
は、電源投入用のスイツチ、キヤリブレーシヨンモード
を指示するスイツチを有するものとする。
【0185】尚、VAPの制御及び駆動系については、
図1、図4の回路構成と同様であり、マイコン20によ
つて処理が実行される。
【0186】処理をスタートし、ステツプS200にお
いて電源投入がなされると、ステツプS201へと移行
し、観察者検知センサー10により、撮影者による観察
が行われているか否か、すなわち撮影者がフアインダを
見ているか否かを判断する。
【0187】そして観察が行われていれば次のステツプ
S202へ進み、通常のぶれ補正動作が行われ、ステツ
プS201へと戻る。
【0188】ステツプS201で観察が行われていなけ
ればステツプS203へ進み、キヤリブレーシヨンスイ
ツチ9の状態を検出し、ONであれば次のステツプS2
04へ進み、OFFであればステツプS205へ進む。
【0189】ステツプS204では、キヤリブレーシヨ
ン終了フラグの状態により、キヤリブレーシヨン動作が
終了しているか否かの判別が行われ、キヤリブレーシヨ
ン動作が終了していれば、ステツプS205へと移行し
て、VAP駆動系の補正動作を停止(VAPをメカ的に
固定)し、ステツプS201へと戻る。これによつて無
駄に補正動作(VAP駆動)を行うことがなく節電効果
がある。
【0190】またステツプS204で、キヤリブレーシ
ヨン終了フラグが立っておらず、キヤリブレーシヨン動
作が終了していなければS206へ進む。
【0191】ステツプS206では、マイコン20のキ
ヤリブレーシヨンブロツクより、VAPセンター基準保
持信号を出力し、上述の第1の実施例における図4で説
明したキヤリブレーシヨン動作と同様に、ステツプS2
07で、左側のVAP区同形の光学偏光オフセツト補正
が行われる。これによつて左側VAPの光軸補正が行わ
れる。
【0192】続いてステツプS208で、左側と同様に
右側の光学偏光オフセツト補正が行われる。これによつ
て右側VAPの光軸補正が行われ、左右のVAPの光軸
オフセツト補正が完了する。
【0193】ステツプS209では、マイコン20内の
キヤリブレーシヨンブロツク207よりVAP駆動波形
(疑似駆動波形)を出力しVAPの可動範囲の確認が行
われる。ここではVAPの可動範囲を確認するためのも
のであるので、通常のVAPの可動範囲よりも大きな振
幅の信号を出力する。
【0194】ステツプS210では、VAP頂角変位を
検出する角変位エンコーダ4eからの角変位信号をA/
D変換器により内部に取り込む。
【0195】ステツプS211では、駆動波形と応答波
形との比較をし、左右のVAP駆動系各々の可動範囲を
測定する。
【0196】ステツプS212では、ステツプS211
で得られた結果から、VAPの駆動範囲を設定し、左右
のVAPの駆動範囲が同じくなるように補正が行われ
る。尚、この左右のVAP駆動系それぞれのオフセツト
補正量は、EEPROM6等に記憶され、次回のデフォ
ルト値とする。
【0197】尚、この場合のVAPの駆動範囲設定は、
図10に示すような特性を、左右同一視野の保たれる範
囲で行われなければならない。すなわち左右のVAPが
同じ特性(駆動限界範囲、初期状態の光軸センターとな
る基準位置で、同じ応答特性を有する範囲)で動作する
ように構成されている。
【0198】VAPの駆動範囲の設定(補正)は、図1
において、位相/利得補正手段204、204’に制御
データ線Cを用いてオフセツト情報を供給し、D/A変
換器にリミツタを設けてダイナミツクレンジを制限し、
ぶれ補正用コントロール信号の振幅に制限を加えること
によつて実現される。
【0199】そしてこの左右のVAPの可動範囲の小さ
い方のVAPの可動範囲よりもさらに小さい範囲に駆動
限界範囲を設定する。これによつて左右のVAPをバラ
ンス良く、さらに可動範囲に余裕を持たせることによつ
て、安定な駆動を行うことができる。
【0200】以上でキヤリブレーシヨン動作を終了し、
ステツプS213で、キヤリブレーシヨン終了フラグを
セツトし、ステツプS201へ戻る。
【0201】実際の適用においては、YAW,PITC
H独立(片方を中心付近に固定)に、左右の駆動範囲を
設定すれば効果が得られる。
