JP2014228621A - ブレ補正装置および撮影装置 - Google Patents

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建太 中村
Kenta Nakamura
建太 中村
田中 稔久
Toshihisa Tanaka
稔久 田中
篠原 隆之
Takayuki Shinohara
隆之 篠原
泰登 川島
Yasutaka Kawashima
泰登 川島
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Abstract

【課題】制御性能に優れる撮像素子移動型ブレ補正装置およびそのブレ補正装置を備える撮影装置を提供する。
【解決手段】固定部材(140)に対して相対的に移動可能な移動部材(130)と、前記移動部材(130)に備えられ、光学系による光束を受光して画像信号を出力する画素が二次元状に配置された画素領域(3−1)を有する撮像素子(3)と、前記光学系の光軸(L)に交差する平面上において、前記移動部材(130)を第1軸(X’)に沿って移動させる第1駆動部(132,142)と、前記平面上において、前記移動部材(130)を前記第1軸(X’)に交差する第2軸(Y’)に沿って移動させる第2駆動部(134,144)と、を有し、前記平面上において、前記第1軸(X’)と前記第2軸(Y’)との交点が、前記画素領域(3−1)の中心(O)よりも前記移動部材(130)の重心(G)に近い位置にあるブレ補正装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、ブレ補正装置および撮影装置に関する。
手振れなどによる撮像画像のブレを抑制するブレ補正装置としては、種々のものが知られている。たとえば、特許文献1に示すように、カメラのブレに合わせて、光軸に垂直な平面内で撮像素子を移動させるブレ補正装置が知られている。
このような光学式のブレ補正装置においては、可動部材を移動させるための機構の配置や、可動部材の重心の位置などによって、可動部材を移動させる際に回転トルクが発生してしまう場合があった。この回転トルクは、撮像素子を保持する可動部材の位置制御精度に悪影響を与えるおそれがある。さらに、このような撮像素子を移動させるタイプのブレ補正装置では、回転トルクによって撮像素子が回転してしまうことにより、取得される撮像画像に悪影響を及ぼす可能性があった。
特開2012−226205
本発明の目的は、制御性能に優れる撮像素子移動型のブレ補正装置およびそのブレ補正装置を備える撮影装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明のブレ補正装置(100)は、
固定部材(140)に対して相対的に移動可能な移動部材(130)と、
前記移動部材(130)に備えられ、光学系による光束を受光して画像信号を出力する画素が二次元状に配置された画素領域(3−1)を有する撮像素子(3)と、
前記光学系の光軸(L)に交差する平面上において、前記移動部材(130)を第1軸(X’)に沿って移動させる第1駆動部(132,142)と、
前記平面上において、前記移動部材(130)を前記第1軸(X’)に交差する第2軸(Y’)に沿って移動させる第2駆動部(134,144)と、を有し、
前記平面上において、前記第1軸(X’)と前記第2軸(Y’)との交点が、前記画素領域(3−1)の中心(O)よりも前記移動部材(130)の重心(G)に近い位置にあることを特徴とする。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、実施形態を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替させてもよい。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラの概略ブロック図である。 図2は、図1に示すブレ補正装置の正面斜視図である。 図3は、図2に示すブレ補正装置の組立図である。 図4は、図1に示すカメラにおけるブレ補正動作の制御の一例を示す制御ブロック図である。 図5(A)〜図5(C)は、図2および図3に示すブレ補正装置の検出部、可動部および固定部の位置関係および検出部の検出軸と駆動部の駆動軸との関係を示す。 図6は、X軸に沿って可動部を移動させる例を示す。 図7は、Y軸に沿って可動部を移動させる例を示す。 図8は、KKファクタと可動部の移動量に係る定常偏差との関係を示すグラフである。 