JP5458521B2 - レンズ鏡筒、レンズ鏡筒の調整方法、光学装置、および光学装置の調整方法 - Google Patents

レンズ鏡筒、レンズ鏡筒の調整方法、光学装置、および光学装置の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、レンズ鏡筒、レンズ鏡筒の調整方法、光学装置、および光学装置の調整方法に関する。
従来、光学装置(カメラ等)のレンズ鏡筒では、高性能化や高変倍比化の要求が高まってきている。このように要求が高度になると、レンズ鏡筒を構成するレンズ等の部品やその組立精度を向上させるだけでは、高度な要求を実現することが困難になりつつある。そこで光学性能を向上させるために、レンズ鏡筒を構成するレンズ等の偏心成分を光軸に合わせ込む調芯がレンズ鏡筒組み立て時に行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−43328号公報
しかし、従来の調芯は、レンズ鏡筒の姿勢が正位置(撮影者が光軸を水平として横長の画像を撮影する場合のカメラの位置)にあるときに行われる。このため、レンズ鏡筒の姿勢を正位置から変更して撮影すると、レンズ鏡筒内の各レンズ等の部品に偏心が生じて収差が発生し、結像性能を悪化させるという問題がある。
上記課題を解決するため、本発明は、レンズに対して相対的に移動可能な補正レンズを含む撮影光学系と、前記撮影光学系を含む装置の姿勢を検出する検出部と、前記姿勢に対応した、前記撮影光学系の収差量が抑えられる前記補正レンズの位置情報を記憶可能な記憶部と、前記検出部により検出された前記姿勢の情報と、前記記憶部に記憶された前記位置情報とに基づき、前記補正レンズを前記撮影光学系の光軸を含む面内方向に回転させるチルト駆動部と、前記撮影光学系のブレによる像のブレを補正する際、前記撮影光学系の光軸と交差する方向に前記補正レンズをシフトさせるシフト駆動部と、撮影指示がなされたときに、前記チルト駆動部により前記補正レンズを回転させた後に、前記シフト駆動部によりブレ補正を行う制御部と、
を備えることを特徴とするレンズ鏡筒を提供する。
また、本発明は、前記レンズ鏡筒を有することを特徴とする光学装置を提供する。
また、本発明は、撮影時に、前記記憶部に記憶された位置に前記補正レンズを駆動することを特徴とする光学装置の調整方法を提供する。
本発明によれば、レンズ鏡筒の姿勢変化によって生じる諸収差を良好に補正し、高い結像性能を達成するレンズ鏡筒と、これを有する光学装置、およびレンズ鏡筒の調整方法、光学装置の調整方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態にかかるレンズ鏡筒、レンズ鏡筒の調整方法、光学装置、および光学装置の調整方法について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、発明の理解の容易化のためのものに過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において当業者により実施可能な付加・置換等を施すことを排除することは意図していない。
図1は、レンズ鏡筒100と、このレンズ鏡筒100の調芯を行う調芯工具200のブロック図である。
調芯工具200は、レンズ鏡筒100の先端側からコリメートされた光を投光する発光部201と、レンズ鏡筒100のマウント部101に取り付けられて発光部201から投光された光をレンズ鏡筒100を介して受光し、光電変換作用により電気信号に変換する撮像素子202とを備える。
また、調芯工具200は、撮像素子202より得られた電気信号を画像情報に変換する画像処理部203と、画像処理部203により得られた画像情報を基に収差量への変換を行い、不図示の画面上(モニタ上)に表示する工具用PC204とを備える。
また、調芯工具200は、工具用PC204からの指令に従い、レンズ鏡筒100全体に所定のチルトを与える鏡筒姿勢駆動ステージ207を備える。
また、調芯工具200は、工具用PC204のモニタ上に表示された収差値を見て作業者が入力を行う、ジョイスティック等のチルト駆動量入力部205を備える。このチルト駆動量入力部205から入力された信号に従い、後述するようにレンズ鏡筒100において補正レンズ102がチルト駆動される。なお、補正レンズ102は、レンズ鏡筒100のブレによる像ブレを補正するブレ補正レンズ(以後、本明細書中ではブレ補正レンズと記す)を共用しているが、ブレ補正レンズとは別体に配置しても良い。