【0202】このように、本実施例では、温度、経時変
化による、軸摩擦、素子の変形等の機械的劣化に対応し
た、最適なぶれ補正(適応制御)が可能となり、特にぶ
れ補正光学系を複数有する双眼鏡のような光学系におい
て、個々のぶれ補正系のみならず、左右の補正系のバラ
ンス調整をも同時に行うことができる。
【0203】(第3の実施例)次に、本発明における第
3の実施例について説明する。
【0204】サーボ機構により制御されるVAPユニツ
トを用いたぶれ補正装置では、温度、経時変化、姿勢差
による、軸摩擦、素子の変形等の機械的劣化により、基
準位置保持信号を加えた場合の光束の偏光が、期待され
るもの(初期状態)に対し、オフセツトを持つ。
【0205】これは、単体使用では問題にならないレベ
ルであっても、双眼鏡用として2組で使用する場合に
は、光軸のズレが観察者に不快感を与え兼ねなくなる。
【0206】そこで、本実施例では、キヤリブレーシヨ
ン時はもちろんのこと、特にぶれ補正動作中に、明らか
に左右各々の信号がオフセツトを生じている場合に、左
右の信号が一致するように補正を行うことを可能とした
ものである。
【0207】つまり、IS動作中、良好な追従性の確保
される低周波数域において、ぶれ制御信号に対するVA
Pの左右各々の頂角センサ出力が、ぶれ制御信号に対
し、一定の変位差を保って推移している場合には、オフ
セツトを徐々に変更し補正を行う。
【0208】本実施例においても、VAP制御系の構成
自体は、図1,図4と同様であるため、その説明は省略
する。
【0209】次に、この実施例におけるマイコンで実行
される処理について、図16のフローチヤートにより説
明する。
【0210】図16のフローチヤートの処理は、通常の
ぶれ補正動作中に実行可能であり、ステツプS300
は、ぶれ補正動作中であることを示す。
【0211】ステツプS301において、オフセツト調
整フラグの状態により、オフセツト調整中であるか否か
が判別され、オフセツト調整中であれば、ステツプS3
04へと移行して調整動作を行い、調整中でなければス
テツプS302へと移行する。
【0212】ステツプS302では、マイコン20より
ぶれ補正ブロツク30内のVAP駆動回路4へと供給さ
れるぶれ補正を行うためのVAP駆動信号aと角変位エ
ンコーダ4eから出力された頂角変位センサ信号bを比
較し、初期状態と比較して、その変位量の差が予め求め
られている平均的な設定値cより大きければステツプS
303へ、小さければステツプS300へ戻る。
【0213】ステツプS303では、オフセツト調整フ
ラグをセツトし、ステツプS304で前記の|a−b|
が小さくなるように、オフセツト調整を行う。すなわち
変位量の差が小さくなるように、所定値だけオフセツト
出力を変更する(後述するが、オフセツト出力の補正に
は、専用の調整機構を使用する方法と、マイコン20か
ら出力するVAP駆動信号にオフセツトを加える方法と
がある)。
【0214】ステツプS305では、VAP駆動信号と
頂角センサ信号の変位差が0であるかを調べ、0であれ
ば次のステツプS306へ進み、0でなければステツプ
S300へ戻る。
【0215】ステツプS306では、オフセツト調整フ
ラグをリセツトしてオフセツト調整を終了し、ステツプ
S300へ戻る。
【0216】サーボ機構により制御されるVAPユニツ
トを用いたぶれ補正装置では、温度、経時変化、姿勢差
による、軸摩擦、素子の変形等の機械的劣化により、基
準位置保持信号を加えた場合の光束の偏光が、期待され
るものに対し、オフセツトを持つ。
【0217】これは、単体使用では問題にならないレベ
ルであっても、双眼鏡用として2組で使用する場合に
は、光軸のズレが観察者に不快感を与え兼ねなくなる。
【0218】そこで、本実施例では、キヤリブレーシヨ
ン時はもちろん、ぶれ補正動作中に、明らかに左右各々
の信号がオフセツトを生じている場合に、左右の信号が
一致するように補正を行う。これにより、左右光軸の一
致した良好な観察が可能となる。特に通常のぶれ補正動
作時においてこのオフセツト調整を可能としたので、キ
ヤリブレーシヨン動作を意識させることがなく、操作性
が格段に向上するとともに、画像に違和感がなく、常に