図9は、VCMの駆動軸の傾き角度に対するKKファクタおよび可動部重心とVCM駆動軸原点との間の距離の関係を示すグラフである。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るカメラ1は、いわゆるコンパクトデジタルカメラであり、カメラボディ1aとレンズ鏡筒2とが一体化してある。なお、以下の実施形態では、コンパクトデジタルカメラを例に説明するが、本発明はこれに限定されない。たとえば、レンズとカメラボディとが別個に構成される一眼レフデジタルカメラであっても良い。さらに、ミラー機構を省いたミラーレスタイプのカメラであっても良い。また、コンパクトデジタルカメラや一眼レフデジタルカメラに限らず、ビデオカメラ、携帯電話、顕微鏡などの撮像素子を備える光学機器に適用できる。
レンズ鏡筒2は、被写体側から順に、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3を配列して構成される撮像光学系を備えている。また、本実施形態のカメラ1では、第3レンズ群L3の背後(像面側)に、CCDやCMOSに代表される撮像素子3を具備してある。
第1レンズ群L1、第2レンズ群L2、第3レンズ群L3は、光軸Lに沿った方向に移動可能に備えられており、これらを光軸沿って移動させることにより、カメラ1の焦点距離やフォーカス等が調整される。絞り機構4は、カメラ1の露光を制御する。
撮像素子3は、図2に示すように、画素が二次元状に配置された画素領域3−1を有する。図1に示すように、撮像素子3は、撮像光学系が画素領域3−1に結像する被写体像の光に基づいて、電気的な画像出力信号を生成する。また、撮像素子3は、ブレ補正装置100の一部を構成しており、CPU14からの信号を受けたブレ補正装置100により、撮像素子3の画素領域3−1に平行な面内(光軸Lと交差する面内)で移動され、この動作により、撮像光学系により画素領域3−1に結像される像の、カメラの動きに起因するブレを低減する。撮像素子3が生成した画像出力信号は、信号処理回路16で、A/D変換やノイズ処理されてCPU14へ入力する。
カメラボディ1aには、ジャイロセンサなどの角速度センサ12が内蔵してあり、角速度センサ12は、カメラ1に生じる手ブレなどによる角速度を検出し、CPU14に出力する。CPU14には、AFセンサ18からの検出信号も出力され、その検出信号に基づき、駆動機構を制御し、オートフォーカス(AF)機構を実現している。なお、角速度センサ12は、レンズ鏡筒2に備えられても良い。
CPU14には、記憶媒体20、不揮発性メモリ22および各種操作ボタン24などが接続されている。記憶媒体20は、CPU14からの出力信号を受けて、撮影画像を記憶したり、読み出されたりするメモリであり、たとえば着脱自在なカード式メモリである。着脱自在なメモリとしては、SDカード等のさまざまなタイプがあるが、特に限定されるものではない。
不揮発性メモリ22は、ジャイロセンサのゲイン値およびホール素子の校正値などの調整値情報が記憶してあり、CPU14と共にカメラの内部に内蔵してある半導体メモリなどで構成される。各種操作ボタン24としては、たとえばレリーズスイッチが例示され、レリーズスイッチを半押しまたは全押しすることで、その信号がCPU14に入力される。
図1に示すブレ補正装置100の構成を図2および図3を用いて説明する。なお、以下の説明では、光軸Lに平行な軸をZ軸とする。ブレ補正装置100は、可動部130および固定部140を備える。固定部140は、位置検出部120を含み、固定部140と位置検出部120とは、ビス150で固定されている。
位置検出部120には、第1ホール素子122および第2ホール素子124が備えられ、可動部130の位置を検出する。第1ホール素子122は光軸Lに垂直なX軸に検出軸を持ち、第2ホール素子124は光軸Lに垂直なY軸に検出軸を持つ。
第1ホール素子122および第2ホール素子124は、可動部130に備えられる第1磁石132および第2磁石134の磁界を検出して、可動部130の位置を検出する。
図3に示すように、可動部130は、撮像素子3、第1磁石132および第2磁石134を備える。可動部130は、引張コイルばね145により、固定部140に取り付けられている。
引張コイルばね145は、固定部側ばね取付部146と可動部側ばね取付部136との間に取り付けられている。引張コイルばね145は、可動部130を固定部140に近づける方向に付勢しており、光軸Lに交差する平面上において、撮像素子3の画素領域3−1の撮像領域中心Oを光軸L側に復帰させるように可動部130に力を作用させている。