調芯工具200は、チルト駆動量入力部205の信号を基にブレ補正レンズ102の像面移動量情報を後述するレンズCPU103に伝達する工具CPU206を備える。この伝達は、レンズ鏡筒100のマウント部101に設けられた不図示の電極を介して行われる。また、工具CPU206は、レンズCPU103およびブレ補正レンズ102を駆動するための電力も不図示の電極を介して供給する。また、工具CPU206は、後述するレンズ鏡筒100におけるズームエンコーダ107の情報およびズーミングを行う場合のレンズ群104、104の繰り出し量情報(距離エンコーダ108の情報)、姿勢センサ118の情報もレンズCPU103より取り込む。
また、レンズ鏡筒100は、撮影光学系として、撮像素子202上の像のブレを補正するブレ補正レンズ102と、ズーミングの際に移動するレンズ群104、104と、工具CPU206と前述の如き通信を行うレンズCPU103を備える。
レンズCPU103は、内部に、調芯をするための調芯モード用のプログラムを有している。レンズ鏡筒100が調芯工具200に装着されると、レンズCPU103は工具CPU206との通信により接続された事を認識し、調芯モードに移行する。調芯モードヘの移行により、工具CPU206より送られてくるブレ補正レンズ102の像面移動情報を基に、ブレ補正レンズ102の駆動および制御が可能となる。
レンズ鏡筒100は、角速度を検出する角速度センサ105を備える。検出された角速度センサ105の出力は、不図示のローパスフィルタ(LPF)+アンプ部を介して不要な高周波数ノイズを除去し、振れ情報処理部106に入力される。調芯モードでは、角速度センサ105は機能しない。振れ情報処理部106は、角速度センサ105の情報を基に、像ブレ補正に必要な振れ情報を抽出する。
また、レンズ鏡筒100は、レンズ鏡筒100の姿勢を検知するための、三軸の加速度センサ等からなる姿勢センサ118を備える。この姿勢センサ118は、三軸の加速度センサの出力を基に、レンズ鏡筒100のピッチング角度およびローリング角度からなるチルトを検知する。ここで、チルトとは、レンズ鏡筒100の重心を通る鉛直軸と光軸との傾きの変化を言い、光軸位置をゼロとして正負に変化する。なお、姿勢センサ118は、マウント101を介して結合される後述するカメラ本体に内蔵されていても良い。また、姿勢センサ118は、三軸の加速度センサ以外の姿勢を検出可能なセンサであれば種類を問わない。
また、レンズ鏡筒100は、ズームエンコーダ107、距離エンコーダ108、振れ情報処理部106の出力を基にブレ補正レンズ102の目標駆動位置の算出を行う目標駆動位置演算部109を備える。
目標駆動位置演算部109は、工具CPU206より送られてくるブレ補正レンズ102の像面移動情報を、EEPROM116に格納された防振補正係数情報を基にブレ補正レンズ102の移動量情報に変換する。ここで、防振補正係数情報とは、ブレ補正レンズ102の移動量とブレ補正レンズ102の移動による像の移動量との比の情報であり、ズームエンコーダ107および距離エンコーダ108への入力をパラメータとするマトリックス情報として保有される。また、工具CPU206より送られてきた調芯調整値は、目標駆動位置演算部109にてレンズ位置情報に変換されEEPROMLL6に記憶される。
また、レンズ鏡筒100は、目標駆動位置演算部109で算出された目標駆動位置情報を基に、ブレ補正レンズ102の追従制御演算を行う追従制御演算部111と、追従制御演算部111からの信号に従い、VCM113(ボイスコイルモータ)への電流供給を行うVCM駆動部112と、を備える。VCM113は、コイルおよびマグネットからなる電磁駆動アクチュエータであり、コイルに電流を流す事で駆動力を発生する。このVCM113は、ブレ補正レンズ102を光軸と垂直な平面内で駆動する。なお、駆動部はVCM113に限らず、SIDM(超小型アクチュエータ)等のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)型のアクチュエータやSTM(ステッピングモータ)等でもよい。