正確な観察を行うことができる。
【0219】(第4の実施例)以下に本発明の第4の実
施例について説明する。図14に示すような2組のVA
Pユニツトを内蔵した双眼鏡では、VAPユニツト30
2L,302Rはレイアウト上、機械構造的に、対称に
配置されている。
【0220】つまり、構造的に、左右の慣性力が異な
る。また、上述のVAPユニツトにおいては、角変位検
出素子の取付誤差により、VAPの光軸中心位置に対す
る角変位検出器の出力がずれてしまうため、これのオフ
セツト調整が必要となる。
【0221】ここで、オフセツトの調整方法としては、
前述のように、初期調整において、マイコンからVAP
センター基準位置保持信号を出力した状態で、VAPを
通過した光束が光学中心となるように調整を行う。これ
は、VAPセンター基準位置保持信号にオフセツトを付
加する事によっても実現できるが、素子、メカ構造に起
因するオフセツトのばらつきの大きさによって、調整範
囲を大きく取らねばならず、ひいてはダイナミツクレン
ジの低下につながってしまう。また、高分解能のD/A
変換器を使用すれば良いが、これは高価である。
【0222】そこで、図2に示すように、外付けの安価
な、またはワンチツプマイコンに内蔵された低分解能D
/A変換器25と、VAP駆動信号へのオフセツト付加
を組み合わせる。
【0223】つまり、安価な低分解能D/A変換器で粗
調整を行い、ぶれ制御信号のオフセツトにより微調整を
行う。
【0224】また、マイコン20で、これら2つの調整
手段をコントロールすることにより、調整時には意識し
なくともよい。これにより、調整範囲が広く、且つ、高
精度のオフセツト調整が行えるようになる。
【0225】またVAPの光学偏光位置信号の測定手段
は、レーザー等によるVAPの通過光をPSD等でうけ
て測定する方法がある。
【0226】次に、この実施例におけるマイコン上の処
理につていて、図17のフローチヤートにより説明す
る。
【0227】(オフセツト調整)処理をスタートし、ス
テツプS401で、VAP光学中心位置信号dとVAP
光学偏光位置信号e(垂直に入射された光の中心位置か
らの偏光変位信号)とを比較し、差が0であればステツ
プS402へ、0でなければステツプS406へ進む。
【0228】ステツプS402では、安価な低分解能D
/A変換器により粗調整を行う。すなわち図2のD/A
変換器4fによつて角変位エンコーダ4eの値に所定の
バイアスをかけ、大まかなVAPの基準位置調整を行
う。
【0229】ステツプS403では、VAP光学中心位
置信号dとVAP光学偏光位置信号eの差が所定値f以
下であれば、ステツプS404へ進む。ここで、fは低
分解能D/A変換器の調整限界値に設定された値であ
る。
【0230】ステツプS404では、マイコン20から
VAP駆動回路4へと供給されるVAP制御信号へのオ
フセツト付加による微調整を行う。ここでの微調整は位
相/利得補正手段204よりぶれ補正ブロツク30へと
供給されるぶれ補正用のコントロール信号のレベルを微
調整することによつて高精度に行われる。
【0231】ステツプS405では、VAP光学中心位
置信号dとVAP光学偏光位置信号e(垂直に入射され
た光の中心位置からの偏光変位信号)とを比較し、両者
の差|d−e|が0であればステツプS406へ進んで
オフセツト調整動作を終了し、ステツプ505で0でな
ければステツプS404へと戻る。ステツプS406
は、調整動作の終了を意味する。
【0232】ここでは、一軸の調整しか述べていない
が、図14に示す双眼鏡では、左右、YAW,PITC
Hの合わせて4軸の調整が必要である。
【0233】サーボ機構により制御されるVAPユニツ
トを用いたぶれ補正装置では、温度、経時変化、姿勢差
による、軸摩擦、素子の変形等の機械的劣化により、基
準位置保持信号を加えた場合の光束の偏光が期待される
ものに対し、オフセツトを持つ。単体では問題にならな
いレベルであるが、双眼鏡用として2組で使用する場合
には、光軸のズレが観察者に不快感を与え兼ねなくな
る。
【0234】そこで、本実施例では、キヤリブレーシヨ
ン時、あるいは、ぶれ補正動作中に、明らかに左右各々
の信号がオフセツトを生じている場合に、左右の信号が