可動部130は、3個のセラミックボール148を介して摺動することで、光軸Lに交差する平面上(たとえば、X軸とY軸を含む面、光軸Lに直交する面)を固定部140に対して相対移動する。すなわち、可動部130は、撮像素子3の画素領域3−1に平行な平面上において固定部140に対して相対移動する。なお、引張コイルばね145およびセラミックボール148の数量は、可動部130および固定部140の形状等に合わせて、適宜変更可能である。
可動部130は、可動部130に備えられる第1磁石132および第2磁石134と、固定部140に備えられる第1駆動コイル142および第2駆動コイル144との相互作用によって発生する駆動力により、撮像素子3の画素領域3−1に平行な平面上を移動する。第1磁石132と第1駆動コイル142とが第1VCM152を構成し、第2磁石134と第2駆動コイル144とが第2VCM154を構成している。なお、VCMとはボイスコイルモータの略称である。
図1〜図3に示すブレ補正装置100によるブレ補正動作の一例を図4に示す。ブレ補正装置100は、図4に示すように、目標位置生成部162、減算器164、フィードフォワードコントローラ166、フィードバックコントローラ168および加算器170をさらに備える。これらの構成は、たとえば、図1に示すカメラボディ1aのCPU14が備えても良いし、レンズ鏡筒2のレンズCPU(不図示)が備えても良い。
図1および図4に示す角速度センサ12は、カメラ1に生じるピッチ方向およびヨー方向のブレ角速度信号ω、ω(rad/s)を検出し、目標位置生成部162に出力する。
目標位置生成部162は、ブレ角速度信号ω、ωを積分してブレ角度θ、θ(rad)に変換し、ブレ角度θ、θを光軸に交差する平面に投影して、可動部目標位置x、y(mm)に関する信号を生成する。可動部目標位置x、yに関する信号は、ブレ角速度信号ω、ωに基づくブレを打ち消すための可動部130の目標位置に関する信号である。
この可動部目標位置x、yとホール素子122,124からの可動部位置座標x、y(mm)とを利用して、コイル142,144を駆動するためのコイル駆動電流Ix’、Iy’(A)が生成される。
具体的には、可動部目標位置x、yに関する信号が、フィードフォワードコントローラ166を介して、加算器170に入力される。また、可動部目標位置x、yに関する信号と可動部位置座標x、yに関する信号とが、減算器164およびフィードバックコントローラ168を介して、加算器170に入力される。加算器170は、入力されたこれらの信号を利用して、コイル駆動電流Ix’、Iy’を生成し、第1VCM152(第1駆動コイル142)および第2VCM154(第2駆動コイル144)に出力する。
第1VCM152および第2VCM154にコイル駆動電流Ix’、Iy’が入力されると、図5に示すように、可動部130に電磁駆動力Fx’、Fy’が作用する。可動部130は、電磁駆動力Fx’、Fy’により、撮像素子3の画素領域3−1に平行な平面上で目標位置に向けて移動される。
図5に示すホール素子122,124は、可動部位置座標x、yを検出して、フィードバックコントローラ168に出力する。ブレ補正動作中においては、角速度センサ12とブレ補正装置100とで上記の制御を繰り返し、ブレ補正を行う。
次に、図5を用いて、本実施形態のブレ補正装置100の位置検出部120と可動部130と固定部140との位置関係を詳細に説明する。図2および図3に示すように、位置検出部120は固定部140に取り付けられている。可動部130は、位置検出部120と固定部140との間に配置されており、撮像素子3の画素領域3−1に平行な平面上において固定部130に対して相対移動可能である。
以下の説明では、光軸Lに垂直なX−Y平面上にある相互に垂直な軸をA1軸およびA2軸とする。A1,A2軸は、光軸Lに垂直な平面において光軸Lを通り、相互に垂直である。A1軸およびA2軸は、X軸とY軸とが光軸Lにおいて交差する角度を二等分する。
図5(A)に示すように、検出部120は、第1ホール素子122および第2ホール素子124を備え、可動部130のX軸およびY軸に沿った位置座標を検出する。すなわち、第1ホール素子122は、図5(B)に示す可動部130に備えられる第1磁石132のX軸方向の位置を検出し、第2ホール素子124は、第2磁石134のY軸方向の位置を検出する。本実施形態では、X軸とY軸とは光軸Lを通り相互に垂直であるが、光軸Lを通らないで垂直以外の角度で交差しても良い。