また、レンズ鏡筒100は、ブレ補正レンズ102の位置を検出する位置検出部114を備える。位置検出は、PSD(光位置センサ)を用いた方法が一般的である。位置検出部114で得られたブレ補正レンズ102の位置は追従制御演算部111にフィードバックされる。なお、位置検出部114は、上述のPSDに限らず、マグネットとホール素子を用いた、磁束密度の変動を検出するものでもよい。
また、レンズ鏡筒100は、撮影者がブレ補正レンズ102の駆動をON/OFF選択するためのSW(スイッチ)であるブレ補正SW115を備える。ブレ補正SW115がON時は、角速度センサ105の出力に従って、レンズ鏡筒100のブレ(例えば、手ぶれ等で生じるブレ)による像面(撮像素子202上)における像ブレを打ち消すようにブレ補正レンズ102を光軸と垂直な平面内でVCM113により駆動する。ブレ補正SW115がOFF時は、光軸とブレ補正レンズ102のセンタが一致する位置で付図示のロック機構により固定される。また、レンズ鏡筒100は、不図示の被写体に自動でフォーカシングを行うAF(オートフォーカス)駆動部117を備える。
また、レンズ鏡筒100は、ブレ補正レンズ102を光軸上の点を支点としてチルト駆動するチルト駆動部122と、このチルト駆動部122を介してブレ補正レンズ102をチルトさせるためのチルト駆動演算部121と、チルト駆動部122の位置を検出するためのチルト駆動部122の位置検出部123(以後、チルト位置検出部123と記す)とを備える。なお、チルト駆動部122は、ブレ補正レンズ102を撮影光学系の光軸を含む面内方向に回転させる様に構成することも可能である。
このチルト駆動演算部121は、EEPROM116からの情報に基づきチルト駆動部122の目標値をチルト駆動部122に指令する。上記参照するEEPROM116の値は、調芯工具200の工具用PC204で鏡筒姿勢駆動ステージ207を傾けた時の姿勢センサ118の姿勢情報と、そのとき設定されているズームエンコーダ107のズーミング情報と、撮像素子202上における収差を所定値以下にしたときのチルト位置検出部123の位置情報とから構成されている。そして、レンズ鏡筒100毎に工場出荷前に調芯工具200により取得されてレンズ鏡筒100のEEPROM116に工具PC206を介して書き込まれている情報である。
チルト駆動部122は、姿勢センサ118とブレ補正レンズ102の位置情報を受けてレンズ鏡筒100の光軸上の点を支点としてブレ補正レンズ102をチルト駆動する。実施の形態では、チルト駆動部122は積層PZTを使用している。
例えば、10’(角度で「分」)のチルト補正をするには、ブレ補正レンズ102の直径が20mmの場合、光軸上の点を支点としてブレ補正レンズ102を14μm移動することが必要となる。積層PZTは、14μm程度の変位を容易に行うことができる。なお、チルト補正角度が同じ10’でもブレ補正レンズ102の直径が小さくなれば、チルト駆動部122の駆動量が小さくて済むことは言うまでもない。
また、チルト駆動部122とチルト位置検出部123とは、ブレ補正レンズ102の中立軸に対して±両方向に駆動できるようにブレ補正レンズ102の外周部の対向する2箇所に配置している。
また、チルト駆動部122とチルト位置検出部123とは、ブレ補正レンズ102の光軸に直交する面内で直交する2軸に対して配置することで、任意の向きにブレ補正レンズ102を傾けることを可能にしている。
また、積層PZTは、ヒステリシスを有するためにチルト位置検出部123で逐次位置検出を行いチルト駆動部122でフィードバック制御を行っている。
なお、チルト駆動部122は、積層PZTに限らず、VCMやSTMなどを使用することも可能である。STMはオープン制御が可能でありチルト位置検出部123が不要になるという利点がある。また、チルト駆動部122の位置を検出するチルト位置検出部123は、実施の形態ではPSDを使用しているが、PSDに限らずマグネットとホール素子を用いた磁束密度の変動を検出するものであっても良い。
次に、調芯動作について図1および図2を参照しつつ説明する。図2は調芯工具を用いた調芯動作フローを示す。