一致するように補正を行う。これにより、左右光軸の一
致した良好な観察が可能となる。
【0235】
【発明の効果】以上述べたように、本願の請求項1,2
に記載の発明によれば、ぶれを検出するぶれ検出手段
と、前記ぶれ検出手段の出力に基づいて、ぶれによる画
像の動きを補正する動き補正手段と、所定の駆動信号に
対する前記動き補正手段の応答特性を検出し、その検出
結果に基づいて前記動き補正手段の駆動特性を補正する
制御手段とを備えることにより、ぶれ補正手段の応答特
性が検出され、理想的な周波数特性に対する実際の応答
特性のずれが補正され、温度、経時変化による軸摩擦、
素子の変形等の機械的誤差に起因する特性変化を補正す
ることができ、個体差のない最適特性を得ることができ
る。
【0236】また光軸の偏光を機械的駆動により行うぶ
れ補正装置が比較的不得意とする10Hz以上でも、よ
り良好な補正が可能となる。
【0237】また本願の請求項3に記載の発明によれ
ば、動き補正手段の応答振幅及び位相ずれを検出し、こ
の応答振幅及び位相ずれに応じて、前記動き検出手段及
び前記動き補正手段からなる制御系の伝達の利得及び位
相ずれを補正したので、温度、経時変化による軸摩擦、
素子の変形等の機械的誤差に起因する周波数特性変化を
補正することができ、個体差のない最適特性を得ること
ができる。
【0238】また本願の請求項4,5に記載の発明によ
れば、前記動き補正手段の駆動範囲及び初期状態に相当
する基準位置に対するオフセツトを検出して、これを補
正するようにしたので、製造誤差、温度、経時変化によ
る軸摩擦、素子の変形等の機械的誤差に起因する駆動範
囲のばらつきが抑えられて最適化が図られるとともに動
き補正の偏りが補正され、補正ダイナミツクレンジを広
くとることができる。
【0239】また本願の請求項6に記載された発明によ
れば、可変頂角プリズムの温度、経時変化、素子の変形
等の機械的誤差による駆動特性の劣化及び変化が良好に
補正され、最適制御を図ることができる。
【0240】また本願の請求項7,8に記載された発明
によれば、動き補正手段の駆動特性の検出、補正動作
を、動き補正手段の動作、非動作の切り換え時、バツテ
リーチエツク時等の撮影中でないときにいにタイミング
良く行うことができ、撮影動作を妨げず、駆動特性の補
正を行うことが可能となる。
【0241】また本願の請求項9に記載された発明によ
れば、前記ぶれ補正装置の接眼部を操作者が観察してい
るときには動き補正手段の駆動特性の検出及び補正動作
を禁止したので、撮影動作を妨げることがなく、常に良
好な撮影を行うことが可能となる。
【0242】また本願の請求項10,11に記載の発明
によれば、ぶれ補正手段の所定のテスト用の駆動信号に
対する応答特性のオフセツトを検出して、その伝達特性
を補正するとともに、このオフセツト情報を記憶して以
後の制御に用いるので、常に動き補正手段の動作を最適
な特性で行われ、温度、経時変化による軸摩擦、素子の
変形等の機械的誤差に起因する特性変化が補償される。
【0243】また本願の請求項12に記載の発明によれ
ば、動き補正手段の応答振幅及び位相ずれを検出し、こ
の応答振幅及び位相ずれに応じて、前記動き検出手段及
び前記動き補正手段からなる制御系の伝達の利得及び位
相ずれを補正したので、温度、経時変化による軸摩擦、
素子の変形等の機械的誤差に起因する周波数特性変化を
補正することができ、個体差のない最適特性を得ること
ができる。
【0244】また本願の請求項13,14に記載の発明
によれば、前記動き補正手段の駆動限界範囲及び初期状
態に相当する基準位置に対するオフセツトを検出して、
これを補正するようにしたので、製造誤差、温度、経時
変化による軸摩擦、素子の変形等の機械的誤差に起因す
る駆動範囲のばらつきが抑えられて最適化が図られると
ともに動き補正の偏りが補正され、補正ダイナミツクレ
ンジを広くとることができる。
【0245】また各請求項の発明によれば、ぶれ補正手
段に光軸調整に価格の安い低分解能D/A変換器を使用
しても、入力角速度信号に対して、ダイナミツクレンジ
の確保と、高分解能を両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示すブロツク図である。