図5(B)に示すように、可動部130は、撮像素子3、第1磁石132および第2磁石134を備える。可動部130は略正方形であり、本実施形態では、その中心とは異なる位置に撮像素子3を配置してある。なお、可動部130は長方形または円形であっても良く、撮像素子3は可動部130の中心に配置されても良い。
第1磁石132はその中心がX’軸を通るように配置してあり、第2磁石132はその中心がY’軸を通るように配置してある。可動部130の可動部重心Gは、可動部130および可動部130に配置される撮像部3、第1磁石132および第2磁石134等によって決まり、本実施形態では、可動部重心Gは、撮像領域中心Oではなく、A2軸に沿った撮像領域中心Oの上側に存在する。
可動部130は、撮像素子3の画素領域3−1と平行な平面上で目標位置に向けて移動される。すなわち、可動部130の第1磁石132と図5(C)に示す固定部140の第1駆動コイル142とは、第1VCM152を構成しており、可動部130にX’軸に沿った電磁駆動力Fx’を作用させることができる。また、可動部130の第2磁石134と固定部140の第2駆動コイル144とは、第2VCM154を構成しており、可動部130にY’軸に沿った電磁駆動力Fy’を作用させることができる。可動部130は、電磁駆動力Fx’、Fy’により、撮像素子3の画素領域3−1と平行な平面上で目標位置に向けて移動される。
図5(B)に示すように、X’軸はX軸に対して駆動軸傾斜角度θで傾斜しており、Y’軸はY軸に対して駆動軸傾斜角度θで傾斜している。ここで、X’軸 とY’軸との交点を駆動軸原点Mとし、可動部130が、その駆動中心である駆動軸原点Mに位置するときに、撮像素子3の撮像領域中心Oが光軸Lを通る。
固定部140は、図5(C)に示すように、第1駆動コイル142および第2駆動コイル144を備える。すなわち、第1駆動コイル142と図5(B)に示す第1磁石132とからなる第1VCM152の駆動軸であるX’軸が、撮像領域中心Oよりも可動部重心Gの近くを通るように、第1駆動コイル142を固定部140に配置する。本実施形態では、ホール素子検出軸Xに対してVCM駆動軸X’を、駆動軸傾斜角度θ(deg)傾けるようにして、第1駆動コイル142を配置する。
また、第2駆動コイル144と第2磁石134とからなる第2VCM154の駆動軸であるY’軸が、撮像領域中心Oよりも可動部重心Gの近くを通るように、第2駆動コイル144を固定部140に配置する。すなわち、ホール素子検出軸Yに対してVCM駆動軸Y’を、駆動軸傾斜角度θ(deg)傾けるようにして、第2駆動コイル144を配置する。なお、X軸に対するX’軸の傾き角度とY軸に対するY’軸の傾き角度とが異なっても良い。また、コイル142,144の固定部140に対する配置位置を変化させて、X’軸およびY’軸が撮像領域中心Oよりも可動部重心Gの近くを通るように調整しても良い。
本実施形態では、第1駆動コイル142および第2駆動コイル144を上記のように配置してあるので、駆動軸X’と駆動軸Y’との交点である駆動軸原点Mが、A2軸に沿って撮像領域中心Oよりも可動部重心Gに近い位置に存在する。好適には、駆動軸原点Mは可動部重心Gに一致する。このとき、駆動軸X’と駆動軸Y’とは直角以外の角度θで交差し、本実施形態ではθは鈍角(例えば、91度〜120度)である。
本実施形態では、図5に示すように、VCM駆動軸X’,Y’が、ホール素子検出軸X,Yに対して駆動軸傾斜角度θで傾いている。そこで、たとえば、図6に示すように、可動部130をX軸方向に移動させる場合には、第1VCM152の駆動力Fx’および第2VCM154の駆動力Fy’を可動部130に作用させる。なぜなら、第1VCM152による駆動力Fx’は、X軸に沿った駆動力成分Fx’xとY軸に沿った駆動力成分Fx’yとを含む。そこで、駆動力Fx’のY軸に沿った駆動力成分Fx’yをキャンセルするように、第2VCM154を駆動する。つまり、第2VCM154による駆動力Fy’のY軸に沿った駆動力成分Fy’yにより、第1VCM152のY軸に沿った駆動力Fx’yをキャンセルする。このように、第1VCM152および第2VCM154を駆動することにより、可動部130をX軸に沿って移動させることができる。なお、上記の場合においては、駆動力Fy’の作用に伴って駆動力Fy’xも作用するので、可動部130には、Fx’xおよびFy’xが作用している。また、図7に示すように、可動部130をY軸方向に移動させる場合も、可動部130をX軸方向に移動させる場合と同様に、第1VCM152の駆動力Fx’および第2VCM154の駆動力Fy’を可動部130に作用させる。