作業者は、調芯工具200にレンズ鏡筒100を装着する(S100)。装着後、調芯工具200は、レンズ鏡筒100の装着を確認し(S201)、レンズ鏡筒100側へ電力を供給する。
レンズ鏡筒100は、レンズCPU103が工具CPU206と通信を開始する(S101)。レンズCPU103は、上述のように調芯をするための調芯モードのプログラムを有しており、調芯工具200に取り付けられたことを検知すると、調芯モードに移行する(S102)。
また、レンズCPU103は、レンズ鏡筒100の工程情報やシリアル情報を有しており、これら情報を工具PC206に読み込み、工具PC206で調整検査工程の管理を行えるようにする。
調芯工具200は、レンズ鏡筒100内のAF駆動部117駆動し、不図示のフォーカスレンズ群を所定のフォーカス位置に駆動させように指示する。フォーカスレンズ群は、その指令に従い、所定位置に移動される。この所定のフォーカス位置は、無限位置等の、所定のスタート位置である。
レンズ鏡筒100は、ブレ補正レンズ102の駆動に先立ち、不図示の電磁ロックを解除する(S104)。電磁ロックは、ブレ補正レンズ102を所定の位置に固定するためのロック機構である。この電磁ロックを解除することによりブレ補正レンズ102はVCM113やチルト駆動部122の駆動力により駆動することが可能になる。
調芯工具200は、ズームエンコーダ107からの位置情報および姿勢センサ118からの姿勢情報等の情報をレンズCPU103から読み込み(S203)、レンズ鏡筒100の姿勢情報を取得する。この姿勢情報の読み込みは、レンズ側のマウント部101の接点を介してレンズCPU103から工具CPU206が受け取ることにより行われる。レンズ鏡筒100が正位置に無い場合には、例えば、工具PC204のモニタを通じて作業者にレンズ鏡筒100を工具用PC204および鏡筒姿勢駆動ステージ207を操作して正位置に移動させるよう指示する。
レンズ鏡筒100は、EEPROM116が有するセンタ位置情報を、ブレ補正レンズ102の目標駆動位置として、追従制御を開始する。センタ位置に移行したら(S105)、調芯工具200の工具CPU206に調芯作業が開始可能である信号を送る。
調芯工具200は、レンズ鏡筒100からの開始可能の信号を受信すると調芯を開始する(S206)。調芯は、レンズ鏡筒100の姿勢に応じ、光軸を回転軸として、正位置(0度)、+45度、+90度、+135度、+180度、+225度、+270度(−90度)、+315度(−45度)それぞれ回転した位置で行う。また、上下方向については、正位置、光軸が下向き45度、下向き90度、上向き45度、上向き90度の5箇所で行う。よって、調芯は、ひとつのズーミング位置において8×5=40箇所で行い、所定のズーミング位置(例えば、広角端状態W、中間焦点距離状態M、望遠端状態Tなど)全て(8×5×3=120箇所)で実行する。なお、調芯の位置は、ひとつのズーミング位置において上記8×5=40箇所に限らず適宜増減しても良い。またズーミング位置は広角端状態W、中間焦点距離状態M、望遠端状態Tの3箇所に限らず、適宜増減しても良い。
作業者は、工具PC204のモニタを介して、発光部201から投光されてレンズ鏡筒100を通過し、撮像素子202に入射した光の像より収差の程度を観察し、収差が所定範囲内にあるかどうかを判断する(S207)。収差が所定範囲内にない場合(S207,No)、作業者はチルト駆動量入力部205を操作して(S208)、収差が最小になる最良収差位置にブレ補正レンズ102をチルト駆動する(S106)。チルト駆動量入力部205は、工具PC206を介してチルト駆動されたブレ補正レンズ102のチルト駆動量をレンズ鏡筒100側に出力する。
工具CPU206より送られてきたチルト駆動量情報が、チルト駆動演算部121でブレ補正レンズ102の位置に換算され、ブレ補正レンズ102がチルト駆動部122を介してチルト駆動され、ブレ補正レンズ102のチルト位置が修正される(S106)。
収差が所定範囲内に収まったら(S207,Yes)、調芯補正位置決定の信号をレンズCPU103側に送信する(S209)。調芯補正位置決定の信号を受けたら、レンズCPU103側は、ブレ補正レンズ102の調芯位置とその時のレンズ姿勢情報とズームエンコーダ情報をレンズCPU103に送信し、不図示のRAMに記憶する(S107)。