【図2】図1の実施例の要部の構成(キヤリブレーシヨ
ンブロツク及びぶれ補正ブロツク)を示すブロツク図で
ある。
【図3】図2の構成で行われるキヤリブレーシヨン動作
を説明するための図である。
【図4】第1の実施例の動作を説明するためのフローチ
ヤートである。
【図5】VAPを組み込んだ撮影光学系の一例の構成を
示す図である。
【図6】VAPの駆動回路の基本構成を示すブロツク図
である。
【図7】VAPを用いたぶれ補正系の制御動作を説明す
るためのフローチヤートである。
【図8】本発明の実施例を説明するためのVAPの構造
図である。
【図9】本発明の実施例を説明するためのVAPの構造
図である。
【図10】本発明の実施例を説明するためのVAPユニ
ツトの周波数特性を示す図である。
【図11】本発明の実施例におけるHPF,積分手段,
利得/位相補正手段等を構成するデジタルフイルタの構
成を示す図である。
【図12】観察者がフアインダ接眼部を覗いているか否
かを検知する観察者検知手段の構成を説明するための図
である。
【図13】本発明のぶれ補正装置を内蔵した双眼鏡の斜
視図である。
【図14】本発明のぶれ補正装置を内蔵した双眼鏡の透
視図である。
【図15】本発明における第2の実施例を示すフローチ
ヤートである。
【図16】本発明における第3の実施例を示すフローチ
ヤートである。
【図17】本発明における第4の実施例を示すフローチ
ヤートである。
【図18】第2の実施例〜第4の実施例に共通する双眼
鏡のぶれ検出及び補正系の構成を示すブロツク図であ
る。
【符号の説明】
1 角速度検出手段(角速度センサ) 2 HPF 3 アンプ 4 駆動回路 5 画像補正手段(ぶれ補正手段) 6 EEPROM 7 ISスイツチ 8 バツテリーチエツクスイツチ 9 キヤリブレーシヨンスイツチ 20 マイコン 30 ぶれ補正ブロツク 106 VAP 201 A/D変換器 202 HPF 203 積分手段 204 位相/利得補正手段 205 パン/チルト判別手段 206 周波数/振幅検出手段 207 キヤリブレーシヨンブロツク 208 切換ブロツク 400 双眼鏡

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ぶれを検出するぶれ検出手段と、 前記ぶれ検出手段の出力に基づいて、ぶれによる画像の
    動きを補正する動き補正手段と、 所定の駆動信号に対する前記動き補正手段の応答特性を
    検出し、その検出結果に基づいて前記動き補正手段の駆
    動特性を補正する制御手段と、を備えたことを特徴とす
    るぶれ補正装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記制御手段は、前
    記駆動信号に対する前記動き補正手段の応答振幅及び位
    相ずれを検出し、該応答振幅及び位相ずれに応じて、前
    記動き検出手段及び前記動き補正手段からなる制御系の
    伝達周波数特性を変更するように構成されていることを
    特徴とするぶれ補正装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記制御手段は、前
    記駆動信号に対する前記動き補正手段の応答振幅及び位
    相ずれを検出し、該応答振幅及び位相ずれに応じて、前
    記動き検出手段及び前記動き補正手段からなる制御系の
    伝達の利得及び位相を補正するように構成されているこ
    とを特徴とするぶれ補正装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記制御手段は、前
    記駆動信号に対する前記動き補正手段の駆動範囲を検出
    して所定の駆動範囲基準値に対するオフセツトを演算
    し、該オフセツトに応じて前記動き補正手段の駆動限界
    範囲を補正するように構成されていることを特徴とする
    ぶれ補正装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記駆動信号は前記
    動き補正手段を基準位置に位置させる信号であり、前記
    制御手段は、前記動き補正手段の前記基準位置に対する