第1VCM152による駆動力Fx’は以下の数式1により表され、第2VCM154の駆動力Fy’は数式2により表される。したがって、数式1および数式2に示すベクトル変換を用いて、第1VCM152および第2VCM154を駆動することにより、ホール素子検出軸X,YとVCM駆動軸X’,Y’との整合性が保たれる。
Figure 2014228621
Figure 2014228621
次に、本実施形態のブレ補正装置の制御性能について説明する。以下では、本実施形態の理解を容易にするために、X軸方向の制御の説明のみを行う。なお、Y軸方向の制御については、X軸方向の制御と同様なので、説明を省略する。
X軸方向の可動部130の加速度aを入力とし、ホール素子が検出するX軸方向の変位XSensorを出力とする伝達関数を数式3に示す。
Figure 2014228621
ここで、mは可動部130の質量(kg)を表し、JGZは可動部重心Gを通るZ軸まわりの慣性モーメント(kg・mm2)を表し、ωおよびωはそれぞれ並進方向(X軸方向)、回転方向(可動部重心Gを通るZ軸方向まわりの回転)の固有角振動数(rad/s)を表し、ζおよびζはそれぞれ並進方向、回転方向の減衰比(−)(無次元数)を表す。また、図5にも示すように、δは駆動力Fの重心ずれ(駆動軸原点M−可動部重心G間距離)(mm)を表し、Bはホール素子122の重心ずれ(mm)を表す。
数式3に示す伝達関数において、第1項は並進方向の伝達関数を表し、第2項は回転方向の伝達関数を表す。この伝達関数は、図5の制御ブロック図において、可動部からホール素子までの伝達関数を表しており、コントローラ部およびVCM部は含まれない。
数式3において、「mδB/JGZ」は、本発明に係るブレ補正装置の制御性能を論じる上で重要なパラメータである。これを、KKファクタと定義し、数式4に表す。
Figure 2014228621
ここで、ブレ補正装置の制御性能の理解を容易にするために、数式5に示すように並進方向および回転方向の共振周波数および減衰比が等しいと仮定し、数式1に示す伝達関数から数式6に示す伝達関数を導く。
Figure 2014228621
Figure 2014228621
数式6に示されるように、KKファクタの値が−1以下の場合は、伝達関数が全周波数帯域に渡って負になる。したがって、この場合は、フィードバックが正帰還になってしまうので、制御不能となる。
KKファクタの値が−1よりも大きく且つ0よりも小さい場合は、数式6に示す伝達関数は正になる。しかしながら、並進成分と回転成分が分割された数式3に示す伝達関数では、回転成分が負となる。したがって、この場合は、回転成分の振舞いが不安定であることが分かる。
KKファクタの値が0以上の場合は、数式6に示す伝達関数が正になり、しかも数式3に示す伝達関数において回転成分が正となり、安定的である。
上記より、KKファクタの値が正であるときは制御が安定し、逆に負であるときは制御が不安定である。したがって、KKファクタの極性は、制御性能に密接に関係する。
数式4に示すように、KKファクタの極性は、駆動力Fの重心ずれδの向きとホール素子位置の重心ずれBの向きとの関係で決まる。つまり、図5に示すように、X軸とX’軸とが、可動部重心Gに対して同じ方向にずれているときに、KKファクタの値が正となり、ブレ補正部100に関する伝達関数が安定になる。
本実施形態では、上記のように、図5に示す駆動軸原点Mが、撮像領域中心Oよりも可動部重心Gに近い位置に存在し、且つX軸とY軸との交点および駆動軸原点Mが、可動部重心Gに対して同じ方向にずれるように第1VCM152と第2VCM154とを配置する。このとき、駆動軸原点Mは、撮像領域中心Oと可動部重心Gとの間に存在する。
図8に、KKファクタの値に応じた、ステップ応答における可動部の移動量に係る定常偏差の関係を示す。図8に示すように、KKファクタの値が0に近い領域では偏差が小さく制御性能に優れ、KKファクタが負の範囲では偏差が大きく制御性能に劣る。本実施形態では、KKファクタが正の領域であり、且つ偏差の値がD1以下に収まる範囲内でKKファクタを設定する。ここで、偏差D1は、偏差の極大値ピークD2の70%の値である。