正位置での調整が終了したら、他のレンズ姿勢や他のズーミング位置などでも同様の調芯工程を行う(S210)。レンズCPU103は、それそれの位置でのチルト位置情報をRAMに記憶する(S107)。
調芯が終了したら(S211)、終了通知をレンズCPU103へ送る。レンズCPU103側では、各調芯工程での最良収差位置情報を基に、他の姿勢での最良収差位置情報を補間演算(例えば、最小二乗法等)し、それぞれの姿勢に応じた最良収差位置情報を算出する。これらの工程により、レンズ姿勢やズーミング位置それぞれの姿勢に応じたチルト駆動後の最良収差位置情報を決定することができる(S108)。
ブレ補正レンズ102の最良収差位置情報の姿勢に応じた補間処理が完了したら、EEPROM116に、全姿勢でのブレ補正レンズ102の最良収差位置情報として記憶する(S109)。そして、調芯工具200からレンズ鏡筒100を取り外し(S110)、調芯工程を終了する。なお、EEPROM116に保存する補間演算による姿勢データを含めた全姿勢データ量が膨大になる場合は、EEPROM116に調芯によって得られた計測データ(補間演算データを除く)の最良収差位置情報のみを記憶しておき、レンズCPU103で各時点のレンズ鏡筒102の姿勢に対応する位置情報を保存されている既知の情報から補間演算してチルト駆動制御するようにしても良い。
次に、レンズ鏡筒100をカメラに装着した状態でのブレ補正レンズ102の最良収差位置情報を用いた、ブレ補正SW115がON時の収差補正動作について説明する。
図3は、実施の形態にかかるレンズ鏡筒100を装着したカメラの概略構成図を示す。
図3において、不図示の被写体からの光は、レンズ鏡筒100で集光され、クイックリターンミラー12で反射されて焦点板13に結像される。焦点板13に結像された被写体像は、ペンタプリズム14で複数回反射されて接眼レンズ15を介して撮影者に正立像として観察可能に構成されている。
撮影者は、不図示のレリーズ釦を半押ししながら接眼レンズ15を介して被写体像を観察して撮影構図を決めた後、レリーズ釦を全押しする。レリーズ釦を全押しした時、クイックリターンミラー12が上方に跳ね上げられ不図示のシャッタが動作し被写体からの光は撮像素子16で受光され撮影画像が取得され、不図示のメモリに記録される。
レリーズ釦を全押しした時、レンズ鏡筒100に内蔵されている姿勢センサ118や角速度センサ105でレンズ鏡筒100またはカメラ10の姿勢やブレが検出されてレンズCPU103に伝達される。CPU103は、ブレ補正レンズ102を図1に示すVCM113やチルト駆動部122を介して光軸に直交方向駆動およびチルト駆動して撮像素子16上における像ぶれや姿勢変化による収差を補正する。
図4は、ブレ補正SW115がONの時の収差補正の動作フローを示す図である。
レンズ鏡筒100が図3に示すカメラ10に装着された状態で、カメラ10のレリーズが半押しされると(S301)、ブレ補正レンズ102に電源供給が開始され、ブレ補正シーケンスが開始される。
まず、ブレ補正レンズ102の動きを機械的に規制している電磁ロックが解除される(S302)。ブレ補正レンズ102を制御センタ位置へ駆動する(S303)。この時点でのセンタ位置は、ブレ補正レンズ102の位置検出部114からの情報であって、チルト位置検出部123の位置ではない。
角速度センサ105、姿勢センサ118、ズームエンコーダ107の情報から、撮像素子16面での収差が最小になるように、ブレ補正レンズ102のシフト駆動およびチルト駆動制御を開始する。このときブレ補正レンズ102が、現在のレンズ鏡筒100の姿勢における最良収差位置になるように駆動制御が開始される(S304)。この状態でレリーズ全押し信号の入力を待つ(S306)。
カメラ10のレリーズが全押しされると(S306、Yes)、不図示のクイックリターンミラーが跳ね上がる最中に、姿勢情報やズーミング情報から最良収差位置にブレ補正レンズ102をチルト駆動する(S308)。チルト駆動終了後、ブレ補正を再開する(S309)。