    オフセツトを検出し、該オフセツトに応じて前記動き補
    正手段の初期位置を補正するように構成されていること
    を特徴とするぶれ補正装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5において、前記動き補正
    手段は、可変頂角プリズムを含む光学的ぶれ補正手段で
    あることを特徴とするぶれ補正装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記動き補正手段の
    動作、非動作を切り換える切換手段を備え、前記制御手
    段は、前記切換手段の切換動作に応じて前記動き補正手
    段の駆動特性の補正を行うように構成されていることを
    特徴とするぶれ補正装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記装置の内蔵電源
    の残量を検出して表示する電源検出手段を設け、前記制
    御手段は、前記電源検出手段の動作に応じて前記動き補
    正手段の駆動特性の補正を行うように構成されているこ
    とを特徴とするぶれ補正装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、前記ぶれ補
    正装置の接眼部を操作者が観察していることを検出する
    検出手段を設け、前記制御手段は、前記検出手段によつ
    て前記操作者が観察していることが検出されているとき
    には、前記動き補正手段の駆動特性の補正を禁止するよ
    うに構成されていることを特徴とするぶれ補正装置。
  10. 【請求項10】 装置本体と、 前記撮像装置本体のぶれを検出するぶれ検出手段と、 前記ぶれ検出手段の出力に基づいて、ぶれによる画像の
    動きを補正する動き補正手段と、 所定の駆動信号に対する前記動き補正手段の応答特性を
    検出し、その検出結果と所定の基準値とのオフセツトを
    演算する特性検出手段と、 前記特性検出手段によつて演算されたオフセツトを記憶
    する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたオフセツト情報に基づいて前
    記動き補正手段の駆動特性を補正する制御手段と、を備
    えたことを特徴とするぶれ補正装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記特性検出手
    段は前記駆動信号に対する前記動き補正手段の応答振幅
    及び位相のオフセツトを検出し、前記制御手段は前記オ
    フセツトに応じて、前記動き検出手段及び前記動き補正
    手段からなる制御系の伝達周波数特性を変更するように
    構成されていることを特徴とするぶれ補正装置。
  12. 【請求項12】 請求項10において、前記特性検出手
    段は前記駆動信号に対する前記動き補正手段の応答振幅
    及び位相のオフセツトを検出し、前記制御手段は前記オ
    フセツトに応じて、前記動き検出手段及び前記動き補正
    手段からなる制御系の伝達の利得及び位相を補正するよ
    うに構成されていることを特徴とするぶれ補正装置。
  13. 【請求項13】 請求項10において、前記制特性検出
    手段は前記駆動信号に対する前記動き補正手段の駆動範
    囲を検出して所定の駆動範囲基準値に対するオフセツト
    を演算し、前記制御手段は前記オフセツトに応じて前記
    動き補正手段の駆動特性を補正するように構成されてい
    ることを特徴とするぶれ補正装置。
  14. 【請求項14】 請求項10において、前記駆動信号は
    前記動き補正手段を基準位置に位置させる信号であり、
    前記特性検出制御手段は前記動き補正手段の前記基準位
    置に対するオフセツトを検出し、前記制御手段は前記オ
    フセツトに応じて前記動き補正手段の駆動特性を補正す
    るように構成されていることを特徴とするぶれ補正装
    置。
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