本実施形態では、上記のように、図5において、駆動軸傾斜角度θを調整することにより、駆動軸原点M−可動部重心G間距離δおよびKKファクタの値を調整する。すなわち、駆動軸原点Mが撮像領域中心Oよりも可動部重心Gに近い位置になるように、および/またはKKファクタの値が0以上であり且つKK1以下となるように、駆動軸傾斜角度θを調整する。
図9に、駆動軸傾斜角度θに対する距離δおよびKKファクタの関係を示す。図9において、横軸が駆動軸傾斜角度θ(deg)、左側の縦軸が距離δ(mm)、右側の縦軸がKKファクタであり、距離δは黒四角のプロットで表示され、KKファクタは黒ひし形のプロットで表示される。図9に示すように、駆動軸傾斜角度θが−αから+αの範囲で、距離δおよびKKファクタが変化する。
距離δは、駆動軸傾斜角度θがθの時に0になる。このとき、図5において、駆動軸原点Mが可動部重心Gに一致する。図9に示す角度θを含む範囲R1(θ≦θ≦θ)にて、駆動軸原点Mが、撮像領域中心Oに対して可動部重心Gに近い位置に存在する。駆動軸原点Mが、可動部重心Gに近い位置になるように、駆動軸傾斜角度θを調整することで、可動部を移動させる際の回転成分を抑制することができる。
また、KKファクタは、駆動軸傾斜角度θがθ以下の時に0以上になり、駆動軸傾斜角度θがθ以上の時にKK1以下になる。つまり、KKファクタは、範囲R2(θ≦θ≦θ)にて、0以上であり且つKK1以下になる。KKファクタが、0以上であり且つKK1以下になるように、駆動軸傾斜角度θを調整することで、可動部を移動させる際に安定した制御を行うことができる。
本実施形態では、範囲R1の条件を満たすとともに範囲R2の条件を満たす範囲R3(θ≦θ≦θ)内で、駆動軸傾斜角度θを調整することが好ましい。範囲R3内に駆動軸傾斜角度θを調整することで、可動部を移動させる際の回転成分を抑制し且つ安定した制御を行うことができるからである。
なお、さらに好適には、上記の範囲R3内において、駆動軸原点M−可動部重心G間距離δが0に近づきしかもKKファクタが正となる(このとき、数式4からも明らかなように、KKファクタの値も0に近づく)ように、駆動軸傾斜角度θをθに調整する。このように、駆動軸傾斜角度θを調整することで、さらに好適に回転成分を抑制し且つ安定した制御を行うことができる。
本実施形態では、図5に示すように、第1VCM152の駆動軸であるX’軸と第2VCM154の駆動軸であるY’軸との交点である駆動軸原点Mを、ブレ補正光学部材L3の撮像領域中心Oよりも可動部130の可動部重心Gに近い位置に配置している。このため、可動部130の駆動軸原点Mを、可動部130の可動部重心Gに近づけることができるので、可動部130を移動させる際に悪影響となる回転成分の影響を抑制し、可動部130の移動に有効な並進成分を効率よく作用させることができる。好ましくは、駆動軸原点Mは可動部重心Gに一致し、このときは回転成分の影響を完全に除去することができる。したがって、本実施形態では、可動部130の目標位置への収束性や可動部130の制御安定性等を向上させ、ブレ補正装置100の制御性能を向上させることができる。さらに、本実施形態では、撮像素子が回転することによる撮像画像への影響も改善されている。
また、本実施形態では、図5に示すように、第1ホール素子122は、X軸とX’軸との交点を含む位置に配置してあり、第2ホール素子124はY軸とY’軸との交点を含む位置に配置してある。好適には、第1ホール素子122の中心をX軸とX’軸との交点に配置し、第2ホール素子124の中心をY軸とY’軸との交点に配置する。このため、駆動部と検出部とで磁石を共有することが可能になり、しかも検出部による検出特性と、駆動部による駆動特性の双方の特性を向上させることができる。また、可動部の撮像領域中心Oが光軸Lを通るときに、第1ホール素子122および第2ホール素子124はともに0に対応する位置情報を出力する。
本実施形態では、図5に示すように、可動部重心Gと撮像領域中心Oとの間に駆動軸原点Mが存在する。このため、ブレ補正装置の伝達関数に関するKKファクタの値が正の値になる。したがって、本発明に係るブレ補正装置では安定した制御を行うことができる。
本実施形態では、図4に示すように、ブレ検出部12が検出するブレ角速度信号ωp、ωyと、第1ホール素子122,第2ホール素子124が検出する可動部位置座標x、yとを利用して可動部130の制御を行っているので、可動部130を正確な目標位置に収束させることができる。