ブレ補正が完了しブレ補正レンズ102が停止(S311)した後、所定のシヤッタ速度において露光が行われる(S312)。その後、半押しタイマーが動作中であれば(S313、Yes)、S304以降の防振、チルト駆動を行い、半押しタイマーが切れていれば(S313、No)電磁ロックが駆動されてブレ補正レンズ102が機械的に保持され(S314)、動作フローが終了する。
このように、調芯工程で得られた最良収差位置を中心としてブレ補正およびチルト補正を実行して撮影を行うので、光学性能的に最も収差性能がよい状態での撮影が可能となる。
次に、調芯工程で算出したブレ補正レンズ102の最良収差位置情報を用いた、ブレ補正SW115がOFF時の収差補正動作について図5を参照しつつ説明する。図5は、ブレ補正SWがOFF時の収差補正動作フローを示す図である。
レンズ鏡筒100が図3に示すカメラ10に装着された状態で、カメラのレリーズが半押しされ(S401)、次いでレリーズが全押しされる(S402)と、クイックリターンミラー12が跳ね上り、電磁ロックが解除される(S403)。
現在のレンズ鏡筒100の姿勢情報がレンズCPU103によって読み込まれる(S404)。ブレ補正レンズ102が、現在のレンズ鏡筒100の姿勢における最良収差位置にチルト駆動される(S405)。この最良収差位置は、上述のブレ補正SW115がONの場合と同様に、姿勢センサ118やズームエンコーダ107等によって検知されたレンズ鏡筒100の現在姿勢により異なり、レンズCPU103で姿勢が検出されてチルト補正のためのブレ補正レンズ102の最良収差位置が算出される。チルト駆動してブレ補正レンズ102停止(S406)後、所定のシヤッタ速度において露光が行われる(S407)。その後、半押しタイマーが動作中であれば(S409、Yes)、S402以降のチルト駆動を行い、半押しタイマーが切れていれば(S409、No)電磁ロックが駆動されてブレ補正レンズ102が機械的に保持され(S410)、動作フローが終了する。
このように、ブレ補正SW115がOFFのときにも、調芯工程で得られたチルト補正による最良収差位置で撮影を行うので、光学性能的に最も収差性能がよい位置での撮影が可能となる。
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)レンズ鏡筒100に含まれる複数のレンズ群104、104からなる撮影光学系により撮像面上に生じる収差が最も少なくなるブレ補正レンズ102の位置を、個々のレンズ鏡筒100ごとに姿勢に対応した最良収差位置としてEEPROM116に記憶させレンズCPU103で補間演算処理する。そして撮影時においては、その姿勢における最良収差位置にブレ補正レンズ102を移動させてから撮影を行う。このように、レンズ鏡筒100により異なる収差を、レンズ鏡筒100ごとに調整するので、各レンズ鏡筒の収差をそれぞれ最小にすることができ、高い結像性能を達成することができる。
(2)また、最良収差位置は、姿勢に応じて収差が小さくなるようにブレ補正レンズ102の位置が変化するので、それぞれの姿勢において、光学性能的に最も収差性能がよい状態での撮影が可能となる。
(3)既存のブレ補正レンズ102にチルト駆動、検出手段を追加することで達成できるので、少ない変更で対応することができる。
(4)ブレ補正を行う場合は、最良収差位置をセンタ位置として行われるので、迅速なブレ補正を行うことができる。
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が
可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施の形態では、収差の補正をブレ補正レンズを用いて行う形態を示したが、これに限定されない。ブレ補正レンズに限らず、例えば、光軸に対してチルト移動可能なレンズであれば、他のレンズを用いることもでき、また例えば収差補正用のレンズを別途設ける構成であってもよい。
例えば、収差を補正するレンズがブレ補正レンズである場合、記億部に記憶された収差が小さくなる位置にブレ補正レンズを引き戻し(センタリング)してもよい。収差が小さくなる位置にブレ補正レンズを引き戻すことにより、光学特性の良い状態で撮影できるからである。また、収差が小さくなる位置にブレ補正レンズを引き戻すことにより、実質的にブレ補正レンズが駆動可能な駆動範囲を大きくすることができる。