本実施形態では、第1ホール素子122,第2ホール素子124の検出軸X,Yに沿った目標位置座標を、可動部130の駆動軸X’,Y’に沿った目標移動量に変換して、可動部130を移動させているので、ブレ補正装置の制御を好適に行うことができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されない。
上記の実施形態では、可動部を駆動する手段として、2個のVCMを適用したが、これに限定されず、たとえば、2個以上のVCMであってもよい。また、圧電アクチュエータ等のその他のアクチュエータを使用してもよい。
上記の実施形態では、可動部の位置を検出する手段として、2個のホール素子を適用したが、これに限定されず、2個以上のホール素子であってもよく、また、PSDセンサ等のその他の位置検出手段を使用してもよい。
3 撮像素子
3−1 画素領域
100 ブレ補正装置
120 検出部
122 第1ホール素子
124 第2ホール素子
130 可動部
132 第1磁石
134 第2磁石134
140 固定部
142 第1駆動コイル
144 第1駆動コイル
152 第1VCM
154 第2VCM
G 可動部重心
M 駆動原点
O 撮像領域中心

Claims (8)

  1. 固定部材に対して相対的に移動可能な移動部材と、
    前記移動部材に備えられ、光学系による光束を受光して画像信号を出力する画素が二次元状に配置された画素領域を有する撮像素子と、
    前記光学系の光軸に交差する平面上において、前記移動部材を第1軸に沿って移動させる第1駆動部と、
    前記平面上において、前記移動部材を前記第1軸に交差する第2軸に沿って移動させる第2駆動部と、を有し、
    前記平面上において、前記第1軸と前記第2軸との交点が、前記画素領域の中心よりも前記移動部材の重心に近い位置にあることを特徴とするブレ補正装置。
  2. 前記第1軸と前記第2軸とが直角以外の角度で交差することを特徴とする請求項1に記載のブレ補正装置。
  3. 前記第1駆動部および前記第2駆動部は、前記画素領域と平行な平面上において前記移動部材を移動させることを特徴とする請求項1または2に記載のブレ補正装置。
  4. 前記平面上において、前記光軸を通る第3軸に沿って前記撮像素子の位置を検出する第1検出手段と、
    前記平面上において、前記光軸を通り且つ前記第3軸に交差する第4軸に沿って前記撮像素子の位置を検出する第2検出手段と、をさらに有し、
    前記第1検出手段が前記第3軸と前記第1軸との交点を含む位置に配置してあり、
    前記第2検出手段が前記第4軸と前記第2軸との交点を含む位置に配置してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のブレ補正装置。
  5. 前記平面上において、前記第1軸と前記第2軸との交点が、前記移動部材の重心と前記画素領域の中心との間にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブレ補正装置。
  6. 像ブレを検出しブレ信号を出力するブレ検出部と、
    前記ブレ信号を用いて前記第1駆動部および前記第2駆動部を制御する制御部と、をさらに有する請求項1〜5のいずれかに記載のブレ補正装置。
  7. 前記制御部は、前記撮像素子の位置座標と前記ブレ信号とを用いて、前記撮像素子の前記第3軸および前記第4軸に平行な目標位置座標を算出し、前記目標位置座標を用いて前記撮像素子の前記第1軸および前記第2軸に沿った目標移動量を算出し、前記目標移動量を用いて前記第1駆動部および前記第2駆動部を制御することを特徴とする請求項6に記載のブレ補正装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のブレ補正装置を含む撮影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114295331A (zh) * 2021-12-29 2022-04-08 昆山丘钛微电子科技股份有限公司 一种多摄模组光轴测试方法、装置、设备和介质
WO2023206087A1 (en) * 2022-04-26 2023-11-02 Guangdong Oppo Mobile Telecommunications Corp., Ltd. Image stabilization apparatus, imaging apparatus, and image stabilization method

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