ブレ補正レンズの引き戻しは、撮像部で撮像する前(露光前)に行っても良いし、撮像部で撮像しているとき(露光中)に行ってもよい。また、ブレ補正レンズは光軸に対して直交するものに限定されない。
例えば、ブレ補正レンズ以外のレンズを用いて収差を補正する場合、露光前に収差を補正するレンズを駆動して収差を補正し、露光中に収差を補正するシンズを停止させることも好ましい。露光中に収差を補正するレンズが停止しているので、不要な像ブレが抑えられるからである。
(2)上述の実施の形態では、調芯工具をレンズ鏡筒に取り付ける構造としたが、これに限定されない。例えば、調芯工具の機能を、カメラに持たせるようにしてもよく、この場合、調芯工具の撮像素子は、カメラの撮像素子と兼用することができる。
(3)上述の実施の形態では、作業者がチルト駆動量入力部を操作して、収差が最小になる最良収差位置にブレ補正レンズをチルト駆動するように説明したが、これに限定されない。例えば、工具CPUが自動的にブレ補正レンズを最良収差位置に駆動するようにしてもよい。
(4)上述の実施の形態では、光軸を回転軸として、正位置(0度)、+45度、+90度、+135度、+180度、+225度、+270度(−90度)、+315度(−45度)それぞれ回転し、上下方向は、正位置、上向き45度、90度、下向き45度、90度、ズーミング位置は、広角端状態W、中間焦点距離状態M、望遠端状態Tの3箇所(計120箇所)でそれぞれ調芯を行ったが、これに限定されない。例えばそれ以上の姿勢において測定することにより、さらに高精度の収差の補正が可能となる。
なお、実施の形態および変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施の形態によって限定されることはない。
実施の形態にかかる、レンズ鏡筒およびそのレンズ鏡筒の調芯を行う調芯工具のブロック成図。 実施の形態にかかるレンズ鏡筒の調芯時のフローを示す。 実施の形態にかかるレンズ鏡筒を有する撮像装置の概略構成図である。 ブレ補正SWがON時の収差補正動作フローを示す図である。 ブレ補正SWがOFF時の収差補正動作フローを示す図である。
符号の説明
10 撮像装置(カメラ)
16、202 撮像素子
100 レンズ鏡筒
102 ブレ補正レンズ
104 レンズ群
107 ズームエンコーダ
113 VCM
116 EEPROM
118 姿勢センサ
121 チルト駆動演算部
122 チルト駆動部
123 チルト位置検出部
200 調芯工具

Claims (5)

  1. レンズに対して相対的に移動可能な補正レンズを含む撮影光学系と、
    前記撮影光学系を含む装置の姿勢を検出する検出部と、
    前記姿勢に対応した、前記撮影光学系の収差量が抑えられる前記補正レンズの位置情報を記憶可能な記憶部と、
    前記検出部により検出された前記姿勢の情報と、前記記憶部に記憶された前記位置情報とに基づき、前記補正レンズを前記撮影光学系の光軸を含む面内方向に回転させるチルト駆動部と、
    前記撮影光学系のブレによる像のブレを補正する際、前記撮影光学系の光軸と交差する方向に前記補正レンズをシフトさせるシフト駆動部と、
    撮影指示がなされたときに、前記チルト駆動部により前記補正レンズを回転させた後に、前記シフト駆動部によりブレ補正を行う制御部と、
    を備えることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記補正レンズは、前記撮影光学系のブレによる像のブレを補正するレンズであることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記検出部は、前記撮影光学系の光軸周りの姿勢の変化を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ鏡筒。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を有することを特徴とする光学装置。
  5. 請求項に記載の光学装置の調整方法であって、
    撮影時に、前記記憶部に記憶された位置に前記補正レンズを駆動することを特徴とする光学装置の調整方法。
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